JP3970137B2 - 文書処理方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は文書処理方法及びその装置、例えば文書処理プログラムや画像編集プログラム等、様々なプログラムによって生成される出力データをひとつの文書としてまとめ、その文書に対する編集機能を提供する文書処理方法及びその装置に関し、特にパーソナルコンピュータ等の情報処理とプリンタから成る装置における文書処理方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
文字や表、画像など、データの種類が異なると、データを定義する構造やそれらデータに対する編集操作が異なるために、データの種類に応じた様々なアプリケーションプログラムが提供されている。利用者は、文字を編集するためには文字処理プログラム、表を編集するためには表計算プログラム、画像を編集するためには画像編集プログラムといった具合に、データの種類別にアプリケーションを使い分けている。
【0003】
このように、利用者はデータの種類ごとにアプリケーションプログラムを使い分けるのが一般的である。しかし、利用者が作成しようとする文書としては、例えば文字のみや、表のみ、画像のみといった1種類のデータのみから構成される文書よりも、文字と表、文字と画像など、複数種類のデータから構成される文書の方が一般的である。そこで複数種類のデータを含む目的文書を作成するために、利用者は各種アプリケーションが備えている印刷機能を利用してアプリケーションごとにデータを印刷させ、印刷物を所望の順序に組み合わせる必要があった。
【0004】
あるいは、いわゆるオフィススイートと呼ばれる、各種アプリケーションによってひとつの統合アプリケーションを形成するプログラムには、各アプリケーションで生成されたデータを組み合わせ、ひとつの文書を構成する機能を提供するものもある。この統合アプリケーションを使用する場合には、利用者は、各アプリケーションで作成したデータを、統合アプリケーションに含まれる特定のアプリケーションによってひとつの目的文書にまとめることができる。
【0005】
しかしながら、利用者が各種アプリケーションによる印刷物を組み合わせてひとつの目的文書を作成する場合、例えばページ番号を各ページに振るためには、いったん必要なデータをすべて印刷出力し、文書としてまとめてから付すべきページ番号を決定する必要がある。そして、各アプリケーションによって、そのアプリケーションで作成された原稿の各ページ(これを論理ページあるいは原稿ページと呼ぶ)ごとに、決定されたページ番号を書き込んでいく。アプリケーションプログラムがページ番号を振る機能を有している場合であっても、不連続部分があればその部分についてはやはり利用者がページ番号を指定しなければならない。また、目的文書のページを再配置した場合には、ページ番号もそれに合わせて振り直さなければならない。あるいは、複数の原稿ページを、印刷物としての1ページ(これを物理ページあるいは印刷ページと呼ぶ)にまとめたり、片面印刷から両面印刷に変更するなど、データの内容にかかる変更ではなく、単に書式を変更する場合であっても、アプリケーションによって編集及び印刷のし直しが必要となる。
【0006】
このように、データの種類ごとにそれを管理できるアプリケーションが異なることから、アプリケーション間のインタフェースを利用者自身が人手によって提供しなければならない。このことは、利用者に多大な労力が要求されるということであり、生産性の低下をもたらす。さらに、多くの人手を介することからエラーの発生も生じやすかった。
【0007】
一方、統合アプリケーションを利用して目的文書を作成する場合、印刷出力せずに、データの状態で各種データを配置することができる。このため、印刷物を組み合わせて目的文書を作成する場合ほどには労力は必要とされることはない。しかしながら、各種データを編集・作成するためのアプリケーションは、統合アプリケーションに含まれるものに限られてしまい、利用者が望むアプリケーションが使用できるとは限らない。また、統合アプリケーションによって作成された目的文書はひとつの文書ファイルであり、ファイル単位で編集・出力等の管理が行われる。そのために、文書ファイルの一部について書式を設定しようとしてもアプリケーションの機能による制約が多く、例えば書式が変わる部分ごとに書式設定を変更しては印刷し直すといった作業が必要とされる。このため、多くの労力が必要とされて生産性が低い点においては、前述した方法と変わりはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、先にデータをページ単位で保持し、各種設定値にしたがって、用紙上にレイアウトして印刷すようなシステムを提案した。しかしながら、このようなシステムでは、データを階層構造で保持していても、設定値は文書全体でしか保持しておらず、部分的な設定をすることはできなかった。例えば、代表的なレイアウト設定であるNページ印刷を例に挙げると、文書全体で2ページ印刷の設定はできるが、そのうちの一部分を4ページ印刷に変更することはできなかった。また、部分毎に設定ができるようなシステムでは、各部分だけで属性を保持しているために、全体を統一して一斉に変更することができなかった。そこで、データを階層的に保持するだけでなく、各種設定項目も各階層に保持することで、全体を統一することも、部分的な設定をすることも可能であるようなシステムが望まれる。
【0009】
このようなシステムでは、編集操作として、設定値の変更だけでなく、ページ単位やページをまとめた階層など任意の部分木を移動したりコピーペーストしたりすることが可能となる。
【0010】
そこで本発明では、データと設定値を階層的に保持するような文書処理装置で、データの挿入・移動・コピーペーストする際に、階層的にデータと設定値を保持しているという特徴を最大限に活かして、全体を統一することも、部分的な設定をすることも選択的に編集が可能である文書処理方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の文書処理方法は、印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する処理手段による文書処理方法であって、前記処理手段が、原稿データを、各ノードが原稿データに含まれるページを表わし該ページの属性を持つノードと複数のページを含む章を表わし該章の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数のページに対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作ステップと、前記処理手段が、前記操作ステップにおいて操作対象となっている複数のページの各ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに判定する判定ステップと、前記判定ステップでページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性を移動先又は複製先である章に対応するノードの属性より優先して前記処理手段が設定し、ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である章に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性より優先して前記処理手段が設定する設定ステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記処理手段が、前記ツリー構造の階層の上下の間での属性の優先順位の指示を受け付ける指示ステップをさらに備え、前記設定ステップにおける属性の設定は、前記指示された優先順位に従って行う。また、前記ツリー構造内の部分木データは、前記指示ステップにおいて指示された前記属性の優先順位を、下位の階層の属性として保持する。また、前記処理手段が、前記属性の優先順位が指示可能な画面をノード単位で表示する処理を制御する第1表示制御ステップを更に備え、前記指示ステップにおいては、前記属性の優先順位は、該画面から指示される。また、前記操作ステップにおいて、部分木データが操作される場合に、前記処理手段が、該部分木の属性をどのように設定するかを指示可能な指示画面を表示部に表示する処理を制御する第2表示制御ステップをさらに備える。また、前記処理手段が、前記設定ステップにおいてページに対応するノードの属性をどのように設定するかを、予め記憶したデフォルトの設定から読み出す読出ステップをさらに備える。また、当該文書処理方法は、アプリケーションから発生される文書データに基づいて、製本処理を伴う文書処理を行う際に用いられるものであり、前記ツリー構造を用いて管理される属性は、製本処理に関する属性を含む。
【0014】
又、本発明の文書処理装置は、印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する文書処理装置であって、原稿データを、各ノードが原稿データに含まれるページを表わし該ページの属性を持つノードと複数のページを含む章を表わし該章の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数のページに対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作ユニットと、前記操作ユニットの操作対象となっている複数のページの各ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに判定する判定ユニットと、前記判定ユニットでページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性を移動先又は複製先である章に対応するノードの属性より優先して設定し、ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である章に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性より優先して設定する設定ユニットとを備えることを特徴とする。
【0015】
ここで、前記ツリー構造の階層の上下の間での属性の優先順位を指示する指示ユニットをさらに備え、前記設定ユニットは、前記指示ユニットにより指示された属性の優先順位に従って属性の設定を行う。また、前記ツリー構造内の部分木データは、前記指示ユニットにより指示された前記属性の優先順位を、下位の階層の属性として保持する。また、前記属性の優先順位が指示可能な画面をノード単位で表示する処理を制御する第1表示制御ユニットを更に備え、前記指示ユニットで指示する前記属性の優先順位は、該画面から指示される。また、前記操作ユニットにより部分木データが操作される場合に、該部分木の属性をどのように設定するかを指示可能な指示画面を表示部に表示する処理を制御する第2表示制御ユニットをさらに備える。また、前記設定ユニットでページに対応するノードの属性をどのように設定するかを、予め記憶したデフォルトの設定から読み出す読出ユニットをさらに備える。また、当該文書処理装置は、アプリケーションから発生される文書データに基づいて、製本処理を伴う文書処理を行う際に用いられるものであり、前記ツリー構造を用いて管理される属性は、製本処理に関する属性を含む。
【0017】
又、本発明の記憶媒体は、印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する文書処理プログラムを記憶したコンピュータ読出し可能な記憶媒体であって、前記文書処理プログラムが、原稿データを、各ノードが原稿データに含まれるページを表わし該ページの属性を持つノードと複数のページを含む章を表わし該章の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数のページに対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作モジュールと、前記操作モジュールにおいて操作対象となっている複数のページの各ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに判定する判定モジュールと、前記判定モジュールでページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性を移動先又は複製先である章に対応するノードの属性より優先して設定し、ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である章に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性より優先して設定する設定モジュールとを、コンピュータに実現させるためのプログラムであることを特徴とする。
又、本発明の文書処理方法は、印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する処理手段による文書処理方法であって、前記処理手段が、原稿データを、各ノードが原稿データに含まれる章を表わし該章の属性を持つノードと複数の章を含む文書を表わし該文書の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数の章に対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作ステップと、前記処理手段が、前記操作ステップにおいて操作対象となっている複数の章の各章の移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の文書のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに判定する判定ステップと、前記判定ステップで章の移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに、前記移動先又は複製先における章に対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性を移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性より優先して前記処理手段が設定し、章の移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の文書のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先における章に対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性より優先して前記処理手段が設定する設定ステップとを備えることを特徴とする。
又、本発明の文書処理装置は、印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する文書処理装置であって、原稿データを、各ノードが原稿データに含まれる章を表わし該ページの属性を持つノードと複数の章を含む文書を表わし該章の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数の章に対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作ユニットと、前記操作ユニットの操作対象となっている複数の章の各章の移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の文書のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに判定する判定ユニットと、前記判定ユニットで章の移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに、前記移動先又は複製先における章に対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性を移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性より優先して設定し、章の移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の文書のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先における章に対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性より優先して設定する設定ユニットとを備えることを特徴とする。
又、本発明の記憶媒体は、印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する文書処理プログラムを記憶したコンピュータ読出し可能な記憶媒体であって、前記文書処理プログラムが、原稿データを、各ノードが原稿データに含まれる章を表わし該章の属性を持つノードと複数の章を含む文書を表わし該章の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数の章に対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作モジュールと、前記操作モジュールにおいて操作対象となっている複数の章の各章の移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の文書のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに判定する判定モジュールと、前記判定モジュールで章の移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに、前記移動先又は複製先における章に対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性を移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性より優先して設定し、ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性より優先して設定する設定モジュールとを、コンピュータに実現させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
[本実施形態の文書処理システムの概要]
本発明の第1の実施形態である文書処理システムの概要を、図1〜図13を参照して説明する。この文書処理システムでは、一般アプリケーションにより作成されたデータファイルが、電子原稿ライタによって電子原稿ファイルに変換される。製本アプリケーションはその電子原稿ファイルを編集する機能を提供している。尚、本例では、それぞれの機能が明瞭になるように、一般アプリケーション、電子原稿ライタ、製本アプリケーション、電子原稿デスプーラと分離して示しているが、ユーザに提供されるパッケージはこれらに限定されず、これらを組合わせたアプリケーションやグラフィックエンジンとして提供されてもよい。以下、その詳細は説明する。
【0020】
<本実施形態の文書処理システムのソフトウェア構成例>
図1は、本実施形態の文書処理システムのソフトウェア構成を示す図である。
【0021】
文書処理システムは、本発明の文書処理装置(情報処理装置)の好適な実施形態であるデジタルコンピュータ100(以下、ホストコンピュータとも呼ばれる)によって実現されている。一般アプリケーション101は、ワードプロセシングやスプレッドシート、フォトレタッチ、ドローあるいはペイント、プレゼンテーション、テキスト編集などの機能を提供するアプリケーションプログラムであり、OSに対する印刷機能を有している。これらアプリケーションは、作成された文書データや画像データなどのアプリケーションデータを印刷するにあたって、オペレーティングシステム(OS)により提供される所定のインタフェース(一般に、GDIと呼ばれる)を利用する。すなわち、アプリケーション101は、作成したデータを印刷するために、前記インタフェースを提供するOSの出力モジュールに対して、あらかじめ定められる、OSに依存する形式の出力コマンド(GDI関数と呼ばれる)を送信する。出力コマンドを受けた出力モジュールは、プリンタ等の出力デバイスが処理可能な形式にそのコマンドを変換し、変換されたコマンド(DDI関数と呼ばれる)を出力する。出力デバイスが処理可能な形式はデバイスの種類やメーカ、機種などによって異なるために、デバイスごとにデバイスドライバが提供されており、OSではそのデバイスドライバを利用してコマンドの変換を行い、印刷データを生成し、JL(Job Language)でくくることにより印刷ジョブが生成される。OSとしてマイクロソフト社のウインドウズを利用する場合には、前述した出力モジュールとしてはGDI(Graphic Device Interface)と呼ばれるモジュールが相当する。
【0022】
電子原稿ライタ102は、前述のデバイスドライバを改良したものであり、本文書処理システム実現のために提供されるソフトウェアモジュールである。ただし、電子原稿ライタ102は特定の出力デバイスを目的としておらず、後述の製本アプリケーション104やプリンタドライバ106により処理可能な形式に出力コマンドを変換する。この電子原稿ライタ102による変換後の形式(以後、「電子原稿形式」と呼ぶ。)は、ページ単位の原稿を詳細な書式をもって表現可能であれば特に問わない。実質的な標準形式のうちでは、例えばアドビシステムズによるPDF形式や、SVG形式などが電子原稿形式として採用できる。
【0023】
アプリケーション101により電子原稿ライタ102を利用させる場合には、出力に使用するデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定してから印刷を実行させる。ただし、電子原稿ライタ102によって作成されたままの電子原稿ファイルは、電子原稿ファイルとして完全な形式を備えていない。そのため、デバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定するのは製本アプリケーション104であり、その管理下でアプリケーションデータの電子原稿ファイルへの変換が実行される。製本アプリケーション104は、電子原稿ライタ102が生成した新規の不完全な電子原稿ファイルを後述する形式を備えた電子原稿ファイルとして完成させる。以下では、この点を明瞭に識別する必要がある際には、電子原稿ライタ102によって作成されたファイルを電子原稿ファイルと呼び、製本アプリケーションによって構造を与えられた電子原稿ファイルをブックファイルと呼ぶ。また、特に区別する必要がない場合は、アプリケーションにより生成されるドキュメントファイル、電子原稿ファイル、及びブックファイルをいずれも文書ファイル(または文書データ)と呼ぶ。
【0024】
このようにデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定し、一般アプリケーション101によりそのデータを印刷させることで、アプリケーションデータはアプリケーション101によって定義されたページ(以後、「論理ページ」あるいは「原稿ページ」と呼ぶ。)を単位とする電子原稿形式に変換され、電子原稿ファイル103としてハードディスクなどの記憶媒体に格納される。なお、ハードディスクは、本実施形態の文書処理システムを実現するコンピュータが備えているローカルドライブであってもよいし、ネットワークに接続されている場合にはネットワーク上に提供されるドライブであっても良い。
【0025】
製本アプリケーション104は、電子原稿ファイルあるいはブックファイル103を読み込み、それを編集するための機能を利用者に提供する。ただし製本アプリケーション104は、各ページの内容を編集する機能は提供しておらず、ページを最小単位として構成される、後述する章やブックの構造を編集するための機能を提供している。
【0026】
製本アプリケーション104によって編集されたブックファイル103を印刷する際には、製本アプリケーション104によって電子原稿デスプーラ105が起動される。電子原稿デスプーラ105は、製本アプリケーションと共にコンピュータ内にインストールされるプログラムモジュールであり、製本アプリケーションで利用するドキュメント(ブックファイル)を印刷する際に、プリンタドライバへ描画データを出力するために使用されるモジュールである。電子原稿デスプーラ105は、指定されたブックファイルをハードディスクから読み出し、ブックファイルに記述された形式で各ページを印刷するために、前述したOSの出力モジュールに適合する出力コマンドを生成し、不図示の出力モジュールに出力する。その際に、出力デバイスとして使用されるプリンタ107のドライバ106がデバイスドライバとして指定される。出力モジュールは、指定されたプリンタ107のプリンタドライバ106を用いて受信した出力コマンドを、プリンタ107で解釈実行可能なデバイスコマンドに変換する。そしてデバイスコマンドはプリンタ107に送信され、プリンタ107によってコマンドに応じた画像が印刷される。
【0027】
<本実施形態の文書処理システムのハードウェア構成例>
図2は、本実施形態の文書処理システムのハードウェア構成を示す図である。図2において、ホストコンピュータ100は、ROM203内のプログラム用ROMあるいは外部メモリ211に記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行するCPU201を備え、システムバス204に接続される各デバイスをCPU201が総括的に制御する。また、このROM203内のプログラム用ROMあるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム等を記憶し、ROM203内のフォント用ROMあるいは外部メモリ211には上記文書処理の際に使用するフォントデータ等を記憶し、ROM203内のデータ用ROMあるいは外部メモリ211には上記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0028】
キーボードコントローラ(KBC)205は、キーボード209や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210の表示を制御する。207はディスクコントローラ(DKC)で、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタ制御コマンド生成プログラム(以下プリンタドライバ)等を記憶するハードディスク(HD)、フロッピーディスク(FD)等の外部メモリ211とのアクセスを制御する。プリンタコントローラ(PRTC)208は、双方向性インタフェース(インタフェース)21を介してプリンタ107に接続されて、プリンタ107との通信制御処理を実行する。NC212はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【0029】
なお、CPU201は、例えばRAM202上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、CRT210上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷を実行する際、印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行える。
【0030】
プリンタ107は、CPU312により制御される.プリンタのCPU312は、ROM313内のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等あるいは外部メモリ314に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス315に接続される印刷部(プリンタエンジン)317に出力情報としての画像信号を出力する.また、このROM313内のプログラムROMには、CPU312の制御プログラム等を記憶する.ROM313内のフォント用ROMには上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶され、ROM313内のデータ用ROMには、ハードディスク等の外部メモリ314がないプリンタの場合には、ホストコンピュータ上で利用される情報等が記憶されている。
【0031】
CPU312は入力部318を介してホストコンピュータとの通信処理が可能となっており、プリンタ内の情報等をホストコンピュータ100に通知できる.RAM319は、CPU312の主メモリや、ワークエリア等として機能するRAMで、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている.なお、RAM319は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる.前述したハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ314は、メモリコントローラ(MC)20によりアクセスを制御される.外部メモリ314は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する.また、321は前述した操作パネルで、操作のためのスイッチ及びLED表示器等が配されている。
【0032】
また、前述した外部メモリ314は1個に限らず、複数個備えられ、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていてもよい.更に、図示しないNVRAMを有し、操作パネル321からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしてもよい。
【0033】
<電子原稿データの形式例>
編集アプリケーション104の詳細を言及する前に、ブックファイルのデータ形式を説明する。ブックファイルは紙媒体の書物を模した3層の層構造を有する。上位層は「ブック」と呼ばれ、1冊の本を模しており、その本全般に係る属性が定義されている。その下の中間層は、本でいう章に相当し、やはり「章」と呼ばれる。各章についても、章ごとの属性が定義できる。下位層は「ページ」であり、アプリケーションプログラムで定義された各ページに相当する。各ページついてもページごとの属性が定義できる。ひとつのブックは複数の章を含んでいてよく、また、ひとつの章は複数のページを含むことができる。
【0034】
図3は、ブックファイルの形式の一例を模式的に示す図である。この例のブックファイルにおける、ブック、章、ページは、それぞれに相当するノードにより示されている。ひとつのブックファイルはひとつのブックを含む。ブック、章は、ブックとしての構造を定義するための概念であるから、定義された属性値と下位層へのリンクとをその実体として含む。ページは、アプリケーションプログラムによって出力されたページごとのデータを実体として有する。そのため、ページは、その属性値のほか、原稿ページの実体(原稿ページデータ)と各原稿ページデータへのリンクを含む。尚、紙媒体等に出力する際の印刷ページは複数の原稿ページを含む場合がある。この構造に関してはリンクによって表示されず、ブック、章、ページ各階層における属性として表示される。
【0035】
図3では、ブックファイルが1つの完結したブックである必要はないので、「ブック」を「文書」として一般化して記載している。
【0036】
まず最上位に文書情報401を持つ。文書情報401は402〜404の3つのパートに大別できる。文書制御情報402は、文書ファイルのファイルシステムにおけるパス名などの情報を保持する。文書設定情報403は、ページレイアウトなどのレイアウト情報とステイプルなど印刷装置の機能設定情報を保持し、ブックの属性に相当する。章情報リスト404は、文書を構成している章の集合をリスト形式で保持する。リストが保持するのは章情報405である。
【0037】
章情報405も406〜408の3つのパートに大別できる。章制御情報406は、章の名称などの情報を保持する。章設定情報407は、その章特有のページレイアウトやステイプルの情報を保持し、章の属性に相当する。章ごとに設定情報をもつことで最初の章は2UPのレイアウトその他の章は4UPのレイアウトのように複雑なレイアウトを持った文書を作成することが可能である。ページ情報リスト408は各章を構成する原稿ページの集合リスト形式で保持している。ページ情報リスト408が指示するのは、ページ情報データ409である。
【0038】
ページ情報データ409も410〜412の3つのパートに大別される。ページ制御情報410は、ツリー上に表示するページ番号などの情報を保持する。ページ設定情報411は、ページ回転角やページの配置位置情報などの情報を保持し、原稿ページの属性に相当する。ページリンク情報412は、ページに対応する原稿データである。この例では、ページ情報409が直接原稿データを持つのではなく、リンク情報412だけをもち、実際の原稿データは、ページデータリスト413で保持する構成としている。
【0039】
図4は、ブック属性(文書設定情報403)の例を示すリストである。通常、下位層と重複して定義可能な項目に関しては、下位層の属性値が優先採用される。そのため、ブック属性にのみ含まれる項目に関しては、ブック属性に定義された値はブック全体を通して有効な値となる。しかし、下位層と重複する項目については、下位層において定義されていない場合における既定値としての意味を有する。しかし、本例では、後述するように、下位層の属性値を優先するか否かが選択可能となっている。なお、図示された各項目は具体的に1項目に対応するのではなく、関連する複数の項目を含むものもある。
【0040】
ブック属性に固有の項目は、印刷方法、製本詳細、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りの6項目である。これらは、ブックを通して定義される項目である。印刷方法属性としては、片面印刷、両面印刷、製本印刷の3つの値を指定できる。製本印刷とは、別途指定する枚数の用紙を束にして2つ折りにし、その束をつづり合わせることで製本が可能となる形式で印刷する方法である。製本詳細属性としては、製本印刷が指定されている場合に、見開き方向や、束になる枚数等が指定できる。
【0041】
表紙/裏表紙属性は、ブックとしてまとめられる電子原稿ファイルを印刷する際に、表紙及び裏表紙となる用紙を付加することの指定、及び付加した用紙への印刷内容の指定を含む。インデックス紙属性は、章の区切りとして、印刷装置に別途用意される耳付きのインデックス紙の挿入の指定及びインデックス(耳)部分への印刷内容の指定を含む。この属性は、印刷用紙とは別に用意された用紙を所望の位置に挿入するインサート機能を持ったインサータが使用する印刷装置に備えられている場合か、あるいは、複数の給紙カセットを使用可能である場合に有効となる。これは合紙属性についても同様である。
【0042】
合紙属性は、章の区切りとして、インサータからあるいは給紙カセットから供給される用紙の挿入の指定、及び、合紙を挿入する場合には、給紙元の指定などを含む。
【0043】
章区切り属性は、章の区切り目において、新たな用紙を使用するか、新たな印刷ページを使用するか、特に何もしないか等の指定を含む。片面印刷時には新たな用紙の使用と新たな印刷ページの使用とは同じ意味を持つ。両面印刷時には、「新たな用紙の使用」を指定すれば連続する章が1枚の用紙に印刷されることは無いが、「新たな印刷ページの使用」を指定すれば、連続する章が1枚の用紙の表裏に印刷されることがあり得る。
【0044】
図5は、章属性(章設定情報407)の、図6はページ属性(ページ設定情報411)の例を示すリストである。章属性とページ属性との関係もブック属性と下位層の属性との関係と同様である。
【0045】
章属性に関しては、章に固有の項目はなく、すべてブック属性と重複する。したがって、通常は、章属性における定義とブック属性における定義とが異なれば、章属性で定義された値が優先する。しかし、本例では、後述するように、下位層の属性値を優先するか否かが選択可能となっている。
【0046】
ブック属性と章属性とにのみ共通する項目は、用紙サイズ、用紙方向、N−up印刷指定、拡大縮小、排紙方法の5項目である。このうち、N−up印刷指定属性は、1印刷ページに含まれる原稿ページ数を指定するための項目である。指定可能な配置としては、1×1や1×2、2×2、3×3、4×4などがある。排紙方法属性は、排出した用紙にステイプル処理を施すか否かを指定するための項目であり、この属性の有効性は使用する印刷装置がステイプル機能を有するか否かに依存する。
【0047】
ページ属性に固有の項目には、ページ回転属性、ズーム、配置指定、アノテーション、ページ分割などがある。ページ回転属性は、原稿ページを印刷ページに配置する際の回転角度を指定するための項目である。ズーム属性は、原稿ページの変倍率を指定するための項目である。変倍率は、仮想論理ページ領域のサイズを100%として指定される。仮想論理ページ領域とは、原稿ページを、N−up等の指定に応じて配置した場合に、1原稿ページが占める領域である。例えば1×1であれば、仮想論理ページ領域は1印刷ページに相当する領域となり、1×2であれば、1印刷ページの各辺を約70パーセントに縮小した領域となる。
【0048】
ブック、章、ページについて共通な属性として、ウォーターマーク属性及びヘッダ・フッタ属性がある。ウォーターマークとは、アプリケーションで作成されたデータに重ねて印刷される、別途指定される画像や文字列などである。ヘッダ・フッタは、それぞれ各ページの上余白及び下余白に印刷されるウォーターマークである。ただし、ヘッダ・フッタには、ページ番号や日時など、変数により指定可能な項目が用意されている。なお、ウォーターマーク属性及びヘッダ・フッタ属性において指定可能な内容は、章とページとは共通であるが、ブックはそれらと異なっている。ブックにおいてはウォーターマークやヘッダ・フッタの内容を設定できるし、また、ブック全体を通してどのようにウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するかを指定することができる。一方、章やページでは、その章やページにおいて、ブックで設定されたウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するか否かを指定できる。
【0049】
<本実施形態の文書処理システムの操作手順例>
(ブックファイルの生成手順例)
ブックファイルは、上述したような構造及び内容を有している。次に、製本アプリケーション104及び電子原稿ライタ102によってブックファイルを作成する手順を説明する。ブックファイルの作成は、製本アプリケーション104によるブックファイルの編集操作の一環として実現される。
【0050】
図7は、製本アプリケーション104によりブックファイルを開く際の手順を示すフローチャートである。
【0051】
まず、開こうとするブックファイルが、新規作成すべきものであるか、それとも既存のものであるか判定する(ステップS701)。新規作成の場合には、章を含まないブックファイルを新規に作成する(ステップS702)。新規に作成されるブックファイルは、図3の例で示せば、ブックノード301のみ有し、章のノードに対するリンクが存在しないブックのノードとなる。ブック属性は、新規作成用としてあらかじめ用意された属性のセットが適用される。そして、新規ブックファイルを編集するためのユーザインタフェース(UI)画面を表示する(ステップS704)。図8は、新規にブックファイルが作成された際のUI画面の一例である。この場合には、ブックファイルは実質的な内容を持たないために、UI画面800には何も表示されない。
【0052】
一方、既存のブックファイルがあれば、指定されたブックファイルを開き(ステップS703)、そのブックファイルの構造、属性、内容に従ってユーザインタフェース(UI)画面を表示する。図9は、このUI画面の一例である。UI画面900は、ブックの構造を示すツリー部901と、印刷された状態を表示するプレビュー部902とを含む。ツリー部901には、ブックに含まれる章、各章に含まれるページが、図3のような木構造が分かるように表示される。ツリー部901に表示されるページは原稿ページである。プレビュー部902には、印刷ページの内容が縮小されて表示される。その表示順序は、ブックの構造を反映したものとなっている。
【0053】
さて、開かれたブックファイルには、電子原稿ライタ102によって電子原稿ファイルに変換されたアプリケーションデータを、新たな章として追加することができる。この機能を電子原稿インポート機能と呼ぶ。図7の手順によって新規に作成されたブックファイルに電子原稿インポートすることで、そのブックファイルには実体が与えられる。この機能は、図8あるいは図9の画面にアプリケーションデータをドラッグアンドドロップ操作することで起動される。
【0054】
図10に電子原稿インポートの手順例を示すフローチャートである。
【0055】
まず、指定されたアプリケーションデータを生成したアプリケーションプログラムを起動し、デバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定してアプリケーションデータを印刷出力させることで、電子原稿データに変換する(ステップS801)。変換を終えたなら、変換されたデータが画像データであるか否かを判定する(ステップS802)。この判定は、ウインドウズOSの下であれば、アプリケーションデータのファイル拡張子に基づいて行うことができる。例えば、拡張子が「bmp」であればウインドウズビットマップデータであり、「jpg」であればJPEG圧縮された画像データ、「tiff」であればtiff形式の画像データであると判定できる。また、このような画像データの場合はS8010のようにアプリケーションを起動せずに、画像データから直接電子原稿ファイルを生成することが可能であるため、S8010の処理を省略することも可能である。
【0056】
画像データでなかった場合には、ステップS801で生成された電子原稿ファイルを、現在開かれているブックファイルのブックに、新たな章として追加する(ステップS803)。通常、章属性としては、ブック属性と共通するものについてはブック属性の値がコピーされ、そうでないものについては、あらかじめ用意された規定値に設定されるが、本例では、後述するように、下位層の属性値を優先するか否かが選択可能となっている。
【0057】
画像データである場合には、原則として新たな章は追加されず、指定されている章に、ステップS801で生成された電子原稿ファイルに含まれる各原稿ページが追加される(ステップS804)。ただし、ブックファイルが新規作成されたファイルであれば、新たな章が作成されて、その章に属するページとして電子原稿ファイルの各ページが追加される。通常、ページ属性は、上位層の属性と共通のものについてはその属性値が与えられ、アプリケーションデータにおいて定義された属性を電子原稿ファイルに引き継いでいるものについてはその値が与えられるる。例えば、N−up指定などがアプリケーションデータにおいてされていた場合には、その属性値が引き継がれる。このようにして、新規なブックファイルが作成され、あるいは、新規な章が追加される。しかし、本例では、後述するように、下位層の属性値を優先するか否かが選択可能となっている。
【0058】
図11は、図10のステップS801において、電子原稿ライタ102により電子原稿ファイルを生成させる手順を示すフローチャートである。
【0059】
まず、新たな電子原稿ファイルを作成してそれを開く(ステップS901)。指定したアプリケーションデータに対応するアプリケーションを起動し、電子原稿ライタ102をデバイスドライバとして、OSの出力モジュールに対して出力コマンドを送信させる。出力モジュールは、受信した出力コマンドを電子原稿ライタによって電子原稿形式のデータに変換し、出力する(ステップS902)。出力先はステップS901で開いた電子原稿ファイルである。指定されたデータすべてについて変換が終了したか判定し(ステップS903)、終了していれば電子原稿ファイルを閉じる(ステップS904)。電子原稿ライタ102によって生成される電子原稿ファイルは、図3に示した、原稿ページデータの実体を含むファイルである。
【0060】
(ブックファイルの編集例)
以上のようにして、アプリケーションデータからブックファイルを作成することができる。生成されたブックファイルについては、章及びページに対して次のような編集操作が可能である。
(1)新規追加
(2)削除
(3)コピー
(4)切り取り
(5)貼り付け
(6)移動
(7)章名称変更
(8)ページ番号名称振り直し
(9)表紙挿入
(10)合紙挿入
(11)インデックス紙挿入
(12)各原稿ページに対するページレイアウト。
【0061】
このほか、一旦行った編集操作を取り消す操作や、さらに取り消した操作をやり直す操作が可能である。これら編集機能により、例えば複数のブックファイルの統合、ブックファイル内で章やページの再配置、ブックファイル内で章やページの削除、原稿ページのレイアウト変更、合紙やインデックス紙の挿入などといった編集操作が可能となる。これらの操作を行うと、図4乃至図6に示す属性に操作結果が反映されたり、あるいはブックファイルの構造に反映される。たとえば、ブランクページの新規追加操作を行えば、指定された箇所にブランクページが挿入される。このブランクページは原稿ページとして扱われる。また、原稿ページに対するレイアウトを変更すれば、その変更内容は、印刷方法やN−up印刷、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りといった属性に反映される。
【0062】
本例における、編集時の表示及び操作例については、以下で詳細に示す。
【0063】
(ブックファイルの出力例)
以上のように作成・編集されるブックファイルは印刷出力を最終目的としている。利用者が図9に示す製本アプリケーションのUI画面900からファイルャjューを選択し、そこから印刷を選択すると、指定した出力デバイスにより印刷出力される。この際、まず製本アプリケーション104は、現在開かれているブックファイルからジョブチケットを作成して電子原稿デスプーラ105に渡す。電子原稿デスプーラ105は、ジョブチケットをOSの出力コマンド、例えばウインドウズのGDIコマンドに変換し、それを出力モジュール、例えばGDIに送信する。出力モジュールは、指定されたプリンタドライバ106によってデバイスに適したコマンドを生成し、そのデバイスに送信する。
【0064】
すなわち、図示しない出力モジュールのグラフィックエンジンは、印刷装置ごとに用意されたプリンタドライバ106を外部メモリ211からRAM202にロードし、出力をプリンタドライバ106に設定する。そして、出力モジュールは、受け取ったGDI(Graphic Device Interface)関数からDDI(Device Driver Interface)関数に変換して、プリンタドライバ106へDDI関数を出力する。プリンタドライバ106は、出力モジュールから受け取ったDDI関数に基づいて、プリンタが認識可能な制御コマンド、例えばPDL(Page Description Language)に変換する。変換されたプリンタ制御コマンドは、OSによってRAM202にロードされたシステムスプーラを経てインタフェース21経由でプリンタ107へ印刷データとして出力される仕組みとなっている。
【0065】
ここで、上記ジョブチケットは、原稿ページを最小単位とする構造を有するデータである。ジョブチケットにおける構造は、用紙上における原稿ページのレイアウトを定義している。ジョブチケットは1ジョブにつき1つ発行される。そのため、まず最上位にドキュメントというノードがあり、文書全体の属性、例えば両面印刷/片面印刷などが定義されている。その下には、用紙ノードが属し、用いるべき用紙の識別子や、プリンタにおける給紙口の指定などの属性が含まれる。各用紙ノードには、その用紙で印刷されるシートのノードが属する。1シートは1枚の用紙に相当する。各シートには、印刷ページ(物理ページ)が属する。片面印刷ならば1シートには1物理ページが属し、両面印刷ならば1シートに2物理ページが属する。各物理ページには、その上に配置される原稿ページが属する。また物理ページの属性として、原稿ページのレイアウトが含まれる。
【0066】
ジョブチケットのデータ構造の例を図12に示す。印刷用のデータでは、文書は用紙の集合で構成されており、各用紙は表、裏の2面で構成されており、各面は原稿をレイアウトする領域(物理ページ)を持ち、各物理ページには、最小単位である原稿ページの集合から構成される。1101は文書に相当するデータで、文書全体に関係するデータと、文書を構成する用紙情報のリストから構成される。用紙情報1102は用紙サイズなど用紙に関する情報と用紙上に配置される面情報のリストから構成される。面情報1103は、面に固有のデータと、面上に配置される物理ページのリストから構成される。物理ページ情報1104は、物理ページのサイズやヘッダ・フッタなどの情報と、物理ページを構成する原稿ページのリストから構成される。
【0067】
電子原稿デスプーラ105は、上述のジョブチケットを、出力モジュールへの出力コマンドに変換する。
【0068】
(プレビュー表示の内容例)
すでに説明したとおり、ブックファイルが製本アプリケーションによって開かれると、図9に示すユーザインタフェース画面900が表示される。ツリー部901には、開いているブック(以下、「注目ブック」と呼ぶ。)の構造を示すツリーが表示される。プレビュー部には、利用者の指定に応じて、3通りの表示方法が用意されている。第1は原稿ページをそのまま表示する原稿ビューと呼ばれるモードである。原稿ビューモードでは、注目ブックに属する原稿ページの内容が縮小されて表示される。プレビュー部の表示にレイアウトは反映されない。第2は印刷ビューモードである。印刷ビューモードでは、プレビュー部902には、原稿ページのレイアウトが反映された形で原稿ページが表示される。第3は簡易印刷ビューモードである。簡易印刷ビューモードでは、各原稿ページの内容はプレビュー部の表示には反映されず、レイアウトのみが反映される。
【0069】
<他の文書処理システムの構成例>
上記実施形態の文書処理システムはスタンドアロン型のシステムであるが、これを拡張したサーバクライアントシステムでもほぼ同様の構成・手順でブックファイルが作成・編集される。ただし、ブックファイルや印刷処理はサーバによって管理される。
【0070】
図13はサーバクライアント型文書処理システムの構成を示すブロック図である。
【0071】
クライアント文書処理システムは、スタンドアロン型システムに、クライアントモジュールであるDOMS(Document Output Management Service:文書出力管理サービス)ドライバ109及びDOMSプリントサービスモジュール110、DS(文書サービス)クライアントモジュール108を加えた構成を有する。このクライアント文書処理システム1200に、文書管理サーバ1201及び印刷集中管理サーバ1202及びプリントサーバ1203が接続されている。これらサーバは、通常ネットワークによってクライアント文書処理システムと接続されるが、サーバが同時にクライアントとしても機能する場合には、ネットワーク間の通信をシミュレートするプロセス間通信によって接続される。尚、図13では文書管理サーバ1201と印刷集中管理サーバ1202の両サーバがクライアントに接続されているが、いずれか一方のみがネットワーク上に存在する場合もあり得る。接続されているサーバが文書管理サーバであれば、そのクライアントモジュールを含む文書管理サーバクライアントシステム1201SCが、印刷集中管理サーバ1202であれば、そのクライアントモジュールを含む印刷管理サーバクライアントシステム1202SCが、スタンドアロン型文書管理システムに追加される。
【0072】
文書管理サーバ1201は、製本アプリケーション104により作成・編集されたブックファイルを格納するサーバである。文書管理サーバ1201によってブックファイルを管理する場合、ブックファイルは、クライアントPCのローカルHDに代わって、あるいはそれに加えて、文書管理サーバ1201のデータベース1211に保存される。製本アプリケーション104と文書管理サーバ1201との間のブックファイルの保存及び読み出しは、DSクライアント108及びDSコア1212を介して行われる。
【0073】
印刷集中管理サーバ1202は、クライアント文書管理システム1200に格納された、あるいは文書管理サーバ1201に格納されたブックファイルの印刷を管理するサーバである。クライアントにおける印刷要求は、DOMSドライバ109及びDOMSプリントサービスモジュール110を介して印刷集中管理サーバ1202のDOMSWGサーバモジュール1221に送信される。集中印刷管理サーバ1202は、クライアントのプリンタで印刷する場合にはクライアントのDOMSプリントサービスモジュール110を介して電子原稿デスプーラ105に電子原稿データを渡し、プリントサーバ1203により印刷する場合には、プリントサーバ1203のDOMSプリントサービスモジュール1203に送信する。集中印刷管理サーバは、例えば保存されているブックファイルに対して印刷要求を発行した利用者の資格などについてセキュリティチェックを行ったり、印刷処理のログを保存したりする。このように、文書処理システムは、スタンドアロンとしても、クライアントサーバシステムとしても実現できる。
【0074】
[本実施形態の文書処理システムの編集操作例]
上記図9は、製本アプリケーション104の操作画面である。製本アプリケーションは、文書のページ順の入れ替えや複製、削除などの編集に加え、ステイプルなどの印刷装置の機能設定も行うことができ、指定した印刷装置に印刷することが可能である。図9の左側の領域には、文書の構造を示すツリービューが表示されている。文書は、章の集合で構成されており、各章は原稿ページの集合で構成されている。図9の右側の領域には、各ページの印刷プレビューが表示されている。
【0075】
<本実施形態の文書処理システムの属性設定例>
図14は、製本アプリケーション104の「文書の詳細設定」ウインドウ1400を示している。
【0076】
このウインドウでは、「文書設定情報403」を表示/設定することができる。このウインドウは、図9のアプリケーション操作画面にあるPrint Formメニューの「Detailed Setting for Document」メニューあるいはツールバー上の「Detailed Setting for Document」ボタンから起動される。「文書の詳細設定」ウインドウは、文書全体に影響する属性の設定を行うためのウインドウである。このウインドウは、Page Setup、Decoration、Edit、Paper Sourceの4つのシートから構成されており、図14は、Page Setupシートを表示した状態を示している。このPage Setupシートでは、主にレイアウトに関する設定を行うことができ、用紙サイズや向き、Nページ印刷などの設定を指示することができる。このウインドウには、ズームに関するチェックボックスコントロール1401、1402が配置されている。
【0077】
図15は、製本アプリケーション104の「章の詳細設定」ウインドウ1500を示している。
【0078】
このウインドウでは、「章設定情報407」を表示/設定することができる。このウインドウは、図9のアプリケーション操作画面にあるPrint Formメニューの「Detailed Setting for Chapter」メニューあるいはツールバー上の「Detailed Setting for Chapter」ボタンから起動される。「章の詳細設定」ウインドウは、章固有の属性の設定を行うためのウインドウである。このウインドウは、Page Setup、Decoration、Edit、Paper Sourceの4つのシートから構成されており、図15は、Page Setupシートを表示した状態を示している。このPage Setupシートでは、主に各章で固有のレイアウトに関する設定を行うことができ、用紙サイズや向き、Nページ印刷などの設定を指示することができる。「文書の詳細設定」と「章の詳細設定」で重複する設定項目については「Follow Book Attribute」のチェックボックスコントロール1501、1502、1503を配置している。このチェックボックスにチェックが入っている項目グループについては、文書の設定値をその章にも適用する。このチェックをはずした場合については、次の図16に示す。章固有の設定としては2種類に分類できる。一つは章でしか持たない設定項目である。もう一つは、上位階層の文書とは異なる独自の設定値を章の階層で保持している場合である。
【0079】
図16は、図15の「章の詳細設定」でチェックボックスコントロール1501、1502のチェックをはずした状態である。この場合、文書の全体がA3用紙を使っている場合でも、この章を構成するページはA4用紙サイズとする。またレイアウトも、文書では1Page Par Sheetであっても、この章は4 Page Per Sheetでレイアウトするという指定である。「MS Arrange」については、チェックがついているので、上位階層である文書の設定値をこの章の設定値として使う。
【0080】
図17は、製本アプリケーション104の「ページの詳細設定」ウインドウ1700を示している。
【0081】
このウインドウでは、「ページ設定情報411」を表示/設定することができる。このウインドウは、図9のアプリケーション操作画面にあるPrint Formメニューの「Detailed Setting for Page」メニューあるいはツールバー上の「Detailed Setting for Page」ボタンから起動される。「ページの詳細設定」ウインドウは、各ページで固有の属性の設定を行うためのウインドウである。このウインドウは、Page Setup、Editの2つのシートから構成されており、図17は、Page Setupシートを表示した状態を示している。このPage Setupシートでは、主に各ページで固有のレイアウトに関する設定を行うことができ、原稿ページを配置する際の回転角や拡縮率などの設定を指示することができる。「章の詳細設定」と「ページの詳細設定」で重複する設定項目については「Follow Chapter Attribute」のチェックボックスコントロール1701を配置している。このチェックボックスにチェックが入っている項目については、章の設定値をそのページにも適用する。このチェックをはずした場合については、次の図18に示す。
【0082】
図18は、図17の「ページの詳細設定」でPage Loatationの設定を変更した状態を示している。コントロール1701で、原稿ページをレイアウトする際にページの上が左になるように回転して配置する設定にしている。この項目については「Follow Chapter Attribute」のチェックボックスが無いので、章や文書に重複する設定項目が無いので、このウインドウに表示されている設定が常にページの設定値となる。1701のチェックがある場合、例えば「Arrange」の項目は、章にも重複する設定項目があるので章の設定値をページの設定値とする。章で該当する「Arrange」の項目が「Follor Book Attribute」のチェックがある場合、章の設定値は上位階層である文書の設置値を使うので結局ページの設定値は文書の設定値を使うことになる。章で該当する項目のチェックが外れている場合、章固有の設定値を持っているので、ページの設定値はその章固有の設定値を使う。
【0083】
尚、上記設定画面で設定されたチェックボックスコントロールの情報は、専用の領域に保持されてもよいが、図3に示した設定情報内に属性の1つとして保持するのが望ましい。この場合には、図5及び図6にチェックボックスコントロールの情報を保持する領域が追加される。
【0084】
<本実施形態の文書処理システムの文書編集の表示例>
上位階層と重複する設定項目を上位階層の設定値を使わないようにした場合、つまり、チェックボックスコントロール1501や1701のチェックをはずした場合のアプリケーションの表示形式を、図19に示す。
【0085】
図19の例では、文書は二つの章からなり、各章は9ページの原稿データを持っている。最初の章のレイアウトを4UP(4in1とも表記する)に、2番目の章の先頭ページ(文書全体では10ページ目)に回転を指定した場合の表示例である。右側のプレビューにおいて、1〜3ページ目には1ページ上に4つの原稿がそれぞれ配置されている様子が表示されている。そして、第4ページ目のデータである「A」の文字が回転している様子が表示されている。ツリービューでの章やページ固有の設定を行った場合の表示形式を説明する。最初の章に対するアイコン1901が変化して、この章に章独自の設定がなされていることを示している。2番目の章の先頭ページに対するアイコン1902が変化して、このページに特別な設定がなされていることが示されている。
【0086】
図20及び図21は、本システムにおいてファイル全体の挿入、一部のコピーペーストを行う場合の動作を説明する図である。
【0087】
図20Aは文書A、図20Bは文書Bを示している。文書Aに対して、文書Bから章C2001をコピーペーストする場合を考える。文書Aは2ページ印刷、文書Bは4ページ印刷とする。
【0088】
図20A乃至図20Dは、章Cに章固有の設定がなされていない場合の例である。章Cをペーストした結果には2通りの考え方が可能である。
1.章Cは所属する文書の設定に従う。この場合、章C2002に示される通りペースト先である文書Aの設定である2ページ印刷の設定でレイアウトされる(図20C)。
2.章Cはもともとあった文書Bの設定である4ページのレイアウトを保存する。この場合、章Cは2003に示される通りに章固有の設定として4ページ印刷の設定値を保持し、文書の設定とは無関係に4ページ印刷でレイアウトされる(図20D)。
【0089】
図21A乃至図21Eは、章Cに章固有の設定がなされてる場合の例である。図21Bにあるように、章C2101が1ページ印刷の設定がなされているとする。この場合、文書Aにペーストした場合の結果として3通り考えられる。
1.章C2102は、やはり文書Aの設定を受け継ぎ2ページ印刷の設定となる(図21C)。
2.章C2103は、章固有の設定値を保持し、文書A中においても1ページ印刷の設定を保持しつづける(図21D)。
3.章C2104は、もともとの文書Bの設定を受け継ぎ4ページ印刷の設定を保持する。この場合、文書Aは2ページ印刷だが章Cの部分は1ページ印刷となる(図21E)。
【0090】
ただし、3番目は見た目に出てこない文書Bの設定を保持するのはわかりにくいので通常使われることは考えにくい。
【0091】
<本実施形態の文書処理システムの文書編集の動作手順例>
次に、ファイル全体の挿入、一部分のコピーペーストを行う場合の処理フローについて説明する。
【0092】
(コピー手順)
図22は、コピーペーストのコピー時の処理概要を説明したフローチャートである。コピーペーストする場合、コピー時にどの形式でコピーするかを決めてしまう方式と、コピー時はできるだけ多くの情報をコピーし、ペースト時にいろいろな形式を選択できるようにする方法とがある。この例は後者の方で、ペースト時のペースト形式の選択肢を増やすために、ペースト処理に不要のデータ以外はできるだけコピーしている。図3の文書データ構造の階層構造を保ってほぼそのままの形でコピーすることでペースト時の選択を可能としている。
【0093】
まず、ステップS1401で、挿入元となる文書の文書情報401をコピーする。ファイル名など不要な部分はコピーしないほうが効率がよい。次に、ステップS1402へ進み必要な章を404の章リストへ追加する。文書ファイルの追加の場合は、全ての章が追加対象である。コピーペーストやマウスの操作によるDrag&Dropの場合は、選択されている部分の章が追加対象となる。章が選択されている場合は選択されている章全て、章ではなくページが選択されている場合は選択されているページを含む章が追加対象である。次に、ステップS1403へ進み、ステップS1402で追加した章の章情報を挿入元の文書の対応する章からコピーする。この場合も不要な情報をコピーしないことで効率化を図ることが可能である。次に、ステップS1404へ進み、各章を構成するページを1402でコピーした章情報のページリスト部へ追加する。ここでも追加するページは必要なページだけでよい。次に、ステップS1405へ進み、各ページに対応するページ情報を挿入元文書からコピーする。
【0094】
(ペースト手順)
図23は、文書全体をペースト(文書の挿入)する場合の処理のフローチャートである。
【0095】
まず、ステップS1501で最上位である文書の設定を下位の構成要素である章の設定へと移すかどうかを判定する。図21Eの形式でペーストする場合、元文書の設定を章の設定へコピーすることになる。ここで章の設定へ移さないと判定された場合は、上位階層の設定を下位階層に移す必要が無いので、ステップS1510へ進みコピーされているデータをそのままペーストする。ステップS1501で章設定に移す場合、ステップS1502へと進む。ステップS1502はループの終了条件を判定しており、コピーされている全ての章に対して処理が終了したかどうかを判定する。全ての章に対して処理が終了している場合はステップS1510へ進み処理済のデータをペーストする。ステップS1502で全ての章に対して処理が終了していないと判定された場合、ステップS1503へ進む。
【0096】
ステップS1503では、処理が残っている章を次の処理対象とする。図22では章をリストでコピーしているので、リストの先頭から順に処理対象とすればよい。次に、ステップS1504へ進み、処理対象の章について全ての設定項目について処理が終了したか判定する。全ての項目の処理が終わった場合、ステップS1502へ戻り処理対象を次の章とする。ステップS1504で未処理の項目が残っていると判定された場合、ステップS1505へ進み、未処理の設定項目を処理対象とする。さらにステップS1506へ進み、ステップS1505で処理対象とした設定項目について、章固有の設定値を保存するか、元文書の上位階層に合わせるか、挿入先文書の設定に合わせるの3方式のいずれとするかを判断する。
【0097】
ステップS1506で章固有の設定値を保存すると判定された場合、あるいは、現在の設定項目が上位階層である文書に対応する設定項目が無い場合、ステップS1507へ進み、そのまま章固有の値を保持しつづける。ステップS1506で元文書の上位の設定に合わせると判断された場合、ステップS1508へ進みコピーした上位階層の対応する設定項目の設定値で章の設定値を上書きする。ステップS1506で挿入先の設定値に合わせると判断された場合、ステップS1509へ進み、設定値を挿入先の上位階層のに合わせる設定値に変更する。ステップS1507、ステップS1508、ステップS1509のいずれかが終わると再びステップS1504へ戻り、次の設定項目を処理対象として処理を続行する。
【0098】
図24は、章をペーストする場合の処理のフローチャートである。
【0099】
まず、ステップS1601でコピー元と挿入先の文書が同一文書であるかを判定する。ここで同一文書内でのコピーペーストであると判断された場合、上位階層の設定を下位階層に移す必要が無いので、ステップS1610へ進みコピーされているデータをそのままペーストする。ステップS1601で別文書への挿入と判断された場合、ステップS1602へと進む。ステップS1602はループの終了条件を判定しており、コピーされている全ての章に対して処理が終了したかどうかを判定する。全ての章に対して処理が終了している場合はステップS1610へ進み処理済のデータをペーストする。ステップS1602で全ての章に対して処理が終了していないと判定された場合、ステップS1603へ進む。
【0100】
ステップS1603では、処理が残っている章を次の処理対象とする。図22で説明した例では章をリストでコピーしているので、リストの先頭から順に処理対象とすればよい。次に、ステップS1604へ進み、処理対象の章について全ての設定項目について処理が終了したか判定する。全ての項目の処理が終わった場合、ステップS1602へ戻り処理対象を次の章とする。ステップS1604で未処理の項目が残っていると判定された場合、ステップS1605へ進み、未処理の設定項目を処理対象とする。さらに、ステップS1606へ進み、ステップS1605で処理対象とした設定項目について、章固有の設定値を保存するか、元文書の上位階層に合わせるか、挿入先文書の設定に合わせるの3方式のいずれとするかを判断する。
【0101】
ステップS1606で章固有の設定値を保存すると判定された場合、あるいは、現在の設定項目が上位階層である文書に対応する設定項目が無い場合、ステップS1607へ進み、そのまま章固有の値を保持しつづける。ステップS1606で元文書の上位の設定に合わせると判断された場合、ステップS1608へ進みコピーした上位階層の対応する設定項目の設定値で章の設定値を上書きする。ステップS1606で挿入先の設定値に合わせると判断された場合、ステップS1609へ進み、設定値を挿入先の上位階層のに合わせる設定値に変更する。ステップS1607、ステップS1608、ステップS1609のいずれかが終わると再びステップS1604へ戻り、次の設定項目を処理対象として処理を続行する。
【0102】
図25は、ページをペーストする場合の処理のフローチャートである。コピーしたのは章であっても、章としてではなく章に含まれる個別のページを挿入する場合もこの例で示す方法で処理可能である。
【0103】
まず、ステップS1701でコピー元と挿入先の文書が同一文書であるかを判定する。ここで同一文書内でのコピーペーストであると判断された場合、上位階層の設定を下位階層に移す必要が無いので、ステップS1712へ進みコピーされているデータをそのままペーストする。ステップS1701で別文書への挿入と判断された場合、ステップS1702へと進む。ステップS1702はループの終了条件を判定しており、コピーされている全てのページに対して処理が終了したかどうかを判定する。全てのページに対して処理が終了している場合はステップS1710へ進み処理済のデータをペーストする。ステップS1702で全てのページに対して処理が終了していないと判定された場合、ステップS1703へ進む。
【0104】
ステップS1703では、処理が残っているページを次の処理対象とする。図22で説明した例では章とページをリストでコピーしているので、章リストの先頭から順に、章のページリストの先頭から処理対象とすればよい。次に、ステップS1704へ進むみ、処理対象のページについて全ての設定項目について処理が終了したか判定する。全ての項目の処理が終わった場合、ステップS1702へ戻り処理対象を次の章とする。ステップS1704で未処理の項目が残っていると判定された場合、ステップS1705へ進み、未処理の設定項目を処理対象とする。さらにステップS1706へ進み、ステップS1705で処理対象とした設定項目について、ページ固有の設定値を保存するかを判断する。
【0105】
ステップS1706でページ固有の設定値を保存すると判定された場合、あるいは、現在の設定項目が上位階層である章や文書には対応する設定項目が無い場合、ステップS1711へ進み、そのままページ固有の値を保持しつづける。ステップS1706でページ固有の設定を保存しないと判断された場合、上位階層の設定に合わせるため、ステップS1707へ進む。
【0106】
ここで、上位階層である章の対応設定項目を調べ、章に固有の設定値を持っているか、さらに上位階層に従う設定となっているかを調べる。ステップS1707で章固有の設定は無いと判断された場合ステップS1708へ進み章の設定値をページの設定値へコピーする。ステップS1707で章固有の設定値が有ると判断された場合、ステップS1709へ進み上位階層の設定として章の設定と文書の設定のどちらを優先するか判断する。ステップS1709で章設定を優先すると判断した場合、ステップS1708へ進む。ステップS1709で章を優先しないと判断した場合、ステップS1710へ進み文書の対応する設定項目の設定値をページにコピーする。ステップS1708、ステップS1710、ステップS1711のいずれかが終わると再びステップS1704へ戻り、次の設定項目を処理対象として処理を続行する。
【0107】
ここで示した例では、各設定項目毎にどの階層の設定値を優先して用いるか、コピー元/挿入先のどちらの設定を優先するかを判断し、設定項目ごとにきめ細かく優先設定を決めることが可能である。尚、図23及び図24の例では文書と章の2階層で判定していたが、図25のページ設定の処理も組み合わせて、文書や章のペーストでもページの設定まで処理することも可能である。その場合、ステップS1501やS1601の直前に図25のフローを入れればよい。
【0108】
<ペースト時に設定の優先順位をユーザが決める場合の操作指示例>
ペースト時に、文書・章・ページの設定値でどの項目を有効にし、どの項目をペースト先の設定に従うのかユーザが指定できるようにした本実施形態の操作方法を説明する
図35Aは、右ボタンでDrag&Drop操作をした時に表示される右メニューの例である。この例では、ユーザはペースト時の設定項目に関する処理を4つの選択肢から1つを選ぶことができる。
【0109】
最初の選択肢は「ページ属性だけ保持する」で、ページ階層の設定値を保持し、それより上位の章・文書レベルの設定項をクリアする方式である。ページの属性設定は、ユーザにとっては原稿レベルの変更であり、属性的な設定には見えない場合がある。従って、ページ属性がペースト時になくなってしまうと混乱する可能性がある。
【0110】
第2の選択肢は「章とページの属性を保持する」である。この選択肢を選ぶと、章やページで設定を行っていない場合はペースト先の設定に、章やページで設定をしている場合はその設定がそのまま残る。従って、ユーザにとっては、同じ文書内でコピーペーストした場合の動作と同じに見える。
【0111】
第3の選択肢は「元文書の属性を章属性にコピー」である。この選択肢を選ぶと、コピー元の文書で表示されていた状態そのままがペースト先の文書でも再現される。
【0112】
第4の選択肢は「全ての属性をクリア」である。この設定を選ぶと、既存の編集済み文書からのペーストではなく、電子原稿ライタ102から新規で作成したまっさらな状態と同じ形式でペーストすることができる。
【0113】
選択肢は、文書・章・ページの組み合わせだけ可能であるが、ユーザが予想しにくい動作をする選択肢はユーザの混乱を招くだけであり、メリットが少ない。本実施例では、ユーザがコピーペーストした時の動作として予想しやすい4種の選択肢を設けている。
【0114】
図35Bは、右メニューの替わりに、ペースト時にダイアログを表示して、ペースト方法を選択する場合のGUIの例である。この場合、右ボタンのDrag&Dropの時だけこのダイアログを表示する操作フローと、左Drag&Dropでも常に表示する操作フロー等が選べるが、コピーペーストの操作頻度が高い場合、常に表示するのは操作の流れが止まるため余り好ましくは無いが、ガイダンスなどの情報を表示するスペースがあるので、選択肢が多くなったらこちらのGUI形式を選ぶ。
【0115】
図35Cは、ユーザがあらかじめ形式を選択しておく場合の操作の例である。ツールメニューからプリファレンスを選択すると図35CのGUIが表示され、ユーザは、ペースト時の処理を4つの選択肢から選んでおくことができる。こちらの方が、毎回選択させる方式と比べると、操作の流れが途切れないという効果がある。図35Aと図35Cの組み合わせとして、通常のペーストはプリファレンスの設定を用い、右ボタンのDrag&Dropでは右メニューを表示すると言う方法もある。
【0116】
いずれの方式でも、ユーザはペースト時の属性値の処理として4つの選択肢から1つを選択することが可能となる。
【0117】
図36は、この4つの選択肢につけたIDの例である。図35A〜図35Cの選択肢に対し、図の上からID1、ID2、ID3、ID4と言うIDをつけている。
【0118】
図37は、ペースト対象のデータ構造を示す。ペースト時に属性の保持形式を選択できるため、図3で説明した形式とほぼ同じ形式で保持しておく。ペースト時に文書の情報も使うため、データ量が多くなっているが、文書名などペースト時に不要となる文書制御情報402はコピーしていないという最適化を行っている。ペースト時の選択肢が少ない場合には、さらに最適化を進めて不要なデータをなくすようにすることが可能である。
【0119】
図38は、図35Aに示したGUIを用いてペースト時に4つの処理方法を選択できる場合のペースト処理の例を示すフローチャートである。
【0120】
まずステップS3801で、右ボタンによるDrag&Dropであるかを判断する。右ボタンによるDragであると判定場合は、ステップS3802へ進み右メニュー3501を表示してID1〜ID4の何れかを選択させる。ステップS3802で右ボタンによるDragではないと判定された場合には,ステップS3803へ進み、プリファレンス3502で事前に設定されていたペースト方法のIDを読み込む。
【0121】
次にステップS3804からステップS3810は、ユーザが選択したペースト方法のIDに応じた処理への振り分けである。ユーザが選択した処理方法のIDがID1の場合はS3810へ、ID2の場合は特に何もしない、ID3の場合はS3809へ、ID4の場合はS3808へそれぞれ進む。これらの処理の詳細については後述する。いずれの場合も、属性の処理が終了したらステップS3811へ進み指定位置へと貼り付ける。
【0122】
図39は、図38のステップS3808の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0123】
まず、ステップS3901で、ペースト用データに対して属性クリア処理が終了したかどうかを判定する。まだ処理すべき章情報405が残っていたら、ステップS3902へ進み、未処理の章を選択する。特に問題が無い限り章情報リスト404の先頭から順に処理を行う。次にステップS3903へ進み、章設定情報407の中で処理を行っていない項目が無いかを判定する。まだ未処理の項目がある場合、S3904へ進み次の項目を処理対象とする。そして、ステップS3905へ進み、ステップS3902で設定対象とした章の設定値をクリアするために、デフォルト値、あるいは「上位階層の設定値に従う」ことを意味する値を書き込む。章設定情報407は配列、あるいはリストで構成されており、章設定情報407の先頭から順クリア処理を行い、最後まで終わったかを判断すると言うループ処理となる。
【0124】
ステップS3903で未処理の項目が無いと判断された場合、ステップS3906へと進み、ページ情報リスト408の全てに対して処理が終わったかを判定する。未処理の項目がある場合はステップS3907へ進み、リストの先頭ページから順に設定対象にする。次にステップS3908へ進み,ページ設定情報411の全ての項目に対して処理が終わったかを判定する。まだ処理すべき項目が残っている場合、ステップS3909へ進む。ページ情報411も設定値の配列あるいはリストで構成する事が可能で、この場合、ステップS3909はリストの先頭から順に設定するという処理になる。そしてステップS3910へ進み、クリア処理を行う。設定項目がページ独自の項目であれば、デフォルト値を設定、上位階層にも同様の設定があれば、「上位階層に従う」という意味の特別な属性値を設定する。
【0125】
ステップS3908でページ情報411の全ての項目について設定が終わったと判断した場合、そのページの処理は終了し、次のページの処理に移るために、ステップS3906へ戻り、未処理のページが残っているかを判断する。S3906で全てのページの処理が終わったと判定されたら,次の章の処理を行うためにステップS3901へと戻る。全ての処理が終了していたらループを抜け、ステップS3811へ進む。
【0126】
図40は、図38のステップS3809の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0127】
まず、ステップS4001で、ペースト用データに対して属性書き換え処理が終了したかどうかを判定する。まだ処理すべき章情報405が残っていたら、ステップS4002へ進み、未処理の章を選択する。特に問題が無い限り章情報リスト404の先頭から順に処理を行う。次にステップS4003へ進み、章設定情報407の中で処理を行っていない項目が無いかを判定する。まだ未処理の項目がある場合、S4004へ進み次の項目を処理対象とする。そして、ステップS4005へ進み、現在の処理対象項目の設定値を、文書設定情報403の該当する設定項目の値で上書きする。
【0128】
章独自の設定項目であり、文書情報403に対応する設定項目が存在しない場合は、デフォルト値で上書きする処理と、設定値を書き換えない処理の2通りが考えられるが、本実施例の場合は全ての設定項目について文書情報に対応項目があるため全て上書きの処理となる。そして、ステップS4003へ戻り次の設定項目へと処理を進める。ステップS4003で未処理の項目が無いと判断された場合、次の章の処理を行うためにステップS4001へと戻る。全ての処理が終了していたらループを抜けステップS3811へ進む。
【0129】
図41は、図38のステップS3810の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0130】
まず、ステップS4101で、ペースト用データに対して章属性クリア処理が終了したかどうかを判定する。まだ処理すべき章情報405が残っていたら、ステップS4102へ進み、未処理の章を選択する。特に問題が無い限り章情報リスト404の先頭から順に処理を行う。次にステップS4103へ進み、章設定情報407の中で処理を行っていない項目が無いかを判定する。まだ未処理の項目がある場合、S4104へ進み次の項目を処理対象とする。ステップS4104で設定対象とした章の設定値をクリアするために、デフォルト値、あるいは「上位階層の設定値に従う」ことを意味する値を書き込む。そして、ステップS4103へ戻り次の設定項目へと処理を進める。ステップS4103で未処理の項目が無いと判断された場合、次の章の処理を行うためにステップS4101へと戻る。全ての処理が終了していたらループを抜けステップS3811へ進む。
【0131】
<本実施形態の文書処理システムの文書編集の操作指示例>
次に、ユーザの文書編集操作(特に、Drag&Drop)に対応した本実施形態の表示方法を説明する。
【0132】
図26は、マウス操作によるコピーペーストいわゆるDrag&Dropの操作をする場合のマウスカーソルの形態変化の例である。
【0133】
左端図は、ページの外にマウスカーソルがある場合の例である。マウスカーソル2601は、通常状態のデフォルト形態である矢印型である。このままページを選択しようとして、ページの上にマウスカーソルを移動したところが左から2つ目の図である。マウスカーソル2602は手の形に変わり、ページが移動(Drag&Drop)の対象物であることを示している。ここでマウスをクリックし、選択したところが左から3つ目の図である。ページが選択対象であることを示してページが太枠で囲まれている。ここでマウスをクリックし、Dragを開始すると右端図に示すようにマウスカーソル2604はページをつかんでいることを示すように握った形となり、そのまま移動可能であることをユーザに示す。
【0134】
(プレビューエリアでの表示例)
図27は、DragしたページのDrag&Drop位置を示す表示形式の例である。
【0135】
Drop位置が確認しやすいように、Drag対象のページは半透明となっている。また、Drop位置を示すために、バー2701が表示される。この図の状態でマウスボタンを離してDropすると、(1−1)と表示されたページと(1−2)と表示されたページの間に、Dragページ(1−3)が入りこみ、(1−1)、(1−3)、(1−2)の順序に並び替えがおきる。このDrag&Drop操作の際に、コントロールキーやシフトキーなどほかの操作を併用することで、ページ移動ではなくページの複製処理を行うことも可能である。また、通常の左ボタンではなく右ボタンを使うことで、Drop時に移動・複製いずれの処理を行うかを選択させることも可能である。
【0136】
(ツリーエリアでの表示例)
図28は、Tree表示部でのDrag&Dropの表示形式を説明した図である。
【0137】
Drag中の表示はTree部の小さな表示形式に合わせて、Drag対象のページ表示は消え、マウスカーソル2801は矢印とページアイコンとの組み合わせ表示となる。マウスを動かし、マウスカーソル2801を2803の位置に動かすと、Drop位置を示すバーは2802の位置から2804の位置へとマウスカーソルの位置に合わせて移動する。
【0138】
Treeの場合は、Treeの表示自体に階層の情報が入っているので表示がわかりやすいが、文書が文書−章−ページの階層構造を持つため、章と章の間にマウスカーソルを移動した場合にどちらの章にDropするのかという問題が発生する。本実施形態では、図29のように、バーが2901の位置にある場合は、ページ(1−3)の次という意味で「ドキュメント1」の章の最終ページにDropされる。さらにマウスを下に移動すると「ドキュメント2」のアイコンとページ(2−1)のページの間2902の位置にバーが移動する。この位置にバーがきた場合「ドキュメント2」の章の先頭ページとしてDropされる。
【0139】
(プレビューエリアでの表示変形例)
一方、プレビューエリアの場合、表示形式に階層の考え方が無いので分かりにくい。章の境界に位置する場所にバーが移動した場合、先頭側の章の末尾あるいは、末尾側の章の先頭ページにDrop、あるいは、マウスカーソルの移動軌跡に依存して先頭側から移動してきたら先頭側の末尾へ末尾側から移動してきた場合には末尾側の章の先頭へという決め方もある。
【0140】
図30は、章の境界部分だけ2回バーを表示する場合の例である。"1"と書かれたページと"2"とかかれたページが章の境界だとすると、"1"のページに近い位置では3001の位置にバーが表示され、"2"のページに近い場合は3002の位置にバーが表示される。バー3001が表示されている時にDropした場合には前の章の末尾は、バー3002が表示されている時にDropした場合は後の章の先頭へとDropされる。尚、2本のバー3001及び3002が表示されて、その太さや濃さ、あるいはカラー表示に場合は色でDropされる位置を表示してもよい。
【0141】
(Nページ印刷の場合のプレビューエリアでの表示例)
次にNページ印刷の場合の表示方法について説明する。
【0142】
図31は1ページ印刷の場合の例である。この例では、用紙を示す矩形3101が原稿のページと対応しているのでDrop位置を示すバーは用紙の矩形と矩形との間に表示する形式である。
【0143】
図32は4ページ印刷の場合の例である。この場合、4ページ分のデータが描画された面で一つの物理ページとして扱われる。物理ページの間にDropさせる場合、図32の左図のように物理ページを表現する矩形と矩形の間にバーを表示する。原稿のページの間にDropできる場合には、一つの物理ページの中に複数のDrop可能位置が存在する。図32の右図は"1"と書かれた原稿ページと"2"とかかれた原稿ページとの間にDrop位置を示すバーを表示している。このように、Drag処理の対象物によって切り分けて表示している。
【0144】
物理ページを選択Dragしている場合、物理ページ単位で移動する処理と考え、図32の左図の形式でDropさせる。この場合の内部処理は、物理ページ上の全ての論理ページを選択してDragしているのと同じ処理をしている。そのため、選択した物理ページとDrop位置とでNページ印刷の設定が違う場合、Drop先のレイアウト指定に従ってレイアウトされるため、Drag開始時とは異なるレイアウトとなる。論理ページを選択Dragしている場合、論理ページ単位で移動すると考え図32の右図の形式でDropさせる。ただし、内部データ的には複数論理ページのDrag&Drop処理と同じであるので、マウスの位置により図32の左右の図の表示形式を切り替えて、任意の位置へのDropを許すことも可能である。
【0145】
次に、Dragしている対象である章やページが、章あるいはページ固有の設定を持っている場合の例を図33に示す。
【0146】
章やページに固有の設定がある場合の表示例を図9に示した。Drag中のデータに固有の設定を持つページや章が含まれてい無い場合、3301の形式の表示である。Drag中のデータに章やページ固有の設定値をもつものが含まれている場合、3302に示す形の表示形式となる。図9の901や902のように左上に小さなマークをつけることで固有設定の有無を表現する。Dropした後も、固有の設定を保持する場合、図9に示すように固有の設定を持った章あるいはページとなる。Drop時に固有設定のクリアをするような指定を行っている場合、Drop時に内部的に固有設定をクリアする。この場合の処理のフローチャトは、既に図24及び図25に示してある。
【0147】
<本実施形態の文書処理システムの操作指示の手順例>
図34に、本実施形態の文書処理システムの操作指示の手順例をフローチャートで示す。尚、カーソルの位置検出や対象画像の表示位置とカーソル位置との距離検出などは既知であるので、詳細には説明しない。又、ブック、章、ページ間の設定(属性)の優先設定などの処理についても、煩雑となるので省略している。この場合は、図24や図25の処理と共に、図33のような固有の設定があることを示す表示が付加される。
【0148】
まず、ステップS2001でマウス操作からDrag中が否かを判定する。Drag中でなければ、ステップS2002でDropか否かを判定する。Dropでもなければステップ2004で本例では対象としない他の処理を行なって、リターンする。Dropと判定すると、ステップS2003に進んでカーソル位置に従って表示されているバーによって示されたDrop位置に、データの移動あるいは複製が行われる。移動/複製の選択も煩雑になるので示していない。
【0149】
ステップS2001でDragと判定されると、ステップS2005で既知の方法でカーソル位置を検出する。次に、ステップS2006でカーソル位置に最も近いツリー及びプレビューエリア内の原稿ページの境界を検出する。ステップS2007では、ステップS2006で検出されたカーソルに最も近い原稿ページの境界が、ツリーエリア内にあるかプレビューエリア内にあるかを判断する。ツリーエリア内にある場合は、ステップS2008で原稿ページの境界位置にDrop位置を示すバーを表示する。表示方法も既知であるので詳説はしない。
【0150】
プレビューエリアの場合は、まずステップS2009で検出されたカーソルに最も近い原稿ページの境界が同時に章の境界であるかが判定される。章の境界であればステップS2010で図30に示すような複数回のバー表示をするように設定する。図34には詳細な説明はしないが、複数回のバー表示が設定された場合には、原稿ページの境界位置に複数の境界が設定されて、更にカーソルとの距離が検出され、より近い位置にバーが表示される。あるいは複数のバーが、太さ、濃さ、色などにより、識別可能(より近いバーが目立つように)に表示される。章の境界でなければ何もせずにステップS2011に進む。
【0151】
ステップS2011ではNページ印刷か否かが判定され、Nページ印刷のばあいは更にステップS2012で原稿ページの境界が印刷ページの境界か否かが判定される。Nページ印刷で印刷ページの境界でない場合は、ステップS2013で図32の右図のように、印刷ページ内の原稿ページの境界部分にバーを表示する。一方、Nページ印刷でない、又はNページ印刷であっても印刷ページの境界で有る場合は、図30、図31、図32の左図のように、印刷ページ外(間)にバーを表示する。
【0152】
尚、本実施形態で示したフローチャートにおいて、その前後は処理が未完成にならない限り入れ替えることが可能である。
【0153】
また、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(複写機、プリンタ、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0154】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0155】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0156】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0157】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0158】
【発明の効果】
本発明によれば、データと設定値を階層的に保持するような文書処理装置で、データの挿入・移動・コピーペーストする際に、階層的にデータと設定値を保持しているという特徴を最大限に活かして、全体を統一することも、部分的な設定をすることも、各階層の各ノードごと選択的に編集が可能である文書処理方法及びその装置を提供できる。
【0159】
すなわち、階層構造をもつデータをコピーペーストする際に各階層で保持したデータを保存した状態でペーストすることが可能であるという効果がある。
【0160】
また、かかる構成において、コピーしたデータを別の文書にペーストする場合に、コピー元文書の設定値を優先した状態でペーストすることが可能であるという効果がある。
【0161】
また、かかる構成において、コピーしたデータを別の文書にペーストする場合に、ペースト先文書の設定値を優先した状態でペーストすることが可能であるという効果がある。
【0162】
また、かかる構成において、コピーしたデータを別の文書にペーストする場合に、コピーされたデータが保持している各階層における設定値を優先した状態でペーストすることが可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のスタンドアロン型の文書処理システムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の文書処理システムを実現するハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】ブックファイルの構造の一例を示す図である。
【図4】ブック属性の一覧を示す図である。
【図5】章属性の一覧を示す図である。
【図6】ページ属性の一覧を示す図である。
【図7】ブックファイルを開く手順例を示すフローチャートである。
【図8】新規のブックファイルを開いた際のユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図9】既存のブックファイルを開いた際のユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図10】電子原稿ファイルをブックファイルにインポートする手順例を示すフローチャートである。
【図11】図10のステップ801に示すアプリケーションデータを電子原稿ファイルに変換する手順例を示すフローチャートである。
【図12】印刷や表示を行う際に使用するデータ構造の例を示す図である。
【図13】クライアントサーバ型の文書処理システムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図14】データ構成の最上位階層である文書全体の設定を行うダイアログウィンドウの例を示す図である。
【図15】データ構成の中間階層である章の設定を行うダイアログウィンドウの例を示す図である。
【図16】図15のダイアログウィンドウで固有属性の設定を行った例を示す図である。
【図17】データ構成の最下位階層であるページの設定を行うダイアログウィンドウの例を示す図である。
【図18】図17のダイアログウィンドウでの設定値の変更例を示す図である。
【図19】章やページに固有の設定を行った場合の表示例を示す図である。
【図20A】コピーペーストをされる文書の例を示す図である。
【図20B】固有の設定がないコピーペーストをする文書の例を示す図である。
【図20C】固有の設定がない場合にコピーペーストを行った場合の実行結果の例を示す図である。
【図20D】固有の設定がない場合にコピーペーストを行った場合の実行結果の例を示す図である。
【図21A】コピーペーストをされる文書の例を示す図である。
【図21B】固有の設定があるコピーペーストをする文書の例を示す図である。
【図21C】固有の設定がある場合にコピーペーストを行った場合の実行結果の例を示す図である。
【図21D】固有の設定がある場合にコピーペーストを行った場合の実行結果の例を示す図である。
【図21E】固有の設定がある場合にコピーペーストを行った場合の実行結果の例を示す図である。
【図22】データの挿入処理の例を示すフローチャートである。
【図23】文書全体をペーストする際の処理の例を示すフローチャートである。
【図24】章をペーストする際の処理の例を示すフローチャートである。
【図25】ページをペーストする際の処理の例を示すフローチャートである。
【図26】編集処理における表示方式の例を示す図である。
【図27】編集処理における表示方式の例を示す図である。
【図28】編集処理における表示方式の例を示す図である。
【図29】編集処理における表示方式の例を示す図である。
【図30】編集処理における表示方式の例を示す図である。
【図31】編集処理における表示方式の例を示す図である。
【図32】編集処理における表示方式の例を示す図である。
【図33】編集処理における表示方式の例を示す図である。
【図34】編集処理における表示方式の手順例を示すフローチャートである。
【図35A】ペースト処理における処理方式をユーザに選択させるためのGUIの一例を示す図である。
【図35B】ペースト処理における処理方式をユーザに選択させるためのGUIの他の例を示す図である。
【図35C】ペースト処理における処理方式をユーザに選択させるためのGUIの更に他の例を示す図である。
【図36】図35でユーザがどの項目を選択したのかをプログラムが処理するために用いるIDの例を示す例である。
【図37】ペースト時にペーストバッファーに書き込まれているデータの例を示す図である。
【図38】ペースト時の処理の振り分け手順例を示すフローチャートである。
【図39】ペースト時の属性処理手順(S3808)の例を示すフローチャートである
【図40】ペースト時の属性処理手順(S3809)の例を示すフローチャートである
【図41】ペースト時の属性処理手順(S3810)のを例を示すフローチャートである
Claims (18)
- 印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する処理手段による文書処理方法であって、
前記処理手段が、原稿データを、各ノードが原稿データに含まれるページを表わし該ページの属性を持つノードと複数のページを含む章を表わし該章の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数のページに対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作ステップと、
前記処理手段が、前記操作ステップにおいて操作対象となっている複数のページの各ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに判定する判定ステップと、
前記判定ステップでページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性を移動先又は複製先である章に対応するノードの属性より優先して前記処理手段が設定し、ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である章に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性より優先して前記処理手段が設定する設定ステップとを備えることを特徴とする文書処理方法。 - 前記処理手段が、前記ツリー構造の階層の上下の間での属性の優先順位の指示を受け付ける指示ステップをさらに備え、
前記設定ステップにおける属性の設定は、前記指示された優先順位に従って行うことを特徴とする請求項1記載の文書処理方法。 - 前記ツリー構造内の部分木データは、前記指示ステップにおいて指示された前記属性の優先順位を、下位の階層の属性として保持することを特徴とする請求項2記載の文書処理方法。
- 前記処理手段が、前記属性の優先順位が指示可能な画面をノード単位で表示する処理を制御する第1表示制御ステップを更に備え、
前記指示ステップにおいては、前記属性の優先順位は、該画面から指示されることを特徴とする請求項2記載の文書処理方法。 - 前記操作ステップにおいて、部分木データが操作される場合に、
前記処理手段が、該部分木の属性をどのように設定するかを指示可能な指示画面を表示部に表示する処理を制御する第2表示制御ステップをさらに備えることを特徴とする請求項4記載の文書処理方法。 - 前記処理手段が、前記設定ステップにおいてページに対応するノードの属性をどのように設定するかを、予め記憶したデフォルトの設定から読み出す読出ステップをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の文書処理方法。
- 当該文書処理方法は、アプリケーションから発生される文書データに基づいて、製本処理を伴う文書処理を行う際に用いられるものであり、前記ツリー構造を用いて管理される属性は、製本処理に関する属性を含むことを特徴とする請求項1記載の文書処理方法。
- 印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する文書処理装置であって、
原稿データを、各ノードが原稿データに含まれるページを表わし該ページの属性を持つノードと複数のページを含む章を表わし該章の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数のページに対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作ユニットと、
前記操作ユニットの操作対象となっている複数のページの各ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに判定する判定ユニットと、
前記判定ユニットでページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性を移動先又は複製先である章に対応するノードの属性より優先して設定し、ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である章に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性より優先して設定する設定ユニットとを備えることを特徴とする文書処理装置。 - 前記ツリー構造の階層の上下の間での属性の優先順位を指示する指示ユニットをさらに備え、
前記設定ユニットは、前記指示ユニットにより指示された属性の優先順位に従って属性の設定を行うことを特徴とする請求項8記載の文書処理装置。 - 前記ツリー構造内の部分木データは、前記指示ユニットにより指示された前記属性の優先順位を、下位の階層の属性として保持することを特徴とする請求項9記載の文書処理装置。
- 前記属性の優先順位が指示可能な画面をノード単位で表示する処理を制御する第1表示制御ユニットを更に備え、
前記指示ユニットで指示する前記属性の優先順位は、該画面から指示されることを特徴とする請求項9記載の文書処理装置。 - 前記操作ユニットにより部分木データが操作される場合に、
該部分木の属性をどのように設定するかを指示可能な指示画面を表示部に表示する処理を制御する第2表示制御ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項11記載の文書処理装置。 - 前記設定ユニットでページに対応するノードの属性をどのように設定するかを、予め記憶したデフォルトの設定から読み出す読出ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項8記載の文書処理装置。
- 当該文書処理装置は、アプリケーションから発生される文書データに基づいて、製本処理を伴う文書処理を行う際に用いられるものであり、前記ツリー構造を用いて管理される属性は、製本処理に関する属性を含むことを特徴とする請求項8記載の文書処理装置。
- 印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する文書処理プログラムを記憶したコンピュータ読出し可能な記憶媒体であって、
前記文書処理プログラムが、
原稿データを、各ノードが原稿データに含まれるページを表わし該ページの属性を持つノードと複数のページを含む章を表わし該章の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数のページに対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作モジュールと、
前記操作モジュールにおいて操作対象となっている複数のページの各ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数のページの各ページごとに判定する判定モジュールと、
前記判定モジュールでページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元のページのノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっ ている複数のページの各ページごとに、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性を移動先又は複製先である章に対応するノードの属性より優先して設定し、ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である章に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元のページに対応するノードの属性より優先して設定する設定モジュールとを、コンピュータに実現させるためのプログラムであることを特徴とする記憶媒体。 - 印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する処理手段による文書処理方法であって、
前記処理手段が、原稿データを、各ノードが原稿データに含まれる章を表わし該章の属性を持つノードと複数の章を含む文書を表わし該文書の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数の章に対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作ステップと、
前記処理手段が、前記操作ステップにおいて操作対象となっている複数の章の各章の移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の文書のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに判定する判定ステップと、
前記判定ステップで章の移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに、前記移動先又は複製先における章に対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性を移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性より優先して前記処理手段が設定し、章の移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の文書のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先における章に対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性より優先して前記処理手段が設定する設定ステップとを備えることを特徴とする文書処理方法。 - 印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する文書処理装置であって、
原稿データを、各ノードが原稿データに含まれる章を表わし該ページの属性を持つノードと複数の章を含む文書を表わし該章の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数の章に対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作ユニットと、
前記操作ユニットの操作対象となっている複数の章の各章の移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の文書のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに判定する判定ユニットと、
前記判定ユニットで章の移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに、前記移動先又は複製先における章に対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性を移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性より優先して設定し、章の移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の文書のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先における章に対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性より優先して設定する設定ユニットとを備えることを特徴とする文書処理装置。 - 印刷処理に関する属性を有する原稿データを処理する文書処理プログラムを記憶したコンピュータ読出し可能な記憶媒体であって、
前記文書処理プログラムが、
原稿データを、各ノードが原稿データに含まれる章を表わし該章の属性を持つノードと複数の章を含む文書を表わし該章の属性を持つノードとからなるツリー構造で保持し、複数の章に対応するノードの移動又は複製を含むデータ操作をする操作モジュールと、
前記操作モジュールにおいて操作対象となっている複数の章の各章の移動先又は複製先におけるノードの属性を、移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると指示されているか、移動先又は複製先の文書のノードが有する属性にすると指示されているかを、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに判定する判定モジュールと、
前記判定モジュールで章の移動先又は複製先におけるノードの属性を移動元又は複製元の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記操作対象となっている複数の章の各章ごとに、前記移動先又は複製先における章に対応するノードの属性として、前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性を移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性より優先して設定し、ページの移動先又は複製先におけるノードの属性を移動先又は複製先の章のノードが有する属性にすると判定された場合には、前記移動先又は複製先におけるページに対応するノードの属性として、前記移動先又は複製先である文書に対応するノードの属性を前記移動元又は複製元の章に対応するノードの属性より優先して設定する設定モジュールとを、コンピュータに実現させるためのプログラムであることを特徴とする記憶媒体。
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