JPH10226659A - 7−オクテン−1−オールの製造方法 - Google Patents

7−オクテン−1−オールの製造方法

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JPH10226659A
JPH10226659A JP4845197A JP4845197A JPH10226659A JP H10226659 A JPH10226659 A JP H10226659A JP 4845197 A JP4845197 A JP 4845197A JP 4845197 A JP4845197 A JP 4845197A JP H10226659 A JPH10226659 A JP H10226659A
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JP
Japan
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octen
copper
reaction
compound
catalyst
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Application number
JP4845197A
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English (en)
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Masahiro Muranaka
雅浩 村中
Toshihiro Omatsu
俊宏 尾松
Takashi Onishi
孝志 大西
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 7−オクテン−1−オールの製造コストを低
減し、工業的に有利に7−オクテン−1−オールを製造
できる方法を提供する。 【解決手段】 7−オクテン−1−アールを銅系触媒の
存在下に水素化することによって7−オクテン−1−オ
ールを製造するにあたり、反応温度を150℃より高く
200℃以下の温度とし、かつ7−オクテン−1−アー
ルの転化率を95%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、7−オクテン−1
−オールの製造方法に関する。本発明によって得られる
7−オクテン−1−オールは、反応性に富む末端ビニル
基および第一級水酸基を有していることから工業的に極
めて有用な化合物であり、例えば、8−クロル−1−オ
クテン、9−ヒドロキシノナナール、1,8−ジハロゲ
ノオクタンなどに容易に導くことができるのみならず、
それ自体もポリマー改質剤として有用である。また、農
薬、医薬、香料などの中間体としても有用である。
【0002】
【従来の技術】7−オクテン−1−オールの合成法とし
て、従来、1,7−オクタジエンをハイドロボレーショ
ンする方法が知られている〔Tetrahedron Letters, 332
9 (1978) 参照〕が、この方法では、9−ボラビシクロ
ノナン(9−BBN)といった極めて高価な試薬を使用
することが必要である。かかる問題点を解決し、上記の
ように工業的に有用性の高い7−オクテン−1−オール
を工業的に製造できる方法として、ブタジエンの水和二
量化により工業的に製造される2,7−オクタジエン−
1−オールを銅系触媒またはクロム系触媒の存在下に異
性化させることによって得られる7−オクテン−1−ア
ールを、クロムの酸化物からなる触媒またはクロム、銅
および亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも二種の金
属の組み合わせからなる金属酸化物触媒の存在下70〜
150℃の温度で水素化する方法が提案されている(特
開昭58−225033号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭58−22
5033号公報に記載された方法は、例えば、7−オク
テン−1−アールに対して5重量%の銅クロム酸化物触
媒の存在下に110℃という反応温度、約2時間30分
という反応時間で、73%という7−オクテン−1−ア
ールの転化率および99%という7−オクテン−1−オ
ールへの選択率(同公報の実施例1参照)を達成してお
り、7−オクテン−1−オールの工業的製法として有用
である。
【0004】特開昭58−225033号公報に記載さ
れている方法では、反応温度は7−オクテン−1−オー
ルへの選択率を左右する重要な因子であり、高い温度で
反応を実施すると目的物から分離することが困難なn−
オクタノールの副生量が増大するので、150℃以下と
いう低めの温度で反応を実施することが必要であるとさ
れている。この点に関し、同公報には、7−オクテン−
1−アールを、7−オクテン−1−アールに対して5重
量%の銅クロム酸化物触媒の存在下に180℃という反
応温度、約2時間30分という反応時間で水素化した場
合、7−オクテン−1−オールの生成は認めれず、n−
オクタノールが92%の収率で生成したことが記載され
ている。
【0005】特開昭58−225033号公報に記載さ
れている方法では、上記のとおり低めの温度で反応を行
うことから、工業的に満足し得る反応速度を達成するた
めに使用する触媒の濃度を高めることが必要であり、こ
のことが製造コストを増加させる要因となる。しかして
本発明の目的は、上記の従来法における問題点を改良
し、7−オクテン−1−オールの製造コストを低減さ
せ、工業的により有利に7−オクテン−1−オールを製
造できる方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、7−オクテン−1−アールを銅系触媒の存在下
に水素化することによって7−オクテン−1−オールを
製造するにあたり、反応温度を150℃より高く200
℃以下の温度とし、かつ7−オクテン−1−アールの転
化率を95%以下とすることを特徴とする7−オクテン
−1−オールの製造方法を提供することによって解決さ
れる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において使用される銅系触
媒としては、7−オクテン−1−アールを水素化して7
−オクテン−1−オールを製造する際に使用可能なもの
を用いることができ、還元銅、ラネー銅、銅亜鉛酸化
物、銅クロム酸化物などを例示することができる。これ
らの中でも、銅クロム酸化物が好ましい。銅系触媒とし
ては、市販されているものを適宜使用してもよいし、文
献〔例えば、地人書館発行「触媒工学講座10 元素別
触媒便覧」などを参照〕に記載された方法に従って調製
したものを使用してもよい。
【0008】銅系触媒は、タングステン、モリブデン、
レニウム、ジルコニウム、マンガン、アルミニウム、チ
タン、鉄、バリウム、カルシウム、マグネシウムなどか
ら選ばれる他の金属成分で部分的に変性されていてもよ
い。また銅系触媒はシリカ、アルミナ、ケイソウ土など
の担体に担持されていてもよい。なお、銅系触媒は、使
用に先立って予め水素処理を施しておくと触媒活性が向
上し、反応の進行を早めることができる。
【0009】銅系触媒は、工業的に満足し得る反応速度
を達成するために、好ましくは、反応に使用する7−オ
クテン−1−アールの全量に対して0.1重量%以上と
なる範囲で使用される。銅系触媒の使用量には特に上限
はないが、製造コスト上不利にならない範囲とすること
が好ましく、通常、反応に使用する7−オクテン−1−
アールの全量に対して10重量%以下であり、好ましく
は5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。
【0010】また、反応温度は150℃より高く200
℃以下の温度とすることが必要であり、150℃より高
く180℃以下の温度とすることが好ましく、160〜
180℃とすることがより好ましい。本発明において、
反応温度を150℃以下とすると、工業的に満足し得る
反応速度を達成するために銅系触媒の使用量を高める必
要があり、製造コスト上不利である。一方、反応温度を
200℃より高くすると、7−オクテン−1−オールと
の分離が困難なn−オクタノールの生成量が増加するの
で好ましくない。
【0011】本発明では、7−オクテン−1−アールの
転化率を95%以下に制御することが必要である。本発
明において、7−オクテン−1−アールの転化率が95
%を越えるような条件で反応を実施した場合、目的物で
ある7−オクテン−1−オールの炭素−炭素二重結合が
水素添加されたn−オクタノールの副生量が増加する。
本発明では、従来法より反応温度を高めているため、副
反応がよりいっそう進行しやすくなっている。このた
め、本発明にあっては、7−オクテン−1−アールの転
化率を制御することが、7−オクテン−1−オールへの
選択率を高いものとする上で極めて重要である。一方、
7−オクテン−1−アールの転化率の下限値は特に限定
されないが、あまりに低いと反応効率が低下してしまう
ため、工業的製法として有用性を失わない範囲に設定す
るのがよく、通常70%程度である。
【0012】7−オクテン−1−アールの転化率を95
%以下に制御する方法としては、具体的には、i)反応混
合物を適宜サンプリングし、ガスクロマトグラフィー等
によって転化率をモニターしつつ反応を実施し、所望と
する転化率となった時点で反応を停止する方法、ii)所
望とする転化率を達成するのに必要な量の水素が吸収さ
れた時点で反応を停止する方法、などの方法が挙げられ
る。
【0013】本発明を実施するに際し、水素圧力は通常
1〜200気圧、好ましくは5〜100気圧の範囲から
選ばれる。
【0014】本発明は無溶媒下、すなわち反応原料およ
び反応生成物に溶媒としての機能を兼ねさせて行なうこ
ともできるし、反応に不活性な溶媒の存在下に行なうこ
ともできる。使用しうる溶媒としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど、7
−オクテン−1−オールと分離が困難なn−オクタノー
ル以外の脂肪族アルコール類;ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素
類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等の
エーテル類などが挙げられる。かかる溶媒は単独で使用
してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
溶媒の使用量には特に制限はないが、経済的に不利にな
らない範囲の量とすることが望ましい。
【0015】本発明は、バッチ方式または連続方式のい
ずれで実施してもよい。また、反応装置としては、工業
的に汎用されている攪拌型反応槽、気泡塔型反応槽、充
填塔型反応槽などを使用することができる。
【0016】上記の方法によって得られた反応混合物か
らの7−オクテン−1−オールの分離は、例えば、触媒
を濾過、遠心分離等により分離した後に蒸留する方法な
どの常法に従って実施することができる。かくして得ら
れた7−オクテン−1−オールは、所望により、蒸留な
どの手段により、さらに純度を高めることができる。
【0017】なお、本発明において、未反応のまま残存
した7−オクテン−1−アールは、所望により公知の手
段によって回収し、再度反応原料として使用することが
可能である。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何等限定されるも
のではない。
【0019】実施例1 温度計、電磁攪拌装置、原料フィード口、ガス導入口お
よびガス導出口を備えた内容積100mlのステンレス
製オートクレーブに銅クロム酸化物(N203、日揮化
学社製)0.29gおよびn−ブタノール25mlを仕
込み、オートクレーブ内を水素で十分に置換した後、水
素によってオートクレーブ内の圧力を8気圧に保ち、攪
拌下に内温が150℃となるまで加温し、さらに30分
間攪拌を続けた。その後、内温を170℃に昇温し、攪
拌しながら7−オクテン−1−アール45ml(0.3
モル)を定量ポンプにより4時間かけてオートクレーブ
内に連続的にフィードした。この間、オートクレーブ内
の圧力が8気圧に維持されるように水素を連続的に供給
した。
【0020】7−オクテン−1−アールの添加終了後、
170℃でさらに3時間攪拌を続けて反応を追い込ん
だ。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、7−オクテン−1−アールの転化率は83%
であり、転化した7−オクテン−1−アール基準での7
−オクテン−1−オールへの選択率は98%であった。
【0021】得られた反応液から触媒を濾過によって除
去し、得られた濾液から溶媒であるn−ブタノール25
mlを留去して粗生成物を得、次いで得られた粗成生物
を減圧下に蒸留して7−オクテン−1−オール(b.
p.135℃/100mmHg)を28g得た。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、従来法に比べて使用す
る触媒の量を低減させることができるので、目的とする
7−オクテン−1−オールを低コストで工業的に有利に
製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 7−オクテン−1−アールを銅系触媒の
    存在下に水素化することによって7−オクテン−1−オ
    ールを製造するにあたり、反応温度を150℃より高く
    200℃以下の温度とし、かつ7−オクテン−1−アー
    ルの転化率を95%以下とすることを特徴とする7−オ
    クテン−1−オールの製造方法。
JP4845197A 1997-02-17 1997-02-17 7−オクテン−1−オールの製造方法 Pending JPH10226659A (ja)

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