この発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、コードシーケンサにおける演奏パターンの選択や演奏データの生成に当り、演奏パターン乃至演奏データを絵柄で容易に確認し、好みの演奏パターンを素早く選択し、演奏データ選択の利便性を高めて負担感を少なくすると共に、演奏援助表示をも効果的に行うことができる演奏パターン処理システムを提供することを目的とする。
この発明の第1の特徴に従うと、演奏パターンをイベントシーケンスで表わした複数のパターンデータのリストを画面上に表示するリスト表示手段と、リスト表示されたパターンデータのうちの1つに対応する簡易図式化パターンをリスト表示と共に上記画面上に表示する簡易図式表示手段と、選別情報を入力する選別情報入力手段と、入力された選別情報に基づいて、予め用意された複数のパターンデータから該選別情報に該当するパターンデータを選別し、選別したパターンデータのリストを表示させるパターン選別手段とを具備する演奏パターン処理装置〔請求項1〕、並びに、演奏パターンをイベントシーケンスで表わした複数のパターンデータのリストを画面上に表示するリスト表示ステップと、リスト表示されたパターンデータのうちの1つに対応する簡易図式化パターンをリスト表示と共に上記画面上に表示する簡易図式表示ステップと、選別情報を入力する選別情報入力ステップと、入力された選別情報に基づいて、予め用意された複数のパターンデータから該選別情報に該当するパターンデータを選別し、選別したパターンデータのリストを表示させるパターン選別ステップとから成る手順をコンピュータに実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムを記録している演奏パターン処理プログラム記録媒体〔請求項4〕が提供される。
この特徴に従う演奏パターン処理装置においては、選別情報は、拍子、伴奏スタイル、3連系、難易度、及び、演奏パターンのバリエーション数に応じて定められた規模の何れかである〔請求項2〕ように構成することができる。
この発明の第2の特徴に従うと、演奏パターンをイベントシーケンスで表わした複数のパターンデータのリストを画面上に表示するリスト表示手段と、リスト表示されたパターンデータのうちの1つに対応する簡易図式化パターンをリスト表示と共に上記画面上に表示する簡易図式表示手段と、演奏データ作成範囲の音楽的条件に対応する選別情報に基づいて、予め用意された複数のパターンデータから該選別情報に該当するパターンデータを選別し、選別したパターンデータのリストを表示させるパターン選別手段とを具備する演奏パターン処理装置〔請求項3〕、並びに、演奏パターンをイベントシーケンスで表わした複数のパターンデータのリストを画面上に表示するリスト表示ステップと、リスト表示されたパターンデータのうちの1つに対応する簡易図式化パターンをリスト表示と共に上記画面上に表示する簡易図式表示ステップと、演奏データ作成範囲の音楽的条件に対応する選別情報に基づいて、予め用意された複数のパターンデータから該選別情報に該当するパターンデータを選別し、選別したパターンデータのリストを表示させるパターン選別ステップとから成る手順をコンピュータに実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムを記録している演奏パターン処理プログラム記録媒体〔請求項5〕が提供される。
この発明の第1の特徴〔請求項1,4〕による演奏パターン処理では、演奏パターンをイベントシーケンスで表わした複数のパターンデータのリスト(LP)がコードシーケンサの演奏パターン選択画面(図6)上に表示され、リスト表示されたパターンデータの1つに対応する簡易図式(チャート)化されたパターンの絵柄(CP)がパターンリスト(LP)と共に演奏パターン選択画面上に表示される。また、リスト表示されたパターンデータに対して所望の選別情報〔BG(CG),BM(CM),BT,BD,BS〕を入力すると、入力された選別情報に基づいて、予め用意されたパターンデータから所望のパターンデータが選別され、選別されたパターンデータのリストが表示される。なお、括弧書きは、理解の便のために、後で詳述する実施例で用いられる対応用語乃至記号であり、以下においても同様である。
この発明によれば、このように、パターンデータ一覧の一情報として、パターンリスト(LP)に表示されたパターンデータの1つが簡易図式化された絵柄(CP)を、パターンリスト(LP)と共に同一画面上に表示するようにしているので、パターン名等の言葉ではなく、音符の動きなどを図式化した絵で確認ができるようになって、パターン選択時の負担を減らすことができる。さらに、リスト表示されるパターンデータを選別情報により選別するパターン選別機能を有しているので、所望の選別情報を入力することによって所望のパターンデータを選択することができる。
この場合、選別情報に、拍子、伴奏スタイル、3連系、難易度、演奏パターンのバリエーション数に応じて定められた規模などを用いることにより所望のパターン選別機能を得ることができる。例えば、拍子によるパターン選別機能については、種々の拍子を選択可能とし〔BM(WM/CM)〕、この中で「4/4」のみを選択しておくと、それ以外の拍子で作成されているパターンは選別されない。拍子と同様に、伴奏スタイル〔BG(WG/CG)〕、3連系(BT)、難易度(BD)、規模〔バリエーションパターンの組合せ規模〕(BS)などについても、選別することができる。
この発明の第2の特徴〔請求項2,5〕による演奏パターン処理では、演奏パターンをイベントシーケンスで表わした複数のパターンデータのリスト(LP)がコードシーケンサの演奏パターン選択画面(図6)上に表示され、リスト表示されたパターンデータの1つに対応するパターンデータの簡易図式(チャート)化されたパターンの絵柄(CP)がパターンリスト(LP)と共に演奏パターン選択画面上に表示される。また、上述したパターン選別機能の考えを更に発展させ、演奏パターンの自動選別機能をもたせて、演奏データ作成範囲の音楽的条件に対応する選別情報に基づいてパターンデータを選別する。つまり、パターン選別の選択肢として「自動」を用意しておき、そこで「自動」を選んだ場合には、演奏データ作成範囲の音楽的条件に一致する選別情報のみをON状態にする。例えば、拍子を選別する際に(図9:WM)「自動」とした場合は、演奏データ作成範囲の拍子が“4/4”であれば、“4/4”のパターンデータのみを表示する。また、複数の拍子が混在している場合には、それらのすべての拍子を対象とするか、或いは、一番多い拍子を対象とする(図11)。
この発明によれば、このように、パターンデータ一覧の一情報として、パターンリスト(LP)に表示されたパターンデータの1つに対応するパターンデータが簡易図式化された絵柄(CP)を、パターンリスト(LP)と共に同一画面上に表示するようにしているので、パターン名等の言葉ではなく、音符の動きなどを図式化した絵で確認ができるようになって、パターン選択時の負担を減らすことができるだけでなく、さらに、演奏データ作成範囲の音楽的条件に対応する選別情報に基づいて、リスト表示されるパターンデータを選別するパターン自動選別機能を有しているので、演奏データ作成範囲の音楽的条件を満足するパターンデータを自動的に選択することができる。
〔別の特徴〕
また、上述した課題(目的)に対応してこの明細書に記載された発明の実施に関する別の特徴により次の〔1〕〜〔10〕のように構成することができる:
〔1〕複数のパターンデータのリストを表示するリスト表示手段と、表示されたリストからパターンデータを指示する手段と、指示されたパターンデータに対応する図式化パターンを表示する図式表示手段とを具備する演奏パターン処理装置。この構成によると、複数のパターンデータのリスト(LP)をコードシーケンサの演奏パターン選択画面(図6)に表示して演奏パターンを選択する際に、パターンリスト(LP)からパターンデータを指示すると、指示されたパターンデータに対応して簡易図式(チャート)化されたパターンの絵柄(CP)が表示される。つまり、リスト(LP)内から選択可能なパターンデータ一覧の一情報としてパターンを簡易図式化した絵柄(CP)が表示されたり、或いは、リスト(LP)を利用して選択された演奏パターンを簡易図式化した絵柄(CP)が表示される。従って、この構成によれば、複数のパターンデータが表示されたパターンリストからパターンデータを指示すると、指示されたパターンデータに対応する図式化パターンが表示されるので、選択候補として指示した演奏パターンを、パターン名等の言葉ではなく、音符の動きなどを簡易図式化した絵柄で容易に確認することができ、パターン選択時の負担を減らすことができる。
〔1a〕〔1〕の演奏パターン処理装置において、各パターンデータは、複数のバリエーションパターンを保有することができ、図式表示手段は、これらのバリエーションパターンの内から指定された1つに対応する図式化パターンを表示すること。この構成によると、パターンデータは複数のバリエーションパターンを保有することができ、或るパターンデータを指示すると、当該パターンデータのバリエーションパターンの内から予め指定された1つバリエーションパターン(「代表パターン」又は「基本パターン」と呼ばれる)に対応する簡易図式化パターン(パターンチャートCP)がコードシーケンサの演奏パターン選択画面に表示される。つまり、1パターンデータ内に保有される複数のバリエーションデータの内の1つを代表(基本)パターンとして指定し、代表(基本)パターンに指定されたバリエーションデータについて簡易図式化したデータを表示することが可能である。
従って、この構成によれば、パターンリスト内の各行パターンデータ一覧中の一情報として、各パターンデータのバリエーションパターンの内から予め決められた1つの基本データに対応して簡易図式化したデータ(チャート)を代表(基本)パターンとして表示することにより、音符の動きなどを図式化した絵でパターンを確認することができ、パターン選択の負担を減らすことができる。また、この方法は表示処理が簡単であり、基本データを適宜の基準で選定しておくことにより、ニーズに応じた代表(基本)パターンを得ることができる。
パターンデータの典型例であるスタイルデータは、1つのパターンデータ内に複数のバリエーション(イントロ、メイン、フィルイン、エンディング等)を持つことができるが、これらのバリエーションを全て表示することは難しいので、予め決められた代表(基本)パターンのチャートを表示する。また、スタイルデータについては複数パート構成が普通であり、全パートを表示しても良いが、この中から所定の一部パートのみをチャート表示すると更に良い。例えば、ピアノパート等を音色に応じて選択したり、或いは、特徴的パターンを持つパートを予め指定するか或いは検出して表示したり、音符数に応じてパートを選択したりする。
〔2〕複数のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段と、記憶された複数のパターンデータから、演奏データ作成範囲の音楽的条件に対応する選別情報に基づいて、パターンデータを選別するパターン選別手段と、選別されたパターンデータを表示する表示手段とを具備する演奏パターン処理装置。この構成による基本的な考え方は、パターンデータ記憶手段に記憶された複数のパターンデータに対して所望の選別情報〔BG(CG),BM(CM),BT,BD,BS〕を入力可能とし、入力された選別情報によってパターンデータを選別し、選別されたパターンデータをコードシーケンサの演奏パターン選択画面に表示すること、つまり、選択の対象として表示するパターンを選別する選別情報によって選択対象パターンの表示を選別・制限する「パターン選別フィルター」機能を利用することにある。
例えば、拍子選別機能を作って種々の拍子を選択可能とし〔BM(CM)〕、この中で「4/4」のみを選択しておくと、それ以外の拍子で作成されているパターンは表示されず選択不能とする。この「パターン選別フィルター」の考えを利用すると、拍子のほかに、後述するように、「伴奏」の種類及び「アルペジオ」〔BG(CG)〕、「3連系」(BT)、「難易度」(BD)、「組合せ種類(規模)」(BS)などについても、選別することができる。
この構成では、このようなパターン選別フィルターの考えを更に発展させ、演奏パターン選択に自動選別フィルター機能をもたせて、予め演奏データを作成する範囲を指定可能なコードシーケンサの演奏パターン選択画面に表示されるパターンデータを、入力された項目情報に該当し且つ演奏データ作成範囲の音楽的条件に対応する選別情報に基づいて選別する。つまり、選別フィルターの選択肢として「自動」を用意しておき、そこで「自動」を選んだ場合には、演奏データ作成範囲の音楽的条件に一致する選別情報のみをON状態にする。例えば、拍子選別フィルター(WM)において「自動」とした場合は、演奏データ作成範囲の拍子が“4/4”であれば、“4/4”のパターンデータのみを表示する。また、複数の拍子が混在している場合には、それらのすべての拍子を対象とするか、或いは、一番多い拍子を対象とする(図11)。
このように、この構成によれば、演奏データ作成範囲の音楽的条件に対応する選別情報に基づいて、複数のパターンデータから所望のパターンデータを選別し、選別されたパターンデータを表示することができる。例えば、予め演奏データを作成する範囲を指定可能なコードシーケンサの演奏パターン選択画面において、選別フィルターの選択肢として「自動」を用意しておき、「自動」を選んだ場合には、演奏データ作成範囲の音楽的条件に一致する選別情報に基づいて、この条件を満足するパターンデータを自動的に選択することができる。
〔3〕3連符系パターンであるかどうかを示す3連符情報を有する複数のパターンデータを記憶する手段と、各パターンデータの3連符情報の内容を判別する手段と、3連符情報の内容を判別した結果に基づいて、パターンデータが3連符系パターンであるかどうかを表示する表示手段とを具備する演奏パターン処理装置。この構成によると、複数のパターンデータは、3連符系パターンであるかどうかを示す3連符情報(「3連フラグ」)を有し、パターンデータ記憶手段からパターンデータを読み出すと、読み出されたパターンデータの3連符情報の内容が判別され、この判別結果に基づいて、パターンデータが3連符系パターンであるかどうかがコードシーケンサの演奏パターン選択画面(図6)に表示される。従って、この構成によれば、演奏パターンとして、3連符系かどうかを示す3連符情報(3連フラグ)を持つ複数のパターンデータを記憶しておき、各パターンデータの3連符情報の内容を判別した結果に基づいて、3連符系パターンかどうかをコードシーケンサの演奏パターン選択画面に表示するようにしているので、3連符パタ−ンの判断を明確に行うことができる。
〔4〕複数のパターンデータから所望のパターンデータを順次選択し時系列的に配列してパターンシーケンスを作成するパターンシーケンス作成手段と、作成されたパターンシーケンスに配列されているパターンデータに基づいて図式化されたパターン列情報を生成するパターン列生成手段と、生成されたパターン列情報に対応するパターン列を表示するパターン列表示手段とを具備する演奏パターン処理装置。この構成によると、複数のパターンデータから所望のパターンデータを順次選択し時系列的に配列してパターンシーケンスを作成すると、作成されたパターンシーケンスに配列されているパターンデータに基づいて、図式化されたパターン列情報が生成され、生成されたパターン列情報に対応して簡易図式化されたパターン〔シーケンス〕列をトラックビュー画面〔図13(B)〕に表示する。つまり、コードシーケンサの時間経過によるパターンの切替わりを順次表示可能なトラックビュー画面のパターン列表示部には、割り当てたパターンを簡易図式化したものが表示される。例えば、複数のパターンが並べられて伴奏データが形成されている場合、名前のみの表示では、どのようなデータだったかがわかりづらいが、このように、パターンのノートの動きなどを中心にして簡易化した絵図をトラックビューの伴奏編集トラック(パターン列表示部)に表示すると、データの内容が解りやすくなる。
従って、この構成によれば、複数のパターンデータから所望のパターンデータを順次選択し時系列的に配列してパターンシーケンスを作成し、作成されたパターンシーケンスに配列されているパターンデータに基づいて図式化されたパターン列情報を生成し、生成されたパターン列情報に対応するパターン列をトラックビューの伴奏編集トラックに表示するようにしているので、割り当てたパターンを簡易図式化した絵図から、割り当てた演奏データの内容が解りやすくなる。
〔4a〕〔4〕の演奏パターン処理装置において、パターン列生成手段は、前記パターンシーケンス作成手段で選択されたパターンデータに基づく音高データをもつパターン列情報を生成し、パターン列表示手段は、生成されたパターン列情報の音高データに対応する位置にパターン列を表示すること。この構成によると、トラックビューに簡易図式化したパターン列を表示する場合、さらに、パターン作成時に選択されたパターンデータに基づく音高データをもつパターン列情報を生成し、生成されたパターン列情報の音高データに対応する位置にパターン列を表示し、同一パターン列の縦方向の縮尺率を固定化するように構成される。つまり、この構成によれば、パターン内部の音符に相当するパターン列の表示マークは、コードによって音高が決定された後のものではなく、パターンデータが持つ音高或いはそれに準じた情報のままとし、縦方向の画面幅が1パターン割当て範囲において一定の縮尺率を保つようにしているので、同じパターンは同じ表示の連続として見ることができる。
また、トラックビューの伴奏編集トラックにパターンの絵柄を表示する場合、コードによって音高が変化した後のものは音域が広くなるので、同じ縦幅のビュー部分に表示しようとすると、1つのノートを表示可能な縦幅が小さくなり、また、パターンによっては同じものの繰り返しかどうかが見づらい場合があるが、上述のように、コード展開前のプレーンなパターンの連続表示にしておくことにより、後々、楽に確認することができる。
〔5〕難易度情報を有する複数のパターンデータを記憶する手段と、各パターンデータにおける難易度情報の内容を判別する手段と、難易度情報の内容に対応してパターンデータの難易度を表示する表示手段とを具備する演奏パターン処理装置。この構成によると、パターンデータに難易度値を持たせ、パターンデータの一部として「演奏した場合の難易度」を記録しておき、コードシーケンサの演奏パターン選択画面(図6)に難易度を表示する。従って、この構成によれば、複数のパターンデータの夫々に、当該パターンで演奏した場合の難易度の値を表わす難易度情報を持たせ、各パターンデータの難易度情報の内容を判別し、判別した難易度をコードシーケンサの演奏パターン選択画面に表示するようにしているので、演奏データ作成の利便性を上げることができる。
〔6〕複数のバリエーションパターンを保有することができる複数のパターンデータを、当該パターンデータのバリエーションパターンの規模を表わす規模情報と共に、記憶する記憶手段と、記憶手段から読み出されたパターンデータの規模情報の内容に対応してパターンデータの規模を表示する表示手段とを具備する演奏パターン処理装置。この構成によると、パターンデータに音楽的多様性の組合せ種類を持たせる。つまり、1パターン内部に保有可能なバリエーションパターンの組合せ種類を予め決めて、パターンデータの一部に組合せ種類の状態を記憶することができるようにしておき、コードシーケンサの演奏パターン選択画面において、ユーザが組合せ種類を確認することができるようにする。例えば、
“タイプ1”= イントロ、メインA、フィルインAA、エンデイング
“タイプ2”=イントロ、メインA、メインB、フィルインAA、フィルインAB、フィルインBA、フィルインBB、エンディング
“タイプ3”=イントロ、メインA、メインB、メインC、…、エンディング
というように、バリエーションパターンの組合せを一括りにした組合せ種類タイプを決定しておき、このタイプを演奏パターン選択画面に規模情報で表示することにより、パターンが保有しているバリエーションの規模を簡単に見分けることができるようにする。
従って、この構成によれば、複数のパターンデータは複数のバリエーションパターンを保有し、パターンデータに音楽的多様性の組合せ種類を持たせると共に、各パターンデータにはバリエーションパターンの規模を表わす規模情報を持たせて、規模情報の内容に対応したパターンデータの規模をコードシーケンサの演奏パターン選択画面に表示するようにしているので、ユーザにより組合せ種類の規模を確認することができる。
〔6a〕〔6〕の演奏パターン処理装置において、表示手段は、パターンデータの規模を文字列の名称で表示すること。組合せ種類を持たせるに当っては、この構成により、組合せ種類の規模に分かりやすい名前をつけ、パターンデータの規模を文字列の名称で表示すると、組合せ種類を容易に確認することができて効果的である。つまり、予め、組合せ種類に名称をつけて(決めて)パターンデータの一部に組合せ種類の名称情報を記憶しておき、コードシーケンサの演奏パターン選択画面において、この名称を表示し組合せ種類を確認することができるようにする。この場合、例えば、“タイプ1”を「Small」、“タイプ2”を「Medium」、“タイプ3”を「Large」」というように、伴奏の変化量などを具体的に命名及び表示する(図6)ことにより、なお一層のわかりやすさを実現することができる。
演奏のためのデータを作成する場合、難易度と並んで、伴奏の変化量も弾く側の負担感に影響するので、上述のように、伴奏の変化量などに対応する名前を付けておくのも、好ましい一方法となる。例えば、「メロディパート」や「メロディパート+その他パート」を分析して自動的に「メイン」や「フィルイン」のセクションの位置を検出し、対応するパターンを割り当てる装置を利用した場合、上述の“タイプ1”で作成した演奏データと“タイプ2”で作成したデータでは、変化の幅という意味においては、“タイプ2”の方がユーザの負担感が大きいが、逆に、弾けるようになると、変化が大きいほど楽しいものになる。この構成によると、ユーザは、このような事情を予め知っておくことができる。
〔7〕両手伴奏及び左手伴奏の何れであるかを示す伴奏情報を保持することができる複数のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段と、パターンデータ選別情報として両手伴奏又は左手伴奏の何れかを入力する手段と、入力された選別情報が両手伴奏又は左手伴奏の何れかであるかを判別し、記憶された複数のパターンデータから、判別された両手伴奏又は左手伴奏に該当するパターンデータを選別する伴奏選別手段と、選別されたパターンデータをリスト表示するリスト表示手段と、表示されたパターンデータから所望のパターンデータを選択するパターンデータ選択手段と、選択されたパターンデータから演奏データを生成する演奏データ生成手段とを具備する演奏パターン処理装置。この構成によると、両手伴奏及び左手伴奏の何れであるかを示す伴奏情報を保持することができる複数のパターンデータを用意しておき、パターンデータ選別情報として両手演奏又は左手演奏を入力すると、入力された選別情報が両手伴奏又は左手伴奏の何れであるかが判別され、複数のパターンデータから、判別された両手伴奏又は左手伴奏に該当するパターンデータが選別され、選別されたパターンデータはリスト表示される。そして、リスト表示されたパターンデータから所望のパターンデータを順次選択すると、演奏データ生成処理を行うことによって、選択されたパターンデータから演奏データが生成される。
つまり、ピアノ伴奏におけるパターンデータの一部に、演奏スタイルとして少なくとも「両手」及び「左手」の何れであるかを示す情報を持たせ、パターン選択画面において、少なくとも演奏スタイルを「両手伴奏」及び「左手伴奏」の何れかから選択する機能を与える。そして、両手伴奏が選択された場合には演奏スタイルが「両手」となっているパターンを表示し選択させ、左手伴奏が選択された場合には「左手」となっているパターンを表示し選択させた上、ピアノ伴奏データ生成処理を行い(図14)、ピアノ伴奏の「両手伴奏」及び「左手伴奏」情報を生成する。
従って、この構成によれば、ピアノ伴奏におけるパターンデータの一部に、演奏スタイルとして「両手」及び「左手」の何れであるかを示す情報を持たせ、パターン選択画面において「両手伴奏」又は「左手伴奏」の演奏スタイルを選択することができるようにしておくことによって、両手伴奏が選択された場合には演奏スタイルが「両手」となっているパターンを表示し選択させ、左手伴奏が選択された場合には「左手」となっているパターンを表示し選択させた上、ピアノ伴奏データ生成処理を行うことができる。
〔8〕両手伴奏及び左手伴奏の何れであるかを示す伴奏情報を保持することができる複数のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段と、記憶されたパターンデータから所望のパターンデータを選択するパターンデータ選択手段と、選択されたパターンデータから演奏データを生成する演奏データ生成手段であって、選択されたパターンデータが両手伴奏に該当するときは、当該パターンデータからコードシーケンス機能を利用して伴奏データを生成し、パターンデータに指示されている条件に応じて左手演奏データ及び右手演奏データに分離し、選択されたパターンデータが左手伴奏に該当するときは、当該パターンデータからコードシーケンス機能を利用して生成される左手伴奏データを左手演奏データとすると共に、予め指定されたメロディデータから右手演奏データを生成するものとを具備する演奏パターン処理装置。この構成によると、両手伴奏及び左手伴奏の何れであるかを示す伴奏情報を保持することができる複数のパターンデータを用意しておき、記憶されたパターンデータから所望のパターンデータを選択したときに、選択されたパターンデータから演奏データを生成するようなピアノ伴奏データ生成処理に際し、予めメロディデータが指定されている場合には、「左手伴奏」での右手データの処理が考慮される。
つまり、選択されたパターンデータが両手伴奏に該当するときは、当該パターンデータ(PB)からコードシーケンス機能を利用して伴奏データ(DBa)を生成し、パターンデータに指示されている条件に応じて左手演奏データ(DRa=Dr)及び右手演奏データ(DLa=DL)に分離するが、選択されたパターンデータが左手伴奏に該当するときは、当該パターンデータ(PL)からコードシーケンス機能を利用して生成される左手伴奏データ(DLa)を左手演奏データ(DL)とすると共に、予め指定されたメロディデータから右手演奏データ(DRm=DR)を生成する。
従って、この構成によれば、両手伴奏及び左手伴奏の何れであるかを示す伴奏情報を保持することができる複数のパターンデータから所望のパターンデータを選択することに応じて、選択されたパターンデータに基づく演奏データを生成するピアノ伴奏データ生成処理において、両手伴奏に該当するときは、当該パターンデータからコードシーケンス機能を利用して伴奏データを生成し、パターンデータに指示されている条件に応じて左手演奏データ及び右手演奏データに分離することができる。一方、選択されたパターンデータが左手伴奏に該当するときは、当該パターンデータからコードシーケンス機能を利用して生成される左手伴奏データを左手演奏データとすると共に、予め指定されたメロディデータから右手演奏データを生成することができる。
〔7・8a〕〔7〕及び〔8〕の演奏パターン処理装置において、演奏データ生成手段により生成された演奏データを楽譜形式で表示又は印刷出力する出力手段を具備すること。この構成によると、上述の各ピアノ伴奏データ生成処理において生成された両手データ(DR,DL)は、楽譜形式の画面に表示するか、或いは、楽譜形式で印刷することができる。
〔9〕演奏上のアドバイスを表わすアドバイス情報を保有することができる複数のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段と、記憶された複数のパターンデータから所望のパターンデータを順次選択するパターン選択手段と、選択されたパターンデータに基づいて順次演奏データを生成すると共に、選択されたパターンデータに含まれるアドバイス情報の内容を解読する演奏データ生成手段と、生成された演奏データ及び解読されたアドバイス情報の内容を表示又は印刷出力する演奏データ出力手段とを具備する演奏パターン処理装置。この構成によると、パターンデータは、演奏上のアドバイスを表わすアドバイス情報(図4)を保有することができ、パターンデータ記憶手段に記憶された複数のパターンデータから所望のパターンデータを順次選択すると、選択されたパターンデータに基づいて順次演奏データが生成されると共に、選択されたパターンデータに含まれるアドバイス情報の内容が解読される。そして、生成された演奏データ及び解読されたアドバイス情報の内容は、ディスプレイに表示されたり、或いは、プリンタから印刷出力される(図17)。
つまり、パターンデータの一部として、パターンを演奏する上のでアドバイス情報又はパターンの部分的な演奏アドバイス情報を、テキスト(文字列)形式又はアドバイス内容を指定する番号等の形式で持っておき、コードシーケンサの編集画面において、パターンが割り当てられて演奏データの生成が実行された場合、画面又は印刷物における所定の位置に、パターンが保有するアドバイス情報を表示する。例えば、パターンデータに対して、「ゆったり弾きましょう」とか、「リズミカルに弾きましょう」とか、「この音を強調して弾きましょう」という具合のテキスト(文字列)又はアドバイス番号などを入れておき、当該パターンが使われたとき、画面に表示したり、印刷物として出力(=印刷)することができる。
従って、この構成によれば、パターンデータは、演奏上のアドバイスを表わすアドバイス情報を保有することができ、複数のパターンデータから所望のパターンデータを順次選択すると、選択されたパターンデータに基づいて順次演奏データが生成されると共に、選択されたパターンデータに含まれるアドバイス情報の内容が解読され、生成された演奏データ及び解読されたアドバイス情報の内容は、表示又は印刷出力されるようにしてるので、パターンデータの一部として、パターンを演奏する上のでアドバイス情報をテキスト(文字列)形式又はアドバイス内容を示唆する番号等の形式で持っておくとにより、コードシーケンサの編集画面において、パターンが割り当てられて生成が実行された場合、画面又は印刷物における所定の位置に、パターンが保有するアドバイス情報を表示することができる。
〔9a〕〔9〕の演奏パターン処理装置において、アドバイス情報は、パターンの全体又は一部に対するアドバイスであることを表わすアドバイス対象情報を含み、演奏データ出力手段は、アドバイス対象情報に応じた位置にアドバイス情報の内容を出力すること。この構成によると、アドバイス情報には、パターンの全体又は一部に対するアドバイスであることを表わすアドバイス対象情報が含まれており、表示又は印刷の際は、アドバイス対象情報に応じた位置にアドバイス情報の内容を出力する。このように、アドバイス情報がパターン全体に対するものであるか、或いは、パターンの一部分に対するものであるかを表わすアドバイス対象情報を利用することにより、アドバイス対象情報に対応する最適位置にアドバイスを表示することができる。
例えば、パターン全体のアドバイス情報として書き込まれているアドバイス情報については、パターン開始位置のみか、或いは、パターン開始位置に加えて楽譜の折返し先頭位置に表示し、それ以外の同パターン部分に対する表示を取り止めるようにすることができる。すなわち、コード区間ごとや小節区間ごとにアドバイスが表示されるのはうっとうしいので、同一パターンの先頭位置にのみアドバイスを表示するが、小節が折り換わったところには、アドバイスを表示した方が好ましいのである。
従って、この構成によれば、アドバイス情報は、パターンの全体又は一部に対するアドバイスであることを表わすアドバイス対象情報を含み、アドバイス対象情報に応じた好ましい位置にアドバイス情報の内容が出力されるので、アドバイスを効果的な楽譜位置でユーザに与えることができる。例えば、アドバイス対象情報が「全体」であれば、アドバイスをパターンの先頭又は楽譜の先頭位置に表示し、パターンの一部分に対するものであれば、対応する適切な箇所にアドバイスを表示することができる。
〔10〕パターンデータリストに表示される複数のパターンデータから順次選択されたパターンデータに基づいてパターンシーケンスデータを作成する演奏パターン処理装置において読み取り可能な演奏パターンデータ記録媒体であって、この記録媒体には、演奏パターン処理データとして複数のパターンデータが記憶され、各パターンデータは、複数のバリエーションパターンを保有することができ、少なくとも、当該パターンデータが保有するバリエーションパターンの規模を表わす規模情報、3連符系パターンであるかどうかを示す3連符情報、当該パターンを演奏した場合の難易度を表わす難易度情報、或いは、両手伴奏及び左手伴奏の何れであるかを示す伴奏情報を保有する演奏パターンデータ記録媒体。この構成によると、演奏パターンデータ記録媒体に複数のパターンデータを記憶しておき、これらのパターンデータは複数のバリエーションパターンを保有することができるようにすると共に、各パターンデータには、少なくとも、当該パターンデータが保有するバリエーションパターンの規模を表わす規模情報、3連符系パターンであるかどうかを示す3連符情報、当該パターンを演奏した場合の難易度を表わす難易度情報、或いは、両手伴奏及び左手伴奏の何れであるかを示す伴奏情報を保有させる。
従って、この構成によれば、演奏パターンデータ記録媒体に複数のパターンデータを記憶しておき、これらのパターンデータは複数のバリエーションパターンを保有することができるものとし、各パターンデータには、少なくとも、当該パターンデータが保有するバリエーションパターンの規模を表わす規模情報、3連符系パターンであるかどうかを示す3連符情報、当該パターンを演奏した場合の難易度を表わす難易度情報、或いは、両手伴奏及び左手伴奏の何れであるかを示す伴奏情報を保有させるようにしているので、パターンデータリストに表示される複数のパターンデータから順次選択されたパターンデータに基づいてパターンシーケンスデータを作成する演奏パターン処理において、有用なパターンデータを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
〔ハードウエア構成〕
図1には、この発明の一実施例による演奏パターン処理システムのハードウエア構成のブロック図が示されている。このシステムの例では、パーソナルコンピュータ(PC)上で演奏パターン処理を含む各種処理を行わせる構成がとられており、システムをコードシーケンサとして機能させることができる。システムは、中央処理装置(CPU)1、読出専用メモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3、外部記憶装置4、検出回路5、表示回路6などの外に、音源回路7及び効果回路8やなどを備え、これらの装置1〜8は、バス9を介して互いに接続されている。
システム全体を制御するCPU1は、所定のソフトウエア・プログラムに従いタイマ10によるクロックを利用して種々の制御を行うと共に、システムをコードシーケンサとして機能させることができ、特に、後述する演奏パターン処理などを中心的に遂行する。ROM2には、このシステムを制御するための所定の制御プログラムが記憶されており、これらの制御プログラムには、基本的な情報処理と共に、この発明による演奏パターン処理を含む各種コードシーケンサ処理プログラムや各種テーブル、各種データを含ませることができる。RAM3は、各種処理に際して必要なデータやパラメータを記憶し、特に、コードシーケンサの一時記憶部として機能することができる。
外部記憶装置4は、ハードディスクドライブ(HDD)の外に、コンパクトディスク・リード・オンリィ・メモリ(CD−ROM)、フロッピィディスク(FD)、光磁気(MO)ディスク、ディジタル多目的ディスク(DVD)、半導体メモリ等の可搬型記憶媒体を用いた装置から成り、各種制御プログラムや各種データを記憶することができる。従って、演奏パターン処理などに必要なプログラムや各種データは、ROM2を利用するだけでなく、外部記憶装置4からRAM4内に読み込むことができ、必要に応じて、処理結果を外部記憶装置4に記録しておくこともできる。
検出回路5には操作子装置11が接続され、操作子装置11は、各種の情報をシステムに入力するためにユーザが用いるキーボードやポインチングデバイス(マウス等)などの操作子を備える。これらの操作子は、操作モードに応じて所定の機能が割り当てられ、電子楽器における鍵盤のように演奏操作を行うための演奏操作子や、演奏パターン処理などの演奏情報処理のために各種設定を行うためのパネル操作子として用いられる。表示回路6は、パターン選択画面等を表示するディスプレイ12や各種インジケータを備えており、ディスプレイ12上には、ポインチングデバイス等の操作子で操作可能なカーソルやボタン類が表示される。
音源回路7にはDSP等で構成される効果回路8が接続され、効果回路8にはスピーカを含むサウンドシステム13が接続され、これらの装置7,8,13により楽音発生手段が形成される。この楽音発生手段により、RAM3や外部記憶装置4などに記憶される各種演奏データを読み出して、対応する楽音を発音再生することができる。
バス9には、また、通信インターフェイス(I/F)14に接続されており、通信I/F9には、ローカルエリアネットワーク(LAN)やインターネット、電話回線等の通信ネットワーク15を介してサーバコンピュータ16等に交信可能に接続される。従って、サーバコンピュータ16等から制御プログラムや演奏データなどの各種データを外部記憶装置4にストアすることもできる。
バス9には、さらに、MIDIインターフェース(I/F)17を介して、電子楽器、音源、鍵盤などの他の演奏情報処理装置18が接続され、このシステムとの間で演奏データを授受することができる。なお、図1は、パーソナルコンピュータ(PC)を用いるシステムについて説明したが、専用の演奏操作子やパネル操作子を備えた電子楽器を用いたり、或いは、他の同等の処理機能を有する装置を用いて演奏パターン処理システムを構成してもよい。
〔パターンデータ及び演奏パターン〕
この発明の一実施例による演奏パターン処理システムにおいては、パターンデータを用いて演奏パターンの概要を表示し所望の演奏パターンを容易に選択することができるように工夫されている。図2は、この発明の一実施例による演奏パターン処理システムにおいて利用されるパターンデータの構成例を示す。
このシステムのROM2或いは外部記憶装置4には、多数のパターンデータが予め用意されており、図2に、(A)「両手伴奏1」、(B)「左手伴奏1」、(C)「両手伴奏2」、(D)「両手伴奏3」、…と示されるように、これらのパターンデータにはパターン名が付けられている。これらのパターンデータには、単に「パターン1」、「パターン2」等と名付けられたパターンデータもあるが、例えば、「両手伴奏」、「左手伴奏」、「アルペジオ」などと名付けられたグループがある。
このようなグループに属するパターンデータは、グループ名やグループフラグのような識別データにより、属するグループを区別することができる。例えば、ピアノの伴奏パターンについては、「両手伴奏」或いは「左手伴奏」というパターン名に示されるように、少なくとも「両手」及び「左手」の何れであるかを示す情報を持っている。
パターンデータは、また、複数バリエーションの演奏パターン(「バリエーションパターン」)で構成することができ、これらのバリエーションパターンは、「両手伴奏」や「左手伴奏」などのグループに属する伴奏パターンデータの場合には、図示のように、イントロ、メイン、フィルイン(図では「フィル」)及びエンディングのセクション毎に、単数又は複数設定される。また、パターンデータには、「アルペジオ」グループに属するアルペジオパターンデータ(図示せず)もあり、伴奏パターンデータと同様に、各パターンデータは、「アルペジオ1」、「アルペジオ2」、…というようなパターン名が付けられ、複数のバリエーションパターンで構成することができる。
各パターンデータの複数バリエーションパターンのうちのどれが、当該パターンデータにおける基本の演奏パターン(「代表パターン」又は「基本パターン」と呼ぶ。)であるかを、代表(基本)パターンフラグなどを立てて、予め設定しておくことができる。このようにして設定された代表(基本)パターンは、図2では斜線を施して示され、ディスプレイ12のパターン選択画面に表示されたパターンリスト(LP)から当該パターンデータが表示され選択されたとき、当該パターンデータを代表する演奏パターンとして、「パターンチャート」と呼ばれる簡易図式を画面に表示するのに用いられる。
図3は、このような簡易図式の表示方法の例を示している。図3(A)の例では、演奏パターンのデータからノートイベントのタイミング情報及び音高情報を取り出し、簡易図式生成手段でこれらの情報に基づいて簡易図式データを生成し、生成された簡易図式をディスプレイ12の画面に表示する。図3(B)の方法では、予め、演奏パターンのタイミング及び音高に従って配置したノートイベント列の絵柄を表わす図式データを作成して、当該演奏パターンのデータに添付しておき、当該パターンが選択されると、この図式データに基づく簡易図式をディスプレイ12の画面に表示する。
各パターンデータ(両手伴奏1、左手伴奏1、両手伴奏2、両手伴奏3、…)には、拍子を表わす情報(図示せず)が付加されており、また、3連(符)系かどうかを表わす情報(図示せず)も、例えば、「3連フラグ」と呼ばれるフラグなどで付加される。この3連符情報は、パターンデータ作成時に、3連符系となるパターンデータには3連フラグを“ON”状態にしておき、そうでないパターンは“OFF”状態にしておけばよい。
各パターンデータには、上述したデータの外に、図2に「難易度」及び「規模」で表わされるように、当該パターンの難易度やバリエーションの規模などを表わす情報が記録されており、さらに、演奏アドバイスデータなどを埋め込むことができる。
「難易度」は、パターンデータの一部として“演奏した場合の難易度”を記録しておくもので、コードシーケンサの演奏パターン選択画面に、この難易度を表示し、演奏データ作成の利便性をあげるようにしたものである。図示の例では、「難易度」について、一番簡単なものを“0”(画面には“E”で表示する)とし最も難しいものを“4”(“A”で表示)として、“0”〜“4”(“E”,“D”,…,“A”)の5段階に分けている。
「規模」というのは、バリエーションの規模を示すデータである。図示の例では、伴奏パターンの場合について、メインセクションが1つのものを規模“0”(画面には“Small”で表示する)、メインセクションが2つのものを規模“1”(“Medium”で表示)、メインセクションが3つのものを規模“2”(“Large”で表示)としている。アルペジオパターンの場合も、バリエーションパターン数に応じて同様に規模分けされる。この「規模」データにより、当該演奏パターンの規模に合った数のパターンの実体が管理される。
各パターンデータに付加される「演奏アドバイス」情報は、当該パターンデータに含まれる演奏パターンについて、アドバイスの指示情報を書き込んだものである。図4は、このようにパターンデータに埋め込まれるアドバイス情報の例を示す。図4(A)では、パターン名「パターン1」のパターンデータ中のイントロセクションの演奏パターンについて「全体的にリズミカルに弾き、5番目のノート5にアクセントをつける」ように指示したアドバイス情報が付加されている。また、図4(B)では、パターン名「パターン1」のパターンデータ中のイントロセクションの演奏パターンについて「全体的になめらかに弾く」ように指示したアドバイス情報が付加されている。
アドバイス情報には、上述した「全体的に」や「5番目のノート」のように、アドバイスの対象とする演奏箇所を表わすアドバイス対象情報が付加されている。従って、コードシーケンス機能により演奏データを生成する場合、演奏データに使われた演奏パターンに書き込まれているアドバイス情報は、演奏データの表示画面上に表示されたり紙(楽譜)上に印刷される際に、アドバイス対象情報に応じた最適位置に配置されるので、ユーザに対して適切にアドバイスをすることができる。
図5は、この発明の一実施例による演奏パターン処理システムにおいて利用可能な演奏パターンのデータフォーマットの例を示す。パターンデータを構成する各演奏パターンは、図5(A)の例では、「タイミング」データ及び音高を表わす「ノートイべント」が繰り返し記録される。ここで、「ノートイベント」の音高は、所定のコード(例えば、“Cmaj”等)に基づいて作成されたものである。例えば、所定のコード“Cmaj”を意図した音高がノートナンバ(例えば、“C3”−“E3”−“G3”−“E3”など)で表わされる。従って、このデータフォーマットでは、タイミングデータに従って、ノートイベントの音高が、コードシーケンサで指定されたコードに合うように修正して出力される。
図5(B)の例では、演奏パターンは、「タイミング」データ及び番号で表わされた「ノートイべント」が繰り返し記録されたものであり、「ノートイベント」の番号は、コードーケンサで指定されたコードで決まるコード構成音のうちの何れかを指定するものである。例えば、番号“1”=最低音、番号“2”=2番目に低い音(“Cmaj”における上述の例では、“1”−“2”−“3”−“2”)などのように指定される。従って、このデータフォーマットでは、タイミングデータに従って、ノートイベントの番号により指定される音が出力される。
図5(C)の例では、演奏パターンは、「タイミング」データ及び音程で表わされた「ノートイべント」が繰り返し記録されたものであり、「ノートイベント」の音程は、コードシーケンサで指定されたコード構成音(或いは当該コードで決まるアベイラブルノートスケール音)のうちの根音に対する音程の音を示すものである。例えば、“1度”、“3度”、“5度”(“Cmaj”における上述の例では、“1度”−“3度”−“5度”−“3度”)などのように、根音に対する音程で示される。従って、このデータフォーマットでは、タイミングデータに基づいて、ノートイベントの音程により示される音が出力される。
〔演奏パターン選択画面〕
図6は、この発明の一実施例による演奏パターン処理システムにおいてディスプレイ上に表示されるパターン選択画面の例を示す。このシステムにおいては、コードシーケンサの演奏パターン選択モードで、図6に示すような表示形式のパターン選択画面がディスプレイ12に表示される。この発明の一実施例による演奏パターン処理システムでは、複数のパターンデータがディスプレイ12上にリストLPで表示され、所望のパターンデータ(各行:両手伴奏1,2,3、左手伴奏1,2、アルペジオ1、…)をカーソルCRで指示すると、当該パターンデータに対応する図式化されたパターンがチャート表示部CPに表示される。各パターンデータは、複数のバリエーションパターン(イントロ、メインA、メインB、フィルインAA、…)を保有することができ、表示部CPにはバリエーションパターン内から指定された1代表(基本)パターンの絵柄が表示される。画面右側の各種選択ボタンBG〜BSの操作により、操作項目に該当するパターンデータを選別して表示することができる。
つまり、図6の画面には、パターンデータの概要情報(パターン情報)を展開するパターンリストLPや、カーソルCRで指示されたパターンに対応する代表(基本)パターンの簡易図式を展開するパターンチャートCPの外に、パターングループを選択するための「伴奏スタイル選択」ボタンBG、所定拍子のパターンを選択するための「拍子選択」ボタンBM、カーソルCRで選択したパターンから更にバリエーションパターンを確認するための「バリエーション」ボタンBVなどの各種ボタンが表示される。
パターンリストLPの右端にあるカーソルボタンを操作してカーソルCRを移動することにより、パターンリストLP中から所望のパターンを選択することができる。カーソルCRにより選択されたパターン情報はハイライト表示され、選択中のパターンに対応する簡易図式がパターンチャートCP内に表示される。また、「伴奏スタイル選択」ボタンBSを操作すると伴奏スタイル選択ウインドウ(WS)が開かれ、「拍子選択」ボタンBMを操作すると拍子選択ウインドウ(WM)が開かれる。
〔演奏パターン処理〕
図7及び図8は、この発明の一実施例による演奏パターン処理を表わすフローチャートである。操作子装置11の操作子を操作して演奏パターン処理がスタートすると、システムは演奏パターン選択モードとなり、最初のステップS1において、図6に示すように、予め定められたパターンリストLPがディスプレイ12のパターン選択画面上に表示される。つまり、パターンリストLP内に最初に表示されるパターン情報は任意に設定することができ、図6の例では、全ての伴奏スタイルと全ての拍子をもつパターンの情報がパターンリストLP内に表示されるように設定されている。
パターンリストLP内に表示されるパターン情報の項目は、例えば、「パターン名」、「拍子」、「3連(系)」、「難易度」及び「規模」であり、パターンデータ(図2)の内容に則して表示される。例えば、「3連(系)」の項目欄には、“ON”にセットされたパターンデータの3連フラグに応じて、3連符系パターンであることを示すデータが表示され、このデータは、図6の例では、3連符系マーク“*”で示される。また、これらの項目は、パターンを選別するための選別情報でもあり、これによって「パターン選別フィルタ」の機能が得られ、選択可能な対象としてパターン選択画面のパターンリストLP内に表示されるパターンを効果的に制限することができる。
次のステップS2においては、カーソルCRで指示されているパターンデータのうちの所定の演奏パターンがデフォルト選択され、選択された演奏パターンに対応する簡易図式がパターンチャート表示領域CP内に表示される。デフォルト的に選択される所定の演奏パターンは、前述したように、予め代表(基本)パターンとして選定しておくことができる。図6のパターン選択画面においては、カーソルCRにより指示されるパターン名「アルペジオ1」のパターンデータに設定された代表(基本)パターンに基づく簡易図式が、パターンチャート表示領域CP内に表示されている。
次いで、ステップS3では、「拍子選択」ボタンBMの操作により拍子の選択があったか否かが判定され、「拍子選択」があるときは、図9に示されるような拍子選択ウインドウ(ダイヤログボックス)WMが開かれる。図9に示されるように、この拍子選択ウインドウWMには複数の拍子選択肢が表示され、左端の拍子選択チェックボタンCMをクリック指示することにより、このうち任意のものを選択することができる。
続いて、ステップS4では、さらに、拍子選択チェックボタンCM(図9)の「自動選択」が選択されて自動的に拍子を選択するように設定されたか否かが判定される。ここで、「自動」拍子選択を行うときには、ステップS5(自動選別フィルタ)において、コードシーケンサを参照して拍子を自動的に決定した上、ステップS7に進む。
このように拍子選択を「自動」に設定した場合は、パターン選択画面の処理プログラムにより、演奏データ生成区間の拍子を調べ拍子分布に応じて拍子を自動的に決定する。このようなパターン自動選別方法には、例えば、次のような方法がある:
(1)演奏データ生成区間に存在する全拍子の演奏パターン情報をパターンリストLPに表示する。
(2)演奏データ生成区間に存在する拍子の中で一番長く(多く)存在する拍子を演奏パターン情報をパターンリストLPに表示する。
例えば、拍子が図10のように並んでいる曲において、図示の「演奏データ生成区間」の8小節を演奏パターン選択の対象としている場合、8小節のうちの7小節が“4/4”であり、残りの1小節が“3/4”である。このような場合に(1)の選別方法を採用すると、この区間に存在する全ての拍子、つまり、“4/4”及び“3/4”の演奏パターンが自動的に選択される。また、(2)の方法では、一番長く(多く)存在する拍子である“4/4”が選択される。従って、例えば、(2)の方法を自動選択方法として採用すれば、「両手伴奏」のグループを既に選択している場合には、図11に示されるようなパターンリストPLが表示される。
一方、拍子選択を「自動」以外に設定したときは、ステップS4からステップS6に進み、拍子選択チェックボタンCMにより指示された拍子を決定した上、ステップS7に進む。そして、ステップS7において、ステップS5,S6で決定された拍子の演奏パターン情報のみをパターンリストLPとしてリスト表示する。例えば、伴奏スタイルについて「全てを表示する」を既に選択しており、図9の拍子選択ウインドウWMにおいても「全てを表示する」を選択した場合は、図6のパターン選択画面のようなパターンリストLPが表示される。また、伴奏スタイルで「両手伴奏」を選択し、拍子選択ウインドウWMで「拍子=4/4を表示する」を選択した場合には、パターンリストLPの表示が図11のようになる。
このように、ステップS3〜S7では、拍子に関するパターン選別フィルタ機能により、各項目の選別情報によってパターン選択の対象として表示されるパターンを制限することができる。さて、ステップS7において拍子選択されたパターンをリスト表示する処理をした後、或いは、ステップS3で拍子選択なしと判断されたときは、ステップS8に進む。
ステップS8においては、拍子を除く各種項目に関して、演奏データを選択するための各種操作に応じて、パターンリストLP内に表示されるパターンデータを選別する「その他フィルタ機能処理」が実行される。拍子については、既に説明したように(ステップS3〜S7)、拍子選択ボタンBM及び拍子選択ウインドウWM(図9)を操作して或る拍子を選択することにより、選択された拍子で作成されているパターンのみを表示することができる。パターン選択画面のパターンリストLP内には、例えば、図6に示されるように、「拍子」の外に、「パターン名」、「3連(系)」、「難易度」及び「規模」などの項目が表示され、これらの項目を指定することにより、拍子の場合と同様に、パターンリストLP内に表示されるパターンデータを選別することができる。
「パターン名」には、当該パターンが属するパターングループの名称(例えば、「左手伴奏」、「両手伴奏」、「アルペジオ」等)が含まれ、パターン選択画面の「伴奏スタイル選択」ボタンBGを操作することにより、所望のパターングループを選択することができる。すなわち、図6の表示状態のパターン選択画面において、伴奏スタイル選択ボタンBGを操作すると、図12のような伴奏スタイル選択ウインドウ(ダイヤログボックス)WGが開かれ、複数のパターングループ選択肢が表示される。ここで、左端の伴奏スタイル選択チェックボタンCGをクリック指示することにより、これらの選択肢の中からボタンCGの指示に対応するパターングループを選択することができる。
そして、「OK」ボタンBKを操作すると、選択されたパターングループに属するパターン群の情報がパターン選択画面のパターンリストLP内に表示される。例えば、図9の拍子選択ウインドウWMにおいて「全てを表示する」を既に選択しており、図12の伴奏スタイル選択ウインドウWGにおいても「全てを表示する」を選択したときは、図6のパターン選択画面におけるパターンリストLPのように表示されるが、拍子選択ウインドウWMにおいて「拍子=4/4を表示する」を選択しており、伴奏スタイル選択ウインドウWGで「両手伴奏」を選択したときは、図11のような表示になる。なお、「キャンセル」ボタンBCを操作すると、元のパターン選択画面に戻る。
パターン選択画面においては、特に、ピアノの演奏スタイルを「両手伴奏」と「左手伴奏」の何れかから選択可能であり、「両手伴奏」が選択された場合には、「両手伴奏」に属する演奏スタイルになっているパターンがパターンリストLPに表示され、その中から演奏パターンを選択することができる。また、「左手伴奏」が選択された場合には、「左手」となっているパターンを表示し演奏パターンを選択することができる。
例えば、伴奏スタイル選択ウインドウWG(図12)において「両手伴奏」が選ばれた場合には、図6のパターン選択画面のパターンリストLPには、「両手伴奏1」、「両手伴奏2」、「両手伴奏3」、…のパターンが表示される。また、「左手伴奏」が選ばれた場合には、「左手伴奏1」、「左手伴奏2」、…のパターンが表示される。
同様にして、さらに、「3連(系)」については、「3連系抽出」ボタンBTの操作により3連符(系)のパターンを表示することができる。この場合、ボタンBTを操作する毎に3連符(系)のパターン情報の抽出表示と元のパターン表示が繰り返される。
また、「難易度」及び「規模(組合せ種類)」については、難易度選択ボタンBD又は「組合せ規模選択」ボタンBSを操作すると、図9の伴奏スタイル選択ウインドウWGと同様形式の難易度選択ウインドウ又は組合せ規模選択ウインドウが開かれるので、これらのウインドウから所望の難易度又は規模を選択することにより、この選択に対応するパターンの情報がパターン選択画面のパターンリストLP内に表示される。
なお、必要に応じて、さらに、これ以外の他の項目情報を各パターンデータ内に設け、このようなパターン選別フィルタ機能の考えを利用することができる。
パターン選択画面では、さらに、パターンリストLP内に表示されている各行のパターン情報に対してカーソルボタンを操作してカーソルCRを上下することにより、所望のパターンデータを選択することができ、選択されたパターン行は、図6や図11に斜め破線塗りで示されるように、ハイライト表示される。選択されたパターンデータに複数の演奏パターン(バリエーションパターン)が設定されている場合は、さらに、バリエーションボタンBVを操作しバリエーションパターン表示ウインドウ(図示せず)を呼び出し、演奏パターン選択ボタン(図示せず)を操作して各バリエーションパターンを表示させ、これらの中から所望の演奏パターンを選択することができる。
さて、次のステップS9においては、上述したような演奏パターン選択のための各種操作(拍子選別操作を除く)があったか否かが判定され、このような操作があったときは(YES)、ステップS10(図8)に進んで、選択された演奏パターンに対応の簡易図式を表示する処理を行う。ステップS10においては、演奏パターンの簡易図式は、カーソルCRで選択・指示したパターンデータに複数の演奏データ(バリエーションデータ)が含まれる場合は、既に図3で説明した代表(基本)パターンの方法を用い、カーソルCRで選択・指示したパターンデータが1演奏データしか持たない場合や、バリエーションパターン表示ウインドウで所望の演奏パターンを選択・指示した場合は、当該演奏パターンの内容に応じた図式を、図6のパターンチャート表示領域CP内に示される絵柄のように表示する。
ステップS10の簡易図式を表示する処理の後、或いは、ステップS9で否定(NO)の判定がなされたときは、ステップS11において、選択された演奏パターンについて確定する操作(図示せず)があったか否かが判定される。ここで確定操作があって肯定(YES)の判定がなされたときは、ステップS12にて、選択された演奏パターンをコードシーケンサに記録する。続いて、ステップS13にて、パターンシーケンスの簡易図式をディスプレイ12に表示する。
つまり、「トラックビュー画面」と呼ばれる画面には、時間経過に応じたコードシーケンサのパターンを順次切替え表示して行くことができるが、このステップS13では、トラックビュー画面上に設けたパターン列表示部(伴奏編集トラック)に、演奏パターンの選択により割り当てたパターンを簡易図式化したものを表示する。このように、この発明の一実施例によると、パターンシーケンスを簡易図式化して表示する処理により、パターンのノートの動きなどを中心にして簡易化した絵図をトラックビューの伴奏編集トラックに表示するようにしているので、例えば、複数のパターンが並べられて伴奏データが形成されている場合などに、各データの内容が解りやすくなる。
図13は、このようなパターンシーケンスを簡易図式で表示する一例を示す。図13(B)には、小節番号、メロディパターン列、コード及び伴奏パターン列表示部を備えるトラックビュー画面が示されており、曲の進行(時間経過)に伴う情報・パターンを、順次、各表示部に左右スクロールで表示して行くことができる。なお、両パターン列表示部において音符(ノート)パターンを示す各ノートマークは、横(左右)方向の長さが音符長を表わし、縦(上下)方向の配置位置が音高を表わす。
図13(A)は、選択された演奏パターンの1小節分の伴奏データを図式化したパターンユニットを例示したものである。図13(A)の伴奏パターンを第14小節及び第15小節に割り当て、第16小節に別の伴奏パターンユニットを割当てた場合、図13(B)の伴奏パターン列表示部のように、パターンシーケンスの簡易図式が表示される。つまり、図13(B)に例示されるパターンシーケンスの簡易図式は、コード区間の先頭位置を基準にしながら、図13(A)に示すような1小節分のパターン表示を張り付けたものである。図13(B)の例では、異なるコード(G♯m,C♯)の第14小節及び第15小節は、簡易図式が同じであり、パターン図柄により同一伴奏パターンであることが簡単に分かる。これに対して、第16小節は、第14及び第15小節とは異なるパターンの表示であることが容易に分かる。
この発明の一実施例においては、さらに、簡易図式化したパターン列をトラックビューに表示する場合、パターン内部の音符(ノート)に相当するノートマークは、コードによって音高が決定された後のものではなく、パターンデータ自体が持つ音高に相当する位置、或いは、それに準じた情報のままとする。これにより、パターン列表示の縦方向画面幅は、1パターン割当て範囲において一定の縮尺率を保つことができ、同一のパターンを、同じ表示の連続として見ることができる。
すなわち、トラックビューのパターン列表示部(伴奏編集トラック)にパターンの絵柄を表示する際、コードによって音高を変化した後のものは、同じ伴奏パターンでも音域が広くなるので、同じ縦幅のビュー部分に表示しようとすると1つのノートが表示可能は縦幅が小さくなったり、パターンによっては同じものの繰返しかどうかが見づらいことがあるが、上述のように、コード展開する前のプレーンな元パターンの連続表示にしておき、パターン列の縦方向の縮尺率を固定することによって、後々、楽に確認することができる。
さて、ステップS13のパターンシーケンスの簡易図式表示処理の後、或いは、ステップS11の否定(NO)判定の後は、ステップS14に進む。ステップS14では、コードシーケンサに記録された演奏パターンについて、再生、楽譜表示或いは楽譜印刷を指示する操作があったか否かが判定され、何れかの指示操作があったときはステップS15の処理の後ステップS16に進み、そうでないときは直ちにステップS16に進む。
ステップS15においては、コードシーケンサに記録された演奏パターンを展開して所定の演奏データを生成し、指示の内容に応じて、再生、楽譜表示或いは楽譜印刷を行う。ここで、この発明の一実施例においては、予めメロディデータが指定されており、「両手伴奏」或いは「左手伴奏」パターンが選ばれていた場合には、図14に示すように、「両手伴奏」か「左手伴奏」かに応じて、異なる処理が行われる。
例えば、「両手伴奏」パターンが選ばれて演奏データの生成が実行されるときには、図14の右側に示すように、コードシーケンス機能を利用して、コード進行データ及びパターンシーケンスの両手専用演奏パターン(両手伴奏パターン)PBから両手伴奏データDBaを生成する。そして、生成された両手伴奏データDBaは、パターンシーケンスデータに指示されている条件で、左手伴奏データDLa及び右手伴奏データDRaの左右に分離し、それぞれ、左手演奏データDL及び右手演奏データDRとされる。
一方、「左手伴奏」のパターンが選ばれて演奏データの生成が実行されるときには、図14の左側に示すように、コードシーケンス機能を利用して、コード進行データ及びパターンシーケンスの左手専用演奏パターン(左手伴奏パターン)PLから左手伴奏データDLaを生成して左手演奏(伴奏)データDLとする。また、「左手伴奏」での右手データの処理については、予め指定されているメロディデータDRmを右手演奏データDRとして利用する。
そして、生成された両手の演奏データDL,DRは、楽音発生手段8,9,13を介して再生され、ディスプレイ12上に楽譜形式の画面で表示され、或いは、システムに備えられたプリンタ(図示せず)を介して楽譜形式で印刷出力される。
図15及び図16は、上述した「両手伴奏」時の演奏データ生成処理により生成される演奏データを、1小節分(横軸)のパターンで簡易化して表わしたものである。両図において、縦軸は、音高に準拠したデータとなっており、白抜きの四角形が各音符(ノート)を示している。図15のパターンでは、ノート毎に「左手」又は「右手」の指定がなされている。このため、例えば、べロシティ値が偶数のものは左手、奇数のものは右手となるように、予めべロシティ値を設定しておく。一方、図16のパターンでは、所定の音高スプリット位置により左右の区別ができるようになっている。
図14での演奏データ生成処理において、両手専用演奏パターン(両手伴奏パターン)は、上述の何れかのデータを持っており、両手伴奏データDBaを生成した後、左手用のノートから生成された最終ノートデータは左手演奏(伴奏)データDLに挿入され、右手用のノートから生成した最終ノートデータは右手演奏(伴奏)データDRに挿入されることになる。
ステップS15において楽譜を表示又は印刷する際は、図4を用いて説明したように演奏パターン中にアドバイス情報が含まれていれば、アドバイスも表示又は印刷する。つまり、この場合、図14の処理によりコードシーケンス機能を用いて演奏データを生成したとき、使われた演奏パターンに書きこまれているアドバイス情報を、その対象情報に従って、ディスプレイ12の演奏データ表示画面上に楽譜と共に、表示したり、或いは、プリンタで紙の楽譜上に印刷を行う。
図17は、図4のアドバイス情報例に対応して作成されディスプレイ又はプリンタで表示又は印刷されるアドバイス付き楽譜の例を示す。この例では、図4(A)のアドバイス「リズミカルに弾こう」は、「パターン1」全体に対するアドバイスなので、アドバイス対象情報「全体」に従って「パターン1」の始まり位置に表示され、「アクセント」というアドバイス文字列は、「アクセント」をつけて弾く対象を表わす「ノート5」というアドバイス対象情報に従って、当該演奏データの各「パターン1」の第5番目の音符を指示する位置に付加される。また、図4(B)の「パターン2」全体に対するアドバイス「なめらかに弾こう」は、「パターン2」への切替わり位置である3小節目、及び、折りかえった先頭位置の5小節目に表示される。
ステップS16では、このパターン選択処理を終了する旨の操作がなされたか否かを判定し、この操作がなされなかったときはステップS17に進んで「その他の処理」を行う。「その他の処理」には、コード進行の入力、メロディの入力、演奏パターンの貼付け位置の指定などがあり、「その他の処理」の後はステップS3に戻り、終了操作がなされるまでステップS3〜S17の処理を繰り返す。そして、終了操作がなされるとこのパターン選択処理を終了する。