JP3980923B2 - ピッチ変換処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピッチ(音高)の変換処理を行うピッチ変換処理方法に関し、さらに詳細には、ユーザーが作曲を行う際などに用いて好適なピッチ変換処理方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
一般に、音楽愛好家の間には、自作の楽曲を自分で演奏したいという欲求がある。しかしながら、楽曲の作曲を行うには豊富な音楽的な知識を必要とするために、初心者が作曲を行うことは容易なことではなかった。
【0003】
このため、従来より、初心者などが作曲を行う際の手助けとなる各種のツールが種々提案されてきているが、ユーザーの間ではより簡便に作曲を行うことのできる新しいツールの開発が常に望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、初心者などが作曲を行う際の手助けとなる新規なツールとして用いることのできるピッチ変換処理方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、複数小節からなるフレーズの演奏データと該フレーズの調およびコード進行を記憶する記憶手段に記憶された複数のフレーズについて、楽曲の調およびコード進行を指定するステップと、上記複数のフレーズのうち任意のフレーズを選択し上記楽曲の任意の位置に設定するとともに、上記フレーズについて上記指定された調および上記設定された位置に対応する上記指定されたコード進行に適合するように変換指示するステップと、上記記憶手段に記憶されたフレーズの調およびコード進行に基づいて、各演奏データの音高のスケール上の順番を求め、該求めた順番を上記ステップにより指示された調のコード進行に基づいて決定されるスケール上の順番に対応させることにより、各演奏データの音高の変換量を得るステップとを有するようにしたものである。
【0006】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、複数小節からなるフレーズの楽音波形と該フレーズ各部の音高情報と該フレーズの調およびコード進行を記憶する記憶手段に記憶された複数のフレーズについて、楽曲の調およびコード進行を指定するステップと、上記複数のフレーズのうち任意のフレーズを選択し上記楽曲の任意の位置に設定するとともに、上記フレーズについて上記指定された調および上記設定された位置に対応する上記指定されたコード進行に適合するように変換指示するステップと、上記記憶手段に記憶されたフレーズ各部の音高と調およびコード進行に基づいて、楽音波形の各部の音高のスケール上の順番を求め、該求めた順番を上記ステップにより指示された調のコード進行に基づいて決定されるスケール上の順番に対応させることにより、楽音波形の各部の音高の変換量を得るステップとを有するようにしたものである。
【0007】
従って、本発明によれば、ユーザーが目標とする調とコード進行を指定すると、その調とコード進行に適合した演奏データや楽音波形を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるピッチ変換処理方法の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0009】
なお、以下の説明においては、理解を容易にするために、後述する素材フレーズの演奏データならびに作曲している楽曲の演奏データとして、MIDIデータを扱うものとして説明する。
【0010】
図1は、本発明によるピッチ変換処理方法を実施するコンピュータシステムの全体の構成を示すブロック構成図であり、このコンピュータシステムは、その全体の動作を中央処理装置(CPU)10を用いて制御するように構成されている。CPU10は、後述するリードオンリメモリ(ROM)14に記憶されたプログラムを実行し、後述するピッチ変換処理などを実行する。
【0011】
CPU10には、バス(BUS)12を介して、CPU10がピッチ変換処理などの動作の制御を行うために実行するプログラムや後述する素材フレーズの演奏データなどが格納されたROM14と、CPU10によるプログラムの実行に必要な各種バッファやレジスタなどが設定されたワーキングメモリたるランダムアクセスメモリ(RAM)16と、このコンピュータシステムにおいてピッチ変換処理を実行する際の各種の設定を行うためのキーボードあるいはマウスのようなポインティングデバイスなどの各種の操作子よりなる操作子群18と、ピッチ変換処理における各種設定を行うための表示画面(図2を参照しながら後述する。)などのようなこのコンピュータシステムにおける動作状態などを表示するディスプレイ20とが接続されている。
【0012】
図2には、本発明によるピッチ変換処理方法を作曲ツールとして実施する場合におけるディスプレイ20に表示される表示画面の一例が示されている。この表示画面は、ユーザーが素材データ(後述する。)を利用して作曲を行う際に用いる表示画面である。以下、図2に示す表示画面の各表示領域ならびに当該表示領域に表示されるパラメータについて詳細に説明する。
【0013】
まず、表示領域20aは、ユーザーが操作子群18を操作して、ユーザーが作曲しようとする楽曲の調性を選択して表示する領域である。調性は、キーと長調/短調情報とにより表される。図2に示す例においては、表示領域20aに「Cmaj」と表示されており、キーとして「C:ハ調」が選択されるとともに長調/短調情報として「maj:長調」が選択され、作曲対象の楽曲の調性として「Cmaj:ハ長調」が選択されたことを表示している。
【0014】
また、表示領域20bは、ユーザーが操作子群18を操作して、ユーザーが作曲しようとする楽曲のテンポを選択して表示する領域である。図2に示す例においては、テンポとして「120」が選択されて表示されている。
【0015】
また、表示領域20cは、ユーザーが操作子群18を操作して、ユーザーが作曲しようとする楽曲の小節番号を選択して表示する領域である。図2に示す例においては、小節番号として「17」乃至「32」が選択されて表示されている。
【0016】
また、表示領域20dは、ユーザーが操作子群18を操作して、ユーザーが作曲しようとする楽曲のコード進行を示すコードを小節番号に対応させて小節毎に選択して表示する領域である。図2に示す例においては、小節番号17乃至小節番号20、小節番号23乃至小節番号24、小節番号27および小節番号29乃至小節番号32のコードとして「C」が選択されて表示され、小節番号21乃至小節番号22および小節番号26のコードとして「F」が選択されて表示され、小節番号25および小節番号28のコードとして「G」が選択されて表示されている。
【0017】
また、表示領域20eは、ユーザーが作曲しようとする楽曲の演奏データを表示する領域であり、この図2に示す例においては、マルチトラックにより演奏データが構成される例を示している。具体的には、トラック1(Tr.1)、トラック4(Tr.4)、トラック5(Tr.5)、トラック6(Tr.6)およびトラック8(Tr.8)の5つのトラックが表示されている。ユーザーは、後述するように、素材フレーズを表示領域20eにドラッグアンドドロップすることにより、素材フレーズを適宜に組み合わせて作曲を行うことができる。
【0018】
また、表示領域20fは、ROM14に記憶された素材フレーズの演奏データのリストである素材フレーズリストを示す領域である。素材フレーズリストは、リスト中の通し番号、フレーズ名、当該フレーズの小節単位に表示したコードの機能としての度数の順のフォーマットで示されており、図2に示す例においては、「1 piano 1111」乃至「68 flute 2233」の68種類の素材フレーズが示されている。
【0019】
ここで、ROM14に記憶された素材フレーズとは、1小節単位で記憶された演奏データである。各素材フレーズは、各素材フレーズの演奏データを構成する音符毎に音高、音色、調性(キーと長調/短調情報)およびコードの度数が設定されている。
【0020】
ここで、コードの度数とは、調性のキーである主音(トニック)からダイアトニック・スケール上で、各コードの根音への音程(音高差)を度数で示したものである。
【0021】
ダイアトニック・スケールとは、1オクターブの中に全音5つと半音2つの音程からなる音列のことである。中心音となる主音があり、スケール上の他の音は主音に対して何らかの意味(機能)がある。ダイアトニック・スケールの代表は、メージャー・スケール(長調音階)とマイナー・スケール(短調音階)である。クロマチック・スケールとは、半音階のことで、1オクターブ中に12の半音によって構成される音列のことである。
【0022】
図示しない編集画面では、横方向に拡大表示すれば、音符単位のコードの度数が表示され、編集ができることとなる。
【0023】
また、表示領域20gは、作曲ツールとしての操作を行うためのコントロールボタンを表示する領域である。これらのコントロールボタンをそれぞれ説明すると、トップボタン(Top)は作曲した楽曲の演奏データの頭出しをするためのものであり、巻き戻しボタン(Rew)は作曲した楽曲の演奏データの巻き戻しをするためのものであり、早送りボタン(FF)は作曲した楽曲の演奏データを早送りをするためのものであり、エンドボタン(End)は作曲した楽曲の演奏データの末尾出しをするためのものであり、プレイボタン(Play)は作曲した楽曲の演奏データの再生を開始するためのものであり、ポーズボタン(Pause)は作曲した楽曲の演奏データの進行を一時停止するためのものであり、ストップボタン(Stop)は作曲した楽曲の演奏データの進行を停止するためのものである。
【0024】
次ぎに、図3乃至図4は、ROM14に記憶されているピッチ変換テーブルを図表的に示す説明図である。ピッチ変換テーブルは、図3に示すテーブル1と図4に示すテーブル2とより構成されており、後述するピッチ変換処理において用いられる。
【0025】
まず、テーブル1で処理する前処理として、変換前のフレーズから、音域情報であるオクターブ情報と、調性のキー情報を取り去り、フレーズを前述の長調/短調情報だけの基本スケール上の順番として表現しておく。
【0026】
ここで、「基本スケール」とは、音域にあたるオクターブ情報と、元フレーズの楽曲の調性のキー情報との2つを取り去り、即ち、音の高さ方向の情報を取り去ったスケールである。
【0027】
そして、テーブル1では、ピッチ変換する元のフレーズである素材フレーズの各音が、MIDIのノートナンバー(音高)としてクロマチックな番号付けをされているので、それを変換前フレーズの調性の長調/短調情報とコードの度数とに基づいて、ダイアトニック・スケール上での順番に変換処理をする。
【0028】
一方、テーブル2では、長調/短調情報だけの基本スケール上での順番で表現したものを目標スケール上での順番に変換し、併せて、ダイアトニック・スケール上の順番をクロマチック・スケール上での順番に変換し、クロマチックな番号付けをしているMIDIのノートナンバーに対応させるテーブルである。
【0029】
これらテーブル1ならびにテーブル2において、長調/短調情報の「Maj」は長調を表し、「min」は短調を表している。テーブル1ならびにテーブル2の前半は長調のテーブルであるので、主要3和音のI、IV、Vのスケールの行が大文字になっており、また、テーブル1ならびにテーブル2の後半は短調のテーブルであるので、III、VI、VIIのスケールの行が大文字になっている。また、これらテーブル1ならびにテーブル2において、「x」は該当する音がないこと、即ち、空いていることを示している。
【0030】
以上の構成において、ディスプレイ20に図2に示す表示画面が表示された状態において、操作子群18を構成するポインティングデバイスやキーボードを用いて、各々の表示領域の表示部分を選択したりドラッグアンドドロップすることで、各表示領域におけるパラメータの種類や値を設定して作曲を行う。
【0031】
次ぎに、ユーザーが素材フレーズを元にして作曲を行って、素材フレーズを作曲している楽曲に取り込む場合の処理について説明する。
【0032】
まず、表示領域20fに表示された素材フレーズリストのなかから、1つの素材フレーズを選択する。
【0033】
次ぎに、素材フレーズリストから選択した素材フレーズを、表示領域20eの所望のトラックの所望の小節の所望の拍の位置にドラッグアンドドロップすると、これにより素材フレーズを作曲している楽曲に取り込んで合成することができる。
【0034】
上記のようにして素材フレーズのドラッグアンドドロップが行われると、以下に詳細に説明するピッチ変換処理方法に従って、素材フレーズの各音のピッチが表示領域20aに表示されている調性と表示領域20dに表示されているコードとに合うように変換され、作曲している楽曲の演奏データに合成されることになる。
【0035】
以下に、ピッチ変換処理方法の実施の形態の一例について詳細に説明するが、まず、このピッチ変換処理方法において使用する下記の(1)〜(8)の各パラメータについて説明する。
【0036】
(1)NX
ピッチ変換の変換元である素材フレーズ(以下、「元フレーズ」と適宜に称する)の各音のノートナンバー(音高)を示す(MIDIデータのノートナンバーは、クロマチック・スケール的に番号付けされている。)。
【0037】
(2)KO
元フレーズの調性のキーを示す。
【0038】
(3)TO
元フレーズの調性の長調/短調情報を示す。
【0039】
(4)CO
元フレーズのコードの度数を示す。
【0040】
(5)NY
ピッチ変換された元フレーズのピッチ変換後の各音、即ち、目標フレーズのノートナンバーを示す。
【0041】
(6)KT
ピッチ変換の際の目標となる調性のキーであり、この実施の形態においては、表示領域20aに表示されている調性のキーである。
【0042】
(7)TT
ピッチ変換の際の目標となる調性の長調/短調情報であり、この実施の形態においては、表示領域20aに表示されている調性の長調/短調情報である。
【0043】
(8)CT
ピッチ変換の際の目標となるコードの度数であり、この実施の形態においては、表示領域20dに表示されているコードの度数である。
【0044】
また、上記したパラメータのなかで、KO、KTにより示すキーは、「C=0、C#=1、D=2、・・・、B=11」というように数値化して取り扱う。また、TO、TTにより示す長調/短調情報は、図3乃至図4に示すスケール変換テーブルと同様に、長調は「長調=[Maj]」として表し、短調は「短調=[min]」として表す。
【0045】
次に、ピッチ変換処理方法の処理手順(ステップ1乃至ステップ3)について順に説明する。なお、ユーザーが、表示領域20aにおける調性を設定するとともに表示領域20dにおけるコード進行を設定し、それから表示領域20fから素材データを選択して表示領域20eにドラッグアンドドロップすると、以下の各ステップに示す処理が実行されて、素材データが音符単位でピッチ変換され、表示領域20aに示す調性と表示領域20dに示すコード進行に合うように変換される。
【0046】
1.ステップ1
数式1を用いて、NXからオクターブ情報を取り除いた値PXを求める処理を行う。ここで、PXとは、元の調性(キーと長調/短調情報)のスケール上でのオクターブ情報の無い音名を示すものとなる。
【0047】
数式1 PX=NX%12(なお、本明細書において「NX%12」という数式は、NX(ノートナンバー)を12で割った余りを意味するものとする。)
2.ステップ2
ステップ2は、ステップ2−1とステップ2−2との2つの処理よりなる。
【0048】
・ステップ2−1
数式2を用いて、PXからキーの情報を取り除いた値PY(PYは、PXからキーの情報を取り除くことにより、長調/短調情報だけの基本スケール上の順番(階名)を示す値である。)を求める処理を行う。
【0049】
数式2 PY=(PX−KO)※12(なお、本明細書において「※12」という数式は、「(PX−KO)」を12で割って負の値まで拡張した余りを意味するものとする。)
・ステップ2−2
数式3を用いて、テーブル1を参照することによって、PYからPNを求める。PYは、オクターブ情報とキーの情報を取り去り、長調/短調情報だけの基本スケール上の順番であり、MIDIのノートナンバーのクロマチックな順番で表したものである。PNは、テーブル1を参照し、元フレーズの調性の長調/短調情報とコードの度数とに基づいて、PYではクロマチック・スケール上での順番で表現したものを、ダイアトニック・スケール上の順番で表現したものに変換したものである。
【0050】
数式3 PN=table1[TO][CO][PY]
3.ステップ3
数式4を用いて、PNの値を指標にしてテーブル2を参照し、ピッチ変換後のコードの度数に対応するスケール上の順番を示す値であるtable2[TT][CT][PN]を求め、この求めた目標スケール上の順番を示す値と、PYである元フレーズの長調/短調情報だけにした基本スケール上の順番を示す値とに基づいて、ピッチ変換量であるPTを求める。
【0051】
数式4 PT=(KT−KO)+table2[TT][CT][PN]−table2[TO][CO][PN]
ここで、テーブル2はテーブル1の逆関数に相当するので、数式5が成立する。
【0052】
数式5 table2[TO][CO][PN]=PY
さらに、
数式6 PS=table2[TT][CT][PN]
と置き換えて、
数式7 PT=(KT−KO)+PS−PY
が得られる。なお、「KT−KO」は、ピッチ変換前のキーとピッチ変換後の目標キーとの音高差、即ち、転調する前後の主音どうしの音高差を示している。
【0053】
従って、MIDIデータを扱う場合には、
数式8 NY=NX+PT
という数式8の演算を行うことによりピッチ変換後のノートナンバーが求められる。
【0054】
また、MIDIデータに代えてオーディオデータを扱う場合には、「2の(PT/12)乗」の比率でピッチ変換を行うようにすればよい。
【0055】
なお、この場合のオーディオデータとは、伴奏などが無くてメロディだけの音楽が記録されたデータであり、音符毎に区間に分かれており、調性(キーと長調/短調情報)と音符毎のコード進行情報も合わせて記録されているものである。
【0056】
以下、具体的なピッチ変換処理の一例として、元フレーズとして図5に示すフレーズを用いた場合のピッチ変換例を説明する。図5に示す元フレーズは、
調性のキー KO=0
調性の長調/短調情報 TO=Maj
コードの度数 CO=I
ノートナンバー NX={60,62,64,65,67,67}
というパラメータを備えており、音名では
ド レ ミ フ ァ ソ ソ
となる。
【0057】
そして、このピッチ変換処理の例においては、まず、ピッチ変換後のフレーズを、調性はハ長調(Cmaj)のままでコードがFのコードに合うように変換するものとする。
【0058】
ここで、ピッチ変換後の調性は、
調性のキー KT=0
調性の長調/短調情報 TT=Maj
そして、Fのコードは、
コードの度数 CT=IV
というパラメータを備えるものである。
【0059】
以上の条件において、上記したステップ1乃至ステップ3に示す処理を順次行う。図5乃至図6を参照しながら説明する。はじめに、NXから「PX=NX%12」を求めると、
PX={0,2,4,5,7,7}
となる。このPXとKOから「PY=(PX−KO)※12」を求めると、
PY={0,2,4,5,7,7}
となる。
【0060】
table1[Maj][I][PY]からPNを求めると、
PN={0,1,2,3,4,4}
となる(図5参照)。これにより、PYとして、長調/短調情報だけの、オクターブ情報やキーの情報の無い、基本スケール上の何番目の音かがわかる。さらに、元フレーズのMIDIのノートナンバーがクロマチック・スケールの表現であるので、PNとして、ダイアトニック・スケールの表現に変換した。
【0061】
次ぎに、上記したように、ピッチ変換後のフレーズが、
調性のキー KT=0
調性の長調/短調情報 TT=Maj
コードの度数 CT=IV
というパラメータを備えるものであり、上記したように、
PN={0,1,2,3,4,4}
であるので、
table2[Maj][IV][PN]
から、
table2[T]={5,7,9,11,12,12}=PS
が得られ、ピッチ変換量PTは、
Figure 0003980923
が得られる(図6参照)。
【0062】
ここで、NX={60,62,64,65,67,67}
であるので、これに基づいてMIDIデータを得ると、
Figure 0003980923
という音高(なお、音名は、「ファ ソ ラ シ ド ド」である。)のフレーズがピッチ変換処理により得られる。
【0063】
従って、ユーザーにとっては、任意の素材フレーズを、楽曲の任意の位置に設定し、表示領域20aにおいて作成する楽曲の調性(キーと長調/短調情報)を指定し、表示領域20dにおいて音符毎のコード(度数)を指定するという簡単な作業により、指定された調性(キーと長調/短調情報)とコード(度数)とに応じて元データのピッチ変換が自動的に行われる。
【0064】
次ぎに、上記した図5に示す元データをピッチ変換して、ピッチ変換後のフレーズを、調性はハ長調(Cmaj)のままでコードがCmに合うように変換する場合について説明する。
【0065】
ここで、ピッチ変換後の調性は、
調性のキー KT=0
調性の長調/短調情報 TT=min
そして、Cmのコードは、
コードの度数 CT=i
というパラメータを備えるものである。
【0066】
この場合には、
table2[min][i][PN]
から、
table2[T]={0,2,3,5,7,7}=PS
が得られ、
Figure 0003980923
が得られる。
【0067】
ここで、NX={60,62,64,65,67,67}
であるので、これに基づいてMIDIデータを得ると、
Figure 0003980923
という音高(なお、音名は、「ド レ ミのフラット ファ ソ ソ」である。)のフレーズがピッチ変換処理により得られる。
【0068】
次ぎに、上記した図5に示す元データをピッチ変換して、ピッチ変換後のフレーズを、調性はハ長調(Cmaj)のままでコードがFmに合うように変換する場合について説明する。
【0069】
ここで、ピッチ変換後の調性は、
調性のキー KT=0
調性の長調/短調情報 TT=min
そして、Fmのコードは、
コードの度数 CT=iv
というパラメータを備えるものである。
【0070】
この場合には、
table2[min][iv][PN]
から、
table2[T]={5,7,8,10,12,12}=PS
が得られ、
Figure 0003980923
が得られる。
【0071】
ここで、NX={60,62,64,65,67,67}
であるので、これに基づいてMIDIデータを得ると、
Figure 0003980923
という音高(なお、音名は、「ファ ソ ラのフラット シのフラット ド ド」である。)のフレーズがピッチ変換処理により得られる。
【0072】
次ぎに、上記した図5に示す元データをピッチ変換して、ピッチ変換後のフレーズを、調性はハ長調(Cmaj)のままでコードが最初の5音がDm7−5であって最後の1音がCmに合うように変換する場合について説明する。
【0073】
ここで、ピッチ変換後の調性は、
調性のキー KT=0
調性の長調/短調情報 TT=min
そして、Dm7−5、Cmのコードは、
コードの度数 CT=ii,i(Dm7−5は「CT=ii」
であり、Cmは「CT=i」である。)
というパラメータを備えるものである。
【0074】
この場合には、
table2[min][ii,i][PN]
から、
table2[T]={2,3,5,7,8,7}=PS
が得られ、
Figure 0003980923
が得られる。
【0075】
ここで、NX={60,62,64,65,67,67}
であるので、これに基づいてMIDIデータを得ると、
Figure 0003980923
という音高(なお、音名は、「レ ミのフラット ファ ソ ラのフラット ソ」である。)のフレーズがピッチ変換処理により得られる。
【0076】
なお、上記した実施の形態においては、本発明によるピッチ変換処理方法を、フレーズの演奏データとそのフレーズの調およびコード進行を記憶しているものの場合について適用したが、これに限られるものではないことは勿論であり、フレーズの楽音波形とそのフレーズ各部の音高情報とそのフレーズの調およびコード進行を記憶しているものに適用するようにしてもよいことは勿論である。
【0077】
また、上記した実施の形態においては、本発明によるピッチ変換処理方法を作曲ツールに使用した場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、シンセサイザーやシーケンサーなどに適用するようにしてもよいことは勿論である。
【0078】
さらにまた、上記した実施の形態においては、ピッチ変換処理の途中において、テーブル2などでダイアトニック・スケールを使ったが、ピッチ変換処理の最初から最後までクロマチック・スケールを使って変換してもよい。
【0079】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、初心者などが作曲を行う際の手助けとなる新規なツールとして用いることのできるピッチ変換処理方法を提供することができるようになるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるピッチ変換処理方法を実施するコンピュータシステムの全体の構成を示すブロック構成図である。
【図2】本発明によるピッチ変換処理方法を作曲ツールとして実施する場合におけるディスプレイに表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【図3】ROMに記憶されているピッチ変換テーブルのテーブル1(table1)を図表的に示す説明図である。
【図4】ROMに記憶されているピッチ変換テーブルのテーブル2(table2)を図表的に示す説明図である。
【図5】本発明によるピッチ変換処理方法の処理手順の説明図である。
【図6】本発明によるピッチ変換処理方法の処理手順の説明図である。
【符号の説明】
10 中央処理装置(CPU)
12 バス(BUS)
14 リードオンリメモリ(ROM)
16 ランダムアクセスメモリ(RAM)
18 操作子群
20 ディスプレイ

Claims (2)

  1. 複数小節からなるフレーズの演奏データと該フレーズの調およびコード進行を記憶する記憶手段に記憶された複数のフレーズについて、
    楽曲の調およびコード進行を指定するステップと、
    前記複数のフレーズのうち任意のフレーズを選択し前記楽曲の任意の位置に設定するとともに、前記フレーズについて前記指定された調および前記設定された位置に対応する前記指定されたコード進行に適合するように変換指示するステップと、
    前記記憶手段に記憶されたフレーズの調およびコード進行に基づいて、各演奏データの音高のスケール上の順番を求め、該求めた順番を前記ステップにより指示された調のコード進行に基づいて決定されるスケール上の順番に対応させることにより、各演奏データの音高の変換量を得るステップと
    を有するピッチ変換処理方法。
  2. 複数小節からなるフレーズの楽音波形と該フレーズ各部の音高情報と該フレーズの調およびコード進行を記憶する記憶手段に記憶された複数のフレーズについて、
    楽曲の調およびコード進行を指定するステップと、
    前記複数のフレーズのうち任意のフレーズを選択し前記楽曲の任意の位置に設定するとともに、前記フレーズについて前記指定された調および前記設定された位置に対応する前記指定されたコード進行に適合するように変換指示するステップと、
    前記記憶手段に記憶されたフレーズ各部の音高と調およびコード進行に基づいて、楽音波形の各部の音高のスケール上の順番を求め、該求めた順番を前記ステップにより指示された調のコード進行に基づいて決定されるスケール上の順番に対応させることにより、楽音波形の各部の音高の変換量を得るステップと
    を有するピッチ変換処理方法。
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