JP3965874B2 - 記録媒体に二液を用いて印刷する記録方法、この記録方法によって印刷された記録物、およびこの記録方法を実行する手段を備えた記録装置 - Google Patents

記録媒体に二液を用いて印刷する記録方法、この記録方法によって印刷された記録物、およびこの記録方法を実行する手段を備えた記録装置 Download PDF

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【0001】
【発明の背景】
<発明の分野>
本発明は、記録媒体に反応液とインク組成物とを付着させて印刷した後、記録媒体を極性溶媒で洗浄することにより印刷を行う記録方法に関する。
【0002】
<背景技術>
水性インク組成物は、水を主成分とし、これに着色成分およびグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。また、水性インク組成物に用いられる記録媒体は、一般にインク組成物をある程度吸収し、着色剤を浸透させることができるもの、例えば紙等が用いられる。水性インク組成物を用いて印刷を行う記録方法としては、近年、インクジェット記録方法が注目されている。インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、記録媒体に付着させて印刷を行う記録方法である。
【0003】
一方、プラスチック、金属など水性インク組成物を基本的に吸収しない記録媒体に対して印刷や塗装を行う場合には、一般に有機溶媒(特に親油性)を用いた溶剤系インク組成物や塗料が用いられる。溶剤系インク組成物や塗料は非吸収性の記録媒体に印刷した場合、固着性、耐擦性、耐久性等に優れるものである。
しかし、有機溶媒のある種のものは動植物に対して毒性を示すことがある。そのため、使用、廃棄などに注意が必要であり、取り扱いに不便な場合が多い。
【0004】
非吸収性記録媒体に印刷、塗装をする場合でも、水性インク組成物を用いた記録方法によれば、安全面、環境面、使用の便宜などの点から好ましいものといえる。しかし、非吸収性記録媒体への印刷においては、水性インク組成物の着色成分が記録媒体表面に強固に固着することが要求される。そのためには、固着までの時間、すなわち乾燥時間が短いことが要求される。着色剤の記録媒体への固着性を改善するために、水性インク組成物に樹脂を添加する提案がなされている。この樹脂は結着剤として着色剤を記録媒体上に固着するものと考えられる。
【0005】
樹脂を含んだインク組成物としては、例えば特公昭62−1426号公報に顔料と樹脂エマルジョンとを水に分散させたインクが、特開昭55−157668号公報には水不溶の樹脂エマルジョン分散液中に顔料を分散させることが、特開平1−217088号公報には特定の造膜温度を有するエマルジョンを使用することが、特開平3−60068号公報および特開平4−18462号公報には同様に樹脂エマルジョンを用いたインクが提案されている。また、特開昭56−147859号公報や特開昭56−147860号公報、特公平4−5703号公報には高分子分散剤と水溶性有機溶媒とを用いた水性分散系顔料インクの提案がなされている。
【0006】
一方、インクジェット記録方法として、少なくとも浸透性を付与する界面活性剤または浸透性溶剤および塩を含有するカラーインクと、この塩との作用により増粘または凝集するブラックインクとを組み合わせて使用することにより、画像濃度が高くかつカラーブリードがない高品位のカラー画像が得られるという提案がなされている。(特開平6−106735号公報)。すなわち、塩を含んだ第一の液と、インク組成物との二液を印刷することで、良好な画像が得られるとするインクジェット記録方法が提案されている。また、その他にも二液を印刷するインクジェット記録方法が提案されている(例えば、特開平3−240557号公報、特開平3−240558号公報)。
【0007】
【発明の概要】
本発明者は、反応液とインク組成物とからなる二液を用いたインクジェット記録方法によって記録媒体、特に非吸収性記録媒体に印刷を行ったところ、印刷面が十分に膜化しない場合が観察された。このため、本発明者は、印刷面の膜化を進行させるために印刷後に記録媒体に対して加熱することを試みたところ、印刷面の膜化が進行しないものや、記録媒体のあるものは熱によって変質、変形することが観察された。
本発明者は、今般、印刷面の膜化進行を改善することで記録媒体における着色剤の固着性、耐擦性が向上し、および画像品質を予想以上に改善することができること、即ち、印刷面の膜化進行改善にあたり、極性溶媒で洗浄することが望ましいとの知見を得た。本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0008】
従って、本発明は、記録媒体に対する着色剤の固着性に優れ、良好な画像が実現できる記録方法の提供をその目的としている。
【0009】
そして、本発明による記録方法は、記録媒体に、着色剤と、無機酸化物コロイドと、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるインク組成物と、前記インク組成物と接触したとき凝集物を生じさせる反応剤を含んでなる反応液とを付着させて印刷を行う記録方法であって、前記記録媒体は、前記インク組成物に対して実質的に非吸収性のものであり、前記着色剤は、顔料であり、前記反応剤は、多価金属塩または、ポリアリルアミン、もしくはポリアリルアミンの誘導体であり、前記反応液を記録媒体上に付着させる工程と、前記インク組成物を記録媒体上に付着させて画像を記録する工程と、そして前記反応液と前記インク組成物とを付着させて印刷した記録媒体を極性溶媒で洗浄する工程とを含んでなり、前記反応液を記録媒体上に付着させる工程または前記インク組成物を記録媒体上に付着させる工程は、前記反応液または前記インク組成物の液滴を吐出させて前記記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法である、ことを特徴とする。
さらに、本発明の記録装置は、上記の記録方法を実行する記録装置であって、前記反応液を前記記録媒体上に付着させる手段と、前記インク組成物を前記記録媒体上に付着させて画像を記録する手段と、前記反応液と前記インク組成物とを付着させて印刷した前記記録媒体を前記極性溶媒で洗浄する手段と、を具備し、前記反応液を前記記録媒体上に付着させる手段または前記インク組成物を前記記録媒体上に付着させて画像を記録する手段は、前記反応液または前記インク組成物の液滴を吐出させて前記記録媒体に付着させて印刷を行なうインクジェット記録手段である、ことを特徴とする。
【0010】
【発明の具体的説明】
<記録方法>
本発明による記録方法は、記録媒体上に後記する反応液を付着させる工程と、後記するインク組成物とを付着させて画像を記録する工程と、そして反応液とインク組成物とを付着させて印刷した記録媒体を極性溶媒で洗浄する工程とを含んでなるものである。
【0011】
本発明による記録方法にあっては、反応液とインク組成物とを記録媒体に付着させることと、印刷した記録媒体を極性溶媒で洗浄することによって、着色剤が記録媒体に強固に固着して耐擦性を有し、そして、良好な画像を実現することができる。
このような効果が生じる理由は明確でないが、以下の記載のように推論することができる。先ず反応液とインク組成物とが接触することによって、反応液中の反応剤がインク組成物中の着色剤、無機酸化物コロイド、その他の成分の分散状態を破壊して、それを凝集させると考えられる。これらの凝集物が着色剤を記録媒体表面に固着させるものと考えられる。次に反応液とインク組成物とを接触させて記録媒体に形成された印刷面は、接触当初、記録媒体の表面近傍に着色剤と無機酸化物コロイドの凝集物と、その凝集物とは分離した水または水溶性有機溶媒とが存在する。そして、凝集物は記録媒体上に定着しつつ水または水溶性有機溶媒を極性溶媒で洗浄することによって、凝集物の乾燥および膜化が促進され、即ち、着色剤と無機酸化物コロイド微粒子の複合凝集物が膜化することで、皮膜が形成される。この皮膜は、無機酸化物コロイド微粒子表面上の水酸基の存在によってより強固に記録媒体表面に固着することとなると予測することができる。その結果、着色剤が記録媒体表面に強固に固着したのではないかと考えられる。上記の機構は、記録媒体が吸収性、非吸収性のいずれにも適用できると考えられるものであるが、とりわけ、非吸収記録媒体においては、顕著にその効果が発揮されるのではないかと考えられる。なお、上記の機構はあくまで仮定であって、本発明はこの機構に限定して解釈されるものではない。
【0012】
反応液とインク組成物を記録媒体に付着させる順序としては、いずれが先であってもよく、すなわち反応液を記録媒体に付着させたその後にこの記録媒体にインク組成物を付着させる方法、インク組成物を印刷した後、反応液を付着させる方法、さらに反応液とインク組成物をその付着直前または直後に混合する方法のいずれも好適に行うことができる。
【0013】
反応液の記録媒体への付着に関しては、インク組成物を付着させる場所のみ選択的に反応液を付着させる方法と、記録媒体全体に反応液を付着させる方法のいずれの態様であってもよい。前者が反応液の消費量を必要最小限に抑えることができ経済的であるが、反応液とインク組成物双方を付着させる位置にある程度の精度が要求される。一方、後者は、前者に比べ反応液およびインク組成物の付着位置の精度の要求は緩和されるが、記録媒体全体に大量の反応液を付着させることになり、乾燥性の観点から不利である場合がある。従って、いずれの方法を採用するかは、インク組成物と反応液との組み合わせを考慮して決定されてよい。
【0014】
反応液を記録媒体に付着させる手段と、インク組成物を記録媒体に付着させる手段は、印刷業界、塗装業界において通常用いられる記録方法が可能であり、例えば、直噴、吹き付け、塗布、転写等があげられ、好ましくは液適を記録媒体に吐出させて印刷を行うインクジェット記録方法が好ましい。
【0015】
本発明においては印刷後の記録媒体を極性溶媒で洗浄する方法としては、具体的には記録媒体またはその表面を極性溶媒で濯ぐ、洗い流す、浸漬する、またはこれらの混合手段などがあげられる。洗浄する方法は、印刷中において連続的または断続的に行うことができる。使用する極性溶媒は、記録媒体に固着した着色成分が剥離せず、また水溶性で、安全性のあるものが好適に用いられる。このような極性溶媒の具体例としては、水、炭素数5以下のアルコール、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低級アルコール;式R(R’)S=Oで表されるスルホキシド(式中、RおよびR’はそれぞれ直鎖状または分岐鎖状の炭素数5以下のアルキル基)、好ましくはジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド;炭素数5以下のアミン、好ましくはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン等の低級脂肪族第一アミン、好ましくはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン等の低級脂肪族第二アミン、好ましくはトリメチルアミン、トリエチルアミン等の低級脂肪族第三アミン等の低級アミンがあげられ、またはこれらの混合物が好適には用いられる。この中でも特に好ましい極性溶媒は水である。
なお、本発明の態様によれば、記録媒体を極性溶媒で洗浄した後に記録媒体を加熱、乾燥する方法を用いることができる。
【0016】
本発明において記録媒体は、紙などのインク組成物に対して吸収性を有するもの、インク組成物に対して実質的に非吸収性のもののいずれであっても好適に用いられる。「インク組成物に対して実質的に非吸収性である」とは、記録媒体にインク組成物を付着させたとき、数秒の時間では記録媒体にインク組成物が全く浸透しないような記録媒体を意味する。本発明によるインクジェット記録方法が適用可能な記録媒体の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等を基材とするプラスチックシート、黄銅、鉄、アルミニウム、SUS、銅等の金属表面、または非金属の基材に蒸着等の手法により金属コーティング処理をした記録媒体、紙を基材として撥水処理などがなされた記録媒体、布等の繊維表面に撥水処理等がなされた記録媒体、無機質の材料を高温で焼成した、いわゆるセラミック材料からなる記録媒体などが挙げられる。
【0017】
<インク組成物>
本発明に用いられるインク組成物は、着色剤と、無機酸化物コロイドと、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる。本発明においてインク組成物とは、モノクロ印刷を行う場合にはブラックインク組成物を意味し、さらにカラー印刷を行う場合にはカラーインク組成物、具体的にはイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、およびシアンインク組成物、更に場合によってはブラックインク組成物を意味するものとする。
【0018】
<無機酸化物コロイド>
本発明に用いられるインク組成物は無機酸化物コロイドを含んでなる。本発明において無機酸化物コロイドとは、分散媒が水または水と良好に混合する有機溶媒からなり、分散質が無機酸化物の超微粒子からなるコロイド溶液を意味する。無機酸化物としては、高分子量の無水珪酸(SiO2)やアルミナ(Al2O3)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。無機酸化物の超微粒子の粒径は1〜100nm程度が一般的であり、好ましくは1〜20nmの範囲であり、より好ましくは1〜10nmの範囲である。また、無機酸化物コロイドの分散媒は、水または水と良好な相溶性を有する有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール等との混合溶媒が一般的である。無機酸化物コロイドは、上記の無機酸化物の超微粒子を水中または、上記の有機溶媒中に分散することによって得られる。上記の無機酸化物の超微粒子を水中に分散させたものは水性ゾル、有機溶媒に分散させたものをオルガノゾルと呼ばれる。
【0019】
このような無機酸化物コロイドとしては、市販のものを利用することも可能である。その具体例としては、高分子量の無水珪酸の超微粒子を水に分散させたスノーテックスS、スノーテックスN、スノーテックスC、スノーテックスSS、スノーテックスXS、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40(以上、日産化学製)、Cataloid SI-350、 Cataloid SI-500、 Cataloid SI-30、 Cataloid S-20L、 Cataloid S-20H、 Cataloid S-30L、 Cataloid S-30H、 Cataloid SI-40(以上、デュポン社製)等が挙げられる。また、アルミナの超微粒子を水中に分散させたコロイドとしてアルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、日産化学製)等が挙げられる。高分子量の無水珪酸の超微粒子を有機溶媒中に分散させたOSCAL-1432(イソプロピルアルコールゾル;触媒化成工業製)も利用可能である。上記の市販の無機酸化物コロイド溶液のpHは、酸性またはアルカリ性に調整されているものが多い。これは、無機酸化物コロイドの安定分散領域が酸性側かアルカリ性側に存在するためであり、市販の無機酸化物コロイド溶液をインク中に添加する場合は無機酸化物コロイドの安定分散領域のpHとインクのpHとを考慮して添加する必要がある。
【0020】
無機酸化物コロイドの添加量は、その種類およびその凝集物を勘案して適宜決定されて良いが、例えば、インク組成物の1〜40重量%程度が好ましく、より好ましくは5〜30重量%程度の範囲である。また、複数の無機酸化物コロイドを添加しても良い。
【0021】
<樹脂エマルジョン>
本発明における好ましい態様によれば、インク組成物は樹脂エマルジョンをさらに含んでなる。ここで、樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相が次のような樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、などがあげられる。本発明において樹脂エマルジョンは、後述する反応液中の反応剤、とりわけ多価金属イオンまたはポリアリルアミンもしくはポリアリルアミンの誘導体との相互作用により、着色剤の記録媒体表面への固着性を促進する効果を有する。
【0022】
本発明の好ましい態様によれば、樹脂エマルジョンは室温以下の最低造膜温度を有するものであることが好ましく、より好ましくは25℃以下、最も好ましくは20℃以下の最低造膜温度を有するものであることが好ましい。樹脂エマルジョン粒子の膜形成が室温以下で行うことができれば、印刷された記録媒体を極性溶媒で洗浄した後に、加熱及び乾燥手段を必要とせず、室温以下において印刷面の膜化が自動的に進行し、着色剤が記録媒体に強固に固着するので好ましい。ここで、「最低造膜温度」とは、ポリマー微粒子を水に分散させて得られた水性エマルジョンをアルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていった時に透明な連続フィルムの形成される最低の温度をいう。さらに、本発明の好ましい態様によれば樹脂エマルジョンのポリマー微粒子のガラス転移温度は10℃以下であることが好ましい。
【0023】
「造膜性」とは、ポリマー微粒子を水に分散させ水性エマルジョンの形態としたとき、この水性エマルジョンの水成分を蒸発させていくと、樹脂皮膜が形成されることを意味する。この樹脂エマルジョンが添加されたインク組成物は、水または水性有機溶媒を蒸発させていくと、樹脂皮膜が同様に形成される性質を有することとなる。この樹脂皮膜は、インク組成物中の着色剤成分を記録媒体表面に強固に固着する役割を担う。これによって、耐擦性および耐水性に優れた画像が実現できると考えられる。
【0024】
樹脂エマルジョンの添加量は、インク組成物に対して5重量%以上であり、好ましくは8重量%以上である。そして樹脂エマルジョンのポリマー微粒子は、着色剤に対してその重量比で1〜20の範囲、さらに好ましくは2〜10の範囲で含んでなる。
【0025】
また、樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の粒子径は100nm以下が好ましく、より好ましくは5〜80nm程度である。
【0026】
本発明の好ましい態様によれば、樹脂エマルジョンのポリマー微粒子は、その表面にカルボキシル基を有し、さらに二価金属塩との高い反応性を有するものであることが好ましい。具体的には、ポリマー微粒子は、その0.1重量%の水性エマルジョン3容量と、1mol/l濃度の二価金属塩水溶液1容量とを接触させたとき、波長700nmの光の透過率が初期値の50%となる時間が1×104秒以下(好ましくは1×103秒以下、より好ましくは1×102秒以下)となるような二価金属塩との反応性を有するものである。樹脂エマルジョンは、二価金属イオンと接触すると浮遊物を生じ溶液の透明度を落とす。この浮遊物の生成量を光の透過率をもって測定する。ここで、二価金属イオンとはCa2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+があげられ、それと塩を形成する陰イオンとしては、Cl-、NO3-、I-、Br-、ClO3-およびCH3COO-があげられる。このような高い反応性は、樹脂エマルジョンのポリマー微粒子がその表面に比較的多くのカルボキシル基を有することに起因するものと考えられる。上記のような高い反応性を示すような多量のカルボキシル基をその表面に有するポリマー微粒子からなる樹脂エマルジョンを含んでなるインク組成物は、撥水処理されたインクジェット記録用ヘッドのノズルプレートに親和性を有さない。従って、従来、水溶性樹脂を含んだインク組成物において問題とされていた、インク組成物がノズルプレートを良く濡らし、その結果、インク滴の飛行曲がりおよび吐出不良の発生が有効に防止されるとの大きな利点を有する。本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子を濃度10重量%で水に分散させた水性エマルジョンのテフロン板上での接触角が70°以上であることが好ましい。さらに、ポリマー微粒子を35重量%で水に分散させた水性エマルジョンの表面張力が、40×10-3N/m(40dyne/cm、20℃)以上であることが好ましい。上記の様な樹脂エマルジョンを利用することによって、インクジェット記録方法において、より飛行曲がりを防止でき、良好な印刷が可能となる。
【0027】
さらに、この樹脂エマルジョンのポリマー微粒子表面の高い親水性によって、インク組成物は優れた保存安定性が得られるとの利点も有する。
【0028】
本発明の別の好ましい態様によれば、樹脂エマルジョンのポリマー微粒子は、カルボキシル基を有する不飽和ビニル単量体に由来する構造を1〜10重量%含んでなり、かつ重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体によって架橋された構造を有し、架橋性単量体に由来する構造を0.2〜4重量%含有してなるものが好ましい。重合の際に重合可能な二重結合を二つ以上さらに好ましくは三つ以上有する架橋性単量体類を共重合させて三次元架橋させた架橋性ポリマーの利用により、ノズルプレート表面がインク組成物によりさらに濡れ難くなり、飛行曲がりをより防止でき、吐出安定性をより向上させることができる。
【0029】
本発明においては、樹脂エマルジョンのポリマー微粒子として単粒子構造のものを利用することができる。一方、本発明においてはコア部とそれを囲むシェル部とからなるコアシェル構造を有するポリマー微粒子からなる樹脂エマルジョンを利用することも可能である。本発明において「コアシェル構造」とは、「組成の異なる2種以上のポリマーが粒子中に相分離して存在する形態」を意味する。従って、シェル部がコア部を完全に被覆している形態のみならず、コア部の一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル部ポリマーの一部がコア粒子内にドメインなどを形成しているものであってもよい。さらに、コア部とシェル部の中間に、更にもう一層以上、組成の異なる層を含む3層以上の多層構造を持つものであってもよい。
【0030】
本発明の好ましい態様によれば、コア部がエポキシ基を有する樹脂からなり、シェル部がカルボキシル基を有する樹脂から形成されるものであることが好ましい。エポキシ基とカルボキシル基とは互いに反応する性質を有するが、これら二つの基をコア部とシェル部とに分離して存在させる。水または水溶性有機溶媒の減少により、ポリマー微粒子同士が合一し造膜に伴う圧力によって変形する。これによって、コア部のエポキシ基とシェル部のカルボキシル基とが結合して、網目構造を形成する。これにより、より強度の大きな皮膜を形成することができるとの利点が得られる。エポキシ基を有する不飽和ビニル単量体の量は1〜10重量%であることが好ましい。なお、ここで造膜前の一部のエポキシ基とカルボキシル基との反応は、膜形成能が失われていない限り、本発明にあっては許容されるものである。このようなポリマー微粒子内に反応性の官能基を共存させ、硬化剤を添加しなくとも造膜時にそれら基を反応させ網目構造を形成する性質を本発明にあっては「自己架橋性」と呼ぶ。
【0031】
本発明に用いられる樹脂エマルジョンは、公知の乳化重合によって得ることができる。すなわち、不飽和ビニル単量体(不飽和ビニルモノマー)を重合触媒、および乳化剤を存在させた水中において乳化重合することによって得ることができる。
【0032】
不飽和ビニル単量体としては、一般的に乳化重合で使用されるアクリル酸エステル単量体類、メタクリル酸エステル単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルエステル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、ハロゲン化単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類が挙げられる。さらに、具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、等のメタクリル酸エステル類;および酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類;塩化ビニリデン、塩化ビニル、等のハロゲン化単量体類;スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、tert−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類;エチレン、プロピレン、イソプロピレン、等のオレフィン類;ブタジエン、クロロプレン等のジエン類;ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン等のビニル単量体類が挙げられる。カルボキシル基を有さない単量体には、カルボキシル基を有する不飽和ビニル単量体の利用が必須となるが、好ましいその例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸が挙げられ、メタクリル酸の利用が好ましい。また、使用可能な乳化剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
また、上記したように本発明にあっては、上記モノマー由来の分子を、重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体によって架橋された構造を有することが好ましい。重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体の例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1、3−ブチレングリコールジアクリレート、1、6−ブチレングリコールジアクリレート、1、6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1、9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、等のジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物;ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のヘキサアクリレート化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1、3−ブチレングリコールジメタクリレート、1、4−ブチレングリコールジメタクリレート、1、6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2、2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、等のジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物;メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼンが挙げられる。
【0034】
さらに、上記単量体に加えて、アクリルアミド類または水酸基含有単量体を添加することによって、さらに印刷安定性を向上させることが出来る。アクリルアミド類の例としてはアクリルアミドおよびN、N'−ジメチルアクリルアミドが挙げられる。また、水酸基含有単量体の例としては2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、および2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられ、これらを単独または二種以上混合して使用することができる。
【0035】
また、コアシェル構造のポリマー微粒子からなる樹脂エマルジョンは、公知の手法により、一般的には多段階の乳化重合などによって製造される。例えば、特開平4−76004号公報で開示されている方法によって製造することができる。重合に用いられる不飽和ビニル単量体の例としては、上記したものが同様に挙げられる。
【0036】
また、上記のコア部へのエポキシ基の導入は、エポキシ基を有する不飽和ビニル単量体として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等を他の不飽和ビニル単量体と共重合する方法、あるいは一種以上の不飽和ビニル単量体を重合してコア粒子を調製する際にエポキシ化合物を同時に添加し、複合化させる方法を挙げることができる。重合の容易さや重合安定性等の点から前者の方法が好ましい。
【0037】
また、乳化重合の際に使用される開始剤、界面活性剤、分子量調整剤、さらには中和剤等も常法に準じて使用してよい。
【0038】
本発明において、樹脂エマルジョンはポリマー微粒子としてインク組成物の他の成分と混合されてもよいが、好ましくはポリマー微粒子を水に分散させ、水性エマルジョンの形態とした後、インク組成物の他の成分と混合されるのが好ましい。
【0039】
本発明の好ましい態様によれば、樹脂エマルジョンは、モノマーを、必要に応じて界面活性剤とともに水中で乳化重合することによって得ることができる。例えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステル、または(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレンを、界面活性剤とともに水中で乳化重合させることによって得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常1000:1〜10:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲にあることでより良好なインクの耐水性、浸透性が得られる。界面活性剤は特に限定されないが、好ましい例としてはアニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)があげられ、これらを単独または二種以上を混合して用いることができる。また、アセチレングリコール(オレフインY、ならびにサーフイノール82、104、440、465、および485(いずれもAir Products and Chemicals Inc.製))を用いることも可能である。
【0040】
また、分散相成分としての樹脂と水との割合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、好ましくは100〜200重量部の範囲が適切である。
【0041】
本発明の好ましい態様によれば、この樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。
【0042】
本発明の好ましい態様によれば、インク組成物は樹脂エマルジョン形態の熱可塑性樹脂を含んでなるのが好ましい。また、これらの樹脂は、軟化または溶融温度以上に加熱され冷却された際に強固な固着性、耐擦性のある膜を形成するものが好ましい。
【0043】
水不溶性の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セルロース、ステレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、ロジンエステル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0044】
低分子量の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、アルコールワックス、合成酸化ワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、カルナパワックス等の動植物系ワックス、ラノリン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0045】
本発明において上記条件を満足する樹脂エマルジョンとして、公知の樹脂エマルジョンを用いることも可能であり、例えば特公昭62−1426号、特開平3−56573号、特開平3−796178号、特開平3−160068号、特開平4−18462号などに記載の樹脂エマルジョンを用いることができる。
【0046】
<着色剤>
本発明に用いられるインク組成物に含まれる着色剤は、染料、顔料のいずれであっても良い。耐光性、耐水性の面においては顔料であることが好ましい。また、顔料と染料とを併用することも可能である。
【0047】
顔料は特に限定されず、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0048】
特に黒インクとして使用されるカーボンブラックとしては、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF 88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B 等が、コロンビア社製のRaven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4等が使用できる。イエローインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Yellow1、C.I.Plgment Yellow2、C.I.Pigment Yellow3、C.I.Pigment Yellow 12、C.I.Pigment Yellow13、C.I.Pigment Yellow14、C.I.Pigment Yellow16、C.I.Pigment Yellow17、C.I.Pigment Yellow73、C.I.Pigment Yellow74、C.I.Pigment Yellow75、C.I.Pigment Yellow83、C.I.Pigment Yellow93、C.I.Pigment Yellow95、C.I.Pigment Yellow97、C.I.Pigment Yellow98、C.I.Pigment Yellowl14、C.I.Pigment Yellow128.C.I.Pigment Yellow129、C.I.Pigment Yellow151、C.I.Pigment Yellow154等が挙げられる。また、マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Red5、C.I.Pigment Red7、C.I.Pigment Red12、C.I.Pigment Red48、C.I.Pigment Red4、C.I.Pigment Red57、C.I.Pigment Red57:1、C.I.Pigment Red112、C.I.Pigment Red123、C.I.Pigment Red168、C.I.Pigment Red184、C.I.Pigment Red202等が挙げられる。シアンインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Blue1、 C.I. Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue3、C.I.Pigment Blue15:3、C.I.Pigment Blue15:4、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue22、C.I.PigmentBlue60、C.I.Vat Blue4、C.I.Vat Blue60等が挙げられる。
【0049】
顔料の粒径は、10μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以下である。
【0050】
染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。
【0051】
顔料は分散剤で水性媒体中に分散させた顔料分散液としてインクに添加するのが好ましい。顔料分散液を調製するのに用いられる分散剤としては、一般に顔料分散液を調製するのに用いられている分散剤、例えば高分子分散剤、界面活性剤を使用することができる。なお、この顔料分散液に含まれる界面活性剤がインク組成物の界面活性剤としても機能するであろうことは当業者に明かであろう。高分子分散剤の好ましい例としては天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質類;アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類;サポニンなどのグルコシド類;アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。さらに、高分子分散剤の好ましい例として合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。
【0052】
インク組成物における着色剤の含有量は、0.5〜25重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15重量%程度である。
【0053】
<水、水溶性有機溶媒、および他の成分>
本発明に用いられるインク組成物の溶媒は水および水溶性有機溶媒を主成分として用いる。
【0054】
この水溶性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、Sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好ましい。
【0055】
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明に使用するインク組成物は、さらに高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでなることが好ましい。高沸点有機溶剤の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1、2、6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあげられる。
【0056】
この中でも沸点が180℃以上の水溶性有機溶媒の利用が好ましい。沸点が180℃以上の水溶性有機溶媒の使用はインク組成物の保水と湿潤性をもたらす。この結果、インク組成物を長期間保管しても着色剤の凝集や粘度の上昇がなく、優れた保存安定性を実現できる。さらに、開放状態(室温で空気に触れている状態)で放置しても流動性と再分散性を長時間維持するインク組成物が実現できる。
さらに、インクジェット記録方法においては、印字中もしくは印字中断後の再起動時にノズルの目詰まりが生じることもなく、高い吐出安定性が得られる。
【0057】
沸点が180℃以上の水溶性有機溶媒の例としては、エチレングリコール(沸点:197℃;以下括弧内は沸点を示す)、プロピレングリコール(187℃)、ジエチレングリコール(245℃)、ペンタメチレングリコール(242℃)、トリメチレングリコール(214℃)、2−ブテン−1、4−ジオール(235℃)、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール(243℃)、2−メチル−2、4−ペンタンジオール(197℃)、N−メチル−2−ピロリドン(202℃)、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(257〜260℃)、2−ピロリドン(245℃)、グリセリン(290℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(243℃)、ジプロピレングリコールモノエチルグリコール(198℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(190℃)、ジプロピレングリコール(232℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(249℃)、テトラエチレングリコール(327℃)、トリエチレングリコール(288℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(230℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(202℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(194℃)が挙げられる。沸点が200℃以上であるものが好ましい。これら水溶性有機溶媒は単独または2種以上混合して使用することができる。
【0058】
これら水溶性有機溶媒の含有量は、インク組成物に対して好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より好ましくは2〜20重量%である。
【0059】
本発明の好ましい態様によれば、本発明に用いられるインク組成物は、糖、三級アミン、水酸化アルカリ、またはアルギン酸誘導体を含んでなることができる。糖および三級アミンの添加は湿潤性をもたらす。また、三級アミンと水酸化アルカリの添加は、インク組成物中の着色剤および樹脂エマルジョンのポリマー微粒子のインク中での分散安定化をもたらす。
【0060】
糖の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖[(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表される]、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などがあげられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。これら糖類の添加量は0.1〜40重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜30重量%程度である。
【0061】
三級アミンの例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン等が挙げられる。これらは単独または混合して使用されてよい。これら三級アミンのインク組成物への添加量は、0.1〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは、0.5〜5重量%である。
【0062】
水酸化アルカリの例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムであり、その添加量は0.01〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.05〜3重量%程度である。
【0063】
アルギン酸誘導体の好ましい例としては、アルギン酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)アルギン酸有機塩(例えば、トリエタノールアミン塩)、アルギン酸アンモニウム塩、等が挙げられる。このアルギン酸誘導体のインク組成物への添加量は、好ましくは0.01〜1重量%程度であり、より好ましくは0.05〜0.5重量%程度である。
【0064】
アルギン酸誘導体の添加により良好な画像が得られる理由は明確ではないが、反応液に存在する多価金属塩が、インク組成物中のアルギン酸誘導体と反応し、着色剤の分散状態を変化させ、着色剤の記録媒体への定着が促進されることに起因するものと考えられる。
【0065】
本発明に用いられるインク組成物は、さらに界面活性剤を含有することができる。界面活性剤の例としては、上記した樹脂エマルジョンの調製において用いた界面活性剤と同一のものを好適には用いることができる。
【0066】
その他、保存安定性を向上させるために必要に応じて、インク組成物にpH調整剤、防腐剤、防かび剤等を添加することも可能である。
【0067】
<反応液>
本発明において用いられる反応液は反応剤を含んでなり、ここで「反応剤」とは、インク組成物中の顔料および/または樹脂エマルジョン等の分散および/または溶解状態を破壊し、凝集させ得るものである。その例としては、多価金属塩、ポリアミン、およびポリアミン誘導体があげられる。
【0068】
反応液に用いることができる多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成され、水に可溶なものである。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+などの二価金属イオン、Al3+、Fe3+、Cr3+などの三価金属イオンがあげられる。陰イオンとしては、Cl-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -、およびCH3COO-などがあげられる。
【0069】
とりわけ、Ca2+またはMg2+より構成される金属塩は、反応液のpH、得られる印刷物の品質という二つの観点から、好適な結果を与える。
【0070】
これら多価金属塩の反応液中における濃度は印刷品質、目詰まり防止の効果が得られる範囲で適宜決定されてよいが、好ましくは0.1〜40重量%程度であり、より好ましくは5〜25重量%程度である。
【0071】
本発明の好ましい態様によれば、反応液に含まれる多価金属塩は、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する硝酸イオンまたはカルボン酸イオンとから構成され、水に可溶なものである。
【0072】
ここで、カルボン酸イオンは、好ましくは炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸または炭素数7〜11の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるものである。炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸の好ましい例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸などが挙げられる。特に蟻酸、酢酸が好ましい。
【0073】
このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよく、そのようなカルボン酸の好ましい例としては、乳酸が挙げられる。
【0074】
さらに、炭素数6〜10の炭素環式モノカルボン酸の好ましい例としては、安息香酸、ナフトエ酸等が挙げられ、より好ましくは安息香酸である。
【0075】
反応液に用いることができるポリアリルアミンおよびポリアリルアミン誘導体は水に可溶で、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子である。例えば、下記の式(I)、式(II)、および式(III)で表されるものが挙げられる。
【0076】
【化1】
Figure 0003965874
(上記式中、X−は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等を表す)上記以外に、アリルアミンとジアリルアミンが共重合したポリマーやジアリルメチルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄との共重合体を使用することができる。
【0077】
これらポリアリルアミンおよびポリアリルアミン誘導体の含有量は、反応液の0.5〜10重量%であることが好ましい。
【0078】
本発明の好ましい態様によれば、反応液は、多価金属塩に加えて、ポリオールを含んでなる。ここで、このポリオールは、20℃での蒸気圧が0.01mmHg、以下であるものであり、かつその添加量は多価金属塩に対して重量比で1以上、好ましくは1.0〜5.0とされる。さらに本発明の好ましい態様によれば、このポリオールの反応液に対する添加量は10重量%以上であるのが好ましく、より好ましくは10〜30重量%程度である。
【0079】
ポリオールの好ましい具体例としては、多価アルコール、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1、4−ブタンジオールなどが挙げられる。さらに、ポリオールの好ましい具体例としては糖、例えば単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげられる。
【0080】
これらポリオールは単独で添加されても、二以上の混合物として添加されてよい。二以上の混合物として添加される場合、その添加量は、合計として多価金属塩に対して重量比で1以上とされる。
【0081】
本発明の好ましい態様によれば、反応液は高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでなる。高沸点有機溶媒は、反応液の乾燥を防止する。高沸点有機溶媒の好ましい例としては、前記ポリオールとも一部重なるが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1、2、6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあげられる。本発明の好ましい態様によれば、反応液はトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびグリセリンを組み合わせて含んでなることが好ましい。
【0082】
高沸点有機溶媒の添加量は特に限定されないが、反応液に対して、好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より好ましくは2〜20重量%程度である。
【0083】
本発明の好ましい態様によれば、反応液は低沸点有機溶剤を含んでなる。低沸点有機溶剤の好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。低沸点有機溶剤の添加量は0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲である。
【0084】
本発明の好ましい態様によれば、反応液は浸透剤を含んでなる。浸透剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の各種界面活性剤、メタノール、エタノール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルなどがあげられる。
【0085】
さらに本発明に用いることができる浸透剤は、下記式(IV)で表わされる化合物及び/または多価アルコールの低級アルコールエーテルが、より好ましい。
【0086】
【化2】
Figure 0003965874
(式中、0≦m+n≦50、R1、R2、R3、およびR4は独立してアルキル基である)
上記式で表される化合物の代表的なものとして具体的にはオルフインY、サーフィノール82、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(いずれも製造:Air Products and Chemicals.Inc.)等がある。これらは単独でまたは2種類以上添加してもい。
【0087】
本発明の好ましい態様によれば、反応液はpH調整のためにトリエタノールアミンを含んでなる。トリエタノールアミンが添加される場合、その添加量は0〜2.0重量%程度が好ましい。
【0088】
また、この反応液は、前記のインク組成物の項で記載したカラー着色剤を添加して着色され、インク組成物の機能を兼ね備えたものとされてもよい。
【0089】
<記録装置>
本発明による記録装置について、図面を用いて説明する。
本発明による記録装置の構成を図1によって示す。記録媒体を収納した供給源1から記録媒体がインクジェット記録機構2を備えた印刷工程に搬入される。インクジェット記録機構2に備えられた記録ヘッドから反応液とインク組成物とが記録媒体の表面に吐出されて印刷面3が形成される。記録ヘッドは、図中に記載していない、反応液を吐出するノズルとインク組成物を吐出するノズルとから構成されている。印刷面3が形成された記録媒体は、洗浄工程に搬入される。印刷面3が形成された記録媒体は洗浄機構4で極性溶媒により洗浄される。洗浄機構4は図中に記載していない洗浄液を回収し、分離する手段を有してなる。洗浄後、記録媒体は乾燥工程に搬入される。記録媒体は乾燥機構5で乾燥される。乾燥機構5は記録媒体に接触してそれを加熱するものであっても、赤外線などを照射しまたは熱風を吹き付けるなど記録媒体に接触せずに加熱するものであってもよい。乾燥後、記録媒体は、製品として製品格納受け6に搬入される。なお、この記録装置は記録媒体の搬送手段として図中に記載したロールまたは図中に記載していないコンベヤー等によって行う。
【0090】
本発明による記録装置の一態様を図2に示す。図2の符号中、図1の機構等と同一構成のものは図1の符号と同一符号とした。
PETフィルムロール11からPETフィルムがインクジェット記録機構2を備えた印刷工程に搬入される。インクジェット記録機構2に備えられた記録ヘッドから反応液とインク組成物とがPETフィルムの表面に吐出されて印刷面3が形成される。印刷面3が形成されたPETフィルムは、支持台12を通過して洗浄工程に搬入される。印刷面3が形成されたPETフィルムは洗浄機溝4で極性溶媒によって洗浄される。洗浄後、PETフィルムは乾燥工程に搬入される。PETフィルムは乾燥機構5で乾燥される。乾燥後、印刷されたPETフィルム製品としてロール13に巻き付けられる。
【0091】
【実施例】
以下に、本発明の実施態様を示すが、これらの実施例は本発明の内容を説明するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0092】
<樹脂エマルジョンの調製>
<樹脂エマルジョン1>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下漏斗を付けたフラスコに、蒸留水100ml、および過硫酸カリウム0.1gを加え、攪拌下に窒素置換しながら、内温を70℃まで加熱した。次いで、蒸留水100ml、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1.Og、スチレン30g、2−エチルヘキシルアクリレート55g、メタクリル酸5gを攪拌して乳化物を調製した。これを滴下漏斗を用いて上記フラスコ内に徐々に滴下した。得られた乳濁液を室温まで冷却し、この乳濁液を0.4μmのフィルターで濾過し、樹脂エマルジョンの濃度が30%となるように蒸留水で調製した。得られた乳濁液は、最低造膜温度が約20℃のものであり、後述する反応液1または2と混合すると凝集する特性を示した。
【0093】
<樹脂エマルジョン2>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下漏斗を付けたフラスコに、蒸留水100ml、および過硫酸カリウム0.1gを加え、攪拌下に窒素置換しながら、内温を70℃まで加熱した。次いで、蒸留水100ml、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1.O g、スチレン50g、2−エチルヘキシルアクリレート35g、メタクリル酸5gを攪拌して乳化物を調製した。これを滴下漏斗を用いて上記フラスコ内に徐々に滴下した。得られた乳濁液を室温まで冷却し、この乳濁液を0.4μmのフィルターで濾過して、樹脂エマルジョンの濃度が30%となるように蒸留水で調製した。得られた乳濁液は、最低造膜温度が約60℃のものであり、後述する反応液1または2と混合したとこと凝集する特性を示した。
【0094】
<インク組成物の調製>
下記の組成からなるインク組成物を調製した。調製は下記の要領で行った。顔料と分散剤と水とを混合して、サンドミル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。その後、ガラスビーズを取り除き、顔料分散液を調製した。
次いで、顔料、分散剤を除く溶剤を混合してインク溶媒として、上記の顔料分散液を攪拌しながらインク溶媒を徐々に液下して、常温で20分攪拌した。5μmのメンブランフィルターで濾過して、インクジェット記録用インク組成物とした。
【0095】
<インク組成物1>
カーボンブラックMA7(三菱化学製) 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
【0096】
<インク組成物2>
カーボンブラックMA7(三菱化学製) 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量%
樹脂エマルジョン1
(ポリマー微粒子の濃度として) 10重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
【0097】
<インク組成物3>
カーボンブラックMA7(三菱化学製) 5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量%
樹脂エマルジョン2
(ポリマー微粒子の濃度として) 10重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
【0098】
<インク組成物4>
C.Iピグメントブラック1 1重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
グリセリン 15重量%
イオン交換水 残量
【0099】
<カラ−インクセット1>
<シアンインク1>
C.Iピグメントブルー15:3 2重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量%
ジエチレングリコール 10重量%
イオン交換水 残量
<マゼンタインク1>
C.Iピグメントレッド122 3重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 25重量%
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 5重量%
イオン交換水 残量
<イエロ−インク1>
C.Iピグメントイエロー74 3.5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 17重量%
グリセリン 8重量%
イオン交換水 残量
【0100】
<カラ−インクセット2>
<シアンインク2>
C.Iピグメントブルー15:3 2重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量%
樹脂エマルジョン1
(ポリマー微粒子の濃度として) 10重量%
ジエチレングリコール 10重量%
イオン交換水 残量
<マゼンタインク2>
C.Iピグメントレッド122 3重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 25重量%
樹脂エマルジョン1
(ポリマー微粒子の濃度として) 20重量%
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 5重量%
イオン交換水 残量
<イエロ−インク2>
C.Iピグメントイエロー74 3.5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 17重量%
樹脂エマルジョン1
(ポリマー微粒子の濃度として) 15重量%
グリセリン 8重量%
イオン交換水
【0101】
<カラ−インクセット3>
<シアンインク3>
C.Iピグメントブルー15:3 2重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量%
樹脂エマルジョン2
(ポリマー微粒子の濃度として) 10重量%
ジエチレングリコール 10重量%
イオン交換水 残量
<マゼンタインク3>
C.Iピグメントレッド122 3重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 25重量%
樹脂エマルジョン2
(ポリマー微粒子の濃度として) 20重量%
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 5重量%
イオン交換水 残量
<イエロ−インク3>
C.Iピグメントイエロー74 3.5重量%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
スノーテックスS
(コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 17重量%
樹脂エマルジョン2
(ポリマー微粒子の濃度として) 15重量%
グリセリン 8重量%
イオン交換水 残量
【0102】
<カラ−インクセット4>
<シアンインク4>
顔料KET BLUE EX−1 3重量%
(大日本インキ化学工業社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
<マゼンタインク4>
顔料KET Red 309 4重量%
(大日本インキ化学工業社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
ジエチレングリコール 15重量%
イオン交換水 残量
<イエロ−インク4>
顔料KET Yellow 403 3重量%
(大日本インキ化学工業社製)
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量%
ジエチレングリコール 10重量%
イオン交換水 残量
【0103】
<反応液の調製>
反応液を下記の組成にしたがって調製した。
<反応液1>
硝酸マグネシウム・六水和物 25重量%
トリエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル 10重量%
グリセリン 10重量%
イオン交換水 残量
【0104】
<反応液2>
ポリアリルアミン PAA−HCL−3L 20重量%
(樹脂成分50%、日東紡績社製)
ジエチレングリコール 15重量%
イオン交換水 残量
【0105】
<印刷評価試験>
下記の表1に記載通りの組み合わせによって例とした。下記の評価の対象とした印刷物は、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンターMJ−930Cを用いて、上記例のインク組成物と反応液とを、常温、常湿下において、PETフィルムおよびアルミ板に印刷することによって得た。印刷は、反応液、ブラックインク、およびカラーインクを100%dutyでPETフィルムおよびアルミ板上に同時に行った。そして、実施例および比較例の印刷物のみ水洗した。なお、本明細書において使用される単位「duty」は下記の式(I)で定義され、算出される値Dの単位を示すものである。
【数1】
Figure 0003965874
【表1】
Figure 0003965874
【0106】
<評価1:水洗後のインクの固着性評価>
印刷物の印刷面を指で強く擦ってインクの固着性を以下の基準により評価した。
A:PETフィルムおよびアルミ板ともインクの剥離が全く無かった。
B:インクの剥離がPETフィルムにおいてはないがアルミ板で剥離が僅かにあった。
C:インクの剥離がPETフィルムおよびアルミ板の両方で僅かにあった。
D:PETフィルムまたはアルミ板上でインクが完全に剥離した。
<評価2:カラ−ブリ−ド>
印刷物について、色境界での不均一な色の混じりを目視で以下の基準により評価した。
A:色混じりが無く境界が鮮明であった。
B:色混じりが僅かに発生した。
C:ヒゲ状に色の混じりが発生した。
D:色境界がはっきりしないほど色が混ざった。
【0107】
上記評価試験の結果は下記の表2に示した通りであった。
【表2】
Figure 0003965874

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録装置を示す概略図である。
【図2】本発明による記録装置の一態様を示す図であって、この態様においてはPETフィルムを印刷する記録装置を示している。
【符号の説明】
1 供給源1 記録ヘッド
2 インクジェット記録機構
3 印刷面
4 洗浄機構
5 乾燥機構
6 製品格納受け
11 PETフィルムロール
12 支持台
13 製品ロール

Claims (13)

  1. 記録媒体に、着色剤と、無機酸化物コロイドと、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるインク組成物と、前記インク組成物と接触したとき凝集物を生じさせる反応剤を含んでなる反応液とを付着させて印刷を行う記録方法であって、
    前記記録媒体は、前記インク組成物に対して実質的に非吸収性のものであり、
    前記着色剤は、顔料であり、
    前記反応剤は、多価金属塩または、ポリアリルアミン、もしくはポリアリルアミンの誘導体であり、
    前記反応液を記録媒体上に付着させる工程と、前記インク組成物を記録媒体上に付着させて画像を記録する工程と、そして前記反応液と前記インク組成物とを付着させて印刷した記録媒体を極性溶媒で洗浄する工程とを含んでなり、
    前記反応液を記録媒体上に付着させる工程または前記インク組成物を記録媒体上に付着させる工程は、前記反応液または前記インク組成物の液滴を吐出させて前記記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法である、記録方法。
  2. 前記記録媒体の表面がプラスチック、ゴム、金属、またはセラミックである、請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記無機酸化物コロイドがコロイダルシリカである請求項1または2記載の記録方法。
  4. 前記インクがさらに樹脂エマルジョンを含んでなる請求項1〜3いずれか一項記載の記録方法。
  5. 前記樹脂エマルジョンの最低造膜温度が25℃以下のものである、請求項4記載の記録方法。
  6. 前記樹脂エマルジョンの添加量が、インク組成物に対して5重量%以上であり、かつ着色剤に対して樹脂エマルジョンのポリマー微粒子をその重量比で1〜20の範囲で含んでなるものである、請求項4または5記載の記録方法。
  7. 前記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の粒径が100nm以下である、請求項4〜6のいずれか一項記載の記録方法。
  8. 前記水溶性有機溶媒が180℃以上の沸点を有するものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録方法。
  9. 前記多価金属塩が硝酸塩またはカルボン酸塩である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録方法。
  10. 前記カルボン酸塩を構成するカルボン酸イオンが、炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸(このカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよい)または炭素数6〜10の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるものである、請求項9に記載の記録方法。
  11. 前記反応液がトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびグリセリンを更に含んでなるものである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の記録方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の記録方法によって印刷された、記録物。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の記録方法を実行する記録装置であって、
    前記反応液を前記記録媒体上に付着させる手段と、
    前記インク組成物を前記記録媒体上に付着させて画像を記録する手段と、
    前記反応液と前記インク組成物とを付着させて印刷した前記記録媒体を前記極性溶媒で洗浄する手段と、を具備し、
    前記反応液を前記記録媒体上に付着させる手段または前記インク組成物を前記記録媒体上に付着させて画像を記録する手段は、前記反応液または前記インク組成物の液滴を吐出させて前記記録媒体に付着させて印刷を行なうインクジェット記録手段である、記録装置。
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