JP3972213B2 - 木質深底容器の製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、食品やその他の包装用として使用される木質容器やダンボール箱・木箱の代替品として使用される木質容器とその製造方法に関し、特に天然木を使用した深底容器とその製造方法に関するものである。
背景技術
近年、ゴミ問題、環境問題への意識の高揚から、石油由来の化学合成樹脂とは異なり、土中に埋設して腐らせたり、焼却といった廃棄処理が容易な木質容器に高い関心が寄せられ、この種の木質容器が種々提案されている。一般に、木質容器は木材単板あるいは積層した単板を成形プレスして製造される。
しかしながら、そもそも木材は樹脂や金属と異なり、延性や展性に富む材料ではない。そのため一定限度以上の変形を生じるような型を使用して積層木板を成形プレスすると、変形量の大きな部分で亀裂や割れが生じるという問題があった。このため、従来の木質容器の深さは、深いものでも3cm程度であり、6cmを超えるような深底の容器は未だ製造できていないのが実状である。また、従来の木質容器のほとんどが成形加工時に接着剤を使用しているため、廃棄処理が困難であるばかりでなく、食品用の容器等への利用には衛生上の問題がある。
発明の開示
そこで本発明者らは、鋭意研究の結果、接着剤を使用することなく、天然木のみを使用した深底の木質容器を開発するに至った。
本発明は、板厚1mm〜2mmの少なくとも2枚の板状木材を、それぞれの繊維方向が交差するように重ねた後、180℃〜260℃に熱した金型を用いプレス機により圧縮して成形することを第1の特徴とする。また、金型に圧縮軸方向に対して傾斜角が10°〜60°である傾斜導入面を設けたことを第2の特徴とする。
本発明では、少なくとも2枚の単板をその繊維方向が互いに交差するように積層してプレス成形加工することにより曲げ加工時の亀裂や割れが抑制される。すなわち、木材は繊維方向へは伸長し易く、その横方向には裂け易いという性質があるため、2枚の単板の繊維方向を交差違えて積層することで、繊維の方向性に起因する亀裂や割れを防止できる。加えて、積層した単板が円滑に金型内部に導入されるように、金型に傾斜導入面を設けている。この傾斜導入面は圧縮軸に対して傾斜角度が10°〜60°の範囲で設定される。
また、容器底部は圧縮され、上部は伸びるために単板一枚では亀裂が入りやすいが、単板を編み込んだり、かぎ込んで重ね合わせることで、とくに上部の伸びに対応することができ、縁のリブの成形が可能で、丸、三角、四角、花形、舟形等の様々な形状の容器を成形することができる。容器が広く大きい場合は、強度を上げるために積層の枚数を増やし、厚みを大きく設定することで、成形が可能である。
本発明にかかる木質深底容器は、浅底容器は勿論のこと、容器の深さ6cmを超える深底に成形することができるので、容器に収納できる収納物の形状・使用の目的等の範囲が広がるばかりでなく、板状木材の圧縮加工により容器を成形するため、接着剤の使用を要せず、特に食品用に用いるのに適した容器を提供することができる。
また、成形中の高温加熱により木材中の雑菌等が殺菌されるので、食品用の容器としての衛生面での安全性も得られる。
更に、本発明にかかる木質深底容器は、天然木のみを原料としているため、使用後の廃棄処理が容易であるばかりでなく、使用後の容器を回収して破砕することで良質な木材チップを得る事ができ、優れたリサイクル性を有している。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係る木質トレイの材料として使用できる樹種としては、針葉樹、広葉樹、竹皮等、特に種類を限定しないが、その中でもとくに比重が小さく材質が柔らかいスギ材が曲げ加工の容易さの点から適している。また、スギ材には防菌作用を有する抽出成分が含まれており、木材の持つ高い吸湿性と相俟って、ラップ等で密閉されたトレイ内部の抗菌及び調湿機能が得られるので、食品用の容器材料として最適である。
本発明で使用可能な単板の板厚は、板厚1mm〜2mmの板状又はシート状のものが良い。すなわち、板厚1mm未満だと、積層した単板同士のめり込み効果が得られず。板厚が2mmを超えると、単板の曲げ剛性が高く曲げ加工が困難になると共に、加熱による軟化が不均一となり成形時に成形歪みによる亀裂や割れが生じるおそれがある。
単板の含水率は、10%以下では曲げ剛性が高くなり加工が困難になるが、それ以外の含水率では加工が可能である。但し、含水率30%以上の生材状態では熱圧時に発生する水蒸気を上手く逃がしてやらないとパンクが生じる。また、高含水率材では水分を蒸発させるために余分なエネルギーが必要となるばかりでなく、製品の色が黒ずんでしまうことがある。また、飽水状態で保管している間に雑菌などが繁殖するおそれがある。したがって、気乾かそれよりやや含水率の高い状態、すなわち、含水率20〜30%が好適である。
単板の加熱温度、すなわち金型の加熱温度は、リグニンの軟化点である130℃以上であれば良いが、本発明の製造方法では、単板同士のみによる接合を得るために180℃〜200℃の温度が必要である。特に、200℃付近まで加熱した場合、ほとんどの雑菌を死滅させることができるので、食品用の容器として使用した場合、衛生面で有益である。
単板の熱圧時間は、単板の曲げ加工だけを行なうのであれば、15秒程度で十分であるが、単板同士を接合させるためには、30〜300秒が必要である。熱圧時間が長ければ長いほど接合度は強くなると考えられるが、ある程度以上のしっかりとした接合強度を得るためには、少なくとも120秒以上の時間を要する。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
実施例1
本発明では、先ず、スギ原木をスライス加工して得られた板材を、天然あるいは人工乾燥により含水率20%程度に乾燥する。次いで、この単板を第2図に示すような単板A及び単板Bの2種類の形状に裁断する。本実施例では板厚1.5mmの2枚のスギ板を、長さL1:250mm、巾W1:220mmの矩形状で且つ角隅部をR=40mmで面取り加工した単板Aと、長さL2:200mm、巾W2:180mmの矩形状に裁断した単板Bの2種類の板材を準備した。
次いで、第3図に示すように、先ず、角部の面取りをしていない単板Bの繊維方向が金型(凹型2)の短手方向となるように配置し、その上に角部を面取した単板Aの繊維方向が金型の長手方向となるようにして、それぞれの繊維方向が互いに交差(ここでは直交)するように積層し、積層された単板A及び単板Bの表裏両面を第1図に示す凹型2及び凸金型3とからなる金型1に挟んでプレス装置(図示せず)により加圧圧縮して賦型した。
第5図及び第6図に示すように、使用した金型1は、凹型2及び凸型3とからなり、長手幅D:210mm、短手幅d:150mm、深さH:90mm、傾斜導入面4の圧縮軸との角度θ:30°を有する。このとき金型1はヒーター(図示せず)により200℃に加熱し、プレス加工圧が初期は70〜150kgf/cm、その後20〜30秒間は10〜20kgf/cm、型締め速度1.5mm/秒にて180秒間加圧圧縮して賦型した。賦型加工後冷却し、木質深底容器5を得た。この場合、厚さ3mmであった積層された単板A及び単板Bは単板1枚の厚さである1.5mmまで圧密化された。このように、本発明では、木材をリグニンの軟化点である130℃を越える温度で加熱することにより、木材の塑性変形を容易にし、単板A及び単板B同士が相互のめり込みによって、相欠継ぎに似た状態で接合される。また、成型後の木質深底容器5の長手方向両側面部は、部分的に単板が2〜3層に折り畳まれた状態で単板1枚の厚さまで圧縮されるため、この部分が圧密固定化されて容器の強度が高まる。
本発明の木質容器の製造方法において、2枚の単板が重ね合せられた接合部分の接合力を検証し、本発明木質容器の適正製造条件を得るために各種試験を行なった。以下、その試験結果を示す。
先ず、各種の接合条件(熱圧条件)を設定した単板同士の熱圧接合試験を行なった。その後、接合が確認された試験体について、接合部の引張せん断試験と板厚方向引張試験を行なった。
試験例1:熱圧接合試験
接合条件として、単板含水率、単板厚、熱圧温度及び熱圧時間を変えて接合試験を行なった。また、単板の繊維方向を互いに交差(直交)させて重ね合せた場合についても試験した。
単板の寸法及び形状は180mm×180mmの正方形とし、端部から50mmずつ重ね合せた。単板の含水率は、概ね30%弱(湿潤状態)とした。以下、各種試験における設定条件を示す。
(1)熱圧温度及び熱圧時間
熱圧温度:160、180、200(℃)
熱圧時間: 60、120、180(秒)
単板厚 :1.0、1.5、2.0(mm)
単板含水率:飽水状態(200%程度)、湿潤状態(30%程度)、気乾状態(15%程度)、乾燥状態(10%未満)
(2)試験結果:平面プレスによる単板同士の熱圧接合は、熱圧条件の違いにより全く接合されないものから、強固に接合されるものまで、様々であったが、とくに1.0mm厚で乾燥状態の単板及び2.0mm厚で飽水状態の単板については、熱圧時間が60秒及び120秒の場合には接合されなかった。また、2.0mm厚で湿潤状態の単板についても熱圧温度(160℃)と時間(60秒)が十分でない場合には接合されなかった。また、熱圧温度が高い(200℃)場合も熱圧時間(15秒)が極めて短時間になると、良好な接合状態が得られず、単板間に部分的な隙間が認められた。
試験例2
接合された試験体を繊維方向に引張荷重を与え、その最大荷重を接合部の面積で除することにより引張せん断強さを求め、接合力として評価した。試験は、万能試験機(島津オートグラフAG100KNG)を使用し、荷重速度1mm/分で行なった。単板の接合部面積は30×50mmとした。試験結果を第7図のグラフに示す。第7図のグラフからも明らかなように、いずれの単板厚、熱圧温度においても熱圧時間に比例して増大した。また、単板厚が厚いものほど熱圧温度の影響が著しく、引張せん断強さが増大することが判明した。これは単板厚が厚いものほど、単板同士のめり込みの度合が大きくなるためと考えられる。
試験例3
単板の含水率が接合に及ぼす影響について検証するため、単板厚が1.0mm及び2.0mmで単板の含水状態が、飽水状態(200%程度)、湿潤状態(30%程度)、気乾状態(15%程度)、乾燥状態(10%未満)の4種に調整し、熱圧接合したものを用いて引張せん断試験を行なった。その試験結果を第8図のグラフに示す。第8図のグラフからも明らかなように、いずれの厚さの単板においても、乾燥状態から含水率30%までの範囲では、含水率が高いものほど引張せん断強さが増大することが判明した。また、単板厚1.0mmのものは熱圧時間による差は見られなかったが、単板厚2.0mmのものでは、熱圧時間が長くなるほど引張せん断強さが増大することが判明した。しかし、飽水状態のものは、熱圧時間が短く十分な熱量が得られない条件では、引張せん断強さが低下し良好に接合されなかった。また、単板厚1.0mmのものは、熱圧の際に水蒸気の逃げ道が確保されずにパンク損傷を生じるものが観察された。したがって、単板の含水率は15%〜30%程度が好適であることが判った。
試験例4
単板接合に要する圧締時間が数分にもおよぶと、容器の量産化に支障をきたすことが予測される。そこで、熱圧時間の短縮化の可能性に関して検証するため、本実施例で使用したホットプレス装置の加熱上限値である熱圧温度200℃で、熱圧時間を15秒、30秒及び45秒の3段階に変えて、引張せん断強さについて検討した。単板厚は1.0mm及び1.5mmとした。また、同様の条件で、熱圧時間が60秒、120秒及び180秒の場合も含めてその結果を第9図のグラフに示す。第9図のグラフからも明らかなように、熱圧時間が60秒未満では、引張せん断強さは熱圧時間に強く影響されていることが判る。また、いずれの単板厚においても熱圧時間は少なくとも60秒程度は必要であることが判る。したがって、熱圧接合に要する熱圧時間の短縮を図るためには、熱圧温度が200℃を越えることが必要であることが判った。
試験例5
本発明の木質深底容器は、それぞれの単板の繊維方向が交差するように重ねて熱圧されるため、単板の繊維方向を交差させた場合の接合力を検証する必要がある。そこで、単板の繊維方向を直交させて熱圧接合して引張せん断試験を行なった。熱圧時間を120秒、150秒及び180秒の3段階に変えて単板厚は1.0mm及び1.5mmとした。その結果を第10図のグラフに示す。第10図のグラフからも明らかなように、同条件で繊維方向を平行に揃えて接合した場合と比較して低い値となっている。
試験例6:板厚方向引張試験
接合された試験体の単板同士を板圧方向に引き剥がす剥離試験を行なった。双方の単板の表面に一対のL型治具を接着し、このL型治具を試験機のチャックに挟み引張荷重を付与した。試験は、万能試験機(島津オートグラフAG100KNG)を使用し、荷重速度1mm/分で行なった。L型治具の接着面積は15×30mmとし、最大荷重をこの面積で除することにより剥離強度とした。試験結果を第11図のグラフに示す。第11図のグラフからも明らかなように、いずれの単板厚、熱圧温度においても板圧方向引張り強さは、最大荷重でみると引張せん断強さの10分の1程度であった。熱圧による単板接合部は繊維方向と板厚方向とで接合度合が著しく異なることから、外力の方向を考慮することにより、容器の使用時には強く、使用後は微弱な力で簡単に分解できる容器が得られるものと考察される。尚、熱圧時間による強度差は、単板圧2.0mmもの以外はほとんど認められなかった。単板厚が2.0mmの時には、熱圧時間に比例して強度も増大した。また、単板厚が厚いものほど熱圧温度の影響が著しく、板厚方向引張り強さが増大することが判明した。これは単板厚が厚いものほど、単板同士のめり込みの度合が大きくなるためと考えられる。
尚、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の応用が可能である。例えば上記実施例では、2枚の単板により容器を成形しているが、3枚以上複数の単板を積層して成形するものでも良い。また幅広な板状に裁断された単板を使用しているが、幅の狭い板材であっても第12図に示すような、重ね合わせや欠き込み(矩形、三角形)により複数枚の板材同士を接合することも可能であり、この技法を用いて幅広の単板を得ることで、間伐材等の小径木も有効に利用できる。
すなわち、第13図に示すように、板状木材A及びBを、例えば、2枚の幅狭の単板A1及びA2、B1及びB2をその繊維方向が互いに平行になるように、それぞれの端部同士を重合して容器形成に必要な面積に形成するものでもよい。この場合、第14図に示すように、単板の突き合わせ境界部分に上下交互に切り替わる切欠き6を形成して組み合せることで、プレス時のずれを防止することができる。
また、第15図に示すように、小径木を活用し、複数の幅狭の単板をその繊維方向が互いに交差するように、縦横に編み込んで、容器形成に必要な面積に形成し単板A及びBとするものでもよい。
この編み込み状の単板に関しては、これを複数枚重ねて賦型加工して容器を形成するものでもよいが、第16図に示すように、編み込み板状木材Cを最下層とし、これに、2枚の単板A及びBを、この2枚の単板AとBのそれぞれの繊維方向が交差するようにさらに重ねて圧縮成形するものでもよい。この場合、例えば金型が第17図に示すような平面矩形状の場合、2枚の単板A及びBの繊維方向が金型の対角線と平行になるように配置すると、熱圧の際の単板A及びBの割れを抑制することができる。また、成形後の容器角部の強度が単板の折り畳みにより増大する。また、この方法によれば、第18図に示すような平面円形状の金型を使用した深底容器等の他さまざまな形状の容器を製造することができる。
尚、本発明によれば、容器の深さは必要に応じて調節自在であるので浅底容器の成形も勿論可能であり、浅底のものを容器の蓋として調製することもできる。また、容器側面部の高さに高低差を設けることもでき、容器の縁に一部切れ込みを入れる形にしたり、縁を波型に成形することも可能である。
更に容器底部に凹凸を設けることもでき、底の一部が盛り上がったものや、底部の高さに段差を設けた容器等も成形できる。また、焼印による文字や図形等の描出も可能である。
本発明は以上のように構成したので、以下の優れた効果がある。
(1)原料として接着剤を使用することなく、木材のみを使用しているので、土中に埋設して腐らせたり、焼却等の廃棄処理を容易に行なうことができる。また、回収した容器を破砕して得た木材チップを、リサイクルに用いることができる。
(2)少なくとも2枚の単板をその繊維方向が互いに交差するように積層してプレス成形加工することにより曲げ加工時の亀裂や割れが抑制される。加えて、積層した単板が円滑に金型内部に導入されるように、金型に傾斜導入面を設けたので、様々な形状の深底の木質トレイを製造することができる。
(3)成形中の高温加熱により木材中の雑菌等が殺菌され、食品用の容器として利用した場合、衛生上極めて高い安全性が得られる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明にかかる木質深底容器は、容器に収納できる収納物の種類、形状、使用の目的の範囲が広く、使用後の廃棄処理が容易であるばかりでなく、優れたリサイクル性をも有しており、食品を含めた様々な物品を収納する容器として、広汎な分野で利用される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる金型の一例を示す分解斜視図、第2図は積層用単板の平面図、第3図は積層単板の重ね合せ状態を示す斜視図、第4図は本発明に係る深底木質容器を示す斜視図、第5図(a)は金型の長手方向側面図、(b)は平面図、第6図は金型の短手方向側面図、第7図は熱圧温度及び熱圧時間が単板接合力に及ぼす影響を検証した試験結果を示すグラフ、第8図は単板含水率が単板接合力に及ぼす影響を検証した試験結果を示すグラフ、第9図は熱圧温度200℃において熱圧時間が単板接合力に及ぼす影響を検証した試験結果を示すグラフ、第10図は単板を交差(直交)させた場合の接合力を検証した試験結果を示すグラフ、第11図は単板厚さ方向の接合力を検証した試験結果を示すグラフ、第12図乃至第14図は幅狭な板材同士の接合方法を示す説明図、第15図及び第16図は深底木質容器の製造方法の他の実施例を示す説明図、第17図(a)は平面矩形状金型の長手方向側面図、(b)は平面図、第18図(a)は平面円形状金型の長手方向側面図、(b)は平面図である。

Claims (3)

  1. 板厚1mm〜2mmで含水率が10%〜30%の少なくとも2枚の板状木材を、それぞれの繊維方向が交差するように重ねた後、接着剤を使用することなく、180℃〜200℃に熱した金型を用いプレス機により圧縮して成形することを特徴とする木質深底容器の製造方法。
  2. 板厚1mm〜2mmの複数の単板をその繊維方向が互いに交差するように、縦横に編み込んで容器形成に必要な面積に形成された板状木材に、板厚1mm〜2mmで含水率が10%〜30%の少なくとも2枚の単板を、これら2枚の単板のそれぞれの繊維方向が交差するように重ねた後、接着剤を使用することなく、180℃〜200℃に熱した金型を用いプレス機により圧縮して成形することを特徴とする木質深底容器の製造方法。
  3. 金型に、圧縮軸方向に対して傾斜角度が10°〜60°である傾斜導入面を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の木質深底容器の製造方法。
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