JP3972553B2 - テーパー鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーパー鋼板及びその製造方法に関する。より詳しくは、気温25℃の環境でも溶接施工時の予熱を必要としない、テーパー量、つまり鋼板の板厚の最も厚い部位と最も薄い部位の差が10mm以上である溶接性に優れたテーパー鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の厚鋼板の板厚はその幅方向及び長さ方向に一定であるが、最近、例えば橋梁分野などにおいて、設計を合理化し構造物の質量や施工工数を削減するために、鋼板の板厚が連続的に変化するテーパー鋼板に対する要求が大きい。なお、テーパー鋼板としては、鋼板の一端から他端へ板厚が単調に増加する片テーパー鋼板や、鋼板の中央部の板厚が厚い山形テーパー鋼板など様々な形状のものが要求されている。
【0003】
通常、厚鋼板の機械的性質は圧延加工量や圧延後の冷却速度に依存するので、鋼板内で板厚が変化すれば、鋼板の各部位における機械的性質に変化が生じてしまう。したがって、板厚が一定である通常の厚鋼板を製造する場合と異なり、テーパー鋼板を製造する場合には、鋼板内の機械的性質を均一にするための配慮が必要となる。例えば、溶接構造用圧延鋼材に対しては、その強度レベルに応じて引張強さ(以下、TSともいう)の範囲は110〜150MPaと規定されているので(JIS G 3106参照)、上記の範囲内で多数のテーパー鋼板を安定して製造するためには、各鋼板内のTSのばらつきを小さく抑えることが必要となる。
【0004】
圧延後に所謂「加速冷却」を施して厚鋼板を製造すると「冷却むら」が生じ、この「冷却むら」が鋼板内に残留応力を生じさせるため、鋼板に「条切り」と称される切断を施すと曲がりや反りが生じることがある。特にテーパー鋼板の場合には、鋼板の長さ方向あるいは幅方向で板厚が異なっているため、圧延後に前記の加速冷却を行うと「冷却むら」が顕著に生じることになって、切断後に曲がりや反りが発生することを避け難い。
【0005】
更に、橋梁などの鉄鋼構造物の場合、その建設施工現場で溶接が行われる。このため、溶接前に予熱を行わなくても溶接割れが発生しない鋼材が求められている。溶接性を向上させるためには、溶接割れ感受性を表す指数として知られている下記(1) で表されるPcmに従って含有元素量を低く抑えることが必要になるが、Pcm値を低くすると一般に強度の低下が生じ、所望のTSを確保することが難しくなる。
なお、(1) における元素記号はその元素の質量%での含有量を示す。
cm=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B・・・(1)
【0006】
cm=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B・・・(1)
又、溶接後は超音波によって溶接欠陥の有無が調査されるが、素材である厚鋼板に音響異方性が存在すると、溶接欠陥の診断が困難になってしまう。このため、音響異方性の小さい厚鋼板、換言すれば、鋼板の長さ方向の横波音速(VL )と鋼板の板幅方向の横波音速(VC )の比(VL/VC)が1.00に近い厚鋼板が求められている。
【0007】
テーパー鋼板の製造に関する技術が、例えば、特開平8−92636号公報や特開平9−155406号公報に開示されている。
【0008】
このうち特開平8−92636号公報には、「冷却条件に対する感受性が極めて小さく、材質特性を一定に保つことができる板厚テーパー鋼板の製造方法」が提案されている。しかし、この公報で開示された製造方法で加速冷却すると、冷却むらを生じることがあり、前記冷却むらに伴って残留応力が発生し、切断後に曲がりや反りが生じる場合があった。更に、質量%で0.7〜2.0%のCuを必須成分として含有するため、熱間加工時に表面割れが生じやすいという問題もあった。
【0009】
特開平9−155406号公報には、「鋼板内の強度差が少なく、かつ条切り後の曲がり、反りの発生の少ない引張強さ490MPa以上で、長手方向に10mm以上のテーパ量を有するテーパプレートの製造方法」が開示されている。しかし、この公報で提案された鋼板は、質量%で0.015〜0.06%のNbを必須の元素として含むものであるため音響異方性が大きく、溶接後に超音波で行う溶接欠陥診断が困難な場合があった。又、上記(1) で表されるPcmについての制約がないため、溶接前に予熱をしないと溶接割れが発生する場合があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みなされたもので、その目的は、熱間加工時に表面割れが発生せず、引張強さ(TS)が490MPa以上、JIS4号シャルピー衝撃試験片を用いた衝撃試験における破面遷移温度(VS)が0℃以下、超音波による溶接欠陥の診断が容易で、しかも、気温25℃の環境でも溶接施工時の予熱を必要としない、テーパー量が10mm以上であるテーパー鋼板とその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)〜(3)に示すテーパー鋼板及び(4)、(5)に示すその製造方法にある。
【0012】
(1)質量%で、C:0.20%以下、Si:1.00%以下、Mn:3.0%以下、Al:0.005〜0.10%、N:0.001〜0.007%を含有するとともに、Cu:0.05〜0.60%、Ni:0.05〜1.00%、Cr:0.05〜1.00%、Mo:0.05〜1.00%、Nb:0.005〜0.014%、V:0.005〜0.100%、Ti:0.005〜0.050%及びB:0.0005〜0.0030%のうちの1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のPは0.03%以下、Sは0.015%以下で、更に、下記(1) で表されるPcmの値がBの含有量が0.0003%未満の場合には0.10〜0.21、Bの含有量が0.0003%以上の場合には0.10〜0.19であり、且つ、下記(2) で表されるHv20-50 の値が15以下、横波音速比が0.98〜1.02であるテーパー量が10mm以上のテーパー鋼板。
【0013】
cm=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B・・・(1)
Hv20-50 =−110+460C+44Si+39Mn−31Cu−9Ni+11Cr+22Mo+180V+9600B−23000Mo×B・・・(2)
ここで、テーパー量とは鋼板の最も厚みの大きい部位と最も厚みの薄い部位との板厚差をいい、(1) 式及び (2) における元素記号はその元素の質量%での含有量を示す。
【0014】
(2)質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.05〜0.55%、Mn:0.3〜1.6%、Al:0.01〜0.10%、N:0.001〜0.007%を含有するとともに、Cu:0.05〜0.60%、Ni:0.05〜1.00%、Cr:0.05〜1.00%、Mo:0.05〜1.00%、Nb:0.005〜0.014%、V:0.005〜0.100%、Ti:0.005〜0.030%及びB:0.0005〜0.0030%のうちの1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のPは0.02%以下、Sは0.005%以下で、更に、前記(1) で表されるPcmの値がBの含有量が0.0003%未満の場合には0.21以下、Bの含有量が0.0003%以上の場合には0.19以下であり、且つ、前記(2) で表されるHv20-50 の値が15以下、横波音速比が0.98〜1.02であるテーパー量が10mm以上のテーパー鋼板。
【0015】
(3)質量%で、C:0.20%以下、Si:1.00%以下、Mn:3.0%以下、Mo:0.05〜1.00%、B:0.0005〜0.0030%、Al:0.005〜0.10%、N:0.001〜0.007%を含有するとともに、Cu:0.05〜0.60%、Ni:0.05〜1.00%、Cr:0.05〜1.00%、Nb:0.005〜0.045%、V:0.005〜0.100%及びTi:0.005〜0.050%のうちの1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のPは0.03%以下、Sは0.015%以下で、に、前記(1) で表されるPcmの値が0.10〜0.19であり、且つ、前記(2) で表されるHv20-50 の値が15以下、横波音速比が0.98〜1.02であるテーパー量が10mm以上のテーパー鋼板。
【0016】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化学組成を有する鋼片を950〜1300℃の温度域の温度に加熱し、900℃以下での累積圧下率を30%以上とし、熱間圧延仕上げ温度が950〜700℃となるように熱間圧延し、熱間圧延終了後は室温まで空冷するテーパー量が10mm以上のテーパー鋼板の製造方法。
【0017】
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化学組成を有する鋼片を1000〜1300℃の温度域の温度に加熱し、900℃以下での累積圧下率を30%以上とし、熱間圧延仕上げ温度が850〜750℃となるように熱間圧延し、熱間圧延終了後は室温まで空冷するテーパー量が10mm以上のテーパー鋼板の製造方法。
【0018】
ここで、既に述べたように、テーパー量とは鋼板の最も厚みの大きい部位と最も厚みの薄い部位との板厚差をいう。前記の(1) 式及び (2) における元素記号はその元素の質量%での含有量を示す。
【0019】
以下、上記の(1)〜(5)に記載のものをそれぞれ(1)〜(5)の発明という。
【0020】
本発明者らは、気温25℃の環境でも溶接施工時の予熱を必要とせず、490MPa以上のTSと、橋梁などの構造物に用いるために必要な母材靱性(JIS4号シャルピー衝撃試験片を用いた衝撃試験における破面遷移温度(VS)が0℃以下)とを有し、しかも、超音波による溶接欠陥の診断が容易な、テーパー量が10mm以上であるテーパー鋼板とその製造方法について種々研究を行い、下記の知見を得た。なお、以下の説明においては簡単のために、「JIS4号シャルピー衝撃試験片を用いた衝撃試験におけるVS」を、単に「VS」という。
【0021】
(a)気温25℃の環境でも溶接施工時の予熱を必要としない鋼板とするためには、前記▲1▼式で表されるPcmの値を低く抑える必要がある。
【0022】
(b)上記Pcmの許容値はBの含有量によって異なり、Bの含有量が0.0003%未満の場合は0.21以下に、Bの含有量が0.0003%以上の場合は0.19以下にすればよい。
【0023】
(c)鋼鈑のTSを490MPa以上とするためには前記(1) で表されるPcmの値を0.10以上、更に望ましくは0.15以上にするのがよい。
【0024】
(d)少なくとも、(イ)Nbの含有量を低く抑えるか、(ロ)熱間圧延仕上げ温度を高くすることによって、音響異方性を小さくすることができる。
【0025】
(e)超音波による溶接欠陥の診断を容易にするためには、鋼板の長さ方向の横波音速(VL)と鋼板の板幅方向の横波音速(VC)の比(VL/VC)(以下、上記の(VL/VC)を単に横波音速比という)を0.98〜1.02とすればよい。
【0026】
(f)熱間圧延終了後に加速冷却せず室温まで空冷する場合でも、鋼板の化学組成によっては鋼板に冷却むらを生じ、板厚の違う部位で大きな強度差が生ずることがある。しかし、熱間圧延終了後に室温まで空冷した場合に、その鋼板内のTSのばらつきを50MPa以下に抑えれば、その鋼板を切断しても曲がりや反りが発生することはない。
【0027】
(g)熱間圧延終了後に室温まで空冷した場合に、その鋼板内のTSのばらつきを50MPa以下に抑えるためには、鋼板の化学組成を厳密に規制すればよい。
【0028】
そこで次に、各種合金元素の含有量を種々変化させた鋼を実験室規模で少量溶製し、その鋼片から直径が3mmで長さが10mmの円筒状試験片を採取した。これらの試験片を全自動変態測定装置を用いて950℃及び1150℃に加熱し、板厚が20mm及び50mmの鋼板の800〜500℃の空冷速度に相当する冷却速度、つまり、0.55℃/分と0.15℃/分の冷却速度で常温まで冷却した。この冷却時に試験片の長さの変化を測定することにより、相変態の開始温度と終了温度を求めた。ここで、鋼板の板厚として20mmと50mmを選んだ理由は、490MPa以上の引張強さを有するテーパー鋼板に求められている板厚範囲が通常20〜50mmであることによる。
【0029】
次いで、それぞれ上記の冷却速度で冷却した同じ鋼の2つの試験片の中心部の硬さをマイクロビッカース硬さ計を用いて試験力9.807N(つまり、試験荷重1kgf)で測定した。その結果、次の知見が得られた。
【0030】
(h)板厚が20mm及び50mmの鋼板の800〜500℃の空冷速度に相当する冷却速度で常温まで冷却した場合のHv硬さの差は、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Bの含有量で表される前記の(2) と相関を有する。
そこで、更に、(2) の値を種々変化させた鋼を溶製し、その鋼片を1150℃に加熱して熱間圧延し、長さ方向に10〜60mmの板厚差を有するテーパー鋼板に仕上げ、熱間圧延後は常温まで空冷した。このようにして得た各テーパー鋼板の板厚中央部から圧延方向に直角な方向に引張試験片を採取し、TSを測定した。その結果、下記の知見が得られた。
【0031】
(i)(2) で表されるHv20-50 の値を15以下にすれば、板厚20mm部のTSと板厚50mm部のTSとの差を50MPa以下に抑えることができる。
【0032】
(j)前記の(b)と()の条件をともに満足する場合、テーパー鋼板内のTSばらつきは極めて小さくなる。
【0033】
(k)鋼に特定量のMoとBとを複合して含有させれば冷却時の相変態開始温度が大きく低下し、これによってTSの大きな上昇と音響異方性の低下が生じる。このため、上記の(d)で述べたNb含有量と熱間圧延仕上げ温度の制約を緩和することができる。すなわち、強度向上を目的にNbの含有量を増やすことができるし、同じく強度向上を目的に熱間圧延仕上げ温度を下げることもできる。
【0034】
本発明は上記の知見に基づいて完成されたものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(A)テーパー鋼板の化学組成
C:
Cは、強度の確保に有効な元素であるが、その含有量が0.20%を超えると溶接性と靱性が低下するし、板厚による強度ばらつきが大きくなる。したがって、Cの含有量を0.20%以下とした。前記(1) で表されるPcmの値を0.10以上にすれば、所望の490MPa以上のTSが確保されるので、Cは添加しなくてもよく、その含有量は不純物レベルの値であってもよい。なお、所望の490MPa以上のTSを廉価に、確実且つ安定して確保するためには、C含有量の下限値を0.05%とすることが好ましく、強度−靱性バランスを良好にするためには、C含有量を0.06〜0.11%とすることが望ましい。
【0036】
Si:
Siは、強度を確保するのに有効な元素であるが、1.00%を超えて含有させると溶接性と靱性が低下する。したがって、Siの含有量を1.00%以下とした。前記(1) で表されるPcmの値を0.10以上にすれば、所望の490MPa以上のTSが確保されるので、Siは添加しなくてもよく、その含有量は不純物レベルの値であってもよい。なお、所望の490MPa以上のTSを廉価に、確実且つ安定して確保するためには、Si含有量の下限値を0.05%とすることが好ましく、一方、良好な溶接性と靱性を得るためにはSi含有量の上限値を0.55%とすることが好ましい。強度−靱性バランスを良好にするために、Si含有量は0.1〜0.3%とすることが一層望ましい。
【0037】
Mn:
Mnは、強度の確保に有効な元素であるが、その含有量が3.0%を超えると溶接性と靱性が低下する。したがって、Mnの含有量を3.0%以下とした。前記(1) で表されるPcmの値を0.10以上にすれば、所望の490MPa以上のTSが確保されるので、Mnは添加しなくてもよく、その含有量は不純物レベルの値であってもよい。なお、所望の490MPa以上のTSを廉価に、確実且つ安定して確保するためには、Mn含有量の下限値を0.3%とすることが好ましく、一方、良好な溶接性と靱性を得るためにはMn含有量の上限値を1.6%とすることが好ましい。強度−靱性バランスを良好にするために、Mn含有量は0.9〜1.5%とすることが一層望ましく、1.2〜1.5%とすれば極めて好ましい。
【0038】
Al:
Alは、脱酸に有効な元素である。しかし、その含有量が0.005%未満では添加効果に乏しく、一方、0.10%を超えると靱性が損なわれる。したがって、Alの含有量を0.005〜0.10%とした。なお、脱酸を一層確実に行わせるために、Alの含有量は0.01〜0.10%とするのが好ましい。
【0039】
N:
Nは、窒化物を形成し、オーステナイト粒を微細にして靱性を高める作用を有する。しかし、その含有量が0.001%未満では添加効果に乏しく、一方、0.007%を超えると却って靱性の低下を招く。したがって、Nの含有量を0.001〜0.007%とした。
【0040】
(1)の発明及び(2)の発明に係るテーパー鋼板の化学組成には、強度を高めるために、下記の量のCu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti及びBのうちの1種又は2種以上を含有させる。又、(3)の発明に係るテーパー鋼板の化学組成には、冷却時の相変態開始温度を大きく低下させ、強度を高めるとともに音響異方性を低くするために、下記の量のMoとBとを複合して含有させ、更に、強度を高めるために、下記の量のCu、Ni、Cr、Nb、V及びTiのうちの1種又は2種以上を含有させる。
【0041】
Cu:
Cuの含有量が0.05%未満では添加効果に乏しい。一方、その含有量が0.60%を超えるとスラブ加熱時から熱間圧延時における表面割れが起こりやすくなる。したがって、強度を高めるためにCuを添加する場合の含有量を0.05〜0.60%とした。なお、上記表面割れを抑えるために、Cu含有量は0.05〜0.40%とすることが望ましい。なお、Cuを含有させれば耐候性向上の効果も同時に得られる。
【0042】
Ni:
Niの含有量が0.05%未満では添加効果に乏しい。一方、その含有量が1.00%を超えるとスケール疵が発生しやすくなる。したがって、強度を高めるためにNiを添加する場合の含有量を0.05〜1.00%とした。上記スケール疵の発生を抑えるため、Ni含有量は0.05〜0.30%とすることが望ましい。なお、Niを含有させることによりCu添加に起因するスラブ加熱時から熱間圧延時における表面割れを防止することができるので、Cuを添加する場合には、Cu含有量の1/2以上の量のNiを同時に含有させることが望ましい。
【0043】
Cr:
Crの含有量が0.05%未満では添加効果に乏しい。一方、その含有量が1.00%を超えると靱性と溶接性の劣化が著しくなる。したがって、強度を高めるためにCrを添加する場合の含有量を0.05〜1.00%とした。なお靱性と溶接性の劣化を抑えるため、Cr含有量は0.05〜0.60%とすることが望ましい。
【0044】
Mo:
(1)の発明及び(2)の発明に係るテーパー鋼板の化学組成には、強度を高めるために、0.05〜1.00%のMoを含有させてもよい。Moの含有量が0.05%未満では添加効果に乏しく、一方、その含有量が1.00%を超えると靱性と溶接性の劣化が著しくなるからである。なお、強度−靱性バランスを更に良好にするために、Mo含有量は0.05〜0.25%とすることが望ましい。
(3)の発明に係るテーパー鋼板の化学組成には、冷却時の相変態開始温度を大きく低下させ、強度を高めるとともに音響異方性を低くするために、0.05〜1.00%のMoを0.0005〜0.0030%のBと複合して含有させる必要がある。Moの含有量が0.05%未満では添加効果に乏しく、一方、その含有量が1.00%を超えると靱性と溶接性の劣化が著しくなる。なお、強度−靱性バランスを更に良好にするために、Mo含有量は0.05〜0.25%とすることが望ましい。
【0045】
B:
(1)の発明及び(2)の発明に係るテーパー鋼板の化学組成には、強度を高めるために、0.0005〜0.0030%のBを含有させてもよい。Bの含有量が0.0005%未満では添加効果に乏しく、一方、その含有量が0.0030%を超えると靱性と溶接性の劣化が著しくなるからである。なお、強度−靱性バランスを更に良好にするために、B含有量は0.0005〜0.0015とすることが望ましい。
(3)の発明に係るテーパー鋼板の化学組成には、冷却時の相変態開始温度を大きく低下させ、強度を高めるとともに音響異方性を低くするために、0.0005〜0.0030%のBを0.05〜1.00%のMoと複合して含有させる必要がある。Bの含有量が0.0005%未満では添加効果に乏しく、一方、その含有量が0.0030%を超えると靱性と溶接性の劣化が著しくなる。なお、強度−靱性バランスを更に良好にするために、B含有量は0.0005〜0.0015%とすることが望ましい。
【0046】
Nb:
Nbの含有量が0.005%未満では添加効果に乏しい。一方、その含有量が0.014%を超えると横波音速比が0.98〜1.02の範囲から外れる場合が多くなって超音波による溶接欠陥の診断が困難になる。したがって、強度を高めるためにNbを添加する場合の含有量を0.005〜0.014%とした。
【0047】
なお、(3)の発明に係るテーパー鋼板の化学組成には、0.05〜1.00%のMoと0.0005〜0.0030%のBとが複合して含有されており、冷却時の相変態開始温度が大きく低下して音響異方性が小さくなるので、Nb含有量が0.045%以下であれば、横波音速比を0.98〜1.02の範囲にすることができる。したがって、(3)の発明の場合には、強度を高めるために、0.005〜0.045%のNbを含有させてもよい。
【0048】
V:
Vの含有量が0.005%未満では添加効果に乏しい。一方、その含有量が0.100%を超えると靱性と溶接性の劣化が著しくなる。したがって、強度を高めるためにVを添加する場合の含有量を0.005〜0.100%とした。なお、強度−靱性バランスを更に良好にするために、V含有量は0.005〜0.060%とすることが望ましい。
【0049】
Ti:
Tiの含有量が0.005%未満では添加効果に乏しい。一方、その含有量が0.050%を超えると靱性の劣化が著しくなる。したがって、強度を高めるためにTiを添加する場合の含有量を0.005〜0.050%とした。なお、前記の量のTiを含有させればオーステナイト粒が微細になって靱性が高まる効果も同時に得られる。なお、強度−靱性バランスを一層良好にするためには、Tiの含有量を0.005〜0.030%とするのがよい。
【0050】
本発明においては、不純物元素としてのP、Sの含有量は下記のとおりに制限する。
【0051】
P:
Pは靱性を低下させてしまう。特にその含有量が0.03%を超えると靱性の低下が著しい。したがって、Pの含有量を0.03%以下とした。なお、靱性を一層良好にするためにP含有量は0.02%以下とすることが好ましい。
【0052】
S:
Sは靱性を低下させてしまう。特にその含有量が0.015%を超えると靱性の劣化が著しい。したがって、Sの含有量を0.015%以下とした。なお、靱性を一層良好にするためにS含有量は0.005%以下とすることが好ましい。
【0053】
cm
cmは溶接割れ感受性を表す指数であり、前記(1) で表されるPcmの値が、B含有量が0.0003%未満の場合には0.21以下、B含有量が0.0003%以上の場合には0.19以下であれば、いずれも気温25℃の環境でも溶接施工時の予熱を必要としない。したがって、Pcmの上限値を、Bの含有量が0.0003%未満の場合には0.21、Bの含有量が0.0003%以上の場合には0.19とした。一方、所望の490MPa以上のTSを確保するためには、Bの含有量に拘わらず、Pcmの値を0.10以上とする必要がある。なお、490MPa以上のTSを確実且つ安定して確保するためには、Pcmの値を0.15以上とするのがよい。
【0054】
Hv20-50
Hv20-50はテーパー鋼板の薄肉部と厚肉部のTS差の目安となる指数であり、前記(2) で表されるHv20-50 の値を15以下にすれば板厚20mm部のTSと板厚50mm部のTSとの差を50MPa以下に抑えることができ、その鋼板を切断しても曲がりや反りが発生することがない。したがって、Hv20-50 の値を15以下とした。なお、板厚20mm部のTSと板厚50mm部のTSとの差を30MPa以下とするためには、Hv20-50 の値を10以下にすることが望ましく、板厚20mm部のTSと板厚50mm部のTSとの差を15MPa以下とするためには、Hv20-50 の値を0以下にすることが望ましい。このHv20-50 の値が小さければ小さいほど(負の値でその絶対値が大きければ大きいほど)板厚20mm部のTSと板厚50mm部のTSとの差を小さくすることができる。
(B)テーパー鋼板の製造条件
(B−1)熱間圧延前の加熱温度
均質な組織を得るために、加熱温度は950℃以上にするのがよい。加熱温度を1000℃以上とすれば、一層均質な組織が得られる。しかし、加熱温度が1300℃を超えると燃料コストが嵩む。更に、スケール発生も多くなって歩留まりの低下が生じ、生産効率が低下する。また結晶粒が粗大化して良好な靱性が得られない場合も生じる。したがって、上記(A)に記載した化学組成を有する鋼片の熱間圧延前の加熱温度は950〜1300℃とするのがよい。なお良好な組織と靱性を得るために、加熱温度は1000〜1300℃とすることが望ましく、1000〜1200℃とすれば一層好ましい。
【0055】
(B−2)熱間圧延仕上げ温度
熱間圧延後室温まで空冷して490MPa以上のTSを確保するため、熱間圧延仕上げ温度は950℃以下とするのがよい。490MPa以上のTSを確実に安定して確保するために、熱間圧延仕上げ温度は850℃以下とするのが一層よい。しかし、熱間圧延仕上げ温度が700℃を下回ると、横波音速比が0.98〜1.02という優れた音響等方性を確保することが難しいので、超音波による溶接欠陥の診断が困難になる場合がある。横波音速比で0.98〜1.02という優れた音響等方性を確実且つ安定して確保するためには、熱間圧延仕上げ温度の下限値は750℃とすることが望ましい。したがって、熱間圧延仕上げ温度は950℃〜700℃、より好ましくは850〜750℃とするのがよい。
【0056】
なお、良好な強度−靱性バランスを付与するため、熱間圧延するに際しては、900℃以下での累積圧下率を30%以上とすることが望ましい。
【0057】
(B−3)圧延後の冷却方法
鋼板内のTSのばらつきを50MPa以下に抑えて、その鋼板を切断した際の曲がりや反りの発生を防止するためには、熱間での圧延終了後に加速冷却を行わず、そのまま室温まで空冷するのがよい。
【0058】
なお、本発明に係るテーパー鋼板の製造方法は、鋼板の一端から他端へ板厚が単調に増加する片テーパー鋼板や、長さ方向中央部の板厚が長手方向両端部の板厚よりも大きい山形あるいは台形テーパー鋼板など様々な形状のテーパー鋼板の製造に適用できる。
【0059】
更に、本発明に係るテーパー鋼板は、橋梁のみならず、建築物、タンク、その他の用途に用いることが可能である。
【0060】
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。
【0061】
【実施例】
表1及び表2に示す化学組成を有する鋼を180kg真空炉溶製した。表1及び表2における鋼1〜14は化学組成が本発明で規定する範囲内にある本発明例の鋼、表2における鋼15〜18は成分のいずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外れた比較例の鋼である。
【0062】
【表1】
Figure 0003972553
【表2】
Figure 0003972553
次いで、これらの鋼を通常の熱間鍛造によって厚さ180mmの鋼片とした後、鋼5、鋼6、鋼12は960℃に加熱してから、他の鋼は1150℃に加熱してからそれぞれ熱間圧延した。圧延形状は板厚が長さ方向に直線的に変化する片テーパー鋼板で、薄肉端の板厚が10mm、厚肉端の板厚が60mmとなるようにした。熱間圧延終了後は室温まで空冷した。なお、熱間圧延後に表面割れの有無を調査した。表3、表4に、900℃以下での累積圧下率と圧延仕上げ温度の詳細を示す。
【0063】
空冷後はJIS Z 3060に準拠して、板厚がそれぞれ20mmと50mmである位置の板幅中央部における横波音速比を調査した。又、上記位置の板幅中央部から板幅方向、つまり圧延方向と直角な方向に、JIS4号引張試験片とJIS4号シャルピー試験片を採取し、母材の機械的性質を調査した。
【0064】
更に、各鋼板の長さ方向中央部を用いて、JIS Z 3158に準拠した斜めy型溶接割れ試験を実施して溶接割れ感受性を評価した。なお、溶接割れ試験はいずれも500MPa級鋼用低水素タイプの溶接材料(商品名L53(住金溶接工業株式会社製))を用いて、温度25℃、湿度60%の雰囲気で、試験片初期温度25℃の条件で実施した。
【0065】
表3及び表4に、各種試験結果を併せて示す。
【0066】
【表3】
Figure 0003972553
【表4】
Figure 0003972553
表3、表4における試験番号1〜14は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある本発明例の鋼を、本発明で規定する条件で製造したテーパー鋼板である。いずれも、熱間圧延後に表面割れが認められず、TSは490MPa以上、薄肉部と厚肉部とのTS差は50MPa以下の引張特性で、VSは0℃以下、横波音速比は0.98〜1.02であり、しかもy型割れ試験で割れが生じていない。
【0067】
一方、表4における試験番号15〜18は、成分のいずれかが本発明で規定する範囲から外れた比較例の鋼を、本発明で規定する条件で製造したテーパー鋼板である。
【0068】
上記のうち試験番号15は、供試鋼である鋼15のHv20-50 の値が本発明で規定する範囲から外れているため、熱間加工性、衝撃特性、音響異方性、溶接性に関しては目標を満足しているものの、薄肉部と厚肉部とのTS差が50MPaを超え、しかも、厚肉部のTSは490MPaに達していない。
【0069】
試験番号16は、供試鋼である鋼16のPcmの値が本発明で規定する範囲から外れているため、熱間加工性、引張特性、衝撃特性、音響異方性に関しては目標を満足しているものの、y型割れ試験で割れが発生している。
【0070】
試験番号17は、供試鋼である鋼17のCu含有量が本発明で規定する範囲から外れているため、引張特性、衝撃特性、音響異方性、溶接性に関しては目標を満足しているものの、熱間加工で表面割れが発生している。
【0071】
試験番号18は、供試鋼である鋼18のNb含有量が本発明で規定する範囲から外れているため、熱間加工性、引張特性、衝撃特性、溶接性については目標を満足しているものの、薄肉部における横波音速比が1.03で音響異方性が大きい。
【0072】
【発明の効果】
本発明のテーパー鋼板は、熱間加工時に表面割れが発生せず、490MPa以上のTSと0℃以下のVSを有して強度と靱性のバランスに優れ、更に、鋼板内のTSのばらつきが50MPa以下であるのでその鋼板を切断した際に曲がりや反りが発生せず、横波音速比が0.98〜1.02であるので超音波による溶接欠陥の診断も容易で、しかも、気温25℃の環境でも溶接施工時の予熱を必要としない。このため、橋梁などの鉄鋼構造物に用いることができる。このテーパー鋼板は本発明の方法によって比較的容易に製造することができる。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.20%以下、Si:1.00%以下、Mn:3.0%以下、Al:0.005〜0.10%、N:0.001〜0.007%を含有するとともに、Cu:0.05〜0.60%、Ni:0.05〜1.00%、Cr:0.05〜1.00%、Mo:0.05〜1.00%、Nb:0.005〜0.014%、V:0.005〜0.100%、Ti:0.005〜0.050%及びB:0.0005〜0.0030%のうちの1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のPは0.03%以下、Sは0.015%以下で、更に、下記(1) で表されるPcmの値がBの含有量が0.0003%未満の場合には0.10〜0.21、Bの含有量が0.0003%以上の場合には0.10〜0.19であり、且つ、下記(2) で表されるHv20-50 の値が15以下、横波音速比が0.98〜1.02であるテーパー量が10mm以上のテーパー鋼板。
    cm=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B・・・(1)
    Hv20-50 =−110+460C+44Si+39Mn−31Cu−9Ni+11Cr+22Mo+180V+9600B−23000Mo×B・・・(2)
    ここで、テーパー量とは鋼板の最も厚みの厚い部位と最も厚みの薄い部位との板厚差をいい、(1) 式及び (2) における元素記号はその元素の質量%での含有量を示す。
  2. 質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.05〜0.55%、Mn:0.3〜1.6%、Al:0.01〜0.10%、N:0.001〜0.007%を含有するとともに、Cu:0.05〜0.60%、Ni:0.05〜1.00%、Cr:0.05〜1.00%、Mo:0.05〜1.00%、Nb:0.005〜0.014%、V:0.005〜0.100%、Ti:0.005〜0.030%及びB:0.0005〜0.0030%のうちの1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のPは0.02%以下、Sは0.005%以下で、更に、下記(1) で表されるPcmの値がBの含有量が0.0003%未満の場合には0.21以下、Bの含有量が0.0003%以上の場合には0.19以下であり、且つ、下記(2) で表されるHv20-50 の値が15以下、横波音速比が0.98〜1.02であるテーパー量が10mm以上のテーパー鋼板。
    cm=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B・・・(1)
    Hv20-50 =−110+460C+44Si+39Mn−31Cu−9Ni+11Cr+22Mo+180V+9600B−23000Mo×B・・・(2)
    ここで、テーパー量とは鋼板の最も厚みの厚い部位と最も厚みの薄い部位との板厚差をいい、 (1) 式及び (2) 式における元素記号はその元素の質量%での含有量を示す。
  3. 質量%で、C:0.20%以下、Si:1.00%以下、Mn:3.0%以下、Mo:0.05〜1.00%、B:0.0005〜0.0030%、Al:0.005〜0.10%、N:0.001〜0.007%を含有するとともに、Cu:0.05〜0.60%、Ni:0.05〜1.00%、Cr:0.05〜1.00%、Nb:0.005〜0.045%、V:0.005〜0.100%及びTi:0.005〜0.050%のうちの1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のPは0.03%以下、Sは0.015%以下で、更に、下記(1) で表されるPcmの値が0.10〜0.19であり、且つ、下記(2) で表されるHv20-50 の値が15以下、横波音速比が0.98〜1.02であるテーパー量が10mm以上のテーパー鋼板。
    cm=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B・・・(1)
    Hv20-50 =−110+460C+44Si+39Mn−31Cu−9Ni+11Cr+22Mo+180V+9600B−23000Mo×B・・・(2)
    ここで、テーパー量とは鋼板の最も厚みの厚い部位と最も厚みの薄い部位との板厚差をいい、 (1) 式及び (2) 式における元素記号はその元素の質量%での含有量を示す。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼片を950〜1300℃の温度域の温度に加熱し、900℃以下での累積圧下率を30%以上とし、熱間圧延仕上げ温度が950〜700℃となるように熱間圧延し、熱間圧延終了後は室温まで空冷するテーパー量が10mm以上のテーパー鋼板の製造方法。
    ここで、テーパー量とは鋼板の最も厚みの厚い部位と最も厚みの薄い部位との板厚差をいう。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼片を1000〜1300℃の温度域の温度に加熱し、900℃以下での累積圧下率を30%以上とし、熱間圧延仕上げ温度が850〜750℃となるように熱間圧延し、熱間圧延終了後は室温まで空冷するテーパー量が10mm以上のテーパー鋼板の製造方法。
    ここで、テーパー量とは鋼板の最も厚みの厚い部位と最も厚みの薄い部位との板厚差をいう。
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