JP3971562B2

JP3971562B2 - チェーンソー

Info

Publication number: JP3971562B2
Application number: JP2000308903A
Authority: JP
Inventors: 富士雄小林
Original assignee: Kyoritsu Co Ltd
Current assignee: Kyoritsu Co Ltd
Priority date: 2000-10-10
Filing date: 2000-10-10
Publication date: 2007-09-05
Anticipated expiration: 2020-10-10
Also published as: US20020046468A1; JP2002113704A; US6637117B2

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、チェーンソーに関し、より詳細には、ロープなどによって吊り下げることができるチェーンソーに関する。
【従来技術】
従来から、空冷式２サイクル内燃機関によって駆動される、木の幹や枝などを切断するためのチェーンソーが知られている。該チェーンソーのうち、一般的にトップハンドルソーと称されるものは、頭上の枝などを伐採するためにも使用され、片手でも容易に持ち上げることができるように、軽量かつ小型に形成されている。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】
作業者は、木に登って高い所の枝を前記トップハンドルソーによって切断して枝払いする場合がある。この場合、作業者は、安全上、まず、地上でリコイルスタータを引張って前記空冷式２サイクル内燃機関を作動させてから、前記トップハンドルソーを地面に残したまま木に登り、木の上から前記トップハンドルソーをロープなどの吊り下げ部材によって引き上げる必要がある。その際、前記トップハンドルソーが途中で枝葉に引っ掛からないように、また、回転駆動されているチェーンバー部分が枝葉に接触した反動で、前記トップハンドルソーが振り子のように揺れてしまい不安定とならないように、引き上げる方向についての投影輪郭をできるだけ小さくする必要がある。
【０００３】
そこで、本発明の第一の目的は、作業者が木の上からできるだけ枝葉に接触することなく引き上げることができるチェーンソーを提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、装置の軽量小型化をされたチェーンソーを提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記第一の目的は、本体から長手方向中心軸線に沿って前方に延びるチェーンバー部分を有するチェーンソーであって、吊り下げ部材を取付けるための取付け部を有し、該取付け部は、前記吊り下げ部材によって前記チェーンソーを吊り下げたとき、前記チェーンバー部分の長手方向中心軸線が垂直軸線に対して２０度以下の角度をなすように、前記本体の後面と底面とが交わる角部近傍に設けられている、ことを特徴とするチェーンソーによって達成することができる。
本発明においては、前記取付け部は、前記吊り下げ部材によって前記チェーンソーを吊り下げたとき、前記長手方向中心軸線が垂直軸線、すなわち前記吊り下げ部材の延在方向線に対して２０度以下の角度をなすように、前記本体の前記後面と前記底面とが交わる前記角部近傍に設けられている。したがって、作業者が木の上から前記吊り下げ部材を引張って、前記チェーンソーを枝葉間の隙間を通して引き上げるとき、前記チェーンバー部分が、前記チェーンソーの引き上げ方向についての投影輪郭から大きく突出して枝葉に接触したり、引っ掛かったりせずに、容易かつ安全に引き上げることができる。
【０００５】
更に、本発明の前記第二の目的は、前記角部近傍に設けられた点火プラグと、前記角部近傍から前記点火プラグを覆うように延びるカバープレート部分と、を有し、前記取付け部は、前記カバープレート部分の前記点火プラグに対して偏位した位置に設けられているチェーンソーによって達成することができる。
本発明によれば、前記取付け部を、前記点火プラグに対して偏位した、前記プレート部分の空き部分を利用して設けるので、装置の小型軽量化を図ることができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明にかかるチェーンソーの実施の形態について説明する。
図１乃至図３は、本実施形態にかかるトップハンドル型のチェーンソーを示す。そのうち、図１は、チェーンソーの本体の左側面図であり、チェーンバー部分を二点鎖線で示している。また、図２は、本体の後面図であり、更に、図３は、本体の後部分を示す部分底面図である。
【０００７】
図１に示すように、チェーンソー２は、略直方体の本体４と、該本体４の前面４ａから前方に延びるチェーンバー部分６（二点鎖線で一部分だけ示す）と、を有する。該チェーンバー部分６の長手方向中心軸線をＯ−Ｏで示す。前記本体４の内部には、リコイルスタータ２０によって起動される空冷式２サイクル内燃機関や燃料タンク等が収容されており、また、後端部には、詳細は図示しないが、ダイヤフラム式気化器を収容したエアクリーナー部８が設けられている。また、前記本体４のハウジング７の左側側面４ｂには、作業者が作業中に左手で把持するためのサイドハンドル部１０が、また、前記前面４ａから後面４ｄにまたがる上側には、トップハンドル部１２が設けられている。
なお、前記サイドハンドル部１０と前記トップハンドル部１２とは一体のものとされて、図示しない防振手段を介して前記ハウジング７に取着されている。
【０００８】
図３を見て分かるように、前記ハウジング７の底面４ｃと前記後面４ｄとが交わる角部近傍４ｅには、前記空冷式２サイクル内燃機関の点火プラグ１４が後方へ向けて突設されている。より詳細には、該点火プラグ１４は、図２に示す前記本体４の縦方向中心軸線Ｙ−Ｙに対して一方の側、すなわち右側（図３において下側）に設けられており、また、前記本体４に対して取付けられている基部１４ａから先端部１４ｂに向かって前記縦方向中心軸線Ｙ−Ｙから遠ざかる方向（右方）に斜めに配設されている。前記点火プラグ１４の前記先端部１４ｂは、前記本体４の前記後面４ｄに取付けられたねじ式つまみ８ｃで着脱自在のエアークリーナーカバー８ａによって覆われている。
【０００９】
前記ハウジング７には、前記底面４ｃから後方に向かって真っ直ぐに延びる、前記点火プラグ１４の下半分を覆うためのカバープレート部分１６が設けられている。該カバープレート部分１６は、前記点火プラグ１４に隣接した前記本体４の前記縦方向中心軸線Ｙ−Ｙに対して一方の側、すなわち右側（図３において下側）のみならず、前記縦方向中心軸線Ｙ−Ｙに対して他方の側（図３において上側）にまで延び、前記底面４ｃの平らな壁面と略同じ幅を有する。また、前記カバープレート部分１６の面のうち、前記点火プラグ１４に対して偏位した前記他方の側の部分、すなわち、カバーとして作用していない空き部分に、ロープなどの吊り下げ部材２２を取付けるための、取付け部としての取付け孔１８が形成されている。前記カバープレート部分１６の縁部には、補強用リブ部分１６ａが全幅にわたってのびており、断面はＬ字形をなしている。該補強用リブ部分１６ａは、前記取付け孔１８の後方にも延び、また、該取付け孔１８の周縁部にも補強用リブ部分１８ａが延びている。前記取付け孔１８は、前記カバープレート部分１６に一体成形によって形成されている。前記エアークリーナーカバー８ａの、前記取付け孔１８の近傍には、該取付け孔１８に向かって臨む凹部８ｂが形成されており、前記取付け孔１８に前記ロープ２２を挿通し易いようになっている。
【００１０】
図４は、取付け孔に取付けられたロープによってチェーンソーを吊り下げた状態を示す。
図４を見て分かるように、本実施形態にかかるチェーンソー２においては、前記取付け孔１８に前記ロープ２２を結び付けて機体を吊り下げることができる。作業者は、木の高いところの枝払い作業をする際、まず、地上で前記リコイルスタータ２０を引張って、前記空冷式２サイクル内燃機関を起動させ、前記チェーンソー２をそのまま地面に置く。作業者は、ロープ２２の先端を腰に結び付ける等して木に登り、それから前記ロープ２２を引張って前記チェーンソー２を引き上げる。該チェーンソー２は、枝葉の間の狭い隙間を通して容易に引き上げることができるように、なるべく前記長手方向中心軸線Ｏ−Ｏが上下方向に配置された状態で吊り下げることができるのが望ましい。図１および図２に、本実施形態にかかるチェーンソー２の重心Ｇを示す。図２を見て分かるように、前記取付け孔１８は、前記本体４の前記底面４ｃと前記後面４ｄとが交わる前記角部近傍４ｅに設けられている。これは、前記本体４を確りと支持するのに必要な強度をもつ前記本体４の構造部分のうち、図２に示す前記重心Ｇに最も近い位置である。
【００１１】
図４に示すように、前記取付け孔１８に前記ロープ２２を取付けて、本実施形態にかかる前記チェーンソー２を吊り下げると、前記長手方向中心軸線Ｏ−Ｏが、垂直軸線Ｖ−Ｖ、すなわち前記ロープ２２の延在方向線に対して、２０度以下の角度θ、望ましくは約１５度の角度をなす。
本実施形態によれば、前記チェーンソー２を吊り下げると、前記長手方向中心軸線Ｏ−Ｏが、前記垂直軸線Ｖ−Ｖに対して、約１５度の角度をなす。したがって、前記チェーンソー２を前記後面４ｄの側から見たとき（図２に示す）、前記本体４の外形輪郭の外に前記チェーンバー部分６が突出せず、作業者は木の上から、前記チェーンソー２を枝葉の間の狭い隙間の間を通して容易に引き上げることができる。また、駆動されている前記チェーンソー部分６が枝葉に接触しにくいので、接触したときの反動によって前記チェーンソー２が揺動して不安定になることがない。
また、本実施の形態によれば、前記取付け孔１８が前記カバープレート部分１６に一体成形によって形成されるので、前記点火プラグ１４も効果的に保護でき、部品点数を少なくすることができ、また、安価に製造することができる。
【００１２】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態においては、前記取付け部１８は、前記カバープレート部分１６に形成されており、前記チェーンソー２の小型化、および、部品点数を少なくする点等で望ましいが、前記傾斜角度との関連では、前記取付け部１８は、前記本体４の適位置に対して取付けられる別部品であってもよい。
【００１３】
また、前記取付け部１８は、装置の小型化の観点からは、前記カバープレート部分１６に設けられていることが望ましいが、前記本体４の前記底面４ｃと前記後面４ｄとが交わる前記角部近傍４ｅに設けられていれば、必ずしも、前記カバープレート部分１６に設けられていなくてもよい。
更に、本実施形態においては、前記チェーンソー２を吊り下げたときの、前記長手方向中心軸線Ｏ−Ｏの前記垂直軸線に対する傾斜角度はできるだけ小さいことが望ましく、前記実施形態においては約１５度である。前記傾斜角度は、枝葉になるべく接触しないように引き上げるため、２０度以下であることが好ましい。なお、前記チェーンソー２のように、木に登って使用する形式の所謂「トップハンドルソー」と称されるものは、一般的に、ほぼ同様な構造となっており、重心Ｇの位置は、ほぼ同様な位置にある。
【００１４】
更に、前記取付け部１８は、前記吊り下げ部材２２を取付けることができるいかなる形状であってもよく、本実施例では孔であるが、その他、例えば、フック状であってもよい。
更に、前記吊り下げ部材２２は、前記取付け部１８に直接連結可能であり、または、フックなどの接続具を介して接続可能ないかなる吊り下げ部材２２であってもよく、ロープ２２以外に、例えば、チェーン等であってもよい。
【発明の効果】
本発明によれば、作業者が木の上からできるだけ枝葉に接触することなく引き上げることができるチェーンソーを提供することができる。
また、本発明によれば、装置の軽量小型化されたチェーンソーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施形態にかかるチェーンソーの本体の左側面図である。
【図２】本実施形態にかかるチェーンソーの本体の後面図である。
【図３】本実施形態にかかるチェーンソーの本体の後部分を示す部分底面図である。
【図４】取付け孔に取付けられたロープによってチェーンソーを吊り下げた状態を示す。
【符号の説明】
２チェーンソー
４本体
４ｃ底面
４ｄ後面
４ｅ角部近傍
６チェーンバー部分
１４点火プラグ
１６カバープレート部分
１８取付け部
２２吊り下げ部材（ロープ）
Ｏ−Ｏ長手方向中心軸線
Ｖ−Ｖ垂直線
θ 吊り下げ角度

Claims

本体（４）から前方に延びるチェーンバー部分（６）を有するチェーンソー（２）であって、
吊り下げ部材（２２）を取付けるための取付け部（１８）を有し、該取付け部（１８）は、前記吊り下げ部材（２２）によって前記チェーンソー（２）を吊り下げたとき、前記チェーンバー部分（６）の長手方向中心軸線（Ｏ−Ｏ）が垂直軸線（Ｖ−Ｖ）に対して２０度以下の角度（θ）をなすように、前記本体（４）の後面（４ｄ）と底面（４ｃ）とが交わる角部近傍（４ｅ）に設けられている、ことを特徴とするチェーンソー。
前記角部近傍（４ｅ）に設けられた点火プラグ（１４）と、前記角部近傍（４ｅ）から前記点火プラグ（１４）を覆うように延びるカバープレート部分（１６）と、を有し、前記取付け部（１８）は、前記カバープレート部分（１６）の前記点火プラグ（１４）に対して偏位した位置に設けられている、ことを特徴とする請求項２に記載のチェーンソー。