JP2000045042A - 引張り強度が490N平方mm以上の曲げ加工性の良いトンネル支保工用H形鋼およびその製造方法 - Google Patents

引張り強度が490N平方mm以上の曲げ加工性の良いトンネル支保工用H形鋼およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶接割れ性が良好で水素性欠陥が極めて少
なく、更に靭性と曲げ加工性が良好な引張強度490/mm2
以上のトンネル支保工用H形鋼を提供する。 【解決手段】 重量%でC:0.04〜0.13%,Si:0.05 〜0.40
%,Mn:0.3〜1.5%, Al:0,005〜0.10% を含み、さらに不純
物としてS:0.010%以下,P:0.020% 以下,H:2.5ppm以下、
そのほかの化学成分を所定の範囲内とした鋼を、加熱温
度≧1100℃、圧延終了温度≧800 ℃の圧延条件で圧延
後、ウェブ部のみを 2〜35℃/sの冷却速度で650 ℃以下
まで冷却し、フランジ部は2 ℃/s以下の冷却速度で冷却
または放冷することによりフランジとウェブの厚みが6m
m 〜25mmであり、引張り強度が≧490N/ mm2 で、フラン
ジ部におけるフェライトとパーライト分率が≧85% 、ウ
ェブ部におけベイナイト・マルテンサイト分率が≧60%
の組織を有するトンネル支保工用H形鋼を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネル工事におけ
る支保に用いられる高強度H形鋼およびその製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】トンネルの支保のパターンとしては地質
の状況に応じて種々のものが実用化されており、詳細は
トンネル標準示方書(山岳編)などに述べられている。
ロックボルトを地中に打ち込む方法は共通であるが、ト
ンネルの内壁を支保するものとしてはコンクリートを吹
き付けるもの、鋼製の支保工をアーチ型に曲げ加工して
用いるものが主なものである。鋼製の支保工として、従
来は曲げ加工性の良い400N/mm2 級の高張力の形鋼
が用いられてきた。
【0003】しかしながら、近年のトンネルの大断面化
により、トンネルの断面形状が従来の円形から偏平にな
り、荷重形態も軸力のみが主たる外力であったものか
ら、軸力と曲げ力が組合わさったものに変化してきた。
そのため、従来の400N/mm2 級の鋼製の支保工を用
いると、断面積と断面係数の大きなものが必要となり、
施工工期が長くなり、且つ施工コストは大幅に増加する
という問題点があった。
【0004】しかしながら、トンネル支保用には強度の
みならず耐溶接割れ性が良好なこと、水素性欠陥がない
こと、靭性が良好なこと、更に良好な曲げ加工性を有す
ることなど多くの要求を伴うことから、トンネル支保用
に400N/mm2 級を超える支保工が用いることは難し
かった。これらの要求の内、特に高強度と曲げ加工性を
ともに満足させることは困難であった。なぜならば、通
常の方法で製造されたH型鋼は断面全域にわたり同様の
組織を有し、強度も断面全域でほぼ同様であることか
ら、強度上昇がそのまま曲げ加工性の劣化をもたらし、
曲げ加工時に割れやすく、スプリングバック量も大きい
など、実際の加工が難しいという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、曲げ
加工性が良好で耐溶接割れ性、耐水素性欠陥及び靭性を
兼ね備えた引張強度490N/mm2 以上のトンネル支保
工用H形鋼とその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従
来のトンネル支保工用H形鋼の欠点を有利に排除しう
る、曲げ加工性が良好で耐溶接割れ性、耐水素性欠陥及
び靭性を兼ね備えた引張強度490N/mm2 以上のトン
ネル支保工用H形鋼とその製造方法であり、その要旨と
する所は次の通りである。 (1)重量%で、 C :0.04〜0.13%、 Si:0.05〜0.40%、 Mn:0.3〜1.5%、 Al:0.005〜0.10%、 不純物として S :0.010%以下、 P :0.020%以下、 H :2.5ppm 以下に制限し、 残部がFeおよび不可避的不純物からなり、フランジ部
における金属組織の面積率の85%以上がフェライトと
パーライトの混合組織であり、かつウェブ部における金
属組織の面積率の60%以上がベイナイトまたはマルテ
ンサイトもしくはこれらの混合組織であり、フランジと
ウェブの厚みが6mm以上25mm以下であことをことを特
徴とする引張り強度が490N/mm2 以上の曲げ加工性
の良いトンネル支保工用H形鋼。
【0007】また、本発明は上記(1)記載のトンネル
支保工用H形鋼において、鋼成分として、以下の(2)
乃至(7)の各項に記載した成分を各項記載毎に、ある
いは各項を組合わせてさらに含有させることができる。
(2)重量%で、 Ti:0.002〜0.10%、 Nb:0.005〜0.10% の1種または2種以上を含有すること。 (3)重量%で、V:0.005〜0.1%を含有する
こと。 (4)重量%で、 Cu:0.05〜0.5%、 Ni:0.05〜0.5%、 Cr:0.05〜0.5%、 Mo:0.05〜0.5%、 Co:0.05〜0.5%、 W :0.05〜0.5% の1種または2種以上を含有すること。 (5)重量%で、B:0.0002〜0.0025%を
含有すること。 (6)重量%で、 Rem:0.002〜0.10%、 Ca:0.0003〜0.0030% の1種または2種以上を含有すること。 (7)重量%で、Mg:0.0003〜0.01%を含
有すること。
【0008】(8)さらに本発明は上記(1)乃至
(7)の何れか一つに記載の成分を含有する鋼片または
鋳片を1100℃以上に加熱した後に、800℃以上の
温度域でフランジ厚6mm以上25mm以下、ウエブ厚さ6
mm以上25mm以下の範囲としたH形鋼への圧延を終了
し、圧延後ウェブ部のみを2℃/s以上35℃/s以下
の冷却速度で650℃以下まで冷却し、フランジ部は2
℃/s以下の冷却速度で冷却または放冷することを特徴
とする引張り強度が490N/mm2 以上の曲げ加工性の
良いトンネル支保工用H形鋼の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明の根幹をなす技術思想は以下の通りである。
大断面のトンネルに従来の400N/mm2 級の鋼製の支
保工を用いると、断面積と断面係数の大きなものが必要
となり、施工工期が長くなり、且つ施工コストは大幅に
増加してしまう。従来のサイズで大断面のトンネルに耐
え得る断面係数を有するためには、H形鋼の強度は49
0N/mm2 以上必要である。
【0010】一般に、鋼を高強度化する方法としては固
溶強化、析出効果、変態強化、加工硬化などの機構が用
いられる。H形鋼のように部位によって厚みが異なり、
よって熱間圧延後に変態する際の冷却速度も異なる場合
は、強化機構が冷却速度に比較的依存しない固溶強化、
加工硬化を用いることが好ましい。しかし過度の固溶強
化は溶接性を損ない、且つ製造コストを著しく上昇させ
る。またH形鋼を冷間加工で製造することは加工装置に
多大なパワーが要求されるため不可能に近く、よって加
工硬化による高強度化も期待できない。析出効果、変態
強化は変態時の冷却速度依存性が非常に大きいため、断
面内での強度のばらつきを広げることになりかねず、H
形鋼の高強度化機構としては不適であった。
【0011】しかしながら本発明者らは、所定の成分系
の鋼を用いて、所定のサイズのH形鋼に圧延し、さらに
圧延後にウェブのみを所定の冷却速度で冷却すれば、フ
ランジの金属組織の85%以上がフェライトとパーライ
トの混合組織となり、ウェブの60%以上がベイナイ
ト、マルテンサイトまたはそれらの混合組織となり、こ
れにより断面平均で490N/mm2 以上の任意の強度が
安定して得られることを見出した。
【0012】また、トンネル支保工には強度のみなら
ず、耐溶接割れ性が良好なこと、水素性欠陥がないこ
と、靭性、延性が良好なことなど、多くの要求が伴い、
従来の高強度鋼でこれらの要求を満足することは難しか
ったが、本発明のように比較的少ない合金添加量で均一
なフェライトとパーライトの混合組織とすれば、耐溶接
割れ性、靭性、延性ともに良好な特性が得られることも
見出した。また、水素性欠陥の防止は鋼中の水素量を制
限することにより達成可能である。
【0013】以下に製造方法の限定理由を詳細に説明す
る。まず本発明における出発材の成分の限定理由につい
て述べる。Cは、鋼を強化するのに有効な元素であり、
0.04%未満では十分な強度が得られない。一方、そ
の含有量が0.13%を超えると硬化しすぎて割れやす
くなる。
【0014】Siは脱酸元素として、また鋼の強化元素
として有効であるが、0.05%未満の含有量ではその
効果がない。一方、0.4%を超えると、溶接部の靭性
を損なう。Mnは鋼の強化に有効な元素であり、0.3
%未満では十分な効果が得られない。一方、その含有量
が1.5%を超えると鋼の加工性を劣化させる。
【0015】Alは脱酸元素として添加される。0.0
05%未満の含有量ではその効果がなく、0.1%を超
えると、鋼の表面性状を損なう。SはMnSを生成し、
超音波探傷時の不合格の原因となるため、含有量を0.
01%以下に制限する。
【0016】Pは靭性を劣化するため、含有量を0.0
2%以下に制限する。Hは水素性欠陥の原因となる。す
なわち、水素は圧延前の鋼片または鋳片内にあるポロシ
ティー内に集まり、圧延によりそのポロシティーが圧着
するのを阻害するため、含有量を2.5ppm 以下に制限
する。
【0017】さらに本発明では以下の成分を必要に応じ
て添加する。NbとTiは何れも微量の添加で結晶粒の
微細化と析出硬化の面で有効に機能するが、過度に添加
すると析出脆化をおこす。このためその添加量の上限を
0.10%とする。添加量が少なすぎると効果がないた
め、Tiの添加量の下限を0.002%、Nbの添加量
の下限を0.005%とする。
【0018】Vは微量の添加で析出強化をもたらすが、
過度に添加すると析出脆化をおこす。このためその添加
量の上限を0.10%とする。添加量が少なすぎると効
果がないため、添加量の下限を0.005%とする。
【0019】Cu,Ni,Cr,Mo,Co,Wは何れ
も鋼の焼入れ性を向上させる元素である。本発明におけ
る場合、その添加により鋼の強度を高めることができる
が、過度の量の添加は鋼を硬化させ割れやすくするた
め、何れの元素とも0.5%以下に限定する。また添加
量が少なすぎると効果がないため、添加量の下限を何れ
の元素とも0.05%とする。
【0020】Bは鋼の焼入れ性を向上させる元素であ
る。本発明における場合、その添加により鋼の強度を高
めることができるが、過度の添加はBの析出物を増加さ
せて鋼の靭性を損なうため、その含有量の上限を0.0
025%とする。また添加量が少なすぎると効果がない
ため、添加量の下限を0.0002%とする。
【0021】RemとCaはSの無害化に有効である
が、添加量が少ないとSが有害のまま残り、過度の添加
は靭性を損なうため、Rem:0.002〜0.10
%、Ca:0.0003〜0.0030%の範囲で添加
する。
【0022】Mgは微細な酸化物となり鋼の組織を微細
化し靭性を向上させる。0.0003%未満ではその効
果がなく、0.01%を超えると酸化物を起点とした割
れが生じやすくなるため、含有量を0.0003〜0.
01%の範囲とする。
【0023】次に本発明におけるH形鋼のサイズの条件
について述べる。フランジ厚さ、ウェブ厚さともに6mm
以上25mm以下の範囲に制限し、圧延後にウェブのみを
所定の冷却速度で冷却することにより、本発明鋼の成分
範囲でフランジのフェライトとパーライト組織の分率を
85%以上、かつウェブのベイナイト、マルテンサイト
またはこれらの混合組織の分率を60%とすることがで
きる。
【0024】フランジのフェライト+パーライト組織分
率が85%未満では、フランジの強度が過大で曲げ加工
時の抵抗が大きく、割れを生じたり、スプリングバック
量が大きく加工精度が劣化するなどの問題が起こる。フ
ェライトの形状は粒状、針状何れでも構わない。また、
ウェブのベイナイト、マルテンサイトまたはこれらの混
合組織の分率を60%未満であると断面全体で見た場合
の強度が不足し、引張強度が490N/mm2 に満たなく
なる。引張り強度が490N/mm2 であれば、この厚み
の範囲で十分な断面係数と支保力を有することができ
る。
【0025】次に本発明におけるH形鋼の製造条件につ
いて述べる。本発明鋼で十分な強度・延性を得るために
は、フェライト−パーライト組織主体のフランジの金属
組織をを出切るだけ細粒にする必要がある。圧延温度が
低下し過ぎて変態温度以下でフェライトが圧延されると
延性・靭性が損なわれるため、圧延前の加熱工程と圧延
終了温度の下限を設定する必要がある。そのため加熱温
度の下限を1100℃とする。それ以下では圧延終了温
度を変態点以上に確保できない場合がある。さらに圧延
終了温度が800℃を切ると部分的に圧延中にフェライ
トが生成してしまうため、その下限を800℃とする。
【0026】この様な条件で加熱・圧延した後の冷却速
度が遅いとフェライト−パーライト主体の組織、速いと
ベイナイトまたはマルテンサイト組織が生ずる。本発明
においてはフランジを前者、ウェブを後者とするために
フランジの冷却速度を2℃/s以下、ウェブを2℃/s
以上30℃/s以下の冷却速度とし、650℃以下まで
冷却する。これにより、比較的微細なフェライトとパー
ライトの混合組織の分率が85%以上のフランジと、ベ
イナイトまたはマルテンサイトまたはその混合組織が6
0%以上となるウェブが得られる。フランジは2℃/s
以下の冷却速度であれば良く、圧延後放冷してもかまわ
ない。
【0027】このような組織からなるH形鋼は断面全体
で所定の強度を有し、さらに靭性も良好である。ウェブ
の冷却速度が2℃/s未満では所定の量のベイナイトや
マルテンサイトが得られず、30℃/sを超えるとマル
テンサイ組織の分率が高くなり過ぎて硬度が上昇し、加
工中割れを生ずる。また冷却停止温度が650℃超で
は、やはり所定の量のベイナイトやマルテンサイトが得
られない。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。まず表1に示す化学成分の鋼を表2に示す製造条件
で、表2中に示すサイズのH形鋼とした。このH形鋼の
各位置での金属組織、強度、伸び、靭性さらには最高硬
さ試験における最高硬度、溶接部のUST欠陥判定結
果、曲げ加工試験時の割れ発生率、スプリングバック量
は表3(表3−1、表3−2)に示す。
【0029】表3において、フェライト−パーライト組
織率は、200倍の光学顕微鏡写真によりポイントカウ
ンティング法で測定した。引張試験片はJIS 1A
号、衝撃試験片はJIS 4号(板厚中心部から採取)
又はそれに相似形のもの(板厚が10mm以下の場合)を
用いた。最高硬さ試験は590N/mm2 級の強度の溶接
棒を用いて、170KJ/cm の入熱量でビードを置いたも
のの板表面下2mmの硬度をビッカース硬度計(10kg)
で測定した。超音波探傷(UST)はJISに従って測
定した。溶接部はH形鋼の長手方向に垂直な断面に板を
合わせ、H形鋼の断面形状に沿って隅肉溶接したもので
ある。曲げ加工後のずれ量は図1に示すXの距離を測定
して判定した。H形鋼の長さはいずれも12mである。
曲げ半径はワ、カ、ソが4.1m、それ以外が2.6m
である。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】表3によると、本発明のH形鋼は何れも
フランジはフェライト・パーライト主体の組織を有し、
かつウェブはベイナイトやマルテンサイト主体の組織を
有し、引張強度はフランジ部では490N/mm2 以上、
ウェブ部では590N/mm2 以上を有し、かつ伸び、衝
撃値共に従来鋼に比べて良好である。さらに曲げ加工時
のわれ発生もなく、スプリングバック量も小さい。さら
に最高硬さ試験における最高硬度は軒並み280程度と
従来鋼のそれに比べて格段に低く、十分な耐溶接割れ性
を有することがわかる。さらに溶接部のUST欠陥判定
結果から不合格材は皆無であった。このように本発明鋼
および発明法を適用することにより、大断面トンネルの
支保工として使用するに十分な特性を有する引張強度4
90N/mm2 以上のH形鋼が得られることが確認でき
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】H形鋼における曲げ加工後の先端部ずれ量の測
定基準を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/06 C22C 38/06 38/14 38/14 38/52 38/52 38/54 38/54 E21D 11/18 E21D 11/18 (72)発明者 菅原 琢己 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 Fターム(参考) 2D055 FB01 4E002 AA07 AC03 BC07 BD07 BD08 4K032 AA00 AA01 AA02 AA04 AA05 AA08 AA09 AA11 AA14 AA16 AA19 AA22 AA23 AA27 AA29 AA31 AA35 AA36 AA37 AA40 BA00 CA02 CC03 CD01 CD02 CD03 CD05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.04〜0.13%、 Si:0.05〜0.40%、 Mn:0.3〜1.5%、 Al:0.005〜0.10%、 不純物として S :0.010%以下、 P :0.020%以下、 H :2.5ppm 以下に制限し、 残部がFeおよび不可避的不純物からなり、フランジ部
    における金属組織の面積率の85%以上がフェライトと
    パーライトの混合組織であり、かつウェブ部における金
    属組織の面積率の60%以上がベイナイトまたはマルテ
    ンサイトもしくはこれらの混合組織であり、フランジと
    ウェブの厚みが6mm以上25mm以下であことをことを特
    徴とする引張り強度が490N/mm2 以上の曲げ加工性
    の良いトンネル支保工用H形鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトンネル支保工用H形
    鋼において、鋼成分としてさらに重量%で、 Ti:0.002〜0.10%、 Nb:0.005〜0.10% の1種または2種を含有することを特徴とする引張り強
    度が490N/mm2 以上の曲げ加工性の良いトンネル支
    保工用H形鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2に記載のトンネル支
    保工用H形鋼において、鋼成分としてさらに重量%で、 V:0.005〜0.1% を含有することを特徴とする引張り強度が490N/mm
    2 以上の曲げ加工性の良いトンネル支保工用H形鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか1項に記載のト
    ンネル支保工用H形鋼において、鋼成分としてさらに重
    量%で、 Cu:0.05〜0.5%、 Ni:0.05〜0.5%、 Cr:0.05〜0.5%、 Mo:0.05〜0.5%、 Co:0.05〜0.5%、 W :0.05〜0.5% の1種または2種以上を含有することを特徴とする引張
    り強度が490N/mm2以上の曲げ加工性の良いトンネ
    ル支保工用H形鋼。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1項に記載のト
    ンネル支保工用H形鋼において、鋼成分としてさらに重
    量%で、 B :0.0002〜0.0025% を含有することを特徴とする引張り強度が490N/mm
    2 以上の曲げ加工性の良いトンネル支保工用H形鋼。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1項に記載のト
    ンネル支保工用H形鋼において、鋼成分としてさらに重
    量%で、 Rem:0.002〜0.10%、 Ca :0.0003〜0.0030% の1種または2種を含有することを特徴とする引張り強
    度が490N/mm2 以上の曲げ加工性の良いトンネル支
    保工用H形鋼。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか1項に記載のト
    ンネル支保工用H形鋼において、鋼成分としてさらに重
    量%で、 Mg:0.0003〜0.01% を含有することを特徴とする引張り強度が490N/mm
    2 以上の曲げ加工性の良いトンネル支保工用H形鋼。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れか1項に記載の成
    分を有する鋼片または鋳片を1100℃以上に加熱した
    後に、800℃以上の温度域でフランジ厚6mm以上25
    mm以下、ウエブ厚さ6mm以上25mm以下の範囲としたH
    形鋼への圧延を終了し、圧延後ウェブ部のみを2℃/s
    以上35℃/s以下の冷却速度で650℃以下まで冷却
    し、フランジ部は2℃/s以下の冷却速度で冷却または
    放冷することを特徴とする引張り強度が490N/mm2
    以上の曲げ加工性の良いトンネル支保工用H形鋼の製造
    方法。
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