JP3974686B2 - 有機樹脂改質剤および有機樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は有機樹脂改質剤および有機樹脂に関し、詳しくは有機樹脂に高い反応性を付与し得る有機樹脂改質剤および該有機樹脂改質剤により改質された有機樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機官能性基を有するオルガノポリシロキサンは、各種有機樹脂の撥水性,撥油性,耐溶剤性,耐候性,耐熱性,離型性,成形加工性,耐衝撃性等の特性を付与、向上させることから、樹脂改質剤として広く利用されている。中でもアミノ基を有するオルガノポリシロキサンは、ポリイミド樹脂,ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂,フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の改質剤として好適に使用されている。例えば、分子鎖両末端にアミノプロピル基を有するジメチルポリシロキサンはポリイミド樹脂やポリアミド樹脂等の共重合反応成分として使用されており(特開平7−247426号公報,特開平7−247427号公報,特開平7−247428号公報参照)、さらに有機樹脂の反応性を高める目的で、分子鎖両末端にアミノプロピル基を有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体が提案されている(特開平7−268098号公報参照)。しかしこのジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体により改質されたポリイミド樹脂であっても、ビニル基の反応性が十分でないため、例えばビニル基同士を反応させて架橋させた場合に、反応に長時間要するという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解消すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、有機樹脂に高い反応性を付与し得る有機樹脂改質剤および該有機樹脂改質剤により改質された有機樹脂を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式:
【化6】
{式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種または異種の一価炭化水素基であり、Xは式:−R1−NHR2または式:−R1−NH−R1−NHR2で示されるアミノ基(式中、R1は炭素原子数1〜9の二価炭化水素基であり、R2は水素原子または炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)であり、Yは4−ペンテニル基,5−ヘキセニル基,または6−ヘプテニル基であり、mは0〜1,000の整数であり、nは1〜1,000の整数である。}で示されるジオルガノポリシロキサンであって、前記アミノ基の反応性を利用したポリイミド樹脂またはポリアミド樹脂の共重合反応成分である有機樹脂改質剤および該有機樹脂改質剤により改質された有機樹脂であって、式:
【化7】
{式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種または異種の一価炭化水素基であり、Ar1は少なくとも1個の芳香族環を有する四価の有機基であり、Bは式:−R1−または式:−R1−NH−R1−で示される基(式中、R1は炭素原子数1〜9の二価炭化水素基である。)であり、Yは4−ペンテニル基,5−ヘキセニル基,または6−ヘプテニル基であり、mは0〜1,000の整数であり、nは1〜1,000の整数である。}で示される構成単位0.1〜100モル%と式:
【化8】
(式中、Ar2は少なくとも1個の芳香族環を有する四価の有機基であり、Ar3は少なくとも1個の芳香族環を有する二価の有機基である。)で示される構成単位99.9〜0モル%からなるポリイミド樹脂、または式:
【化9】
{式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種または異種の一価炭化水素基であり、R3は二価の有機基であり、Bは式:−R1−または式:−R1−NH−R1−で示される基(式中、R1は炭素原子数1〜9の二価炭化水素基である。)であり、Yは4−ペンテニル基,5−ヘキセニル基,または6−ヘプテニル基であり、mは0〜1,000の整数であり、nは1〜1,000の整数である。}で示される構成単位0.1〜100モル%と式:
【化10】
(式中、R4,R5は二価の有機基である。)で示される構成単位99.9〜0モル%からなるポリアミド樹脂に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明の有機樹脂改質剤について説明する。
本発明の有機樹脂改質剤は、分子鎖両末端に、式:−R1−NHR2または式:−R1−NH−R1−NHR2(式中、R1は炭素原子数1〜9の二価炭化水素基であり、R2は水素原子または炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である。)で示されるアミノ基を有し、側鎖に4−ペンテニル基,5−ヘキセニル基,または6−ヘプテニル基を有するジオルガノポリシロキサンである。上式で示されるアミノ基として具体的には、アミノプロピル基,アミノエチルイミノプロピル基,t−ブチルイミノプロピル基,n−ブチルイミノプロピル基,イソプロピルイミノプロピル基,フェニルイミノプロピル基,シクロヘキシルアミノプロピル基が挙げられる。4−ペンテニル基,5−ヘキセニル基,または6−ヘプテニル基の含有量はケイ素原子に結合してなる全有機基中、0.1〜50モル%の範囲であることが好ましく、さらに1〜50モル%の範囲であることがより好ましい。また、上記アミノ基およびアルケニル基以外のケイ素原子に結合する基としては、脂肪族不飽和結合を含まない一価炭化水素基やトリオルガノシロキシ基が挙げられる。このようなジオルガノポリシロキサンは、一般式:
【化11】
で示される。上式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種または異種の一価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基のようなアルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基のようなアリール基;ベンジル基,フェニチル基のようなアラルキル基が例示される。Xは上式で示されるアミノ基であり、Yは前記した4−ペンテニル基,5−ヘキセニル基,または6−ヘプテニル基である。mは0〜1,000の整数であり、好ましくは0〜500の整数である。nは1〜1,000の整数であり、好ましくは1〜500の整数である。
【0006】
このようなジオルガノポリシロキサンとしては、下記式で示される化合物が例示される。
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【0007】
このジオルガノポリシロキサンは、例えば、一般式:
【化17】
(式中、RおよびYは前記と同じであり、rは3〜6の整数である。)で示される環状のオルガノシロキサン、または一般式:
【化18】
(式中、RおよびYは前記と同じであり、pは1〜80の整数である。)で示される直鎖状のオルガノポリシロキサンと、一般式:
【化19】
(式中、RおよびXは前記と同じであり、qは0〜60の整数である。)で示されるオルガノポリシロキサンと、一般式:
【化20】
(式中、Rおよびrは前記と同じである。)で示される環状のオルガノシロキサンとを、塩基性触媒存在下に再平衡化反応させることにより製造することができる。このとき必要に応じて、一般式:
【化21】
(式中、Rおよびpは前記と同じである。)で示されるオルガノポリシロキサンを加えてもよい。またこの反応は、反応速度の点から、非プロトン系の極性溶媒の存在下に行うことが好ましい。
【0008】
以上のような本発明の有機樹脂改質剤は、分子鎖両末端のアミノ基の反応性を利用してポリイミド樹脂やポリアミド樹脂の共重合反応成分として使用でき、さらに側鎖の長鎖アルケニル基の高い反応性を利用して、該アルケニル基同士を反応させて有機樹脂を架橋させたり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを付加反応させたり、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物を過酸化物の存在下で反応させることができる。これにより本発明の有機樹脂改質剤は有機樹脂に高い反応性を付与し、かつ、優れた撥水性,撥油性,耐溶剤性,耐熱性,離型性,耐衝撃性,接着性等の様々な特性を付与することができるという利点を有する。
【0009】
次に、本発明の有機樹脂について説明する。
本発明の有機樹脂は、上記した本発明の有機樹脂改質剤により改質されたものであり、該有機樹脂改質剤のジオルガノポリシロキサンが有機樹脂モノマーと反応してシロキサン単位が樹脂中に導入された共重合体である。
【0010】
このような本発明の有機樹脂としては、式:
【化22】
で示される構成単位0.1〜100モル%と式:
【化23】
{上式中、Ar1およびAr2は少なくとも1個の芳香族環を有する四価の有機基であり、Ar3は少なくとも1個の芳香族環を有する二価の有機基であり、Bは式:−R1−または式:−R1−NH−R1−で示される基(式中、R1は前記と同じである。)であり、R,Y,mおよびnは前記と同じである。}で示される構成単位99.9〜0モル%からなるポリイミド樹脂や、式:
【化24】
で示される構成単位0.1〜100モル%と式:
【化25】
(上式中、R3,R4,R5は二価の有機基であり、R,Y,m,nおよびBは前記と同じである。)で示される構成単位99.9〜0モル%からなるポリアミド樹脂が挙げられる。上式中、Ar1およびAr2で示される四価の有機基としては、下記式で示される基が例示される。
【化26】
Ar3で示される二価の有機基としては、下記式で示される基が例示される。
【化27】
【0011】
さらに本発明の有機樹脂には補強性充填剤や各種添加剤を配合することができる。補強性充填剤としては、ガラス繊維,炭素繊維,ガラスクロス,炭酸カルシウム,マイカ,タルクが例示される。各種添加剤としては、例えば、強度改良剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,耐光安定剤,耐熱安定剤,可塑剤,発泡剤,結晶核剤,滑剤,帯電防止剤,導電性付与剤,顔料や染料などの着色剤,相溶化剤,架橋剤,難燃剤,防カビ剤,低収縮剤,増粘剤,離型剤,防曇剤,ブルーイング剤,カップリング剤が挙げられる。
【0012】
このような本発明の有機樹脂は反応性が高く、かつ、撥水性,撥油性,耐溶剤性,耐熱性,離型性,耐衝撃性,接着性,寸法安定性等に優れるという利点を有する。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。実施例中、粘度は25℃における測定値である。
【0014】
【参考例1】
攪拌機,還流器,温度計を備えた200ミリリットルフラスコに、式:
【化28】
で示されるジシロキサン20.0グラム,式:
【化29】
で示される環状シロキサン80.2グラムを投入した。これに触媒として水酸化カリウム200ppmを添加して、140〜150℃で8時間反応させた。反応終了後、酢酸300ppmを添加して触媒を中和して100℃で30分間攪拌した。次いでこの反応混合物から、低分子化合物を150℃/10mmHgで留去した後、濾過により酢酸を除去して、粘度35センチストークスの淡黄色透明の液体95グラムを得た。この液体をゲル透過クロマトグラフィー(以下、GPC),核磁気共鳴分析(以下、NMR)および赤外分光分析(以下、IR)により分析したところ、下記平均組成式で示されるジオルガノポリシロキサンであることが判明した。
【化30】
【0015】
【参考例2】
攪拌機,還流器,温度計を備えた200ミリリットルフラスコに、式:
【化31】
で示されるジシロキサン28.0グラム,式:
【化32】
で示される環状シロキサン41.8グラム,式:
【化33】
で示される環状シロキサン32.0グラムを投入した。これに触媒として水酸化カリウム200ppmを添加して、140〜150℃で8時間反応させた。反応終了後、酢酸300ppmを添加して触媒を中和して100℃で30分間攪拌した。次いでこの反応混合物から、低分子化合物を150℃/10mmHgで留去した後、濾過により酢酸を除去して、粘度15センチストークスの淡黄色透明の液体93グラムを得た。この液体を、GPC,NMRおよびIRにより分析したところ、下記平均組成式で示されるジオルガノポリシロキサンであることが判明した。
【化34】
【0016】
【実施例1】
窒素気流下、撹拌機,滴下ロート,温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物16.11gを投入し、乾燥したN−メチルピロリドン120gを加えて溶解した。次いでこれに、室温下、参考例1で得られたジオルガノポリシロキサン16.80gを徐々に滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を行った。次いでこれに、3−アミノフェニルサルホン9.06gを乾燥したN−メチルピロリドン80gに溶解したものを、氷冷下にて徐々に滴下した。滴下終了後、氷冷下で1時間攪拌し、さらに室温下で4時間撹拌して、下記式(A−1)および(B−1)で表される構成単位からなるポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−1):
【化35】
式(B−1):
【化36】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−1):(B−1)=27:73であった。
次に、フラスコにDean Stark還流管を取り付けて、キシレン100gを追加した。この反応溶液を130〜190℃で6時間還流脱水して、下記式(A−2)および(B−2)で表される構成単位からなるポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−2):
【化37】
式(B−2):
【化38】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−2):(B−2)=27:73であった。このようにして得られたポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液の固有粘度を測定したところ、0.45dl/gであった。
また、得られたポリイミド樹脂に、窒素気流下、トリエトキシシラン12.42gと、塩化白金酸−オレフィン錯体をポリイミド樹脂に対する白金金属量が50ppmとなる量配合し、50℃にて加熱撹拌した。2時間および4時間経過後にガラスシリンジを用いて試料を抜き出し、ガスクロマトグラフィーにてトリエトキシシランの消費量を測定して、反応率(付加反応の進行度合)を追跡した。その結果を表1に示した。
【0017】
【実施例2】
窒素気流下、撹拌機,滴下ロート,温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物16.11gを投入し、乾燥したN−メチルピロリドン120gを加えて溶解した。次いでこれに、室温下、参考例1で得られたジオルガノポリシロキサン20.04gを徐々に滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を行った。次いでこれに、2,2'−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン13.92gを乾燥したN−メチルピロリドン80gに溶解したものを、氷冷下にて徐々に滴下した。滴下終了後、氷冷下で1時間攪拌し、さらに室温下で4時間撹拌して、下記式(A−1)および(B−1)で表される構成単位からなるポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−1):
【化39】
式(B−1):
【化40】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−1):(B−1)=32:68であった。
次に、フラスコにDean Stark還流管を取り付けて、キシレン100gを追加した。この反応溶液を130〜190℃で6時間還流脱水して、下記式(A−2)および(B−2)で表される構成単位からなるポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−2):
【化41】
式(B−2):
【化42】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−2):(B−2)=32:68であった。このようにして得られたポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液の固有粘度を測定したところ、0.42dl/gであった。
また、得られたポリイミド樹脂に、窒素気流下、トリエトキシシラン14.81gと、塩化白金酸−オレフィン錯体をポリイミド樹脂に対する白金金属量が50ppmとなる量配合し、50℃にて加熱撹拌した。2時間および4時間経過後にガラスシリンジを用いて試料を抜き出し、ガスクロマトグラフィーにてトリエトキシシランの消費量を測定して、反応率(付加反応の進行度合)を追跡した。その結果を表1に示した。
【0018】
【実施例3】
窒素気流下、撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物16.11gを投入し、乾燥したN−メチルピロリドン120gを加えて溶解した。次いでこれに、室温下、参考例2で得られたジオルガノポリシロキサン18.71gを徐々に滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を行った。次いでこれに、2,2'−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン12.03gを乾燥したN−メチルピロリドン80gに溶解したものを、氷冷下にて徐々に滴下した。滴下終了後、氷冷下で1時間撹拌し、さらに室温下で4時間撹拌して、下記式(A−1)および(B−1)で表される構成単位からなるポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−1):
【化43】
式(B−1):
【化44】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−1):(B−1)=41:59であった。
次に、フラスコにDean Stark還流管を取り付けて、キシレン100gを追加した。この反応溶液を130〜190℃で6時間還流脱水して、下記式(A−2)および(B−2)で表される構成単位からなるポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−2):
【化45】
式(B−2):
【化46】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−2):(B−2)=41:59であった。このようにして得られたポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液の固有粘度を測定したところ、0.47dl/gであった。
また、得られたポリイミド樹脂に、窒素気流下、トリエトキシシラン5.44gと、塩化白金酸−オレフィン錯体をポリイミド樹脂に対する白金金属量が20ppmとなる量配合し、60℃にて加熱撹拌した。2時間および4時間経過後にガラスシリンジを用いて試料を抜き出し、ガスクロマトグラフィーにてトリエトキシシランの消費量を測定して、反応率(付加反応の進行度合)を追跡した。その結果を表1に示した。
【0019】
【比較例1】
窒素気流下、撹拌機,滴下ロート,温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物16.11gを投入し、乾燥したN−メチルピロリドン120gを加えて溶解した。次いでこれに、室温下、式:
【化47】
で表わされるジオルガノポリシロキサン15.93gを徐々に滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を行った。次いでこれに、3−アミノフェニルサルホン7.77gを乾燥したN−メチルピロリドン80gに溶解したものを、氷冷下にて徐々に滴下した。滴下終了後、氷冷下で1時間撹拌し、さらに室温下で4時間撹拌して、下記式(A−1)および(B−1)で表される構成単位からなるポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−1):
【化48】
式(B−1):
【化49】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−1):(B−1)=37:63であった。
次に、フラスコにDean Stark還流管を取り付けて、キシレン100gを追加した。この反応溶液を130〜190℃で6時間還流脱水して、下記式(A−2)および(B−2)で表される構成単位からなるポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−2):
【化50】
式(B−2):
【化51】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−2):(B−2)=37:63であった。このようにして得られたポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液の固有粘度を測定したところ、0.47dl/gであった。
また、得られたポリイミド樹脂に、窒素気流下、トリエトキシシラン5.44gと、塩化白金酸−オレフィン錯体をポリイミド樹脂に対する白金金属量が50ppmとなる量配合し、50℃にて加熱撹拌した。2時間および4時間経過後にガラスシリンジを用いて試料を抜き出し、ガスクロマトグラフィーにてトリエトキシシランの消費量を測定して、反応率(付加反応の進行度合)を追跡した。その結果を表1に示した。
【0020】
【比較例2】
窒素気流下、撹拌機,滴下ロート,温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物16.11gを投入し、乾燥したN−メチルピロリドン120gを加えて溶解した。次いでこれに、室温下、式:
【化52】
で表されるジオルガノポリシロキサン18.49gを徐々に滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を行った。次いでこれに、2,2'−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン11.62gを乾燥したN−メチルピロリドン80gに溶解したものを、氷冷下にて徐々に滴下した。滴下終了後、氷冷下で1時間撹拌し、さらに室温下で4時間撹拌して、下記式(A−1)および(B−1)で表される構成単位からなるポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−1):
【化53】
式(B−1):
【化54】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−1):(B−1)=43:57であった。
次に、フラスコにDean Stark還流管を取り付けて、キシレン100gを追加した。この反応溶液を130〜190℃で6時間還流脱水して、下記式(A−2)および(B−2)で表される構成単位からなるポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−2):
【化55】
式(B−2):
【化56】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−2):(B−2)=43:57であった。このようにして得られたポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液の固有粘度を測定したところ、0.47dl/gであった。
また、得られたポリイミド樹脂に、窒素気流下、トリエトキシシラン5.44gと、塩化白金酸−オレフィン錯体をポリイミド樹脂に対する白金金属量が50ppmとなる量配合し、50℃にて加熱撹拌した。2時間および4時間経過後にガラスシリンジを用いて試料を抜き出し、ガスクロマトグラフィーにてトリエトキシシランの消費量を測定して、反応率(付加反応の進行度合)を追跡した。その結果を表1に示した。
【0021】
【比較例3】
窒素気流下、撹拌機,滴下ロート,温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物16.11gを投入し、乾燥したN−メチルピロリドン120gを加えて溶解した。次いでこれに、室温下、式:
【化57】
で表わされるジオルガノポリシロキサン18.13gを徐々に滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を行った。次いでこれに、2,2'−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン11.12gを乾燥したN−メチルピロリドン80gに溶解したものを、氷冷下にて徐々に滴下した。滴下終了後、氷冷下で1時間撹拌し、さらに室温下で4時間撹拌して、下記式(A−1)および(B−1)で表される構成単位からなるポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−1):
【化58】
式(B−1):
【化59】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−1):(B−1)=46:54であった。
次に、フラスコにDean Stark還流管を取り付けて、キシレン100gを追加した。この反応溶液を130〜190℃で6時間還流脱水して、下記式(A−2)および(B−2)で表される構成単位からなるポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液を得た。
式(A−2):
【化60】
式(B−2):
【化61】
上記構成単位の共重合比(モル%)は、(A−2):(B−2)=46:54であった。このようにして得られたポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン溶液の固有粘度を測定したところ、0.47dl/gであった。
また、得られたポリイミド樹脂に、窒素気流下、トリエトキシシラン5.44gと、塩化白金酸−オレフィン錯体をポリイミド樹脂に対する白金金属量が20ppmとなる量配合し、60℃にて加熱撹拌した。2時間および4時間経過後にガラスシリンジを用いて試料を抜き出し、ガスクロマトグラフィーにてトリエトキシシランの消費量を測定して、反応率(付加反応の進行度合)を追跡した。その結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】
以上のような本発明の有機樹脂改質剤は分子鎖両末端にアミノ基を有し、側鎖に長鎖アルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンであり、これにより該有機樹脂改質剤により改質された有機樹脂は高い反応性を示すという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は参考例1で得られたジオルガノポリシロキサンのIRチャートである。
Claims (3)
- 請求項1記載の有機樹脂改質剤により改質された有機樹脂が、式:
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