JP2006235322A - 再生装置および再生方法 - Google Patents

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【課題】ループ再生における復号処理の負担を低減した再生装置および再生方法を提供する。
【解決手段】オーディオデータなどを符号化した圧縮ビットストリームデータのフレームを、固体メモリ2から取得し、圧縮デコーダ11にて隣接するフレームのウインドウ情報が参照され、逆MDCT処理を行う。その際、圧縮ビットストリームデータから算出された各フレームのウインドウ情報をRAM15に保持しておき、ループ再生の場合に、開始フレームの処理においてRAM15の情報が参照される。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮符号化されたデータを復号し、再生する再生装置および再生方法に関し、特に、離散コサイン変換などの直交変換処理がなされたオーディオデータを復号、再生する再生装置および再生方法に関する。
オーディオ信号をデジタルデータとしてデータ圧縮して記録する圧縮方式として、人間の聴覚特性を考慮したATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)が知られている。このオーディオデータ圧縮方式は、所定時間長分のオーディオフレームを単位として圧縮処理を行なうものであるが、DCT(Discrete Cosine Transform;離散コサイン変換)とウインドウ関数をうまく組み合わせ、隣り合った前記フレームがオーバーラップするようにして音声波形の連続性を高めたもので、MDCT(Modified Discrete Cosine Transform)と呼ばれている。
たとえば、ミニディスクなどの小型光ディスクでは、記録に当たって、512サンプルのオーディオフレーム毎にデジタルオーディオデータを区切って、このオーディオフレームでウインドウ処理を施し、隣り合うオーディオフレームとの間でオーバーラップさせた状態にする。そして、このオーディオフレーム単位でMDCTを行ない、時間軸データを周波数軸データに変換しデータ圧縮する。
従来の再生装置では、このデータ圧縮されたオーディオフレームのデータについて逆MDCTを行ない、前後のオーディオフレーム(以下、単にフレームと略記する)とのオーバーラップ部分の繋ぎ処理を、窓関数(ウインドウ情報)を用いて行なうことで、良好なオーディオの再生を行なっていた。すなわち、従来の再生装置では、隣接する2つのフレームの復号情報に基づいて、オーディオの再生を行っていた。
ところで、ある一定区間(ループ再生区間)のオーディオフレームを繰り返し再生するループ再生が行われることがある。たとえば、ゲーム装置に搭載された再生装置がゲームのバックグラウンド音楽を繰り返して再生する場合である。
かかる場合に、従来の再生装置では、ループ再生区間の最初のフレームのオーディオデータの復号に時間がかかり、再生装置の処理に負担が発生するという不都合があった。
かかる不都合について、図6に関連付けて説明する。
図6は、従来の再生装置において、ループ再生区間でのフレーム毎の処理を説明するための図であり、(a)は再生されるオーディオデータ、(b)は逆MDCT処理でのフレーム毎のウインドウ関数(ウインドウ情報)、を示す図である。
たとえば、(a)は、PCMオーディオデータの出力波形(PCM出力データ)を示す。通常、ループ再生が途切れなく連続的に再生されるように、ループ再生区間の最初となる点AのPCMオーディオデータと、ループ再生区間の最後となる点BのPCMオーディオデータとは一致していることが望ましい。
図6(b)において、#N−1,#N,#N+1,…、はフレーム番号を示す。また、#Nフレーム(N番目フレーム)から#N+3フレーム(N+3番目フレーム)までの間がループ再生区間であるとする。
図6(b)において、N番目フレームのウインドウ関数は、図に太線で示すように、隣接するN−1番目フレームとN+1番目フレームにオーバーラップした山形の関数となっている。したがって、図6(a)の点Aのオーディオデータを再生するためには、N番目フレームのウインドウ情報だけではなく、1つ前のN−1番目フレームのウインドウ情報も必要となる。
しかしながら、従来の再生装置によるループ再生では、N+3番目フレームのオーディオデータを復号した後、N+4番目フレームのウインドウ情報と、N番目フレームのウインドウ情報とに基づいてN番目フレームの再生を行うため、実際に再生されるオーディオデータは、点Aのレベルと異なったものとなってしまう。すなわち、点Aと点Bのレベルが異なって再生されることになって(不連続になって)、ノイズが発生する。
一方、N+4番目フレームを復号して点Bのオーディオデータを再生した後、N−1番目フレームとN番目フレームの復号結果に基づいて点Aのオーディオデータを再生するようにすれば、ループ再生でない通常の再生と同様な再生方法となるので、点Bから点Aに対して滑らかに連続的に再生される。
しかし、かかる場合には、ループ再生の最初であるN番目フレームのオーディオデータの再生処理にのみ2倍の処理時間が要求される。すなわち、再生装置の処理に大きな負担がかかる。
したがって、本発明の目的は、ループ再生における復号処理の負担を低減した再生装置および再生方法を提供することにある。
上記課題を克服するために、本発明の第1の観点は、符号化されたデータをフレーム単位で取り込み、1つのフレーム内の符号化データの復号を当該フレームに隣接する複数のフレームの復号情報に基づいて行う復号方法をもって、前記取り込んだデータを順次復号して再生する再生手段と、前記再生手段によって得られた、フレーム毎の復号情報を記憶する記憶手段と、ループ再生のためのループ区間をフレーム単位で指定する区間指定手段と、を備え、前記再生手段は、前記区間指定手段により指定されたループ区間の開始フレームの復号情報と、前記記憶手段が記憶する前記開始フレームに隣接するフレームの復号情報とに基づいて、前記開始フレーム内のデータを復号して再生する再生装置である。
特定的には、前記復号の対象となるデータは、オーディオデータであり、前記復号方法は、改良型逆離散コサイン変換(逆MDCT)処理である。
特定的には、前記復号情報は、少なくともウインドウ情報を含む。
上記課題を克服するために、本発明の第2の観点は、符号化されたデータをフレーム単位で取り込み、1つのフレーム内の符号化データの復号を当該フレームに隣接する複数のフレームの復号情報に基づいて行う復号方法をもって、前記取り込んだデータを順次復号して再生するステップと、フレーム毎の復号情報を記憶部に記憶するステップと、フレーム単位でループ再生のためのループ区間を指定するステップと、指定されたループ区間の開始フレーム内のデータを復号して第1復号情報を取得するステップと、前記開始フレームに隣接するフレームの第2復号情報を前記記憶部から取り出すステップと、前記第1および第2復号情報に基づいて、前記開始フレームを復号して再生するステップと、を備えた再生方法である。
本発明の作用は、以下の通りである。
すなわち、再生手段は、フレーム単位で符号化されたデータを取り込み、逆MDCT処理などの、1つのフレームの復号を当該フレームに隣接する複数のフレームの復号情報に基づいて行う復号方法をもって、順次復号して再生する。記憶手段は、復号の結果得られた復号情報を記憶しておく。復号情報としては、たとえばウインドウ情報である。
区間指定手段がループ再生ループ区間をフレーム単位で指定すると、再生手段は、指定されたループ区間の開始フレームの復号情報と、記憶手段が記憶する開始フレームに隣接するフレームの復号情報とに基づいて、前記開始フレームを復号して再生する。
したがって、復号処理によって再度、開始フレームに隣接するフレームの復号情報を算出する必要がない。
本発明によれば、ループ再生における復号処理の負担を低減することができる。
以下、本発明の再生装置の一実施形態を説明する。
実施形態に係る再生装置1は、たとえば、ゲーム装置や携帯電話機、パーソナルコンピュータ(PC)などに搭載され、圧縮符号化されたオーディオデータ(圧縮データ)を復号して再生する再生装置である。
再生装置1は、オーディオデータのフレームの一定区間のループ再生が可能に構成されている。そして、ループ再生を行う際に、ループ開始のフレームの復号を効率的に行うことで、ループ再生の処理の負担を軽減させたものである。
圧縮データとしては、たとえばMPEGオーディオ方式で符号化された圧縮ビットストリームデータがある。図1は、MPEGオーディオ方式による圧縮ビットストリームデータの物理的フォーマットの一例を示す図である。
図1に例示する圧縮ビットストリームデータは、音声情報の所定のサンプル数をまとめて1フレームとして圧縮符号化された結果のビット列が、フレームごとに連続した形式で構成される。圧縮ビットストリームデータは、各フレームに対して固定ビットが割り当てられた固定長フレームにより構成されている。
さらに、ここでは各フレームの先頭に、フレーム同期ワードやデコーダの動作モードを制御する情報を有するヘッダ領域が設けられている場合を想定しており、ヘッダには、圧縮ビットストリームデータの連続した各フレームの順番を表すフレーム番号(1,2,3,4,・・・N,N+1,・・・)が含まれている。
また、各フレームが有する圧縮ビットストリームデータには、MDCT係数を復号するための量子化インデックス情報と、MDCTの逆変換を行う際に必要となるウインドウ情報と、スペクトル包絡及びゲインの量子化パラメータ情報などが含まれている。
このような圧縮ビットストリームデータは、例えばデータの配信元からインターネットを通じてPCに送られ、ユーザがこのデータをPCに装着された固体メモリにダウンロードすることで固体メモリに音声情報として記憶される。
図2は、本発明の実施形態における再生装置1の概略ブロック図であり、ここでは、記録媒体としての固体メモリ2が装着された場合の再生装置1のブロック図を示している。
図2において、再生装置1は、バッファメモリ10、圧縮デコーダ11、D/A変換器12、増幅器(AMP)13、スピーカ(SP)14、記憶手段としてのRAM15、制御部(CPU)16、を備えて構成される。
固体メモリ2には、ここでは、モノラル再生用の音楽情報が、図1に示すMPEGオーディオ方式により符号化された圧縮ビットストリームデータによって予め記憶保持されているものとする。
固体メモリ2は、再生装置1に装着された状態で制御部16及びバッファメモリ10と電気的に接続されており、制御部16の制御指令に基づいて圧縮ビットストリームデータを制御部16に指定された読み出し開始位置に相当するフレーム位置から順次バッファメモリ10に送出する。
また、固体メモリ2は、制御部16の制御指令に基づいて、圧縮ビットストリームデータを制御部16に指定された、ループ再生のためのフレーム区間について順次バッファメモリ10に送出する。
バッファメモリ10は、制御部16の制御により、固体メモリ2から順次送られてくる圧縮ビットストリームデータを一旦蓄積し、しかる後に蓄積されたデータを連続する所定フレーム数単位で圧縮デコーダ11へ順次間欠的に供給する。
また、バッファメモリ10は、制御部16がデータの読み出し開始位置を指定した場合には、当該読み出し開始位置に相当するフレームからのデータを順次読み出し、圧縮デコーダ11へ順次間欠的にデータS10として供給する。
バッファメモリ10は、制御部16がループ再生のフレーム区間を指定した場合には、当該フレーム区間のデータを順次読み出し、圧縮デコーダ11へ順次間欠的にデータS10として供給する。
図3は、圧縮デコーダ11の構成を示すブロック図である。
圧縮デコーダ11は、制御部16の制御のもとで、バッファメモリ10から順次供給されるデータS10を読み込んでビットストリームアナライザ111により、MDCT係数の量子化インデックス情報と、ゲイン量子化インデックス情報と、スペクトル包絡及びゲインの量子化パラメータ情報と、ウインドウ情報を算出し、それぞれ、MDCT係数逆量子化部112、ゲインデコード部113、スペクトル包絡再生部114、逆MDCT部116に供給する。
その結果、圧縮デコーダ11では、読み込んだデータを変換ブロックごとに、MDCT係数逆量子化部112がMDCT係数の量子化インデックス情報を用いてMDCT係数の逆量子化処理を行い、データS112を得る。
ゲインデコード部113は、ゲイン量子化インデックス情報を用いてゲインのデコード処理を行い、ゲインを取得し、MDCT係数逆量子化部112の出力データS112に対して、このゲインを掛け合わせたデータをS113として出力する。
スペクトル包絡再生部114は、スペクトル包絡及びゲインの量子化パラメータ情報を用いて、ゲインデコード部113の出力データS113に対してスペクトル包絡再生処理を行い、周波数領域での包絡再生波形データS114を得る。
次いで、MDCT係数逆正規化部115は、スペクトル包絡再生部114の出力データS114に対してMDCT係数の逆正規化を行い、正規化前のMDCT係数を出力し、さらに、逆MDCT部116がウインドウ情報を用いて逆MDCT変換処理する。
以上のようにして、圧縮ビットストリームデータの復号変換処理を行い、圧縮デコーダ11は、制御部16が生成する所定の周波数のPCMクロックに同期した非圧縮のモノラルのPCMオーディオデータS11を生成する。
なお、逆MDCT部116の処理において、図6を参照して述べたように、あるフレームのデータを逆MDCT変換処理するためには、そのフレームの1つ前のフレームのウインドウ情報が必要となる。この1つ前のウインドウ情報は、ビットストリームアナライザ111から算出されたウインドウ情報を逐次図示しないレジスタに保持される。そして、逆MDCT部116により当該レジスタのウインドウ情報が参照される。
また、圧縮デコーダ11では、ループ再生の場合に備え、各フレームのウインドウ情報を逐次RAM15に送出して格納する。すなわち、ループ再生の場合には、制御部16により指令があるまでループ開始フレームが特定できないため、ループ開始フレームより1つ前のフレームのウインドウ情報を常時参照できるように、各フレームのウインドウ情報をRAM15に格納しておく。
なお、図3では、逆MDCT部116によりRAM15に対してウインドウ情報が供給される構成としているが、ビットストリームアナライザ111からRAM15に対してウインドウ情報が供給されるようにしてもよい。
また、圧縮デコーダ11の内部に、各フレームのウインドウ情報を保持するための大容量のレジスタを確保できれば、処理の高速化のために好ましいことは言うまでもない。
圧縮デコーダ11は、生成したPCMオーディオデータを順次D/A変換器12に供給する。
D/A変換器12では、生成されたPCMオーディオデータをD/A変換してPCMオーディオデータによるアナログオーディオ信号を生成して増幅器13に供給する。
増幅器13は、D/A変換器12から供給されるアナログオーディオ信号を増幅してスピーカ14に供給する。その結果、スピーカ14からは上記アナログオーディオ信号に応じた音楽などが再生される。
制御部16は、CPUを主体として構成され、再生装置1全体の制御を統括する。
たとえば、上述したように、固体メモリ2やバッファメモリ10、圧縮デコーダ11に対する動作制御指令、タイミング制御指令などを行う。
また、制御部16は、図示しないインタフェースを介して、ユーザから与えられる再生指示信号、外部機器から与えられる再生指示信号を受け入れ、これらの再生指示信号に応じて制御を行う。たとえば、図2に示すように、ループ再生区間を指定したループ再生指示が外部から与えられる。
以上、再生装置1の構成について述べた。
次に、ループ再生における再生装置1の動作について、図4および図5に関連付けて説明する。
図4は、再生装置1の動作の説明のための圧縮ビットストリームデータの一例を示す図である。図において、1番目フレーム,2番目フレーム,…,N番目フレームを、それぞれ#1,#2,…,#Nと表記している。
また、図4においては、3番目フレームからN−1番目フレームまでがループ再生区間であり、このループ再生区間がループ再生指令とともに制御部16から圧縮デコーダ11に対して与えられる。
図5は、圧縮デコーダ11の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートに沿って、図4に例示した圧縮ビットストリームデータを処理する場合の圧縮デコーダ11の動作について、以下説明する。
図5において、ステップST1〜ST4は、圧縮ビットストリームデータのフレーム順に復号・再生する処理である。すなわち、まず、バッファメモリ10から送出されるi番目フレームを復号し、再生する(ステップST1)。その際、圧縮デコーダ11内のレジスタに格納されているi−1番目フレームのウインドウ情報が参照される。そして、i番目フレームのウインドウ情報は、RAM15に転送されて格納される(ステップST2)。
ループ再生指示がなければ(ステップST3のN)、iをインクリメントして次のフレーム(i+1番目フレーム)について、ステップST1〜ST3の動作を行う(ステップST4)。
図4に示す例では、i=1として、1番目フレーム(#1)→2番目フレーム(#2)と順次復号処理される。その際、2番目フレームの復号処理では、1番目フレームのウインドウ情報が参照される。
ループ再生指示がある場合には(ステップST3のY)、ループ再生処理としてステップST5〜ST7を行う。ループ再生指示は、ループ再生区間とともに制御部16から圧縮デコーダ11に対して与えられる。
ループ再生では、指定されたループ再生区間の最初のフレームに対し、MDCT係数逆量子化部112がMDCT係数の量子化インデックス情報を用いてMDCT係数の逆量子化処理を行う。ゲインデコード部113は、スペクトル包絡及びゲイン量子化インデックス情報を用いてゲインのデコード処理を行い、ゲインを取得し、MDCT係数逆量子化部112の出力データに対して、このゲインを掛け合わせたデータを出力する。スペクトル包絡再生部114は、スペクトル包絡及びゲインの量子化パラメータ情報を用いて、ゲインデコード部113の出力データに対してスペクトル包絡再生処理を行い、周波数領域での包絡再生波形データS114を得る。次いで、MDCT係数逆正規化部115は、スペクトル包絡再生部114の出力データに対してMDCT係数の逆正規化を行う。
しかる後、指定されたループ再生区間の最初のフレームのウインドウ情報をビットストリームアナライザ111から取得するとともに、ループ再生区間の最初のフレームより1つ前のフレームのウインドウ情報をRAM15から取り出して(ステップST6)、逆MDCT変換処理することによって、圧縮ビットストリームデータの復号変換処理を行う(ステップST7)。
ループ再生区間の最初のフレームのデータを復号した後、その次のフレーム以降のフレームについては、ステップST1〜ST3で述べた処理と同様の処理によって、順次復号・再生を行う。そして、ループ再生終了指示があるまで(ステップST5)、ループ再生区間の復号・再生を行う。
図4に示す圧縮ビットストリームデータの例では、N−1番目フレームが再生された後、圧縮デコーダ11は、RAM15から2番目フレーム(#2)のウインドウ情報を取り出して、3番目フレーム(#3)のデータの復号を行う。したがって、圧縮デコーダ11は、3番目フレーム期間(ループ再生の最初のフレーム)において、2番目フレームと3番目フレームの2つのフレームの復号処理を行って2つのウインドウ情報を算出する必要がなく、ループ再生の最初のフレームの復号・再生処理の負荷は、他のフレームと同等となる。
ステップST5で、制御部16の制御指令に従って、ループ再生が終了した後は、たとえば、ループ再生区間の次のフレームの再生処理等が行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る再生装置1によれば、オーディオデータなどを符号化した圧縮ビットストリームデータのフレームを、逆MDCT処理のような、隣接するフレームのウインドウ情報が参照される復号方法にて復号して再生する。そして、圧縮ビットストリームデータから算出された各フレームのウインドウ情報をRAMに保持しておき、ループ再生の開始フレームの処理において、RAMのウインドウ情報を参照する。
したがって、ループ再生の最初のフレームにおいて、その最初のフレームより1つ前のフレームの復号処理を行って、再度ウインドウ情報を取得する必要がない。それゆえ、ループ再生の最初のフレームの復号・再生処理の負荷は、他のフレームと同等となり、ループ再生における処理の付加が軽減されるという効果が得られる。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で当業者が適宜改変し得るものである。
たとえば、上述した実施形態では、隣接する2つのウインドウ情報に基づいて復号処理を行う場合について説明したが、復号時に参照されるフレームの数は2つに限られない。隣接する複数のフレームの復号情報に基づいて復号処理を行う場合であっても、各フレームの復号情報(本実施形態では、ウインドウ情報)がRAMに格納されているので、適宜取り出して使用することができる。
MPEGオーディオ方式による圧縮ビットストリームデータの物理的フォーマットの一例を示す図である。 本発明の実施形態における再生装置1の概略ブロック図である。 圧縮デコーダの構成を示すブロック図である。 実施形態に係る再生装置の動作の説明のための圧縮ビットストリームデータの一例を示す図である。 圧縮デコーダの動作を示すフローチャートである。 従来の再生装置において、ループ再生区間でのフレーム毎の処理を説明するための図である。
符号の説明
1…再生装置、2…固体メモリ、10…バッファメモリ、11…圧縮デコーダ、12…D/A変換器、13…増幅器(AMP)、14…スピーカ(SP)、15…RAM、16…制御部(CPU)。

Claims (5)

  1. 符号化されたデータをフレーム単位で取り込み、1つのフレーム内の符号化データの復号を当該フレームに隣接する複数のフレームの復号情報に基づいて行う復号方法をもって、前記取り込んだデータを順次復号して再生する再生手段と、
    前記再生手段によって得られた、フレーム毎の復号情報を記憶する記憶手段と、
    ループ再生のためのループ区間をフレーム単位で指定する区間指定手段と、
    を備え、
    前記再生手段は、前記区間指定手段により指定されたループ区間の開始フレームの復号情報と、前記記憶手段が記憶する前記開始フレームに隣接するフレームの復号情報とに基づいて、前記開始フレーム内のデータを復号して再生する
    再生装置。
  2. 前記復号の対象となるデータは、オーディオデータであり、前記復号方法は、改良型逆離散コサイン変換(逆MDCT)処理を含む
    請求項1記載の再生装置。
  3. 前記復号情報は、少なくともウインドウ情報を含む
    請求項2記載の再生装置。
  4. 符号化されたデータをフレーム単位で取り込み、1つのフレーム内の符号化データの復号を当該フレームに隣接する複数のフレームの復号情報に基づいて行う復号方法をもって、前記取り込んだデータを順次復号して再生するステップと、
    フレーム毎の復号情報を記憶部に記憶するステップと、
    フレーム単位でループ再生のためのループ区間を指定するステップと、
    指定されたループ区間の開始フレーム内のデータを復号して第1復号情報を取得するステップと、
    前記開始フレームに隣接するフレームの第2復号情報を前記記憶部から取り出すステップと、
    前記第1および第2復号情報に基づいて、前記開始フレームを復号して再生するステップと、
    を備えた再生方法。
  5. 前記復号の対象となるデータは、オーディオデータであり、前記復号方法は、改良型逆離散コサイン変換(逆MDCT)処理である
    請求項4記載の再生方法。

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