JP3971844B2 - 光学装置、光電スイッチ、ファイバ型光電スイッチおよび色識別センサ - Google Patents

光学装置、光電スイッチ、ファイバ型光電スイッチおよび色識別センサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定位置に光を投射する光学装置、検出位置に光を投射するとともに検出位置からの反射光または透過光を受光する光電スイッチおよびファイバ型光電スイッチならびに対象物の色を検出する色識別センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
対象物に光を投射し、その反射光または透過光を受光することにより対象物の情報を検出するために光電スイッチ等の光学装置が用いられる。光電スイッチでは、対象物の搬送経路に光を投射し、その反射光または透過光の受光量に基づいて対象物の有無、形状、寸法、色等を検出することができる。
【0003】
このような光電スイッチは、検出位置に光を投射する投光部および検出位置からの反射光または透過光を受光する受光部を備える。反射型の光電スイッチでは、検出位置に対象物が存在するときに、投光部から投射された光が対象物で反射され、その反射光が受光部で受光される。一方、透過型の光電スイッチでは、検出位置に対象物が存在しないときに、投光部から投射された光が受光部で受光される。したがって、受光部での受光量のレベルに基づいて対象物の有無を判別することができる。
【0004】
また、光電スイッチのうちの色識別センサでは、投光部が、赤色、緑色および青色の光を発生する3つの発光素子からなる光源と、各発光素子から出射された光を対象物に投射する投光レンズとを含み、受光部が、対象物からの反射光を受光する検出用受光素子を含む。3つの発光素子から出射される光を投光レンズにより対象物に順に投射し、検出用受光素子でその反射光を受光する。各色の光の受光量のレベルに基づいて対象物の色を判別することができる。
【0005】
このような投光部を有する光電スイッチ等の光学装置においては、周囲の温度変動や発光素子の経時変化により発光素子の光量が変化し、誤検出が発生する場合がある。そのため、発光素子の光量をモニタする必要が生じる。そこで、発光素子の光量をモニタするために発光素子の近くにモニタ用受光素子が配置される。このモニタ用受光素子の出力信号に基づいて発光素子の光量の変動を検知し、発光素子の光量が一定になるように発光素子をフィードバック制御することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発光素子の光量を一定に制御しても、発光素子から出射された光を投光レンズに導く光学系に含まれるハーフミラー、ダイクロイックミラー等の光学部材の透過率または反射率が周囲の温度や発光素子の発光波長の変動によって変化すると、検出位置への投光量が変化することになる。
【0007】
そこで、図8および図9に示すように、光学部材として温度や光の波長によって透過率または反射率の変化しない材質からなるガラス板を用いた投光装置が提案されている。
【0008】
図8において、発光素子41aから出射された光は、ダイクロイックミラー44およびガラス板45を透過し、投光レンズ43により対象物に投射される。発光素子41bから出射された光は、ダイクロイックミラー44により反射され、ガラス板45を透過し、投光レンズ43により対象物に投射される。発光素子41cから出射された光は、ガラス板45により反射され、投光レンズ43により対象物に投射される。
【0009】
ガラス板45に入射する光の透過光または反射光はモニタ用受光素子42により受光される。このガラス板45は、温度および光の波長によって透過率または反射率が変化しない材質により形成される。そのため、周囲の温度変動や発光素子41a,41b,41cの発光波長の変動があっても、対象物への投光量をモニタすることが可能となる。
【0010】
図9において、発光素子41aから出射された光は、ダイクロイックミラー44,46およびガラス板47を透過し、投光レンズ43により対象物に投射される。発光素子41bから出射された光は、ダイクロイックミラー44により反射され、ダイクロイックミラー46およびガラス板47を透過し、投光レンズ43により対象物に投射される。発光素子41cにより出射された光は、ダイクロイックミラー46により反射され、ガラス板47を透過し、投光レンズ43により対象物に投射される。
【0011】
ガラス板47に入射した光の透過光または反射光はモニタ用受光素子42により受光される。このガラス板47は、温度および光の波長によって透過率または反射率が変化しない材質により形成される。そのため、周囲の温度変動または発光素子41a,41b,41cの発光波長の変動があっても、対象物への投光量をモニタすることが可能となる。
【0012】
しかしながら、図8および図9の投光装置では、温度および光の波長によって透過率または反射率が変化しない光学部材を光学系に用いる必要がある。このような光学部材により形成されたガラス板45,47の反射率は低いため、モニタ用受光素子42の受光量が少なくなる。そのため、モニタ用受光素子42での十分な受光量を確保するためには、発光素子41a,41b,41cの光量を上げる必要がある。その結果、発光素子41a,41b,41cが大型化する。
【0013】
特に、図9の投光装置では、温度および光の波長によって透過率または反射率が変化しない光学部材により形成されるガラス板47を設けることにより、装置全体が大型化する。
【0014】
また、投光レンズ43の透過率または反射率が温度や光の波長によって変動する場合には、対象物への投光量を正確にモニタすることができない。
【0015】
本発明の目的は、投光量を正確にモニタすることができる光学装置を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、投光量を正確にモニタすることができる光電スイッチ、ファイバ型光電スイッチおよび色識別センサを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
(1)第1の発明
第1の発明に係る光学装置は、所定位置に光を投射する光学装置であって、光を出射する光源と、光源から出射された光を所定位置に投射する投光レンズと、投光レンズを透過した光源からの光を受光する位置に配設されたモニタ用受光素子とを備えたものである。
【0018】
本発明に係る光学装置においては、光源から出射された光が投光レンズにより所定位置に投射される。この場合、投光レンズを透過した光源からの光を受光する位置にモニタ用受光素子が配設されているので、光源から投光レンズまでの光学系に含まれる光学部材または投光レンズの透過率または反射率が温度や光の波長によって変化しても、所定位置への投光量を正確にモニタすることができる。したがって、温度および光の波長によって透過率および反射率が変化しない光学部材および投光レンズを光学系に用いる必要がなく、低コスト化が図られる。
【0019】
(2)第2の発明
第2の発明に係る光学装置は、第1の発明に係る光学装置の構成において、モニタ用受光素子の受光量に基づいて光源の光量を制御する制御手段をさらに備えたものである。
【0020】
この場合、モニタ用受光素子の受光量に基づいて投光量をフィードバック制御することができる。
【0021】
(3)第3の発明
第3の発明に係る光学装置は、第1の発明に係る光学装置の構成において、モニタ用受光素子の受光量に基づく出力信号を出力する制御手段をさらに備えたものである。
【0022】
この場合、モニタ用受光素子の受光量に基づく出力信号により投光量の低下を外部に知らせることができる。
【0023】
(4)第4の発明
第4の発明に係る光電スイッチは、検出位置に光を投射するとともに検出位置からの反射光または透過光を受光する光電スイッチであって、光を出射する光源と、光源から出射された光を検出位置に投射する投光レンズと、検出位置からの反射光または透過光を受光する検出用受光素子と、投光レンズを透過した光源からの光を受光する位置に配設されたモニタ用受光素子とを備えたものである。
【0024】
本発明に係る光電スイッチにおいては、光源から出射された光が投光レンズにより検出位置に投射され、検出位置からの反射光または透過光が検出用受光素子により受光される。この場合、投光レンズを透過した光源からの光を受光する位置にモニタ用受光素子が配設されているので、光源から投光レンズまでの光学系に含まれる光学部材または投光レンズの透過率または反射率が温度または光の波長によって変化しても、検出位置への投光量を正確にモニタすることができる。したがって、温度および光の波長によって透過率および反射率が変化しない光学部材および投光レンズを光学系に用いる必要がなくなり、低コスト化が図られる。
【0025】
(5)第5の発明
第5の発明に係る光電スイッチは、第4の発明に係る光電スイッチの構成において、モニタ用受光素子の受光量に基づいて光源の光量を制御する制御手段をさらに備えたものである。
【0026】
この場合、モニタ受光素子の受光量に基づいて投光量をフィードバック制御することができる。
【0027】
(6)第6の発明
第6の発明に係る光電スイッチは、第4の発明に係る光電スイッチの構成において、モニタ用受光素子の受光量に基づいて検出用受光素子の出力信号を補正する制御手段をさらに備えたものである。
【0028】
この場合、モニタ用受光素子の受光量の変化に応じて検出用受光素子の出力信号を補正することにより投光量の低下による誤検出を防止することが可能となる。
【0029】
(7)第7の発明
第7の発明に係るファイバ型光電スイッチは、検出位置に光を投射するとともに検出位置からの反射光または透過光を受光する光電スイッチであって、光を出射する光源と、光源から出射された光を投射する投光レンズと、投光レンズを透過した光源からの光を検出位置に導く第1の光ファイバと、検出用受光素子と、検出位置からの反射光または透過光を検出用受光素子に導く第2の光ファイバと、投光レンズと第1の光ファイバの入射側端部との間の光を受光する位置に配設されたモニタ用受光素子とを備えたものである。
【0030】
本発明に係るファイバ型光電スイッチにおいては、光源から出射された光が投光レンズおよび第1の光ファイバを通して検出位置に導かれ、検出位置からの反射光または透過光が第2の光ファイバを通して検出用受光素子に導かれる。この場合、投光レンズと第1の光ファイバの入射側端部との間の光を受光する位置にモニタ用受光素子が配設されているので、光源から投光レンズまでの光学系に含まれる光学部材または投光レンズの透過率または反射率が温度または光の波長によって変化しても、検出位置への投光量を正確にモニタすることができる。したがって、温度および光の波長によって透過率および反射率が変化しない光学部材および投光レンズを光学系に用いる必要がなくなり、低コスト化が図られる。
【0031】
(8)第8の発明
第8の発明に係る色識別センサは、対象物に光を投射するとともに対象物からの反射光に基づいて対象物の色を検出する色識別センサであって、異なる色の光をそれぞれ出射する複数の発光素子と、複数の発光素子の各々から出射された光を対象物に投射する投光レンズと、対象物からの反射光を受光する検出用受光素子と、投光レンズを透過した各発光素子からの光を受光する位置に配設されたモニタ用受光素子とを備えたものである。
【0032】
本発明に係る色識別センサにおいては、各発光素子から出射された光が投光レンズにより対象物に投射され、対象物からの反射光が検出用受光素子により受光される。検出用受光素子による各色の光の受光量のレベルに基づいて対象物の色が検出される。この場合、投光レンズを透過した各発光素子からの光を受光する位置にモニタ用受光素子が配設されているので、各発光素子から投光レンズまでの光学系に含まれる光学部材または投光レンズの透過率または反射率が温度または光の波長によって変化しても、対象物への投光量を正確にモニタすることができる。したがって、温度および光の波長によって透過率および反射率が変化しない光学部材および投光レンズを光学系に用いる必要がなくなり、低コスト化が図られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例によるファイバ型光電スイッチの主要部の断面図である。この光電スイッチは色識別センサである。
【0034】
図1に示すように、ハウジング8内にホルダ9が設けられ、ホルダ9に3つの発光素子1a,1b,1c、モニタ用受光素子2b、投光レンズ3および2つのダイクロイックミラー5a,5bが配設され、ホルダ9の下方に検出用受光素子2aが配設されている。ハウジング8の前面には、1対の光ファイバ6a,6bが装着される。
【0035】
発光素子1a,1b,1cは例えば発光ダイオードからなり、それぞれ異なる波長の光を出射する。例えば、発光素子1aは赤色の光を出射し、発光素子1bは緑色の光を出射し、発光素子1cは青色の光を出射する。発光素子1cは、その光軸Lcが投光レンズ3の光軸Lxと一致するように配置されている。発光素子1bは、その光軸Lbが投光レンズ3の光軸Lxに対して直角に交差するように配置されている。発光素子1aは、その光軸Laが投光レンズ3の光軸Lxに対して0度よりも大きく90度よりも小さい角度で交差するように配置されている。
【0036】
ダイクロイックミラー5a,5bはそれぞれ特定の波長域の光を反射し、それ以外の波長の光を透過する。本実施例では、ダイクロイックミラー5aは、発光素子1aの発光波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過する。また、ダイクロイックミラー5bは、発光素子1bの発光波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過する。
【0037】
ダイクロイックミラー5bは、発光素子1cから出射された光を透過して投光レンズ3に導き、かつ発光素子1bから出射された光を反射して投光レンズ3に導くように配置されている。また、ダイクロイックミラー5aは、ダイクロイックミラー5bを透過した発光素子1cからの光およびダイクロイックミラー5bで反射された発光素子1bからの光を透過して投光レンズ3に導き、かつ発光素子1aから出射された光を反射して投光レンズ3に導くように配置されている。
【0038】
発光素子1aからダイクロイックミラー5aまでの光路長およびダイクロイックミラー5aから投光レンズ3までの光路長の合計と、発光素子1bからダイクロイックミラー5bまでの光路長およびダイクロイックミラー5bから投光レンズ3までの光路長の合計と、発光素子1cから投光レンズ3までの光路長とは等しく設定されている。
【0039】
投光レンズ3は、発光素子1a,1b,1cからの光を光ファイバ6aの一方の端部に集光するように配置されている。
【0040】
検出用受光素子2aおよびモニタ用受光素子2bは例えばフォトダイオードからなる。検出用受光素子2aは、光ファイバ6bの一方の端部に対向するように配置されている。また、モニタ用受光素子2bは、投光レンズ3と光ファイバ6aの一方の端部との間の光を受光する位置に配置されている。
【0041】
光ファイバ6aは、投光レンズ3により集光された光を検出位置に導く。光ファイバ6bは検出位置の光を検出用受光素子2aに導く。
【0042】
発光素子1a,1b,1cは時分割で順に点灯される。発光素子1aが点灯された場合には、発光素子1aから出射された赤色の光がダイクロイックミラー5aで反射され、投光レンズ3および光ファイバ6aにより検出位置に導かれる。発光素子1bが点灯された場合には、発光素子1bから出射された緑色の光がダイクロイックミラー5bで反射され、反射された光がダイクロイックミラー5aを透過し、投光レンズ3および光ファイバ6aにより検出位置に導かれる。発光素子1cが点灯された場合には、発光素子1cから出射された青色の光がダイクロイックミラー5bおよびダイクロイックミラー5aを透過し、投光レンズ3および光ファイバ6aにより検出位置に導かれる。検出位置に対象物7が存在する場合には、対象物7からの反射光が光ファイバ6bにより検出用受光素子2aに導かれる。検出用受光素子2aにより受光された赤色の光の受光量、緑色の光の受光量および青色の光の受光量に基づいて対象物7の色を検出することができる。
【0043】
本実施例の光電スイッチにおいては、投光レンズ3を透過した光がモニタ用受光素子2bにより受光される。そのため、ダイクロイックミラー5a,5bまたは投光レンズ3の透過率または反射率が温度または光の波長によって変化しても、検出位置への投光量を正確にモニタすることができる。したがって、ダイクロイックミラー5a,5bおよび投光レンズ3の材質として透過率および反射率が温度および光の波長によっって変化しない材質を選ぶ必要がなく、低コスト化が図られる。
【0044】
図2は図1の光電スイッチにおける制御系の一例を示すブロック図である。
図2において、制御部20は、発光素子1a,1b,1cの発光タイミングを制御するための発光タイミング制御信号Ta,Tb,Tcを駆動部21a,21b,21cにそれぞれ与える。駆動部21a,21b,21cは、発光タイミング制御信号Ta,Tb,Tcに応答してそれぞれ発光素子1a,1b,1cを駆動する。
【0045】
検出用受光素子2aの出力信号は増幅器22aにより増幅され、受光信号RSとして制御部20に与えられる。制御部20は、受光信号RSのレベルに基づいて検出信号DEを出力する。例えば、受光信号RSのレベルが所定のしきい値よりも高いときには検出信号DEがハイレベルとなり、受光信号RSのレベルが所定のしきい値よりも低いときには検出信号DEがローレベルとなる。
【0046】
また、モニタ用受光素子2bの出力信号は増幅器22bにより増幅され、モニタ信号MSとして制御部20に与えられる。制御部20は、モニタ信号MSのレベルに基づいて駆動部21a,21b,21cに発光量制御信号Ca,Cb,Ccをそれぞれ与える。駆動部21a,21b,21cは、それぞれ発光量制御信号Ca,Cb,Ccに基づいて発光素子1a,1b,1cに供給する駆動電流を制御する。それにより、検出位置への投光量が一定になるように発光素子1a,1b,1cの発光量が制御される。
【0047】
図3は図1の光電スイッチにおける制御系の他の例を示すブロック図である。図3の例では、制御部20aは、増幅器22bから与えられるモニタ信号MSのレベルに基づいて増幅器22aから与えられる受光信号RSのレベルを補正する。例えば、モニタ信号MSのレベルが低下した場合に受光信号RSのレベルを高くする。これにより、投光量の低下による誤検出を防止することができる。図3の制御系の他の部分の構成および動作は図2の制御系の構成および動作と同様である。
【0048】
図4は本発明の第2の実施例による光電スイッチの主要部の断面図である。
図4の光電スイッチが図1の光電スイッチと異なるのは、光ファイバ6a,6bが設けられていない点および受光レンズ4が設けられている点である。投光レンズ3は、発光素子1a,1b,1cからの光を検出位置に投射する。受光レンズ4は、検出位置からの光を検出用受光素子2aに集光する。検出位置に対象物7が存在する場合には、対象物7からの反射光が受光レンズ4により検出用受光素子2aに集光される。モニタ用受光素子2bは、投光レンズ3を透過した光を受光する位置に配置される。図4の光電スイッチにおける制御系の構成は図2または図3に示した構成と同様である。
【0049】
本実施例の光電スイッチにおいても、投光レンズ3を透過した光がモニタ用受光素子2bにより受光されるので、ダイクロイックミラー5a,5bまたは投光レンズ3の透過率または反射率が温度または光の波長によって変化しても、検出位置への投光量を正確にモニタすることができる。したがって、ダイクロイックミラー5a,5bおよび投光レンズ3の材質として透過率および反射率が温度および光の波長によって変化しない材質を選ぶ必要がなく、低コスト化が図られる。
【0050】
なお、図2および図3の制御系において、制御部20,20aが制御手段に相当する。
【0051】
図5は本発明の第3の実施例による投光装置の主要部の断面図である。
図5に示すように、ホルダ9に3つの発光素子1a,1b,1c、モニタ用受光素子2b、投光レンズ3および2つのダイクロイックミラー5a,5bが配設されている。発光素子1a,1b,1c、ダイクロイックミラー5a,5bおよび投光レンズ3の配置は図1の光電スイッチにおける配置と同様である。モニタ用受光素子2bは、投光レンズ3を透過した光を受光する位置に配置される。
【0052】
本実施例の投光装置においては、投光レンズ3を透過した光がモニタ用受光素子2bにより受光されるので、ダイクロイックミラー5a,5bおよび投光レンズ3の透過率または反射率が温度または光の波長によって変化しても、投光量を正確にモニタすることができる。したがって、ダイクロイックミラー5a,5bおよび投光レンズ3の材質として温度および光の波長によって透過率および反射率が変化しない材質を選ぶ必要がなく、低コスト化が図られる。
【0053】
図6は図5の投光装置における制御系の一例を示すブロック図である。
図6において、制御部20bは、発光素子1a,1b,1cの発光タイミングを制御するための発光タイミング制御信号Ta,Tb,Tcを駆動部21a,21b,21cにぞれぞれ与える。駆動部21a,21b,21cは、発光タイミング制御信号Ta,Tb,Tcに応答してそれぞれ発光素子1a,1b,1cを駆動する。
【0054】
モニタ用受光素子2bの出力信号は増幅器22bにより増幅され、モニタ信号MSとして制御部20bに与えられる。制御部20bは、モニタ信号MSのレベルに基づいて駆動部21a,21b,21cに発光量制御信号Ca,Cb,Ccをそれぞれ与える。駆動部21a,21b,21cは、それぞれ発光量制御信号Ca,Cb,Ccに基づいて発光素子1a,1b,1cに供給する駆動電流を制御する。それにより、投光量が一定になるように発光素子1a,1b,1cの発光量が制御される。
【0055】
図7は図5の投光装置における制御系の他の例を示すブロック図である。
図7の例では、制御部20cは、増幅器22bから与えられるモニタ信号MSのレベルに基づいて警報信号ALを出力する。例えば、モニタ信号MSのレベルが所定のしきい値よりも低下したときに警報信号ALをハイレベルにする。警報信号ALに基づいて表示灯を点灯させることにより投光量が低下したことを外部に知らせることができる。図7の制御系の他の部分の構成および動作は図6の制御系の構成および動作と同様である。
【0056】
図5の投光装置は、色識別センサなどの光電スイッチのみならず、所定位置に光を投射する投光部を有する種々の光学装置に適用することができる。
【0057】
なお、図6および図7の制御系において、制御部20b,20cが制御手段に相当する。
【0058】
上記実施例では、光電スイッチの一例として色識別センサについて説明したが、本発明は、検出位置における物体の有無を検出する光電スイッチにも適用することができる。
【0059】
上記実施例では、光学部材としてダイクロイックミラーを用いているが、光学部材としてハーフミラー、光導波路等の他の光学部材を用いてもよい。
【0060】
また、上記実施例では、光源が3つの発光素子1a,1b、1cからなるが、光源が1つの発光素子、2つの発光素子または4つ以上の発光素子により構成されてもよい。
【0061】
さらに、上記実施例では、1枚の投光レンズ3が設けられているが、投光レンズが複数枚のレンズにより構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるファイバ型光電スイッチの主要部の断面図である。
【図2】図1の光電スイッチにおける制御系の一例を示すブロック図である。
【図3】図1の光電スイッチにおける制御系の他の例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施例による光電スイッチの主要部の断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例による投光装置の主要部の断面図である。
【図6】図5の投光装置における制御系の一例を示すブロック図である。
【図7】図5の投光装置における制御系の他の例を示すブロック図である。
【図8】従来の投光装置の一例を示す模式図である。
【図9】従来の投光装置の他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 発光素子
2a 検出用受光素子
2b モニタ用受光素子
3 投光レンズ
4 受光レンズ
5a,5b ダイクロイックミラー
6a,6b 光ファイバ
7 対象物
8 ハウジング
9 ホルダ

Claims (8)

  1. 所定位置に光を投射する光学装置であって、
    光を出射する光源と、
    前記光源から出射された光を前記所定位置に投射する投光レンズと、
    前記投光レンズを透過した前記光源からの光を受光する位置に配設されたモニタ用受光素子とを備えたことを特徴とする光学装置。
  2. 前記モニタ用受光素子の受光量に基づいて前記光源の光量を制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の光学装置。
  3. 前記モニタ用受光素子の受光量に基づく出力信号を出力する制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の光学装置。
  4. 検出位置に光を投射するとともに検出位置からの反射光または透過光を受光する光電スイッチであって、
    光を出射する光源と、
    前記光源から出射された光を前記検出位置に投射する投光レンズと、
    前記検出位置からの反射光または透過光を受光する検出用受光素子と、
    前記投光レンズを透過した前記光源からの光を受光する位置に配設されたモニタ用受光素子とを備えたことを特徴とする光電スイッチ。
  5. 前記モニタ用受光素子の受光量に基づいて前記光源の光量を制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の光電スイッチ。
  6. 前記モニタ用受光素子の受光量に基づいて前記検出用受光素子の出力信号を補正する制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の光電スイッチ。
  7. 検出位置に光を投射するとともに検出位置からの反射光または透過光を受光するファイバ型光電スイッチであって、
    光を出射する光源と、
    前記光源から出射された光を投射する投光レンズと、
    前記投光レンズを透過した前記光源からの光を前記検出位置に導く第1の光ファイバと、
    検出用受光素子と、
    前記検出位置からの反射光または透過光を前記検出用受光素子に導く第2の光ファイバと、
    前記投光レンズと前記第1の光ファイバの入射側端部との間の光を受光する位置に配設されたモニタ用受光素子とを備えたことを特徴とするファイバ型光電スイッチ。
  8. 対象物に光を投射するとともに対象物からの反射光に基づいて対象物の色を検出する色識別センサであって、
    異なる色の光をそれぞれ出射する複数の発光素子と、
    前記複数の発光素子の各々から出射された光を前記対象物に投射する投光レンズと、
    前記対象物からの反射光を受光する検出用受光素子と、
    前記投光レンズを透過した各発光素子からの光を受光する位置に配設されたモニタ用受光素子とを備えたことを特徴とする色識別センサ。
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