JP3970024B2 - スポーツ走行用空気入りタイヤおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レースサーキット等の公道外特定管理区域内でのスポーツ走行用空気入りタイヤおよびその製造方法に関し、かかるスポーツ走行用空気入りタイヤの路面に対するグリップ性能の向上に加え、発熱耐久性能の向上、軽量化および省資源化を企図するものである。
【0002】
【従来の技術】
レースサーキット等の公道外特定管理区域内においてスポーツ走行用に特に製造されたタイヤは存在せず、これまでは通常の一般公道用タイヤの中からせいぜい高性能系タイヤまたは低偏平タイヤ等を選んでスポーツ走行を楽しむ程度であった。
【0003】
かかる高性能系タイヤまたは低偏平タイヤは、例えば、図5に示すように、一対のビード部間に跨がって配置されたカーカス1のクラウン部の径方向外側に、少なくとも2層のベルト層2a,2bによるベルト2およびトレッド部3を順に配置してなり、トレッド部3の踏面部には、タイヤの赤道に沿って延びる複数本の周方向主溝4を有するのが一般的である。この周方向主溝4の底部には、タイヤ製法上等の観点から、その溝底からベルト2の径方向最外側のベルト層2aまでの間に、ベルト層の被覆ゴムを含まないゴム層が存在する構造となっている。
【0004】
ところで、近年、スポーツタイプの車両が高性能化する一方、ドライバーが操縦技能の限界に挑戦して思い切ったスポーツ走行が楽しめる練習場やレースサーキット等の、一般公道ではないスポーツ走行用特定管理区域が増え、一般のドライバーの中から手軽にスポーツ走行を楽しむ愛好者が増えている。これに伴い、益々自分の操縦技能の限界に挑戦するドライビングウォンツが高まってきている。
【0005】
上述の愛好者層の場合は、通常の一般公道用タイヤの中の高性能系タイヤまたは低偏平タイヤ等の如く何万キロメーターもの摩耗ライフは要求しておらず、摩耗ライフは短くてもよいから比較的タイヤが新品の間だけでも、プロレーシングドライバー達が使用するタイヤとできるだけ近いハイグリップ高性能タイヤの感触を楽しみたいという潜在的要求が年々強くなってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の一般公道用の高性能系タイヤまたは低偏平タイヤにおいては、その構造上、前記要求を十分に満たすことはできなかった。
【0007】
そこで本発明の目的は、従来のタイヤでは達成し得なかった公道外特定管理区域内でのスポーツ走行において良好なグリップ性能を示すとともに、発熱耐久性の向上、軽量化および省資源化をも可能にしたスポーツ走行用空気入りタイヤを提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、前記スポーツ走行用空気入りタイヤを高い生産性にて製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく、先ず、トレッドゴムを、摩耗ライフを犠牲にしてでもグリップ性能主体に可能な限り柔らかくし、かつ、トレッド部総厚さは従来タイヤほど厚くしておく必要はないことから、最低限の摩耗ライフを考慮して所定の範囲内とした。次いで、一般公道ではないのでタイヤを傷つける路面からの異物等の心配がなく、主溝下にトレッドゴムを不要に残しておく必要はなく、少しでもタイヤを軽くして高速耐久性能の向上を図る一方、主溝下残ゴムの廃棄といった資源の無駄使いをも節約するよう努めた。さらに、走行当日の気候の変化による多少の降雨にも安全走行が行えるように、最低限度の耐ウェット性能確保のための排水溝をトレッド踏面部に配置した。このような見地から鋭意検討した結果、前記目的を達成し得るスポーツ走行用空気入りタイヤが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。また、このスポーツ走行用空気入りタイヤを、トレッドの成型において小幅ゴム片リボンストリップを用いることにより生産性良く製造することができることを見出し、本発明の製造方法を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤは、トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部および一対のビード部と、該一対のビード部間に跨設された少なくとも2層のカーカスと、該カーカスと前記トレッド部との間に該トレッド部の踏面部の幅と略同幅にて少なくとも2層のベルトと、を備えたスポーツ走行用空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部の踏面部に、周方向に延在する複数本の周方向主溝により画成された複数本の陸部列を有し、前記トレッド部が前記ベルトの直上に隣接して配置され、該トレッド部のゴムの室温下でのJIS A硬度が35〜65度で、かつ該トレッド部の総厚さが2.5〜3.5mmであり、前記周方向主溝の底部から前記ベルトの径方向最外側のベルト層までのゴム厚が実質上0mmであることを特徴とするものである。
【0011】
本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤは、好ましくは前記周方向主溝の幅が10mm以上で、かつタイヤ幅方向に隣接する周方向主溝間での溝幅中心線間距離が40mm以上である。また、前記周方向主溝幅合計のトレッド幅に対する割合が15%以上となるように複数本の周方向主溝が配設されてなることが好ましい。
尚、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤは窒素ガス等の不活性ガス充填タイヤも含むものとする。
【0012】
また、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤの製造方法は、タイヤの各種構成部材を貼り合わせて生タイヤを作製し、該生タイヤを加硫金型による加硫硬化工程に供する、一連の工程を経て上述の本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤを製造する方法において、
生タイヤ作製の最終工程であるトレッド材の貼り付け工程において、前工程で製品タイヤのベルト外面形状と近似する表面外輪郭形状にて貼り付けられたベルト材の上に、小幅ゴム片リボンストリップを螺旋状に順次連続巻回積層し押圧することによりトレッド部を形成することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の製造方法においては、前記リボンストリップの巻き付け時における幅方向送りピッチを変えることにより積層密度を幅方向に変化させることができる。また、トレッド部の周方向主溝位置では、前記リボンストリップの巻き付けピッチを不連続としても、あるいはトレッド部の周方向主溝位置で、前記リボンストリップの巻き付けピッチを略溝幅同等として巻き付けてもよい。さらに、製品タイヤの内面形状と実質的に同じ表面外輪郭を有する分割型非変形高剛体コアの外周に、少なくともカーカス材、ベルト材およびトレッド材を順次貼付けた後、得られた生タイヤを前記分割型非変形高剛体コアごと加硫金型に嵌挿して加硫硬化するか、あるいは製品タイヤの内面形状と実質的に同じ表面外輪郭を有する分割型非変形高剛体コアの外周に、少なくともカーカス材、ベルト材およびトレッド材を順次貼付けた後、得られた生タイヤを前記分割型非変形高剛体コアから取り外し、代わりに膨張可能な加硫ブラダーを嵌挿した状態で加硫金型に嵌挿して加硫硬化してもよい。高剛体コアを使用することにより、加硫時におけるゴムの無駄な流れがなくなり、ゲージ等が均一になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
本発明の好適例のスポーツ走行用空気入りタイヤにおいては、図1に示すように、一対のビード部(図示せず)間に跨がって配置された2層のカーカス層1a,1bによるカーカス1のクラウン部の径方向外側に、2層のベルト層2a,2bによるベルト2、およびトレッド部3が順に配置されている。
【0015】
カーカス1およびベルト2の構造およびコード種等は特に制限されるべきものではなく、例えば、従来の高性能系タイヤ等に採用されているものを適宜用いることができる。好ましくは、カーカス1は、タイヤ周方向に対して35〜80度の角度をもって互いに交差する向きに延びるテキスタイルコードよりなる少なくとも2層より構成する。また、ベルト2は、カーカス1とトレッド部3の踏面部との間で該踏面部幅と略同幅にてタイヤ周方向に対して15〜40度の角度をもって互いに交差する向きに延びる非伸張性コード、例えばアラミドコードよりなる少なくとも2層より構成することが好ましい。
【0016】
トレッド部3の踏面部には、周方向に延在する複数本(図示例では4本)の周方向主溝4により画成された複数本の陸部列5が存在する。最低限度の耐ウェット性能確保のためには、トレッド部3の踏面部に少なくとも複数の周方向主溝4を配置する必要がある。また、必要に応じ適宜湯溝や切欠き溝を設け、より排水性が高まるようにしてもよい。
【0017】
ここで、本発明においては、トレッド部3がベルトの直上に隣接して配置され、このトレッド部3のゴムの室温下でのJIS A硬度は35〜65度、好ましくは40〜55度の範囲内である。トレッドゴムの硬化が35度未満では柔らかすぎてトレッド部に加わるトラクション、ブレーキングフォース、コーナリングフォース等に対し満足行く速度では耐え切れず、一方、65度を超えるとハードドライビング時に路面グリップ力に劣る等、何れの場合でも限界走行感の充足度に劣る結果となる。
【0018】
また、トレッド部3の総厚さtは2.5〜3.5mmである。限界走行感の充足度を満たすためにトレッドゴムの硬度を前記範囲に設定した場合に、トレッド部総厚さtが2.5mm未満では摩耗ライフが短すぎ、一方、3.5mmより厚くては不要な摩耗ライフとなり、いずれにしても好ましくない。
【0019】
さらに、周方向主溝4の底部からベルト2の径方向最外側のベルト層2aまでのゴム厚は、実質上0mmである。本発明のタイヤは一般公道用ではなく公道外特定管理区域内でのスポーツ走行用なので、タイヤを傷つける路面からの異物等の心配がない。よって、周方向主溝4下にトレッドゴムを不要に残しておく必要はないことから、高速走行による発熱耐久性の向上、軽量化および省資源化を可能にすべく、周方向主溝の底部のゴム厚を上述のように規定する。
【0020】
本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤにおいて、周方向主溝4の幅W、タイヤ幅方向に隣接する周方向主溝4間での溝幅中心線間距離D、および周方向主溝幅Wの合計のトレッド幅TWに対する割合を夫々上述の好ましい範囲内とすることにより、最低限度の耐ウェット性能を確保することが可能となる。すなわち、溝幅Wが10mm未満では高速走行時の1本の溝としての排水性能に劣り、また距離Dが40mm未満では陸部列5の剛性が低く、必要最低限度の耐摩耗性および路面に対するグリップ性能等に劣り、さらに溝幅Wの合計のトレッド幅TWに対する割合が15%未満では最低限度の耐ウェット性能に劣ることになる。より好ましくは、溝幅Wは10〜20mmであり、距離Dは45〜55mmであり、溝幅Wの合計のトレッド幅TWに対する割合は10〜30%である。尚、ここで、トレッド幅TWはJATMA YEAR BOOK 2001に準拠するものとする。
【0021】
次に、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤを製造する方法について、具体的に説明する。
高性能系タイヤ等を製造する場合、加硫成型の時の周方向主溝形成用の金型内の凸状骨がトレッドゴムに進入して余分なトレッドゴムを脇に押しやる際に、ベルトが圧力を受けて波打ち変形を起こし、高速耐久性が劣る原因となる。そこで従来においては、これを回避するために生トレッドに予め周方向主溝に相当する部位に周方向主溝に相当する凹溝を設けておくことが効果的であった。また、ゴムは一般的に製品(加硫硬化後)硬度が低ければ、未加硫時の粘度も低い傾向にあり(図4参照)、製造工程中の横持ち移動時に垂れ下がりやすいという欠点がある。従って、従来の製造方法でトレッド部をトレッド幅相当の広幅帯状生トレッドバンドの形態で貼付け成型しようとすると、前記横持ちの際に生トレッドの凹溝を起点としてトレッドバンドが垂れ下がってしまい成型が困難になるという問題があった。よって、凹溝下にある程度のゴム厚を陸部列同士の連結用に確保しておく必要があるが、薄過ぎては垂れ下がり防止に役立たず、厚過ぎては駄肉残りとなり、いずれにしても問題を伴うものであった。
【0022】
一方、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤのように、周方向主溝下のトレッドゴム厚が実質的に0mmのトレッド部の場合は、仮に陸部列毎に別々に陸部1本ずつをベルト上に順次巻き付け成型してもよいが、これでは生産性に劣ることになる。従って、本発明の製造方法は、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤの生産性を高めるために見出されたものである。
【0023】
すなわち、タイヤの各種構成部材、例えばインナーライナー材、チェーファー材、カーカスプライ材、ビード材、スティフナー材およびサイドトレッド材などを常法に従い貼り合わせ、さらにベルト材を貼り合わせて得た生ケースに、トレッドゴムを貼り付けて生タイヤを作製する際、図3に示すように、ベルト材2上に、例えば、射出押出機から一定の形状で押出された小幅ゴム片リボンストリップ20を、製品タイヤのトレッド部の陸部に対応させて、ベルト材2の径方向外側に螺旋状に順次連続巻回積層し、かつ同周方向に連ねた陸部列5を、ベルト材2の幅方向に間隔を置いて複数形成し、押圧することにより生タイヤを完成する。
【0024】
ここで、リボンストリップ20を螺旋状に順次連続巻回積層し押圧形成する工程においては、少なくともリボンストリップ20の吐出ノズル部品または押圧部品は、ゴムとの接触面にゴムとの粘着を回避するための手段が講じられている必要がある。例えば、ゴムとの接触面をフッ素樹脂コーティングする、部品そのものをフッ素樹脂で作る、あるいは表面をクロムメッキ処理する、より好ましくは下地をショットブラスト等により梨地加工した上にクロムメッキ処理を施す、ゴムとの非粘着性に優れるエンジニアリングプラスチックを用いる、等の粘着回避手段が有効である。
【0025】
本発明の製造方法においては、リボンストリップ20の巻き付け時における幅および幅方向送りピッチを適宜変えることにより積層密度を幅方向に変化させることができ、多様なトレッドパターンに対処することができる。例えば、リボンストリップ20の幅を製品タイヤのトレッド陸部列5の幅に対応させても(図示せず)、あるいは図3に示すように、複数のリボンストリップ20を幅方向に隙間なく並べて合体させることによって陸部列5を形成させてもよい。また、トレッド部の周方向主溝4位置では、リボンストリップ20の巻き付けピッチを不連続としても、あるいはトレッド部の周方向主溝4位置で、リボンストリップ20の巻き付けピッチを略溝幅同等として巻き付けてもよく、これにより周方向主溝4底のゴム厚を実質的に0mmにすることができる。
【0026】
生タイヤの加硫硬化工程においては、製品タイヤの内面形状と実質的に同じ表面外輪郭を有する分割型非変形高剛体コアの外周に、少なくともカーカス材、ベルト材およびトレッド材を順次貼付けた後、得られた生タイヤを前記分割型非変形高剛体コアごと加硫金型に嵌挿して加硫硬化するか、あるいは製品タイヤの内面形状と実質的に同じ表面外輪郭を有する分割型非変形高剛体コアの外周に、少なくともカーカス材、ベルト材およびトレッド材を順次貼付けた後、得られた生タイヤを前記分割型非変形高剛体コアから取り外し、代わりに膨張可能な加硫ブラダーを嵌挿した状態で加硫金型に嵌挿して加硫硬化してもよく、特に加硫硬化手段は限定されるものではない。
【0027】
上述のようにして本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤを高生産性にて製造することができる。
【0028】
なお、生タイヤ作製後の加硫成型の条件についても、特に制限する必要はないが、生タイヤのベルト材と加硫金型との距離が従前に比較して短くなることから、ベルト材が従来に比し高温雰囲気に晒されることになる。よって、加硫条件は、この点等を考慮してゴム種やタイヤ構造等に応じ個別に適宜設定すればよい。
【0029】
【実施例】
図3に示すようにして、5mm幅のゴム片リボンストリップ20を5層で積み重ねた陸部列5を、15mmの間隔を置いて5列形成して生タイヤを作製した。次いで、得られた生タイヤを分割型非変形高剛体コアごと加硫金型に嵌挿して、常法に従い加硫成型に供した。このようにして図2に示すトレッドパターンを有するサイズ275/40R17のスポーツ走行用空気入りタイヤを試作した。
【0030】
試作タイヤの各種条件は下記の表1に示す通りである。また、試作タイヤのトレッド部踏面部には、図2に示すように4本の周方向主溝4の他に、各種湯溝6、7、8や切欠き溝9、10を設け、ハイグリップ性能を損なわない範囲で排水性を高めた。尚、周方向主溝4の溝深さは3mmであり、その他の溝6〜10の溝深さは2mmである。
【0031】
得られた各タイヤを、9J−17のリムに組み込み内圧を250kPaに調整してから、排気量が3000ccクラスの車両に装着し、1周6kmのテストコースをサーキット走行したときの高速コーナリング時のグリップ感、コーナー出口での加速感、直進時の加速感およびトレッドゴムの耐発熱性を夫々評価した。評価は比較例1を100として指数にて表した。数値が大なる程結果が良好である。得られた結果を下記の表1に併記する。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤにおいては、公道外特定管理区域内でのスポーツ走行において良好なグリップ性能を示すとともに、発熱耐久性の向上、軽量化および省資源化も可能となる。また、本発明の製造方法においては、前記スポーツ走行用空気入りタイヤを高い生産性にて製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ構造を示す模式的部分断面図である。
【図2】実施例の供試タイヤのトレッドパターンを示す展開図である。
【図3】本発明に従う生タイヤにおけるトレッドゴムの貼り付け要領を示す斜視図である。
【図4】未加硫ゴム粘度とタイヤ製品硬度との関係を示すグラフである。
【図5】従来のタイヤ構造を示す模式的部分断面図である。
【符号の説明】
1 カーカス
1a,1b カーカス層
2 ベルト
2a,2b ベルト層
3 トレッド部
4 周方向主溝
5 陸部列
6,7,8 湯溝
9,10 切欠き溝
20 小幅ゴム片リボンストリップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、レースサーキット等の公道外特定管理区域内でのスポーツ走行用空気入りタイヤおよびその製造方法に関し、かかるスポーツ走行用空気入りタイヤの路面に対するグリップ性能の向上に加え、発熱耐久性能の向上、軽量化および省資源化を企図するものである。
【0002】
【従来の技術】
レースサーキット等の公道外特定管理区域内においてスポーツ走行用に特に製造されたタイヤは存在せず、これまでは通常の一般公道用タイヤの中からせいぜい高性能系タイヤまたは低偏平タイヤ等を選んでスポーツ走行を楽しむ程度であった。
【0003】
かかる高性能系タイヤまたは低偏平タイヤは、例えば、図5に示すように、一対のビード部間に跨がって配置されたカーカス1のクラウン部の径方向外側に、少なくとも2層のベルト層2a,2bによるベルト2およびトレッド部3を順に配置してなり、トレッド部3の踏面部には、タイヤの赤道に沿って延びる複数本の周方向主溝4を有するのが一般的である。この周方向主溝4の底部には、タイヤ製法上等の観点から、その溝底からベルト2の径方向最外側のベルト層2aまでの間に、ベルト層の被覆ゴムを含まないゴム層が存在する構造となっている。
【0004】
ところで、近年、スポーツタイプの車両が高性能化する一方、ドライバーが操縦技能の限界に挑戦して思い切ったスポーツ走行が楽しめる練習場やレースサーキット等の、一般公道ではないスポーツ走行用特定管理区域が増え、一般のドライバーの中から手軽にスポーツ走行を楽しむ愛好者が増えている。これに伴い、益々自分の操縦技能の限界に挑戦するドライビングウォンツが高まってきている。
【0005】
上述の愛好者層の場合は、通常の一般公道用タイヤの中の高性能系タイヤまたは低偏平タイヤ等の如く何万キロメーターもの摩耗ライフは要求しておらず、摩耗ライフは短くてもよいから比較的タイヤが新品の間だけでも、プロレーシングドライバー達が使用するタイヤとできるだけ近いハイグリップ高性能タイヤの感触を楽しみたいという潜在的要求が年々強くなってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の一般公道用の高性能系タイヤまたは低偏平タイヤにおいては、その構造上、前記要求を十分に満たすことはできなかった。
【0007】
そこで本発明の目的は、従来のタイヤでは達成し得なかった公道外特定管理区域内でのスポーツ走行において良好なグリップ性能を示すとともに、発熱耐久性の向上、軽量化および省資源化をも可能にしたスポーツ走行用空気入りタイヤを提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、前記スポーツ走行用空気入りタイヤを高い生産性にて製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく、先ず、トレッドゴムを、摩耗ライフを犠牲にしてでもグリップ性能主体に可能な限り柔らかくし、かつ、トレッド部総厚さは従来タイヤほど厚くしておく必要はないことから、最低限の摩耗ライフを考慮して所定の範囲内とした。次いで、一般公道ではないのでタイヤを傷つける路面からの異物等の心配がなく、主溝下にトレッドゴムを不要に残しておく必要はなく、少しでもタイヤを軽くして高速耐久性能の向上を図る一方、主溝下残ゴムの廃棄といった資源の無駄使いをも節約するよう努めた。さらに、走行当日の気候の変化による多少の降雨にも安全走行が行えるように、最低限度の耐ウェット性能確保のための排水溝をトレッド踏面部に配置した。このような見地から鋭意検討した結果、前記目的を達成し得るスポーツ走行用空気入りタイヤが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。また、このスポーツ走行用空気入りタイヤを、トレッドの成型において小幅ゴム片リボンストリップを用いることにより生産性良く製造することができることを見出し、本発明の製造方法を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤは、トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部および一対のビード部と、該一対のビード部間に跨設された少なくとも2層のカーカスと、該カーカスと前記トレッド部との間に該トレッド部の踏面部の幅と略同幅にて少なくとも2層のベルトと、を備えたスポーツ走行用空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部の踏面部に、周方向に延在する複数本の周方向主溝により画成された複数本の陸部列を有し、前記トレッド部が前記ベルトの直上に隣接して配置され、該トレッド部のゴムの室温下でのJIS A硬度が35〜65度で、かつ該トレッド部の総厚さが2.5〜3.5mmであり、前記周方向主溝の底部から前記ベルトの径方向最外側のベルト層までのゴム厚が実質上0mmであることを特徴とするものである。
【0011】
本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤは、好ましくは前記周方向主溝の幅が10mm以上で、かつタイヤ幅方向に隣接する周方向主溝間での溝幅中心線間距離が40mm以上である。また、前記周方向主溝幅合計のトレッド幅に対する割合が15%以上となるように複数本の周方向主溝が配設されてなることが好ましい。
尚、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤは窒素ガス等の不活性ガス充填タイヤも含むものとする。
【0012】
また、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤの製造方法は、タイヤの各種構成部材を貼り合わせて生タイヤを作製し、該生タイヤを加硫金型による加硫硬化工程に供する、一連の工程を経て上述の本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤを製造する方法において、
生タイヤ作製の最終工程であるトレッド材の貼り付け工程において、前工程で製品タイヤのベルト外面形状と近似する表面外輪郭形状にて貼り付けられたベルト材の上に、小幅ゴム片リボンストリップを螺旋状に順次連続巻回積層し押圧することによりトレッド部を形成することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の製造方法においては、前記リボンストリップの巻き付け時における幅方向送りピッチを変えることにより積層密度を幅方向に変化させることができる。また、トレッド部の周方向主溝位置では、前記リボンストリップの巻き付けピッチを不連続としても、あるいはトレッド部の周方向主溝位置で、前記リボンストリップの巻き付けピッチを略溝幅同等として巻き付けてもよい。さらに、製品タイヤの内面形状と実質的に同じ表面外輪郭を有する分割型非変形高剛体コアの外周に、少なくともカーカス材、ベルト材およびトレッド材を順次貼付けた後、得られた生タイヤを前記分割型非変形高剛体コアごと加硫金型に嵌挿して加硫硬化するか、あるいは製品タイヤの内面形状と実質的に同じ表面外輪郭を有する分割型非変形高剛体コアの外周に、少なくともカーカス材、ベルト材およびトレッド材を順次貼付けた後、得られた生タイヤを前記分割型非変形高剛体コアから取り外し、代わりに膨張可能な加硫ブラダーを嵌挿した状態で加硫金型に嵌挿して加硫硬化してもよい。高剛体コアを使用することにより、加硫時におけるゴムの無駄な流れがなくなり、ゲージ等が均一になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
本発明の好適例のスポーツ走行用空気入りタイヤにおいては、図1に示すように、一対のビード部(図示せず)間に跨がって配置された2層のカーカス層1a,1bによるカーカス1のクラウン部の径方向外側に、2層のベルト層2a,2bによるベルト2、およびトレッド部3が順に配置されている。
【0015】
カーカス1およびベルト2の構造およびコード種等は特に制限されるべきものではなく、例えば、従来の高性能系タイヤ等に採用されているものを適宜用いることができる。好ましくは、カーカス1は、タイヤ周方向に対して35〜80度の角度をもって互いに交差する向きに延びるテキスタイルコードよりなる少なくとも2層より構成する。また、ベルト2は、カーカス1とトレッド部3の踏面部との間で該踏面部幅と略同幅にてタイヤ周方向に対して15〜40度の角度をもって互いに交差する向きに延びる非伸張性コード、例えばアラミドコードよりなる少なくとも2層より構成することが好ましい。
【0016】
トレッド部3の踏面部には、周方向に延在する複数本(図示例では4本)の周方向主溝4により画成された複数本の陸部列5が存在する。最低限度の耐ウェット性能確保のためには、トレッド部3の踏面部に少なくとも複数の周方向主溝4を配置する必要がある。また、必要に応じ適宜湯溝や切欠き溝を設け、より排水性が高まるようにしてもよい。
【0017】
ここで、本発明においては、トレッド部3がベルトの直上に隣接して配置され、このトレッド部3のゴムの室温下でのJIS A硬度は35〜65度、好ましくは40〜55度の範囲内である。トレッドゴムの硬化が35度未満では柔らかすぎてトレッド部に加わるトラクション、ブレーキングフォース、コーナリングフォース等に対し満足行く速度では耐え切れず、一方、65度を超えるとハードドライビング時に路面グリップ力に劣る等、何れの場合でも限界走行感の充足度に劣る結果となる。
【0018】
また、トレッド部3の総厚さtは2.5〜3.5mmである。限界走行感の充足度を満たすためにトレッドゴムの硬度を前記範囲に設定した場合に、トレッド部総厚さtが2.5mm未満では摩耗ライフが短すぎ、一方、3.5mmより厚くては不要な摩耗ライフとなり、いずれにしても好ましくない。
【0019】
さらに、周方向主溝4の底部からベルト2の径方向最外側のベルト層2aまでのゴム厚は、実質上0mmである。本発明のタイヤは一般公道用ではなく公道外特定管理区域内でのスポーツ走行用なので、タイヤを傷つける路面からの異物等の心配がない。よって、周方向主溝4下にトレッドゴムを不要に残しておく必要はないことから、高速走行による発熱耐久性の向上、軽量化および省資源化を可能にすべく、周方向主溝の底部のゴム厚を上述のように規定する。
【0020】
本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤにおいて、周方向主溝4の幅W、タイヤ幅方向に隣接する周方向主溝4間での溝幅中心線間距離D、および周方向主溝幅Wの合計のトレッド幅TWに対する割合を夫々上述の好ましい範囲内とすることにより、最低限度の耐ウェット性能を確保することが可能となる。すなわち、溝幅Wが10mm未満では高速走行時の1本の溝としての排水性能に劣り、また距離Dが40mm未満では陸部列5の剛性が低く、必要最低限度の耐摩耗性および路面に対するグリップ性能等に劣り、さらに溝幅Wの合計のトレッド幅TWに対する割合が15%未満では最低限度の耐ウェット性能に劣ることになる。より好ましくは、溝幅Wは10〜20mmであり、距離Dは45〜55mmであり、溝幅Wの合計のトレッド幅TWに対する割合は10〜30%である。尚、ここで、トレッド幅TWはJATMA YEAR BOOK 2001に準拠するものとする。
【0021】
次に、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤを製造する方法について、具体的に説明する。
高性能系タイヤ等を製造する場合、加硫成型の時の周方向主溝形成用の金型内の凸状骨がトレッドゴムに進入して余分なトレッドゴムを脇に押しやる際に、ベルトが圧力を受けて波打ち変形を起こし、高速耐久性が劣る原因となる。そこで従来においては、これを回避するために生トレッドに予め周方向主溝に相当する部位に周方向主溝に相当する凹溝を設けておくことが効果的であった。また、ゴムは一般的に製品(加硫硬化後)硬度が低ければ、未加硫時の粘度も低い傾向にあり(図4参照)、製造工程中の横持ち移動時に垂れ下がりやすいという欠点がある。従って、従来の製造方法でトレッド部をトレッド幅相当の広幅帯状生トレッドバンドの形態で貼付け成型しようとすると、前記横持ちの際に生トレッドの凹溝を起点としてトレッドバンドが垂れ下がってしまい成型が困難になるという問題があった。よって、凹溝下にある程度のゴム厚を陸部列同士の連結用に確保しておく必要があるが、薄過ぎては垂れ下がり防止に役立たず、厚過ぎては駄肉残りとなり、いずれにしても問題を伴うものであった。
【0022】
一方、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤのように、周方向主溝下のトレッドゴム厚が実質的に0mmのトレッド部の場合は、仮に陸部列毎に別々に陸部1本ずつをベルト上に順次巻き付け成型してもよいが、これでは生産性に劣ることになる。従って、本発明の製造方法は、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤの生産性を高めるために見出されたものである。
【0023】
すなわち、タイヤの各種構成部材、例えばインナーライナー材、チェーファー材、カーカスプライ材、ビード材、スティフナー材およびサイドトレッド材などを常法に従い貼り合わせ、さらにベルト材を貼り合わせて得た生ケースに、トレッドゴムを貼り付けて生タイヤを作製する際、図3に示すように、ベルト材2上に、例えば、射出押出機から一定の形状で押出された小幅ゴム片リボンストリップ20を、製品タイヤのトレッド部の陸部に対応させて、ベルト材2の径方向外側に螺旋状に順次連続巻回積層し、かつ同周方向に連ねた陸部列5を、ベルト材2の幅方向に間隔を置いて複数形成し、押圧することにより生タイヤを完成する。
【0024】
ここで、リボンストリップ20を螺旋状に順次連続巻回積層し押圧形成する工程においては、少なくともリボンストリップ20の吐出ノズル部品または押圧部品は、ゴムとの接触面にゴムとの粘着を回避するための手段が講じられている必要がある。例えば、ゴムとの接触面をフッ素樹脂コーティングする、部品そのものをフッ素樹脂で作る、あるいは表面をクロムメッキ処理する、より好ましくは下地をショットブラスト等により梨地加工した上にクロムメッキ処理を施す、ゴムとの非粘着性に優れるエンジニアリングプラスチックを用いる、等の粘着回避手段が有効である。
【0025】
本発明の製造方法においては、リボンストリップ20の巻き付け時における幅および幅方向送りピッチを適宜変えることにより積層密度を幅方向に変化させることができ、多様なトレッドパターンに対処することができる。例えば、リボンストリップ20の幅を製品タイヤのトレッド陸部列5の幅に対応させても(図示せず)、あるいは図3に示すように、複数のリボンストリップ20を幅方向に隙間なく並べて合体させることによって陸部列5を形成させてもよい。また、トレッド部の周方向主溝4位置では、リボンストリップ20の巻き付けピッチを不連続としても、あるいはトレッド部の周方向主溝4位置で、リボンストリップ20の巻き付けピッチを略溝幅同等として巻き付けてもよく、これにより周方向主溝4底のゴム厚を実質的に0mmにすることができる。
【0026】
生タイヤの加硫硬化工程においては、製品タイヤの内面形状と実質的に同じ表面外輪郭を有する分割型非変形高剛体コアの外周に、少なくともカーカス材、ベルト材およびトレッド材を順次貼付けた後、得られた生タイヤを前記分割型非変形高剛体コアごと加硫金型に嵌挿して加硫硬化するか、あるいは製品タイヤの内面形状と実質的に同じ表面外輪郭を有する分割型非変形高剛体コアの外周に、少なくともカーカス材、ベルト材およびトレッド材を順次貼付けた後、得られた生タイヤを前記分割型非変形高剛体コアから取り外し、代わりに膨張可能な加硫ブラダーを嵌挿した状態で加硫金型に嵌挿して加硫硬化してもよく、特に加硫硬化手段は限定されるものではない。
【0027】
上述のようにして本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤを高生産性にて製造することができる。
【0028】
なお、生タイヤ作製後の加硫成型の条件についても、特に制限する必要はないが、生タイヤのベルト材と加硫金型との距離が従前に比較して短くなることから、ベルト材が従来に比し高温雰囲気に晒されることになる。よって、加硫条件は、この点等を考慮してゴム種やタイヤ構造等に応じ個別に適宜設定すればよい。
【0029】
【実施例】
図3に示すようにして、5mm幅のゴム片リボンストリップ20を5層で積み重ねた陸部列5を、15mmの間隔を置いて5列形成して生タイヤを作製した。次いで、得られた生タイヤを分割型非変形高剛体コアごと加硫金型に嵌挿して、常法に従い加硫成型に供した。このようにして図2に示すトレッドパターンを有するサイズ275/40R17のスポーツ走行用空気入りタイヤを試作した。
【0030】
試作タイヤの各種条件は下記の表1に示す通りである。また、試作タイヤのトレッド部踏面部には、図2に示すように4本の周方向主溝4の他に、各種湯溝6、7、8や切欠き溝9、10を設け、ハイグリップ性能を損なわない範囲で排水性を高めた。尚、周方向主溝4の溝深さは3mmであり、その他の溝6〜10の溝深さは2mmである。
【0031】
得られた各タイヤを、9J−17のリムに組み込み内圧を250kPaに調整してから、排気量が3000ccクラスの車両に装着し、1周6kmのテストコースをサーキット走行したときの高速コーナリング時のグリップ感、コーナー出口での加速感、直進時の加速感およびトレッドゴムの耐発熱性を夫々評価した。評価は比較例1を100として指数にて表した。数値が大なる程結果が良好である。得られた結果を下記の表1に併記する。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明のスポーツ走行用空気入りタイヤにおいては、公道外特定管理区域内でのスポーツ走行において良好なグリップ性能を示すとともに、発熱耐久性の向上、軽量化および省資源化も可能となる。また、本発明の製造方法においては、前記スポーツ走行用空気入りタイヤを高い生産性にて製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ構造を示す模式的部分断面図である。
【図2】実施例の供試タイヤのトレッドパターンを示す展開図である。
【図3】本発明に従う生タイヤにおけるトレッドゴムの貼り付け要領を示す斜視図である。
【図4】未加硫ゴム粘度とタイヤ製品硬度との関係を示すグラフである。
【図5】従来のタイヤ構造を示す模式的部分断面図である。
【符号の説明】
1 カーカス
1a,1b カーカス層
2 ベルト
2a,2b ベルト層
3 トレッド部
4 周方向主溝
5 陸部列
6,7,8 湯溝
9,10 切欠き溝
20 小幅ゴム片リボンストリップ
Claims (9)
- トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部および一対のビード部と、該一対のビード部間に跨設された少なくとも2層のカーカスと、該カーカスと前記トレッド部との間に該トレッド部の踏面部の幅と略同幅にて少なくとも2層のベルトと、を備えたスポーツ走行用空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部の踏面部に、周方向に延在する複数本の周方向主溝により画成された複数本の陸部列を有し、前記トレッド部が前記ベルトの直上に隣接して配置され、該トレッド部のゴムの室温下でのJIS A硬度が35〜65度で、かつ該トレッド部の総厚さが2.5〜3.5mmであり、前記周方向主溝の底部から前記ベルトの径方向最外側のベルト層までのゴム厚が実質上0mmであることを特徴とするスポーツ走行用空気入りタイヤ。 - 前記周方向主溝の幅が10mm以上で、かつタイヤ幅方向に隣接する周方向主溝間での溝幅中心線間距離が40mm以上である請求項1記載のスポーツ走行用空気入りタイヤ。
- 前記周方向主溝幅合計のトレッド幅に対する割合が15%以上となるように複数本の周方向主溝が配設されてなる請求項1または2記載のスポーツ走行用空気入りタイヤ。
- 空気入りタイヤの各種構成部材を貼り合わせて生タイヤを作製し、該生タイヤを加硫金型による加硫硬化工程に供する、一連の工程を経て請求項1〜3のうちいずれか一項記載のスポーツ走行用空気入りタイヤを製造する方法において、
生タイヤ作製の最終工程であるトレッド材の貼り付け工程において、前工程で製品タイヤのベルト外面形状と近似する表面外輪郭形状にて貼り付けられたベルト材の上に、小幅ゴム片リボンストリップを螺旋状に順次連続巻回積層し押圧することによりトレッド部を形成することを特徴とするスポーツ走行用空気入りタイヤの製造方法。 - 前記リボンストリップの巻き付け時における幅方向送りピッチを変えることにより積層密度を幅方向に変化させる請求項4記載の製造方法。
- トレッド部の周方向主溝位置で、前記リボンストリップの巻き付けピッチを不連続とする請求項4または5記載の製造方法。
- トレッド部の周方向主溝位置で、前記リボンストリップの巻き付けピッチを略溝幅同等として巻き付ける請求項4または5記載の製造方法。
- 製品タイヤの内面形状と実質的に同じ表面外輪郭を有する分割型非変形高剛体コアの外周に、少なくともカーカス材、ベルト材およびトレッド材を順次貼付けた後、得られた生タイヤを前記分割型非変形高剛体コアごと加硫金型に嵌挿して加硫硬化する請求項4〜7のうちいずれか一項記載の製造方法。
- 製品タイヤの内面形状と実質的に同じ表面外輪郭を有する分割型非変形高剛体コアの外周に、少なくともカーカス材、ベルト材およびトレッド材を順次貼付けた後、得られた生タイヤを前記分割型非変形高剛体コアから取り外し、代わりに膨張可能な加硫ブラダーを嵌挿した状態で加硫金型に嵌挿して加硫硬化する請求項4〜7のうちいずれか一項記載の製造方法。
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