JP3968328B2 - 溶射用合金粉末 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性・耐高温酸化性に優れた溶射皮膜を形成するために用いられる溶射用合金粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガスタービンの熱効率向上のために作動ガス温度の高温化を目指した研究が盛んに行なわれている。その結果、現在では、タービン入口の温度が1500℃を超えるまでに高温化が進んでいる。
【0003】
このような作動ガス温度の高温化は、高温の燃焼ガスに直接曝されるタービン翼部材の材料開発と翼の冷却技術の進歩によるところが大きく、現在でも重要な研究課題となっている。とくに、タービン動翼は、運転時の遠心力によるクリープ変形や起動、停止に伴う熱疲労、機械的振動による高サイクル疲労さらには燃焼ガスや燃焼用空気中に含まれる海塩粒子、硫黄およびバナジウムなどの不純物による腐食作用を受けるため、タービン動翼部材の材料開発は重要である。
【0004】
一方、タービン静翼は、前記タービン動翼の前面に配設され、燃焼ガスの案内弁的な働きをしているものである。そのため、タービン静翼は、動翼に比較して一段と高い温度に曝される環境下にあり、動翼と同じように高い熱応力や熱衝撃の他、高温酸化や高温腐食を受けやすい状態にある。そのため、これらのタービン動静翼には、高温強度特性に優れたNi基合金やCo基合金が使用されており、これらの合金は、現在の高温化されたガスタービンにおいては、構成材料の中で重要な地位を占めている。
【0005】
しかしながら、これらのNi基合金やCo基合金の類は、高温における強度を重視して開発されているため、強度向上への寄与が小さいAlやCr,Siなどの耐高温酸化特性の改善に有効な金属成分の含有量が低く抑えされており、そのため現在の使用温度が高温化したガスタービンの構成材料としては、耐酸化性とくに耐高温酸化特性が十分ではないという問題がある。そのため、タービン動静翼の表面に耐高温酸化性に優れた皮膜を形成させることで、耐高温酸化性を改善する方法が従来から検討されており、現在までに、多数の皮膜形成技術や、そのためのコーティング材(皮膜材料)に関する技術が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1および特許文献2には、タービン動静翼の表面に、Cr拡散浸透法を用いて高Cr濃度層を形成し、耐高温酸化特性を向上させる技術が開示されている。しかし、これらの技術は、ガスタービンの運転温度が低い場合には有効であるが、現在のような1500℃以上の運転環境下で使用する場合には、翼表面に形成されたCr層が蒸気圧の高いCrO3となって揮散してしまい、優れた耐高温酸化性は期待できない。
【0007】
この問題を解決するものとして、ガスタービンの動静翼および燃焼器内筒(尾筒含む)などの高温部に、電子ビーム蒸着法や溶射法によって、MCrAlX合金と呼ばれる耐高温酸化特性に優れる皮膜を被覆する技術が開発されている。ここで、MCrAlX合金におけるMは、Ni,CoあるいはFeの単独あるいはこれら複数の元素からなる合金であり、Xは、Y,Hf,Se,Ce,La,Th,Pt,BおよびSiなどの元素を示す。この技術は、現在の高温化したガスタービンはもとより、ジェットエンジン部材等にも幅広く利用されている。
【0008】
このMCrAlX合金については、使用目的に応じて種々の化学組成のものが多数提案されている(例えば、特許文献3〜7参照。)。それらのMCrAlX合金の化学組成は、概ね次のような範囲内にあるものである。
(M成分)Ni:0〜75 mass%、Co:0〜75 mass%、Fe:0〜30 mass%、Cr:5〜70 mass%、Al:1〜29 mass%
(X成分)Y:0〜5mass%、Hf:0〜10 mass%、Ta:1〜20 mass%、Si:0.1〜14 mass%、B:0〜0.1 mass%、C:0〜0.25 mass%、Mn:0〜10 mass%、Zr:0〜3 mass%、W:0〜0.5 mass%、Pt:0〜20 mass%
【0009】
一方、溶射による耐熱性溶射皮膜の形成技術の他に、クロム酸水溶液を主成分とする薬剤を用いて、鋼鉄製基材の表面に、直接微細なCr23集合体の皮膜を形成させる技術が特許文献8〜11に開示されている。さらにこの技術を、各種の方法によって得た皮膜に適用し、改善する技術が開発されている。例えば、特許文献12〜16には、溶射されたセラミックス層や金属被覆層ならびに電気めっきにより形成された硬質めっき皮膜に、クロム酸を主成分とする薬剤(無水クロム酸水溶液)を利用したクロメート処理を適用し、皮膜に存在する気孔や亀裂等の欠陥部を充填・封孔処理し、これらの欠陥に起因する弊害を防止する技術が提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特許第600213号公報
【特許文献2】
特許第829784号公報
【特許文献3】
特開昭59−001654号公報
【特許文献4】
特開昭59−006352号公報
【特許文献5】
特開昭59−089745号公報
【特許文献6】
特開昭59−118847号公報
【特許文献7】
特開昭60−141842号公報
【特許文献8】
特開昭59−009171号公報
【特許文献9】
特開昭61−052374号公報
【特許文献10】
特開昭63−126682号公報
【特許文献11】
特開昭63−317680号公報
【特許文献12】
特開昭59−205480号公報
【特許文献13】
特開昭61−194187号公報
【特許文献14】
特開昭63−000487号公報
【特許文献15】
実開平03−063565号公報
【特許文献16】
特開平10−018052号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したMCrAlX合金は、粉末状態にされ、大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法および爆発溶射法などによって基材の表面に被覆される。しかし、現在、市販されている溶射用のMCrAlX合金粉末を使用することには、次のような問題がある。
【0012】
(1) 市販されているMCrAlX合金粉末は吸湿しやすい。吸湿した合金粉末は、流動性が悪く、溶射ガンへの供給が不正確かつ不安定となるため、溶射皮膜を均等な厚さに形成することができなくなる。
(2) MCrAlX合金粉末は、吸湿状態が長期に及ぶと、合金成分として含まれるCo,Cr,Al,Niなどが水酸化物や酸化物に変化し、合金としての特性を消失する。(3) 上記MCrAlX合金の吸湿性に起因した弊害を防止するためには、乾燥保管設備の増強や保管管理方式の導入などが必要とされ、生産コストの上昇を招く。
(4) また、市販のMCrAlX合金粉末は、その粒度分布が粒径1〜150μmの広範囲に拡がっている。この状態の合金粉末を溶射すると、大きな粒径の粉末は溶射熱源によって完全に溶融することなく溶射され、皮膜内に未溶融粒子となって分散する。そのため、皮膜を構成する合金粒子間の相互結合力が低下を来たすほか、金属製基材との密着力の低下の原因ともなる。
(5) 一方、微粒のMCrAlX合金粉末は、溶射熱源によって短時間で溶融し、酸化される結果、熱源中で全てが酸化物となる。この酸化物は、黒色系の微粉末となって溶射皮膜中に分散し、皮膜を構成する合金粒子間の相互結合力を弱くするとともに、金属製基材との密着性を低下させる。
(6) さらに、合金粒子が酸化した黒色の微粒酸化物は、煤のように密着性がない状態で溶射した皮膜表面に薄く付着するため、皮膜の商品価値を低下させる他、この溶射皮膜をアンダーコートとし、さらにこの上にトップコート(例えば、ZrO2系セラミックス皮膜)を積層する場合には、両層間の密着力を低下させてトップコートの剥離を促進する。
(7) さらに上記合金粉末の溶射中に発生する黒色の微粒酸化物は、いわゆるヒューム状となって溶射作業環境を汚染するため、安全衛生上も好ましくない。
【0013】
本発明の目的は、市販の溶射用MCrAlX合金粉末が抱えている上述した問題点、すなわち、吸湿性が高いために起こる粉体流動性や溶射効率の低下ならびに粉体の吸湿水分による変質などの問題点がなく、基材表面に耐熱性、耐高温酸化特性に優れた溶射皮膜を形成するのに有効な溶射用合金粉末を提案することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上述した従来のMCrAlX合金に用いる溶射技術は、その大部分が、MCrAlX合金それ自体の成分組成の調整や、溶射法などの工夫などに重点が置かれていたことから上述した問題点が生じていることに鑑み、それを解決するためには、むしろ、溶射材料である合金粉末の性状に着目した開発を行うべきではないかという視点で鋭意研究を行った。その結果、溶射材料となる耐熱合金粉末の表面に、化学的処理により酸化クロム膜を予め形成しておき、このような処理を施した粉末を溶射材料とすることにより、上記問題点が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
上記知見に基いて開発された本発明は、平均粒径が5〜100μmの、酸素含有量が0.03〜0.05 mass% MCrAlX(ただし、MはCo,NiおよびFeのうちから選ばれる1種または2種以上、XはY,Hf,Ta,Cs,La,Th,W,Si,Pt,MnおよびBのうちから選ばれる1種または2種以上)で表わされる耐熱合金粉末の表面が、クロム酸および/またはクロム酸塩を含む水溶液を付着させたのち加熱すクロメート処理によって生成させた、0.01μm以下の超微細粒子の集合体からなる厚み0.1〜10μmの酸化クロム膜からなる被覆膜を有することを特徴とする溶射用合金粉末である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明において、溶射用合金粉末の製造原料として用いる耐熱合金、好ましくはMCrAlX合金は、既知のものを用いることができる。この合金を溶射材料として使用するためには粉末化する必要があるが、その方法としては、該合金を不活性ガス雰囲気中で溶融した後、その溶融金属をノズルの先端から噴出させると同時に、その溶湯に不活性ガスのジェット流を強く吹き付けることにより粉砕して微粒化させ、それを回収する方法(ガスアトマイズ法、噴霧法などと呼ばれている)が一般的であり、本発明においてもまた、このような方法によって製造することが好ましい。
製造した粉末についてはその後、真空中もしくは不活性ガス雰囲気中で、900〜1500K×1〜30時間の熱処理を施してもよい。
【0021】
このようにして得られたMCrAlX合金からなる溶射用合金粉末は、その形状が球状を呈したものになる。なお、この粉末は、不活性ガス雰囲気中で製造、熱処理されるため、酸化物量は比較的少なく、発明者らの調査によると、酸素含有量は0.03〜0.05 mass%程度である。しかし、得られる粉末の粒径は、150μm程度の大きいものから1μm程度の小さなものまで混在している。そのため、通常は、篩を用いて分級処理し、平均粒径が5〜100μm程度となるように処理した上で、溶射材料としている。しかし、実際の市販品では、1μm程度またはそれ以下の微細な粒子が多量に混在しているのが実情である。
【0022】
次に、本発明に係る溶射用合金を製造するに当たっては、上記MCrAlX合金粉末を、以下に述べるような化学的処理によって、該粉末の表面に、予め薄い酸化クロム(Cr23)の膜を生成させて被覆する。その化学的処理の方法としては、まず、MCrAlX合金粉末を、無水クロム酸(CrO3)、クロム酸アンモニウム(NH4)2CrO4および重クロム酸アンモニウム(NH4)2Cr27などから選ばれるクロム酸および/またはクロム酸塩を含む水溶液(以降、「クロム酸等水溶液」と略記する)中に数分間浸漬した後、これを引き上げ、室温〜400Kで乾燥した後、さらに電気炉中で500〜800K×0.5〜5時間の加熱処理を行う。この加熱処理によって、前記MCrAlX合金粉末は、その表面に付着していたクロム酸等水溶液が、下記式に示すような化学反応を起こすことによって、Cr23の薄い膜で被覆されることとなる。なお、このような処理によって、表面にCr23膜を有する溶射用MCrAlX合金粉末を、以下、「耐熱・耐酸化性複合溶射材料」と呼ぶこととする。
【0023】
・ CrO3→1/2Cr23+3/4O2
・ (NH4)2CrO4→1/2Cr23+2NH3+H2O+3/4O2
・ (NH4)2Cr27→Cr23+2NH3+H2O+3/2O2
【0024】
本発明においては、MCrAlX合金粉末の表面にCr23膜を上述した化学的生成処理によって被覆する処理を、以下、単に「クロメート処理」と呼ぶこととする。
前記クロム酸等水溶液から生成するCr23膜は、0.01μm程度以下の超微細粒子の集合体であるため、MCrAlX合金粒子の表面を緻密に被覆することができる。また、1回のクロメート処理で生成するCr23膜の厚さは、クロム酸等水溶液の濃度によっても変化するが、30mass%のCrO3水溶液を例にとると、1回の工程では0.05〜0.10μm程度である。このクロメート処理によって生成したCr23膜は、水に不溶性であるため、再びクロム酸等水溶液に浸漬しても溶出することがない。そのため、このクロメート処理を繰り返すことによって、Cr23膜を厚く生成させることができる。
【0025】
クロム酸等水溶液中に浸漬後、引上げたMCrAlX合金粉末の表面には、余分なクロム酸等水溶液が付着している場合があるが、このような場合には遠心分離器を利用することによって、余分なクロム酸等水溶液を除くことができる。さらに本発明においては、クロム酸等水溶液への浸漬法に代えて、MCrAlX合金粉末に対してクロム酸等水溶液を噴霧する方法を用いても、粉末の表面にCr23の膜を形成することが可能である。
【0026】
本発明において、MCrAlX合金粉末の表面を覆うCr23膜の好適な厚さは、0.1〜10μmの範囲である。0.1μmより薄い場合は、本発明が目的とする充分な耐高温酸化特性を得ることができず、一方、10μmより厚くしても各別な効果が得られずに、生産コストの増加を来すだけなので好ましくない。
【0027】
ところで、粒径50μmのMCrAlX合金粉末を用いて、クロメート処理によって、その表面に0.1μm厚のCr23膜を被覆すると、合金粉末中に含まれるCr23量は約1.2 vol%程度となる。このCr23量から換算される酸素含有量は約0.26mass%程度であり、無処理のMCrAlX合金粉末を、大気中でプラズマ溶射して得た皮膜中の酸素含有量の2%前後と比較して少ない。また、同じ粒径のMCrAlX合金粒子に、10μm厚のCr23膜を被覆した場合には、Cr23は63.5 vol%の含有量となるので、クロメート処理後の合金粉末は、むしろ酸化物系サーメット粉末と言えるものとなる。さらに、MCrAlX合金粉末の粒径が5μmで、この表面に10μm厚のCr23膜を被覆した場合には、粉末の大部分がCr23となり、MCrAlX合金の含有量は0.8 vol%でしかない。この場合には、酸化物系セラミックス粉末と呼ぶ方が適当かも知れない。
【0028】
上記のように、本発明に係る溶射材料として用いるクロメート処理を施したMCrAlX合金粉末、即ち、耐熱・耐酸化性複合溶射材料の組成は、原料となるMCrAlX合金粉末の粒径と被成するCr23膜の厚さによって、合金成分と酸化物(Cr23)成分の割合が大きく変化するが、いずれの合金粉末も、本発明の目的に対しては好適に用いることができる。そこで、溶射皮膜の用途により溶射皮膜中のCr23量を調整したい場合には、表面に被覆するCr23膜厚を適宜選択すればよい。
【0029】
なお、本発明において原料として用いる耐熱合金、とくにMCrAlX合金の化学成分は以下のとおりのものである。
(M成分) Ni:0〜75 mass%、Co:0〜75 mass%、Fe:0〜30 mass%、Cr:5〜70 mass%、Al:1〜29 mass%
(X成分) Y:0〜5mass%、Hf:0〜10 mass%、Ta:1〜20 mass%、Si:0.1〜14 mass%、B:0〜0.1 mass%、C:0〜0.25 mass%、Mn:0〜10 mass%、Zr:0〜3mass%、W:0〜0.5 mass%、Pt:0〜20 mass%
【0030】
次に、MCrAlX合金粉をクロメート処理して得られた上記耐熱・耐酸化性複合溶射材料について説明する。
クロメート処理したMCrAlX合金粉末の表面には、緻密な状態でCr23膜が被覆されているため、MCrAlX合金が直接外気と接触するようなことはなくなる。しかも、Cr23膜は、水溶液の状態を出発点としているが、加熱焼成工程を経ているため、大気中の水分(湿度)を吸着することがなく、物理化学的に非常に安定した状態にある。すなわち、市販の無処理のMCrAlX合金粉末は、酸化され易いCo,Ni,Cr,Al,Yなどの金属から構成されているため、室内に放置された状態では空気中の水分を吸着して金属成分が酸化、変質するとともに合金粉末の流動性を悪くするので、常に乾燥状態にして保管する必要があるが、クロメート処理した合金粉末ではその必要性がない。また、クロメート処理した合金粉末は、流動性がよいため、溶射ガンへの供給においても、常に一定条件を長期間にわたって維持することができるので、均等な厚さの溶射皮膜の形成が可能となる。
【0031】
次に、Ni基合金の如き耐熱合金基材の表面に、上述した耐熱・耐酸化性複合溶射材料を溶射し、酸化クロム含有耐熱・耐酸化性溶射皮膜を被覆形成する方法を説明する。本発明の方法において、基材表面への溶射方法としては、例えば、減圧プラズマ溶射法、大気プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法および爆発溶射法などの方法が採用できるが、その溶射法はとくに限定されるものではない。
【0032】
なお、溶射する上記耐熱・耐酸化性複合溶射材料は、これを単独で溶射材して所望の溶射皮膜を形成することを基本とするが、無処理のMCrAlX合金粉末や酸化物系セラミックス粉末と混合して用いてもよい。
【0033】
また、上記のクロメート処理した耐熱・耐酸化性複合溶射材料を溶射することによって得られる酸化クロム含有耐熱・耐酸化性溶射皮膜を単独で被成する場合の他、無処理のMCrAlX合金粉末や他のZrO2などの酸化物セラミックスを溶射して得られるそれぞれの溶射皮膜とを、アンダーコート、中間層、トップコートとして積層して複合溶射皮膜化したりすることもできる。例えば、耐熱合金基材の表面に、クロメート処理した本発明に係る溶射用合金粉末を溶射して酸化クロム含有耐熱・耐酸化性溶射皮膜を形成することを基本とし、この溶射皮膜をアンダーコートとして、その上に、無処理の耐熱合金の溶射皮膜やZrO2などの酸化物セラミックスの溶射皮膜を中間層やトップコートとして形成する場合の他、無処理の耐熱合金の溶射皮膜をアンダーコートとして、その上に酸化クロム含有耐熱・耐酸化性溶射皮膜を形成し、必要に応じてさらにZrO2などの酸化物セラミックスの溶射皮膜を形成するなどの多層皮膜としてもよい。
【0034】
次に、MCrAlX合金などの耐熱合金粉末をクロメート処理して得られる本発明の耐熱・耐酸化性複合溶射材料を溶射して形成される溶射皮膜の特性について説明する。
基材に向けて溶射された耐熱・耐酸化性複合溶射材料は、高温の溶射熱源中で、Cr23膜とともに溶融状態となって該基材表面に衝突して付着する。このとき、球形の粒子は偏平に押し潰され、前記複合溶射材料粉末の表面に被覆されているCr23膜は破壊されて、内部のMCrAlX合金が露出した状態となる。その結果、Cr23セラミックスとMCrAlX合金とが分散状態に混在した酸化クロム含有耐熱・耐酸化性溶射皮膜が形成される。この時、MCrAlX合金粉末の表面を被覆しているCr23膜が厚ければ厚いほど、前記溶射皮膜中ならびにその表面におけるCr23の割合が多くなる。この溶射皮膜中ならびにその表面に存在するCr23は化学的に安定であるため、かかる溶射皮膜で被覆された部材を化石燃料の燃焼ガス中で使用する場合などにおいては、とくに優れた耐熱・耐高温酸化性、耐食性を発揮する。
【0035】
さらに、前記酸化クロム含有耐熱・耐酸化性溶射皮膜中に含まれるCr23は、高温状態に曝されると、このCr23と接触しているMCrAlX合金粉末中のAlと反応し、下記式のように、金属の酸化物生成自由エネルギー差を駆動力とする作用によって、Cr23とMCrAlX合金粉末粒子との界面(MCrAlX合金粉末粒子表面)に保護性(耐酸化性)に優れるAl23膜を積極的に生成する。さらに、ここで生成したCrは、燃焼ガスによって再び酸化されて、Cr23となる。このような反応によって、MCrAlX合金粉末自体の耐高温環境性も向上することになる。
【0036】
・ Cr23 + 2Al → Al23 + 2Cr
【0037】
一方、クロメート処理した本発明に係る溶射用合金粉末を溶射して得られる溶射皮膜、即ち、酸化クロム含有耐熱・耐酸化性溶射皮膜は、耐熱合金基材との界面においても、Cr23セラミックスとMCrAlX合金が混在しているため、MCrAlX合金粉末のみを溶射して形成された耐熱性溶射皮膜と比較すると、MCrAlX合金と基材とが直接接触する面積が減少する。そのために、基材とMCrAlX合金成分が相互に熱拡散するような高温環境下においては、基材の機械的特性の低下を抑制するという効果をもたらす。とくに、近年におけるガスタービンの運転温度の高温化により、タービン翼材の使用温度が上昇しているような場合においては、タービン翼の表面に形成されているMCrAlX合金等からなる皮膜中のAlなどの成分が基材中に熱拡散し、脆弱なAlの金属間化合物を生成して、基材の機械的性質を低下させる現象が問題となっている。
この点、クロメート処理した本発明に係る溶射用合金粉末を溶射して得られる酸化クロム含有耐熱・耐酸化性溶射皮膜は、上述したようにMCrAlX合金/基材間の接触面積が少ないので、基材の劣化を抑制するのに非常に有利である。
【0038】
上述したように、MCrAlX合金などの表面にクロメート処理を施してなる本発明に係る溶射用合金粉末は、優れた耐熱性と耐高温酸化特性を兼ね備えた溶射被覆部材を製造するのに好適に用いられる。
【0039】
なお、上述した耐熱合金表面への酸化クロム膜形成のための化学的処理技術は、例示したMCrAlX合金に限定されるものではなく、他のAlを含む合金粉末や、これらの金属成分を含むサーメット粉末材料にも好適に利用できる。
【0040】
【実施例】
(実施例1) 市販の各種MCrAlX合金粉末に対してクロメート処理を施し、溶射熱源に代えて、電気炉を用いた大気雰囲気中での加熱実験を行い、耐熱性・耐高温酸化特性の評価を行った。電気炉を用いた理由は、溶射熱源による加熱では、合金粉末が飛散して、加熱後の合金粉末の採取が困難だからである。表1は、供試した合金粉末の化学成分を示したもので、いずれも溶射用材料として市販されているものである。これらを化学成分から分類すると、Niを含まない合金(A)、Coを含まない合金(B,C,D,E)およびNi,Coを含む合金(F,G)に大別され、さらにG合金には、他の合金に含まれていないTaが5mass%含まれている。全ての合金に含まれている共通成分は、Al,CrおよびYであるが、Yはすべて1mass%以下の含有量である。また、これらの合金粉末の粒度を調査したところ、平均粒径は10〜30μmであるが、最大直径は50μmで、5μm以下の小粒径のものも多く、1μm以下の粒径も含まれていた。
【0041】
【表1】
Figure 0003968328
【0042】
クロメート処理は、上記の合金粉末を、30mass%のクロム酸水溶液に15分間浸漬した後引き上げ、余分な水溶液をよく除いた後、380Kで30分間乾燥し、さらに、この合金粉末を750Kで30分間焼成する処理を一工程とし、この処理工程を3回繰返して行った。加熱実験は、電気炉を用い、大気中で、1423Kで9時間加熱した後、この合金粉末を合成樹脂に埋め込み、これをエメリー紙を用いて研磨して粉末の断面を露出させ、この断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察して合金粉末の耐熱性を調べた。なお、比較例としてクロメート処理をしない無処理のMCrAlX合金粉末も同じ条件で加熱実験に供した。
【0043】
表2は、上記実験の結果を要約したもので、比較例のMCrAlX合金粉末(No.8〜14)では、粒径の小さい粉末はすべて完全に酸化され、合金の状態を維持していたのは、大粒径のものだけであった。これに対して、クロメート処理を施した本発明の合金粉末(No.1〜7)は、小さな粒径の粉末でも酸化されることなく、現形を維持しており、優れた耐高温酸化性を示すことが確認された。
【0044】
【表2】
Figure 0003968328
【0045】
図1は、上記加熱試験前後におけるMCrAlX合金粉末の断面写真の代表例を示したものである。図1(a)は、加熱試験前の合金粉末の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したもので、大小すべての粒子の断面に白色部(合金粉末粒子1)が確認できる。図1(b)は、クロメート処理をしていないMCrAlX合金粉末を高温酸化試験した後の写真であり、白色部は未酸化の合金粉末粒子1、暗色部は完全に酸化された合金粉末粒子2を示しており、かなりの粉末が完全に酸化されていることがわかる。一方、図1(c)は、クロメート処理したMCrAlX合金粉末の断面であり、小粒径の粉末でも酸化されずに健全な状態を維持している。以上の結果から、市販のMCrAlX合金粉末は、早期に酸化消耗するが、これにクロメート処理を施こすことで、酸化消耗速度を著しく遅らせることができることがわかる。
【0046】
(実施例2) 実験室内に、クロメート処理したものと処理しないMCrAlX合金粉末を、10日間放置して溶射材料とし、これらを大気プラズマ溶射法によってSUS304ステンレス鋼板(寸法300mm×300mm×3.2mmt)の表面に、目標膜厚50μmの皮膜を形成した後、鋼板を切断して溶射皮膜の厚さ分布を光学顕微鏡を用いて測定した。この試験には、表1に記載したA合金、G合金の合金粉末を用い、またクロメート処理条件は、実施例1と同条件とした。なお、比較例としてクロメート無処理の同じ合金を用いた調査を行った。
【0047】
表3は、上記観察結果を示したものであり、本発明に係るクロメート処理を施こしたMCrAlX合金粉末は、室内に放置されても水分の吸着がないため、溶射ガンへの流動が平滑で、均等な膜厚が形成されていた。これに対し、比較例の無処理の合金粉末は、水分の吸着が大きく、溶射ガンへの供給が不安定であるため、最高膜厚はクロメート処理品とほぼ同等であったが、最小膜厚が小さく不均一な皮膜であることが確認された。
【0048】
【表3】
Figure 0003968328
【0049】
(実施例3) Ni基合金の基材(外径15mmφ×長さ50mmの丸棒)の表面に、クロメート処理を5回繰返したMCrAlX合金粉末(耐熱・耐酸化性複合溶射材料)と無処理のMCrAlX合金粉末(耐熱性溶射材料)を溶射材料とし、減圧プラズマ溶射法によって100μm厚の溶射皮膜を形成した。その後、溶射した試験片を、電気炉中でアルゴンガスを流しつつ、1373K×8hrの加熱処理を行った。この加熱後の試験片を切断し、光学顕微鏡およびX線マイクロアナライザーを用いて、その断面における合金皮膜成分のNi基合金基材中への拡散状況を観察した。なお、この実験に供した合金粉末は、表1記載のA,C,E,FおよびGの5種類であり、またNi基合金基材の化学成分は、15.3mass%Cr‐7mass%Fe‐2.5mass%Ti‐2mass%Mo‐10mass%Co‐残Niであった。
【0050】
表4は、上記加熱実験による溶射皮膜成分がNi基合金基材中へ拡散した深さを測定した結果をまとめたものである。この結果から明らかなように、比較例である無処理のMCrAlX合金の溶射皮膜を形成した試験片(No.32,34,36,38,40)の拡散層厚さは88〜95μmに達しており、非常に拡散しやすいことがわかる。これに対して、クロメート処理を施こしたMCrAlX合金粉末を溶射して酸化クロム含有耐熱・耐酸化性溶射皮膜を形成した基材(No.31,33,35,37,39)では30〜45μmに止まっており、クロメート処理により被成したCr23膜の存在によって、皮膜成分の拡散を防ぎ、基材の機械的性質の低下を抑制できることがうかがえる。
【0051】
【表4】
Figure 0003968328
【0052】
(実施例4) 実施例3で基材として使用したNi基合金の試験片(寸法50mm×50mm×5mmt)の全面に、大気プラズマ溶射法と高速フレーム溶射法を用いて、表1に記載のC、D合金粉末を原料として300μm厚の溶射皮膜を形成した。なお上記合金粉末には、溶射に先立って、クロメート処理を3回繰り返したものを用いた。また、比較例として、無処理のMCrAlX合金の他、耐高温酸化用の溶射用粉末材料として広く使用されている50mass%Ni‐50mass%Cr,80mass%Ni‐20mass%Crを用い、上記と同条件で溶射皮膜を形成した。成膜後の試験片は、電気炉中において、大気中で1473K×500時間の加熱酸化試験を行い、試験前後の試験片の重量変化(減少)から、皮膜の耐熱性・耐高温酸化性を評価した。なお、上記重量の減少は、加熱による酸化によって皮膜の表面に生成した酸化膜が試験中に脱落することによって発生するもので、酸化膜が緻密で良好な耐酸化性を示すものほど脱落量が少なく、重量減少が少ない。
【0053】
表5は、上記の実験結果をまとめたものである。この結果から、無処理のMCrAlX合金粉末を溶射してなる溶射皮膜(No.43,44,47,48)の重量変化は180〜280mgの重量減少であるのに対し、クロメート処理した合金粉末を溶射してなる酸化クロム含有耐熱・耐酸化性溶射皮膜(No.41,42,45,46)の重量変化は75〜95mgの重量減少にとどまっており、クロメート処理した合金粉末を溶射材料とした溶射皮膜は、耐高温酸化性に優れていることが確認された。また、他の比較例の皮膜(No.49〜52)の重量変化は、2010〜2250mgの大きな重量減少を示し、試験を行った皮膜中で最も耐高温酸化性能に劣っていた。
【0054】
【表5】
Figure 0003968328
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る溶射用合金粉末は、ガスタービン等の高温被曝部材に被成される耐熱・耐高温酸化性皮膜の形成材料として有用であり、とくに耐熱合金粉末の表面を、Cr23膜にて被覆してなる溶射用合金粉末は、合金粉末の吸湿に伴う変質、流動性の低下を防止することができ、また溶射ガンへの材料供給が円滑となり、ひいては溶射皮膜品質の向上が期待できる。さらに、この化学的処理によってCr23膜を表面に被覆した合金粉末を溶射材料として溶射して得られる溶射皮膜は、高温での使用環境下においても、優れた耐熱・耐高温酸化特性を有する。さらに、本発明の溶射用合金粉末を用いることによって、ガスタービンの高温被曝用部材などに対する溶射加工作業、皮膜品質、皮膜性能などを溶射粉末材料の段階において改善することが可能となり、この技術分野の進歩に貢献するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高温酸化試験前後のMCrAlX合金粉末の断面を走査型電子顕微鏡で観察した写真であり、(a)は、高温酸化試験前の無処理のMCrAlX合金粒子、(b)は、高温酸化試験後の無処理のMCrAlX合金粒子、(c)は、高温酸化試験後のクロメート処理したMCrAlX合金粒子のものである。
【符号の説明】
1 合金粒子または未酸化合金粒子
2 高温酸化された合金粒子

Claims (1)

  1. 平均粒径が5〜100μmの、酸素含有量が0.03〜0.05 mass% MCrAlX(ただし、MはCo,NiおよびFeのうちから選ばれる1種または2種以上、XはY,Hf,Ta,Cs,La,Th,W,Si,Pt,MnおよびBのうちから選ばれる1種または2種以上)で表わされる耐熱合金粉末の表面が、クロム酸および/またはクロム酸塩を含む水溶液を付着させたのち加熱すクロメート処理によって生成させた、0.01μm以下の超微細粒子の集合体からなる厚み0.1〜10μmの酸化クロム膜からなる被覆膜を有することを特徴とする溶射用合金粉末。
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