JP3970437B2 - 7−オクテン−1−アールの製造方法 - Google Patents

7−オクテン−1−アールの製造方法 Download PDF

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は2,7−オクタジエン−1−オールの異性化による7−オクテン−1−アールの製造方法に関する。7−オクテン−1−アールは反応性に富む末端二重結合およびアルデヒド基を含有する、種々の工業化学品の出発原料として極めて有用な化合物である。
【0002】
例えば、7−オクテン−1−アールはこれをヒドロホルミル化反応に付すことによって得られる1,9−ノナンジアールを経由することによって1,9−ノナンジオール、アゼライン酸、1,9−ノナンジアミンなどの高分子合成用原料に誘導することができる。また、7−オクテン−1−アールはコバルト塩、マンガン塩、ニッケル塩、銅塩、鉄塩などの触媒の存在下に酸素酸化することによって7−オクテン酸に変換することができる。さらに、7−オクテン−1−アールは還元によって7−オクテン−1−オールまたは1−オクタノールに変換することも、二重結合の還元およびアルデヒド基の酸化を行うことによりカプリル酸に変換することもできる。
【0003】
【従来の技術】
特公昭62−60378号公報および特開昭58−118535号公報には、2,7−オクタジエン−1−オールを銅系触媒及びクロム系触媒よりなる群から選ばれる触媒の存在下に異性化する7−オクテン−1−アールの製造方法が開示されている。また、特開平2−218638号公報(特許第2565561号)には、銅、クロムおよび亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも2種の金属を金属成分とする金属酸化物触媒の存在下、2,7−オクタジエン−1−オールに対してn−オクタノール、3−オクタノールおよび7−オクテン−1−オールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を50〜200重量パーセントの割合で存在させ、かつ180〜250℃で異性化反応を行う7−オクテン−1−アールの製造方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特公昭62−60378号公報および特開昭58−118535号公報記載の方法には、生成物である7−オクテン−1−アールと蒸留分離の困難な2,7−オクタジエン−1−アールが副生してしまうという問題点があり、しかもこの2,7−オクタジエン−1−アールはヒドロホルミル化反応の触媒毒となるため、得られた7−オクテン−1−アールをヒドロホルミル化反応に付して1,9−ノナンジアールに誘導する際の収率がよくないという問題点もある。これは特開平2−218638号公報に、特公昭62−60378号公報記載の実施例に従って、同一触媒を繰り返し使用して反応を行うと、次第に2,7−オクタジエン−1−アールが副生してくる傾向があることが見受けられたとの記載があることから明らかである。特開平2−218638号公報の方法では、2,7−オクタジエン−1−アールの生成量は確かに低減されており、生成量の最も多い実施例2においても反応7時間後の生成量は0.7%にすぎない。ところが、この方法では水素発生源として用いているn−オクタノールおよび3−オクタノールが本反応系で脱水素されて、それぞれ目的生成物である7−オクテン−1−アールの沸点(174℃/760mmHg)に極めて近いn−オクチルアルデヒド(沸点173℃/760mmHg)および3−オクタノン(沸点168℃/760mmHg)に変換されてしまう。したがって、特開平2−218638号公報の方法には、目的生成物とこれら副生成物との蒸留分離が極めて困難になってしまうという問題点がある。
【0005】
特開平2−218638号公報記載の方法の上記問題点を解決するには、これら副生成物の発生源であるn−オクタノール、3−オクタノール、7−オクテン−1−オール等の水素源を使用しない方法を開発することが必要である。そこで、本発明者らは、2,7−オクタジエン−1−オールから7−オクテン−1−アールが生成するメカニズムについて詳細に検討し、この反応は2,7−オクタジエン−1−オールのアリルアルコール部分の脱水素反応により2,7−オクタジエン−1−アールが生成し、それに続きアルデヒド基と共役した炭素−炭素二重結合部分が水素化され7−オクテン−1−アールが生成するという形式的な異性化反応であることをつきとめた。したがって、本反応において2,7−オクタジエン−1−アールが副生してくるのは、脱水素反応で発生する水素が7−オクテン−1−アールへの水素化反応だけではなく種々の副反応にも消費され、反応中間体である2,7−オクタジエン−1−アールが反応系内に残存してしまうためである。実際、本発明者らは比較例1、3、4および5に示すような反応系で異性化反応を行うと2,7−オクタジエン−1−アールの副生量が多いことを確認した。さらに比較例6に示すように長時間異性化反応を行うと、2,7−オクタジエン−1−アールの副生量が多くなると共に2,7−オクタジエン−1−オールの転化率が低下し、7−オクテン−1−アールの選択率が低下すること、即ち、2,7−オクタジエン−1−アールは本発明の異性化反応の触媒活性を低下させるという重大な問題点を有することを見出した。
【0006】
また特公昭62−60378号公報、特開昭58−118535号公報および特開平2−218638号公報で特に望ましい実施態様の一つとされている反応蒸留形式で本反応を実施した場合には、反応生成物であるアルデヒド由来の高沸点副生成物が系内に蓄積することが避けられず、収率の低下につながるという問題点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
長期にわたって安定な運転を行うためには、触媒活性を低下させる作用を持つ2,7−オクタジエン−1−アールの副生を低減することおよび高沸点副生成物の生成を抑制することが重要である。上述したように、2,7−オクタジエン−1−オールから7−オクテン−1−アールの生成メカニズムは、2,7−オクタジエン−1−オールのアリルアルコール部分の脱水素反応により2,7−オクタジエン−1−アールが生成し、それに続きアルデヒド基と共役した炭素−炭素二重結合部分が水素化され7−オクテン−1−アールが生成するという形式的な異性化反応である。2,7−オクタジエン−1−アールは上記の脱水素反応で発生する水素が7−オクテン−1−アールへの水素化反応だけではなく種々の副反応にも消費されてしまうことにより、2,7−オクタジエン−1−アールの水素化が不十分となり反応系内に残存してしまうために副生するのであるから、安価な水素を反応系に添加することにより残存する2,7−オクタジエン−1−アールを水素化することができれば、最終生成物中の2,7−オクタジエン−1−アールの量を減少させることができる。この観点から、本発明者らは水素添加の条件について詳細な検討を行なうことにした。特公昭62−60378号公報明細書には、「不活性ガスの雰囲気下で反応が行われるのが好ましいが、不活性ガスの一部または全部を水素ガスに置き換えてもよい。ただし、水素の共存下での反応を行う場合には、水素の分圧を10気圧以下に留めた方がよい。水素の分圧が10気圧を超えると水添反応の割合が増大し、7−オクテン−1−アールの選択率が低下するので好ましくない。」と記載され、特開昭58−118535号公報明細書にも同様の記載がなされている。しかしながら特公平62−60378号公報の実施例には、その実施例2と実施例4に水素雰囲気下で7−オクテン−1−アールへの異性化率がそれぞれ43%、76%であったという結果が記載されているのみで、水素の添加量に関する記載はない。特開昭58−118535号公報の実施例には、その実施例4と実施例6に水素流通下で7−オクテン−1−アールの選択率がそれぞれ92%、79%であったとの記載がなされているが、本発明者らの追試によると、比較例7に示すように7−オクテン−1−アールの選択率が低いこと、即ち他の水添副成物の生成が主であること、さらに触媒活性も反応時間の経過とともに低下してしまうことが判明した。ところで、これらの先行文献に開示されている触媒は水素化反応に用いられる触媒として公知であり、本反応系への水素の添加は種々の水添副反応を進行させることが容易に予測され、場合によっては、生成物である7−オクテン−1−アールがさらに水素添加され7−オクテン−1−アールの選択率が低下してしまうこともあり得る。しかし、これらの先行文献には水素を添加することにより2,7−オクタジエン−1−アールの副生を抑制するという効果については何ら具体的に記述されていない。
【0008】
本発明者らは、水素の添加法、使用量等について詳細な検討を行った結果、驚くべきことに、銅系触媒の存在下に2,7−オクタジエン−1−オールと水素との量比をある特定の範囲に制御して反応を実施することにより、目的とする7−オクテン−1−アールの選択率を低下させることなく2,7−オクタジエン−1−アールの副生を抑制することが可能であること、また気相で反応を行うと、反応系から生成物を速やかに除去することができることに起因して高沸点副生物の生成が抑制され、長期にわたり安定な運転が可能なことを見いだし本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、2,7−オクタジエン−1−オールを異性化して7−オクテン−1−アールを製造するにあたり、銅系触媒の存在下、2,7−オクタジエン−1−オールと水素とのモル比を99/1〜75/25の範囲に制御しつつ2,7−オクタジエン−1−オールと水素とを反応系に供給し、かつ気相で異性化することを特徴とする7−オクテン−1−アールの製造方法を提供するものである。
【0010】
本発明の方法において2,7−オクタジエン−1−オールとともに供給する水素の量は、2,7−オクタジエン−1−オールと水素とのモル比として99/1〜75/25の範囲であるが、これは2,7−オクタジエン−1−オールと水素との混合物中の水素量として1〜25モル%の範囲に該当する。2,7−オクタジエン−1−オールと水素とのモル比として97/3〜80/20の範囲がより好ましい。2,7−オクタジエン−1−オールと水素とのモル比として99/1を上回る比率、即ち両者からなる混合物中の1モル%を下回る量の水素を用いる場合には2,7−オクタジエン−1−アールの副生を低減する効果が小さく、2,7−オクタジエン−1−オールと水素とのモル比として75/25を下まわる比率、すなわち両者からなる混合物中の25モル%を越える量の水素を用いる場合には7−オクテン−1−アールの選択率が低下する。
【0011】
本発明の方法において触媒として使用する銅系触媒としては、還元銅、ラネー銅、銅亜鉛酸化物、銅クロム酸化物、銅アルミニウム酸化物、銅鉄アルミニウム酸化物、銅亜鉛アルミニウム酸化物、銅亜鉛チタン酸化物などを例示することができる。前記の金属酸化物触媒は商業生産されており容易に入手することができるほか、例えば触媒工学講座10元素別触媒便覧365−367頁(昭和42年2月25日、株式会社地人書館発行)に記載されている方法にしたがって製造することもできる。これらの触媒はタングステン、モリブデン、レニウム、ジルコニウム、マンガン、チタン、バリウムなどから選ばれる他の金属成分で部分的に変性されていてもよい。また触媒はアルミナ、シリカ、ケイソウ土などの担体に担持されているものを使用することもできる。なおこれらの触媒は表面をあらかじめアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属で処理してから用いてもよい。これらの触媒はそれぞれ単独で用いてもよく、2種もしくはそれ以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
触媒は、その使用に先立ちあらかじめ水素処理により活性化しておくことが、より高い触媒活性の発現のために好ましい。
【0013】
本発明の方法においては、2,7−オクタジエン−1−オールと水素を供給する際に、2,7−オクタジエン−1−オールと共に一般式(I)
【化1】
12CH−OH (I)
(式中、R1およびR2は、それぞれ水素、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはシクロアルキル基、またはR1とR2が互いに結合した置換されていてもよいシクロアルキル基を表わす。)
で表わされる1級または2級のアルコールを2,7−オクタジエン−1−オールと共に供給することができる。
【0014】
一般式(I)におけるR1およびR2は、それぞれ水素、C1〜3の低級アルキル基、フェニル基で置換されていてもよいC1〜10の直鎖もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはシクロアルキル基を表すほか、R1とR2が互いに結合した、C1〜3の低級アルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基を表わす。
【0015】
本発明で用いる1級または2級のアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール、イソペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、ネオペンチルアルコール、n−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、n−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、n−デカノールなどの飽和1級アルコール;アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、4−ペンテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1−オールなどの不飽和1級アルコール;ベンジルアルコールなどのアラルキル1級アルコール;2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、ジイソブチルカルビノールなどの鎖状2級アルコール;シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどの環状2級アルコール;などを例示することができる。これらのアルコールは1種類を単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
【0016】
本発明の方法は、常圧下でも、また加圧下でも減圧下でも実施できる。反応装置としては、例えば通常の固定床流通式反応装置を用いることができる。このような流通式反応を採用することで反応系からの生成物の速やかな除去が可能となり、アルデヒド生成物由来の高沸点副生物の生成を抑制できる。
【0017】
本発明の方法は、2,7−オクタジエン−1−オールと水素、またはさらに1級または2級のアルコールを不活性なキャリアガスと混合しながらガス状で銅系触媒と接触させるのが好ましいが、かかる不活性キャリアガスを使用することは本発明の方法に於いて必須ではなく、2,7−オクタジエン−1−オールと水素、またはさらに1級または2級のアルコールをガス状の原料として用いて操作することもできる。窒素は本発明の方法において有利に用いることができる不活性キャリアガスである。
【0018】
反応温度は100〜260℃、特に160〜240℃の範囲が好ましい。100℃よりも低い場合は反応は極めて遅く進行する傾向にあり、一方260℃より高いと触媒のシンタリング現象が起こったり、表面に金属銅が析出して触媒が変質したりして、選択性の低下および触媒寿命の低下をもたらす。
【0019】
本発明の方法は、2,7−オクタジエン−1−オールの広い範囲のLHSV(液空間速度:liquidhourly space velocity)にわたって実施することができる。LHSVとしては0.01〜20hr-1を採用することができるが、0.5〜10hr-1の範囲がより好ましい。LHSVが0.01hr-1より小さいと7−オクテン−1−アールの生産性が極めて小さくなり、工業的な運転では実用的とはいえない。また20hr -1 より大きいと2,7−オクタジエン−1−オールの転化率が低下する。
【0020】
反応で生成する7−オクテン−1−アールは反応混合液から通常の蒸留操作によって取得することができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の方法を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。尚、以下の説明における略号の意味は次の通りである。
GHSV:気体空間速度(hr-1:gas hourly space velocity)
触媒の全容積を通過する供給気体の時間当たりの容積/触媒の全容積
LHSV:液空間速度(hr-1:liquid hourly space velocity)
触媒の全容積を通過する供給液の時間当たりの容積/触媒の全容積
【0022】
以下に述べる反応装置、分析方法、触媒活性化処理、および反応操作によって各実施例および比較例のデータを採取した。
【0023】
反応装置
内部に温度計さや管を備えた内径24mm、全長720mmの石英ガラス製反応管に銅系触媒を25ml充填した。用いた銅系触媒は全てペレット状成型物で、触媒層部分の長さは約65mmであった。触媒層下部に平均粒径5mmのガラスビーズを充填し、触媒層上部にも同じガラスビーズを約150mmの長さだけ充填し、予熱部とした。触媒およびガラスビーズ充填部分を円筒型電気炉で加熱し、触媒層の温度を測定して反応温度とし、所望の温度となるように調節した。反応管下部には冷却器、サンプリング装置、受器およびコールドトラップを取り付け、留出反応液を回収した。2,7−オクタジエン−1−オールは定量送液ポンプを用いて所定の速度で供給し、窒素および水素は、ガス組成比および流量を調節可能なガス混合器を介して所定の速度で供給した。
【0024】
反応液の分析、定量
留出液を所定時間おきにサンプリングし、J&W サイエンティフィック社製のキャピラリーカラム(DB−WAX、30m、直径 0.25mm,Film 0.25μm)を用い、トリグライムを内部標準物質としてガスクロマトグラフィーで分析した。
[分析条件]
注入温度および検出温度:280℃
昇温プログラム:100℃(2分保持)→6℃/分→240℃(5分保持)
【0025】
触媒の水素処理による活性化
触媒を充填した反応装置の系内を充分に窒素置換後、窒素をGHSV=300hr-1で供給しながら触媒層を徐々に加熱した。触媒層の温度が120℃をこえたのち、3%の水素を含有した窒素/水素の混合ガスを導入した。急激な発熱の無いよう、触媒層内の温度が220℃を越えないように徐々に水素の混合割合を高めていき、発熱が観察されなくなった時点で水素ガスのみをGHSV=300hr-1で供給しながら触媒層の温度を200〜220℃で4〜5時間保持した。
【0026】
反応操作
触媒の活性化処理終了後、引き続き水素を流したまま、反応層を目的とする反応温度より約20℃低めの温度とし、その後反応系内への供給ガスを窒素/水素を所定の比率とした混合ガスに切り替え、所定のGHSVで供給した。次に2,7−オクタジエン−1−オールの供給を所定のLHSVで開始し、目的温度になるように加熱を調節した。反応温度を一定に保ちながら所定時間に留出液のサンプリングを行ない、分析を行った。
【0027】
実施例1〜5および比較例1〜5
種々の銅系触媒を用い、2,7−オクタジエン−1−オールのLHSV=1.5hr-1として、反応温度、および窒素/水素混合ガスの組成比を変化させた場合の反応成績を調べた。使用した各種銅系触媒の性状を表1に、2時間後の反応成績を表2に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003970437
【0029】
【表2】
Figure 0003970437
【0030】
実施例1〜5および比較例1〜5の結果から、各種銅系触媒を用いた7−オクテン−1−アール生成反応において、水素を共存させた時に2,7−オクタジエン−1−アールの副生量が低減されていることが明らかである。また比較例2より、共存水素量が本明細書で規定した範囲を超えて多くなると目的とする7−オクテン−1−アールの選択率が減少してしまうことがわかる。
【0031】
実施例6
触媒として銅−鉄−アルミニウム触媒(日揮化学株式会社製E26L)を用いて、反応温度220℃、2,7−オクタジエン−1−オールのLHSV=1.5hr-1、窒素/水素=95/5(容積比)混合ガスのGHSV=480hr-1として反応を行なった。このときの2,7−オクタジエン−1−オールと水素とのモル比は90.5/9.5に相当する。反応開始後の成績の時変化を表3に示す。200時間経過後も安定な反応成績が保たれていることがわかる。
【0032】
【表3】
Figure 0003970437
【0033】
比較例6
触媒として銅−鉄−アルミニウム触媒(日揮化学株式会社製E26L)を用いて、反応温度220℃、2,7−オクタジエン−1−オールのLHSV=1.5hr-1、窒素ガスのGHSV=480hr-1として反応を行なった。反応開始後の成績の時変化を表4に示す。水素を共存させない本条件では2,7−オクタジエン−1−アールの副生量が多いこと、また100時間経過後の転化率、選択率がともに低いことがわかる。
【0034】
【表4】
Figure 0003970437
【0035】
実施例7
触媒として銅−鉄−アルミニウム触媒(日揮化学株式会社製E26L)を用いて、反応温度220℃、2,7−オクタジエン−1−オール/7−オクテン−1−オール=90/10(モル比)混合原料のLHSV=1.7hr-1、窒素/水素=98/2(容積比)混合ガスのGHSV=480hr-1として反応を行なった。このときの2,7−オクタジエン−1−オールと水素とのモル比は96/4に相当する。反応開始後の成績の時変化を表5に示す。100時間経過後も初期活性にまったく変化はないことがわかる。
【0036】
【表5】
Figure 0003970437
【0037】
比較例7
攪拌装置、液およびガスフィード口を備え、かつ蒸留装置を接続した内容積100mlの三ツ口フラスコに2,7−オクタジエン−1−オール30mlおよびラネー銅(川研ファインケミカル株式会社製CDT−60)2.0gを仕込み、フラスコを205℃に保持された油浴に浸した。激しく攪拌しながら、水素ガスを30l/hrの速度で流通させつつ、2,7−オクタジエン−1−オールを170ml/hrの速度で連続的に供給して反応を行った。留出液の速度は170ml/hrであり、フラスコ内の液量は反応の間約30mlに保たれていた。反応開始後より、留出液を分析し、反応成績を経時的にチェックした。その結果を表6に示す。7−オクテン−1−アールの選択率は低く、また時間の経過とともに触媒活性が低下していることがわかる。
【0038】
【表6】
Figure 0003970437
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、2,7−オクタジエン−1−オールを銅系触媒の存在下に異性化して7−オクテン−1−アールを製造するに際し、触媒活性低下の原因となる副生成物である2,7−オクタジエン−1−アールの生成を抑制し、しかも高沸点副生物の生成を抑制することにより、長期にわたって安定な操作条件下での連続的製造が可能になる。

Claims (6)

  1. 2,7−オクタジエン−1−オールを異性化して7−オクテン−1−アールを製造するにあたり、銅系触媒の存在下、2,7−オクタジエン−1−オールと水素とのモル比を99/1〜75/25の範囲に制御しつつ2,7−オクタジエン−1−オールと水素とを反応系に供給し、かつ気相で異性化することを特徴とする7−オクテン−1−アールの製造方法。
  2. 2,7−オクタジエン−1−オールと水素とのモル比が97/3〜80/20の範囲にある請求項1に記載の7−オクテン−1−アールの製造方法。
  3. 2,7−オクタジエン−1−オールと水素とを反応に不活性なキャリアガスと混合しながら反応系に供給する請求項1または2に記載の7−オクテン−1−アールの製造方法。
  4. 不活性なキャリアガスが窒素である請求項3に記載の7−オクテン−1−アールの製造方法。
  5. 100〜260℃の温度範囲で反応を行う請求項1〜4のいずれかひとつに記載の7−オクテン−1−アールの製造方法。
  6. 反応系に供給する2,7−オクタジエン−1−オールのLHSV(液空間速度)が0.01〜20hr-1である請求項1〜5のいずれかひとつに記載の7−オクテン−1−アールの製造方法。
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