JP3968206B2 - 再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声情報(オーディオ情報)がMPEGオーディオなどの符号化方式により高能率符合化された圧縮データによって音楽などの音声の再生を行う再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、音楽等のオーディオ情報の記録媒体の代表例としてCD(コンパクトディスク)がある。これは、直径12cmのディスクの片面に高密度で螺旋状に形成されたピット列によってオーディオ情報が担持されており、再生装置としてのCDプレーヤによってこれを光学的に読み出すことによりピット形状に応じて2値符号化されたデジタル信号を生成し、該信号に基づき音声の再生を行うことができる。CDは、ディスク1枚につき2チャンネル(ステレオ)で最大74分の音楽をいわゆるリニアPCM(Pulse Code Modulation)による非圧縮のデジタルオーディオデータとして記録可能であり、小型で携帯性に富む記録媒体として広く用いられている。
【0003】
また、近年では、上記CDよりもはるかに小型で携帯性に優れ且つ多量のオーディオ情報を記録することのできる記録媒体及びその再生装置が求められており、その一例としてオーディオ情報が圧縮データとして記録される記録媒体としての固体メモリと、該固体メモリに記憶された圧縮データに基づいて音楽などのオーディオ情報を再生するいわゆるソリッドプレーヤなどの再生装置が提案されている。
【0004】
圧縮データには、例えばMPEGオーディオ方式で符号化された圧縮ビットストリームデータがある。
図13は、MPEGオーディオ方式による圧縮ビットストリームデータの物理的フォーマットの一例を示す略図であり、ここでは、MPEG−4 Audio GA codingの1つであるMPEG−4 Twin VQによって符号化されたデータフォーマットにより示している。
【0005】
図13に示すように、MPEG−4 TwinVQ等の変換符号化に基づく方式の圧縮ビットストリームデータは、音声情報の所定のサンプル数をまとめて1フレームとして圧縮符号化された結果のビット列が、フレームごとに連続した形式で構成される。圧縮ビットストリームデータは、各フレームに対して固定ビットが割り当てられた固定長フレームにより構成されている。さらにここでは各フレームの先頭に、フレーム同期ワードやデコーダの動作モードを制御する情報を有するヘッダ領域が設けられている場合を想定しており、ヘッダには、圧縮ビットストリームデータの連続した各フレームの順番を表すフレームナンバN(=1,2,3,4,・・・N,N+1,・・・)が含まれている。また、各フレームが有する圧縮ビットストリームデータには、MDCT係数を復号するための量子化インデックス情報と、MDCTの逆変換を行う際に必要となるウインドウ情報と、スペクトル包絡及びゲインの量子化パラメータ情報などが含まれている。
【0006】
このような圧縮ビットストリームデータは、例えばデータの配信元からインターネットを通じてパソコンに送られ、ユーザがこのデータをパソコンに装着中の固定メモリにダウンロードすることで固定メモリに音声情報として記憶される。
【0007】
そして、上記のようにして音声情報が記憶された固体メモリがユーザにより再生装置に装着されて音声情報の再生指令がなされると、再生装置では、該指令に応じて制御部が固体メモリに記憶されている圧縮ビットストリームデータを順次バッファメモリに読み出して供給する制御を行って所定量のデータを一旦バッファメモリに蓄積し、しかる後にバッファメモリに蓄積されたデータを順次連続する所定フレーム数単位毎にバッファメモリから圧縮デコーダへ間欠的に供給する。
【0008】
圧縮デコーダは、バッファメモリから供給される所定フレーム数単位のデータを各フレームのヘッダに同期させてフレーム毎に読み込んでこれらのデータの復号変換処理を行い、しかる後に該復号変換処理に基づいて非圧縮のPCMオーディオデータを順次生成する。生成されたPCMオーディオデータは、D/A変換器に送られてアナログオーディオ信号に変換処理されて増幅器に供給される。増幅器は、アナログオーディオ信号を増幅してスピーカに供給する。その結果、スピーカからアナログオーディオ信号に応じた音楽の再生音が放音される。
【0009】
また、再生装置が音楽を再生中にユーザが再生装置に設けられた早送り指令(FF指令)釦を押しつづけることにより早送り再生指令がなされ、しかる後、ユーザがFF釦を押すのをやめることによって早送り再生指令の解除がなされて、再生装置は、再び通常の再生動作となる。
【0010】
再生装置が音楽を再生中に早送り再生指令がなされた場合は、再生装置の制御部がFF指令釦の押圧動作によるFF指令の開始に応じて、圧縮デコーダの復号変換処理を中断させて圧縮デコーダからの出力を停止させることで音楽の再生を中断させると共に、FF指令開始からの経過時間を計測開始する。従って、再生装置が早送り再生動作中は再生装置のスピーカから音が再生されない無音の状態となる。
【0011】
また、FF指令の解除がなされることにより早送り再生指令が解除された場合は、制御部がFF指令の開始から解除までの経過時間を算出した後、固体メモリから読み出すデータのフレーム位置を上記経過時間に比例したフレーム数だけ先行したフレーム位置に改めてそのフレーム位置からのデータをバッファメモリに順次供給開始する制御を行う。
【0012】
制御部は、FF指令の解除に応じて、バッファメモリに蓄積されているデータの中から改めて上述の先行したフレーム位置からのデータを圧縮デコーダへ供給開始させると共に、圧縮デコーダに対しても当該フレーム位置からのデータの復号変換処理を再開させて当該フレーム位置からのPCMオーディオデータをD/A変換器へ供給してアナログオーディオ信号を生成させて増幅器に供給する。増幅器は、供給されるアナログ信号を電流増幅すると共に、再生音のミュート解除を行ってスピーカへ供給する。その結果、再生装置は早送りされたデータのフレーム位置からの音楽の再生を再開することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、再生装置が固体メモリからの圧縮ビットストリームデータによって音楽を再生中に、ユーザによってFF指令が開始されてから指令解除されるまでの早送り再生動作中には、再生装置のスピーカから再生音が再生されないので、ユーザは、その間は再生装置によってどの程度のデータ量が早送りされているのかを聴感上の早送り音との対比で逐次容易に確認することができない。従って、ユーザは、早送り指令中に装置が果たして正常に早送り再生動作が行われているのか否かといった不安感が増大するという問題があった。
【0014】
上述した問題は、再生装置が音楽を再生中に、例えばユーザが再生装置に設けられた早戻し(REW)釦を押しつづけることにより早戻し指令(REW指令)に基づく早戻し再生指令を行った場合も同様に生じる。
【0015】
このような問題に対しては、再生装置が早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)がなされた場合は、通常の再生速度よりも速いN倍速再生(又は、N倍速逆再生)を行ってスピーカからN倍の早さの再生音(又は、逆再生音)を出力するように再生装置の各部を構成することで解決できるが、その場合には、制御部が装置各部におけるデータ処理速度を速めるべくPCMクロックの同期速度を速める調整をすることによって圧縮デコーダの複雑な復号変換処理速度を速める制御を行う必要があるばかりでなく、装置の再生回路全体が再生速度を不具合無く安定して切替える構成にする必要があり、その結果、装置各部の構成が複雑となり、コストが飛躍的に増大するので、実用的でない。
【0016】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、圧縮オーディオ情報による音声情報を再生する再生装置において、早送り再生指令(又は早戻し再生指令)がなされた場合に、音声情報の早送り再生音(又は、早戻し再生音)を擬音化した特殊音声を再生することによって、装置がデータの早送り処理中(又は、早戻し処理中)であることをユーザが容易に聴感上で確認することができる再生装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、操作部からの再生指令に基づき、音声情報が符号化された圧縮データからPCMオーディオデータを生成し、当該PCMオーディオデータに基づいて音声の再生を行う再生装置において、操作部からの各種指令に基づき装置各部の制御を行う制御部と、圧縮データをデコード処理してPCMオーディオデータを生成して順次出力する圧縮デコーダと、所定のデータ量を有する PCM オーディオデータからなるデフォルトデータを記憶する第1記憶手段と、圧縮デコーダから順次出力されるPCMオーディオデータと第1記憶手段に記憶されているデフォルトデータのいずれか一を選択して出力する切替手段とを備え、制御部は、操作部により早送り再生指令又は、早戻し再生指令がなされた場合に、切替手段を制御して、第1記憶手段に記憶されているデフォルトデータを選択的に出力するようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、再生装置が音声情報が符号化された圧縮データに基づく音声の通常再生動作中に、操作部からの早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)がなされた場合には、デフォルトデータに基づき生成される特殊音声データを切替手段が選択して出力するように制御して、当該特殊音声データに基づく特殊音声の再生動作の制御を行うので、再生装置が通常再生時における音声に代って、早送り再生指令又は、早戻し再生指令に応じた特殊音声データに基づく特殊音声を再生することができる。その結果、ユーザは、再生装置がデータの早送り処理中(又は、早戻し処理中)であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の再生装置において、デフォルトデータは、音声情報の早送り再生音又は、早戻し再生音を擬音化した特殊音声を再生するためのPCMオーディオデータからなることを特徴とする。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、操作部からの早送り再生指令(又は、早戻し指令)がなされている間は、再生装置が音声情報の早送り再生音(又は、早戻し再生音)を擬音化した特殊音声を再生するので、ユーザは、装置がデータの早送り処理中(又は、早戻し処理中)であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0021】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1乃至2に記載の再生装置において、前記圧縮デコーダから順次出力される PCM オーディオデータに基づいて順次生成される一時記憶データを順次更新して一時記憶すると共に、一時記憶中の一時記憶データを適宜繰り返し読み出して順次出力する第2記憶手段と、請求項1乃至2に記載の切替手段に代えて、 PCM オーディオデータと一時記憶データのいずれか一を選択して出力する切替手段をさらに備え、制御部は、操作部から各種指令がなされるのに先だって、第2記憶手段に一時記憶データが既に記憶されているか否かを判断し、第2記憶手段に一時記憶データが未だ記憶されていないことを判断した場合には、第1記憶手段に記憶されているデフォルトデータに基づく一時記憶データを第2記憶手段に読み込ませて一時記憶させる制御を行い、前記操作部により早送り再生指令又は、早戻し再生指令がなされた場合に、前記切替手段を制御して、前記第2記憶手段に記憶されている前記一時記憶データを選択的に出力するようにしたことを特徴とする。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、再生装置が音声情報が符号化された圧縮データに基づく音声の通常再生動作中に、制御部が、圧縮デコーダから順次出力される PCM オーディオデータに基づき一時記憶データをその都度生成して第2記憶手段に更新記憶させ、操作部からの早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)がなされた場合には、一時記憶データに基づき生成される特殊音声データを切替手段が選択して出力するように制御して、当該特殊音声データに基づく特殊音声の再生動作の制御を行う。さらに、再生装置の第2記憶手段に一時記憶データが記憶保持されていない状態のまま再生装置の電源が投入された場合に、制御部が再生指令に応じた制御動作に先立って迅速に第1記憶手段からデフォルトデータを読み出して、該読み出したデフォルトデータに基づく一時記憶データを第2記憶手段に記憶保持させるようにしたので、例えば、ユーザが再生装置の電源を投入した直後に早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)を行った場合でも、再生装置は、制御部の制御によって第2記憶手段に記憶保持中の一時記憶データに基づいて即座に早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)による特殊音声の再生をすることができる。その結果、ユーザの早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)直後においても特殊音声による再生音が途切れることがないので、ユーザが違和感なく特殊音声を聴くことができる。
【0023】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の再生装置において、一時記憶データは、音声情報の早送り再生音又は、早戻し再生音を擬音化した特殊音声を再生するための PCM オーディオデータからなることを特徴とする。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、操作部からの早送り再生指令(又は、早戻し指令)がなされている間は、再生装置が圧縮デコーダから順次出力される PCM オーディオデータに基づいて生成される一時記憶データによって音声情報の早送り再生音(又は、早戻し再生音)を擬音化した特殊音声を再生するので、ユーザは、装置がデータの早送り処理中(又は、早戻し処理中)であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0025】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の再生装置において、一時記憶データは、前記圧縮デコーダから出力される PCM オーディオデータを所定間隔で抽出して得られるデータからなることを特徴とする。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、操作部からの早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)がなされている間は、圧縮デコーダから出力される PCM オーディオデータを所定間隔で抽出して得られる一時記憶データに基づいて特殊音声データが生成されて、再生装置から該特殊音声データに基づく特殊音声が再生される。従って、ユーザは、音声情報による再生音が早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)に応じて早送り方向(又は早戻し方向)に間引きしたように聞こえる特殊音声を、聴くことができるので、装置がデータの早送り処理中(又は、早戻し処理中)であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0027】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3乃至5に記載の再生装置において、第2記憶手段は、所定数の記憶アドレスを有し、圧縮デコーダから順次出力される PCM オーディオデータに基づいて順次生成される一時記憶データを順次読みこんで、制御部が指定するアドレスに順次記録することを特徴とする。
【0028】
請求項6に記載の発明によれば、通常再生動作中は、第2記憶手段が、圧縮デコーダから順次出力される PCM オーディオデータに基づき順次生成される一時記憶データを制御部が指定する記憶アドレスの配列順に所定数の記憶アドレスに更新記憶し、操作部により早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)がなされた場合には、第2記憶手段が、当該指令時に更新記憶中の一時記憶データを記憶保持すると共に、この記憶保持した一時記憶データを制御部が指定する記憶アドレスの配列順に繰り返し読み出して順次出力データとして出力するので、再生装置は、この出力データに基づき生成される特殊音声データにより、当該指令の直前に通常再生動作により再生されていた音声に近い音声情報に基づいた特殊音声を再生することができる。その結果、ユーザは、当該指令時に再生される特殊音声を、当該指令の直前に通常再生動作により再生されていた音声に引き続き違和感無く聴くことができる。
【0029】
また、請求項7に記載の発明は、請求項3乃至5に記載の再生装置において、操作部により早送り再生指令がなされた場合には、第2記憶手段に記憶された一時記憶データを、記憶が行われた順に繰り返し読み出して順次出力データとして出力することを特徴とする。
【0030】
請求項7に記載の発明によれば、再生装置が早送り再生指令された場合には、切替手段から出力される特殊音声データにより音声情報を早送り方向に間引きしたように聞こえる特殊音声を再生することができる。従って、ユーザは、これらの特殊音声を聴くことにより装置がデータの早送り処理中であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0031】
また、請求項8に記載の発明は、請求項3乃至5に記載の再生装置において、操作部により早戻し再生指令がなされた場合には、一時記憶中の一時記憶データを、記憶が行われた順とは逆の順に繰り返し読み出して順次出力データとして出力することを特徴とする。
【0032】
請求項8に記載の発明によれば、再生装置が早戻し再生指令された場合には、切替手段から出力される特殊音声データにより音声情報を早戻し方向に間引きしたように聞こえる特殊音声を再生することができる。従って、ユーザは、これらの特殊音声を聴くことにより装置がデータの早戻し処理中であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態について図をもとに説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における再生装置D1の概略ブロック図であり、ここでは、記録媒体としての固体メモリMが装着された場合の再生装置D1のブロック図を示している。図1において、再生装置D1は、操作部1と、制御部2と、バッファメモリ3と、圧縮デコーダ4と、データ抽出回路5と、第1記憶手段としてのRAM6と、データ補正回路7と、切替SW8と、D/A変換器9と、増幅器(AMP)10と、スピーカ(SP)11を備えて構成される。
【0036】
また、固体メモリMには、ここでは、モノラル再生用の音楽情報が、先の図4に示すMPEG−4 Twin VQにより符号化された圧縮ビットストリームデータよって予め記憶保持されているものとする。固体メモリMは、再生装置D1に装着された状態で制御部2及びバッファメモリ3と電気的に接続されており、制御部2の制御指令に基づいて圧縮ビットストリームデータを制御部2に指定された読み出し開始位置に相当するフレーム位置から順次バッファメモリ3に送ることができる。
【0037】
操作部1は、再生装置D1の再生指令、停止指令、早送り(FF)指令、早戻し(REW)指令、早送り再生指令、早戻し再生指令、等の各種指令を行うための操作釦を有する。ユーザが操作部1の操作釦を操作することにより適宜これらの指令がなされた場合には、操作部1がその旨の指令を制御部2に送る。制御部2は、操作部1からのこれらの指令に基づいて再生装置D1の各部の制御を行う。
【0038】
バッファメモリ3は、操作部1の再生指令に応じた制御部2の制御により、固体メモリMから順次送られてくる圧縮ビットストリームデータを一旦蓄積し、しかる後に蓄積されたデータを連続する所定フレーム数単位で圧縮デコーダ4へ順次間欠的に供給する。また、バッファメモリ3は、制御部2がデータの読み出し開始位置を指定した場合には、当該読み出し開始位置に相当するフレームからのデータを順次読み出して、上記のように圧縮デコーダ4へ順次間欠的に供給する。
【0039】
図2は、圧縮デコーダ4の概略ブロック図である。圧縮デコーダ4は、操作部1の再生指令に応じた制御部2の制御のもとで、バッファメモリ3から順次供給されるデータを読み込んでビットストリームアナライザ21により、MDCT係数の量子化インデックス情報と、ゲイン量子化インデックス情報と、スペクトル包絡及びゲインの量子化パラメータ情報と、ウインドウ情報を算出し、それぞれ、MDCT係数逆量子化部22、ゲインデコード部23、スペクトル包絡再生部24、逆MDCT部25に供給する。その結果、圧縮デコーダ4では、読み込んだデータを変換ブロックごとに、MDCT係数逆量子化部22がMDCT係数の量子化インデックス情報を用いてMDCT係数の逆量子化処理を行い、次いで、ゲインデコード部23がゲイン量子化インデックス情報を用いてゲインのデコード処理を行い、次いで、スペクトル包絡再生部24がスペクトル包絡及びゲインの量子化パラメータ情報を用いてスペクトル包絡再生処理を行い、次いで、MDCT係数逆正規化部26がMDCT係数の逆正規化を行った後、逆MDCT部25がウインドウ情報を用いて逆MDCT変換処理することにより圧縮ビットストリームデータの復号変換処理を行う。これにより、圧縮デコーダ4は、制御部2が生成する所定の周波数のPCMクロックに同期した非圧縮のモノラルのPCMオーディオデータ(PCM音声データ)を生成する。圧縮デコーダ4は、生成したPCMオーディオデータを順次出力してデータ抽出回路5及び切替SW8へ供給する。なお、ここでは、圧縮デコーダ4から出力されるPCMオーディオデータは、16bit構成のデジタルデータとする。
【0040】
データ抽出回路5は、圧縮デコーダ4から順次出力される16bitのPCMオーディオデータから上位8bitのデータを順次抽出し、これをビット数変換データとしてRAM6へ順次供給する。データ抽出回路5が16bitのPCMオーディオデータから上位8bitのデータを抽出するのは、後述するRAM6のRAMアドレス容量、つまり、記憶可能なデータbit数を節約して8bitのデータに対応させたためである。
【0041】
第1記憶手段としてのRAM6は、所定数(ここではm個)の記憶アドレス(RAMアドレス)を有する。
図3は、RAM6のRAMアドレス空間を表した模式図である。同図に示すように、RAM6には、それぞれ8bitのデータが記憶可能なm個のRAMアドレス(A0〜Am-1)が図3に示す配列順に設けられているものとする。
【0042】
RAM6は、操作部1の再生指令に応じた制御部2の制御により、データ抽出回路5から順次供給される上記ビット数変換データから所定のフレーム単位のデータを順次所定の同期間隔で間引いて抽出し、図3に示すm個のRAMアドレスにA0からAm-1の配列順に順次更新して上書きを繰り返すことにより常にm個の8bitの区分データからなる一時記憶データを更新記憶する。一時記憶データは、早送り再生指令及び早戻し再生指令のそれぞれに応じて再生される後述する特殊音声を例えば5秒分生成するためのデータである。
【0043】
また、RAM6は、操作部1からの早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)に応じた制御部2の制御により、これらの一時記憶データを制御部2が指定するRAMアドレス順に繰り返し読み出して順次データ補正回路7へ出力データとして供給することができる。
【0044】
データ補正回路7は、操作部1からの早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)に応じた制御部2の制御によりRAM6から連続して繰り返し供給される8bit構成の一時記憶データの各RAMアドレス毎のデータにそれぞれ下位8bit分の0データを加算して16bit構成の連続したPCMオーディオデータからなる特殊音声データを順次生成し、これを切替SW8へ供給する。
【0045】
上述したデータ抽出回路5から出力されるビット数変換データに基づいて一時記憶データを生成しRAM6に更新記憶させるデータ書き込み動作、及び、RAM6が記憶保持する一時記憶データをデータ補正回路7へ供給させるデータ読み出し動作は、制御部2が有するアドレス制御信号発生器12から出力される各制御信号に基づき行われる。
【0046】
図4は、アドレス信号発生器12からRAM6へ出力される各制御信号を表した図である。アドレス信号発生器12からは、制御信号としてアドレス信号(ADR信号)、ライトイネーブル信号(WE信号)、リードイネーブル信号(RE信号)が出力される。
【0047】
ADR信号は、RAM6のRAMアドレスを指定するための制御信号である。WE信号は、ADR信号によって指定されたRAMアドレスに一時記憶データを書き込むための制御信号である。RE信号は、ADR信号によって指定されたRAMアドレスに既に書き込まれている一時記憶データをRAM6から出力させてデータ補正回路7へ供給するための制御信号である。
【0048】
これらの各制御信号は、制御部2によって生成される所定の周波数のPCMクロックに同期して出力される。なお、ADR信号は、後述するように、データ書き込み動作時とデータ読み出し動作時ではそれぞれの場合に応じたタイミングでRAM6の各RAMアドレスを指定するように出力される。
【0049】
制御部2は、操作部1からの再生指令に応じてアドレス制御信号発生器12からデータ書き込み動作におけるADR信号と、WE信号をRAM6に出力することにより、データ抽出回路5から出力されるビット数変換データに基づく一時記憶データを生成してRAM6に更新記憶させることができる。
【0050】
図5は、RAM6のデータ書き込み動作時においてRAM6に入力されるビット数変換データ及びWE信号及びADR信号の各波形を上述した制御部2のPCMクロック波形に同期させて示した波形図である。
【0051】
図5に示すように、PCMクロックは、所定の周波数(例えば、48kHz)の連続した矩形パルスからなる。また、ビット数変換データは、上述したように圧縮デコーダ4から順次出力される16bitのPCMオーディオデータに基づいて生成された8bitの連続したデータであり、PCMクロックの所定数のクロック周期に同期した区分データDn(=D0,D1,D2,D3,...)が時間方向に連続して生成されている。
【0052】
WE信号は、ビット数変換データの区分データを一定間隔で間引いて抽出するためのパルス信号であり、本実施形態では、WE信号は、図5に示すように、1個の区分データ間隔に相当する幅のゲートパルスを4個の連続した区分データに対し1回の割合で発生することにより、ビット数変換データから区分データを4対1の割合で間引いて抽出する。
【0053】
データ書き込み動作時におけるADR信号は、WE信号の各ゲートパルスに同期してRAM6のRAMアドレスをA0からAm-1の配列順に順次指定するための制御信号である。
【0054】
制御部2は、操作部1から再生指令がなされた場合には、アドレス制御信号発生器12からPCMクロックに同期したWE信号及びADR信号を図5に示すタイミングでRAM6に出力し、ビット数変換データから、一定時間毎に区分データを順次4個に1個の割合で間引いて抽出する。
【0055】
また、抽出された各区分データは、それぞれADR信号が指定するRAMアドレスに順次書き込む。その結果、RAM6のm個のRAMアドレス(A0,A1,A2,...,Am-1)には、それぞれ対応するm個の区分データ(D0,D1,D2,...,Dm-1)が順次書き込まれ、続いてRAMアドレスA0に区分データDmが上書きされ、次にRAMアドレスA1に区分データDm+1が上書きされ、以下同様にして順次各RAMアドレスに新に抽出された区分データが上書きされる。RAM6は、これを繰り返すことで常にm個の8bitの区分データからなる一時記憶データを更新記憶する。
【0056】
また、制御部2は、操作部1からの早送り再生指令又は早戻し再生指令のいずれかの指令に応じてアドレス制御信号発生器12からRE信号及び当該指令に応じたADR信号をRAM6に出力することにより、そのときにRAM6が記憶保持する一時記憶データを繰り返し読み出して当該指令に応じた出力データをRAM6から出力させてデータ補正回路7へ連続して供給させることができる。
【0057】
図6は、操作部1から早送り再生指令がなされた場合にアドレス制御信号発生器12から出力されるRE信号と、早送り再生指令がなされた場合のデータ読み出し動作時におけるADR信号と、早送り再生指令に応じたデータ読み出し動作によってRAM6から出力される出力データの各波形を上述した制御部2のPCMクロック波形に同期させて示した波形図である。
【0058】
図6に示すように、操作部1から出力される上記データ読み出し動作時におけるADR信号は、上述したPCMクロックのクロック周期に同期してRAM6の各RAMアドレスに記憶保持中のm個の区分データからなる一時記憶データの各区分データに対応するRAMアドレスを、A0から Am-1の配列順に順次指定するための制御信号である。
【0059】
また、RE信号は、RAM6が記憶保持中の一時記憶データを区分データの先頭位置から読み出すための制御信号である。
【0060】
制御部2は、操作部1から早送り再生指令がなされた場合には、当該指令に応じて、そのときRAM6のRAMアドレス(A0〜Am-1)に更新記憶していたm個の8bitの区分データからなる一時記憶データを記憶保持すると共に、アドレス制御信号発生器12からRE信号及び、早送り再生指令がなされた場合のデータ読み出し時におけるADR信号を図6に示すタイミングでRAM6に出力し、当該ADR信号が順次指定するRAMアドレスから区分データを順次読み出す制御を行う。
【0061】
これにより、RAM6の各RAMアドレスに記憶保持されたm個の区分データ(D0,D4,D8,...,D4m-4)が、ADR信号が指定するRAMアドレス順に順次繰り返し出力データとして出力される。
【0062】
また、図7は、操作部1から早戻し再生指令がなされた場合にアドレス制御信号発生器12から出力される上記RE信号と、早戻し再生指令がなされた場合のデータ読み出し動作時におけるADR信号と、早戻し再生指令に応じたデータ読み出し動作によってRAM6から出力される出力データの各波形を制御部2のPCMクロック波形に同期させて示した波形図である。
【0063】
図7に示すように、操作部1から早戻し再生指令がなされた場合のADR信号は、先の図6に示した早送り再生指令がなされた場合におけるADR信号で指定したRAM6の各RAMアドレス順とは逆のRAMアドレス順、即ち、Am-1からA0の配列順に順次RAMアドレスを指定するための制御信号である。
【0064】
制御部2は、操作部1から早戻し再生指令がなされた場合には、当該指令に応じて、アドレス制御信号発生器12から上述した早送り再生指令がなされた場合と同様のRE信号を出力すると共に、早戻し再生指令がなされた場合のデータ読み出し動作時におけるADR信号を図7に示すタイミングでRAM6に出力し、当該ADR信号が順次指定するRAMアドレスから区分データを順次読み出す制御を行う。
【0065】
これにより、RAM6の各RAMアドレスに記憶保持されたm個の区分データ(D4m-4,D4m-8,D4m-12,...,D0)が、ADR信号が指定するRAMアドレス順、即ち、Am-1からA0に向かう順に順次繰り返し出力データとして出力される。
【0066】
また、図1に示すように、切替SW8は、圧縮デコーダ4から供給されるPCMオーディオデータとデータ補正回路7から供給される上記特殊音声データとを、制御部2の制御により適宜択一的に切替えてD/A変換器9へ供給する。D/A変換器9は、切替SW8によってPCMオーディオデータが選択されて供給される場合は、該PCMオーディオデータをD/A変換してPCMオーディオデータによるアナログオーディオ信号を生成して増幅器10に供給する。また、切替SW8によって特殊音声データが選択されて供給される場合は、該特殊音声データをD/A変換して特殊音声データによるアナログオーディオ信号を生成して増幅器10に供給する。
【0067】
増幅器10は、D/A変換器9から供給されるこれらのアナログオーディオ信号を増幅して放音手段としてのスピーカ11に供給する。その結果、スピーカ11からは上記アナログオーディオ信号に応じた音楽や特殊音声が再生される。
【0068】
再生装置D1は、概略以上のように構成され、固体メモリMが装着されて操作部1から再生指令がなされた場合には、制御部2が該指令に応じて固体メモリMから圧縮ビットストリームデータを先頭位置のフレームから順次バッファメモリ3に供給する。バッファメモリ3では、供給されたデータを順次所定数のフレーム単位で圧縮デコーダ4へ供給する。
【0069】
その結果、圧縮デコーダ4からPCMオーディオデータが切替SW8及びデータ抽出回路5に同時にそれぞれ順次出力される。そして、制御部2は、操作部1からの再生指令に応じて切替SW8の入力を圧縮デコーダ4の出力側に切替え選択して、圧縮デコーダ4から出力されるPCMオーディオデータをD/A変換器9へ出力させる制御を行うので、スピーカ11からは、PCMオーディオデータによる音楽が順次再生される。
【0070】
なお、データ抽出回路5は供給されたPCMオーディオデータによりビット数変換データを生成し、順次RAM6へ供給するので、制御部2は、上述した制御動作に加えて、再生指令に応じてアドレス制御信号発生器12から上述したWE信号及びデータ書き込み動作時におけるADR信号をRAM6へ出力することにより、一時記憶データをRAM6へ更新記憶させる。
【0071】
図8は、再生装置D1の操作部1からの各種指令に基づく制御部2の再生制御動作のフローチャートを示す図である。
【0072】
図8において、先ず、再生装置D1の電源がONされると、制御部2が各部の制御を開始(START)し、ステップS1へ移行し、RAM6に一時記憶データが有るか無いかを、つまり、RAM6に一時記憶データが記憶保持されているか否かを判断する。制御部2は、ステップS1において、RAM6に一時記憶データが無い場合は、ステップS2へ移行する。
【0073】
再生装置D1におけるRAM6に一時記憶データが無い場合とは、再生装置D1に固体メモリMからの圧縮ビットストリームデータが一度も供給されておらず、従って、データ抽出回路5からRAM6へビット数変換データがまだ供給されていないのでRAM6に一時記憶データが更新記憶されていないか或いはRAM6に一時記憶データが記憶保持されていない場合であり、例えば、再生装置D1が製品出荷されて電源が未投入の場合などがこれに相当する。
【0074】
ステップS2では、制御部2は、再生装置D1に装着中の固体メモリMから圧縮ビットストリームデータを読み出す制御動作を行い、読み出されたデータを順次バッファメモリ3に供給して一旦バッファメモリ3に蓄積させ、しかる後に蓄積されたデータの一部を連続する所定フレーム数単位で圧縮デコーダ4に供給させて圧縮デコーダ4による復号変換処理を行い、圧縮デコーダ4からPCMオーディオデータを順次出力させる。このPCMオーディオデータは、データ抽出回路5に供給されてデータ抽出回路5によって該データ抽出回路5に基づくビット数変換データが生成される。そして、該ビット数変換データがRAM6へ供給される。
【0075】
そして、制御部2は、アドレス制御信号発生器12からRAM6にWE信号及びデータ書き込み動作時におけるADR信号を供給することにより、上述したデータ抽出回路5からRAM6へ順次送られてくるビット数変換データに基づく一時記憶データを生成してこれをRAM6に記憶保持させた後、アドレス制御信号発生器12からのWE信号及び該ADR信号を停止させてステップS3へ移行する。
【0076】
これは、RAM6に一時記憶データが記憶保持されない状態で装置の電源が投入(ON)されて、しばらくしてから例えば再生指令とFF指令がほぼ同時になされることにより早送り再生がなされた場合に、制御部2が即座にFF指令による特殊音声の再生をさせることができるように、これらの指令に先だって予めRAM6に一時記憶データを記憶保持させるためである。
【0077】
また、制御部2は、ステップS1において、RAM6に一時記憶データが有る場合は、ステップS3へ移行する。
【0078】
上述した再生装置D1におけるRAM6に一時記憶データがある場合とは、例えば、再生装置D1が制御部2のステップS1の動作の以前に音声情報の再生を行ったことがあり、その際に再生装置D1がRAM6に一時記憶データを記憶保持していた場合などがこれに相当する。
【0079】
なお、再生装置D1では、RAM6が一時記憶データが更新記憶中の場合や、一時記憶データが記憶保持されている場合や、後述するように再生停止指令により再生動作を停止した場合等の後には、再生装置D1の電源が切断(OFF)されても、RAM6が装置の電源が切断される直前の一時記憶データをバックアップ電源などを用いて記憶保持することができる。
【0080】
ステップS3では、制御部2は、操作部1からの再生指令がなされたか否かを判断し、再生指令がなされた場合には、ステップS4へ移行して、操作部1からの再生指令に基づく圧縮ビットストリームデータの読み出し位置を選択する制御動作を開始する。具体的には、固体メモリMに例えば音楽情報が記憶されている場合に、ステップS3において音楽情報を1曲目から再生するための通常の再生指令がなされた場合には、制御部2が、ステップS4に移行して固体メモリMのデータの読み出し開始位置として1曲目の先頭位置に相当するデータフレーム位置を選択する制御動作を開始する。また、ステップS3において音楽情報の各曲中のうち曲PG1のプログラム再生指令がなされた場合には、制御部2が、ステップS4に移行して固体メモリMのデータの読み出し開始位置として当該曲PG1の先頭位置に相当するデータフレーム位置を選択する制御動作を開始する。
【0081】
上述のようにステップS4において制御部2が音楽情報の通常の再生指令或いはプログラム再生指令に応じてデータの読み出し位置を選択する制御動作を開始した後は、制御部2が次いでステップS5に移行して当該選択した読み出し開始位置からのデータを順次バッファメモリ3に供給させるように制御して当該選択されたデータの読み出し開始位置からの音楽の再生制御動作を行う。
【0082】
なお、制御部2は、上記再生指令時及びプログラム再生指令時における再生制御動作中に先述したRAM6への一時記憶データの書き込み制御動作も並行して行うので、RAM6は、それまで記憶保持していた一時記憶データの更新記憶を順次行う。
【0083】
制御部2は、ステップS5における制御動作に引き続きステップS6に移行して、操作部1からの再生停止指令がなされたか否かを判断し、再生停止指令がなされた場合には、先のステップS3に戻って、操作部1からの次の再生指令の受付状態となり、ステップS3にて再生指令がなされた場合は再びそれ以降の制御動作を行う。
【0084】
また、制御部2は、ステップS6において、操作部1からの再生停止指令がなされない場合には、引き続きステップS5における再生動作を伴いながらステップS7へ移行する。
【0085】
ステップS7では、制御部2は、操作部1からのFF指令がなされたか否かを判断し、FF指令がなされた場合には、早送り再生指令がなされたと判断して、後述するFF処理ルーチンにおける制御部2の制御動作を実行する。また、ステップS7にてFF指令がなされない場合は、引き続きステップS5における再生動作を伴いながらステップS8へ移行する。
【0086】
ステップS8では、制御部2は、操作部1からのREW指令がなされたか否かを判断し、REW指令がなされた場合には、早戻し再生指令がなされたと判断して、後述するREW処理ルーチンにおける制御部2の制御動作を実行する。また、ステップS9にてREW指令がなされない場合は、引き続きステップS5における再生動作を伴いながらステップS9へ移行する。
【0087】
なお、上記ステップS6とステップS7において、制御部2がそれぞれ後述するFF処理ルーチンとREW処理ルーチンを実行したのち当該処理ルーチンを終了した後は、制御部2は再びステップS6に戻り、それ以降の制御動作を行う。
【0088】
ステップS9では、制御部2は、データの再生が終了したか否かを固体メモリMからバッファメモリ3へ供給されてくるデータのバッファメモリ3における残存量で判断し、データの再生が終了していない場合、つまり、バッファメモリ3に再生すべきデータがまだ有る場合には、再び先のステップS3に戻って、操作部1からの新たな再生指令の受付状態となり、新たな再生指令に応じた場合は再びそれ以降の制御動作を行う。
【0089】
また、制御部2は、ステップS9において、データの再生が終了した場合、つまり、バッファメモリ3に再生すべきデータが無い場合には、そのときにRAM6に更新記憶中の一時記憶データをRAM6に記憶保持させた後、アドレス制御信号発生器12からのWE信号及びデータ書き込み動作時におけるADR信号を停止させ、しかる後に、先述したステップS3に戻って、操作部1からの再生指令の受付状態となる。
【0090】
次に、FF指令及びREW指令に基づく再生装置D1の早送り再生動作及び早戻し再生動作について以下に説明する。
【0091】
先ず、FF指令に基づく再生装置D1の早送り再生動作について説明する。
再生装置D1が上記のように音楽を再生中に、例えばユーザが操作部1に設けられた早送り(FF)釦が押しつづけることによりFF指令がなされた場合には、制御部2が早送り再生指令がなされたと判断して、FF指令の開始に応じて、圧縮デコーダ4の復号変換処理を中断させて圧縮デコーダ4からの出力を停止させることで音楽の再生を中断させると共に、FF指令開始からの経過時間を計測開始する。
【0092】
また、制御部2は、上記FF指令に応じて、アドレス制御信号発生器12からRAM6にWE信号及びFF指令に応じたデータ読み出し動作時におけるADR信号を出力することにより、RAM6に対し一時記憶データの更新記憶動作を停止させると共に、一時記憶データを制御部2が指定するRAMアドレス順に繰り返し読み出して順次FF指令に応じた出力データとして出力してデータ補正回路7へ供給するように制御する。
【0093】
その結果、データ補正回路7は、供給される出力データから早送り再生指令に応じた特殊音声データを生成し、これを切替SW8へ供給する。また、切替SW8は、操作部1からのFF指令に基づく制御部2の制御により、データ補正回路7から順次供給される特殊音声データを選択してD/A変換器9へ出力する。その結果、スピーカ11からは、音声情報の早送り再生音を擬音化した特殊音声データによる特殊音声が順次再生される。この特殊音声は、例えば、磁気テープに録音されたアナログオーディオ信号による音楽情報をアナログテープレコーダにより早送り再生した場合に再生されるいわゆるキュルキュル音などがこれに相当する。
【0094】
次に、再生装置D1がFF指令中における上記早送り再生動作中に、ユーザが早送り(FF)釦を押すのをやめることによりFF指令を解除した場合には、制御部2が、早送り再生指令が解除されたと判断して、FF指令開始からFF指令解除までの時間T1を算出し、FF指令によって早送りしたデータの読み出し開始位置X1を該時間T1に基づいて算出することにより、固体メモリMから読み出すデータのフレーム位置を改めて該読み出し開始位置X1に指定する制御を行う。
【0095】
ここで、制御部2が上記FF指令解除時におけるデータの読み出し位置X1を算出する方法を説明すると、先ず、制御部2は、FF指令解除時にそれまでに計測したFF指令開始からFF指令を解除までの時間T1を算出し、この時間T1を用いて以下の式(1)により上記データの読み出し位置X1を算出する。
X1=L1・T1・S1+Z1 (1)
【0096】
上記した式(1)において、L1は、再生装置D1の通常再生動作時にバッファメモリ3から順次圧縮デコーダ4へ供給される圧縮ビットストリームデータの時間T1における平均データ転送レートに比例した変数であり、ここでは、単位時間当たりに供給される平均のフレーム数で表される。
【0097】
また、S1は、FF指令によりデータがどれくらいの速さで早送りされるのかを示す早送り速度比率であり、これはアドレス制御信号発生器12から出力されるWE信号によって先述したデータ抽出回路5から出力されるビット数変換データから区分データが間引かれる割合に反比例する。従って、本実施形態のように、WE信号によってビット数変換データから区分データを4対1の割合で間引く場合はS1=4となる。また、Z1は、FF指令時におけるバッファメモリ3からの圧縮ビットストリームデータの読み出し先頭位置のフレームナンバ(N)を表している。
【0098】
上記式(1)から判るように、データの読み出し位置X1は、FF指令開始時におけるフレームナンバに、FF指令開始からFF指令解除までの時間Tの間に早送りされたデータのフレーム数を加えた数に相当するフレームナンバを表しており、制御部2が、固体メモリM及びバッファメモリ3に対し、このデータの読み出し位置X1に相当するフレーム位置からのデータの読み出しを指定することで早送り再生指令解除後、即ち、ここではFF指令解除後に再生すべきデータの先頭フレーム位置を指定することができる。
【0099】
具体的には、制御部2が、読み出し開始位置X1によって表されるフレームナンバからそれに対応するフレームの識別データを生成し、固体メモリM及びバッファメモリ3に対し当該識別データを有するフレーム位置からのデータの読み出しをして指定する。
【0100】
制御部2は、上記制御動作に続いて固体メモリMのデータを読み出し開始位置X1に相当するフレーム位置から改めて読み出して順次バッファメモリ3に送る制御を行うと共に、バッファメモリ3に対しても読み出し開始位置X1に相当するフレーム位置から改めて読み出して順次圧縮デコーダ4に送る制御を行う。
【0101】
また、この場合に、制御部2は、FF指令の解除に応じて切替SW8を圧縮デコーダ4の出力側に切替えることにより、圧縮デコーダ4から出力される読み出し開始位置X1に相当するフレーム位置からのPCMオーディオデータを再生する制御を行う。
【0102】
これにより、再生装置D1は、FF指令が解除された場合には、早送り再生指令中に再生していた特殊音声を早送りしたデータの読み出し開始位置X1に相当するフレーム位置からの音声情報による音声に再び切替えて再生することができる。
【0103】
図9は、FF処理ルーチンにおける制御部2の動作フローチャートを示す図である。
これを先の図8に示すステップS7の動作に続いて説明すると、先ず、図8に示すステップS7にてFF指令がなされた場合には、制御部2が図9に示すFF処理ルーチンの制御動作を開始(START)して、ステップS11へ移行する。
【0104】
ステップS11では、制御部2は、圧縮デコーダ4の復号変換処理を中断させて圧縮デコーダ4からの出力を停止させることでスピーカ11からの音楽の再生を中断させ、且つ、FF指令開始からの経過時間を計測開始すると共に、アドレス制御信号発生器12からのWE信号及びデータ書き込み動作時におけるADR信号を停止させ、しかる後にステップS12へ移行する。
【0105】
ステップS12において、制御部2は、アドレス制御信号発生器12からRAM6へRE信号及びデータ読み出し時におけるADR信号を出力することにより、RAM6が、先述のステップS11にてm個のRAMアドレスに記憶保持したm個の8bitデータからなる一時記憶データをA0からAm-1に向かうRAMアドレス順に順次繰り返し出力してデータ読み出し動作を行うように制御して、該出力データをデータ補正回路7へ供給させる制御動作を行うと共に、データ補正回路7が該出力データに基づく特殊音声データを生成して切替SW8へ出力するように制御した後、ステップS13へ移行する。
【0106】
次に、ステップS13において、制御部2は、切替SW8の入力をデータ補正回路7の出力側に切替えることで切替SW8がデータ補正回路7から出力される特殊音声データを選択して順次出力するように制御して、再生装置D1が該特殊音声データによる特殊音声の再生を行うように制御し、しかる後にステップS14へ移行する。これにより、再生装置D1のスピーカ11から、音声情報の早送り再生音を擬音化した特殊音声が順次繰り返し再生される。
【0107】
次に、制御部2は、ステップS14においてFF指令の解除待ち状態となり、FF指令の解除がなされた場合には、早送り再生指令が解除されたと判断してステップS15に移行する。
【0108】
ステップS15において、制御部2は、先述したFF指令解除時におけるデータの読み出し位置X1を算出した後、当該読み出し開始位置X1に相当するフレーム位置のデータがバッファメモリ3に蓄積されているか否かを判断し、当該読み出し開始位置X1に相当するフレーム位置のデータがバッファメモリ3に蓄積されているのであればバッファメモリ3の当該フレーム位置からのデータを順次圧縮デコーダ4に送る制御を行い、また、当該読み出し開始位置X1に相当するフレーム位置のデータがバッファメモリ3に蓄積されていない場合には、固体メモリMのデータを読み出し開始位置X1に相当するフレーム位置から改めて読み出して順次バッファメモリ3に送る制御を行うと共に、バッファメモリ3に対しても読み出し開始位置X1に相当するフレーム位置から改めて読み出して順次圧縮デコーダ4に送る制御を行った後、ステップS16に移行する。
【0109】
ステップS16において、制御部2は、バッファメモリ3から圧縮デコーダ4に供給されてくる当該フレーム位置からのデータを、圧縮デコーダ4が復号変換処理して出力するように制御し、しかる後にステップS17に移行する。
【0110】
次に、制御部2は、ステップS17において、アドレス制御信号発生器12からRAM6へRE信号及びデータ読み出し時におけるADR信号を出力するのを停止させた後、アドレス制御信号発生器12からWE信号及びデータ書き込み動作時におけるADR信号をRAM6へ出力させて、データ抽出回路5から順次RAM6へ送られてくるビット数変換データから順次一時記憶データを抽出してRAM6に更新記憶させ、次いでステップS18へ移行する。
【0111】
ステップS18では、制御部2は、切替SW8の入力を圧縮デコーダ4の出力側に切替え選択して、圧縮デコーダ4から出力されるPCMオーディオデータをD/A変換器9へ出力させる制御を行うことにより、当該読み出し開始位置X1に相当するフレーム位置からのデータよる音楽の再生を行って、図9のFF処理ルーチンの制御動作を終了した後、先述した図8のステップS6へ戻る(RETURN)。
【0112】
次に、REW指令に基づく再生装置D1の早戻し再生動作について説明する。
再生装置D1が音楽を再生中に、例えばユーザが操作部1に設けられた早戻し(REW)釦を押しつづけることによりREW指令がなされた場合には、制御部2が早戻し再生指令がなされたと判断して、REW指令の開始に応じて圧縮デコーダ4の復号変換処理を中断させて圧縮デコーダ4からの出力を停止させることで音楽の再生を中断させると共に、REW指令開始からの経過時間を計測開始する。
【0113】
また、制御部2は、上記REW指令に応じて、RAM6に対し一時記憶データの更新記憶動作を停止させると共に、アドレス制御信号発生器12からRAM6にRE信号及びREW指令に応じたデータ読み出し動作時におけるADR信号を出力することにより、制御部2がこれらの一時記憶データを先述したFF指令の場合に指定したRAMアドレス順とは逆のRAMアドレス順に繰り返し読み出して順次REW指令に応じた出力データとして出力してデータ補正回路7へ供給するように制御する。
【0114】
その結果、データ補正回路7は、供給される出力データから早戻し再生指令に応じた特殊音声データを生成し、これを切替SW8へ供給する。また、切替SW8は、操作部1からのREW指令に基づく制御部2の制御により、データ補正回路7から順次供給される特殊音声データを選択してD/A変換器9へ出力する。その結果、スピーカ11からは、音声情報の早戻し再生音を擬音化した特殊音声が順次再生される。この特殊音声は、上述した早送り再生動作における特殊音声を逆再生した音声となるので、ユーザには、例えば磁気テープに録音されたアナログオーディオ信号による音楽情報をアナログテープレコーダにより早戻し再生した場合に再生されるキュルキュル音のように聞こえる。
【0115】
次に、再生装置D1が上記早戻し再生動作中に、ユーザが早戻し(REW)釦を押すのをやめることによりREW指令を解除した場合には、制御部2が、早戻し再生指令が解除されたと判断して、REW指令開始からREW指令解除までの時間T2を算出し、REW指令によって早戻ししたデータの読み出し開始位置X2を該時間T2に基づいて算出することにより、固体メモリMから読み出すデータのフレーム位置を改めて該読み出し開始位置X2に指定する制御を行う。
【0116】
ここで、制御部2がREW指令解除時におけるデータの読み出し位置X2を算出する方法を説明すると、先ず、制御部2は、REW指令解除時にそれまでに計測したREW指令開始からREW指令解除までの時間T2を算出し、この時間T2を用いて以下の式(2)により上記データの読み出し位置X2を算出する。
X2=L2・T2・S2−Z2 (2)
【0117】
上記式(2)において、L2は、先述の式(1)におけるL1と同様の変数である。また、S2は、REW指令によりデータがどれくらいの速さで早戻しされるのかを示す早戻し速度比率であり、これは先述した式(1)におけるS1の場合と同様に、アドレス制御信号発生器12から出力されるWE信号によって先述したデータ抽出回路5から出力されるビット数変換データから区分データが間引かれる割合に反比例する。従って、本実施形態のように、REW指令においてもWE信号によってビット数変換データから区分データを4対1の割合で間引く場合は式(1)におけるS1の場合と同様にS2=4となる。また、Z2は、REW指令時におけるバッファメモリ3からの圧縮ビットストリームデータの読み出し先頭位置のフレームナンバ(N)を表している。
【0118】
上記式(2)から判るように、データの読み出し位置X2は、REW指令開始時におけるフレームナンバに、REW指令開始からREW指令解除までの時間T2の間に早送りされたデータのフレーム数を加えた数に相当するフレームナンバを表しており、制御部2が、固体メモリM及びバッファメモリ3に対し、このデータの読み出し位置X2に相当するフレーム位置からのデータの読み出しを指定することでREW指令解除後に再生すべきデータの先頭フレーム位置を指定することができる。
【0119】
具体的には、制御部2が、先述した式(1)により算出した読み出し位置X1に相当するフレーム位置からのデータの読み出しを指定した場合と同様に、読み出し開始位置X2によって表されるフレームナンバからそれに対応するフレームの識別データを生成し、固体メモリM及びバッファメモリ3に対し当該識別データを有するフレーム位置からのデータの読み出しをして指定する。
【0120】
制御部2は、上記制御動作に続いて固体メモリMのデータを読み出し開始位置X2に相当するフレーム位置から改めて読み出して順次バッファメモリ3に送る制御を行うと共に、バッファメモリ3に対しても読み出し開始位置X2に相当するフレーム位置から改めて読み出して順次圧縮デコーダ4に送る制御を行う。
【0121】
また、この場合に、制御部2は、REW指令の解除に応じて切替SW8を圧縮デコーダ4の出力側に切替えることにより、圧縮デコーダ4から出力される読み出し開始位置X2に相当するフレーム位置からのPCMオーディオデータを再生する制御を行う。
【0122】
これにより、再生装置D1は、REW指令が解除された場合には、早戻し再生指令中に再生していた特殊音声を早送りしたデータの読み出し開始位置X2に相当するフレーム位置からの音声情報による音声に再び切替えて再生することができる。
【0123】
図10は、REW処理ルーチンにおける制御部2の動作フローチャートを示す図である。
これを先の図8に示すステップS8の動作に続いて説明すると、先ず、図8に示すステップS8にてREW指令がなされた場合は、制御部2が図10に示すREW処理ルーチンの制御動作を開始(START)して、ステップS21へ移行する。
【0124】
ステップS21では、制御部2は、先述した図9のステップS11と同様に、圧縮デコーダ4の復号変換処理を中断させて圧縮デコーダ4からの出力を停止させることでスピーカ11からの音楽の再生を中断させ、且つ、REW指令開始からの経過時間を計測開始すると共に、アドレス制御信号発生器12からのWE信号及びデータ書き込み動作時におけるADR信号を停止させ、しかる後にステップS22へ移行する。
【0125】
ステップS22において、制御部2は、アドレス制御信号発生器12からRAM6へRE信号及びデータ読み出し時におけるADR信号を出力することにより、RAM6が、先述した図9のステップS11にてm個のRAMアドレスに記憶保持したm個の8bitデータからなる一時記憶データを、先述した図9のステップS12におけるデータ読み出し動作の場合とは逆のAm-1からA0に向かうRAMアドレス順に順次繰り返し出力してデータ読み出し動作を行うように制御して、該出力データをデータ補正回路7へ供給させる制御動作を行うと共に、データ補正回路7が該出力データに基づく特殊音声データを生成して切替SW8へ出力するように制御した後、ステップS23へ移行する。
【0126】
次に、ステップS23において、制御部2は、切替SW8の入力をデータ補正回路7の出力側に切替えることで切替SW8がデータ補正回路7から出力される特殊音声データを選択して順次出力するように制御して、再生装置D1が該特殊音声データによる特殊音声の再生を行うように制御し、しかる後にステップS24へ移行する。これにより、再生装置D1のスピーカ11から、音声情報の早戻し再生音を擬音化した特殊音声が順次繰り返し再生される。
【0127】
次に、制御部2は、ステップS24においてREW指令の解除待ち状態となり、REW指令の解除がなされた場合には、早戻し再生指令が解除されたと判断してステップS25に移行する。
【0128】
ステップS25において、制御部2は、先述したREW指令解除時におけるデータの読み出し位置X2を算出した後、当該読み出し開始位置X2に相当するフレーム位置のデータがバッファメモリ3に蓄積されているか否かを判断し、当該読み出し開始位置X2に相当するフレーム位置のデータがバッファメモリ3に蓄積されているのであればバッファメモリ3の当該フレーム位置からのデータを順次圧縮デコーダ4に送る制御を行い、また、当該読み出し開始位置X2に相当するフレーム位置のデータがバッファメモリ3に蓄積されていない場合には、固体メモリMのデータを読み出し開始位置X2に相当するフレーム位置から改めて読み出して順次バッファメモリ3に送る制御を行うと共に、バッファメモリ3に対しても読み出し開始位置X2に相当するフレーム位置から改めて読み出して順次圧縮デコーダ4に送る制御を行った後、ステップS26に移行する。
【0129】
ステップS26において、制御部2は、バッファメモリ3から圧縮デコーダ4に供給されてくる当該フレーム位置からのデータを、圧縮デコーダ4が復号変換処理して出力するように制御し、しかる後にステップS27に移行する。
【0130】
次に、制御部2は、ステップS27において、アドレス制御信号発生器12からRAM6へRE信号及びデータ読み出し時におけるADR信号を出力するのを停止させた後、アドレス制御信号発生器12からWE信号及びデータ書き込み動作時におけるADR信号をRAM6へ出力させて、データ抽出回路5から順次RAM6へ送られてくるビット数変換データから順次一時記憶データを抽出してRAM6に更新記憶させ、次いでステップS28へ移行する。
【0131】
ステップS28では、制御部2は、切替SW8の入力を圧縮デコーダ4の出力側に切替え選択して、圧縮デコーダ4から出力されるPCMオーディオデータをD/A変換器9へ出力させる制御を行うことにより、当該読み出し開始位置X2に相当するフレーム位置からのデータよる音楽の再生を行って、図10のREW処理ルーチンの制御動作を終了した後、先述した図8のステップS6へ戻る(RETURN)。
【0132】
上述したように、早送り再生指令時における特殊音声データ及び早戻し再生指令時における特殊音声データは、再生装置D1の通常再生動作時において圧縮デコーダ4から順次出力される16bitのPCMオーディオデータの上位8bit分のデータをデータ抽出回路5によって順次抽出して生成されたビット数変換データを、制御部2の制御によりRAM6がさらに所定のフレーム間隔で間引いて抽出し、抽出した8bitの各データを順次RAMアドレスに一時記憶データとして更新記憶し、制御部2が、FF指令(又は、REW指令)に応じてそのときRAM6に更新記憶されていた一時記憶データを記憶保持した後、これをRAM6からFF指令(又は、REW指令)に応じた読取り順に順次繰り返して読み出してデータ補正回路7に供給し、データ補正回路7が順次供給されてくる一時記憶データに下位8bit分の0データをそれぞれ加えることにより特殊音声として生成するので、16bitのPCMオーディオデータが時間方向に間引かれて音声情報の一部が欠落すると共に、量子化方向にも下位8bit分の音声情報が欠落した16bitのPCMオーディオデータとなる。
【0133】
従って、これらの特殊音声データをD/A変換器9でD/A変換して生成されるアナログオーディオ信号には、圧縮デコーダ4から出力される16bitのPCMオーディオデータの上位8bit分の音声情報がさらに時間方向に間引かれた状態で含まれることとなる。
【0134】
その結果、このアナログ信号を増幅器10によって増幅した後スピーカ11から再生される特殊音声は、早送り再生指令による場合には、通常再生動作による音声情報の再生音がPCMオーディオデータを時間方向に間引いた分だけ早送りされて間欠的に再生される早送り再生音を擬音化した音声が連続して繰り返される音声となり、また、早戻し再生指令による場合には、通常再生動作による音声情報の再生音がPCMオーディオデータを時間方向に間引いた分だけ早戻しされて間欠的に再生される早戻し再生音を擬音化した音声が連続して繰り返される音声となる。
【0135】
従って、ユーザは、操作部1からの早送り再生指令時(又は、早戻し再生指令時)には、音声情報の再生音が通常の再生動作時におけるそれよりも速く再生(又は、速く逆再生)されているように聞こえる特殊音声を聴くことができるので、再生装置がデータの早送り処理(又は、早戻し処理)がなされていることを容易に聴感上で確認することができる。
【0136】
なお、上述したように、早送り再生指令時における特殊音声データ及び早戻し再生指令時における特殊音声データをD/A変換器9でD/A変換して生成されるアナログオーディオ信号は、いずれの指令による場合も圧縮デコーダ4から出力される16bitのPCMオーディオデータの下位8bit分の音声情報が欠落したアナログオーディオ信号として生成される。
【0137】
従って、D/A変換器9から出力されるこれらのアナログオーディオ信号により再生される特殊音声は、下位8bit分の音声情報によるアナログオーディオ信号の欠落分だけ音声が欠落した音声となるが、ユーザがそのときにFF釦或いはREW釦に対して行う押圧動作と連動してこの特殊音声を聴くことができるので、ユーザがFF釦を押圧中ならばその場合の特殊音声を音声情報の早送り音として認識することができ、また、REW釦を押圧中ならばその場合の特殊音声を音声情報の早戻し音として認識することができるため、いずれの場合にもユーザが押圧中の釦に応じた特殊音声を違和感無く聴くことができる。
【0138】
また、上述したように、早送り再生指令時(又は、早戻し再生指令時)における特殊音声データは、制御部2の制御により、RAM6がFF指令時(又は、REW指令時)に更新記憶していた一時記憶データを記憶保持すると共に、この記憶保持した一時記憶データを制御部2が指定するRAMアドレスの配列順に繰り返し読み出して順次出力データとして出力するので、再生装置は、この出力データに基づき生成される特殊音声データにより、当該指令の直前に通常再生動作により再生されていた音声に近い音声情報に基づいた特殊音声を再生することができる。その結果、ユーザは、当該指令時には、当該指令の直前に通常再生動作により再生されていた音声に引き続き違和感無く特殊音声を聴くことができる。
【0139】
上述した第1実施形態における再生装置D1では、図8のステップS1及びステップS2にて説明したように、再生装置D1のRAM6に一時記憶データが無い状態で再生装置D1の電源が投入された場合は、制御部2が再生指令に応じた制御動作に先だって、予め固定メモリMから圧縮ビットストリームデータを読み出して、読み出された圧縮ビットストリームデータの一部に基づいて一時記憶データを生成するように制御して、該一時記憶データを第1記憶手段としてのRAM6に記憶保持するように構成したが、固体メモリMから読み出した圧縮ビットストリームデータの一部からRAM6に供給されるビット数変換データを生成してそれをRAM6に供給するまでには、固体メモリMから読み出した圧縮ビットストリームデータを一旦バッファメモリ3に蓄積させる制御動作と、バッファメモリ3に蓄積した圧縮ビットストリームデータの一部を圧縮デコーダ4へ供給して圧縮デコーダ4によるデータの復号変換処理を行う制御動作とデータ抽出回路5によるビット数変換データの抽出処理を行う制御動作が必要であり、これらの処理には相当の時間を要する。
【0140】
従って、例えばユーザがRAM6に一時記憶データが記憶保持されていない状態にある再生装置D1の電源を投入してから、上記した制御部2が一時記憶データをRAM6に記憶保持させる制御動作に要する時間より短い時間内に再生指令とFF指令を同時に行うことにより早送り再生指令を行った場合には、再生装置D1がRAM6の各RAMアドレスに未だ一時記憶データが記憶されていない状態で早送り再生指令がなされることとなり、その結果、再生装置D1では、FF指令後にRAM6の各RAMアドレスに一時記憶データが記憶保持されて当該一時記憶データに基づく特殊音声データが生成されるまでのしばらくの間は、早送り再生音が途切れる無音の時間を生じることとなり、ユーザによってはそのことによる違和感が若干残る場合もある。このことは、ユーザが装置の電源を投入してから例えば再生指令とREW指令を上記処理時間より短い時間内に行うことにより早戻し再生指令を行う場合にも同様のことが言える。
【0141】
これらの場合には、例えば、一時記憶データを生成するための非圧縮のPCMオーディオデータからなるデフォルトデータを記憶保持するROMなどの第2記憶手段を再生装置に設けておき、再生装置の制御部が上記の場合に第2記憶手段からデフォルトデータを読み出して、該デフォルトデータに基づいて一時記憶データを生成するように制御して、該一時記憶データを再生指令に先だって予めRAM6に記憶保持するように再生装置を構成しても良い。
【0142】
つまり、再生装置は、予め第2記憶手段に非圧縮のPCMオーディオデータからなるデフォルトデータを記憶保持しておくことにより、装置の電源が投入された直後に再生指令に加えて例えばFF指令がなされた場合でも、制御部の制御によって第2記憶手段のデフォルトデータを一時記憶データとしてRAM6に迅速に供給することができるので、スピーカ11から当該一時記憶データに基づく特殊音声を放音してユーザに聴かせることができる。このような再生装置の一例を以下の第2実施形態により説明する。
【0143】
図11は、本発明の第2実施形態における再生装置D2の概略ブロック図であり、ここでは、先述した図1における再生装置D1と同様に、記録媒体としての固体メモリMが装着された場合の再生装置D2のブロック図で示している。
【0144】
図11において、再生装置D2は、先述した図1における再生装置D1の各構成に対し、制御部2を制御部14に置き換え、さらに第2記憶手段としてのROM13を加えて構成される。
【0145】
なお、図11に示す再生装置D2の各構成中、先述した図1における再生装置D1と同様の構成部分については同一符号を付してあり、これらの説明は重複するのでここでは省略する。従って、以下、ROM13及び制御部14を中心に再生装置D2を説明する。
【0146】
ROM13は、デフォルトデータを常時記憶保持する。デフォルトデータは、例えば、上述したデータ抽出回路から出力されるビット数変換データと同様に、音声情報の早送り再生音及び早戻し再生音を擬音化した特殊音声を再生するための8bitの非圧縮のPCMオーディオデータからなり、ここでは、制御部14が生成する所定の周波数(48kHz)のPCMクロックの所定数のクロック周期に同期したm個の区分データD'm(=D'0,D'1,D'2,D'3,...,D'm-1)により構成される。
【0147】
また、制御部14は、先述した再生装置D1における制御部2と同様にアドレス制御信号発生器12を有し、操作部1からの指令に基づいて、アドレス制御信号発生器12から適宜PCMクロックのクロック周期に同期したADR信号、WE信号、RE信号などの制御信号を出力すると共に各部の制御を行う。
【0148】
次に、制御部14の制御動作について説明する。
【0149】
図12は、再生装置D2の操作部1からの指令に基づく制御部14の再生制御動作のフローチャートを示す図である。なお、図12に示す制御部14の各制御動作ステップ中、先述した制御部2が図8にて行う各制御動作ステップと同様の制御動作ステップについては、同一のステップ符号を付してあり、ここでは、その説明は重複するので省略する。従って、その場合の制御部14の制御動作は、先述した制御部2の当該制御動作ステップの説明中の制御部2を制御部14に置き換えることにより説明される。
【0150】
図12において、先ず、再生装置D2の電源がONされると、制御部14が各部の制御を開始(START)し、ステップS1へ移行し、RAM6に一時記憶データが有るか無いかを判断する。ステップS1において、制御部14は、RAM6に一時記憶データが無い場合は、ステップS32へ移行する。
【0151】
ステップS32では、制御部14は、ROM13が記憶保持中のm個の区分データD'm(=D'0,D'1,D'2,D'3,...,D'm-1)からなるデフォルトデータをPCMクロックに同期してROM13から順次読み出す制御動作を行い、読み出されたデフォルトデータを順次区分データ毎にRAM6に供給してRAM6のm個のRAMアドレス(A0〜Am-1)順に一時記憶データとして記憶保持させる。その結果、RAMアドレスA0にはデータD'0が記憶保持され、RAMアドレスA1にはデータD'1が記憶保持され、以下同様にしてRAMアドレスAm-1にはデータD'm-1が記憶保持される。
【0152】
上述したように、制御部14がステップS32にて行う制御動作は、PCMクロックに同期して、ROM13から8bitの非圧縮のPCMオーディオデータからなるm個の区分データD'm(=D'0,D'1,D'2,D'3,...,D'm-1)を読み出してRAM6のm個のRAMアドレスへ順次供給して記憶保持させる動作であり、先述した再生装置D1における制御部2が、図8のステップS2において固体メモリMから圧縮ビットストリームデータの一部を読み出して、それに基づいて非圧縮のPCMオーディオデータからなるビット数変換データを生成した後、該ビット数変換データをPCMクロックに同期してRAM6のm個のRAMアドレスへ順次供給して記憶保持させる動作よりも速い制御動作となる。
制御部14は、上述したステップS32の動作の後、ステップS3へ移行する。
【0153】
また、ステップS1において、制御部14は、RAM6に一時記憶データがある場合は、ステップS3へ移行する。
【0154】
図12のステップS3以降の各ステップ(S3〜S9)における制御部14の制御動作は、先述した図8のステップS3以降の各ステップにおける制御部2の制御動作とそれぞれ同様である。
【0155】
また、制御部14は、図12のステップS7において、FF指令がなされた場合には、早送り再生指令がなされたと判断して、RAM6に記憶保持中の一時記憶データ、即ち、RAM6のm個のRAMアドレスに記憶保持中のm個の区分データD'm(=D'0,D'1,D'2,D'3,...,D'm-1)に対し、先述した図9のFF処理ルーチンにおける制御部2の制御動作と同様の制御動作を行う。
【0156】
また、制御部14は、図12のステップS8において、REW指令がなされた場合には、早戻し再生指令がなされたと判断して、RAM6のm個のRAMアドレスに記憶保持中のm個の区分データD'm(=D'0,D'1,D'2,D'3,...,D'm-1)に対し、先述した図10のREW処理ルーチンにおける制御部2の制御動作と同様の制御動作を行う。
【0157】
再生装置D2は、以上のように構成されるので、例えば、ユーザが再生装置D2の電源を投入した直後に再生指令とFF指令(又は、REW指令)をほぼ同時に行うことにより早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)を行う場合でも、再生装置D2は、制御部14の制御によって、上述した電源投入時から早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)時までの短い時間内に、ROM13のデフォルトデータを5秒分の特殊音声を生成するのに必要な一時記憶データとしてRAM6に迅速に供給して記憶保持させることができるので、該デフォルトデータに基づいて生成された特殊音声を繰り返し再生することにより、スピーカ11から早送り再生音(又は、早戻し再生音)を放音してユーザに聴かせることができる。その結果、再生装置D2では、早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)直後においても早送り再生音(又は、早戻し再生音)が途切れることがないので、ユーザが違和感なく特殊音声を聴くことができる。
【0158】
なお、上述した、各実施形態では、圧縮データは音声情報がMPEGオーディオ方式によって符号化された固定長フレームがフレーム毎にヘッダを有して連続して形成される圧縮ビットストリームデータであるとして説明したが、本発明における圧縮データは、これに限らず、フレーム等の区分データ毎の圧縮データが連続したデータ構成からなり、且つ、各区分データがその先頭位置をその他の区分データの先頭位置と識別するためのヘッダなどの識別情報を有する構成であればその他のデータの圧縮符号化方式によるものであっても良い。
【0159】
また、上述した各実施形態では、圧縮ビットストリームデータは各フレームに対して固定ビットが割り当てられるフレーム構造としたが、圧縮データとしての圧縮ビットストリームデータは、各フレームに必ずしも固定ビットが割り当てられてなくても良く、可変ビットが割り当てられる構造でも良い。
【0160】
また、上記各実施形態では、再生装置は、固体メモリMに記憶保持されるモノラル音声再生用の圧縮ビットストリームデータに基づいてモノラル音声の再生を行う構成としたが、本発明では、固体メモリMに例えば左チャンネル用のフレームデータと右チャンネル用のフレームデータが交互に連続して構成されるステレオ音声再生用の圧縮ビットストリームを記録した場合の当該ステレオ音声再生用の圧縮ビットストリームに基づいてステレオ音声の再生を行う構成としても良く、その場合は、圧縮デコーダ4がバッファメモリから順次供給されてくる当該圧縮ビットストリームデータをデコードして左チャンネル用及び右チャンネル用のPCMオーディオデータを出力し、これら2つのPCMオーディオデータ出力に基づいてステレオ音声の再生を行う。再生装置がステレオ音声を再生する構成の場合には、データ抽出回路5は、圧縮デコーダ4から出力される上記2つのPCMオーディオデータのうち左右いずれかのチャンネル用のPCMオーディオデータに基づいてビット数変換データを生成するように構成しても良いし、また、これら2つのPCMオーディオデータ出力を加算したデータに基づいてビット数変換データを生成するように構成しても良い。
【0161】
また、上述した第2実施形態における再生装置D2では、ROM13が記憶保持するデフォルトデータは、制御部14が生成する所定の周波数(48kHz)のPCMクロックの所定数のクロック周期に同期したm個の区分データD'm(=D'0,D'1,D'2,D'3,...,D'm-1)により構成される8bitの非圧縮のPCMオーディオデータであり、必要に応じて制御部14の制御により、このm個の区分データに基づいてRAM6に一時記憶データが記憶保持されるように構成したが、本発明におけるデフォルトデータは、これに限らず、例えば、複数の互いに異なる特殊音声をそれぞれ5秒分再生するための複数組のm個の区分データからなるPCMオーディオデータで構成しても良い。その場合は、ROM13に複数組のデフォルトデータが記憶保持され、早送り再生指令時又は早戻し再生指令時には、制御部14の制御により、必要に応じてこれら複数組のデフォルトデータのうちの一組のデフォルトデータが適宜選択されて一時記憶データとしてRAM6に記憶保持され、適宜当該一時記憶データに基づく特殊音声を繰り返し再生することができる。
【0162】
また、上述した各実施形態では、再生装置は、操作部1からの再生指令に加えてFF指令を行うことにより早送り再生指令がなされ、また、再生指令に加えてREW指令を行うことにより早戻し再生指令がなされる構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば、操作部1に早送り再生指令釦と早戻し再生指令釦をそれぞれ設けておき、ユーザが、適宜、早送り再生指令釦を押している間は制御部に対し早送り再生指令がなされ、早戻し再生指令釦を押している間は制御部に対し早戻し再生指令がなされるように構成しても良い。
【0163】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、再生装置が音声情報が符号化された圧縮データに基づく音声の通常再生動作中に、操作部からの早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)がなされた場合には、デフォルトデータに基づき生成される特殊音声データを切替手段が選択して出力するように制御して、当該特殊音声データに基づく特殊音声の再生動作の制御を行うので、再生装置が通常再生時における音声に代って、早送り再生指令又は、早戻し再生指令に応じた特殊音声データに基づく特殊音声を再生することができる。その結果、ユーザは、再生装置がデータの早送り処理中(又は、早戻し処理中)であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0164】
また、請求項2に記載の発明によれば、操作部からの早送り再生指令(又は、早戻し指令)がなされている間は、再生装置が音声情報の早送り再生音(又は、早戻し再生音)を擬音化した特殊音声を再生するので、ユーザは、装置がデータの早送り処理中(又は、早戻し処理中)であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0165】
また、請求項3に記載の発明によれば、再生装置が音声情報が符号化された圧縮データに基づく音声の通常再生動作中に、制御部が、圧縮デコーダから順次出力される PCM オーディオデータに基づき一時記憶データをその都度生成して第2記憶手段に更新記憶させ、操作部からの早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)がなされた場合には、一時記憶データに基づき生成される特殊音声データを切替手段が選択して出力するように制御して、当該特殊音声データに基づく特殊音声の再生動作の制御を行う。さらに、再生装置の第2記憶手段に一時記憶データが記憶保持されていない状態のまま再生装置の電源が投入された場合に、制御部が再生指令に応じた制御動作に先立って迅速に第1記憶手段からデフォルトデータを読み出して、該読み出したデフォルトデータに基づく一時記憶データを第2記憶手段に記憶保持させるようにしたので、例えば、ユーザが再生装置の電源を投入した直後に早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)を行った場合でも、再生装置は、制御部の制御によって第2記憶手段に記憶保持中の一時記憶データに基づいて即座に早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)による特殊音声の再生をすることができる。その結果、ユーザの早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)直後においても特殊音声による再生音が途切れることがないので、ユーザが違和感なく特殊音声を聴くことができる。
【0166】
また、請求項4に記載の発明によれば、操作部からの早送り再生指令(又は、早戻し指令)がなされている間は、再生装置が圧縮デコーダから順次出力される PCM オーディオデータに基づいて生成される一時記憶データによって音声情報の早送り再生音(又は、早戻し再生音)を擬音化した特殊音声を再生するので、ユーザは、装置がデータの早送り処理中(又は、早戻し処理中)であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0167】
また、請求項5に記載の発明によれば、操作部からの早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)がなされている間は、圧縮デコーダから出力される PCM オーディオデータを所定間隔で抽出して得られる一時記憶データに基づいて特殊音声データが生成されて、再生装置から該特殊音声データに基づく特殊音声が再生される。従って、ユーザは、音声情報による再生音が早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)に応じて早送り方向(又は早戻し方向)に間引きしたように聞こえる特殊音声を、聴くことができるので、装置がデータの早送り処理中(又は、早戻し処理中)であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0168】
また、請求項6に記載の発明によれば、通常再生動作中は、第2記憶手段が、圧縮デコーダから順次出力される PCM オーディオデータに基づき順次生成される一時記憶データを制御部が指定する記憶アドレスの配列順に所定数の記憶アドレスに更新記憶し、操作部により早送り再生指令(又は、早戻し再生指令)がなされた場合には、第2記憶手段が、当該指令時に更新記憶中の一時記憶データを記憶保持すると共に、この記憶保持した一時記憶データを制御部が指定する記憶アドレスの配列順に繰り返し読み出して順次出力データとして出力するので、再生装置は、この出力データに基づき生成される特殊音声データにより、当該指令の直前に通常再生動作により再生されていた音声に近い音声情報に基づいた特殊音声を再生することができる。その結果、ユーザは、当該指令時に再生される特殊音声を、当該指令の直前に通常再生動作により再生されていた音声に引き続き違和感無く聴くことができる。
【0169】
また、請求項7に記載の発明によれば、再生装置が早送り再生指令された場合には、切替手段から出力される特殊音声データにより音声情報を早送り方向に間引きしたように聞こえる特殊音声を再生することができる。従って、ユーザは、これらの特殊音声を聴くことにより装置がデータの早送り処理中であることを容易に聴感上で確認することができる。
【0170】
また、請求項8に記載の発明によれば、再生装置が早戻し再生指令された場合には、切替手段から出力される特殊音声データにより音声情報を早戻し方向に間引きしたように聞こえる特殊音声を再生することができる。従って、ユーザは、これらの特殊音声を聴くことにより装置がデータの早戻し処理中であることを容易に聴感上で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における再生装置D1の概略ブロック図。
【図2】圧縮デコーダの概略ブロック図。
【図3】RAMのRAMアドレス空間を表した模式図。
【図4】アドレス信号発生器からRAMへ出力される各制御信号を表した図。
【図5】RAMのデータ書き込み動作時においてRAMに入力されるビット数変換データ及びWE信号及びADR信号の各波形を制御部のPCMクロック波形に同期させて示した波形図。
【図6】早送り再生指令がなされた場合にアドレス制御信号発生器から出力されるRE信号とADR信号と、RAMから出力される出力データの各波形を制御部のPCMクロック波形に同期させて示した波形図。
【図7】早戻し再生指令がなされた場合にアドレス制御信号発生器から出力されるRE信号とADR信号と、RAMから出力される出力データの各波形を制御部2のPCMクロック波形に同期させて示した波形図。
【図8】再生装置D1の操作部からの各種指令に基づく制御部の再生制御動作のフローチャートを示す図。
【図9】 FF処理ルーチンにおける制御部の動作フローチャートを示す図。
【図10】 REW処理ルーチンにおける制御部の動作フローチャートを示す図。
【図11】本発明の第2実施形態における再生装置D2の概略ブロック図。
【図12】再生装置D2の操作部からの指令に基づく制御部の再生制御動作のフローチャートを示す図。
【図13】 MPEGオーディオ方式による圧縮ビットストリームデータの物理的フォーマットの一例を示す図。
【符号の説明】
1・・・・・操作部
2、14・・・・・制御部
3・・・・・バッファメモリ
4・・・・・圧縮デコーダ
5・・・・・データ抽出回路
6・・・・・RAM
7・・・・・データ補正回路
8・・・・・切替SW
9・・・・・D/A変換器
10・・・・・増幅器
11・・・・・スピーカ
12・・・・・アドレス制御信号発生器
13・・・・・ROM

Claims (8)

  1. 操作部からの再生指令に基づき、音声情報が符号化された圧縮データからPCMオーディオデータを生成し、当該PCMオーディオデータに基づいて音声の再生を行う再生装置において、
    操作部からの各種指令に基づき装置各部の制御を行う制御部と、
    前記圧縮データをデコード処理してPCMオーディオデータを生成して順次出力する圧縮デコーダと、
    所定のデータ量を有するPCMオーディオデータからなるデフォルトデータを記憶する第1記憶手段と、
    前記圧縮デコーダから順次出力される前記PCMオーディオデータと前記第1記憶手段に記憶されている前記デフォルトデータのいずれか一を選択して出力する切替手段と、を備え、
    前記制御部は、前記操作部により早送り再生指令又は、早戻し再生指令がなされた場合に、前記切替手段を制御して、前記第1記憶手段に記憶されている前記デフォルトデータを選択的に出力するようにしたことを特徴とする再生装置。
  2. 前記デフォルトデータは、前記音声情報の早送り再生音又は、早戻し再生音を擬音化した特殊音声を再生するためのPCMオーディオデータからなることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  3. 前記圧縮デコーダから順次出力される PCM オーディオデータに基づいて順次生成される一時記憶データを順次更新して一時記憶すると共に、一時記憶中の一時記憶データを適宜繰り返し読み出して順次出力する第2記憶手段と、
    前記切替手段に代えて、前記 PCM オーディオデータと前記一時記憶データのいずれか一を選択して出力する切替手段と、をさらに備え、
    前記制御部は、前記操作部から各種指令がなされるのに先だって、前記第2記憶手段に前記一時記憶データが既に記憶されているか否かを判断し、
    前記第2記憶手段に前記一時記憶データが未だ記憶されていないことを判断した場合には、前記第1記憶手段に記憶されている前記デフォルトデータに基づく一時記憶データを第2記憶手段に読み込ませて一時記憶させる制御を行い、
    前記操作部により早送り再生指令又は、早戻し再生指令がなされた場合に、前記切替手段を制御して、前記第2記憶手段に記憶されている前記一時記憶データを選択的に出力するようにしたことを特徴とする、請求項1乃至2に記載の再生装置。
  4. 前記一時記憶データは、前記音声情報の早送り再生音又は、早戻し再生音を擬音化した特殊音声を再生するための PCM オーディオデータからなることを特徴とする請求項3に記載の再生装置。
  5. 前記一時記憶データは、前記圧縮デコーダから出力される PCM オーディオデータを所定間隔で抽出して得られるデータからなることを特徴とする請求項3に記載の再生装置。
  6. 前記第2記憶手段は、所定数の記憶アドレスを有し、前記圧縮デコーダから順次出力される PCM オーディオデータに基づいて順次生成される一時記憶データを順次読みこんで、前記制御部が指定するアドレスに順次記録することを特徴とする請求項3乃至5に記載の再生装置。
  7. 前記操作部により前記早送り再生指令がなされた場合には、前記第2記憶手段に記憶された一時記憶データを、記憶が行われた順に繰り返し読み出して順次出力データとして出力することを特徴とする請求項3乃至5に記載の再生装置。
  8. 前記操作部により前記早戻し再生指令がなされた場合には、一時記憶中の一時記憶データを、記憶が行われた順とは逆の順に繰り返し読み出して順次出力データとして出力することを特徴とする請求項3乃至5に記載の再生装置。
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