JPH1129732A - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

インクジェット記録用インク組成物

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JPH1129732A
JPH1129732A JP8339198A JP8339198A JPH1129732A JP H1129732 A JPH1129732 A JP H1129732A JP 8339198 A JP8339198 A JP 8339198A JP 8339198 A JP8339198 A JP 8339198A JP H1129732 A JPH1129732 A JP H1129732A
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利行 宮林
Yasushi Takamatsu
靖 高松
Futoshi Hoshino
太 星野
Masahisa Kaneko
将寿 金子
Hisahiro Yoshimura
寿洋 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦過性および耐水性に優れた画像が実現で
き、ノズルの目詰まりがなく、安定した印字が可能とな
るインク組成物を提供すること。 【解決手段】 造膜性を有し、その表面にカルボキシル
基を有し、かつその0.1重量%の水性エマルジョン3
容量と、1mol/lの濃度の二価金属塩水溶液1容量
とを接触させたとき、波長700nmの光の透過率が初
期値の50%となる時間が1×104秒以下となるよう
な二価金属塩との反応性を有するポリマーインク組成物
は、耐擦過性および耐水性に優れた画像が実現でき、ノ
ズルの目詰まりがなく、安定した印字が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録方法に好ましく用いられ
るインク組成物およびインクジェット記録用インク組成
物に好ましく用いられるポリマー微粒子に関する。
【0002】背景技術 インクジェット記録方法は、インクの小液滴を飛翔さ
せ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法で
ある。インクとしては、一般に各種の水溶性染料を水ま
たは水と有機溶剤とに溶解させたものが使用されてい
る。このような水溶性染料を含むインクにより形成され
た画像は耐水性や耐光性に劣ることが一般的に指摘され
ている。
【0003】これに対して、顔料を水性媒体に分散させ
て得られたインクは、耐水性および耐光性に優れる。し
かし、顔料を着色剤とするインクにより得られた画像
は、着色剤成分が記録媒体表面近くに残りやすい。よっ
て、着色剤の記録媒体表面への定着が十分でないと、画
像を指で擦ると顔料で紙が汚れたり、またマーカーペン
で印刷文字をマーキングした場合に画像部分が汚れると
の指触性および耐擦過性において十分な印字が得られな
い。着色剤の記録媒体への定着性を改善するため、イン
ク組成物に樹脂を添加する提案がなされている。この樹
脂は結着剤として着色剤を強固に記録媒体上に固定する
ものと考えられる。
【0004】樹脂を含んだインク組成物としては、例え
ば特公昭62−1426号公報に顔料と樹脂エマルジョ
ンとを水に分散させたインクが、特開昭55−1576
68号公報には水不溶の樹脂エマルジョン分散液中に顔
料を分散させることが、特開平1−217088号公報
には特定の造膜温度を有するエマルジョンを使用するこ
とが、特開平3−60068号公報および特開平4−1
8462号公報には同様に樹脂エマルジョンを用いたイ
ンクが開示されている。また、特開昭56−14785
9号公報や特開昭56−147860号公報、特公平4
−5703号公報には高分子分散剤と水溶性有機溶剤と
を用いた水性分散系顔料インクの提案がなされている。
【0005】また、コア部とそれを取り囲むシェル部と
からなるコア・シェル型の樹脂粒子をインクジェト記録
用インクに用いる検討もなされている。例えば、特開平
3−299234号公報には、平均粒径0.1μm以下
の(メタ)アクリル酸エステル類、ビニルエステル類、
スチレン類、オレフィン類の単独重合または共重合で得
られたコアポリマーとフッ素ポリマーとからなるシェル
ポリマーで構成された2層構造を持つポリマー微粒子を
用いた画像記録用インクが提案されている。また、特開
平8−259869号公報には、水性インクセットの成
分としてコアがスチレン・ジビニルベンゼンポリマー等
の高架橋を有するポリマーで、シェルが表面変性可能な
構造を有する有機微粒子を用いるという提案がされてい
る。
【0006】また、特開平7−278479号公報に
は、1分子中に重合性二重結合を含有する基を2個以上
有する架橋性モノマーを5重量%以上、かつ親水性基を
有する親水性モノマーを2重量%以上含有する重合性モ
ノマーを重合して得られた微粒子の利用が提案されてい
る。
【0007】しかしながら、このような樹脂を含んでな
るインク組成物にあっては、場合によって、樹脂の添加
によってインク組成物の粘度が高くなりインクジェット
記録方法に適さないものとなってしまうことが観察され
た。また、インクジェット記録用ヘッドにおいては、ノ
ズルプレートを撥水性に処理し、インク滴がノズルより
飛翔しやすいようにされている。樹脂を含んだインク組
成物は、一般に、撥水性に処理されたノズルプレートと
馴染んでそれをよく濡らす傾向がある。その結果インク
滴の飛行曲がりおよび吐出不良の発生が観察された。さ
らに、樹脂の水溶性に起因して、得られた印刷画像は耐
水性に劣ることがある。さらにまた、インク中の水分の
蒸発に起因するインクの粘度上昇によってノズルが目詰
まりしてしまうことがしばしば観察された。
【0008】また、特開平7−278479号公報に開
示の重合体微粒子は架橋性モノマーが5重量%以上含有
されていることから高架橋となり、充分な成膜性が得ら
れないために、印字物の記録媒体への充分な定着性が得
られず、耐擦過性に劣るという問題がある。
【0009】
【発明の概要】本発明者らは、今般、二価の金属の塩と
高い反応性を有するポリマー微粒子の添加によって、優
れた性能を有するインク組成物が得られるとの知見を得
た。とりわけ、耐擦過性および耐水性に優れた画像が実
現でき、ノズルの目詰まりがなく、安定した印字が可能
となるインク組成物の提供が可能であるとの知見を得
た。本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0010】従って、本発明は、耐擦過性および耐水性
に優れた画像が実現でき、ノズルの目詰まりがなく、安
定した印字が可能となるインク組成物の提供をその目的
としている。
【0011】そして、本発明によるインク組成物は、着
色剤と、ポリマー微粒子と、水溶性有機溶媒と、水とを
少なくとも含んでなるインク組成物であって、前記ポリ
マー微粒子は、造膜性を有し、その表面にカルボキシル
基を有し、かつその0.1重量%の水性エマルジョン3
容量と、1mol/lの濃度の二価金属塩水溶液1容量
とを接触させたとき、波長700nmの光の透過率が初
期値の50%となる時間が1×104秒以下となるよう
な二価金属塩との反応性を有するものである。
【0012】
【発明の具体的説明】インク組成物 本発明によるインク組成物はインク組成物を用いた記録
方式に用いられる。インク組成物を用いた記録方式と
は、例えば、インクジェット記録方式、ペン等による筆
記具による記録方式、その他各種の印字方式が挙げられ
る。特に本発明によるインク組成物は、インクジェット
記録方法に好ましく用いられる。
【0013】本発明によるインク組成物は、着色剤と、
ポリマー微粒子と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくと
も含んでなる。
【0014】ポリマー微粒子 本発明において用いられるポリマー微粒子は、造膜性を
有し、かつ二価金属塩と高い反応性を有するものであ
る。
【0015】ここで、造膜性とは、ポリマー微粒子を水
に分散させ水性エマルジョンの形態としたとき、この水
性エマルジョンの水成分を蒸発させていくと、樹脂皮膜
が形成されることを意味する。このポリマー微粒子が添
加されたインク組成物は、その溶媒成分を蒸発させてい
くと、樹脂皮膜が同様に形成される性質を有することと
なる。この樹脂皮膜は、インク組成物中の着色剤成分を
強固に記録媒体表面に固着する役割を担う。これによっ
て、耐擦過性および耐水性に優れた画像が実現できると
考えられる。
【0016】さらに本発明において用いられるポリマー
微粒子は、その表面にカルボキシル基を有し、さらに二
価金属塩と高い反応性を有する。具体的には、ポリマー
微粒子は、その0.1重量%の水性エマルジョン3容量
と、1mol/lの濃度の二価金属塩水溶液1容量とを
接触させたとき、波長700nmの光の透過率が初期値
の50%となる時間が1×104秒以下(好ましくは1
×103秒以下、より好ましくは1×102秒以下))と
なるような二価金属塩との反応性を有するものである。
本発明において用いられるポリマー微粒子は、二価金属
イオンと接触すると反応して浮遊物を生じ溶液の透明度
を落とす。この浮遊物の生成量を光の透過率をもって測
定する。ここで、二価金属イオンとは、Ca2+、C
2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+が挙げられ、そ
れと塩を形成する陰イオンとしては、Cl-、NO3 -
-、Br-、ClO3 -よびCH3COO-があげられる。
このような高い反応性は、ポリマー微粒子がその表面に
比較的多くのカルボキシル基を有することに起因するも
のと考えられる。上記の様な高い反応性を示すような多
量のカルボキシル基をその表面に有するポリマー微粒子
を含んでなるインク組成物は、撥水処理されたインクジ
ェット記録用ヘッドのノズルプレートに親和性を有さな
い。従って、従来、樹脂を含んだインク組成物において
問題とされていた、インク組成物がノズルプレートをよ
く濡らし、その結果インク滴の飛行曲がりおよび吐出不
良の発生が有効に防止されるとの大きな利点を有する。
本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子を濃度
10重量%で水媒体に分散させた水性エマルジョンのテ
フロン板上での接触角が70°以上であることが好まし
い。さらに、ポリマー微粒子を濃度35重量%で水媒体
に分散させた水性エマルジョンの表面張力が、40×1
-3N/m(40dyne/cm、20℃))以上であ
ることが好ましい。上記の様なポリマー微粒子を利用す
ることによって、より飛行曲がりを防止でき、良好な印
刷が可能となる。
【0017】ポリマー微粒子の粒径は好ましくは0.0
05〜0.4μm程度であり、より好ましくは0.00
5〜0.2μm程度である。
【0018】さらに、上記のような比較的多量のカルボ
キシル基を有するポリマー微粒子の利用は、より良好な
耐擦過性および耐水性を実現する。その理由は定かでは
ないが、下記の様に考えられる。すなわち、本発明によ
るインク組成物を紙のような記録媒体表面に付着させる
と、先ずインク組成物中の水および水溶性有機溶媒が記
録媒体へ浸透する。そして、記録媒体の表面近傍に着色
剤とポリマー微粒子とが残る。この時、このポリマー微
粒子表面のカルボキシル基は、紙繊維を構成するセルロ
ースの水酸基と結合し、ポリマー微粒子と紙繊維とが強
固に吸着することとなる。これによって、着色剤の紙内
部への浸透がさらに抑制される。さらに、この紙繊維に
吸着したポリマー微粒子の近傍の水および水溶性有機溶
媒は紙内部に浸透して減少していく。上記したように、
ポリマー微粒子は造膜性を有することから、水および水
溶性有機溶媒の減少により、ポリマー微粒子同士が合一
し、樹脂皮膜を形成する。この樹脂皮膜は、カルボキシ
ル基の存在によってより強固に記録媒体表面に固着する
こととなる。上記はあくまで仮定であって、本発明は上
記に限定されない。
【0019】さらに、このポリマー微粒子表面の高い親
水性によって、本発明のインク組成物は優れた保存安定
性が得られるとの利点も有する。
【0020】本発明の好ましい態様によれば、ポリマー
微粒子は室温以下の最低造膜温度を有するものであるこ
とが好ましく、より好ましくは30℃以下、最も好まし
くは10℃以下の最低造膜温度を有するものであること
が好ましい。ポリマー微粒子は造膜性を有するが、膜形
成が室温以下で行われるのが好ましいからである。ここ
で、最低造膜温度とは、ポリマー微粒子を水に分散させ
て得られたポリマーエマルジョンをアルミニウム等の金
属板の上に薄く流延し、温度を上げていった時に透明な
連続フィルムの形成される最低の温度をいう。最低成膜
温度以下の温度領域では白色粉末状となる。さらに本発
明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子のガラス転
移点は30℃以下であることが好ましい。
【0021】本発明の好ましい態様によれば、ポリマー
微粒子は、カルボキシル基を有する不飽和ビニル単量体
に由来する構造を1〜10重量%含んでなり、かつ重合
可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体によって
架橋された構造を有し、架橋性単量体に由来する構造を
0.2〜4重量%含有してなるものであることが好まし
い。重合の際に重合可能な二重結合を二つ以上さらに好
ましくは三つ以上有する架橋性単量体類を共重合させて
三次元架橋させた架橋性ポリマーの利用により、ノズル
プレート表面がインク組成物によりさらに濡れ難くな
り、飛行曲がりをより防止でき、吐出安定性をより向上
させることが出来る。
【0022】本発明においてポリマー微粒子として単粒
子構造のものを利用することができる。一方、本発明に
おいてはコア部とそれを囲むシェル部とからなるコアシ
ェル構造を有するポリマー微粒子を利用することも可能
である。本発明において「コアシェル構造」とは、「組
成の異なる2種以上のポリマーが粒子中に相分離して存
在する形態」を意味する。従って、シェル部がコア部を
完全に被覆している形態のみならず、コア部の一部を被
覆しているものであってもよい。また、シェル部ポリマ
ーの一部がコア粒子内にドメインなどを形成しているも
のであってもよい。さらに、コア部とシェル部の中間
に、更にもう一層以上、組成の異なる層を含む3層以上
の多層構造を持つものであってもよい。
【0023】本発明の好ましい態様によれば、コア部が
エポキシ基を有する樹脂からなり、シェル部がカルボキ
シル基を有する樹脂から形成されるものであることが好
ましい。エポキシ基とカルボキシル基とは互いに反応す
る性質を有するが、これら二つの基をコア部とシェル部
とに分離して存在させる。水および水溶性有機溶媒の減
少により、ポリマー微粒子同士が合一し造膜に伴う圧力
によって変形する。これによって、コア部のエポキシ基
とシェル部のカルボキシル基とが結合して、網目構造を
形成する。これにより、より強度の大きな皮膜を形成す
ることが出来るとの利点が得られる。エポキシ基を有す
る不飽和ビニル単量体の量は1〜10重量%であること
が好ましい。なお、ここで造膜前の一部のエポキシ基と
カルボキシル基との反応は、膜形成能が失われていない
限り、本発明にあっては許容されるものである。このよ
うなポリマー微粒子内に反応性の官能基を共存させ、硬
化剤を添加しなくとも造膜時にそれら基を反応させ網目
構造を形成する性質を本発明にあっては「自己架橋性」
と呼ぶ。
【0024】本発明において用いられるポリマー微粒子
は、公知の乳化重合によって得ることができる。すなわ
ち、不飽和ビニル単量体(不飽和ビニルモノマー)を重
合触媒、および乳化剤を存在させた水中において乳化重
合することによって得ることができる。
【0025】不飽和ビニル単量体としては、一般的に乳
化重合で使用されるアクリル酸エステル単量体類、メタ
クリル酸エステル単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビ
ニルエステル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、
ハロゲン化単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量
体類が挙げられる。さらに、具体例としては、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレ
ート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレー
ト、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、
等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、
n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレー
ト、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタ
クリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニ
ルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、等のメタクリル酸エステル類、およ
び酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類;塩
化ビニリデン、塩化ビニル、等のハロゲン化単量体類;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−
ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、
ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類;エチレ
ン、プロピレン、イソプロピレン、等のオレフィン類;
ブタジエン、クロロプレン等のジエン類;ビニルエーテ
ル、ビニルケトン、ビニルピロリドン等のビニル単量体
類が挙げられる。カルボキシル基を有さない単量体に
は、カルボキシル基を有する不飽和ビニル単量体の利用
が必須となるが、好ましいその例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン
酸が挙げられ、メタクリル酸の利用が好ましい。また、
使用可能な乳化剤としては、アニオン界面活性剤、ノニ
オン界面活性剤、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0026】また、上記したように本発明にあっては、
上記モノマー由来の分子を、重合可能な二重結合を二つ
以上有する架橋性単量体によって架橋された構造を有す
ることが好ましい。重合可能な二重結合を二つ以上有す
る架橋性単量体の例としては、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,
6−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,
2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)
プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキ
シフェニル)プロパン、等のジアクリレート化合物、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロー
ルエタントリアクリレート、テトラメチロールメタント
リアクリレート等のトリアクリレート化合物、ジトリメ
チロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタン
テトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート等のテトラアクリレート化合物、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート等のヘキサアクリレート
化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコ
ールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメ
タクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレー
ト、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフ
ェニル)プロパン、等のジメタクリレート化合物、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロー
ルエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化
合物、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン
が挙げられる。
【0027】さらに、上記単量体に加えて、アクリルア
ミド類または水酸基含有単量体を添加することによっ
て、さらに印字安定性を向上させることが出来る。アク
リルアミド類の例としてはアクリルアミドおよびN,
N’−ジメチルアクリルアミドが挙げられる。また、水
酸基含有単量体の例としては2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、および2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレートが挙げられ、これらを単独ま
たは二種以上混合して使用することができる。
【0028】また、コアシェル構造のポリマー微粒子
は、公知の手法により、一般的には多段階の乳化重合な
どによって製造される。例えば、特開平4−76004
号公報で開示されている方法によって製造することがで
きる。重合に用いられる不飽和ビニル単量体の例として
は、上記したものが同様に挙げられる。
【0029】また、上記のコア部へのエポキシ基の導入
は、エポキシ基を有する不飽和ビニル単量体として、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ア
リルグリシジルエーテル等を他の不飽和ビニル単量体と
共重合する方法、あるいは一種以上の不飽和ビニル単量
体を重合してコア粒子を調製する際にエポキシ化合物を
同時に添加し、複合化させる方法を挙げることができ
る。重合の容易さや重合安定性等の点から前者の方法が
好ましい。
【0030】また、乳化重合の際に使用される開始剤、
界面活性剤、分子量調整剤、さらには中和剤等も常法に
準じて使用してよい。
【0031】本発明において、ポリマー微粒子は微粒子
粉末としてインク組成物の他の成分と混合されてもよい
が、好ましくはポリマー微粒子を水媒体に分散させ、ポ
リマーエマルジョンの形態とした後、インク組成物の他
の成分と混合されるのが好ましい。インク組成物におけ
るポリマー微粒子の含有量は、1〜10重量%程度が好
ましく、より好ましくは1〜5重量%程度である。
【0032】また、本発明の別の態様によれば、本発明
によれば、インクジェット記録用インク組成物に用いら
れる、ポリマー微粒子およびそのポリマー微粒子を水に
分散させたポリマーエマルジョンが提供される。このポ
リマー微粒子およびポリマーエマルジョンの利用によ
り、良好な性能を有するインクジェット記録方法に好ま
しく用いられるインク組成物が得られる。
【0033】着色剤 本発明によるインク組成物に含まれる着色剤は、染料、
顔料のいずれであっても良い。耐光性、耐水性の面にお
いては顔料であることが好ましい。また、顔料と染料と
を併用することも可能である。
【0034】顔料は特に限定されず、無機顔料および有
機顔料のいずれも使用することができる。無機顔料とし
ては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、
ファーネスト法、サーマル法などの公知の方法によって
製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ染料 (アゾレーキ、不
溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを
含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペ
リレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナ
クリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、
イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料
キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型
キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリン
ブラックなどを使用できる。
【0035】特に黒インクとして使用されるカーボンブ
ラックとしては、三菱化学製のNo.2300,No.900,MCF88,N
o.33,No.40,No.45,No.52,MA7,MA8,MA100,No2200B 等
が、コロンビア社製の Raven5750,Raven5250,Raven500
0,Raven3500,Raven1255,Raven700 等が、キャボット社
製のRegal 400R,Regal 330R,Rega l660R,Mogul L,Monar
ch700, Monarch 800, Monarch 880, Monarch 900, Mona
rch 1000, Monarch 1100,Monarch 1300, Monarch 1400
等が、デグッサ社製の Color Black FW1,ColorBlack F
W2, Color Black FW2V, Color Black FW18, Color Blac
k FW200, ColorBlack S150, Color Black S160, Color
Black S170, Printex 35, Printex U,Printex V, Print
ex 140U, Special Black 6, Special Black 5, Special
Black4A, Special Black 4 等が使用できる。イエロ
ーインクに使用される顔料としては、 C.I.Pigment Ye
llow 1, C.I.Pigment Yellow 2, C.I.Pigment Yellow
3, C.I.Pigment Yellow 12, C.I.Pigment Yellow 13,
C.I.Pigment Yellow 14C,C.I.Pigment Yellow 16 ,C.I.
Pigment Yellow 17, C.I.Pigment Yellow 73, C.I.Pigm
ent Yellow 74, C.I.Pigment Yellow 75, C.I.Pigment
Yellow 83, C.I.Pigment Yellow 93, C.I.Pigment Yell
ow95, C.I.Pigment Yellow97, C.I.Pigment Yellow 98,
C.I.Pigment Yellow114, C.I.Pigment Yellow128, C.
I.Pigment Yellow129, C.I.Pigment Yellow151, C.I.Pi
gment Yellow154 等が挙げられる。また、マゼンタイン
クに使用される顔料としては、C.I.Pigment Red 5, C.
I.Pigment Red 7, C.I.Pigment Red 12, C.I.Pigment R
ed 48(Ca), C.I.Pigment Red48(Mn), C.I.Pigment Red
57(Ca), C.I.Pigment Red 57:1, C.I.Pigment Red 112,
C.I.Pigment Red 123, C.I.Pigment Red 168, C.I.Pig
ment Red 184, C.I.Pigment Red 202 等が挙げられ
る。シアンインクに使用される顔料としては、C.I.Pigm
ent Blue 1, C.I.Pigment Blue 2, C.I.Pigment Blue
3, C.I.Pigment Blue 15:3, C.I.Pigment Blue 15:34,
C.I.Pigment Blue 16, C.I.Pigment Blue 22, C.I.Pigm
ent Blue 60, C.I.Vat Blue 4 , C.I.Vat Blue 60が挙
げられる。
【0036】顔料の粒径は、10μm以下が好ましく、
さらに好ましくは0.1μm以下である。
【0037】染料としては、直接染料、酸性染料、食用
染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、
可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェッ
ト記録に使用する各種染料を使用することができる。
【0038】顔料は分散剤で水性媒体中に分散させた顔
料分散液としてインクに添加するのが好ましい。顔料分
散液を調製するのに用いられる分散剤としては、一般に
顔料分散液を調製するのに用いられている分散剤、例え
ば高分子分散剤、界面活性剤を使用することができる。
なお、この顔料分散液に含まれる界面活性剤が後記する
インク組成物の界面活性剤としても機能するであろうこ
とは当業者に明かであろう。高分子分散剤の好ましい例
としては天然高分子が挙げられ、その具体例としては、
にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパ
ク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム
類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸およびア
ルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸ト
リエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのア
ルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒド
ロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げら
れる。さらに、高分子分散剤の好ましい例として合成高
分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニル
ピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリル
ニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニト
リル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのア
クリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−
アクリル酸エステル共重合体、スチレン− α−メチル
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン− α−メチ
ルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体
などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニル
ナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−
マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重
合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢
酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−
クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体
などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げら
れる。これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親
水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と
親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重
合体が好ましい。
【0039】本発明のインク組成物における顔料の含有
量は、0.5〜25重量%程度が好ましく、より好まし
くは2〜15重量%程度である。
【0040】水、水溶性有機溶媒、および他の成分 本発明によるインク組成物の溶媒は水および水溶性有機
溶媒である。
【0041】本発明のインク組成物の好ましい態様によ
れば、水溶性有機溶媒として沸点が180℃以上の水溶
性有機溶媒の利用が好ましい。沸点が180℃以上の水
溶性有機溶媒の使用はインク組成物の保水と湿潤性をも
たらす。この結果、インク組成物を長期間保管しても着
色剤の凝集や粘度の上昇がなく、優れた保存安定性を実
現できる。さらに、開放状態(室温で空気に触れている
状態)で放置しても流動性と再分散性を長時間維持する
インク組成物が実現できる。さらに、印字中もしくは印
字中断後の再起動時にノズルの目詰まりが生じることも
なく、高い吐出安定性が得られる。
【0042】本発明において用いられる沸点が180℃
以上の水溶性有機溶媒の例としては、エチレングリコー
ル(沸点:197℃;以下括弧内は沸点を示す)、プロ
ピレングリコール(187℃)、ジエチレングリコール
(245℃)、ペンタメチレングリコール(242
℃)、トリメチレングリコール(214℃)、2−ブテ
ン−1,4−ジオール(235℃)、2−エチル−1,
3−ヘキサンジオール(243℃)、2−メチル−2,
4ーペンタンジオール(197℃)、N−メチル−2−
ピロリドン(202℃)、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン(257〜260℃)、2−ピロリドン
(245℃)、グリセリン(290℃)、トリプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル(243℃)、ジプロ
ピレングリコールモノエチルグリコール(198℃)、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(190
℃)、ジプロピレングリコール(232℃)、トリエチ
レングリコルモノメチルエーテル(249℃)、テトラ
エチレングリコール(327℃)、トリエチレングリコ
ール(288℃)、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル(230℃)、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル(202℃)、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル(194℃)が挙げられる。沸点が200℃
以上であるものが好ましい。これら有機溶媒を単独また
は2種以上混合して使用することができる。
【0043】これら水溶性有機溶媒の含有量は好ましく
は10〜40重量%程度であり、より好ましくは10〜
20重量%である。
【0044】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
よるインク組成物は、糖、三級アミン、または水酸化ア
ルカリを含んでなることができる。糖および三級アミン
の添加は湿潤性をもたらす。また、三級アミンと水酸化
アルカリの添加は、インク組成物中の着色剤およびポリ
マー微粒子のインク中での分散安定化をもたらす。
【0045】糖の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ
糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげ
られ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトー
ス、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトー
ス、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マル
トース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレ
ハロース、マルトトリオース、などがあげられる。ここ
で、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シ
クロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在す
る物質を含む意味に用いることとする。また、これらの
糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例え
ば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nC
2OH (ここで、n=2〜5の整数を表す)で表さ
れる)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸な
ど)、アミノ酸、チオ糖などがあげられる。特に糖アル
コールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソル
ビットなどが挙げられる。これら糖類の添加量は0.1
〜40重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜30
重量%程度である。
【0046】三級アミンの例としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリ
イソプロペノールアミン、ブチルジエタノールアミン等
が挙げられる。これらは単独または混合して使用されて
よい。これら三級アミンのインク組成物への添加量は、
0.1〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは、
0.5〜5重量%である。
【0047】水酸化アルカリの例としては、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムであり、その
添加量は0.01〜5重量%程度が好ましく、より好ま
しくは0.05〜3重量%程度である。
【0048】本発明によるインク組成物は、さらに界面
活性剤を含有することができる。界面活性剤の例として
は、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウ
ム塩など)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエ
チレンアルキルアミドなど)および、アセチレングリコ
ール等が挙げられる。これらは単独使用または二種以上
を併用することができる。
【0049】その他、保存安定性を向上させるために必
要に応じて、インク組成物にpH調整剤、防腐剤、防か
び剤等を添加することも可能である。
【0050】
【実施例】ポリマー微粒子を分散粒子とする水性エマルジョンの調
ポリマー微粒子を分散粒子とする水性エマルジョンを下
記の方法によって調製した。また、得られた水性エマル
ジョンの諸特性を以下の方法によって測定した。
【0051】最低成膜温度の測定 最低成膜温度測定装置を用いて測定した。アルミニウム
製の試料板上の温度勾配が平衡に達したところで、水性
エマルジョンを薄く延ばして乾燥させた。乾燥終了後に
試料板上を観察したとき、最低成膜温度以上の温度領域
では透明な連続フィルムが形成されるが、最低成膜温度
以下の温度領域では白色粉末状となる。この境界の温度
を最低成膜温度として測定した。
【0052】接触角の測定 接触角測定装置を用いて25℃で測定した。10重量%
に調製した水性エマルジョン一滴を表面が平滑なテフロ
ン板上に滴下し、その時の接触角を顕微鏡で読み取る方
法で測定を行った。
【0053】表面張力の測定 水性エマルジョンの固形分を35重量%に調製し、25
℃において、全自動平衡式エレクトロ表面張力ディジオ
マチックESB−IV型(協和科学株式会社製)を使用し
て、測定を行なった。
【0054】二価金属イオンとの反応における半減期の
測定 ポリマー微粒子が0.1重量%となるように調製した水
性エマルジョンの3mlを分光光度計用セルに気泡の入
らないように入れ、分光光度計の試料室にセットした。
セル内に1mol/lの塩化マグネシウム水溶液1ml
を滴下すると同時に波長700nmでの透過率の時間変
化を測定した。初期の透過率に対する所定時間の透過率
が50%となる時間を求めた。
【0055】製造例1 撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、および温度計を
備えた反応容器に、イオン交換水900gおよびラウリ
ル硫酸ナトリウム4gを仕込み、撹拌下に窒素置換しな
がら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開
始剤として過硫酸カリウム2gを添加し、溶解後、予め
イオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gに
アクリルアミド20gにスチレン435g、ブチルアク
リレート475g、およびメタクリル酸30gを撹拌化
に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に3時
間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行っ
た。得られた水性エマルジョンを常温まで冷却した後、
イオン交換水とアンモニア水とを添加して固形分40重
量%、pH8に調製した。
【0056】得られた水性エマルジョンは、最低成膜温
度が22℃、表面張力57×10-3N/m(57dyn
e/cm)、接触角89°、平均粒子径0.09μm、
Mg2+イオンとの反応における半減期が70秒であっ
た。
【0057】製造例2 撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、および温度計を
備えた反応容器に、イオン交換水900gおよびラウリ
ル硫酸ナトリウム4gを仕込み、撹拌下に窒素置換しな
がら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開
始剤として過硫酸カリウム2gを添加し、溶解後、予め
イオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gに
アクリルアミド20gにスチレン435g、ブチルアク
リレート475g、メタクリル酸30g、およびエチレ
ングリコールジメタクリレート2gを撹拌下に加えて作
製した乳化物を、反応溶液内に連続的に3時間かけて滴
下した。滴下終了後、3時間の熟成を行った。
【0058】得られた水性エマルジョンを常温まで冷却
した後、イオン交換水とアンモニア水を添加して固形分
40重量%、pH8に調製した。
【0059】得られた水性エマルジョンは、最低成膜温
度が22℃、表面張力59×10-3N/m(59dyn
e/cm)、接触角113°、平均粒子径0.08μ
m、Mg2+イオンとの反応における半減期が5秒であっ
た。
【0060】製造例3 撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、および温度計を
備えた反応容器に、イオン交換水900gを仕込み、撹
拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を7
0℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム2gを添
加し、溶解後、予めイオン交換水70g、ラウリル硫酸
ナトリウム1.0gにスチレン53g、ブチルアクリレ
ート59g、グリシジルメタクリレート48g、さらに
分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.16
gを撹拌化に加えて作製した乳化物を、反応容器内に連
続的に1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間の熟
成を行った。
【0061】続いて、予めイオン交換水70g、ラウリ
ル硫酸ナトリウム1.0g、アクリルアミド1gにスチ
レン79g、ブチルアクリレート80g、およびt−ド
デシルメルカプタン0.16gを撹拌化に加えて作製し
た乳化物を、反応容器内に連続的に1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、1時間の熟成を行った。
【0062】続いて、重合開始剤として過硫酸アンモニ
ウム2gをイオン交換水20gに溶解した水溶液を反応
容器内に添加し、さらに予めイオン交換水300g、ラ
ウリル硫酸ナトリウム2g、アクリルアミド16gにス
チレン298g、ブチルアクリレート297g、メタク
リル酸29g、およびt−ドデシルメルカプタン0.6
5gを撹拌下に加えて作製した乳化物を、反応容器内に
連続的に3時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の
熟成を行った。
【0063】得られた水性エマルジョンを常温まで冷却
した後、イオン交換水とアンモニア水とを添加して固形
分40重量%、pH8に調製した。
【0064】得られた水性エマルジョンはポリマー微粒
子がコアシェル構造を有し、最低成膜温度が24℃、表
面張力57×10-3N/m(58dyne/cm)、接
触角90°、粒子径0.09μm、Mg2+イオンとの反
応における半減期が80秒であった。
【0065】調製例4 撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、および温度計を
備えた反応容器に、イオン交換水900gを仕込み、撹
拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を7
0℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム2gを添
加し、溶解後、予めイオン交換水70g、ラウリル硫酸
ナトリウム1.0gにスチレン53g、ブチルアクリレ
ート59g、グリシジルメタクリレート48g、さらに
分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.16
gを撹拌化に加えて作製した乳化物を、反応容器内に連
続的に1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間の熟
成を行った。
【0066】続いて、予めイオン交換水70g、ラウリ
ル硫酸ナトリウム1.0g、アクリルアミド1gにスチ
レン79g、ブチルアクリレート80g、およびt−ド
デシルメルカプタン0.16gを撹拌化に加えて作製し
た乳化物を、反応容器内に連続的に1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、1時間の熟成を行った。
【0067】続いて、重合開始剤として過硫酸アンモニ
ウム2gをイオン交換水20gに溶解した水溶液を反応
容器内に添加し、さらに予めイオン交換水300g、ラ
ウリル硫酸ナトリウム2g、アクリルアミド16gにス
チレン298g、ブチルアクリレート297g、メタク
リル酸29g、エチレングリコールジメタクリレート1
0g、およびt−ドデシルメルカプタン0.65gを撹
拌下に加えて作製した乳化物を、反応容器内に連続的に
3時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行
った。
【0068】得られた水性エマルジョンを常温まで冷却
した後、イオン交換水とアンモニア水を添加して固形分
40重量%、pH8に調製した。
【0069】得られた水性エマルジョンはポリマー微粒
子がコアシェル構造を有し、最低成膜温度が24℃、表
面張力58×10-3N/m(58dyne/cm)、接
触角108°、平均粒子径0.09μm、Mg2+イオン
との反応における半減期が10秒であった。
【0070】調製例5 撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、および温度計を
備えた反応容器に、イオン交換水900gを仕込み、撹
拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を7
0℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム2gを添
加し、溶解後、予めイオン交換水70g、ラウリル硫酸
ナトリウム0.5gにスチレン53g、ブチルアクリレ
ート59g、グリシジルメタクリレート48g、さらに
分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.16
gを撹拌化に加えて作製した乳化物を、反応容器内に連
続的に1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間の熟
成を行った。
【0071】続いて、予めイオン交換水70g、ラウリ
ル硫酸ナトリウム0.5g、アクリルアミド1gにスチ
レン79g、ブチルアクリレート80g、およびt−ド
デシルメルカプタン0.16gを撹拌化に加えて作製し
た乳化物を、反応容器内に連続的に1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、1時間の熟成を行った。
【0072】続いて、重合開始剤として過硫酸アンモニ
ウム2gをイオン交換水20gに溶解した水溶液を反応
容器内に添加し、さらに予めイオン交換水300g、ラ
ウリル硫酸ナトリウム2g、アクリルアミド16gにス
チレン298g、ブチルアクリレート297g、メタク
リル酸29g、エチレングリコールジメタクリレート1
0g、およびt−ドデシルメルカプタン0.65gを撹
拌下に加えて作製した乳化物を、反応容器内に連続的に
3時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行
った。
【0073】得られた水性エマルジョンを常温まで冷却
した後、イオン交換水とアンモニア水とを添加して固形
分40重量%、pH8に調製した。
【0074】得られた水性エマルジョンはポリマー微粒
子がコアシェル構造を有し、最低成膜温度が24℃、表
面張力55×10-3N/m(55dyne/cm)、接
触角92°、平均粒子径0.18μm、Mg2+イオンと
の反応における半減期が3620秒であった。
【0075】 インク組成物の調製 実施例1 カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 調製例1の水性エマルジョン (ポリマー微粒子の濃度として) 3重量% グリセリン 15重量% 水酸化カリウム 0.1重量% 純水 残量
【0076】インクの調製は以下の通りに行った。ま
ず、カーボンブラックと分散剤と水を混合し、サンドミ
ル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7m
m、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散
させた後、ガラスビーズを取り除きカーボンブラック分
散液を調製した。次いで、ポリマー微粒子を分散粒子と
する水性エマルジョンの調製例1で調製した水性エマル
ジョン(ポリマー微粒子換算で3重量%)と、他の成分
と加え、常温で20分間攪拌した。その後、攪拌した状
態で上記のカーボンブラック分散剤を徐々に滴下し、さ
らに20分間攪拌した。これを、5μmのメンブランフ
ィルターでろ過し、インクジェット記録用インクを得
た。
【0077】以下のインク組成物を実施例1に準じて調
製した。
【0078】 実施例2 カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 調製例1の水性エマルジョン (ポリマー微粒子の濃度として) 3重量% グリセリン 15重量% マルチトール 7重量% 水酸化カリウム 0.1重量% 純水 残量
【0079】 実施例3 カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 調製例2の水性エマルジョン (ポリマー微粒子の濃度として) 3重量% グリセリン 15重量% 水酸化カリウム 0.1重量% 純水 残量
【0080】 実施例4 カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 調製例2の水性エマルジョン (ポリマー微粒子の濃度として) 3重量% グリセリン 15重量% マルチトール 7重量% 水酸化カリウム 0.1重量% 純水 残量
【0081】 実施例5 カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 調製例3の水性エマルジョン (ポリマー微粒子の濃度として) 3重量% グリセリン 15重量% 水酸化カリウム 0.1重量% 純水 残量
【0082】 実施例6 カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 調製例3の水性エマルジョン (ポリマー微粒子の濃度として) 3重量% グリセリン 15重量% マルチトール 7重量% 水酸化カリウム 0.1重量% 純水 残量
【0083】 実施例7 カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 調製例4の水性エマルジョン (ポリマー微粒子の濃度として) 3重量% グリセリン 15重量% 水酸化カリウム 0.1重量% 純水 残量
【0084】 実施例8 カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 調製例4の水性エマルジョン (ポリマー微粒子の濃度として) 3重量% グリセリン 15重量% マルチトール 7重量% 水酸化カリウム 0.1重量% 純水 残量
【0085】 実施例9 カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 調製例5の水性エマルジョン (ポリマー微粒子の濃度として) 3重量% グリセリン 15重量% 水酸化カリウム 0.1重量% 純水 残量
【0086】 実施例10 カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 調製例5の水性エマルジョン (ポリマー微粒子の濃度として) 3重量% グリセリン 15重量% マルチトール 7重量% 水酸化カリウム 0.1重量% 純水 残量
【0087】
【0088】インクの調製は以下の通りに行った。カー
ボンブラックと分散剤と水を混合し、サンドミル(安川
製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混合
物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。
その後ガラスビーズを取り除きカーボンブラック分散液
を調製した。次いで、水にグリセリンおよび2−ピロリ
ドンを加え常温で20分間攪拌した。その後、攪拌した
状態で上記のカーボンブラック分散剤を徐々に滴下し、
さらに20分間攪拌した。これを、5μmのメンブラン
フィルターでろ過し、インクジェット記録用インクを得
た。
【0089】インク組成物の評価試験 上で調製したインク組成物について、下記のインク評価
試験を行った。印刷は、インクジェットプリンタMJ−
700V2C(セイコーエプソン株式会社製)により文
字を印刷した。インクの吐出量は0.07μg/do
t、密度は360dpiとした。用いた印刷試験用紙
は、Xerox P紙(ゼロックス株式会社製)、
Ricopy 6200紙(リコー株式会社製)、X
erox 4024紙(ゼロックス株式会社製)、N
eenah Bond紙(キンバリークラーク社製)、
Xerox R紙(ゼロックス株式会社製・再生
紙)、およびやまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生
紙)とした。
【0090】評価1:耐擦(過)性(耐ラインマーカー
性) 印刷物を24時間自然乾燥させた後、ゼブラ社製イエロ
ー水性蛍光ペン ZEBRA PEN2(商標)を用い
て、印刷文字を筆圧4.9×105N/m2で擦り、汚れ
の有無を目視で観察した。その結果を以下の基準で評価
した。 評価A:2回擦っても全く汚れが生じない。 評価B:1回の擦りまでは汚れが生じないが、2回の擦
りでは汚れの発生する用紙がある。 評価C:1回の擦りで汚れの生じる用紙がある。
【0091】評価2:印字品質(にじみ) 印刷物の乾燥後の文字におけるにじみを下記の基準で評
価した。 評価A:一部の用紙で僅かにひげ状のにじみの発生があ
るが、その他の用紙は鮮明な印刷画像である。 評価B:全紙にひげ状のにじみの発生がある。 評価C:文字の輪郭がはっきりしないほどにじみが発生
している。
【0092】評価3:耐水性 印刷物の印字部上に水滴を滴下し、印字物の状態を目視
で観察した。その状態を下記の基準で評価した。 評価A:水滴を滴下した印字部分に全く変化がない。 評価B:水滴を滴下した印字部分の周囲にマーク(ウォ
ターマーク)ができる。 評価C:水滴を滴下した印字部分の周囲が滲む。
【0093】評価4:吐出安定性 常温でアルファベット文字を連続印字し、ドット抜けお
よびインクの飛び散りを観察した。ドット抜けおよびイ
ンクの飛び散りが計10回発生するまでの時間を調べ
た。その時間を次の基準で評価した。 評価A:48時間以上 評価B:24時間以上48時間未満 評価C:1時間以上24時間未満
【0094】評価5:保存安定性 ガラス瓶にインク50ccを入れ密栓して、60℃で2
週間放置した。その後粘度の変化および異物(沈降物)
の有無を調べた。その結果を次の基準で評価した。 評価A:異物の発生および粘度の変化がない。 評価B:異物の発生はないが、粘度が僅か(1.0cp
s未満)に変化した。 評価C:異物の発生はないが、粘度が変化した。 評価D:異物が発生した。
【0095】評価6:目詰まり特性 10分間連続して英数文字を印刷した。その後、プリン
ターを停止し、キャップをせずに、温度40℃、湿度2
5%の環境下で、プリンターを1週間放置した。放置後
に再び英数文字を印刷し、放置前と同等の印字品質が得
られるまでに要した復帰動作の回数を調べた。その回数
を次の基準で評価した。 評価A:0〜2回 評価B:3〜5回 評価C:6回以上
【0096】以上の結果は次の表に示されるとおりであ
った。実施例 評価1 評価2 評価3 評価4 評価5 評価6 1 A A A A A A 2 A A A A A A 3 A A A A A A 4 A A A A A A 5 A A A A A A 6 A A A A A A 7 A A A A A A 8 A A A A A A 9 A A A A A A10 A A A A A A 比較例1 C C C C D C
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 51/00 C08L 101/00 // C08L 101/00 B41J 3/04 101Y (72)発明者 星野 太 東京都北区赤羽台4−8−8 (72)発明者 金子 将寿 神奈川県横浜市戸塚区平戸3−42−7 (72)発明者 吉村 寿洋 神奈川県横浜市栄区飯島町2882

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色剤と、ポリマー微粒子と、水溶性有機
    溶媒と、水とを少なくとも含んでなるインク組成物であ
    って、 前記ポリマー微粒子は、造膜性を有し、その表面にカル
    ボキシル基を有し、かつその0.1重量%の水性エマル
    ジョン3容量と、1mol/lの濃度の二価金属塩水溶
    液1容量とを接触させたとき、波長700nmの光の透
    過率が初期値の50%となる時間が1×104秒以下と
    なるような二価金属塩との反応性を有するものである、
    インク組成物。
  2. 【請求項2】前記ポリマー微粒子を水媒体に分散させ、
    濃度10重量%に調製した水性エマルジョンのテフロン
    板上での接触角が70°以上である、請求項1記載のイ
    ンク組成物。
  3. 【請求項3】前記ポリマー微粒子を水媒体に分散させ、
    濃度35重量%に調製した水性エマルジョンの表面張力
    が、40×10-3N/m(20℃)以上である、請求項
    1記載のインク組成物。
  4. 【請求項4】前記ポリマー微粒子が、カルボキシル基を
    有する不飽和ビニル単量体に由来する構造を1〜10重
    量%含んでなり、かつ重合可能な二重結合を二つ以上有
    する架橋性単量体によって架橋された構造を有し、該架
    橋性単量体に由来する構造を0.2〜4重量%含有して
    なる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成
    物。
  5. 【請求項5】前記ポリマー微粒子がコアシェル構造を有
    するものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    インク組成物。
  6. 【請求項6】前記ポリマー微粒子が自己架橋性を有する
    ものである、請求項5に記載のインク組成物。
  7. 【請求項7】コア部がエポキシ基を有する樹脂からな
    り、シェル部がカルボキシル基を有する樹脂からなる、
    請求項6に記載のインク組成物。
  8. 【請求項8】前記ポリマー微粒子の最低成膜温度が30
    ℃以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のイ
    ンク組成物。
  9. 【請求項9】前記水溶性有機溶媒が180℃以上の沸点
    を有するものである、請求項1〜8のいずれか一項に記
    載のインク組成物。
  10. 【請求項10】インクジェット記録用インク組成物に添
    加して用いられるポリマー微粒子であって、 造膜性を有し、その表面にカルボキシル基を有し、かつ
    その0.1重量%の水性エマルジョン3容量と、1mo
    l/lの濃度の二価金属塩水溶液1容量とを接触させた
    とき、波長700nmの光の透過率が初期値の50%と
    なる時間が1×104秒以下となるような二価金属塩と
    の反応性を有するものである、ポリマー微粒子。
  11. 【請求項11】濃度10重量%に調製したその水性エマ
    ルジョンのテフロン板上での接触角が70°以上であ
    る、請求項10に記載のポリマー微粒子。
  12. 【請求項12】濃度35重量%に調製したその水性エマ
    ルジョンの表面張力が、40×10-3N/m(20℃)
    以上である、請求項10に記載のポリマー微粒子。
  13. 【請求項13】カルボキシル基を有する不飽和ビニル単
    量体に由来する構造を1〜10重量%含んでなり、かつ
    重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体によ
    って架橋された構造を有し、該架橋性単量体に由来する
    構造を0.2〜4重量%含有してなる、請求項10〜1
    2のいずれか一項に記載のポリマー微粒子。
  14. 【請求項14】コアシェル構造を有する、請求項10〜
    13のいずれか一項に記載のポリマー微粒子。
  15. 【請求項15】自己架橋性を有する、請求項14に記載
    のポリマー微粒子。
  16. 【請求項16】コア部がエポキシ基を有する樹脂からな
    り、シェル部がカルボキシル基を有する樹脂からなる、
    請求項15に記載のポリマー微粒子。
  17. 【請求項17】最低成膜温度が30℃以下である、請求
    項10〜16のいずれか一項に記載のポリマー微粒子。
  18. 【請求項18】インク組成物を付着させて記録媒体に印
    字を行う記録方法であって、インク組成物として請求項
    1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、
    方法。
  19. 【請求項19】インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を
    記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方
    法であって、インク組成物として請求項1〜9のいずれ
    か一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット
    記録方法。
  20. 【請求項20】請求項18または19に記録方法によっ
    て記録が行われた、記録物。
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