JP3969715B2 - 給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、特に画像形成装置に用いられる給紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の複写機、FAX、プリンタなどの給紙装置では、寿命部品となる給紙コロの交換を容易にするため、樹脂製のハブ外周にゴムを圧入して一体とし、スナップフィット式の爪やリング部材によって軸支していた。このような給紙コロは交換性は容易であるが、ハブ部とゴム部が圧入されているため両者を一体で交換しなければならない。寿命のため交換する必要が生じるのはゴム表面の摩擦が減少するためであり、本来ハブ部は交換する必要のないものである。環境問題や資源再利用が叫ばれている昨今では、摩滅などの伴わない再使用可能な部品に関しては製品再使用することが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし一体となっているハブ部とゴム部は、回収後に再利用しようとする場合樹脂とゴムを分離する必要があり、両者は圧入状態であるため分離するには圧入力に逆らって軸方向に抜くか、ゴム部を切り裂いて分解するしかない。何れの方法も作業に煩雑さを伴う上、後者の方法ではハブ部に傷を付けることがあるため、製品再使用可能なハブ部までも再生材料としてしか再利用できなかった。
【0004】
更に交換する必要のない部分まで交換部品に含めることで装置の維持に余分な費用を生じることになり、使用者に経済的な負担を強いる結果となっていた。
【0005】
また、従来、ハブ部からのゴム部の着脱が容易になるように工夫したものもあったが、何れもゴム圧入力に逆らって着脱しなければならないことに変わりはなく、保守担当者なら可能であっても一般使用者に強いるには無理があった。
【0006】
本発明は上記問題を鑑み、給紙コロの交換操作が容易で、環境問題に考慮した、かつ維持費が安価な給紙装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、用紙を積載する用紙積載手段と、用紙積載手段から用紙を繰り出す給紙コロとを有する給紙装置において、前記給紙コロは軸に支持されるためのハブ部と、ハブ部外周に支持されるホルダ部と、ホルダ部外周に形成されたゴム部から構成され、前記ハブ部と前記ホルダ部に互いに回転方向を伝達する嵌合部を設け、かつ前記ハブ部と前記ホルダ部は軸方向に着脱自在に構成され、前記軸方向に対し前記ホルダ部を前記ハブ部に固定する手段を有し、前記ホルダ部と前記ゴム部は該ゴム部の弾性力によって圧入保持され、かつ前記ホルダ部は、前記ゴム部とは異なる材料により構成され、前記ゴム部の弾性力に抗して円筒形状を維持し、更に外周部に圧力を加えることで容易に変形可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項記載の発明では、請求項1記載の給紙装置において、ホルダ部はポリエチレンテレフタレートもしくは紙によって成形され、かつ円筒は人力で変形可能なことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1に示すように、本発明の給紙トレイ1は積載された用紙を繰り出すための給紙コロ2が設けられており、トレイのほぼ全幅に掛け渡された軸3のほぼ中央に軸支されている。軸3は端部に設けられたカップリング4が、図示しない駆動部と連結されることにより回転され、さらに軸3に支持された給紙コロ2が回転することで置載された用紙を次工程へ搬送するものである。
【0012】
次に給紙コロ2の詳細について図2、3に基づき説明する。給紙コロ2はハブ10、ホルダ11、ゴム12の3体から成っている。ハブ10は軸3に圧入されたスプリングピン3aと嵌合し、軸3と一体となって回転する。また、軸3に設けられた溝3bに対応する位置に凸部10aを設けており、ハブ10が軸方向に移動しないよう規制されている。ハブ10を軸3の所定位置に組み付けるには、ハブ10を図の左方向より軸3に挿入し、凸部10a内径と軸3の外径による負荷に逆らって圧入し、更にスプリングピン3aと嵌合させた上で溝3bと凸部10aを合わせるという手順となる。
【0013】
一方ハブ10の外周部には、図中左側端部に半径方向外向きに凸形状となる爪10bを有し、かつ図右端にはツバ10cを有し、両者でホルダ11の両端部押さえることでその軸方向の動きを規制している。更にツバ10c根元には一つ以上の凸形状10dを有しており、ホルダ11の凹形状11aと嵌合することでホルダ11とハブ10が一体となって回転される。ハブ10は例えばABS樹脂に代表されるようなある程度弾性を持った樹脂材料によって成形され、凸部10aの圧入や爪10bの弾性変形はその弾性力によってなされる。爪10bを半径方向内側に撓ませることでホルダ11を取り外すことが出来る。ホルダ11は端部にハブ10の凸形状10dに対応した凹形状11aを有しており、その凹形状11aを両端に複数個有することで、使用者がホルダ11をハブ10に挿入する際に方向や位置を考慮する必要がないように配慮されている。
【0014】
また、ホルダ11の凹形状11aとハブの凸形状10dとが嵌合した位置で、ハブ10の爪10bがホルダ11端部の平坦な部分11bに合致するよう構成されている。ハブ10の爪10b、凸形状10dおよびホルダ11の凹形状11a、平坦部11bはそれぞれハブ10に対しホルダ11をどちら向きに挿入しても嵌合・合致するように位置関係を合わせて構成されている。更にホルダ11は外周にゴム12を圧入されており、その圧入力はホルダ11外周面とゴム12内周面の摩擦によって、給紙コロ2が給紙動作をするときに両者間に滑りを生じないよう設定されている。
【0015】
ホルダ11はその材質をPETまたは紙による薄肉の筒形状を成している。その肉厚はゴム12の締付け力に勝るものの、人の手で握りしめるなどの外部からの力を受けると容易に変形するように形成されており、ホルダ11とゴム12を一体でハブ10より外した後両者を容易に分離出来るように配慮されている。また、PET(ポリエチレンテレフタレート)あるいは紙に代表される再生利用が比較的容易なもので形成することで、更に環境に配慮されている。
【0016】
本実施例の場合、ハブ10の端部にリブによる傾斜面10eを設けているので、取り付けるホルダ11が予め内側に変形していたとしても、ハブに挿入する際傾斜面10eおよび外周によってホルダは元の真円に戻るので取付後の使用に支障はなく、ホルダ11肉厚を更に薄くすることも可能である。
【0017】
上記実施例では給紙コロ2が軸3と一体に駆動される構成について説明したが、例えばハブ10の端部にギヤを形成しこれに他の駆動手段から駆動を得ることで給紙コロ2が軸3に対して空転する構成となるものについても、本発明が有効であることは言うまでもない。また、実施例では給紙トレイ1に渡された軸3中央に給紙コロ2を有する構成について述べたが、本発明はこれに限定されるものでなく、給紙トレイ1とは別体に装置本体側に軸3が設けられ、そこに給紙コロ2を有する場合、更にその軸3の軸端に給紙コロ2が支持された構成をとる場合についても同様に効果を有することは言うまでもない。
【0018】
ハブ10とホルダ11の嵌合を成す凹凸形状10d、11aは上記実施例にのみ依るものではなく、その凹凸形状を逆としても良い。また、実施例では凹凸形状を三角形としたがこれに限定されるものではなく、U字形等同業技術者が一般に用いる形状でも良いことは言うまでもない。更に、上記実施例ではホルダの左右両端に凹形状を形成したが、ハブと嵌合させる側(図中右側)だけに設け他端を平坦としても良い。その場合、使用者にホルダの挿入方向を明示しなければならないことは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記す構成によれば、ハブ部を装置に残しホルダ部を含むゴム部のみ交換可能であるので、交換操作が容易で、環境問題に考慮し、かつ維持費が安価な給紙装置の提供が可能になり、しかも、簡素な構成で駆動伝達を可能とする信頼性の高い装置となり、更にはホルダ部とゴム部との分離が容易となり、それぞれが分別廃棄もしくは再生可能となるので、より環境問題に考慮した装置を提供することができる。
【0022】
請求項の構成によれば、上記請求項の効果に加え、ホルダ部を再生可能材として実績のある材質によって軟剛性に構成したので、より交換作業性に優れかつ環境問題に配慮した装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例の構成を示す正面断面図および側面図である。
【図3】本発明の実施例の各々の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 給紙トレイ
2 給紙コロ
3 軸
3a スプリングピン
3b 溝
4 カップリング
6 軸受
10 ハブ
10a 凸部
10b 爪
10c ツバ
10d 凸形状
10e 傾斜面
11 ホルダ
11a 凹形状
11b 平坦部
12 ゴム1

Claims (2)

  1. 用紙を積載する用紙積載手段と、用紙積載手段から用紙を繰り出す給紙コロを有する給紙装置において、
    前記給紙コロは軸に支持されるためのハブ部と、ハブ部外周に支持されるホルダ部と、ホルダ部外周に形成されたゴム部から構成され
    前記ハブ部と前記ホルダ部に互いに回転方向を伝達する嵌合部を設け、かつ前記ハブ部と前記ホルダ部は軸方向に着脱自在に構成され、前記軸方向に対し前記ホルダ部を前記ハブ部に固定する手段を有し、
    前記ホルダ部と前記ゴム部は該ゴム部の弾性力によって圧入保持され、かつ前記ホルダ部は、前記ゴム部とは異なる材料により構成され、前記ゴム部の弾性力に抗して円筒形状を維持し、更に外周部に圧力を加えることで容易に変形可能であることを特徴とする給紙装置。
  2. ホルダ部はポリエチレンテレフタレートもしくは紙によって成形され、かつ円筒は人力で変形可能なことを特徴とする請求項記載の給紙装置。
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