JP3975739B2 - 有機elディスプレイ用対向基板の製造方法および有機elディスプレイの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットディスプレイや平面光源などに使用される有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、有機ELディスプレイと略す)に用いる対向基板とその製造方法および有機ELディスプレイの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の情報通信分野における急速な技術開発の進展に伴い、CRTに代わるフラットディスプレイに大きな期待が寄せられている。なかでも有機ELディスプレイは、高速応答性、視認性、輝度などの点に優れるため盛んに研究が行われている。
【0003】
1987年に米国コダック社のTangらによって発表された有機EL素子は、有機薄膜の2層積層構造を有し、発光層にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下「Alq」と略称する)を使用し、10V以下の低電圧駆動で、1000cd/m2と高輝度が得られた(Appl.Phys.Lett.,51,913(1987))。
【0004】
以降、急速に実用化に向けた研究が進められ、正孔注入電極と電子注入電極に挟まれた有機層が1層〜10層程度の様々な積層型の有機EL素子が開発されてきている。材料に関しても、多岐に渡る低分子化合物を真空蒸着法等により薄膜形成する方法のみならず、高分子系化合物をスピンコート法、インクジェット、ダイコート、フレキソ印刷といった方法で薄膜形成して有機EL素子を作成する方法が提案されている。
【0005】
また、CRTに代わる発光素子として、RGBの3色を発光させるため、RGBの3色の発光素子を1つの基板上に独立に蒸着により形成する方法、白色発光の有機EL素子をカラーフィルタ上に形成する方法、青色発光や紫外発光の有機EL素子を色変換フィルタ上に形成する方法等が提案されている。
【0006】
さらに輝度向上のために、これまで一般的とされてきた透明正孔注入電極からの光取り出しの代わりに、電子注入側を透明化して光を取り出す方法や、高精細・消費電力低下を目的として、TFT基板上に有機EL素子を形成する方法などが提案されてきている。
【0007】
従来の有機EL素子は、効率よく電子注入を行うためにアルカリ金属・アルカリ土類金属・希土類金属などの仕事関数の低い金属および/またはその酸化物・ハロゲン化物を単体あるいはアルミニウムや銀などの金属と合金化したものを通常使用する。
【0008】
また電極間に有機化合物を使用することから、有機EL素子は大気中の酸素・水分により電極および/または有機化合物層が容易に酸化したり、層間剥離を起こすことがある。そのため、ダークスポットと呼ばれる非発光部分が表示面内に生じる。したがって、有機EL素子の安定性と信頼性を向上させることが必要となる。有機EL素子では、大気中の水分・酸素等の活性ガスから素子内部を保護できる封止手段が重要となる。
【0009】
その一例として、発光部の上に低透湿性のバリヤ層を積層する封止手段が提案されている。しかし、充分な防湿性を長期間維持できるものは得られていない。
【0010】
また、防湿性を維持するために、アルカリ金属および/またはその酸化物、水素化物、合成ゼオライト、5酸化2リン等の吸湿性化合物の粉末を、有機ELディスプレイの空間内に置く方法が提案されている。その際に、封止用キャップとして粘着剤や接着剤等を用いて固定を行うこと、吸湿剤を真空加熱蒸着や電子線蒸着、CVD法やスパッタ法などで、真空下で形成する方法などが提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来例では吸湿性材料を有機ELディスプレイの空間内にそのまま封入するために以下のような問題が生じた。
【0012】
まず第1に、吸湿剤が空間内で移動し、有機ELディスプレイの内部構造と接触する可能性が生じる。さらに、吸湿後の膨張等によって内部構造に影響を与える可能性もある。また、各種の有機ELディスプレイを製造しようとする際に、多様なサイズに応じて、再現性よく吸湿剤を封入し、配置することが難しくなり、そのための製造装置がきわめて複雑になる。
【0013】
第2に、粘着剤・接着剤等を用いて吸湿剤を固定化して形成した場合、高温雰囲気下で有機ELディスプレイを使用すると、それらの粘着剤や接着剤からアウトガスが発生し、有機ELディスプレイの内部構造に影響を与える可能性がある。そして、不要なアウトガスにより発光部が部分的に損ねられ、非発光欠点を生じることになった。
【0014】
第3に、有機ELディスプレイの空間内に吸湿剤を配置するに際して、必要かつ充分な量の固体、粉末といった吸湿剤を、所定の領域に配置するには相当の時間を要し、さらに多様なサイズに合わせて、配置位置や量を容易に変更することが難しくなることがある。このため、発光部を形成する工程以外で、生産性を向上させることができず、非効率的な製造方法を強いられることになった。
【0015】
本発明はこれらの問題を解決することを目的とし、多様なサイズの有機ELディスプレイに対応できる対向基板を容易に製造できるようにする。かつ長期にわたり安定に発光できる有機ELディスプレイを得ようとする。また、再現性がよく量産に適した有機ELディスプレイの製造方法を提供し、すぐれた表示品位の有機ELディスプレイを達成するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の態様1は、熱分解性の有機質バインダーと無機質吸湿剤と低融点ガラスとを含む混合物の層を基板上に配置し、その後、前記混合物層を有機質バインダーの熱分解温度以上に加熱して有機質バインダーを除去して、基板上に吸湿剤層を形成する、有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法を提供する。
【0017】
また、態様2は、前記低融点ガラスの軟化温度が600℃以下である態様1に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法を提供する。
【0018】
また、態様3は、基板をソーダガラスまたはノンアルカリガラスを用いたガラス基板とし、前記加熱温度をガラス基板のガラス転移点温度以下とする態様1または2に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法を提供する。
【0019】
また、態様4は、有機質バインダーが解重合性高分子化合物である態様1、2または3に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法を提供する。
【0020】
また、態様5は、前記有機質バインダーの加熱除去を、COガスを実質的に含まないガス雰囲気で行う態様1、2、3または4に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法を提供する。
【0021】
また、態様6は、無機質吸湿剤として、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、5酸化リンまたは合成ゼオライトから選択した少なくとも1つを用いる態様1、2、3、4または5に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法を提供する。
【0022】
また、態様7は、吸湿剤層の厚みが50〜500μmである態様1〜6のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法を提供する。
【0023】
また、態様8は、透明な第1の基板上に透明な第1の電極と発光層と第2の電極とを形成し、第1の基板と吸湿剤層を有する対向基板とを接合材によって接合し、第1の基板と対向基板との間に吸湿剤層が配置された有機ELディスプレイの製造方法において、熱分解性の有機質バインダーと無機質吸湿剤とを含む混合物の層を対向基板上に配置し、この対向基板上に低融点ガラスを主成分とするスペーサ材料を配置し、その後、有機質バインダーの熱分解温度以上かつ低融点ガラスの軟化点温度以上の温度に加熱することによって、有機質バインダーを分解除去し、かつスペーサを形成する有機ELディスプレイを提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の有機ELディスプレイ10の実施の形態1を示す。ガラス、石英または樹脂等を用いた透明な第1の基板11の一方の表面に、ITO等の透明な電極材料による透明な第1の電極12が形成されている。この第1の電極12は、所定の形状や所定ピッチでストライプ状に形成されている。また、従来公知の方法でTFTアレイ等のアクティブ素子が形成された場合、第1の電極12がアクティブ素子の上に形成されてもよい。また、第1の基板11上に発光素子部に合わせてカラーフィルタが配置されていてもよい(図示を省略)。
【0025】
第1の電極12の表面には、ホール注入材料、ホール輸送材料、発光材料をドープしたホール輸送材料、発光材料をドープした電子輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料、その他発光材料などによるEL材料からなる発光層13が積層されている。
【0026】
そして発光層13の表面には、Li、Na、Cs、Ca、Mgなどの低仕事関数金属および/またはこれらの酸化物、水酸化物、フッ化物、塩化物等を、Al、Ag等の低抵抗金属と積層または合金化したものを使用した第2の電極(背面電極)14が適宜積層されている。
【0027】
この第2の電極14は、第1の電極12と対向して所定の形状や、直交するストライプ状等に形成されている。これら第1の基板11上に積層された第1の電極12から第2の電極14までの積層構造が実質的に発光制御層を形成する。
【0028】
ここで発光層13は、母体材料のうちホール輸送材料としては、トリフェニルアミン誘導体(TPD)、ヒドラゾン誘導体、アリールアミン誘導体等がある。また、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン、ポリアニリン誘導体等の高分子系材料も使用できる。
【0029】
一方、電子輸送材料としては、アルミキレート錯体(Alq3)、ジスチリルビフェニル誘導体(DPVBi)、オキサジアゾール誘導体、ビスチリルアントラセン誘導体、ベンゾオキサゾールチオフェン誘導体、ペリレン類、チアゾール類等を用いる。さらに適宜の発光材料を混合してもよく、ホール輸送材料と電子輸送材料を混合した発光層を形成してもよい。その場合、ホール輸送材料と電子輸送材料の比は、10:90〜90:10の範囲で調整できる。
【0030】
本発明に用いる構成部材、上記の第1の基板11、第1の電極12、発光層13、第2の電極14には上記した例の外、従来公知の材料を用いることができる。たとえば、「有機EL材料とディスプレイ」(シーエムシー社発行)などに記載されている。
【0031】
第1の基板11上に積層された第1の電極12から第2の電極14までの発光部は、対向基板16により、接合材17を用いて封止される。また、対向基板16上には外部から侵入してくる湿分を捕捉するための吸湿剤層18が配置されている。
【0032】
本発明において空間内に設ける吸湿剤層18に使用される吸湿剤材料は無機質の吸湿剤であり、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、過酸化物、水素化物、フッ化物、塩化物、硫酸塩、過塩素酸塩、炭酸塩、有機錯体、5酸化2リン、モレキュラーシーブまたはこれらの無機質化合物を必須成分とする複合化物等が挙げられる。また、これらは単独で使用しても、2種以上を共存させてもよい。
【0033】
なかでも酸化バリウムや、5酸化2リンは低湿度環境下でも水分の補足力が強いので好ましい。一方、アルカリ金属酸化物、酸化カルシウムまたは酸化ストロンチウムから選択した1つ、またはこれらの化合物を60重量%以上含有する複合酸化物は、生産工程における材料の取り扱い性または管理上の効率の観点から好ましい。
【0034】
なかでも、酸化カルシウムおよび/またはその複合酸化物は取り扱いが容易であり、また、水分をいったん捕捉した後、再放出しにくいので特に好ましい。また、合成ゼオライトは100℃程度の高温状態でも吸湿した水分を再放出する可能性が低い。また、低温条件でも高い吸湿性を示し、上記の本発明における加熱時に同時に活性化できるので好ましい。また、吸湿特性の再現性がよく、量産した場合のばらつきが少なく、本発明の有機ELディスプレイに使用することが好ましい。
【0035】
通常、これらの吸湿剤は粉末、粒子状、ペレット状の形態で使用されるが、吸湿効率の点で粉末または粒子状、または粒子と粉末の混合状態が好ましい。特に、取り扱いやすさの点では、粉末状であって、平均粒径を20μm以下の値とするのが好ましい。より好ましくは、平均粒径が0.1〜10μmの場合である。
【0036】
また、粉末の最大粒径は500μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは、50μm以下とする。本発明において、吸湿剤を有機ELディスプレイの内部に配置した際に、膜厚ばらつきや異常突起などによる素子との接触・破壊を生じにくくなるからである。さらに、目標とする吸湿剤層の平均厚みよりも最大粒径が小さいことが好ましい。吸湿剤層の厚みより70%以下、さらには50%以下にすることで均一な吸湿材層を形成しやすいので特に好ましい。
【0037】
本発明において、吸湿剤層18は熱分解性の有機質バインダーと上記の無機質吸湿剤とを含む混合物の層を対向基板16上に配置した後に、所定の熱処理工程を経て形成される。配置の方法としては、吸湿剤の粉末やペレットを有機質の低分子化合物や高分子化合物などの有機質バインダーを用いて、混合してペースト状にしたものを、スクリーン印刷、ディスペンサーを用いたディスペンス、ダイコート、ブレードコート、プレス成形等の方法で対向基板16の上にシート状に塗布を行って混合物層を形成する。
【0038】
または、あらかじめシート状等の所望の形状に成形した上記混合物を対向基板上に載置して混合物層とする方法を用いることもできる。なお、混合物層をあらかじめ基板上に形成する方法はこれらに限られるものではない。
【0039】
具体的な好ましい方法としては、たとえば吸湿剤と高分子化合物、硬化性のオリゴマー、モノマーなどの硬化性低分子化合物などの、高分子化合物になりえる低分子化合物、界面活性剤、脂肪酸アミドのような高粘度低分子化合物とを混合した流動性のある混合物を対向基板上にシート状に配置する方法が挙げられる。
また、必要に応じて、後述する補助的なバインダーを混合物にさらに添加して用いてもよい。
さらに、必要に応じて水および/または有機溶剤を上記混合物に添加することもできる。このような成分を含む流動性のある混合物を、対向基板上にシート状に配置し、必要により乾燥して、混合物層を形成する。
【0040】
また、接着性や粘着性を有する有機質バインダーの層をまず対向基板上に形成し、次いで乾燥剤を散布し、必要によりプレス等により密着させる方法を用いてもよい。また、これらの有機質バインダーの層と吸湿剤の層を積層する方法も採用できる。生産工程の効率や一定量を均一に固定化する、また、多様な形状に容易に対応できるという点では、吸湿剤を前記有機質バインダーに均一に分散したものを対向基板に塗布する方法が好ましい。また、複数の吸湿剤を混合して使用してもよく、また、異なる種類の吸湿剤を含む混合物層を積層してもよい。
【0041】
このようにして、対向基板上に配置した混合物層は、その含有する材料成分に応じて、混合物層の表層のみが固体状態で内部が流動状態であってもよく、また、内部まで完全に固体状態で固定化されていてもよい。本発明においては、所定の温度以上に設定した熱処理後に、性能的に安定した吸湿剤層が形成され、配置されるようにする。
【0042】
本発明で用いることのできる有機質バインダーとして、高分子化合物が挙げられる。たとえば、塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、フッ素樹脂、シリコーン系樹脂・セルロース系樹脂等の一種単独または二種以上の組合わせを使用できる。
なお、これらの樹脂には、ゴム弾性を有する柔軟なエラストマーや、硬化性および常温で流動性を有するオリゴマー状化合物等も含まれる。
【0043】
また、高分子化合物として、硬化性樹脂、特に、熱硬化性および/または光硬化性樹脂を含有することも好ましい。なかでも、常温で液状の低粘度樹脂をバインダーとして使用して、硬化させることにより、乾燥剤含有層を対向基板内面に極めて短時間で設けることができる。この場合、有機ELディスプレイの製造時間を短縮できる。
【0044】
このような硬化性樹脂としては、硬化性シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、硬化性アクリル系樹脂、硬化性ポリブタジエン系樹脂、硬化性ポリウレタン等の一種単独または二種以上の組合わせが挙げられる。
【0045】
光硬化性樹脂を用いる場合、熱硬化型に比較して、低温プロセスで硬化可能であり、好ましい。しかし、吸湿剤含量が多い場合には光が透過しないため、硬化が表層部の近傍で止まり、内部まで完全に硬化しないという問題が生ずる。
したがって、光硬化性樹脂の場合、生産工程上の問題で内部まで完全に固定化した状態が必要になる場合には、UVおよび/または可視光の硬化に必要な波長域の光が、形成しようとする吸湿剤層の内部まで充分到達するような厚みに設定することが重要である。または、吸湿剤の含有量を適切に選択することが重要である。光が透過しにくい組成になる場合には、熱硬化性樹脂を選択することが好ましい。
【0046】
本発明において、これらの熱分解性の有機質バインダーと無機質吸湿剤を含む混合物の層を対向基板上に配置した後、その有機質バインダーの熱分解温度以上の温度に加熱して、実質的に有機材料を熱分解して除去する。これにより、二つの基板を封止後、有機ELディスプレイの内部でのアウトガスの発生を抑制できる。
【0047】
また、本発明において、吸湿剤として特にアルカリ金属やアルカリ土類金属系の化合物のように、塩基性部位を有する化合物を使用する場合、熱処理工程において、空気中に存在する炭酸ガスや、熱分解により発生する炭酸ガス・一酸化炭素などのガスを吸収することがある。
【0048】
この炭酸ガス吸収により、吸湿性能の低下が引き起こされる可能性がある。これを抑制するために、有機質バインダーを熱分解する際に、実質的にCOガスが無い状態で行うことが好ましい。COガスの無い状態を作る具体的な方法としては、高純度窒素ガス・高純度アルゴンガスなどの不活性ガス、窒素および酸素の混合ガスなどの炭酸ガスを含有しないガス雰囲気下で有機質バインダーを熱分解する方法が挙げられる。
【0049】
また、有機質バインダーとして解重合性高分子を使用することも有利である。なぜなら、有機質バインダーの熱分解が生じる際に、解重合による熱分解ガスが主成分となり、炭酸ガスや一酸化炭素の発生を抑制できるために好ましい。
【0050】
具体的な解重合性高分子としては、たとえば、テトラフルオロエチレン、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体、α−メチルスチレンなどのモノマー単位を主成分とする単独もしくは共重合体が挙げられる。入手のしやすさや熱分解物の揮発性、安全性の観点でポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリα−メチルスチレンなどが特に好ましい。
【0051】
本発明において、吸湿剤は熱処理後に対向基板上に固定化されることが好ましい。吸湿剤が熱処理工程で基板に固着する場合、特に基板への密着、膜質を改良するための骨材のようなものを添加する必要はない。
しかし、熱処理後の対向基板上への固定化がしにくい、または膜質が脆いといった特性を有する吸湿剤を用いる場合、それを補償するために、必要に応じて補助的なバインダーを含有させることもできる。その際、有機成分を全て熱分解除去できるように、補助的なバインダーとして無機系バインダーを用いることが好ましい。
【0052】
たとえば、アルコキシシラン、アルコキシチタン、シランカップリング剤・チタネート系カップリング剤等の有機金属化合物および低融点ガラス粉末等が挙げられる。
【0053】
また、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランオリゴマー、シラザン等のシラン化合物、テトラアルコキシチタン等に代表される金属元素のアルコキサイド、有機酸塩、アセチルアセトナート塩等、加熱や加湿により無機酸化物・窒化物、金属酸化物、窒化物を形成しうる化合物などが挙げられる。
【0054】
また、低融点ガラスとしては、公知のものを使用できるが、具体的な材料としては、B・PbO、B・PbO・ZnO、B・SiO・PbO、B・SiO・ZnO、PbO・ZnO、PbO・SnO、Pb・SnO、P・ZnO・SnO、B・Bi等の各主成分からなるガラスを使用できる。これら低融点ガラスを使用する際には、その軟化点温度以上で焼成を行うことが好ましい。
【0055】
また、これらの化合物に形状保持や結晶化促進のためにアルミナやジルコニア系酸化物を混合してもよい。また、アルカリ土類金属酸化物のような吸湿剤を用いた場合で、熱処理温度を900℃以下にすると、前記低融点ガラスと吸湿剤とが複合酸化物層を形成せずに、低融点ガラスのみが溶融して多孔質状のバインダーを形成できる。そのため、吸湿剤層の構造上、吸湿剤の吸湿性能が高まるので好ましい。特に700℃以下が好ましく、プロセス効率を考慮すると600℃以下、より好ましくは500℃以下である。
【0056】
このように、安定した吸湿剤層の膜質が得られる点で低融点ガラスが特に好ましい。上記した補助的なバインダーには有機材料との化合物も含まれているが、これらを使用する場合には、熱処理工程によりバインダー中の有機成分が熱分解によって、消失するような条件で熱分解を行えばよい。
【0057】
また、例示したバインダーと吸湿剤とを含む混合物を対向基板上に形成する前に、対向基板をテトラアルコキシシランやシランカップリング剤等の密着性付与剤で処理しておくことも熱処理後の混合物層の固定化のための好ましい方法である。
【0058】
混合物層を対向基板に配置し、加熱処理する前において、混合物層中の吸湿剤の含有量としては、10〜99重量%であることが好ましい。10重量%未満の場合、対向基板上に充分な量の吸湿剤を配置することが困難となる。99重量%を越えると吸湿剤層の形成が困難となる。
好ましくは40〜95重量%、さらに好ましくは60〜90重量%である。また、熱処理後の吸湿剤層における、吸湿剤の含有量は30%以上であることが好ましい。さらには、50%以上が好ましく、特に80%以上が好ましい。高い吸湿性能を維持できるからである。
【0059】
本発明の有機ELディスプレイの製造方法の1態様においては、対向基板上に混合物層を配置した後、有機成分の熱分解温度以上に加熱して有機成分の除去をして吸湿剤層18を形成する。このような温度処理を行うことにより、有機質バインダーの分解除去によって、封止後のアウトガス発生を抑制し、加熱処理による吸湿剤層の多孔化をうながし、さらには、無機材料系バインダーと吸湿剤との複合化によって、吸湿性能の向上および吸湿剤層の膜質の向上といった効果が得られる。
【0060】
本発明で必須とする熱処理の際の温度は、有機質バインダーが熱分解でほとんど消失する温度条件であれば特に制限されない。好ましくは、250℃以上、特に300℃以上、さらには350℃以上の温度で熱処理することが好ましい。
【0061】
熱処理後に形成される吸湿剤層の厚みに制限はない。有機ELディスプレイの封止に使用する接着剤の透湿性や、接着剤の幅、要求される素子寿命によって、吸湿剤の必要量を変更する。しかし、充分な吸湿性を発揮させるために、10μm以上の厚みに形成することが好ましい。特に50μm以上、さらに好ましくは100μm以上とする。また、吸湿剤層の厚みが0.5mmを越えると、形成した吸湿剤層が吸湿後の体積膨張等により素子破壊を起こしたり、対向基板から剥離したりする可能性がある。したがって、所望の厚みに形成できるように製造時の管理が必要となる。
【0062】
本発明における対向基板としてはガス透過性、湿気透過性が低い基板であれば特に制限はない。具体的な基板としては、ソーダライムガラスや、ノンアルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、プラズマディスプレイ用ガラス(旭硝子社製PD200)等の耐熱性ガラス基板が挙げられる。
【0063】
また、アルミニウムやステンレススチールのような金属性基板またはフィルム基板またはセラミック基板も使用できる。なかでも、有機ELディスプレイの発光素子基板と同じ材料を用いて対向基板として使用する場合、発光素子基板と対向基板との線膨張係数が等しくなり、接合部の信頼性が高まるので好ましい。また、対向基板として、ソーダガラス基板やノンアルカリガラス基板を使用する場合、これらの基板のガラス転移温度以下の温度で熱処理をすることが、基板の平坦性を確保できるので好ましい。
【0064】
本発明において、接合材17としては従来公知の接着剤を使用することができる。アウトガスの問題や、耐熱接着性の観点から、無溶剤もしくは溶剤含量が10%以下の接着剤、好ましくは熱および/または光硬化型接着剤、さらに好ましくは常温で0.1〜10000PaS、特に好ましくは1〜5000PaSの粘度の液状接着剤が好適である。
【0065】
具体的には、たとえばアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、イソシアヌレート変性アクリレート、アクリル樹脂変性アクリレートおよび/または前記アクリレートがメタクリレートに変換されたメタクリレート化合物、等のラジカル重合性樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビニルエーテル樹脂等の樹脂を用いたカチオン重合性樹脂、チオール・エン付加型樹脂、ビニル・ハイドロシラン付加型樹脂などの接着剤が挙げられる。
【0066】
これらのうち、硬化時の副成物の発生が少ないカチオン重合性樹脂が好ましい。また、前記樹脂の硬化タイプとしては、有機ELディスプレイの耐熱性を考慮すると光硬化型が素子への熱の影響がなく、低温での硬化が可能となるなので好ましい。
なかでも、光カチオン硬化型エポキシ樹脂および/またはオキセタン樹脂が好ましい。これらの接着剤には、接着性・透湿性等の改良の観点で、シリカ、タルク、炭酸カルシウム等の従来公知のフィラーやシランカップリング剤等の接着付与剤、また、光硬化性のものを使用する場合には、光増感剤が添加されていてもよい。特に接着性の点でシランカップリング剤が添加されていると好ましい。
【0067】
また、接着剤が接触する基板表面にあらかじめシランカップリング剤等の接着性付与剤を塗布処理しておくことも長期接着信頼性の点から好ましい。
また、本発明の実施の形態2を図2に示す。その構成は実施の形態1(図1)の構成とほぼ同様であるが、枠状のスペーサ15がさらに設けられている。枠状のスペーサ15を基板間の構成部材として設けた。このことにより、吸湿剤層の厚みが20μm程度を越える場合に、接合材17の厚みだけで空間を作成することが難しい場合があるが、その封止の際に、吸湿剤層と発光部とが相互に接触しないように空間を設けることが可能となる。
【0068】
また、吸湿剤層がアルカリ土類金属酸化物のように、吸湿後体積変化を起こすようなもので構成されている場合、吸湿剤層の体積膨張も考慮する必要がある。その空間を図1における接合材17の硬化後の厚みで制御する場合、接着剤として熱硬化型接着剤を用いれば、接着剤厚みによらず均一な硬化が期待できる。しかし、上述したような光硬化系接着剤を使用する場合、接着剤厚みが50μmを越えると、光が樹脂材料の内部まで到達しにくくなり、均一な硬化と充分な接着性を発現できない場合がある。
【0069】
また、接着剤の厚み制御は再現性の点で難しくなる問題がある。そこで、上述したような空間を設けるために、金属基板やガラス基板、プラスチック基板をプレス、エッチング、サンドブラストのような研削等の方法で凹状に空間を設ける方法が考えられる。しかし、これらの手法は有機ELディスプレイの多用な素子サイズに容易に対応することが難しくなることがある。図2の実施の形態2における枠状のスペーサ15は低融点ガラスなどのスペーサ材料を焼成することにより形成できる。
【0070】
本発明に用いる低融点ガラスとしては、従来公知のものを使用できる。具体的な例として、たとえばB・PbO、B・PbO・ZnO、B・SiO・PbO、B・SiO・ZnO、PbO・ZnO、P・SnO、P・ZnO・SnO、B・Bi等の各主成分からなるガラスや、これらにアルカリ金属、アルカリ土類金属等を添加したものが挙げられる。
【0071】
これらの中でも軟化温度が600℃以下、好ましくは550℃以下、さらに好ましくは500℃以下であるものが、生産効率や、基板にガラスを使用する場合に、ガラスの耐熱性を超えて加熱する必要がないので好ましい。また、上記の低融点ガラスは焼成中に結晶化するものや、結晶化しないガラスについては、アルミナやジルコニア系酸化物のような、焼成時に形状保持性を向上できるフィラー、または基材との線膨張係数を合わせるように調整できるフィラーを添加することも好ましい。成形性、つまり焼成時に所望の形状を再現性良く形成できるからである。これは、100μm以上の厚みでスペーサを形成する場合が特に好ましい。
【0072】
このような低融点ガラスを用いた枠状スペーサを形成する場合に、使用できる対向基板の材料としては、ソーダライムガラスや、ノンアルカリガラス、ホウケイ酸ガラスのような一般のガラス基板を使用できる。しかし、焼成条件が500℃を越える場合や、焼成時間が長くなる場合には、前記基板を熱処理温度で前処理しておく方法や、基板としてプラズマディスプレイ用ガラス(旭硝子社製PD200)のような耐熱性ガラスを使用することも好ましい。また金属基板を使用した場合、板厚みが薄くても前記の焼成工程における高温変形等の問題が少ないので好ましい。
【0073】
これらの低融点ガラスを用いてスペーサを形成するための方法としては、低融点ガラスの粉末状のものを、ペースト状にして対向基板上に所望の形状で成形し、焼成する方法、あらかじめ低融点ガラスペーストを所望のスペーサ形状に仮焼成して成形したものを対向基板上に搭載し、焼成する方法などが挙げられる。
【0074】
これらの方法によれば、成形が容易であり、必要な空間厚みが厚い場合でも多様な素子サイズにあわせて種々の形状に容易に対応させることができる。
【0075】
前記の低融点ガラスペーストは、従来公知の方法で調整でき、または市販のものをそのまま使用してもよい。具体的には、たとえば、上述した低融点ガラス粉末に、水、有機溶剤等の希釈剤、オリゴマー状のオイル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、セルロース系高分子、酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン、キシレン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂等の高分子またはオリゴマー、脂肪酸アミド、SiO超微粒子(エアロジル)のような揺変性付与剤、等を加えてペースト組成物とし、コーティング、乾燥後焼成することで、本発明に使用できるスペーサを形成できる。
【0076】
これらの低融点ガラスなどのスペーサ材料を用いた一般的なスペーサの形成方法としては、スクリーン印刷、ダイコート、ディスペンサーを用いてシリンジより押し出す方法、金型・鋳型等を用いてプレス成形あるいは転写する方法、あらかじめ所定の膜厚で全面コートしてから、サンドブラスト等の方法を用いて研削成形する方法、前述した方法であらかじめ枠状に成形し、仮乾燥および/または仮焼成して固体状に成形したものを対向基板上に配置する方法等が挙げられる。
【0077】
スペーサ厚みを厚くする場合、たとえばペーストを250kPa以下の減圧状態、好ましくは125kPa以下の減圧下で上記印刷あるいはコーティングを行うことも、焼成後の内部気泡やクラックを抑制するために好ましい。この場合は、ペーストを構成する成分が前記減圧条件下で揮発しないものを選択することが好ましい。
【0078】
また、スペーサの形状としては、有機ELディスプレイの形状に合わせて図3のように枠状スペーサに形成したり、図4のように枠状の中に1〜数カ所空白がある形状にしたり、図5のように点状に形成する方法が挙げられる。この際、接着剤として光硬化型接着剤を使用し、たとえばスペーサが50μm以上といった厚みがある場合には、図3に示す枠状の態様のものが接着剤層を薄くすることができるので好ましい。
【0079】
本発明で用いる吸湿剤層は、スペーサを対向基板上に焼成により形成した後、吸湿剤層を形成しても、スペーサを焼成する前に吸湿材層を形成した後、スペーサ焼成と同時に有機質バインダーの熱分解温度以上かつスペーサ材料の軟化点温度以上で熱処理を行って同時に形成してもよい。スペーサの同時形成を、同じ熱処理工程で行う場合、熱処理温度が一般的には350℃以上になる。この場合は、吸湿剤が製造前に多少吸湿していても、製造時に再活性化できるので、好ましい。
【0080】
また、熱処理工程のなかで、スペーサの形成と同時に吸湿剤層を形成する場合、上述したように、吸湿剤として、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含む化合物のように、塩基性部位を有するものを使用する場合、焼成および有機質バインダーの熱分解の熱処理工程において、空気中に存在する炭酸ガスや、熱分解により発生する炭酸ガス・一酸化炭素などのガスを吸収する。このために、吸湿性能の低下を引き起こす可能性がある。
【0081】
これを抑制するために、熱処理工程を実質的に炭酸ガスが無い状態で行うことが好ましい。具体的に炭酸ガスの無い状態を作る方法としては、高純度窒素ガス・高純度アルゴンガスなどの不活性ガス、窒素および酸素の混合ガスなどの炭酸ガスを含有しないガス雰囲気下で熱処理を行う方法が挙げられる。
【0082】
また、スペーサを形成するために、低融点ガラスおよび高分子化合物を含むペーストを使用する場合、解重合性高分子を使用すると、有機物の熱分解において、熱分解ガスは解重合により生成する分解ガスが主成分となり、炭酸ガスや一酸化炭素の発生を抑制できるので好ましい。具体的な解重合性高分子としては、たとえば、テトラフルオロエチレン、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体、α−メチルスチレンなどのモノマー単位を主成分とする単独もしくは共重合体が挙げられる。入手のしやすさや分解物の揮発性、安全性の観点でポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリα−メチルスチレンなどが特に好ましい。以下、例A1〜A2の基板作成例、例1〜5の実施例および比較例1〜3の説明を行う。
【0083】
(例A1)
第1の基板とするソーダガラス基板上にSiOを20nm、次にITOを膜厚200nmで蒸着して陽極を形成した。シート抵抗は7Ω/□であった。その後、真空蒸着法により正孔注入層として銅フタロシアニンを20nm蒸着し、次に下記化1のα−NPDを膜厚40nmに蒸着して正孔輸送層を形成した。そして、Alqを膜厚60nmに蒸着して発光層を形成した。最後に、MgとAgを共蒸着して膜厚200nmのMgAg(10:1)陰極合金を形成して有機ELディスプレイの発光側基板を形成した。
【0084】
【化1】
Figure 0003975739
【0085】
(例A2)
第1の基板とするソーダガラス基板上にSiOを20nm、次にITOを膜厚200nmで蒸着して陽極2を形成した。シート抵抗は7Ω/□であった。この陽極2上に、真空蒸着法により前記の銅フタロシアニンを20nm、次に、下記化2のTPTEを膜厚40nmに蒸着して正孔輸送層5を形成した。
【0086】
【化2】
Figure 0003975739
【0087】
次に、前記のAlqとルブレンを、異なるボートを用いて膜厚60nmに共蒸着して発光層3を形成した。次に、LiFを0.5nm、最後に、Alを膜厚100nmの厚さで蒸着して陰極を形成し、有機ELディスプレイの発光側基板を形成した。
【0088】
(例A3)
ノンアルカリガラス基板をソーダガラス基板の代わりに使用した以外は、例A2と同様にして有機ELディスプレイを形成した。
【0089】
(例1)
酸化カルシウム粉末(最大粒径50μm)35gをポリメチルメタクリレート樹脂(以下、PMMAという)の25%エチレングリコールブトキシアセテート溶液70g、リン酸錫系低融点ガラス粉末(最大粒径50μm)7gとを混合し、ソーダガラス基板表面にSiO層を形成した基板上にメタルスクリーンを用いて塗布した。
【0090】
これとは別に、リン酸錫系低融点ガラス粉末50gとPMMAの25%エチレングリコールブトキシアセテート溶液70gで調製したペーストをディスペンサーにて、上記の吸湿剤含有混合物の配置部分の外側に四角形状に印刷した。
【0091】
この基板を、窒素雰囲気下、「120℃・30分+350℃・30分+400℃・10分」の条件で加熱処理を行い対向基板を作成した。形成した対向基板は平均150μm厚みの吸湿剤層が形成され、また、平均400μm厚みの低融点ガラスからなるスペーサが形成された。
【0092】
Si(NCO)を主成分とするシランカップリング剤を希釈した溶液をスペーサ表面に塗布した後、さらに、空気雰囲気下で「150℃・1時間」乾燥した。さらに、この上のスペーサ部に接着剤としてナガセスペシャリティーケミカルズ社製XNR5516をディスペンサーにて塗布し、上記の例A−1で形成した発光基板と貼り合わせた。
【0093】
その後、紫外線照射器による照射を行い、窒素雰囲気下「80℃・1時間」加熱を行い封止を行った。このようにして形成した有機ELディスプレイを60℃・90%RH湿度下で保管し、初期状態と比較して、非発光面積が10%増加するまでの時間を測定した。
【0094】
すると、500時間経過後でも、10%まで増加しなかった。また、大気雰囲気下「100℃・24時間」にて保管したが、素子の非発光部は初期と比較し全く変化がなかった。
【0095】
(比較例1)
例1の製造法を用いて、対向基板上にスペーサのみを形成し、吸湿剤含有混合物層を有しない対向基板を作成した。これに、例1と同じ量の酸化カルシウム粉末を散布した後、上記の例A−1で形成した発光基板と、例1と同様の方法で封止を行った。そして、例1と同様の試験を行ったところ、200時間経過後に、酸化カルシウム粉末が素子と部分的に接触し、素子破壊が発生した。
【0096】
(例2)
まず、ソーダガラス基板上にSiO2層を形成した対向基板を準備した。次に、酸化カルシウム粉末45g、最大粒径が50μmである燐酸錫系の低融点ガラス粉末9g、ドデカンジオールアクリレート60g、アゾ系ラジカル重合開始剤である和光純薬社製V−65の0.3gとを良く混錬した後、スクリーン印刷によって対向基板上に塗布した。
【0097】
さらに、例1と同様の方法で、スペーサ材料を基板の周辺に塗布した。そして、「大気下・120℃・30分+350℃・30分+400℃・10分」の条件で、加熱処理を行った。
【0098】
すると、基板の周辺部には平均厚みが約400μmであるスペーサが形成され、基板の中央部には150μm厚みの吸湿剤層が形成された。
【0099】
Si(NCO)を主成分とするシランカップリング剤を希釈した溶液をスペーサの表面に塗布した後、さらに大気下で「150℃・1時間」乾燥した。さらに、スペーサの端部に接着剤として、ナガセスペシャリティーケミカルズ社製XNR5516をディスペンサーにて塗布し、上記の例A−1で形成した発光基板と貼り合せた。
【0100】
その後、紫外線照射器による照射を行い、窒素雰囲気下80℃・1時間の加熱処理を行い、封止を行った。このようにして形成した有機EL素子を60℃・90%RH湿度下で保管し、初期状態と比較して、非発光面積が10%増加するまでの時間を測定したところ、500時間であった。また、大気下100℃・24時間で保管したところ、有機EL素子の非発光部は初期と比較して変化がなかった。
【0101】
(比較例2)
対向基板を準備し、例2と同様の方法でスペーサ材料を配置した。この対向基板を大気下で、「120℃・30分+350℃・30分+400℃・10分」の条件で加熱処理を行った。
その後、例2と同様にして酸化カルシウムを含有するペーストをスクリーン印刷によって対向基板上に印刷した。さらに、例2と同様にして有機EL素子を形成した。
【0102】
60℃・90%RH湿度下で保管し、初期状態と比較して非発光面積が10%増加するまでの時間を測定した。その結果、400時間となった。また、大気下100℃・24時間で保管したところ、有機EL素子の非発光部は初期と比べて20%増大した。
【0103】
(例3)
BaO粉末(最大粒径20μm)85gとポリα−メチルスチレンの50%キシレン溶液30gを混錬したものをソーダガラス基板の表面に塗布した。その後、窒素雰囲気下「120℃・30分+350℃・30分+380℃・30分」の条件で、熱処理を行い、対向基板を作成した。
【0104】
本例で形成した吸湿剤層の厚みは平均30μmであった。この基板の吸湿剤が配置されている部位の外側に枠状に接着剤としてナガセスペシャリティーケミカルズ社製XNR5516をディスペンサーにて塗布し、例A−2で形成した発光基板と貼り合わせた後、紫外線照射器による照射および80℃・1時間、窒素雰囲気下で加熱を行い封止を行った。接着剤の硬化後の厚みは約70μmであった。
【0105】
このようにして形成した有機ELディスプレイを60℃・90%RH湿度下で保管し、初期状態と比較した。そして、非発光面積が10%増加するまでの時間を測定したところ500時間経過後も、10%まで増加していなかった。また、100℃・24時間大気オーブンにて保管したが、有機ELディスプレイの非発光部は初期と比較し全く変化がなかった。
【0106】
(比較例3)
例3の対向基板を作成する際に、例3における「120℃・30分+350℃・30分+380℃・30分」の加熱処理工程の代わりに、150℃・10分の窒素下加熱+150℃・1時間の減圧加熱」をすることで揮発成分を除去した。このようにして、高温熱処理工程を行わない基板を作成した。この基板を用いて例3と同様の方法で有機ELディスプレイの封止を行った。形成した有機ELディスプレイは60℃・90%RHで湿度下保管し、初期状態と比較した。
【0107】
非発光面積が10%増加するまでの時間を測定したところ300時間であった。また、100℃・24時間大気オーブンにて保管したが15%程度の非発光部の増大が確認された。
【0108】
(例4)
スペーサ材料として、50gのASF1304MをPMMAの35%エチレングリコールブトキシアセテート溶液50gと混練してペースト化したものを準備し、表面にSiO層を形成したソーダガラス基板上にスクリーン印刷により枠状に形成した。
【0109】
その後、120℃・30分乾燥した。次に、酸化ストロンチウム粉末(最大粒径50μm)60gおよびPMMAの35%エチレングリコールブトキシアセテート溶液120g、6gの旭硝子社製ASF1304M(最大粒径を50μm以下に選別したもの)を混練してペーストを調製しディスペンサーにより上記の枠状に印刷したスペーサ材料の内側の基板表面に塗布した。
【0110】
この基板を、「120℃・30分+360℃・10分+390℃・20分」の条件で、窒素雰囲気下で加熱処理した。形成した対向基板は100μmの吸湿剤層と300μm厚みのスペーサが形成された。このスペーサ上にシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM403)の0.5%メタノール溶液を塗布し、150℃・10分乾燥した。その後、例1と同様にして有機ELディスプレイを形成し、保管試験を行ったが、60℃・90%RH湿度下で500時間保管しても非発光欠点は増加しなかった。また、100℃・24時間大気下で保管しても変化は生じなかった。
【0111】
(例5)
モレキュラーシーブス13Xの粉末(最大粒径10μm)50gをエチルセルロースの20%エチレングリコールブトキシアセテート溶液50gと混練し、さらに多摩化学工業社製エチルシリケート40の6gを添加し、無アルカリガラス基板上にスクリーン印刷にて塗布した。
【0112】
そして、「120℃・30分+室温・1時間+400℃・1時間」の条件で、空気雰囲気下で加熱処理を行った。吸湿剤層は平均50μm厚みであった。形成した対向基板に接着剤としてナガセスペシャリティーケミカルズ社製XNR5516をディスペンサーにて塗布した。例A−3で形成した発光基板と貼り合わせた後、紫外線照射器による照射および「80℃・1時間」窒素雰囲気下で加熱を行い封止を行った。接着剤の厚みは85μmとした。
【0113】
形成した素子を「60℃・90%」の条件でRH湿度下で保管し、初期状態と比較した。そして、非発光面積が10%増加するまでの時間を測定したところ500時間経過後も10%まで増加は見られなかった。また、100℃・24時間大気オーブンにて保管したが、素子の非発光部は初期と比較し全く変化がなかった。
【0114】
(比較例4)
モレキュラーシーブス13Xの粉末(最大粒径10μm)50gをエチルセルロースの20%エチレングリコールブトキシアセテート溶液50gと混練し、無アルカリガラス基板上にスクリーン印刷にて塗布した。
【0115】
そして、「窒素下で150℃・10分+150℃・1時間」の条件で減圧乾燥を行った。吸湿剤層は平均50μm厚みであった。このようにして形成した対向基板を用いて例5と同様にして有機EL素子を製造した。この有機EL素子を60℃・90%RH条件で保管したところ、350時間で10%の非発光部の増加が見られた。また、100℃・24時間の大気オーブンにて保管したところ10%の非発光部の増大が観察された。
【0116】
図6に本発明の例1〜5の有機ELディスプレイの対向基板上での吸湿剤層および枠状スペーサの配置の状態を示す。発光部側の図示を省略しているが、枠状スペーサ15の内側に入る大きさで吸湿剤層18が形成されている。なお、陽極および陰極からは、外部取り出し電極が枠状スペーサ15よりも外側に出るように延長されている。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、有機ELディスプレイの封止後の発光安定性を保持できる吸湿剤層を安定して形成できる。吸湿剤材料を均一に有機ELディスプレイの空間に対応した位置に導入し固定化できる。そして、有機ELディスプレイの薄型化を達成できる。
【0118】
また、有機質バインダーの熱分解温度以上の温度で熱処理を行うことで、封止後の有機ELディスプレイの内部でアウトガスが生じることがなく、安定した発光を長期にわたり持続することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機ELディスプレイの模式的断面図。
【図2】本発明の有機ELディスプレイの模式的断面図。
【図3】本発明の有機ELディスプレイの模式的平面図。
【図4】本発明の有機ELディスプレイの模式的平面図。
【図5】本発明のスペーサを有する有機ELディスプレイの模式的平面図。
【図6】本発明のスペーサを有する有機ELディスプレイの模式的平面図。
【符号の説明】
10:有機ELディスプレイ
11:第1の透明基板
12:第1の電極
13:発光層
14:第2の電極(背面電極)
15:枠状スペーサ
16:対向基板
17:接合材
18:吸湿剤層

Claims (8)

  1. 熱分解性の有機質バインダーと無機質吸湿剤と低融点ガラスとを含む混合物の層を基板上に配置し、その後、前記混合物層を有機質バインダーの熱分解温度以上に加熱して有機質バインダーを除去して、基板上に吸湿剤層を形成する、有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法。
  2. 前記低融点ガラスの軟化温度が600℃以下である請求項1に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法。
  3. 基板をソーダガラスまたはノンアルカリガラスを用いたガラス基板とし、前記加熱温度をガラス基板のガラス転移点温度以下とする請求項1または2に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法。
  4. 有機質バインダーが解重合性高分子化合物である請求項1、2または3に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法。
  5. 前記有機質バインダーの加熱除去を、COガスを実質的に含まないガス雰囲気で行う請求項1、2、3または4に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法。
  6. 無機質吸湿剤として、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、5酸化リンまたは合成ゼオライトから選択した少なくとも1つを用いる請求項1、2、3、4または5に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法。
  7. 吸湿剤層の厚みが50〜500μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイ用対向基板の製造方法。
  8. 透明な第1の基板上に透明な第1の電極と発光層と第2の電極とを形成し、第1の基板と吸湿剤層を有する対向基板とを接合材によって接合し、第1の基板と対向基板との間に吸湿剤層が配置された有機ELディスプレイの製造方法において、
    熱分解性の有機質バインダーと無機質吸湿剤とを含む混合物の層を対向基板上に配置し、この対向基板上に低融点ガラスを主成分とするスペーサ材料を配置し、その後、有機質バインダーの熱分解温度以上かつ低融点ガラスの軟化点温度以上の温度に加熱することによって、有機質バインダーを分解除去し、かつスペーサを形成する有機ELディスプレイの製造方法。
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