JP3971594B2 - ワニスおよび印刷インキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローラストリッピング性、含水時の流動性および乳化適性(水との親和性)に優れ、ホルムアルデヒドおよびアルキルフェノールを樹脂原料として使用せず、従って環境問題に対応しており、ロジン変性フェノール樹脂を主成分としたオフセット印刷インキ(以下単に「インキ」という)に匹敵する印刷適性を有するワニスおよび該ワニスからなるインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インキ用ワニスの樹脂としては、インキ用溶剤に対する溶解性、印刷物に要求される性能、高速印刷適性などから、ロジン変性フェノール樹脂が使用されている。
【0003】
これらの樹脂は、ロジン類とアルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物とポリオールとの反応生成物である。この反応生成物の原料の一つであるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物については、その製造時に、有害物質の1つであるホルムアルデヒドおよびアルキルフェノール(特にノニルフェノール)を原料としており、未反応のホルムアルデヒドやアルキルフェノールなどが排水中などに遊離・拡散することによる環境問題や作業環境の安全性の問題が指摘されている。
【0004】
すなわち、ホルムアルデヒドは、化学物質過敏症を引き起こす原因物質であり、また、アルキルフェノールの一部は内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)の1つとして考えられている。このため、環境問題や安全衛生の面から、ホルムアルデヒドやアルキルフェノールを原料として使用しない樹脂を用いたワニスおよびインキが望まれている。
【0005】
このために、上記のロジン変性フェノール樹脂の代替えとして、ホルムアルデヒドおよびアルキルフェノールを原料として使用しない樹脂として、ロジンまたは重合ロジンを多価アルコールでエステル化したロジンエステル樹脂が提案されている。これらのロジンエステル樹脂は、顔料の濡れ性および顔料の分散性は優れているが、ロジン変性フェノール樹脂に比べて、印刷適性が不十分で、価格が高いという問題がある。
【0006】
また、上記のロジン変性フェノール樹脂の代替えとして、石油樹脂を主成分としたワニスおよびインキが提案されている。石油樹脂は、ナフサの熱分解によってエチレン・プロピレンなどを生産する際に生成する炭化水素を樹脂化したもので安価であるが、インキのワニスとして使用した場合に、ロジン変性フェノール樹脂に比べて、低分子量で、官能基を多く持つことができないため、上記ワニスからなる印刷インキは、印刷時にミスチングが多く、また、水との親和性が悪い。
【0007】
さらに、上記石油樹脂からなるワニスは、着色剤である顔料との濡れ性やインキとしたときのインキの流動性が悪く、特に含水した時にインキの流動性の悪化が顕著となる。オフセット印刷では、水と油との反発を利用して印刷するが、インキには水に対する適度な親和性が必要であり、水との親和性が悪いと、水を適度にインキ中に取り込めないため、水負けによる部分的なインキの転移不良が生じる。また、石油樹脂を主成分としたインキは、オフセット印刷中に印刷機上の金属製などのインキローラーにインキが付着しないというローラストリッピングが発生して、版の画線部にまで充分にインキが供給されなくなり、印刷物に印刷ムラが発生する。このために石油樹脂は、従来のワニスおよびインキの副成分として使用されているにすぎない。
【0008】
このように、ホルムアルデヒドおよびアルキルフェノールを樹脂原料として使用せず、ロジン変性フェノール樹脂を使用したインキに匹敵する印刷適性を有し、含水時のインキの流動性、乳化適性および印刷物の光沢性に優れ、ローラストリッピングが発生しないインキは提供されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ローラストリッピングを抑制し、含水時のインキの流動性、乳化適性および印刷物の光沢性に優れ、有害物質の1つであるホルムアルデヒドやアルキルフェノールを樹脂製造工程から一切使用せず、従来のロジン変性フェノール樹脂を使用したインキに匹敵するインキ性能と、印刷適性を有するインキを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、炭化水素樹脂Aと不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bとの反応生成物であって、上記炭化水素樹脂Aが、石油分解油溜分のC9系からなる石油樹脂、石油分解油溜分のDCPD系(ジシクロペンタジエン系)とC9系からなる共重合石油樹脂、C5系とC9系からなる共重合石油樹脂およびDCPD系とC5系とC9系とからなる共重合石油樹脂から選ばれる少なくとも1種であり、上記樹脂Aと上記不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bとの反応割合が上記A100gあたり上記Bが0.001〜0.5モルであり、重量平均分子量が500〜10,000で、かつ酸価が2.0〜35.0mgKOH/gである樹脂Cを含有することを特徴とするワニス、および該ワニスを用いたインキを提供する。
【0011】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記本発明のワニスを使用したインキが、含水時の流動性、乳化適性(水との親和性向上)および印刷物の光沢が優れ、ローラストリッピングの発生がなく、かつホルムアルデヒドやアルキルフェノールを樹脂原料として使用せず、ロジン変性フェノール樹脂を使用したインキに匹敵する印刷適性を有するインキであることを見い出した。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明を特徴づける反応生成物である樹脂Cは、特定の炭化水素樹脂Aと不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bとの反応によって得られるもので、重量平均分子量が500〜10,000で、かつ酸価が2.0〜35.0mgKOH/gの酸変性炭化水素樹脂である。
【0014】
上記の特定の炭化水素樹脂Aとしては、インデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレンなどC9系を原料とするC9系石油樹脂、DCPD系(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどのジシクロペンタジエン系)とC9系原料からなる共重合石油樹脂、C5系(ペンテン、ペンタジエン、イソプレンなど)とC9系原料とからなる共重合石油樹脂、DCPD系とC5系とC9系原料とからなる共重合石油樹脂などが挙げられる。
【0015】
これらの石油樹脂および共重合石油樹脂は、上記の原料を無触媒あるいはフリーデルクラフツ型触媒(カチオン重合触媒)などを用いて公知の方法で重合または共重合して、重量平均分子量500〜10,000、好ましくは1,000〜3,000に調製される。上記の石油樹脂は、東ソー(株)から「C9系石油樹脂ペトコール120」、「C5−C9共重合系石油樹脂ペトロタック120」などの商品名で入手して本発明で使用することができる。
【0016】
前記の不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bとしては、不飽和脂肪酸、不飽和多塩基酸などの不飽和カルボン酸およびそれらの無水物が挙げられる。それらのカルボン酸および無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸などの共役ジエンとα,β−不飽和ジカルボン酸との付加物、およびこれらの酸の無水物などが挙げられ、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびそれらの無水物が挙げられる。
【0017】
前記の炭化水素樹脂Aと不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bとの反応割合は、炭化水素樹脂A100gに対して不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bを0.001〜0.5モルである。不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bの使用量が上記上限を越える場合には、得られる酸変性炭化水素樹脂の極性が強くなり、得られるワニスに含まれる植物油(乾性油、半乾性油)や石油系溶剤に対する溶解性が低下する。一方、不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bの使用量が上記下限未満の場合には、酸変性した効果が得られず、得られるワニスの顔料の濡れ性、印刷インキの含水時の流動性、乳化適性およびローラストリッピングなどに十分な改善効果が得られない。
【0018】
前記の炭化水素樹脂Aと不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bとの反応生成物である樹脂Cは、重量平均分子量500〜10,000、好ましくは1,000〜3,000で、かつ酸価が2.0〜35.0mgKOH/g、好ましくは5.0〜34.0mgKOH/gの酸変性炭化水素樹脂である。重量平均分子量が上記上限を越える場合には、ワニスの溶剤に対する溶解性が低下し、また、得られるインキの流動性が充分でなく、一方、重量平均分子量が上記下限未満の場合には、得られるインキの粘度が上がらず、良好な印刷適性が得られない。また、酸価が上記上限を越える場合には、樹脂の溶解性が低下し、一方、酸価が上記下限未満の場合には、酸変性した効果が十分ではない。
【0019】
上記の樹脂Cの製造は、公知の方法で製造することができ、例えば、撹拌器のついた反応釜に炭化水素樹脂Aを加え、140〜250℃にて加熱溶解させた後、炭化水素樹脂A100g当たり約0.001〜0.5モルの不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bを添加して、140〜250℃の範囲内で無触媒または有機過酸化物などのラジカル開始剤の存在下で30分〜10時間反応させて酸変性炭化水素樹脂Cを得ることができる。
【0020】
本発明のワニスは、前記の樹脂C100重量部当たり、約50〜150重量部の植物油を配合して、140℃で1時間程度加熱溶解してワニスとすることができる。また、該ワニスに染料や顔料などの着色剤および溶剤、必要に応じて他の樹脂ワニスを本発明の目的を妨げない範囲において混練して本発明のインキとすることができる。また、必要に応じてワックスコンパウンドなどの添加剤を本発明の目的を妨げない範囲において添加して使用することができる。ワックスコンパウンドとしては、例えば、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。
【0021】
前記樹脂Cに混合する植物油としては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油などの半乾性油、あまに油、桐油、サフラワー油などの乾性油、ヒマシ油、オリーブ油などの不乾性油、脱水ヒマシ油、熱重合油などの合成油、再生油など、およびこれらの混合物が挙げられる。なお、得られるインキ中の樹脂Cの含有量は、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。樹脂Cの配合量が上記上限を越える場合には、得られるインキの粘度が上昇して、印刷時のインキ転移の調子が低下し、一方、上記下限未満の場合には所望の効果が得られない。
【0022】
また、上記の溶剤としては、パラフィン系、ナフテン系およびアロマ系など、およびそれらの混合溶剤など、好ましくはパラフィン系、ナフテン系などの低芳香族石油系溶剤が挙げられる。これらの低芳香族石油系溶剤としては、日石三菱(株)から「AFソルベント4号」、「AFソルベント5号」、「AFソルベント6号」、「AFソルベント7号」などの商品名で入手して本発明で使用することができる。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態として、必要に応じてゲル化剤を添加して使用することができる。ゲル化剤としては、例えば、アルミニウムエチルアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセテート)、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムジイソプロポキサイト、アルミニウムトリイソプロポキサイト、アルミニウムジイソブトキサイト、ステアリン酸アルミニウム、オクチル酸アルミニウムなど、およびそれらの混合物が挙げられる。これらのゲル化剤は、川研ファインケミカル(株)から「ALCH」などの商品名で入手して本発明で使用することができる。
【0024】
前記の着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、弁柄、群青、紺青、アルミニウム粉などの無機顔料、アリリド系、アセト酢酸アリリドモノアゾ系、アセト酢酸アリリドジスアゾ系、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン系、キナクリドン系、ピラントロン系、ジオサジン系、インダストロン系、アントラピリミジン系、フラバントロン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、イソインドリノン系、金属錯塩系、キノフタロン系などの多環式および複素環式顔料などの有機顔料および染料が挙げられる。本発明のインキの製造方法は、実施例に例示する通り従来公知の方法でよい。
【0025】
【実施例】
次に、本発明で使用する樹脂Cの製造例1〜3、比較例で使用する石油樹脂、比較例で使用するロジン変性フェノール樹脂の製造例4、これらの樹脂を使用したワニスおよびインキの、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの樹脂Cの製造は、下記の製造例に限定されるものではない。なお、文中「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
【0026】
本発明で使用する樹脂Cは下記の方法(製造例1〜3)により合成した。
製造例1
C9系石油樹脂ペトコール120(東ソー製)1,300gを撹拌器の付いた反応釜に入れて、225℃で加熱溶解させた後、無水マレイン酸28.3gを加えて、225℃で3時間反応させ、酸価11mgKOH/g、軟化点128℃、重量平均分子量1,410の樹脂Cを調製した。
【0027】
製造例2
C9系石油樹脂ペトコール120(東ソー製)1,300gを撹拌器の付いた反応釜に入れて、225℃で加熱溶解させた後、無水マレイン酸14.1gを加えて、225℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/g、軟化点124℃、重量平均分子量1,400の樹脂Cを調製した。
【0028】
製造例3
C5−C9系共重合石油樹脂ペトロタック120(東ソー製)1,300gを撹拌器の付いた反応釜に入れて、225℃で加熱溶解させた後、無水マレイン酸28.3gを加えて、225℃で3時間反応させ、酸価34mgKOH/g、軟化点135℃、重量平均分子量2,280の樹脂Cを調製した。
【0029】
(比較例で使用する石油樹脂)
上記の製造例で使用したC9系石油樹脂ペトコール120(東ソー製)(酸価0、軟化点120℃、重量平均分子量1,470)およびC5−C9系共重合石油樹脂ペトロタック120(東ソー製)(酸価0、軟化点121℃、重量平均分子量2,090)を酸変性せず、各々単独で使用した。
【0030】
製造例4(比較例で使用するロジン変性フェノール樹脂)
撹拌器、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコで、窒素雰囲気中でガムロジン600gを溶解し、レゾール樹脂を3時間かけて滴下し、その後、ゆっくりと昇温して200℃でグリセリン62gと触媒として酸化マグネシウム0.6gを投入し、7時間で260℃まで昇温し、酸価が20mgKOH/gになるまで同温でエステル化し、重量平均分子量40,000のロジン変性フェノール樹脂を調製した。
【0031】
実施例1〜4、比較例1〜3(ワニス調製方法)(P1〜7)
上記の製造例1〜3および比較例の石油樹脂および製造例4のロジン変性フェノール樹脂を使用して、各々の樹脂と植物油とを配合して、窒素気流雰囲気下において140℃で1時間、均一に撹拌溶解して実施例のワニスP1〜4および比較例のワニスP5〜7を調製した。なお、本発明のワニスは、下記の調製方法に限定するものではない。また、調製した各々のワニスの物性を表1に示す。
【0032】
実施例1〜3(ワニスP1〜P3)
Figure 0003971594
実施例4(ワニスP4)
Figure 0003971594
【0033】
比較例1(ワニスP5)
Figure 0003971594
比較例2(ワニスP6)
Figure 0003971594
比較例3(ワニスP7)
Figure 0003971594
【0034】
Figure 0003971594
【0035】
但し、タック値、粘度およびヘキサントレランスは下記の測定値を示す。
・タック値:東洋精機(株)製のデジタルインコメーターを使用して、400rpm・ロール温度32℃の条件下での30秒値。
・粘度:東洋精機(株)製のL型粘度計にて室温25℃の条件下の測定値。
・ヘキサントレランス:試料5gをn−ヘキサンで滴定し、白濁するまでに要したヘキサン量。
【0036】
実施例5〜8および比較例4〜6(インキの調製方法)
上記で得られた各々のワニスに顔料、ギルソナイトワニス、低芳香族溶剤を配合して、サンドミルを使用してE型粘度(25℃、100rpmの条件における120秒値)が2.5〜3.0Pa・sになるように混合して、本発明のインキ(Y1〜Y4)および比較例のインキ(Z1〜Z3)を表2のように調製した。上記で得られた各々のインキについて、インキのローラストリッピング性、光沢性、乳化率(乳化適性改善)およびインキの流動性に関して下記の測定方法により評価した。
【0037】
Figure 0003971594
【0038】
(ローラストリッピング性)
上記の各々のインキを使用して、通常のオフ輪印刷機にて印刷を行い、印刷機上のインキングローラへのインキの転移性が阻害される現象を下記の基準にて目視にて測定した。評価結果を表3に示す。
評価:
◎:インキングローラへのインキ付着不良が全くなく、ストリッピングの発生が認められない。
×:インキングローラへのインキ付着不良が随所にあり、ストリッピングが認められる。
【0039】
(光沢性)
上記の各々のインキ0.125ccをRIテスター2カットロールを使用してアート紙に展色し、24時間放置後に展色紙の光沢値を60°−60°光沢計を使用して測定した。評価結果を表3に示す。
【0040】
(乳化率)
ディゾルバー乳化試験機を使用して、上記の各々のインキ100gに水200gを添加し、25℃の雰囲気下において2000rpmで撹拌して、15分後の乳化率を測定した。評価結果を表3に示す。
【0041】
(インキの流動性)
上記の各々のインキおよび20%に含水して25℃で24時間保存後のインキのガラス板流度値を測定した。測定方法は、印刷インキ工業連合会「団体規格新聞オフセット輪転インキの試験方法」4.1.4 ガラス板流度計による方法に従った。評価結果を表3に示す。
【0042】
(印刷適性)
上記の各々のインキを使用して、通常のオフ輪印刷機にて印刷を行い、画像再現性を下記の基準にて測定した。評価結果を表3に示す。
評価:
◎:印刷面に印刷調子の不良が認められず、印刷原稿に匹敵する印刷の再現性がある。
×:印刷面に印刷調子の不良が認められ、印刷原稿に匹敵する印刷の再現性がない。
【0043】
Figure 0003971594
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ワニスおよびインキに、本発明の樹脂Cを使用することにより、ローラストリッピングの現象が改善され、インキの含水時の乳化適性改善、流動性、印刷物の光沢性および印刷適性が優れ、樹脂製造時にホルムアルデヒドおよびアルキルフェノールを使用しないなどの環境に対する負荷を少なくすることができる。

Claims (5)

  1. 炭化水素樹脂Aと不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bとの反応生成物であって、上記炭化水素樹脂Aが、石油分解油溜分のC9系からなる石油樹脂、石油分解油溜分のDCPD系(ジシクロペンタジエン系)とC9系からなる共重合石油樹脂、C5系とC9系からなる共重合石油樹脂およびDCPD系とC5系とC9系とからなる共重合石油樹脂から選ばれる少なくとも1種であり、上記樹脂Aと上記不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bとの反応割合が上記A100gあたり上記Bが0.001〜0.5モルであり、重量平均分子量が500〜10,000で、かつ酸価が2.0〜35.0mgKOH/gである樹脂Cを含有することを特徴とするワニス。
  2. 不飽和カルボン酸および/またはその無水物Bが、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸およびその無水物から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のワニス。
  3. 植物油および低芳香族石油系溶剤の一種または数種をさらに含有する請求項1または2に記載のワニス。
  4. ゲル化剤の一種または数種をさらに含有する請求項1〜のいずれか1項に記載のワニス。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のワニスに着色剤を混練し、かつ樹脂Cを5〜50重量%含有することを特徴とする印刷インキ。
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