JP2003245909A - 木質ボード及びこれを用いた建築資材 - Google Patents

木質ボード及びこれを用いた建築資材

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JP2003245909A
JP2003245909A JP2002048478A JP2002048478A JP2003245909A JP 2003245909 A JP2003245909 A JP 2003245909A JP 2002048478 A JP2002048478 A JP 2002048478A JP 2002048478 A JP2002048478 A JP 2002048478A JP 2003245909 A JP2003245909 A JP 2003245909A
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wood
woven fabric
modified polyolefin
composite fiber
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JP2002048478A
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Inventor
Masuo Iwata
満寿夫 岩田
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JNC Corp
JNC Fibers Corp
Original Assignee
Chisso Polypro Fiber Co Ltd
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱硬化性接着剤を用いることなく、比較的簡単
な作業工程で製造ができる、軽量で低密度の木質ボード
を提供すること。 【解決手段】接着成分と木質チップとの混合物からなる
木質ボードであって、接着成分は、反応性官能基を有す
る変性ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる複合
繊維及び/または該複合繊維から構成される不織布であ
り、木質ボードが、加熱加圧成形によって接着形成され
ていることを特徴とする木質ボードを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱加圧成形によ
り形成された、接着成分と木質チップとの混合物からな
る木質ボード及びこれを用いた建築資材に関する。
【0002】
【従来の技術】接着剤を混入した木質チップを圧縮成形
し、その接着剤によって接着硬化した木質ボードは、従
来から、合板と積層して、床材、壁材、畳芯材等に好適
に用いられてきた。例えば、特開平6-212788号
公報には、合板の表面と裏面に、木質チップと接着剤と
の混合加圧成形体で形成されるチップ層を積層した木質
床材が提案されている。接着剤としては、フェノール系
接着剤、メラミン系接着剤、エポキシ系接着剤等の熱硬
化性接着剤が用いられており、このため、作業環境の汚
染、作業者への健康障害、環境への負荷等の恐れがあっ
た。また、木質ボードは、熱硬化性接着剤を用いている
ので、この木質ボードと合板とを積層した木質床材は、
高密度、高重量となり、輸送、運搬性に問題があった。
更にこの木質床材を住宅建材として使用した場合には、
暖房等の熱によって、木質ボード部分が、乾燥収縮し、
積層部分や接着部分に割れや亀裂が発生する等の不具合
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、熱硬
化性接着剤を用いることなく、比較的簡単な作業工程で
製造ができ、暖房等の熱で割れや亀裂が発生しない、軽
量で低密度の木質ボードを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために、鋭意検討を重ねた。その結果、木質チ
ップとの接着性に優れた、反応性官能基を有する変性ポ
リオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる複合繊維及び
/またはその複合繊維から構成される不織布を接着成分
として用いることで、複雑な工程を必要とせず、軽量で
低密度の木質ボードが得られることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】本発明は前記課題を解決するために以下の
構成を有する。 (1)接着成分と木質チップとの混合物からなる木質ボ
ードであって、接着成分は、反応性官能基を有する変性
ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる複合繊維及
び/または該複合繊維から構成される不織布であり、木
質ボードが、加熱加圧成形によって接着形成されている
ことを特徴とする木質ボード。 (2)反応性官能基を有する変性ポリオレフィンを含む
熱可塑性樹脂からなる複合繊維が、少なくとも1種の反
応性官能基を有する変性ポリオレフィンを含む熱可塑性
樹脂(I)からなる第1成分と、第1成分の熱可塑性樹
脂(I)より融点の高い熱可塑性樹脂(II)からなる第
2成分とから構成され、第1成分が、繊維表面の少なく
とも一部を長さ方向に連続して形成した複合繊維である
前記(1)項記載の木質ボード。 (3)反応性官能基を有する変性ポリオレフィンを含む
熱可塑性樹脂からなる複合繊維から構成される不織布
が、ドライレイド不織布、ウェットレイド不織布及び長
繊維不織布から選ばれる少なくとも1種である前記
(1)項または前記(2)項記載の木質ボード。 (4)反応性官能基を有する変性ポリオレフィンが、オ
レフィンと不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重
合体またはグラフト共重合体である前記(1)〜(3)
のいずれか1項記載の木質ボード。 (5)前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の木質ボ
ードの表面に、木質薄単板、不織布、フィルム、シート
及びボードから選ばれた少なくとも1種を積層した床
材。 (6)前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の木質ボ
ードの表面に、木質薄単板、不織布、フィルム、シート
及びボードから選ばれた少なくとも1種を積層した壁
材。 (7)前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の木質ボ
ードの表面に、木質薄単板、不織布、フィルム、シート
及びボードから選ばれた少なくとも1種を積層した畳芯
材。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の木質ボードは、接着成分
と木質チップとの混合物からなる木質ボードであって、
該混合物を加熱加圧成形することによって得られ、形状
は通常、平板状である。本発明に用いられる接着成分
は、反応性官能基を有する変性ポリオレフィンを含む熱
可塑性樹脂からなる複合繊維及び/または該複合繊維か
ら構成される不織布である。また、本発明に用いられる
不織布としては、前記複合繊維によって構成される、ド
ライレイド不織布、ウェットレイド不織布、長繊維不織
布等が例示できる。前記混合物を適切な温度で熱処理す
ることにより、接着成分中の反応性官能基を有する変性
ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂のみが溶融し、接着
成分中のそれ以外の成分が溶融しない状態で、木質チッ
プ同士を接着する。このような接着によって、空隙がで
きることから、低密度の木質ボードが得られる。なお、
木質ボードの密度は、0.6g/cm3以下が好まし
く、0.4〜0.55g/cm3の範囲がより好まし
い。
【0007】本発明の木質ボードは、その表面に、木質
薄単板、化粧版、不織布、フィルム、シート及びボード
から選ばれる少なくとも1種を積層し、床材、壁材、畳
芯材等の建築資材として利用できる。
【0008】本発明に用いられる木質チップとしては、
松、杉等の針葉樹や、ラワン、カポール、ポプラ、ヤナ
ギ等の広葉樹等の木材粉、小片または木材を高温高圧状
態で分解して得られる木材繊維(ウッドファイバー)が
好適に使用できる。また、他の材料としては、例えば廃
木材を裁断した小片、新聞紙や雑誌等の古紙を破断粉砕
した小片、紙管段ボールの破断粉砕物、木炭の破断粉砕
物、植物性繊維であるケナフ、バガス、竹等の植物繊
維、籾殻等を挙げることができる。
【0009】木質チップの粒径及び形状は、その材料及
び製造する木質ボードの種類、要求性能等により異なる
ので、公知の技術に基づき当業者が適宜選択することが
必要であるが、一般に厚みが0.1〜5.0mm、長さ
が1〜100mmの木質チップが使用できる。
【0010】本発明に用いられる反応性官能基を有する
変性ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる複合繊
維は、少なくとも1種の反応性官能基を有する変性ポリ
オレフィンを含む熱可塑性樹脂(I)からなる第1成分
と、第1成分の熱可塑性樹脂(I)より融点の高い熱可
塑性樹脂(II)からなる第2成分とから構成され、第1
成分が、繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続し
て形成している。更に繊維表面に存在する変性ポリオレ
フィン中の反応性官能基と反応しうる、多官能性化合物
を含有する繊維処理剤が付着していることが好ましい。
【0011】第1成分の熱可塑性樹脂(I)に含まれ
る、変性ポリオレフィンが有している反応性官能基は、
付着する繊維処理剤中の多官能性化合物との反応性によ
って適宜選択することが可能であり、例えば、水酸基、
アミノ基、ニトリル基、ニトリロ基、アミド基、カルボ
ニル基、カルボキシル基、グリシジル基等が挙げられ
る。また、変性ポリオレフィンとしては、前記反応性官
能基を有するビニルモノマーを用いて重合された重合体
を用いることができる。重合の種類は、ブロック共重合
体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合
体のいずれも使用することができる。反応性官能基を有
するビニルモノマーとしては、マレイン酸、アクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸等から選択さ
れた不飽和カルボン酸またはその誘導体、好ましくはそ
の無水物、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン
類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチル
アミノエチル等のメタクリル酸エステル類、もしくは同
様なアクリル酸エステル類、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート、ブテンカルボン酸エステル
類、アクリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシブ
テン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロ
ヘキセンモノオキシド等を挙げることができる。
【0012】変性ポリオレフィンとしては、一般的に利
用され、入手が容易であり、多種の他素材との親和性を
有し、特に水酸基を有する他素材、例えばセルロース系
素材との接着性が良好である、不飽和カルボン酸または
その誘導体、もしくはその無水物からなるビニルモノマ
ーとポリオレフィンからなる変性ポリオレフィンが好ま
しい。
【0013】更に変性ポリオレフィンとしては、変性ポ
リオレフィンのなかでも重合体強度(機械的性質である
強度)が高く、繊維加工性が良好であるグラフト共重合
体が好ましい。また、その変性率に関しては、繊維加工
に影響を及ぼさない程度に高い変性率であるのが望まし
い。なお、変性率は、IR法により測定できる。
【0014】グラフト共重合体において、変性ポリオレ
フィンの主鎖を構成する重合体には、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブテン−1等の重合体が好ましく用
いられる。ポリエチレンとしては、エチレン単独重合
体、エチレンと、α−オレフィンとの共重合体が利用で
き、具体的には、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレンを挙げることができ
る。ポリエチレンの密度は、通常、0.90〜0.97
g/cm3の範囲であり、融点は、通常100〜135
℃の範囲である。ポリプロピレンのなかでも、結晶性の
ポリプロピレンを使用することがよく、結晶性のポリプ
ロピレンとしては、プロピレン単独重合体、プロピレン
とプロピレン以外の他のα−オレフィンとの共重合体が
利用でき、具体的には、ポリプロピレン(プロピレン単
独重合体)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−ブテン−1−プロピレン共重合体を挙げることができ
る。ポリプロピレンの融点は、通常130〜170℃の
範囲である。ポリブテンのなかでも、結晶性のポリブテ
ンを使用することがよく、結晶性のポリブテン−1とし
ては、ブテン−1の単独重合体、ブテン−1とブテン−
1以外の他のα−オレフィンとの共重合体が利用でき
る。ポリブテン−1の融点は、通常110〜130℃の
範囲である。これらの重合体のなかでは、変性の容易性
と融点とを考慮すると、ポリエチレンが好ましく、なか
でも高密度ポリエチレンが好ましい。
【0015】熱可塑性樹脂(I)は、上記変性ポリオレ
フィンを含有していれば特に制限はないが、熱可塑性樹
脂(I)として、変性ポリオレフィンと他の熱可塑性樹
脂との混合物を用いた場合には、変性ポリオレフィンが
少なくとも5重量%含有されていることが好ましく、1
0重量%以上含有されていることがより好ましい。変性
ポリオレフィンの単体、変性ポリオレフィンの2種以上
の混合物、少なくとも1種の変性ポリオレフィンと他の
熱可塑性樹脂の混合物等を挙げることができる。変性ポ
リオレフィンは、未変性のポリオレフィンと比較した場
合、重合体強度(機械的性質である強度)が一般的に低
くなる傾向にある。そこで、得られる繊維の強度をより
高く維持するために、熱可塑性樹脂(I)は、高変性率
の変性ポリオレフィンと未変性のポリオレフィンとの混
合物であることが好ましい。なお、変性ポリオレフィン
が、グラフト共重合体である場合には、相溶性の面から
変性ポリオレフィンの主鎖を構成する重合体と同様な重
合体との混合物を用いることが好ましい。
【0016】第2成分の熱可塑性樹脂(II)としては、
第1成分の熱可塑性樹脂(I)より融点の高い熱可塑性
樹脂を用いることができ、具体的には、結晶性ポリプロ
ピレン、結晶性ポリエチレン、エチレンとα−オレフィ
ンとの結晶性共重合体、プロピレンとプロピレン以外の
α−オレフィンとの結晶性共重合体、ブテン−1とブテ
ン−1以外のα−オレフィンとの結晶性共重合体、ポリ
エステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を挙げることが
できる。熱可塑性樹脂(II)は、熱可塑性樹脂の単体だ
けでなく、2種以上の混合物でもよく、第1成分より融
点が高ければ何ら問題はない。なお、耐薬品性、変性ポ
リオレフィンとの相溶性の点を考慮した場合には、ポリ
オレフィンが好ましく、なかでも汎用のポリプロピレン
が特に好ましい。また、不織布及び混綿不織布とする際
の加工性を考慮した場合には、変性ポリオレフィンとの
融点差をより大きくとることができる、ポリエステルが
好ましい。
【0017】本発明の木質ボードを構成する、反応性官
能基を有する変性ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂か
らなる複合繊維では、第1成分が、繊維表面の少なくと
も一部を長さ方向に連続して形成するように配置する。
具体的には、並列型、第1成分を鞘成分とし第2成分を
芯成分とする鞘芯型、偏心鞘芯型の複合形態をとること
ができる。また、繊維断面形状は、円や楕円等の丸型、
四角や三角等の角型、鍵型や八葉型等の異型のいずれか
をとることができる。その場合、第1成分の繊維表面形
成の割合が小さくとも、それなりの接着力を示すが、通
常、繊維断面円周率で50%以上の場合に十分な接着力
を発揮し、特に90〜100%の場合に極めて強力な接
着力を発揮する。従って、鞘芯型もしくは偏心鞘芯型の
複合形態をとることが望ましい。
【0018】次に、複合繊維において、第1成分と第2
成分の断面複合比は30/70〜70/30の範囲が好
ましい。接着成分である第1成分の比率が、この範囲内
であれば、木質チップとの接着性が良好で、得られる木
質ボードの強度も良好である。
【0019】本発明に用いられる、反応性官能基を有す
る変性ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる複合
繊維は、木質チップとの均一混合や、張り合わせ等のボ
ード加工性に適した、繊度、繊維強度、捲縮数、捲縮形
態、繊維長を有していればよく、特に限定されるもので
はない。繊度が小さい繊維(細い繊維)では単位重量当
たりの繊維の本数が多くなることから、木質チップの接
着が良好になり、衝撃に強い木質ボードが得られる。繊
度は、1〜1000dtexの範囲が通常利用されてお
り、繊維長は、5〜100mmの範囲が通常利用されて
いる。捲縮形態には、ジグザグ型、波型、スパイラル型
等があるが、密度の低いボードを得るためには三次元捲
縮のスパイラル型が望ましい。捲縮数が高い繊維の場合
や、繊維長が長い繊維の場合には木質チップとの混合に
おいて繊維同士の絡みが生じやすくなるものの、繊維の
破断強度が高くなることから衝撃に強いボードが得られ
る。
【0020】本発明に用いられる、反応性官能基を有す
る変性ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる複合
繊維には、必要に応じて繊維処理剤を付着させることが
できる。繊維処理剤は特に限定されるものではないが、
複合繊維の第1成分に含まれる変性ポリオレフィンが有
する反応性官能基と反応しうる多官能性化合物を含有し
た繊維処理剤が特に望ましい。多官能性化合物として
は、例えば、多価アルコール、ポリアミン、ポリカルボ
ン酸であり、具体的には、グリセリン、ポリグリセリ
ン、エチレングリコール、エチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン等を挙げることができる。
【0021】本発明に用いられる、反応性官能基を有す
る変性ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる複合
繊維により構成される不織布は、公知の方法で得ること
ができ、その方法は特に限定されない。複合繊維が短繊
維の場合には、カーディング法、ドライレイド法によっ
てウェブとすることができる。また、複合繊維がスパン
ボンド法、メルトブロー法によって得られる長繊維の場
合には、紡出された繊維を集積することでウェブとする
ことができる。これらのウェブを種々の加工方法によっ
て不織布とすることができる。不織布としては、サクシ
ョンバンドドライヤー等で熱風により熱接着するスルー
エアー不織布、エンボス機で熱圧着するポイントボンド
不織布、ニードルで繊維同士を交絡させるニードルパン
チ不織布、高圧水柱流により繊維同士を交絡させるスパ
ンレース不織布、エアレイド機で、空気開繊によりウェ
ブを作製し、熱処理により一体化させるエアレイド不織
布、抄紙法によるウェットレイド不織布、スパンボンド
法により得られる長繊維ウェブからなるスパンボンド不
織布、溶融押出しから直接不織布化するメルトブロー不
織布等を挙げることができる。得られた不織布を適度な
大きさに切断して接着成分として用いることができる。
なお、接着成分と木質チップとの混合物は、空気開繊法
やミキサー等で得ることができる。
【0022】接着成分と木質チップとの混合物からなる
木質ボードにおいて、接着成分として、反応性官能基を
有する変性ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる
複合繊維、または該複合繊維から構成される不織布を用
いることにより、加熱加圧成形で強度な接着が得られ、
それに伴い、得られる木質ボードは、密度が低くなり、
通気性が良好となる。木質チップの加熱加圧成形時の温
度条件は、接着成分である複合繊維または該複合繊維か
ら構成される不織布の第1成分(鞘芯型複合繊維では鞘
側)である熱可塑性樹脂の融点よりも高く、第2成分
(鞘芯型複合繊維では芯側)である熱可塑性樹脂の融点
よりも低いことが望ましい。熱処理の温度がその温度範
囲内であれば、加熱加圧成形時に受ける熱により、第1
成分は溶融し、第2成分は溶融せずに繊維の形態を維持
するので、複合繊維または該複合繊維から構成される不
織布は、溶融により樹脂化を起こすことなく、木質チッ
プを強固に接着し、同時に、木質チップ間に空隙を確保
することができる。得られた木質ボードは、強度を有
し、軽量で通気性が良好となる。
【0023】本発明の木質ボードには、必要に応じて木
目模様を印刷した化粧紙、メラミン樹脂等の合成樹脂を
含浸させた化粧紙等を張り合わせることができる。化粧
紙の張り合わせにも本発明の構成要素である反応性官能
基を有するポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる
複合繊維から構成される不織布を接着剤として用いるこ
とができる。
【0024】また、表面保護性を上げることを目的に、
本発明の木質ボードは、ウレタン系樹脂、アクリル系樹
脂、アミノアルキッド系樹脂、アクリルウレタン系樹脂
等の合成樹脂系塗料を塗布することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 メルトフローレート(MFR,MI) MFR:JIS K 7210(表1、条件14)に準
拠して測定した。 MI :JIS K 7210(表1、条件4)に準拠
して測定した。
【0026】実施例1 木質チップとして、杉の木粉(平均粒度20メッシュ)
を用い、接着成分として、反応性官能基を有する変性ポ
リオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる、以下の複合
繊維を用いて、木質ボードを作製した。
【0027】無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレ
ン(MI:3g/10min、密度:0.960g/c
3、無水マレイン酸グラフト変性率1.5重量%、融
点130℃)と高密度ポリエチレン(エチレン単独重合
体、MI:17g/10min、密度:0.960g/
cm3、融点130℃)を10:90の重量比でブレン
ドした熱可塑性樹脂を第1成分(鞘側)とし、結晶性ポ
リプロピレン(プロピレン単独重合体、MFR:17g
/10min、融点160℃)を第2成分(芯側)とし
て、鞘側温度220℃、芯側温度250℃で、鞘芯型紡
糸口金を用いて、複合紡糸機で複合繊維を紡糸した。ま
た、紡糸工程でポリオキシエチレンアルキルエーテル、
アルキルフォスフェートのナトリウム塩、トリエタノー
ルアミンからなる繊維処理剤を付着させた。得られた複
合繊維は未延伸であるため、公知の方法により延伸を行
った後に、カッターで切断し、捲縮数13山/25mm
のジグザグ型の捲縮を持つ、単糸繊度が3.3dte
x、繊維長が38mm、繊維処理剤が0.5重量%付着
した複合繊維を得た。
【0028】前記木質チップ80重量部と、接着成分と
して前記複合繊維20重量部とを混合し、得られた混合
物を、内側寸法が縦200mm、横200mm、深さ1
00mmの平面方形の箱形成形容器内に入れ、加熱圧縮
成形装置により加熱下で加圧成形(加熱加圧成形)し、
縦200mm、横200mm、厚さ5mm、密度0.5
3g/cm3の方形の木質ボードとした。成形は、14
0℃の温度で加熱しつつ、2.49MPa(25.4k
gf/cm2)の圧力で10分圧縮することで行った。
【0029】得られた木質ボードを4枚用いて、反応性
官能基を有する変性ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂
からなる複合繊維から構成された不織布を木質ボード間
に挟み込み、再度、加熱圧縮成形装置により140℃の
加熱下で加圧成形し、20mmの厚みを有する積層木質
ボードとした。ここで用いた不織布は、上述の複合繊維
をカード機でカーディングした後、135℃のサクショ
ンバンド型ドライヤーで繊維の交絡点を熱接着させた、
目付け30g/m2のサーマルボンド不織布である。得
られた積層木質ボードの両側表面に木目模様が印刷され
た木質薄単板を張り合わせて床材を作製した。得られた
床材は、軽量で運搬性に優れ、更に耐水性と曲げ強さに
優れていた。また、積層木質ボードを畳芯材として用
い、その片側表面に、不織布を接着剤としてポリオレフ
ィン樹脂製の人工イグサからなる畳表を一体化させて、
畳を作製する。得られる畳は、軽量で運搬性に優れてい
ることから、この積層木質ボードは畳芯材として良好に
利用できることがわかる。
【0030】実施例2 実施例1に準拠して、木質ボードを作製した。木質チッ
プとして、杉の木紛75重量部と、接着成分として実施
例1の複合繊維25重量部とを混合し、得られた混合物
を、内側寸法が縦200mm、横200mm、深さ10
0mmの平面方形の箱形成形容器内に入れ、加熱圧縮成
形装置により加熱下で加圧成形し、縦200mm、横2
00mm、厚さ5.5mm、密度0.48g/cm3
方形の木質ボードを得た。成形は、140℃の温度で加
熱しつつ、2.49MPa(25.4kgf/cm2
の圧力で10分圧縮することで行った。得られた木質ボ
ードの片側表面に、実施例1で作製した不織布を接着剤
として、メラミン樹脂等の合成樹脂を含浸させた化粧紙
を張り合わせて壁材を作製した。得られた壁材は、軽量
で運搬性に優れ、更に耐水性と、曲げ強さ等の強度に優
れていた。
【0031】比較例1 実施例1に準拠して、木質ボードを作製した。接着成分
として、複合繊維の替わりに市販のフェノール系接着剤
を用いた。上記の木質チップ80重量部と、フェノール
系接着剤20重量部とを混合し、得られた混合物を、内
側寸法が縦200mm、横200mm、深さ100mm
の平面方形の箱形成形容器内に入れ、加熱圧縮成形装置
により加熱下で加圧成形し、縦200mm、横200m
m、厚さ3.3mm、密度0.85g/cm3の方形の
木質ボードを得た。成形は、140℃の温度で加熱しつ
つ、2.49MPa(25.4kgf/cm2)の圧力
で10分圧縮することで行った。得られた木質ボードの
片側表面に、実施例1で作製した不織布を接着剤とし
て、メラミン樹脂等の合成樹脂を含浸させた化粧紙を張
り合わせて壁材を作製した。得られた壁材は、薄いにも
かかわらず高重量であった。
【0032】実施例1及び2からわかるように、本発明
の木質ボードは、熱硬化性の接着剤を使うことなく比較
的簡単にボードが製造でき、その密度は、それぞれ0.
53g/cm3、0.48g/cm3と低く、厚みが厚く
ても軽量な木質ボードであった。これに対して、比較例
1の木質ボードは、フェノール系接着剤を使用してボー
ドを製造しているために、その密度は、0.85g/c
3と高く、厚みが薄いにもかかわらず高重量の木質ボ
ードであった。また、本発明の木質ボードの両側表面に
フィルム製の化粧紙等を張り合わせることで、床材、壁
材または畳芯材等の建築資材に好適に使用できることが
わかった。
【0033】
【本発明の効果】本発明は木質チップの接着に、接着成
分として反応性官能基を有する変性ポリオレフィンを含
む熱可塑性樹脂からなる複合繊維及び/または該複合繊
維から構成される不織布の少なくとも一方を用いること
により、熱硬化性接着剤を用いることなく、複雑な作業
工程を必要としないで、比較的簡単な作業工程で木質ボ
ードを製造できる。また、強度があり、軽量で低密度の
木質ボードを得ることができる。更には、木質ボードの
表面に木質薄単板、不織布、フィルム、シートまたはボ
ード等を張り合わせることで、床材、壁材または畳芯材
等の建築資材に好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B260 AA12 BA01 BA15 BA18 BA19 CB01 CB04 CD03 CD04 DA07 DA18 DB14 DB21 EA05 EB19 EB32 2E162 CC08 CD13 CD15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着成分と木質チップとの混合物からな
    る木質ボードであって、接着成分は、反応性官能基を有
    する変性ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂からなる複
    合繊維及び/または該複合繊維から構成される不織布で
    あり、木質ボードが、加熱加圧成形によって接着形成さ
    れていることを特徴とする木質ボード。
  2. 【請求項2】 反応性官能基を有する変性ポリオレフィ
    ンを含む熱可塑性樹脂からなる複合繊維が、少なくとも
    1種の反応性官能基を有する変性ポリオレフィンを含む
    熱可塑性樹脂(I)からなる第1成分と、第1成分の熱
    可塑性樹脂(I)より融点の高い熱可塑性樹脂(II)か
    らなる第2成分とから構成され、第1成分が、繊維表面
    の少なくとも一部を長さ方向に連続して形成した複合繊
    維である請求項1記載の木質ボード。
  3. 【請求項3】 反応性官能基を有する変性ポリオレフィ
    ンを含む熱可塑性樹脂からなる複合繊維から構成される
    不織布が、ドライレイド不織布、ウェットレイド不織布
    及び長繊維不織布から選ばれる少なくとも1種である請
    求項1または請求項2記載の木質ボード。
  4. 【請求項4】 反応性官能基を有する変性ポリオレフィ
    ンが、オレフィンと不飽和カルボン酸またはその誘導体
    との共重合体またはグラフト共重合体である請求項1〜
    3のいずれか1項記載の木質ボード。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の木質
    ボードの表面に、木質薄単板、不織布、フィルム、シー
    ト及びボードから選ばれた少なくとも1種を積層した床
    材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項記載の木質
    ボードの表面に、木質薄単板、不織布、フィルム、シー
    ト及びボードから選ばれた少なくとも1種を積層した壁
    材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項記載の木質
    ボードの表面に、木質薄単板、不織布、フィルム、シー
    ト及びボードから選ばれた少なくとも1種を積層した畳
    芯材。
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