JP2000219841A - 水性顔料分散体、その製造方法ならびに水性記録液 - Google Patents

水性顔料分散体、その製造方法ならびに水性記録液

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JP2000219841A JP2177699A JP2177699A JP2000219841A JP 2000219841 A JP2000219841 A JP 2000219841A JP 2177699 A JP2177699 A JP 2177699A JP 2177699 A JP2177699 A JP 2177699A JP 2000219841 A JP2000219841 A JP 2000219841A
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Yoshikatsu Seki
義勝 関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分散到達レベル、分散安定性、分散液粘度等の
全ての面で十分満足できる水性顔料分散体およびその製
造方法、同水性顔料分散体を含有する水性記録液を提供
する。 【解決手段】 少なくとも顔料およびアニオン性基含有
有機高分子化合物を含有する水性顔料分散体であって、
該アニオン性基含有有機高分子化合物として溶解パラメ
ータの異なる2種以上のアニオン性基含有有機高分子化
合物を用いることを特徴とする水性顔料分散体。少なく
とも顔料、溶解パラメータの異なる2種以上のアニオン
性基含有有機高分子化合物、塩基性物質および水からな
る混合物を分散装置により分散する工程を含むことを特
徴とする水性顔料分散体の製造方法。同水性顔料分散体
を含む水性記録液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性顔料分散体と
その製造方法、ならびに該顔料分散体を用いた水性記録
液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、サインペン、水性マーカー等の筆
記具や、インクジェットプリンターのインクには、色材
として染料が用いられてきた。染料を用いた記録液は着
色力や鮮明性で優れているが、耐光性や耐水性等に問題
を有していた。
【0003】耐光性及び耐水性の問題を解決するため、
近年、上述した用途分野において色材の染料から顔料へ
の転換が活発に検討されている。当該分野、特にインク
ジェット用インクの分野において顔料を色材として使用
するには、固−液二相系である顔料分散体における非常
に高いレベルの分散性および分散安定性が必要とされて
いる。かかる高度の分散性および分散安定性を達成する
ための手段として、特開平9−151342号公報に顔
料をアニオン性基含有有機高分子化合物で被覆したマイ
クロカプセル化顔料分散体が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載のマイクロカプセル化顔料分散体も、特に黄色
および赤色系顔料に関しては分散到達レベル、分散安定
性、分散液粘度等の全ての面で十分満足できるものでは
なかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、少なくとも顔料お
よびアニオン性基含有有機高分子化合物を含有する水性
顔料分散体であって、該アニオン性基含有有機高分子化
合物として溶解パラメータの異なる2種以上のアニオン
性基含有有機高分子化合物を用いることを特徴とする水
性顔料分散体が、かかる諸要求を満足させることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0006】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、顔料を溶解パラメータの異なる2種以上のアニオン
性基含有有機高分子化合物等とともに分散して得られた
水性顔料分散体を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の水性顔料分散体で使用す
るアニオン性基含有有機高分子化合物としては、例え
ば、架橋部分を有していてもよい、アニオン性基を有す
る有機高分子化合物がある。
【0008】後に詳述するが、本発明の水性顔料分散体
には、アニオン性基含有有機高分子化合物として溶解パ
ラメータが8.0〜11.0であるアニオン性基含有有
機高分子化合物を用いるのが好ましい。
【0009】溶解パラメータが8.0〜11.0である
アニオン性基含有有機高分子化合物自体は、公知慣用の
膨大なバラエティのある有機高分子化合物の極一部とし
て知られている。
【0010】本発明の水性顔料分散体で使用するアニオ
ン性基含有有機高分子化合物は、アニオン性基を有して
いれば特に限定されるものではなく、例えばカルボキシ
ル基、スルホン基、ホスホ基、チオカルボキシル基等を
含有するアニオン性基含有モノマーとこれらアニオン性
基含有モノマーと共重合し得るその他のモノマーを共重
合させて得られるアニオン性基含有有機高分子化合物が
上げられるが、原料モノマーの入手のしやすさ、価格等
を考慮すると、カルボキシル基またはスルホン基を含有
するアニオン性基含有有機高分子化合物が好ましく、電
気的中性状態とアニオン状態の共存範囲を広く制御でき
る点でカルボキシル基を含有するアニオン性基含有有機
高分子化合物が特に好ましい。
【0011】代表的には、架橋部分を有するアニオン性
基を有するアクリル酸エステル系重合体、架橋部分を有
さないアニオン性基を有するアクリル酸エステル系重合
体架橋部分を有するアニオン性基を有するメタアクリル
酸エステル系重合体、架橋部分を有さないアニオン性基
を有するメタアクリル酸エステル系重合体がある。本発
明においては、アクリル酸エステルとメタクリル酸エス
テルとの両方を包含して(メタ)アクリル酸エステルと
呼ぶものとする。また(メタ)アクリル酸エステル系重
合体とは、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として
重合した重合体を意味する。
【0012】最適なアニオン性基含有有機高分子化合物
は、アニオン性基がカルボキシル基およびカルボキシラ
ート基の両方を含有するアニオン性基含有有機高分子化
合物である。
【0013】カルボキシル基を含有するモノマーの例と
してはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、イタコン酸、4−ビニル安息香酸等の
不飽和カルボン酸類;コハク酸ビニル、マレイン酸アリ
ル、テレフタル酸ビニル、トリメリット酸アリル等の多
塩基酸不飽和エステル類が挙げられる。またスルホン酸
基を含有するモノマーの例としてはアクリル酸2−スル
ホエチル、メタクリル酸4−スルホフェニル等の不飽和
カルボン酸スルホ置換アルキルまたはアリールエステル
類;スルホコハク酸ビニル等のスルホカルボン酸不飽和
エステル類;スチレン−4−スルホン酸等のスルホスチ
レン類を挙げることができる。
【0014】アニオン性基含有モノマーと共重合し得る
その他のモノマーの例としては、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸
イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ベンジル、ア
クリル酸2,3−エポキシプロピル、アクリル酸2,3
−エポキシブチル、アクリル酸2,3−エポキシシクロ
ヘキシル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニ
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2,3−エポ
キシプロピル、メタクリル酸2,3−エポキシブチル、
メタクリル酸2,3−エポキシシクロヘキシル、メタク
リル酸ビニル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチ
ル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸
エチル、イタコン酸ベンジル、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、アクリル酸2−アミノエチル、アクリル
酸2−アミノプロピル、アクリル酸3−アミノプロピ
ル、アクリル酸2−(メチルアミノ)エチル、アクリル
酸2−(メチルアミノ)プロピル、アクリル酸2−(エ
チルアミノ)エチル、アクリル酸2−(エチルアミノ)
プロピル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、
アクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピル、等の不飽
和脂肪酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアク
リルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピル
アクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジ
エチルアクリルアミド、N−ジプロピルアクリルアミ
ド、N−(2−アミノエチル)アクリルアミド、N−
(2−アミノプロピル)アクリルアミド、N−(3−ア
ミノプロピル)アクリルアミド、N−[2−(メチルア
ミノ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(メチルア
ミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(メチル
アミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[2−(ジメ
チルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(ジ
メチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−
(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチル
メタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N
−ジメチルメタクリルアミド、N−ジエチルメタクリル
アミド、N−ジプロピルメタクリルアミド、N−(2−
アミノエチル)メタクリルアミド、N−(2−アミノプ
ロピル)メタクリルアミド、N−(3−アミノプロピ
ル)メタクリルアミド、N−[2−(メチルアミノ)エ
チル]メタクリルアミド、N−[2−(メチルアミノ)
プロピル]メタクリルアミド、N−[3−(メチルアミ
ノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[2−(ジメチ
ルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N−[2−(ジ
メチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[3
−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、マ
レアミド、N,N−ジメチルマレアミド、フマラミド、
N,N−ジメチルフマラミド、等の不飽和脂肪酸アミド
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、等の不飽
和ニトリル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタ
ン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸
ビニル、オクタデカン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸
アリル、プロピオン酸アリル、ヘキサン酸アリル、デカ
ン酸アリル、等のカルボン酸不飽和エステル類;エチル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、等の不飽和エ
ーテル類;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
p−t−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−
クロロスチレン、等スチレン類;エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサ
ン、4−ビニルシクロヘキセン、等の不飽和炭化水素
類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチ
レン、3−クロロプロピレン、等の不飽和ハロゲン化炭
化水素類;4−ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルピロリドン、等のビニル置換複素環化合
物類;上記例示モノマー中のカルボキシル基、水酸基、
アミノ基等活性水素を有する置換基を含有するモノマー
とエチレンオキシド、プロピレンオキシド、シキロヘキ
センオキシド等、エポキシド類との反応生成物;上記例
示モノマー中の水酸基、アミノ基等を有する置換基を含
有するモノマーと酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ヘキ
サン酸、デカン酸、ドデカン酸等カルボン酸類との反応
生成物等を挙げることができる。
【0015】本発明に用いられる2種以上のアニオン性
基含有有機高分子化合物は、それぞれ溶解パラメータが
異なっていれば特に限定されるものではないが、溶解パ
ラメータのいずれもが8.0〜11.0の範囲にあるの
が好ましい。しかしながら、溶解パラメータの差が小さ
すぎると、2種以上のアニオン性基含有有機高分子化合
物を用いる効果が発現しにくいという観点から0.3以
上あることが好ましく、好ましい溶解パラメータの範囲
を勘案するとそれぞれのアニオン性基含有有機高分子化
合物の溶解パラメータの差は0.3〜3.0であること
が好ましい。
【0016】用いる2種以上のアニオン性基含有有機高
分子化合物は、溶解パラメータの最も小さいアニオン性
基含有有機高分子化合物の溶解パラメータが8.0〜
9.4の範囲にあり、溶解性パラメータの最も大きいア
ニオン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータが
9.5〜11.0の範囲にある様に、選択するのが好ま
しい。
【0017】溶解パラメータは、有機高分子化合物の極
性の一つの指標であり、前記有機高分子化合物が(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体の場合には、それの
構成モノマー個々のホモポリマーに固有なSp値とそれ
ら構成モノマーの使用割合(共重合割合)により計算す
ることが出来る。
【0018】前記特定溶解パラメータの有機高分子化合
物を、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体から選択
する場合には、少なくともアクリル酸およびメタクリル
酸の炭素数3〜5のアルキルエステルからなる群から選
ばれる1以上の化合物を構成要素とし、その他の単量体
と重合した共重合体を選択するか、または、少なくとも
アクリル酸およびメタクリル酸の炭素数3〜5のアルキ
ルエステルからなる群から選ばれる1以上の化合物を構
成要素とすると共に、スチレンをも構成要素として含有
する共重合体を選択するのが性能上も好ましい。
【0019】本発明においてアニオン性基含有有機高分
子化合物の溶解パラメータは、各構成モノマーのホモポ
リマーの溶解パラメータをその重量分率に応じて合計し
た数値であり、構成モノマーに対し加成性があるとして
算出した計算値である。
【0020】各構成モノマーのホモポリマーのSp値
は、ワイリー&サンズ”ポリマーハンドブック”に記載
されている通りであるが、例えば幾つかを例示すると以
下の通りである。
【0021】 メタクリル酸n−ブチル 8.25 アクリル酸n−ブチル 8.63 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 9.90 スチレン 9.35 メタクリル酸 13.11 アクリル酸 12.89 メタクリル酸2,3−エポキシプロピル 8.30
【0022】本発明で用いる有機高分子化合物のSp値
は、より具体的に説明するならば、各構成モノマーの前
記ホモポリマーのSp値から、Sp=8.25*X1 + 8.63*X
2 +… で計算することが出来る。
【0023】類似化学構造のモノマーは、ホモポリマー
にした時、近似するSp値を持ってるから、共重合した
場合の共重合体Sp値9〜10を実現する手段は、各構
成モノマーの化学構造とその共重合割合を変化させるこ
とで達成可能である。一つの手法として、例えば、メタ
クリル酸メチルやマレイン酸を使うという方法が挙げら
れる。
【0024】かかるアニオン性基含有有機高分子化合物
は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の従来
より公知の種々の反応方法によって合成することができ
る。
【0025】本発明に用いられるアニオン性基含有有機
高分子化合物の重量平均分子量は2,000〜100,
000の範囲にあることがが好ましく、5,000〜5
0,000の範囲にあることが特に好ましい。重量平均
分子量が小さすぎると水性顔料分散体自体の分散安定性
が低下し、大きすぎると分散体の粘度が高くなるだけで
なく、分散性が低下する傾向が認められる。また重量平
均分子量が小さすぎたり大きすぎる場合には、例えばイ
ンクジェットプリンタ用インクに適用した場合に、印字
特性に関して悪影響を及ぼし、長期間安定した印字を行
わせることが困難になる。
【0026】また本発明に用いられるアニオン性基含有
有機高分子化合物の酸価およびガラス転移点はそれぞれ
30〜220mgKOH/gおよび−20〜60℃の範
囲にあることが好ましい。酸価が低すぎる場合には水性
顔料分散体の分散性や分散安定性が低下し、またインク
ジェットプリンタ用インクに適用した場合の印字安定性
が悪くなる。酸価が高すぎる場合には、インクジェット
プリンタ用インクに適用した場合に画像の耐水性が低下
する。ガラス転移点が高すぎる場合には安定した印字が
得にくく、低すぎる場合には耐摩擦性、耐棒積み性等の
画像保存性が低下する傾向がある。
【0027】本発明の水性顔料分散体中におけるアニオ
ン性基含有有機高分子化合物は、アニオン性基の少なく
とも一部が塩基性物質によってイオン化された形態をと
っていることが分散性、分散安定性の発現のうえで好ま
しい。アニオン性基のうちイオン化された基の最適割合
は、用いるアニオン性基含有有機高分子化合物の組成、
分子量、酸価等により変化するため一意的に限定される
ものではないが、所望の分散性、分散安定性が発現され
る範囲であればよく、通常30〜100%、特に70〜
100%の範囲に設定されることが好ましい。このイオ
ン化された基の割合はアニオン性基と塩基性物質のモル
比を意味しているのではなく、解離平衡を考慮に入れた
ものである。例えばアニオン性基がカルボキシル基の場
合、化学量論的に等量の強塩基性物質を用いても解離平
衡によりイオン化された基の割合は100%未満であっ
て、カルボキシラート基とカルボキシル基の混在状態で
ある。
【0028】このように、アニオン性基含有有機高分子
化合物の、アニオン性基の少なくとも一部をイオン化す
るために用いる塩基性物質としては、公知慣用のものが
挙げられが、例えばアンモニア、第一級、第二級もしく
は第三級の有機アミン(塩基性含窒素複素環化合物を含
む)、水酸化アルカリ金属からなる群から選ばれる化合
物が好適には挙げられる。これらの例示した好適な塩基
性物質でアニオン性基の少なくとも一部をイオン化する
ことにより、カルボキシラート基の対イオンは、アンモ
ニウムイオン(塩基性含窒素複素環化合物のプロトン化
カチオンを含む)、アルカリ金属イオンからなる群から
選ばれるカチオンとなる。
【0029】本発明者らの知見によると、水性系顔料分
散における樹脂極性の効果として、疎水的物質である顔
料との相互作用は多少疎水的(Sp値が小)の方が好ま
しく、水中への分散安定化には親水性の方が好ましいと
考えられ、この二つのトレードオフの関係にある要因の
バランスの結果、Sp値に上記したような最適範囲が現
れると考えられる。
【0030】また本発明では、用いるアニオン性基含有
有機高分子化合物の2種以上を用いるので、顔料との相
互作用と、分散性付与との二つの機能を、それぞれのア
ニオン性基含有有機高分子化合物に別個に求めることが
可能となる結果、1種のみのアニオン性基含有有機高分
子化合物を用いる場合に比べて、使用し得るアニオン性
基含有有機高分子化合物のSp値はより広げられるもの
と推定される。
【0031】本発明の水性顔料分散体に用いることので
きる顔料は特に限定されるものではないが、本発明の特
徴である高度の分散性、分散安定性を生かす意味で、一
次粒子に小さな、疎水的顔料を用いることが好ましく、
例えば各種の有機顔料やカーボンブラックが特に有効に
用いられる。
【0032】有機顔料の例としては、C.I.ピグメン
ト レッド122、同 レッド202、同 レッド20
7、同 レッド209、同 バイオレット19等のキナ
クリドン系顔料;C.I.ピグメント オレンジ48、
同 オレンジ49等のキナクリドンキノン系顔料;C.
I.ピグメント バイオレット23、同 バイオレット
37等のジオキサジン系顔料;C.I.ピグメント ブ
ルー15、同 ブルー15:1、同 ブルー15:2、
同 ブルー15:3、同 ブルー15:4、同ブルー1
5:6、同 ブルー16、同 ブルー68、同 グリー
ン7、同 グリーン36等のフタロシアニン系顔料;
C.I.ピグメント イエロー108等のアントラピリ
ミジン系顔料;C.I.ピグメント オレンジ77、同
レッド168等のアンサンスロン系顔料;C.I.ピ
グメント ブルー60等のインダンスロン系顔料;C.
I.ピグメント イエロー24等のフラバンスロン系顔
料;C.I.ピグメント イエロー196、同 レッド
177等のアントラキノン系顔料;C.I.ピグメント
レッド123、同 レッド149、同 レッド17
8、同 レッド179、同 レッド190、同 レッド
224等のペリレン系顔料;C.I.ピグメント イエ
ロー196、同 オレンジ43等のペリノン系顔料;
C.I.ピグメント イエロー138等のキノフタロン
系顔料;C.I.ピグメント オレンジ71、同 オレ
ンジ73、同 レッド254、同 レッド255、同
レッド264、同 レッド272等のジケトピロロピロ
ール系顔料、C.I.ピグメント レッド88、同 レ
ッド181、同 ブラウン27等のチオインジゴ系顔
料;C.I.ピグメント イエロー139、同 イエロ
ー185、同 オレンジ69、同 レッド260等のイ
ソインドリン系顔料;C.I.ピグメント イエロー1
09、同 イエロー110、同 イエロー173等のイ
ソインドリノン系顔料;C.I.ピグメント イエロー
101、同 イエロー129、同 オレンジ65等のア
ゾメチン系顔料;C.I.ピグメント イエロー15
1、同 イエロー154、同 イエロー175、同 イ
エロー180、同イエロー181、同 オレンジ36、
同 レッド175、同 レッド176、同レッド185
等のベンズイミダゾロン系顔料;C.I.ピグメント
イエロー1、同 イエロー65、同 イエロー73、同
イエロー74、同 イエロー116、同 レッド3、
同 レッド48:1、同 レッド48:2、同 レッド
48:3、同 レッド53:1、同 レッド57:1、
同 レッド115等のモノアゾ系顔料;C.I.ピグメ
ント イエロー12、同 イエロー13、同 イエロー
17、同 イエロー81、同 イエロー83、同 オレ
ンジ13、同 オレンジ16等のジスアゾ系顔料;C.
I.ピグメント イエロー93、同 イエロー95、同
イエロー128、同 レッド144、同 レッド16
6、同 レッド220、同 レッド221等の縮合アゾ
系顔料などが挙げられる。
【0033】顔料は粉末状、顆粒状あるいは塊状の乾燥
顔料でも良く、ウェットケーキやスラリーでも良い。
【0034】本発明の水性顔料分散体における顔料とア
ニオン性基含有有機高分子化合物の比率は顔料100重
量部に対しアニオン性基含有有機高分子化合物25〜2
00重量部程度が好ましい。アニオン性基含有有機高分
子化合物の比率が低すぎる場合には水性記録液として用
いた場合の耐摩擦性が低下し、逆に高すぎる場合には水
系記録液を調整した場合に粘度が高くなる傾向が認めら
れる。
【0035】本発明の水性顔料分散体は、少なくとも顔
料、溶解パラメータの異なる2種以上のアニオン性基含
有有機高分子化合物、塩基性物質および水からなる混合
物を分散する工程を含むプロセスによって製造すること
ができる。
【0036】本発明の水性顔料分散体の製造プロセスに
組み込み得る分散工程以外の工程のの例としては、予備
分散工程、溶解工程、希釈工程、蒸留工程、遠心分離工
程、酸析工程、濾過工程、再分散工程、pH調整工程、
充填工程等が挙げられる。
【0037】予備分散工程の例には、溶液状態または溶
融状態の樹脂と顔料を混合、分散し、スラリー状、ペー
スト状もしくはマスターバッチまたはチップと呼ばれる
固体状態にする工程等がある。溶解工程の例には、固体
状のアニオン性基含有有機高分子化合物を有機溶剤、好
ましくは水溶性有機溶剤中、または塩基性物質を含む水
性媒体中に溶解させる工程、もしくはアニオン性基含有
有機高分子化合物の水溶性有機溶剤溶液を塩基性物質を
含む水性媒体中に溶解させる工程等がある。
【0038】本発明では、顔料、溶解パラメータの異な
る2種以上のアニオン性基含有有機高分子化合物、塩基
性物質および水からなる混合物を分散する工程を必須と
して含ませる。この混合物には水溶性有機溶剤を含める
のが好ましい。より具体的には、少なくとも顔料、溶解
パラメータの異なる2種以上のアニオン性基含有有機高
分子化合物、塩基性物質、水溶性有機溶剤および水から
なる混合物を分散する工程を含ませることが好ましい。
【0039】本発明の水性分散体としては、分散到達レ
ベル、分散所要時間および分散安定性の全ての面で、よ
り優れた特性を発揮させるに当たっては、顔料がアニオ
ン性基含有有機高分子化合物によって被覆された、カプ
セル化顔料が水性分散体中に分散することができる。こ
の様な状態を形成するため、顔料がアニオン性基含有有
機高分子化合物を含有する液媒体中に分散している状態
において、前記の後工程として、溶解状態にあるアニオ
ン性基含有有機高分子化合物を顔料表面に被覆させる工
程を組み込むことができる。
【0040】溶解状態にあるアニオン性基含有有機高分
子化合物を顔料表面に被覆させる工程としては、アルカ
リ性水性溶液に溶解しているアニオン性基含有有機高分
子化合物を、溶液を酸性化することにより析出させる工
程がある。
【0041】蒸留工程の例には、分散工程において有機
溶剤を使用した場合にこれを除去する工程、所望の固形
分濃度にするため余剰の水を除去する工程等がある。遠
心分離工程の例には、水性記録液としての使用適性に悪
影響を及ぼす分散体中の粗大粒子を除去する工程等があ
る。
【0042】酸析工程の例には、分散工程で得られた水
性分散体に塩酸、硫酸、酢酸等の酸を加えて酸性化し、
アニオン性基含有有機高分子化合物を顔料粒子表面に析
出させる工程等がある。この工程により顔料とアニオン
性基含有有機高分子化合物との相互作用を高めるでき
る。濾過工程の例には、遠心分離工程と同様に分散体中
の粗大粒子をカートリッジフィルターやメンブランフィ
ルターにより除去する工程、前述した酸析工程後に固形
分をフィルタープレス、ヌッチェ式濾過装置、加圧濾過
装置等により濾過する工程等がある。再分散工程の例に
は、酸析工程、濾過工程によって得られた固形分に塩基
性物質および必要により水や添加物を加えて再び分散体
とする工程がある。それによりアニオン性基含有有機高
分子化合物中のイオン化したアニオン性基の対イオンを
分散工程で用いたものから変更することができる。
【0043】本製造方法においては、2種以上のアニオ
ン性基含有有機高分子化合物を分割して用いても良く、
その場合には最も溶解パラメータの小さなアニオン性基
含有有機高分子化合物を最初に用いることが好ましい。
【0044】即ち、少なくとも顔料、溶解パラメータの
異なる2種以上のアニオン性基含有有機高分子化合物の
うち溶解パラメータの最も大きいアニオン性基含有有機
高分子化合物、塩基性物質および水からなる混合物を分
散装置により分散し、次いで溶解パラメータの小さいア
ニオン性基含有有機高分子化合物を加え、さらに分散す
る様にすることが出来る。
【0045】分散工程においては水溶性有機溶剤を併用
することができ、それにより分散工程における液粘度を
低下させることができる場合がある。水溶性有機溶媒の
例としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルブチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メ
タノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル
−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエ
タノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等の
エーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、等のアミド類が挙げられる。水溶性有機溶剤とし
ては、炭素数が3〜6のケトンおよび炭素数が1〜5の
アルコールからなる群から選ばれる化合物が好ましい。
これらの水溶性有機溶剤はアニオン性基含有有機高分子
化合物溶液として用いられても良く、別途独立に分散混
合物中に加えられても良い。
【0046】分散工程において用いることのできる分散
装置として、既に公知の種々の方式による装置が使用で
き、特に限定されるものではないが、例えば、スチー
ル、ステンレス、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、
ガラス等でできた直径0.1〜10mm程度の球状分散
媒体の運動エネルギーを利用する方式、機械的攪拌によ
る剪断力を利用する方式、高速で供給された被分散物流
束の圧力変化、流路変化あるいは衝突に伴って発生する
力を利用する方式、等の分散方式を採ることができる。
【0047】上記した通り、本発明において、アニオン
性含有有機高分子化合物としては、架橋部分を有するア
ニオン性含有有機高分子化合物を用いることができる。
但し、後述する水性記録液の用途においては、高度な分
散安定性が要求される場合が多く、予め架橋を完了させ
ておいて、搬送時、保管時、実使用時(記録時)には架
橋反応が起こらないようにしておくのが好ましい。
【0048】本発明においてアニオン性基含有有機高分
子化合物が架橋性基を含有する場合、例えば、アクリル
酸2,3−エポキシプロピル、アクリル酸2,3−エポ
キシブチル、アクリル酸2,3−エポキシシクロヘキシ
ル、メタクリル酸2,3−エポキシプロピル、メタクリ
ル酸2,3−エポキシブチル、メタクリル酸2,3−エ
ポキシシクロヘキシル等のエポキシ基を有する不飽和脂
肪酸類の少なくとも1以上からなるモノマーを含んだ共
重合体である場合には、水性分散体製造プロセスにおい
て、分散工程以降の任意の段階で開環反応させ、架橋さ
せることができる。開環反応温度は80〜140℃程度
が好ましい。反応温度は低すぎる場合には反応速度が遅
く、反応完結に長時間を要するため、顔料粒子同士が融
着して凝集体を形成しやすくなる。反応温度が高すぎる
場合には、顔料粒子同士の融着や顔料粒子自体の成長が
起こり、いずれにしても好ましくない。反応温度が分散
体の沸点より高くなる場合には加圧反応装置を用いる必
要がある。
【0049】本発明の記録液は、少なくとも顔料および
溶解パラメータの異なる2種以上のアニオン性基含有有
機高分子化合物を含有する水性顔料分散体に、水溶性有
機溶剤、水等を混合して調製される。必要に応じて、界
面活性剤、水溶性樹脂、防腐剤、粘度調整剤、pH調整
剤、キレート化剤等を添加することもできる。
【0050】記録液の調整に用いることのできる水溶性
有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、1−
プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プ
ロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノー
ル、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエト
キシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタ
ノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキ
シ]エタノール、2−[2−(2−ブトキシエトキシ)
エトキシ]エタノール等のアルコール類;1,2−エタ
ンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2’−オキ
シビスエタノール、2,2’−エチレンジオキシビス
(エタノール)、チオジエタノール、グリセリン、1,
2,6−ヘキサントリオール等の多価アルコール類;ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルn−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケ
トン類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタ
ン、2,2’−オキシビス(2−メトキシエタン)、
2,2’−オキシビス(2−エトキシエタン)、2,
2’−エチレンジオキシビス(2−メトキシエタン)、
2,2’−エチレンジオキシビス(2−メトキシエタ
ン)等のエーテル類が挙げられる。記録液中の水溶性有
機溶剤の含有割合は、50重量%以下が好ましく、5〜
40重量%の範囲が特に好ましい。
【0051】本発明の記録液に添加しても良い界面活性
剤としては、アニオン性、カチオン性、両性イオン性、
非イオン性のいずれの活性剤でも良い。
【0052】アニオン性界面活性剤の例としては、ステ
アリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、半硬化牛脂
脂肪酸ナトリウム、等の脂肪酸塩類;ドデシル硫酸ナト
リウム、ドデシル硫酸トリ(2−ヒドロキシエチル)ア
ンモニウム、オクタデシル硫酸ナトリウム等のアルキル
硫酸エステル塩類;ノニルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニ
ルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のベンゼンスルホ
ン酸塩類;ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のナフタレン
スルホン酸塩類;スルホコハク酸ジドデシルナトリウ
ム、スルホコハク酸ジオクタデシルナトリウム等のスル
ホコハク酸エステル塩類;ポリオキシエチレンドデシル
エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシル
エーテル硫酸トリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウ
ム、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル
硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレン硫酸エステル塩
類;ドデシルリン酸カリウム、オクタデシルリン酸ナト
リウム等のリン酸エステル塩類等が挙げられる。
【0053】カチオン性界面活性剤の例としては、酢酸
オクタデシルアンモニウム、ヤシ油アミン酢酸塩等のア
ルキルアミン塩類;塩化ドデシルトリメチルアンモニウ
ム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジ
オクタデシルジメチルアンモニウム、塩化ドデシルベン
ジルジメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩類
が挙げられる。
【0054】両性イオン性活性剤の例としては、ドデシ
ルベタイン、オクタデシルベタイン等のアルキルベタイ
ン類;ドデシルジメチルアミンオキシド等のアミンオキ
シド類等が挙げられる。
【0055】非イオン性界面活性剤の例としては、ポリ
オキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレン
ヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシ
ルエーテル、ポリオキシエチレン(9−オクタデセニ
ル)エーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル
類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキ
シエチレンフェニルエーテル類;ポリ酸化エチレン、コ
−ポリ酸化エチレン酸化プロピレン等のオキシラン重合
体類;ソルビタンドデカン酸エステル、ソルビタンヘキ
サデカン酸エステル、ソルビタンオクタデカン酸エステ
ル、ソルビタン(9−オクタデセン酸)エステル、ソル
ビタン(9−オクタデセン酸)トリエステル、ポリオキ
シエチレンソルビタンドデカン酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタンヘキサデカン酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタンオクタデカン酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタンオクタデカン酸トリエステル、
ポリオキシエチレンソルビタン(9−オクタデセン酸)
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン(9−オクタ
デセン酸)トリエステル等のソルビタン脂肪酸エステル
類;ポリオキシエチレンソルビトール(9−オクタデセ
ン酸)テトラエステル等のソルビトール脂肪酸エステル
類;グリセリンオクタデカン酸エステル、グリセリン
(9−オクタデセン酸)エステル等のグリセリン脂肪酸
エステル類が挙げられる。これらの非イオン性活性剤の
中でもHLBが14以上のものが特に好ましい。
【0056】本発明の水性記録液に添加されても良い水
溶性樹脂の例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、
アルブミン、アラビアゴム、フィッシュグリュー、アル
ギン酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ポリ酸化エチレン、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアク
リル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、
スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸
共重合体、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体等
が挙げられる。
【0057】水溶性樹脂は、定着性や粘度調節、速乾性
を挙げる目的で、必要に応じて使用されるものであり、
記録液に使用する場合の記録液中の水溶性樹脂の含有割
合は、0〜30重量%以下が好ましく、0〜20重量%
以下が特に好ましい。
【0058】本発明の水性記録液は、サインペン、マー
カー等の文具類や各種プリンタ、プロッタ類のインクと
して好適に使用することができ、とりわけ、その優れた
分散性、分散安定性を生かしてインクジェット用インク
として好適に使用することができる。
【0059】本発明は以下の通りの具体的な実施形態を
包含する。 1. 少なくとも顔料およびアニオン性基含有有機高分
子化合物を含有する水性顔料分散体であって、該アニオ
ン性基含有有機高分子化合物として溶解パラメータの異
なる2種以上のアニオン性基含有有機高分子化合物を用
いることを特徴とする水性顔料分散体。
【0060】2. 溶解パラメータの異なる2種以上の
アニオン性基含有有機高分子化合物のいずれもが、少な
くともアクリル酸およびメタクリル酸の炭素数3〜5の
アルキルエステルからなる群から選ばれる1以上の化合
物を構成要素として含有するアニオン性基含有有機高分
子化合物である上記1記載の水性顔料分散体。
【0061】3. 溶解パラメータの異なる2種以上の
アニオン性基含有有機高分子化合物のいずれもが、少な
くともアクリル酸およびメタクリル酸の炭素数3〜5の
アルキルエステルからなる群から選ばれる1以上の化合
物とスチレンとを構成要素として含有するアニオン性基
含有有機高分子化合物である上記1記載の水性顔料分散
体。
【0062】4. 顔料が有機顔料またはカーボンブラ
ックである上記1〜3記載の水性顔料分散体。
【0063】5. 顔料がアニオン性基含有有機高分子
化合物によって被覆されている上記1〜4記載の水性顔
料分散体。
【0064】6. アニオン性基がカルボキシル基およ
びカルボキシラート基である上記1〜5記載の水性顔料
分散体。
【0065】7. カルボキシラート基の対イオンが、
有機アンモニウムイオンおよびアルカリ金属イオンから
なる群から選ばれるカチオンである上記6記載の水性顔
料分散体。
【0066】8. 溶解パラメータの異なる2種以上の
アニオン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータの
いずれもが、8.0〜11.0である上記1〜7記載の
水性顔料分散体。
【0067】9. 溶解パラメータの異なる2種以上の
アニオン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータの
差がそれぞれ0.3〜3.0である上記1〜8記載の水
性顔料分散体。
【0068】10. 溶解パラメータの最も小さいアニ
オン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータが8.
0〜9.4の範囲にあり、溶解性パラメータの最も大き
いアニオン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータ
が9.5〜11.0の範囲にある上記1〜9記載の水性
顔料分散体。
【0069】11. アニオン性基含有有機高分子化合
物の重量平均分子量が5,000〜50,000である
上記1〜10記載の水性顔料分散体。
【0070】12 アニオン性基含有有機高分子化合物
の酸価が30〜220mgKOH/gである上記1〜1
1記載の水性顔料分散体。
【0071】13. アニオン性基含有有機高分子化合
物のガラス転移点が−20〜60℃である上記1〜12
記載の水性顔料分散体。
【0072】14. 顔料とアニオン性基含有有機高分
子化合物の比率が、顔料100部に対してアニオン性基
含有有機高分子化合物が25重量部〜200重量部であ
る請求項1〜13記載の水性顔料分散体。
【0073】15. 少なくとも顔料、溶解パラメータ
の異なる2種以上のアニオン性基含有有機高分子化合
物、塩基性物質および水からなる混合物を分散装置によ
り分散する工程を含むことを特徴とする水性顔料分散体
の製造方法。
【0074】16. 少なくとも顔料、溶解パラメータ
の異なる2種以上のアニオン性基含有有機高分子化合物
のうち溶解パラメータの最も大きいアニオン性基含有有
機高分子化合物、塩基性物質および水からなる混合物を
分散装置により分散し、次いで溶解パラメータの小さい
アニオン性基含有有機高分子化合物を加え、さらに分散
する工程を含むことを特徴とする水性顔料分散体の製造
方法。
【0075】17. 顔料、溶解パラメータの異なる2
種以上のアニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性物
質、水溶性有機溶剤および水からなる混合物を分散装置
により分散する工程を含むことを特徴とする水性顔料分
散体の製造方法。
【0076】18. 少なくとも顔料、溶解パラメータ
の異なる2種以上のアニオン性基含有有機高分子化合物
のうち溶解パラメータの最も大きいアニオン性基含有有
機高分子化合物、塩基性物質、水溶性有機溶剤および水
からなる混合物を分散装置により分散し、次いで溶解パ
ラメータの小さいアニオン性基含有有機高分子化合物を
加え、さらに分散する工程を含むことを特徴とする水性
顔料分散体の製造方法。
【0077】19. 水溶性有機溶剤が炭素数が3〜6
のケトンおよび炭素数が1〜5のアルコールからなる群
から選ばれる化合物である上記17〜18記載の水性顔
料分散体の製造方法。
【0078】20. 塩基性物質が有機アミン、アンモ
ニア、水酸化アルカリ金属からなる群から選ばれる化合
物である上記15〜19記載の水性顔料分散体の製造方
法。
【0079】21. 分散工程の後工程として、溶解状
態にあるアニオン性基含有有機高分子化合物を顔料表面
に被覆させる工程を含むことを特徴とする上記15〜2
0記載の水性顔料分散体の製造方法。
【0080】22. 溶解状態にあるアニオン性基含有
有機高分子化合物を顔料表面に被覆させる工程が、アル
カリ性水性溶液に溶解しているアニオン性基含有有機高
分子化合物を、溶液を酸性化することにより析出させる
工程よりなる上記21記載の水性顔料分散体の製造方
法。
【0081】23. 顔料が有機顔料またはカーボンブ
ラックである上記15〜122記載の水性顔料分散体の
製造方法。
【0082】24. アニオン性基がカルボキシル基お
よびカルボキシラート基である上記15〜23記載の水
性顔料分散体の製造方法。
【0083】25. 溶解パラメータの異なる2種以上
のアニオン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータ
のいずれもが、8.0〜11.0である上記15〜24
記載の水性顔料分散体の製造方法。
【0084】26. 溶解パラメータの異なる2種以上
のアニオン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータ
の差がそれぞれ0.3〜3.0である上記15〜25記
載の水性顔料分散体の製造方法。
【0085】27. アニオン性基含有有機高分子化合
物の重量平均分子量が5,000〜50,000である
上記15〜26記載の水性顔料分散体の製造方法。
【0086】28. アニオン性基含有有機高分子化合
物の酸価が30〜220mgKOH/gである上記15
〜27記載の水性顔料分散体の製造方法。
【0087】29. アニオン性基含有有機高分子化合
物のガラス転移点が−20〜60℃である上記15〜2
7記載の水性顔料分散体の製造方法。
【0088】30. 顔料とアニオン性基含有有機高分
子化合物の比率が、顔料100部に対してアニオン性基
含有有機高分子化合物が25重量部〜200重量部であ
る上記15〜29記載の水性顔料分散体の製造方法。
【0089】31. 上記1〜14記載の水性顔料分散
体を含有することを特徴とする水性記録液。
【0090】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明する。以下の実施例及び比較例において、
「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」を
表わす。
【0091】<合成例1>(アニオン性基含有有機高分
子化合物A−1の合成) 攪拌装置、滴下装置、温度センサー、および上部に窒素
導入装置を有する環流装置を取り付けた反応容器を有す
る自動重合反応装置(重合試験機DSL−2AS型、轟
産業(株)製)の反応容器にメチルエチルケトン1,0
00部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換し
た。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら75℃に昇温
させた後、滴下装置よりメタクリル酸n−ブチル79
1.5部、アクリル酸n−ブチル21.2部、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル80.0部、メタクリル酸1
07.3部および「パーブチル O」(有効成分ペルオ
キシ2−エチルヘキサン酸t−ブチル、日本油脂(株)
製)20.0部の混合液を2時間かけて滴下した。
【0092】滴下終了後、さらに同温度で15時間反応
を継続させて、溶解パラメータ8.91、酸価69、ガ
ラス転移温度(計算値)30℃、重量平均分子量18,
200のアニオン性基含有有機高分子化合物溶液を得
た。反応終了後、メチルエチルケトンの一部を減圧留去
し、樹脂溶液の不揮発分を50%に調整した。
【0093】以下の合成例においても溶剤の減圧留去ま
たは添加により樹脂溶液の不揮発分を50%に調整し
た。
【0094】<合成例2>(アニオン性基含有有機高分
子化合物A−2の合成) モノマー組成をメタクリル酸n−ブチル685.7部、
アクリル酸n−ブチル25.3部、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル150.0部、アクリル酸139.0部
に変えたこと以外は合成例2と同様にして溶解パラメー
タ9.15、酸価108、ガラス転移温度(計算値)3
0℃、重量平均分子量24,700のアニオン性基含有
有機高分子化合物溶液を得た。
【0095】<合成例3>(アニオン性基含有有機高分
子化合物A−3の合成) モノマー組成をメタクリル酸n−ブチル377.7部、
アクリル酸n−ブチル165.0部、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル150.0部、メタクリル酸107.
0部、スチレン200.0部に変えたこと以外は合成例
2と同様にして溶解パラメータ9.30、酸価70、ガ
ラス転移温度(計算値)30℃、重量平均分子量23,
800のアニオン性基含有有機高分子化合物溶液を得
た。
【0096】<合成例4>(アニオン性基含有有機高分
子化合物A−4の合成) モノマー組成をメタクリル酸n−ブチル405.2部、
アクリル酸n−ブチル45.5部、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル150.0部、メタクリル酸199.3
部、スチレン200.0部に変えたこと以外は合成例2
と同様にして溶解パラメータ9.70、酸価130、ガ
ラス転移温度(計算値)53℃、重量平均分子量20,
000のアニオン性基含有有機高分子化合物溶液を得
た。
【0097】<合成例5>(アニオン性基含有有機高分
子化合物A−5の合成) モノマー組成をメタクリル酸n−ブチル90.0部、ア
クリル酸n−ブチル210.0部、メタクリル酸20
0.0部、スチレン500.0部に変えたこと以外は合
成例2と同様にして溶解パラメータ9.85、酸価13
0、ガラス転移温度(計算値)50℃、重量平均分子量
13,300のアニオン性基含有有機高分子化合物溶液
を得た。
【0098】<合成例6>(アニオン性基含有有機高分
子化合物A−6の合成) モノマー組成をメタクリル酸n−ブチル6.5部、アク
リル酸n−ブチル186.6部、メタクリル酸306.
9部、スチレン500.0部に変えたこと以外は合成例
2と同様にして溶解パラメータ10.37、酸価70、
ガラス転移温度(計算値)68℃、重量平均分子量1
9,600のアニオン性基含有有機高分子化合物溶液を
得た。
【0099】<実施例1>冷却用ジャケットを備えた混
合槽に、合成例5で得たアニオン性基含有有機高分子化
合物A−5溶液500部、20%水酸化ナトリウム水溶
液85部、水1500部、ファストゲンスーパーマゼン
タRTS(C.I.ピグメント レッド122、大日本
インキ化学工業(株)製)1,000部を仕込み、攪
拌、混合した。混合液を直径0.3mmのジルコニアビ
ーズを充填した分散装置(SCミルSC100/32
型、三井鉱山(株)製)に通し、循環方式により分散し
た。分散装置の回転数は2700回転/分とし、冷却用
ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下に
保たれるようにした。2時間後、混合槽に合成例3で得
たアニオン性基含有有機高分子化合物A−3溶液500
部、20%水酸化ナトリウム水溶液70部、水1300
部を加え、さらに3時間分散した。
【0100】分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採
り、次いで水10,000部で混合槽および分散装置流
路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。ガ
ラス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、メチルエチルケト
ンの全量と水の一部を留去し、濃縮分散液を得た。
【0101】室温まで放冷後、濃縮分散液に攪拌しなが
ら10%塩酸を滴下してpH3.5に調整したのち、固
形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。ケーキを
容器に採り、20%水酸化カリウム水溶液285部と水
150部を加え、分散攪拌機(TKホモディスパ20
型、特殊機化工業(株)製)にて再分散した。遠心分離
器(50A−IV型、(株)佐久間製作所)にて粗大粒
子を除去したのち、不揮発分を調整して不揮発分20%
の水性顔料分散体を得た。
【0102】<実施例2>分散当初に合成例6で得たア
ニオン性基含有有機高分子化合物A−6溶液450部と
20%水酸化ナトリウム水溶液55部を用い、2時間後
に合成例3で得たアニオン性基含有有機高分子化合物A
−3溶液550部と20%水酸化ナトリウム水溶液65
部を用いたこと以外は実施例1と同様にして不揮発分2
0%の水性顔料分散体を得た。
【0103】<実施例3>冷却用ジャケットを備えた混
合槽に、合成例2で得たアニオン性基含有有機高分子化
合物A−2溶液200部、合成例4で得たアニオン性基
含有有機高分子化合物A−4溶液800部、20%水酸
化ナトリウム水溶液210部、水2800部、ファスト
ゲンスーパーマゼンタRTS(C.I.ピグメント レ
ッド122、大日本インキ化学工業(株)製)1,00
0部を仕込み、攪拌、混合した。混合液を直径0.3m
mのジルコニアビーズを充填した分散装置(SCミル
SC100/32型、三井鉱山(株)製)に通し、循環
方式により5時間分散した。分散装置の回転数は270
0回転/分とし、冷却用ジャケットには冷水を通して分
散液温度が40℃以下に保たれるようにした。
【0104】分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採
り、次いで水10,000部で混合槽および分散装置流
路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。ガ
ラス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、メチルエチルケト
ンの全量と水の一部を留去し、濃縮分散液を得た。
【0105】室温まで放冷後、濃縮分散液に攪拌しなが
ら10%塩酸を滴下してpH3.5に調整したのち、固
形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。ケーキを
容器に採り、20%水酸化カリウム水溶液285部と水
150部を加え、分散攪拌機(TKホモディスパ20
型、特殊機化工業(株)製)にて再分散した。遠心分離
器(50A−IV型、(株)佐久間製作所)にて粗大粒
子を除去したのち、不揮発分を調整して不揮発分20%
の水性顔料分散体を得た。
【0106】<実施例4>アニオン性基含有有機高分子
化合物として、合成例1で得たアニオン性基含有有機高
分子化合物A−1の溶液150部および合成例4で得た
アニオン性基含有有機高分子化合物A−4の溶液850
部を用い、また20%水酸化ナトリウム水溶液210部
を190部に変えたこと以外は実施例3と同様にして不
揮発分20%の水性顔料分散体を得た。
【0107】<実施例5>アニオン性基含有有機高分子
化合物として、合成例3で得たアニオン性基含有有機高
分子化合物A−3の溶液500部および合成例5で得た
アニオン性基含有有機高分子化合物A−5の溶液500
部を用い、また20%水酸化ナトリウム水溶液210部
を155部に変えたこと以外は実施例3と同様にして不
揮発分20%の水性顔料分散体を得た。
【0108】<実施例6>アニオン性基含有有機高分子
化合物として、合成例2で得たアニオン性基含有有機高
分子化合物A−2の溶液400部および合成例5で得た
アニオン性基含有有機高分子化合物A−5の溶液600
部を用い、また20%水酸化ナトリウム水溶液210部
を190部に変えたこと以外は実施例3と同様にして不
揮発分20%の水性顔料分散体を得た。
【0109】<実施例7>アニオン性基含有有機高分子
化合物として、合成例4で得たアニオン性基含有有機高
分子化合物A−4の溶液600部および合成例6で得た
アニオン性基含有有機高分子化合物A−6の溶液400
部を用い、また20%水酸化ナトリウム水溶液210部
を170部に変えたこと以外は実施例3と同様にして不
揮発分20%の水性顔料分散体を得た。
【0110】<実施例8>アニオン性基含有有機高分子
化合物として、合成例3で得たアニオン性基含有有機高
分子化合物A−3の溶液650部および合成例6で得た
アニオン性基含有有機高分子化合物A−6の溶液350
部を用い、また20%水酸化ナトリウム水溶液210部
を120部に変えたこと以外は実施例3と同様にして不
揮発分20%の水性顔料分散体を得た。
【0111】<実施例9>冷却用ジャケットを備えた混
合槽に、合成例2で得たアニオン性基含有有機高分子化
合物A−2溶液400部、合成例5で得たアニオン性基
含有有機高分子化合物A−5溶液600部、20%水酸
化ナトリウム水溶液190部、水2800部、ファスト
ゲンスーパーマゼンタRTS(C.I.ピグメント レ
ッド122、大日本インキ化学工業(株)製)1,00
0部、を仕込み、攪拌、混合した。混合液を直径0.3
mmのジルコニアビーズを充填した分散装置(SCミル
SC100/32型、三井鉱山(株)製)に通し、循
環方式により5時間分散した。分散装置の回転数は27
00回転/分とし、冷却用ジャケットには冷水を通して
分散液温度が40℃以下に保たれるようにした。
【0112】分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採
り、次いで水10,000部で混合槽および分散装置流
路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。
【0113】ガラス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、メ
チルエチルケトンの全量と水の一部を留去した。室温ま
で放冷後、遠心分離器(50A−IV型、(株)佐久間
製作所)にて粗大粒子を除去し、不揮発分を調整して不
揮発分20%の水性顔料分散体を得た。
【0114】<実施例10>顔料としてファストゲンス
ーパーマゼンタRTSに代えて、シムラーファストイエ
ロー4192(C.I.ピグメント イエロー154、
大日本インキ化学工業(株)製)を用い、分散当初に合
成例5で得たアニオン性基含有有機高分子化合物A−5
溶液500部と20%水酸化ナトリウム水溶液100部
を用い、2時間後に合成例2で得たアニオン性基含有有
機高分子化合物A−2溶液500部と20%水酸化ナト
リウム水溶液85部を加えたこと以外は実施例1と同様
にして不揮発分20%の水性顔料分散体を得た。
【0115】<実施例11>顔料としてファストゲンス
ーパーマゼンタRTSに代えて、シムラーファストイエ
ロー4192(C.I.ピグメント イエロー154、
大日本インキ化学工業(株)製)を、アニオン性基含有
有機高分子化合物として合成例2で得たアニオン性基含
有有機高分子化合物A−2溶液500部と合成例5で得
たアニオン性基含有有機高分子化合物A−5溶液500
部を用い、20%水酸化ナトリウム水溶液210部を1
90部に代えたこと以外は実施例3と同様にして不揮発
分20%の水性顔料分散体を得た。
【0116】<実施例12>顔料としてファストゲンス
ーパーマゼンタRTSに代えて、ファストゲンブルーT
GR(C.I.ピグメント ブルー15:3、大日本イ
ンキ化学工業(株)製)を、アニオン性基含有有機高分
子化合物として合成例2で得たアニオン性基含有有機高
分子化合物A−2溶液300部と合成例5で得たアニオ
ン性基含有有機高分子化合物A−5溶液700部を用
い、20%水酸化ナトリウム水溶液210部を195部
に代えたこと以外は実施例3と同様にして不揮発分20
%の水性顔料分散体を得た。
【0117】<実施例13>顔料としてファストゲンス
ーパーマゼンタRTSに代えて、カーボンブラック(三
菱カーボン#960、三菱化学(株)製)を、アニオン
性基含有有機高分子化合物として合成例3で得たアニオ
ン性基含有有機高分子化合物A−3溶液700部と合成
例6で得たアニオン性基含有有機高分子化合物A−6溶
液300部を用い、20%水酸化ナトリウム水溶液21
0部を110部に代えたこと以外は実施例3と同様にし
て不揮発分20%の水性顔料分散体を得た。
【0118】<比較例1>アニオン性基含有有機高分子
化合物として、合成例1で得たアニオン性基含有有機高
分子化合物A−1溶液1,000部を用い、20%水酸
化ナトリウム水溶液210部を110部に代えたこと以
外は実施例3と同様にして不揮発分20%の水性顔料分
散体を得た。
【0119】<比較例2>アニオン性基含有有機高分子
化合物として、合成例6で得たアニオン性基含有有機高
分子化合物A−6溶液1,000部を用い、20%水酸
化ナトリウム水溶液210部を110部に代えたこと以
外は実施例3と同様にして不揮発分20%の水性顔料分
散体を得た。
【0120】<実施例14>(ピエゾ方式インクジェッ
トプリンタ用水性記録液の適性評価) 特開平7−228808号公報記載の実施例1を参考に
してピエゾ方式インクジェットプリンタ用インクを調整
した。インク組成を以下に示す。
【0121】 水性顔料分散体 25部トリエチレンク゛リコールモノフ゛チルエーテル 10部シ゛エチレンク゛リコール 15部サーフィノール 465(エアフ゜ロタ゛クツ社製) 0.8部 水 49.2部
【0122】このようにして調製したインクについて、
調整直後および70℃の恒温槽中で10日間貯蔵後に平
均粒径と粘度を測定した。平均粒径はレーザードップラ
式粒度分析計マイクロトラック(UPA150型、リー
ズ&ノースロップ社製)で測定したメディアン径をもっ
て平均粒径とした。また、貯蔵後のインクを用い、ピエ
ゾ方式のインクジェットプリンタ(MJ−8000C
型、セイコーエプソン(株)製)にて50枚の連続印字
を行い、印字性能を評価した。結果を表1に示す。
【0123】
【表1】表 1(ピエゾ方式)
【0124】 <注> 印字性 ○:50枚以上印字可能 △:10枚以上50枚未満でかすれ等が発生 ×:10枚未満でかすれ等が発生(以下、同様)
【0125】表中のTGR、RTS、4192および8
80は、それぞれ順に、前出のファストゲンブルーTG
R、ファストゲンスーパーマゼンタRTS、シムラーフ
ァストイエロー4192およびモナーク880を意味す
る(以下、同様)。
【0126】<実施例15>(サーマル方式インクジェ
ットプリンタ用水性記録液の適性評価) 特開平6−122846公報記載の実施例2を参考にし
てサーマル方式インクジェットプリンタ用インクを調整
した。インク組成を以下に示す。
【0127】 水性顔料分散体 25部 グリセリン 8部 エチレングリコール 5部 エタノール 5部 エマルゲン120(花王(株)製) 0.05部 水 57部
【0128】このようにして調製したインクについて、
サーマル方式のインクジェットプリンタ(BJC−60
0J型、キヤノン(株)製)にて100枚の連続印字を
行い、印字性能を評価した。結果を表2に示す。
【0129】
【表2】表 2(サーマル方式)
【0130】尚、上記実施例のサーマル方式インクジェ
ットプリンタ用水性記録液は、ピエゾ方式のそれらと同
様に、粒径の経時変化がより少なく、分散到達レベル、
分散安定性、分散液粘度の点で満足いくものであった。
【0131】
【発明の効果】本発明の水性顔料分散体は、溶解パラメ
ータの異なる2種以上のアニオン性基含有有機高分子化
合物を用いるようにしたので、1種のアニオン性基含有
有機高分子化合物を用いた場合より、より初期粒径の小
さい、または粒径の経時変化のより小さい水性顔料分散
体とすることが出来、分散性および分散安定性に優れた
ものとすることができる。その結果、分散性および分散
安定性に優れており、インクジェットプリンタ用インク
等の記録液に使用した場合に貯蔵安定性や演色性、透明
性に優れた記録液を与え、鮮明な画像を形成することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 EA11 EA21 FA03 FA04 FA10 FC01 FC02 4J037 CC16 CC17 EE03 FF23 4J039 AD09 AD14 BE01 CA03 GA24

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも顔料およびアニオン性基含有
    有機高分子化合物を含有する水性顔料分散体であって、
    該アニオン性基含有有機高分子化合物として溶解パラメ
    ータの異なる2種以上のアニオン性基含有有機高分子化
    合物を用いることを特徴とする水性顔料分散体。
  2. 【請求項2】 溶解パラメータの異なる2種以上のアニ
    オン性基含有有機高分子化合物のいずれもが、少なくと
    もアクリル酸およびメタクリル酸の炭素数3〜5のアル
    キルエステルからなる群から選ばれる1以上の化合物を
    構成要素として含有するアニオン性基含有有機高分子化
    合物である請求項1記載の水性顔料分散体。
  3. 【請求項3】 溶解パラメータの異なる2種以上のアニ
    オン性基含有有機高分子化合物のいずれもが、少なくと
    もアクリル酸およびメタクリル酸の炭素数3〜5のアル
    キルエステルからなる群から選ばれる1以上の化合物と
    スチレンとを構成要素として含有するアニオン性基含有
    有機高分子化合物である請求項1記載の水性顔料分散
    体。
  4. 【請求項4】 顔料がアニオン性基含有有機高分子化合
    物によって被覆されている請求項1〜3記載の水性顔料
    分散体。
  5. 【請求項5】 溶解パラメータの異なる2種以上のアニ
    オン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータのいず
    れもが、8.0〜11.0である請求項1〜4記載の水
    性顔料分散体。
  6. 【請求項6】 溶解パラメータの異なる2種以上のアニ
    オン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータの差が
    それぞれ0.3〜3.0である請求項1〜5記載の水性
    顔料分散体。
  7. 【請求項7】 溶解パラメータの最も小さいアニオン性
    基含有有機高分子化合物の溶解パラメータが8.0〜
    9.4の範囲にあり、溶解性パラメータの最も大きいア
    ニオン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータが
    9.5〜11.0の範囲にある請求項1〜6記載の水性
    顔料分散体。
  8. 【請求項8】 少なくとも顔料、溶解パラメータの異な
    る2種以上のアニオン性基含有有機高分子化合物、塩基
    性物質および水からなる混合物を分散装置により分散す
    る工程を含むことを特徴とする水性顔料分散体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 少なくとも顔料、溶解パラメータの異な
    る2種以上のアニオン性基含有有機高分子化合物のうち
    溶解パラメータの最も大きいアニオン性基含有有機高分
    子化合物、塩基性物質および水からなる混合物を分散装
    置により分散し、次いで溶解パラメータの小さいアニオ
    ン性基含有有機高分子化合物を加え、さらに分散する工
    程を含むことを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記混合物として、更に水溶性有機溶
    剤をも含む混合物を用いる請求項8または9記載の水性
    顔料分散体の製造方法。
  11. 【請求項11】 水溶性有機溶剤が炭素数が3〜6のケ
    トンおよび炭素数が1〜5のアルコールからなる群から
    選ばれる化合物である請求項10記載の水性顔料分散体
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 分散工程の後工程として、溶解状態に
    あるアニオン性基含有有機高分子化合物を顔料表面に被
    覆させる工程を含むことを特徴とする請求項8〜11記
    載の水性顔料分散体の製造方法。
  13. 【請求項13】 溶解状態にあるアニオン性基含有有機
    高分子化合物を顔料表面に被覆させる工程が、アルカリ
    性水性溶液に溶解しているアニオン性基含有有機高分子
    化合物を、溶液を酸性化することにより析出させる工程
    よりなる請求項12記載の水性顔料分散体の製造方法。
  14. 【請求項14】 溶解パラメータの異なる2種以上のア
    ニオン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータのい
    ずれもが、8.0〜11.0である請求項8〜13記載
    の水性顔料分散体の製造方法。
  15. 【請求項15】 溶解パラメータの異なる2種以上のア
    ニオン性基含有有機高分子化合物の溶解パラメータの差
    がそれぞれ0.3〜3.0である請求項8〜14記載の
    水性顔料分散体の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜7記載の水性顔料分散体を
    含有することを特徴とする水性記録液。
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