JP4084720B2 - 給紙装置 - Google Patents
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Description
環境問題や資源再利用が叫ばれている昨今では、摩滅などの伴わない再使用可能な部品に関しては再使用することが望ましい。しかし一体となっているハブとゴムは、回収後に再利用しようとする場合には樹脂とゴムを分離する必要があり、両者は圧入状態であるため分離するには圧入力に逆らって軸方向に抜くか、ゴムを切り裂いて分解するしかない。
何れの方法も作業に煩雑さを伴う上、後者の方法ではハブに傷を付けることがあるため、製品再使用可能な筈のハブまでも再生材料としてしか再利用できなかった。さらに交換する必要のない部分まで交換部品に含めることで装置の維持に余分な費用を生じることになり、使用者に経済的な負担を強いる結果となっていた。
また、ハブからのゴムの着脱が容易になるように工夫したものもあったが、何れもゴム圧入力に逆らって着脱しなければならないことに変わりはなく、保守担当者なら可能であっても一般使用者にその作業を強いるには無理があった。
そこで本発明の目的は、上記の問題点を解決するために、給紙コロの交換操作が容易で、環境問題に考慮した、かつ維持費が安価な給紙装置を提供することにある。
本発明では、前記ホルダが、前記ハブへの非嵌合時、円筒形を展開したシート状である給紙装置を主要な特徴とする。
本発明では、前記スリットは円筒の軸方向に対して斜めもしくは山形をなしている給紙装置を主要な特徴とする。
本発明では、前記ホルダがPET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)もしくは紙によって成形されている給紙装置を主要な特徴とする。
本発明によれば、非嵌合時ホルダは可逆変形可能なシート状をなすように構成したので、部品作成および輸送、保管に要する省エネルギ、省資源化が可能となり、安価でかつ環境負荷の小さな給紙装置を提供できる。
本発明によれば、スリットは円筒の軸方向に対して斜めもしくは山形をなすように構成したので、用紙先端折れや分離パッド振動による異音などの不具合を防ぐことが可能となり、信頼性の高い給紙装置を提供できる。
本発明によれば、ホルダを再生可能材として実績のある材質であるPET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)もしくは紙によって軟剛性に構成したので、に交換作業性に優れかつ環境負荷の小さな装置を提供することができる。
軸3は端部に設けられたカップリング4が、図示しない駆動部と連結されることにより回転され、さらに軸3に支持された給紙コロ2が回転することで載置された用紙を次工程へ搬送する。
図2は図1のコロの詳細を示す部分断面正面図である。図3は図2のコロの左側面図である。図4は図2のコロの右側面図である。図5は図2のゴムを示す正面図である。図6は図2のハブを示す正面図である。図7は図2の軸を示す正面図である。図8は図12のゴムとホルダを示す斜視図である。
また、ハブ10は軸3に設けられた溝3bに対応する位置に凸部10aを設けており、これによってハブ10が軸方向に移動しないよう規制している。ハブ10を軸3の所定位置に組み付けるには、ハブ10を図の左方向より軸3に挿入し、凸部10a内径と軸3の外径による負荷に逆らって圧入し、さらにスプリングピン3aと嵌合させた上で溝3bと凸部10aを合わせるという手順となる。
一方、ハブ10の外周部には、図中左側端部に半径方向外向きに凸形状となる爪10bを有し、かつ図右端にはツバ10cを有し、両者でホルダ11の両端部を押さえることでその軸方向の動きを規制している。
さらに図6にも示すようにツバ10cの根元には1つ以上の凸形状10dを周方向に沿って所定のピッチにて配置しており、図5にも示したホルダ11の凹形状11aと嵌合することによってホルダ11とハブ10が一体となって回転される。
ハブ10は、例えばABS樹脂に代表されるようなある程度弾性を持った樹脂材料によって成形され、凸部10aの圧入や爪10b(図5参照)の弾性変形はその弾性力によっている。爪10bを半径方向内側に撓ませることによってホルダ11との係合を解除してホルダを取り外すことができる。
また、ホルダ11の凹形状部11aとハブの凸形状部10dとが嵌合した位置で、ハブ10の爪10bがホルダ11端部の平坦な部分11bに合致するように構成されている。
ハブ10の爪10b、凸形状部10dおよびホルダ11の凹形状11a、平坦部11bはそれぞれハブ10に対しホルダ11をどちら向きに挿入しても嵌合・合致するように位置関係を合わせて構成されている。
図5に示すように、ホルダ11にはスリット11cが軸方向に設けられている。ホルダ11はハブ10を挿入した状態ではその外周のゴム12と所定以上の圧力で接しており、ホルダ11外周面とゴム12内周面の摩擦によって、給紙コロ2が給紙動作をするときに両者間に滑りを生じないよう設定されている。
そのためゴム12からホルダ11を容易に抜き出す(B方向)ことが可能であり、両者を容易に分離できる。ホルダ11はその材質をPET、PPまたは紙による薄肉形状をなしているので、人の手などの外部からの力を受けると容易に変形可能なように構成されている。
また、分離後は新しいゴム12の内径にホルダ11を、径を小さくしながら挿入し、ハブ10に装着することで新しい給紙コロとして使うことが可能である。ハブ10の端部にはリブによる傾斜面10eを設けている。
したがって、取り付けるホルダ11が予め内側に変形していたとしても、ハブ10に挿入するさい傾斜面10eおよび外周によってホルダ11はゴム12の締め付け力に逆らって元の真円に戻るので取り付け後の使用に支障はない。
このときゴム12の締め付け力に逆らって挿入することにはなるが、ゴム12とハブ10の間にゴムに比して摩擦の小さいホルダ11が介在しているので、ゴムを直接ハブに挿入する従来の方式に比べると、容易に挿嵌することが可能である。本発明の構成によれば、寿命部品であるゴム部のみを交換できるので、環境保護に大きく貢献することができる。
また、部品の輸送や保管に対する空間も少なくなるため、この点でも環境負荷が小さい。さらにまた、ホルダ11を破損や劣化によって交換することが必要となっても、PET、PPあるいは紙に代表される再生利用が比較的容易なもので形成されているので、この点からも環境に配慮されている。
図10はホルダに設けるスリットの第1の変形例を示す概略図である。図11はホルダに設けるスリットの第2の変形例を示す概略図である。図10および図11において、ホルダ11のスリット11cを軸心に対し斜め(図10)および山形(図11)に形成した変形例を示している。
ホルダ11を円筒形状にしてハブ10に嵌合したさい、スリット11cに多少なりの隙間が生じることがある。このときこの隙間がゴム12の表面に凹形状となって現れるため、用紙先端折れや分離パッド振動による異音などの不具合を生じる場合がある。
これらの変形例ではスリット11cを斜め111cもしくは山形211cとすることによってゴム12の表面の凹形状が周方向に分散し、上記の不具合の発生を防いでいる。
また、実施の形態では給紙トレイ1にわたされた軸3中央に給紙コロ2を有する構成について述べたが、本発明はこれに限定されるものでなく、給紙トレイ1とは別体に装置本体側に軸3が設けられ、そこに給紙コロ2を有する場合、さらにその軸3の軸端に給紙コロ2が支持された構成をとる場合についても同様に効果を有することは言うまでもない。
ハブ10とホルダ11の嵌合を成す凹凸形状部10d、11aは上記実施の形態にのみ依るものではなく、その凹凸形状を逆としても良い。また、実施の形態では凹凸形状を三角形としたがこれに限定されるものではなく、U字形等、当該技術に熟練した者が一般に用いる形状でも良いことは言うまでもない。
1 給紙トレイ
1a 用紙積載部分
2 給紙コロ
3 軸
10 ハブ
10b 爪(固定手段)
10d ハブの凸形状部(嵌合部)
11 ホルダ
11a ホルダの凹形状部(嵌合部)
11c スリット
111c 斜めのスリット
211c 山形のスリット
12 ゴム
Claims (3)
- 用紙積載部分と、該用紙積載部分から用紙を繰り出す給紙コロと、給紙コロを支持する軸と、を備えた給紙装置において、
前記給紙コロは、前記軸に対して着脱自在に取り付けられるハブと、該ハブの外周に着脱自在に支持されるホルダと、このホルダの外周に着脱自在に嵌合される筒状ゴムから構成され、前記ハブと前記ホルダには互いに回転方向への駆動力を伝達する嵌合部を有し、かつ前記ハブと前記ホルダが軸方向に着脱自在に構成され、軸方向に対し前記ホルダを前記ハブに固定する固定手段を有し、前記ホルダが軸方向にスリットを有する円筒形であり、
前記スリットは、円筒の軸方向に対して斜めもしくは山形をなしていることを特徴とする記載の給紙装置。 - 前記円筒形のホルダを前記ハブへの非嵌合時に展開した形状が、シート状であることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
- 前記ホルダがPET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)もしくは紙によって成形されていることを特徴とする請求項1又は2記載の給紙装置。
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