JP2002029140A - 記録媒体に二液を用いて印刷する記録方法 - Google Patents

記録媒体に二液を用いて印刷する記録方法

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JP2002029140A JP2000216102A JP2000216102A JP2002029140A JP 2002029140 A JP2002029140 A JP 2002029140A JP 2000216102 A JP2000216102 A JP 2000216102A JP 2000216102 A JP2000216102 A JP 2000216102A JP 2002029140 A JP2002029140 A JP 2002029140A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体に対して固着性、耐擦性に優れ、良
好な画像が実現できる記録方法の提供。 【解決手段】 記録媒体に、着色剤と、無機酸化物コロ
イドと、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでな
るインク組成物と、前記インク組成物と接触したとき凝
集物を生じさせる反応剤を含んでなる反応液とを付着さ
せて印刷を行う記録方法であって、記録媒体上に前記反
応液を付着させる工程と、記録媒体上に前記インク組成
物を付着させて画像を記録する工程と、そして前記反応
液と前記インク組成物とを付着させて印刷した記録媒体
を極性溶媒で洗浄する工程とを含んでなる記録方法によ
って達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】<発明の分野>本発明は、記録媒体に反
応液とインク組成物とを付着させて印刷した後、記録媒
体を極性溶媒で洗浄することにより印刷を行う記録方法
に関する。
【0002】<背景技術>水性インク組成物は、水を主
成分とし、これに着色成分およびグリセリン等の湿潤剤
を含有したものが一般的である。また、水性インク組成
物に用いられる記録媒体は、一般にインク組成物をある
程度吸収し、着色剤を浸透させることができるもの、例
えば紙等が用いられる。水性インク組成物を用いて印刷
を行う記録方法としては、近年、インクジェット記録方
法が注目されている。インクジェット記録方法は、イン
ク組成物の小滴を飛翔させ、記録媒体に付着させて印刷
を行う記録方法である。
【0003】一方、プラスチック、金属など水性インク
組成物を基本的に吸収しない記録媒体に対して印刷や塗
装を行う場合には、一般に有機溶媒(特に親油性)を用
いた溶剤系インク組成物や塗料が用いられる。溶剤系イ
ンク組成物や塗料は非吸収性の記録媒体に印刷した場
合、固着性、耐擦性、耐久性等に優れるものである。し
かし、有機溶媒のある種のものは動植物に対して毒性を
示すことがある。そのため、使用、廃棄などに注意が必
要であり、取り扱いに不便な場合が多い。
【0004】非吸収性記録媒体に印刷、塗装をする場合
でも、水性インク組成物を用いた記録方法によれば、安
全面、環境面、使用の便宜などの点から好ましいものと
いえる。しかし、非吸収性記録媒体への印刷において
は、水性インク組成物の着色成分が記録媒体表面に強固
に固着することが要求される。そのためには、固着まで
の時間、すなわち乾燥時間が短いことが要求される。着
色剤の記録媒体への固着性を改善するために、水性イン
ク組成物に樹脂を添加する提案がなされている。この樹
脂は結着剤として着色剤を記録媒体上に固着するものと
考えられる。
【0005】樹脂を含んだインク組成物としては、例え
ば特公昭62−1426号公報に顔料と樹脂エマルジョ
ンとを水に分散させたインクが、特開昭55−1576
68号公報には水不溶の樹脂エマルジョン分散液中に顔
料を分散させることが、特開平1−217088号公報
には特定の造膜温度を有するエマルジョンを使用するこ
とが、特開平3−60068号公報および特開平4−1
8462号公報には同様に樹脂エマルジョンを用いたイ
ンクが提案されている。また、特開昭56−14785
9号公報や特開昭56−147860号公報、特公平4
−5703号公報には高分子分散剤と水溶性有機溶媒と
を用いた水性分散系顔料インクの提案がなされている。
【0006】一方、インクジェット記録方法として、少
なくとも浸透性を付与する界面活性剤または浸透性溶剤
および塩を含有するカラーインクと、この塩との作用に
より増粘または凝集するブラックインクとを組み合わせ
て使用することにより、画像濃度が高くかつカラーブリ
ードがない高品位のカラー画像が得られるという提案が
なされている。(特開平6−106735号公報)。す
なわち、塩を含んだ第一の液と、インク組成物との二液
を印刷することで、良好な画像が得られるとするインク
ジェット記録方法が提案されている。また、その他にも
二液を印刷するインクジェット記録方法が提案されてい
る(例えば、特開平3−240557号公報、特開平3
−240558号公報)。
【0007】
【発明の概要】本発明者は、反応液とインク組成物とか
らなる二液を用いたインクジェット記録方法によって記
録媒体、特に非吸収性記録媒体に印刷を行ったところ、
印刷面が十分に膜化しない場合が観察された。このた
め、本発明者は、印刷面の膜化を進行させるために印刷
後に記録媒体に対して加熱することを試みたところ、印
刷面の膜化が進行しないものや、記録媒体のあるものは
熱によって変質、変形することが観察された。本発明者
は、今般、印刷面の膜化進行を改善することで記録媒体
における着色剤の固着性、耐擦性が向上し、および画像
品質を予想以上に改善することができること、即ち、印
刷面の膜化進行改善にあたり、極性溶媒で洗浄すること
が望ましいとの知見を得た。本発明は、かかる知見に基
づくものである。
【0008】従って、本発明は、記録媒体に対する着色
剤の固着性に優れ、良好な画像が実現できる記録方法の
提供をその目的としている。
【0009】そして、本発明による記録方法は、記録媒
体に、着色剤と、無機酸化物コロイドと、水溶性有機溶
媒とを少なくとも含んでなるインク組成物と、前記イン
ク組成物と接触したときに凝集物を生じさせる反応剤を
含んでなる反応液とを付着させて印刷を行う記録方法で
あって、前記反応液を記録媒体に付着させる工程と、前
記インク組成物を記録媒体上に付着させて画像を記録す
る工程と、そして、前記反応液と前記インク組成物とを
付着させて印刷した記録媒体を極性溶媒で洗浄する工程
とを含んでなるものである。さらに、本発明の別の態様
によれば、本発明は記録装置も提供する。本発明による
記録装置は、記録媒体に、着色剤と、無機酸化物コロイ
ドと、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる
インク組成物と、前記インク組成物と接触したときに凝
集物を生じさせる反応剤を含んでなる反応液とを付着さ
せて印刷を行う記録装置であって、記録媒体上に前記反
応液を付着させる手段と、記録媒体上に前記インク組成
物を付着させて画像を記録する手段と、そして記録媒体
上に前記反応液を付着させる手段と、記録媒体上に前記
インク組成物を付着させて画像を記録する手段を制御す
る手段と、そして前記反応液と前記インク組成物とを付
着させて印刷した記録媒体を極性溶媒で洗浄する手段と
を含んでなるものである。
【0010】
【発明の具体的説明】<記録方法>本発明による記録方
法は、記録媒体上に後記する反応液を付着させる工程
と、後記するインク組成物とを付着させて画像を記録す
る工程と、そして反応液とインク組成物とを付着させて
印刷した記録媒体を極性溶媒で洗浄する工程とを含んで
なるものである。
【0011】本発明による記録方法にあっては、反応液
とインク組成物とを記録媒体に付着させることと、印刷
した記録媒体を極性溶媒で洗浄することによって、着色
剤が記録媒体に強固に固着して耐擦性を有し、そして、
良好な画像を実現することができる。このような効果が
生じる理由は明確でないが、以下の記載のように推論す
ることができる。先ず反応液とインク組成物とが接触す
ることによって、反応液中の反応剤がインク組成物中の
着色剤、無機酸化物コロイド、その他の成分の分散状態
を破壊して、それを凝集させると考えられる。これらの
凝集物が着色剤を記録媒体表面に固着させるものと考え
られる。次に反応液とインク組成物とを接触させて記録
媒体に形成された印刷面は、接触当初、記録媒体の表面
近傍に着色剤と無機酸化物コロイドの凝集物と、その凝
集物とは分離した水または水溶性有機溶媒とが存在す
る。そして、凝集物は記録媒体上に定着しつつ水または
水溶性有機溶媒を極性溶媒で洗浄することによって、凝
集物の乾燥および膜化が促進され、即ち、着色剤と無機
酸化物コロイド微粒子の複合凝集物が膜化することで、
皮膜が形成される。この皮膜は、無機酸化物コロイド微
粒子表面上の水酸基の存在によってより強固に記録媒体
表面に固着することとなると予測することができる。そ
の結果、着色剤が記録媒体表面に強固に固着したのでは
ないかと考えられる。上記の機構は、記録媒体が吸収
性、非吸収性のいずれにも適用できると考えられるもの
であるが、とりわけ、非吸収記録媒体においては、顕著
にその効果が発揮されるのではないかと考えられる。な
お、上記の機構はあくまで仮定であって、本発明はこの
機構に限定して解釈されるものではない。
【0012】反応液とインク組成物を記録媒体に付着さ
せる順序としては、いずれが先であってもよく、すなわ
ち反応液を記録媒体に付着させたその後にこの記録媒体
にインク組成物を付着させる方法、インク組成物を印刷
した後、反応液を付着させる方法、さらに反応液とイン
ク組成物をその付着直前または直後に混合する方法のい
ずれも好適に行うことができる。
【0013】反応液の記録媒体への付着に関しては、イ
ンク組成物を付着させる場所のみ選択的に反応液を付着
させる方法と、記録媒体全体に反応液を付着させる方法
のいずれの態様であってもよい。前者が反応液の消費量
を必要最小限に抑えることができ経済的であるが、反応
液とインク組成物双方を付着させる位置にある程度の精
度が要求される。一方、後者は、前者に比べ反応液およ
びインク組成物の付着位置の精度の要求は緩和される
が、記録媒体全体に大量の反応液を付着させることにな
り、乾燥性の観点から不利である場合がある。従って、
いずれの方法を採用するかは、インク組成物と反応液と
の組み合わせを考慮して決定されてよい。
【0014】反応液を記録媒体に付着させる手段と、イ
ンク組成物を記録媒体に付着させる手段は、印刷業界、
塗装業界において通常用いられる記録方法が可能であ
り、例えば、直噴、吹き付け、塗布、転写等があげら
れ、好ましくは液適を記録媒体に吐出させて印刷を行う
インクジェット記録方法が好ましい。
【0015】本発明においては印刷後の記録媒体を極性
溶媒で洗浄する方法としては、具体的には記録媒体また
はその表面を極性溶媒で濯ぐ、洗い流す、浸漬する、ま
たはこれらの混合手段などがあげられる。洗浄する方法
は、印刷中において連続的または断続的に行うことがで
きる。使用する極性溶媒は、記録媒体に固着した着色成
分が剥離せず、また水溶性で、安全性のあるものが好適
に用いられる。このような極性溶媒の具体例としては、
水、炭素数5以下のアルコール、好ましくはメチルアル
コール、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低
級アルコール;式R(R’)S=Oで表されるスルホキシ
ド(式中、RおよびR’はそれぞれ直鎖状または分岐鎖状
の炭素数5以下のアルキル基)、好ましくはジメチルス
ルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド;
炭素数5以下のアミン、好ましくはメチルアミン、エチ
ルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチ
ルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン等の低級脂肪
族第一アミン、好ましくはジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン等の低
級脂肪族第二アミン、好ましくはトリメチルアミン、ト
リエチルアミン等の低級脂肪族第三アミン等の低級アミ
ンがあげられ、またはこれらの混合物が好適には用いら
れる。この中でも特に好ましい極性溶媒は水である。な
お、本発明の態様によれば、記録媒体を極性溶媒で洗浄
した後に記録媒体を加熱、乾燥する方法を用いることが
できる。
【0016】本発明において記録媒体は、紙などのイン
ク組成物に対して吸収性を有するもの、インク組成物に
対して実質的に非吸収性のもののいずれであっても好適
に用いられる。「インク組成物に対して実質的に非吸収
性である」とは、記録媒体にインク組成物を付着させた
とき、数秒の時間では記録媒体にインク組成物が全く浸
透しないような記録媒体を意味する。本発明によるイン
クジェット記録方法が適用可能な記録媒体の具体例とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルフォン、
ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等を基材とするプラスチック
シート、黄銅、鉄、アルミニウム、SUS、銅等の金属表
面、または非金属の基材に蒸着等の手法により金属コー
ティング処理をした記録媒体、紙を基材として撥水処理
などがなされた記録媒体、布等の繊維表面に撥水処理等
がなされた記録媒体、無機質の材料を高温で焼成した、
いわゆるセラミック材料からなる記録媒体などが挙げら
れる。
【0017】<インク組成物>本発明に用いられるイン
ク組成物は、着色剤と、無機酸化物コロイドと、水溶性
有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる。本発明にお
いてインク組成物とは、モノクロ印刷を行う場合にはブ
ラックインク組成物を意味し、さらにカラー印刷を行う
場合にはカラーインク組成物、具体的にはイエローイン
ク組成物、マゼンタインク組成物、およびシアンインク
組成物、更に場合によってはブラックインク組成物を意
味するものとする。
【0018】<無機酸化物コロイド>本発明に用いられ
るインク組成物は無機酸化物コロイドを含んでなる。本
発明において無機酸化物コロイドとは、分散媒が水また
は水と良好に混合する有機溶媒からなり、分散質が無機
酸化物の超微粒子からなるコロイド溶液を意味する。無
機酸化物としては、高分子量の無水珪酸(SiO2)やアル
ミナ(Al2O3)等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。無機酸化物の超微粒子の粒径は1〜10
0nm程度が一般的であり、好ましくは1〜20nmの
範囲であり、より好ましくは1〜10nmの範囲であ
る。また、無機酸化物コロイドの分散媒は、水または水
と良好な相溶性を有する有機溶媒、例えばメタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノー
ル等との混合溶媒が一般的である。無機酸化物コロイド
は、上記の無機酸化物の超微粒子を水中または、上記の
有機溶媒中に分散することによって得られる。上記の無
機酸化物の超微粒子を水中に分散させたものは水性ゾ
ル、有機溶媒に分散させたものをオルガノゾルと呼ばれ
る。
【0019】このような無機酸化物コロイドとしては、
市販のものを利用することも可能である。その具体例と
しては、高分子量の無水珪酸の超微粒子を水に分散させ
たスノーテックスS、スノーテックスN、スノーテックス
C、スノーテックスSS、スノーテックスXS、スノーテッ
クス20、スノーテックス30、スノーテックス40
(以上、日産化学製)、Cataloid SI-350、 Cataloid S
I-500、 Cataloid SI-30、 Cataloid S-20L、 Cataloid
S-20H、 Cataloid S-30L、 Cataloid S-30H、 Cataloi
d SI-40(以上、デュポン社製)等が挙げられる。ま
た、アルミナの超微粒子を水中に分散させたコロイドと
してアルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミ
ナゾル520(以上、日産化学製)等が挙げられる。高
分子量の無水珪酸の超微粒子を有機溶媒中に分散させた
OSCAL-1432(イソプロピルアルコールゾル;触媒化成工
業製)も利用可能である。上記の市販の無機酸化物コロ
イド溶液のpHは、酸性またはアルカリ性に調整されてい
るものが多い。これは、無機酸化物コロイドの安定分散
領域が酸性側かアルカリ性側に存在するためであり、市
販の無機酸化物コロイド溶液をインク中に添加する場合
は無機酸化物コロイドの安定分散領域のpHとインクのpH
とを考慮して添加する必要がある。
【0020】無機酸化物コロイドの添加量は、その種類
およびその凝集物を勘案して適宜決定されて良いが、例
えば、インク組成物の1〜40重量%程度が好ましく、
より好ましくは5〜30重量%程度の範囲である。ま
た、複数の無機酸化物コロイドを添加しても良い。
【0021】<樹脂エマルジョン>本発明における好ま
しい態様によれば、インク組成物は樹脂エマルジョンを
さらに含んでなる。ここで、樹脂エマルジョンとは、連
続相が水であり、分散相が次のような樹脂成分であるエ
マルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としては、ア
クリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエ
ン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹
脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル
樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェ
ノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、などがあ
げられる。本発明において樹脂エマルジョンは、後述す
る反応液中の反応剤、とりわけ多価金属イオンまたはポ
リアリルアミンもしくはポリアリルアミンの誘導体との
相互作用により、着色剤の記録媒体表面への固着性を促
進する効果を有する。
【0022】本発明の好ましい態様によれば、樹脂エマ
ルジョンは室温以下の最低造膜温度を有するものである
ことが好ましく、より好ましくは25℃以下、最も好ま
しくは20℃以下の最低造膜温度を有するものであるこ
とが好ましい。樹脂エマルジョン粒子の膜形成が室温以
下で行うことができれば、印刷された記録媒体を極性溶
媒で洗浄した後に、加熱及び乾燥手段を必要とせず、室
温以下において印刷面の膜化が自動的に進行し、着色剤
が記録媒体に強固に固着するので好ましい。ここで、
「最低造膜温度」とは、ポリマー微粒子を水に分散させ
て得られた水性エマルジョンをアルミニウム等の金属板
の上に薄く流延し、温度を上げていった時に透明な連続
フィルムの形成される最低の温度をいう。さらに、本発
明の好ましい態様によれば樹脂エマルジョンのポリマー
微粒子のガラス転移温度は10℃以下であることが好ま
しい。
【0023】「造膜性」とは、ポリマー微粒子を水に分
散させ水性エマルジョンの形態としたとき、この水性エ
マルジョンの水成分を蒸発させていくと、樹脂皮膜が形
成されることを意味する。この樹脂エマルジョンが添加
されたインク組成物は、水または水性有機溶媒を蒸発さ
せていくと、樹脂皮膜が同様に形成される性質を有する
こととなる。この樹脂皮膜は、インク組成物中の着色剤
成分を記録媒体表面に強固に固着する役割を担う。これ
によって、耐擦性および耐水性に優れた画像が実現でき
ると考えられる。
【0024】樹脂エマルジョンの添加量は、インク組成
物に対して5重量%以上であり、好ましくは8重量%以
上である。そして樹脂エマルジョンのポリマー微粒子
は、着色剤に対してその重量比で1〜20の範囲、さら
に好ましくは2〜10の範囲で含んでなる。
【0025】また、樹脂エマルジョンのポリマー微粒子
の粒子径は100nm以下が好ましく、より好ましくは
5〜80nm程度である。
【0026】本発明の好ましい態様によれば、樹脂エマ
ルジョンのポリマー微粒子は、その表面にカルボキシル
基を有し、さらに二価金属塩との高い反応性を有するも
のであることが好ましい。具体的には、ポリマー微粒子
は、その0.1重量%の水性エマルジョン3容量と、1
mol/l濃度の二価金属塩水溶液1容量とを接触させ
たとき、波長700nmの光の透過率が初期値の50%
となる時間が1×10 4秒以下(好ましくは1×103
以下、より好ましくは1×102秒以下)となるような
二価金属塩との反応性を有するものである。樹脂エマル
ジョンは、二価金属イオンと接触すると浮遊物を生じ溶
液の透明度を落とす。この浮遊物の生成量を光の透過率
をもって測定する。ここで、二価金属イオンとはC
2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+があげ
られ、それと塩を形成する陰イオンとしては、Cl-
NO3-、I-、Br-、ClO3-およびCH3COO-があ
げられる。このような高い反応性は、樹脂エマルジョン
のポリマー微粒子がその表面に比較的多くのカルボキシ
ル基を有することに起因するものと考えられる。上記の
ような高い反応性を示すような多量のカルボキシル基を
その表面に有するポリマー微粒子からなる樹脂エマルジ
ョンを含んでなるインク組成物は、撥水処理されたイン
クジェット記録用ヘッドのノズルプレートに親和性を有
さない。従って、従来、水溶性樹脂を含んだインク組成
物において問題とされていた、インク組成物がノズルプ
レートを良く濡らし、その結果、インク滴の飛行曲がり
および吐出不良の発生が有効に防止されるとの大きな利
点を有する。本発明の好ましい態様によれば、ポリマー
微粒子を濃度10重量%で水に分散させた水性エマルジ
ョンのテフロン板上での接触角が70°以上であること
が好ましい。さらに、ポリマー微粒子を35重量%で水
に分散させた水性エマルジョンの表面張力が、40×1
-3N/m(40dyne/cm、20℃)以上である
ことが好ましい。上記の様な樹脂エマルジョンを利用す
ることによって、インクジェット記録方法において、よ
り飛行曲がりを防止でき、良好な印刷が可能となる。
【0027】さらに、この樹脂エマルジョンのポリマー
微粒子表面の高い親水性によって、インク組成物は優れ
た保存安定性が得られるとの利点も有する。
【0028】本発明の別の好ましい態様によれば、樹脂
エマルジョンのポリマー微粒子は、カルボキシル基を有
する不飽和ビニル単量体に由来する構造を1〜10重量
%含んでなり、かつ重合可能な二重結合を二つ以上有す
る架橋性単量体によって架橋された構造を有し、架橋性
単量体に由来する構造を0.2〜4重量%含有してなる
ものが好ましい。重合の際に重合可能な二重結合を二つ
以上さらに好ましくは三つ以上有する架橋性単量体類を
共重合させて三次元架橋させた架橋性ポリマーの利用に
より、ノズルプレート表面がインク組成物によりさらに
濡れ難くなり、飛行曲がりをより防止でき、吐出安定性
をより向上させることができる。
【0029】本発明においては、樹脂エマルジョンのポ
リマー微粒子として単粒子構造のものを利用することが
できる。一方、本発明においてはコア部とそれを囲むシ
ェル部とからなるコアシェル構造を有するポリマー微粒
子からなる樹脂エマルジョンを利用することも可能であ
る。本発明において「コアシェル構造」とは、「組成の
異なる2種以上のポリマーが粒子中に相分離して存在す
る形態」を意味する。従って、シェル部がコア部を完全
に被覆している形態のみならず、コア部の一部を被覆し
ているものであってもよい。また、シェル部ポリマーの
一部がコア粒子内にドメインなどを形成しているもので
あってもよい。さらに、コア部とシェル部の中間に、更
にもう一層以上、組成の異なる層を含む3層以上の多層
構造を持つものであってもよい。
【0030】本発明の好ましい態様によれば、コア部が
エポキシ基を有する樹脂からなり、シェル部がカルボキ
シル基を有する樹脂から形成されるものであることが好
ましい。エポキシ基とカルボキシル基とは互いに反応す
る性質を有するが、これら二つの基をコア部とシェル部
とに分離して存在させる。水または水溶性有機溶媒の減
少により、ポリマー微粒子同士が合一し造膜に伴う圧力
によって変形する。これによって、コア部のエポキシ基
とシェル部のカルボキシル基とが結合して、網目構造を
形成する。これにより、より強度の大きな皮膜を形成す
ることができるとの利点が得られる。エポキシ基を有す
る不飽和ビニル単量体の量は1〜10重量%であること
が好ましい。なお、ここで造膜前の一部のエポキシ基と
カルボキシル基との反応は、膜形成能が失われていない
限り、本発明にあっては許容されるものである。このよ
うなポリマー微粒子内に反応性の官能基を共存させ、硬
化剤を添加しなくとも造膜時にそれら基を反応させ網目
構造を形成する性質を本発明にあっては「自己架橋性」
と呼ぶ。
【0031】本発明に用いられる樹脂エマルジョンは、
公知の乳化重合によって得ることができる。すなわち、
不飽和ビニル単量体(不飽和ビニルモノマー)を重合触
媒、および乳化剤を存在させた水中において乳化重合す
ることによって得ることができる。
【0032】不飽和ビニル単量体としては、一般的に乳
化重合で使用されるアクリル酸エステル単量体類、メタ
クリル酸エステル単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビ
ニルエステル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、
ハロゲン化単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量
体類が挙げられる。さらに、具体例としては、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレ
ート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレー
ト、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、
等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、
n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレー
ト、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタク
リレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニル
メタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジル
メタクリレート、等のメタクリル酸エステル類;および
酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類;塩化ビ
ニリデン、塩化ビニル、等のハロゲン化単量体類;スチ
レン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、tert−ブ
チルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビ
ニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類;エチレン、
プロピレン、イソプロピレン、等のオレフィン類;ブタ
ジエン、クロロプレン等のジエン類;ビニルエーテル、
ビニルケトン、ビニルピロリドン等のビニル単量体類が
挙げられる。カルボキシル基を有さない単量体には、カ
ルボキシル基を有する不飽和ビニル単量体の利用が必須
となるが、好ましいその例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸が挙げ
られ、メタクリル酸の利用が好ましい。また、使用可能
な乳化剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面
活性剤、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0033】また、上記したように本発明にあっては、
上記モノマー由来の分子を、重合可能な二重結合を二つ
以上有する架橋性単量体によって架橋された構造を有す
ることが好ましい。重合可能な二重結合を二つ以上有す
る架橋性単量体の例としては、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1、3−ブチレングリコールジアクリレート、1、6−
ブチレングリコールジアクリレート、1、6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、1、9−ノナンジオールジアクリレート、ポリ
プロピレングリコールジアクリレート、等のジアクリレ
ート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメ
チロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート
化合物;ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラ
メチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合
物;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のヘ
キサアクリレート化合物;エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート、1、3−ブチレングリコー
ルジメタクリレート、1、4−ブチレングリコールジメタ
クリレート、1、6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロ
ピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレング
リコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジ
メタクリレート、2、2'−ビス(4−メタクリロキシジエ
トキシフェニル)プロパン、等のジメタクリレート化合
物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ
メチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリ
レート化合物;メチレンビスアクリルアミド、ジビニル
ベンゼンが挙げられる。
【0034】さらに、上記単量体に加えて、アクリルア
ミド類または水酸基含有単量体を添加することによっ
て、さらに印刷安定性を向上させることが出来る。アク
リルアミド類の例としてはアクリルアミドおよびN、N'
−ジメチルアクリルアミドが挙げられる。また、水酸基
含有単量体の例としては2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、および2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレートが挙げられ、これらを単独または二
種以上混合して使用することができる。
【0035】また、コアシェル構造のポリマー微粒子か
らなる樹脂エマルジョンは、公知の手法により、一般的
には多段階の乳化重合などによって製造される。例え
ば、特開平4−76004号公報で開示されている方法
によって製造することができる。重合に用いられる不飽
和ビニル単量体の例としては、上記したものが同様に挙
げられる。
【0036】また、上記のコア部へのエポキシ基の導入
は、エポキシ基を有する不飽和ビニル単量体として、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ア
リルグリシジルエーテル等を他の不飽和ビニル単量体と
共重合する方法、あるいは一種以上の不飽和ビニル単量
体を重合してコア粒子を調製する際にエポキシ化合物を
同時に添加し、複合化させる方法を挙げることができ
る。重合の容易さや重合安定性等の点から前者の方法が
好ましい。
【0037】また、乳化重合の際に使用される開始剤、
界面活性剤、分子量調整剤、さらには中和剤等も常法に
準じて使用してよい。
【0038】本発明において、樹脂エマルジョンはポリ
マー微粒子としてインク組成物の他の成分と混合されて
もよいが、好ましくはポリマー微粒子を水に分散させ、
水性エマルジョンの形態とした後、インク組成物の他の
成分と混合されるのが好ましい。
【0039】本発明の好ましい態様によれば、樹脂エマ
ルジョンは、モノマーを、必要に応じて界面活性剤とと
もに水中で乳化重合することによって得ることができ
る。例えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル
系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステ
ル、または(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレン
を、界面活性剤とともに水中で乳化重合させることによ
って得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合
の割合は、通常1000:1〜10:1程度とするのが好まし
い。界面活性剤の使用量が前記範囲にあることでより良
好なインクの耐水性、浸透性が得られる。界面活性剤は
特に限定されないが、好ましい例としてはアニオン性界
面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウ
ム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、非イ
オン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ドなど)があげられ、これらを単独または二種以上を混
合して用いることができる。また、アセチレングリコー
ル(オレフインY、ならびにサーフイノール82、104、44
0、465、および485(いずれもAir Products and Chemic
als Inc.製))を用いることも可能である。
【0040】また、分散相成分としての樹脂と水との割
合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量
部、好ましくは100〜200重量部の範囲が適切であ
る。
【0041】本発明の好ましい態様によれば、この樹脂
は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるの
が好ましい。
【0042】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物は樹脂エマルジョン形態の熱可塑性樹脂を含んでな
るのが好ましい。また、これらの樹脂は、軟化または溶
融温度以上に加熱され冷却された際に強固な固着性、耐
擦性のある膜を形成するものが好ましい。
【0043】水不溶性の熱可塑性樹脂の具体例として
は、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタア
クリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン−
ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ
素樹脂、フッ化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セル
ロース、ステレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メ
タアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン−アク
リルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポ
リアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセ
タール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポ
リカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロース系樹
脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリ
ウレタン、ロジンエステル等が挙げられるがこれらに限
定されるものではない。
【0044】低分子量の熱可塑性樹脂の具体例として
は、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、アルコ
ールワックス、合成酸化ワックス、α−オレフィン−無
水マレイン酸共重合体、カルナパワックス等の動植物系
ワックス、ラノリン、パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス等が挙げられる。
【0045】本発明において上記条件を満足する樹脂エ
マルジョンとして、公知の樹脂エマルジョンを用いるこ
とも可能であり、例えば特公昭62−1426号、特開
平3−56573号、特開平3−796178号、特開
平3−160068号、特開平4−18462号などに
記載の樹脂エマルジョンを用いることができる。
【0046】<着色剤>本発明に用いられるインク組成
物に含まれる着色剤は、染料、顔料のいずれであっても
良い。耐光性、耐水性の面においては顔料であることが
好ましい。また、顔料と染料とを併用することも可能で
ある。
【0047】顔料は特に限定されず、無機顔料および有
機顔料のいずれも使用することができる。無機顔料とし
ては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、
ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製
造されたカーボンブラックを使用することができる。ま
た、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性
アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含
む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリ
レン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イ
ソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キ
レート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キ
レートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブ
ラックなどを使用できる。
【0048】特に黒インクとして使用されるカーボンブ
ラックとしては、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF
88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA10
0、No2200B 等が、コロンビア社製のRaven 5750、Rave
n 5250、Raven 5000、Raven3500、Raven 1255、Raven 7
00等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Re
gal 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Mona
rch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、
Monarch 1300、Monarch 1400等が、デグッサ社製のColo
r Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Co
lor Black FW18、Color Black FW200、Color Black S15
0、Color Black S160、Color BlackS170、Printex35、
Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black
6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Bla
ck 4等が使用できる。イエローインクに使用される顔料
としては、C.I.Pigment Yellow1、C.I.Plgment Yel
low2、C.I.Pigment Yellow3、C.I.Pigment Yellow
12、C.I.Pigment Yellow13、C.I.Pigment Yellow14、
C.I.Pigment Yellow16、C.I.Pigment Yellow17、C.
I.Pigment Yellow73、C.I.Pigment Yellow74、C.I.P
igment Yellow75、C.I.Pigment Yellow83、C.I.Pig
ment Yellow93、C.I.Pigment Yellow95、C.I.Pigme
nt Yellow97、C.I.Pigment Yellow98、C.I.Pigment
Yellowl14、C.I.Pigment Yellow128.C.I.Pigment
Yellow129、C.I.Pigment Yellow151、C.I.Pigment Y
ellow154等が挙げられる。また、マゼンタインクに使用
される顔料としては、C.I.Pigment Red5、C.I.Pigm
ent Red7、C.I.Pigment Red12、C.I.Pigment Red4
8、C.I.Pigment Red4、C.I.Pigment Red57、C.I.P
igment Red57:1、C.I.Pigment Red112、C.I.Pigment
Red123、C.I.PigmentRed168、C.I.Pigment Red184、C.
I.Pigment Red202等が挙げられる。シアンインクに使用
される顔料としては、C.I.Pigment Blue1、 C.I. Pigme
nt Blue 2、C.I.Pigment Blue3、C.I.Pigment Blue15:
3、C.I.Pigment Blue15:4、C.I.Pigment Blue 16、
C.I.Pigment Blue22、C.I.PigmentBlue60、C.I.Vat B
lue4、C.I.Vat Blue60等が挙げられる。
【0049】顔料の粒径は、10μm以下が好ましく、
さらに好ましくは0.1μm以下である。
【0050】染料としては、直接染料、酸性染料、食用
染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、
可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェッ
ト記録に使用する各種染料を使用することができる。
【0051】顔料は分散剤で水性媒体中に分散させた顔
料分散液としてインクに添加するのが好ましい。顔料分
散液を調製するのに用いられる分散剤としては、一般に
顔料分散液を調製するのに用いられている分散剤、例え
ば高分子分散剤、界面活性剤を使用することができる。
なお、この顔料分散液に含まれる界面活性剤がインク組
成物の界面活性剤としても機能するであろうことは当業
者に明かであろう。高分子分散剤の好ましい例としては
天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、
ゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質類;
アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類;サポ
ニンなどのグルコシド類;アルギン酸およびアルギン酸
プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノ
ールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸
誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセ
ルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。さ
らに、高分子分散剤の好ましい例として合成高分子が挙
げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリド
ン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重
合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アク
リル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系
樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタ
クリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−
アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−
アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレ
ン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−
アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共
重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビ
ニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マ
レイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共
重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビ
ニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。これら
の中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つ
モノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分
子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好まし
い。
【0052】インク組成物における着色剤の含有量は、
0.5〜25重量%程度が好ましく、より好ましくは2
〜15重量%程度である。
【0053】<水、水溶性有機溶媒、および他の成分>
本発明に用いられるインク組成物の溶媒は水および水溶
性有機溶媒を主成分として用いる。
【0054】この水溶性有機溶媒は、好ましくは低沸点
有機溶剤であり、その好ましい例としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピ
ルアルコール、n−ブタノール、Sec−ブタノール、tert
−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなど
があげられる。特に一価アルコールが好ましい。
【0055】また、本発明の好ましい態様によれば、本
発明に使用するインク組成物は、さらに高沸点有機溶媒
からなる湿潤剤を含んでなることが好ましい。高沸点有
機溶剤の好ましい例としては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール、1、2、6−ヘキ
サントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパンなどの多価アルコール類;エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
エチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエ
ーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;尿
素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1、3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールア
ミンなどがあげられる。
【0056】この中でも沸点が180℃以上の水溶性有
機溶媒の利用が好ましい。沸点が180℃以上の水溶性
有機溶媒の使用はインク組成物の保水と湿潤性をもたら
す。この結果、インク組成物を長期間保管しても着色剤
の凝集や粘度の上昇がなく、優れた保存安定性を実現で
きる。さらに、開放状態(室温で空気に触れている状
態)で放置しても流動性と再分散性を長時間維持するイ
ンク組成物が実現できる。さらに、インクジェット記録
方法においては、印字中もしくは印字中断後の再起動時
にノズルの目詰まりが生じることもなく、高い吐出安定
性が得られる。
【0057】沸点が180℃以上の水溶性有機溶媒の例
としては、エチレングリコール(沸点:197℃;以下括
弧内は沸点を示す)、プロピレングリコール(187
℃)、ジエチレングリコール(245℃)、ペンタメチレ
ングリコール(242℃)、トリメチレングリコール(214
℃)、2−ブテン−1、4−ジオール(235℃)、2−エチ
ル−1、3−ヘキサンジオール(243℃)、2−メチル−
2、4−ペンタンジオール(197℃)、N−メチル−2−ピ
ロリドン(202℃)、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン(257〜260℃)、2−ピロリドン(245℃)、グリセ
リン(290℃)、トリプロピレングリコールモノメチル
エーテル(243℃)、ジプロピレングリコールモノエチ
ルグリコール(198℃)、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル(190℃)、ジプロピレングリコール(2
32℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル
(249℃)、テトラエチレングリコール(327℃)、トリ
エチレングリコール(288℃)、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル(230℃)、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル(202℃)、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル(194℃)が挙げられる。沸点が2
00℃以上であるものが好ましい。これら水溶性有機溶
媒は単独または2種以上混合して使用することができ
る。
【0058】これら水溶性有機溶媒の含有量は、インク
組成物に対して好ましくは0.5〜40重量%程度であ
り、より好ましくは2〜20重量%である。
【0059】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
用いられるインク組成物は、糖、三級アミン、水酸化ア
ルカリ、またはアルギン酸誘導体を含んでなることがで
きる。糖および三級アミンの添加は湿潤性をもたらす。
また、三級アミンと水酸化アルカリの添加は、インク組
成物中の着色剤および樹脂エマルジョンのポリマー微粒
子のインク中での分散安定化をもたらす。
【0060】糖の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ
糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげ
られ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトー
ス、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトー
ス、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マル
トース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレ
ハロース、マルトトリオース、などがあげられる。ここ
で、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シ
クロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在す
る物質を含む意味に用いることとする。また、これらの
糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖[(例え
ば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここ
で、n=2〜5の整数を表す)で表される]、酸化糖(例
えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖
などがあげられる。特に糖アルコールが好ましく、具体
例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられ
る。これら糖類の添加量は0.1〜40重量%程度が好
ましく、より好ましくは1〜30重量%程度である。
【0061】三級アミンの例としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリ
イソプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン等
が挙げられる。これらは単独または混合して使用されて
よい。これら三級アミンのインク組成物への添加量は、
0.1〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは、
0.5〜5重量%である。
【0062】水酸化アルカリの例としては、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムであり、その
添加量は0.01〜5重量%程度が好ましく、より好ま
しくは0.05〜3重量%程度である。
【0063】アルギン酸誘導体の好ましい例としては、
アルギン酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カ
リウム塩)アルギン酸有機塩(例えば、トリエタノール
アミン塩)、アルギン酸アンモニウム塩、等が挙げられ
る。このアルギン酸誘導体のインク組成物への添加量
は、好ましくは0.01〜1重量%程度であり、より好
ましくは0.05〜0.5重量%程度である。
【0064】アルギン酸誘導体の添加により良好な画像
が得られる理由は明確ではないが、反応液に存在する多
価金属塩が、インク組成物中のアルギン酸誘導体と反応
し、着色剤の分散状態を変化させ、着色剤の記録媒体へ
の定着が促進されることに起因するものと考えられる。
【0065】本発明に用いられるインク組成物は、さら
に界面活性剤を含有することができる。界面活性剤の例
としては、上記した樹脂エマルジョンの調製において用
いた界面活性剤と同一のものを好適には用いることがで
きる。
【0066】その他、保存安定性を向上させるために必
要に応じて、インク組成物にpH調整剤、防腐剤、防かび
剤等を添加することも可能である。
【0067】<反応液>本発明において用いられる反応
液は反応剤を含んでなり、ここで「反応剤」とは、イン
ク組成物中の顔料および/または樹脂エマルジョン等の
分散および/または溶解状態を破壊し、凝集させ得るも
のである。その例としては、多価金属塩、ポリアミン、
およびポリアミン誘導体があげられる。
【0068】反応液に用いることができる多価金属塩と
は、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオン
に結合する陰イオンとから構成され、水に可溶なもので
ある。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+
Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+などの二価金属イオン、Al3+
Fe3+、Cr3+などの三価金属イオンがあげられる。陰イオ
ンとしては、Cl-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -、およびCH3C
OO-などがあげられる。
【0069】とりわけ、Ca2+またはMg2+より構成される
金属塩は、反応液のpH、得られる印刷物の品質という二
つの観点から、好適な結果を与える。
【0070】これら多価金属塩の反応液中における濃度
は印刷品質、目詰まり防止の効果が得られる範囲で適宜
決定されてよいが、好ましくは0.1〜40重量%程度
であり、より好ましくは5〜25重量%程度である。
【0071】本発明の好ましい態様によれば、反応液に
含まれる多価金属塩は、二価以上の多価金属イオンと、
これら多価金属イオンに結合する硝酸イオンまたはカル
ボン酸イオンとから構成され、水に可溶なものである。
【0072】ここで、カルボン酸イオンは、好ましくは
炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸または炭素数
7〜11の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるもの
である。炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸の好
ましい例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸
などが挙げられる。特に蟻酸、酢酸が好ましい。
【0073】このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素
基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよく、その
ようなカルボン酸の好ましい例としては、乳酸が挙げら
れる。
【0074】さらに、炭素数6〜10の炭素環式モノカ
ルボン酸の好ましい例としては、安息香酸、ナフトエ酸
等が挙げられ、より好ましくは安息香酸である。
【0075】反応液に用いることができるポリアリルア
ミンおよびポリアリルアミン誘導体は水に可溶で、水中
でプラスに荷電するカチオン系高分子である。例えば、
下記の式(I)、式(II)、および式(III)で表
されるものが挙げられる。
【0076】
【化1】 (上記式中、X−は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ
化物イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン、酢
酸イオン等を表す)上記以外に、アリルアミンとジアリ
ルアミンが共重合したポリマーやジアリルメチルアンモ
ニウムクロライドと二酸化硫黄との共重合体を使用する
ことができる。
【0077】これらポリアリルアミンおよびポリアリル
アミン誘導体の含有量は、反応液の0.5〜10重量%
であることが好ましい。
【0078】本発明の好ましい態様によれば、反応液
は、多価金属塩に加えて、ポリオールを含んでなる。こ
こで、このポリオールは、20℃での蒸気圧が0.01
mmHg、以下であるものであり、かつその添加量は多価金
属塩に対して重量比で1以上、好ましくは1.0〜5.
0とされる。さらに本発明の好ましい態様によれば、こ
のポリオールの反応液に対する添加量は10重量%以上
であるのが好ましく、より好ましくは10〜30重量%
程度である。
【0079】ポリオールの好ましい具体例としては、多
価アルコール、例えば、グリセリン、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオー
ル、1、4−ブタンジオールなどが挙げられる。さらに、
ポリオールの好ましい具体例としては糖、例えば単糖
類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)
および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マン
ノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビ
ノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソ
ルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、ス
クロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあ
げられる。
【0080】これらポリオールは単独で添加されても、
二以上の混合物として添加されてよい。二以上の混合物
として添加される場合、その添加量は、合計として多価
金属塩に対して重量比で1以上とされる。
【0081】本発明の好ましい態様によれば、反応液は
高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでなる。高沸点有
機溶媒は、反応液の乾燥を防止する。高沸点有機溶媒の
好ましい例としては、前記ポリオールとも一部重なる
が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、1、2、6−ヘキサントリオール、チオグリ
コール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アル
コール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、
トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチ
レングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコー
ルのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メ
チル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン、トリエタノールアミンなどがあげられる。本発
明の好ましい態様によれば、反応液はトリエチレングリ
コールモノブチルエーテルおよびグリセリンを組み合わ
せて含んでなることが好ましい。
【0082】高沸点有機溶媒の添加量は特に限定されな
いが、反応液に対して、好ましくは0.5〜40重量%
程度であり、より好ましくは2〜20重量%程度であ
る。
【0083】本発明の好ましい態様によれば、反応液は
低沸点有機溶剤を含んでなる。低沸点有機溶剤の好まし
い例としては、メタノール、エタノール、n−プロピル
アルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノー
ル、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノ
ール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価ア
ルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥
時間を短くする効果がある。低沸点有機溶剤の添加量は
0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.5
〜6重量%の範囲である。
【0084】本発明の好ましい態様によれば、反応液は
浸透剤を含んでなる。浸透剤としては、アニオン性界面
活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の各
種界面活性剤、メタノール、エタノール、iso−プロピ
ルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキ
ルエーテルなどがあげられる。
【0085】さらに本発明に用いることができる浸透剤
は、下記式(IV)で表わされる化合物及び/または多価
アルコールの低級アルコールエーテルが、より好まし
い。
【0086】
【化2】 (式中、0≦m+n≦50、R1、R2、R3、およびR4は独立して
アルキル基である) 上記式で表される化合物の代表的なものとして具体的に
はオルフインY、サーフィノール82、サーフィノール44
0、サーフィノール465、サーフィノール485(いずれも
製造:Air Products and Chemicals.Inc.)等があ
る。これらは単独でまたは2種類以上添加してもい。
【0087】本発明の好ましい態様によれば、反応液は
pH調整のためにトリエタノールアミンを含んでなる。ト
リエタノールアミンが添加される場合、その添加量は0
〜2.0重量%程度が好ましい。
【0088】また、この反応液は、前記のインク組成物
の項で記載したカラー着色剤を添加して着色され、イン
ク組成物の機能を兼ね備えたものとされてもよい。
【0089】<記録装置>本発明による記録装置につい
て、図面を用いて説明する。本発明による記録装置の構
成を図1によって示す。記録媒体を収納した供給源1か
ら記録媒体がインクジェット記録機構2を備えた印刷工
程に搬入される。インクジェット記録機構2に備えられ
た記録ヘッドから反応液とインク組成物とが記録媒体の
表面に吐出されて印刷面3が形成される。記録ヘッド
は、図中に記載していない、反応液を吐出するノズルと
インク組成物を吐出するノズルとから構成されている。
印刷面3が形成された記録媒体は、洗浄工程に搬入され
る。印刷面3が形成された記録媒体は洗浄機構4で極性
溶媒により洗浄される。洗浄機構4は図中に記載してい
ない洗浄液を回収し、分離する手段を有してなる。洗浄
後、記録媒体は乾燥工程に搬入される。記録媒体は乾燥
機構5で乾燥される。乾燥機構5は記録媒体に接触して
それを加熱するものであっても、赤外線などを照射しま
たは熱風を吹き付けるなど記録媒体に接触せずに加熱す
るものであってもよい。乾燥後、記録媒体は、製品とし
て製品格納受け6に搬入される。なお、この記録装置は
記録媒体の搬送手段として図中に記載したロールまたは
図中に記載していないコンベヤー等によって行う。
【0090】本発明による記録装置の一態様を図2に示
す。図2の符号中、図1の機構等と同一構成のものは図
1の符号と同一符号とした。PETフィルムロール11か
らPETフィルムがインクジェット記録機構2を備えた印
刷工程に搬入される。インクジェット記録機構2に備え
られた記録ヘッドから反応液とインク組成物とがPETフ
ィルムの表面に吐出されて印刷面3が形成される。印刷
面3が形成されたPETフィルムは、支持台12を通過し
て洗浄工程に搬入される。印刷面3が形成されたPETフ
ィルムは洗浄機溝4で極性溶媒によって洗浄される。洗
浄後、PETフィルムは乾燥工程に搬入される。PETフィル
ムは乾燥機構5で乾燥される。乾燥後、印刷されたPET
フィルム製品としてロール13に巻き付けられる。
【0091】
【実施例】以下に、本発明の実施態様を示すが、これら
の実施例は本発明の内容を説明するものであって、本発
明の範囲を限定するものではない。
【0092】<樹脂エマルジョンの調製><樹脂エマル
ジョン1>攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下漏斗を付
けたフラスコに、蒸留水100ml、および過硫酸カリウム
0.1gを加え、攪拌下に窒素置換しながら、内温を70℃ま
で加熱した。次いで、蒸留水100ml、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムを1.Og、スチレン30g、2−エチ
ルヘキシルアクリレート55g、メタクリル酸5gを攪拌し
て乳化物を調製した。これを滴下漏斗を用いて上記フラ
スコ内に徐々に滴下した。得られた乳濁液を室温まで冷
却し、この乳濁液を0.4μmのフィルターで濾過し、樹脂
エマルジョンの濃度が30%となるように蒸留水で調製し
た。得られた乳濁液は、最低造膜温度が約20℃のもので
あり、後述する反応液1または2と混合すると凝集する
特性を示した。
【0093】<樹脂エマルジョン2>攪拌機、温度計、
還流冷却器、滴下漏斗を付けたフラスコに、蒸留水100m
l、および過硫酸カリウム0.1gを加え、攪拌下に窒素置
換しながら、内温を70℃まで加熱した。次いで、蒸留水
100ml、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1.O
g、スチレン50g、2−エチルヘキシルアクリレート35g、
メタクリル酸5gを攪拌して乳化物を調製した。これを滴
下漏斗を用いて上記フラスコ内に徐々に滴下した。得ら
れた乳濁液を室温まで冷却し、この乳濁液を0.4μmのフ
ィルターで濾過して、樹脂エマルジョンの濃度が30%と
なるように蒸留水で調製した。得られた乳濁液は、最低
造膜温度が約60℃のものであり、後述する反応液1また
は2と混合したとこと凝集する特性を示した。
【0094】<インク組成物の調製>下記の組成からな
るインク組成物を調製した。調製は下記の要領で行っ
た。顔料と分散剤と水とを混合して、サンドミル(安川
製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の
1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。その
後、ガラスビーズを取り除き、顔料分散液を調製した。
次いで、顔料、分散剤を除く溶剤を混合してインク溶媒
として、上記の顔料分散液を攪拌しながらインク溶媒を
徐々に液下して、常温で20分攪拌した。5μmのメン
ブランフィルターで濾過して、インクジェット記録用イ
ンク組成物とした。
【0095】 <インク組成物1> カーボンブラックMA7(三菱化学製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量% グリセリン 10重量% イオン交換水 残量
【0096】 <インク組成物2> カーボンブラックMA7(三菱化学製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量% 樹脂エマルジョン1 (ポリマー微粒子の濃度として) 10重量% グリセリン 10重量% イオン交換水 残量
【0097】 <インク組成物3> カーボンブラックMA7(三菱化学製) 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量% 樹脂エマルジョン2 (ポリマー微粒子の濃度として) 10重量% グリセリン 10重量% イオン交換水 残量
【0098】 <インク組成物4> C.Iピグメントブラック1 1重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% グリセリン 15重量% イオン交換水 残量
【0099】 <カラ−インクセット1> <シアンインク1> C.Iピグメントブルー15:3 2重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量% ジエチレングリコール 10重量% イオン交換水 残量 <マゼンタインク1> C.Iピグメントレッド122 3重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 25重量% グリセリン 5重量% ジエチレングリコール 5重量% イオン交換水 残量 <イエロ−インク1> C.Iピグメントイエロー74 3.5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 17重量% グリセリン 8重量% イオン交換水 残量
【0100】 <カラ−インクセット2> <シアンインク2> C.Iピグメントブルー15:3 2重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量% 樹脂エマルジョン1 (ポリマー微粒子の濃度として) 10重量% ジエチレングリコール 10重量% イオン交換水 残量 <マゼンタインク2> C.Iピグメントレッド122 3重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 25重量% 樹脂エマルジョン1 (ポリマー微粒子の濃度として) 20重量% グリセリン 5重量% ジエチレングリコール 5重量% イオン交換水 残量 <イエロ−インク2> C.Iピグメントイエロー74 3.5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 17重量% 樹脂エマルジョン1 (ポリマー微粒子の濃度として) 15重量% グリセリン 8重量% イオン交換水
【0101】 <カラ−インクセット3> <シアンインク3> C.Iピグメントブルー15:3 2重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 20重量% 樹脂エマルジョン2 (ポリマー微粒子の濃度として) 10重量% ジエチレングリコール 10重量% イオン交換水 残量 <マゼンタインク3> C.Iピグメントレッド122 3重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 25重量% 樹脂エマルジョン2 (ポリマー微粒子の濃度として) 20重量% グリセリン 5重量% ジエチレングリコール 5重量% イオン交換水 残量 <イエロ−インク3> C.Iピグメントイエロー74 3.5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS (コロイダルシリカ SiO2含有量30% 日産化学製) 17重量% 樹脂エマルジョン2 (ポリマー微粒子の濃度として) 15重量% グリセリン 8重量% イオン交換水 残量
【0102】 <カラ−インクセット4> <シアンインク4> 顔料KET BLUE EX−1 3重量% (大日本インキ化学工業社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% グリセリン 10重量% イオン交換水 残量 <マゼンタインク4> 顔料KET Red 309 4重量% (大日本インキ化学工業社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% ジエチレングリコール 15重量% イオン交換水 残量 <イエロ−インク4> 顔料KET Yellow 403 3重量% (大日本インキ化学工業社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% ジエチレングリコール 10重量% イオン交換水 残量
【0103】<反応液の調製>反応液を下記の組成にし
たがって調製した。 <反応液1> 硝酸マグネシウム・六水和物 25重量%トリエチレンク゛リコール・モノ・フ゛チルエーテル 10重量% グリセリン 10重量% イオン交換水 残量
【0104】 <反応液2> ポリアリルアミン PAA−HCL−3L 20重量% (樹脂成分50%、日東紡績社製) ジエチレングリコール 15重量% イオン交換水 残量
【0105】<印刷評価試験>下記の表1に記載通りの
組み合わせによって例とした。下記の評価の対象とした
印刷物は、セイコーエプソン株式会社製インクジェット
プリンターMJ−930Cを用いて、上記例のインク組
成物と反応液とを、常温、常湿下において、PETフィ
ルムおよびアルミ板に印刷することによって得た。印刷
は、反応液、ブラックインク、およびカラーインクを1
00%dutyでPETフィルムおよびアルミ板上に同
時に行った。そして、実施例および比較例の印刷物のみ
水洗した。なお、本明細書において使用される単位「d
uty」は下記の式(I)で定義され、算出される値D
の単位を示すものである。
【数1】
【表1】
【0106】<評価1:水洗後のインクの固着性評価>
印刷物の印刷面を指で強く擦ってインクの固着性を以下
の基準により評価した。 A:PETフィルムおよびアルミ板ともインクの剥離が
全く無かった。 B:インクの剥離がPETフィルムにおいてはないがア
ルミ板で剥離が僅かにあった。 C:インクの剥離がPETフィルムおよびアルミ板の両
方で僅かにあった。 D:PETフィルムまたはアルミ板上でインクが完全に
剥離した。 <評価2:カラ−ブリ−ド>印刷物について、色境界で
の不均一な色の混じりを目視で以下の基準により評価し
た。 A:色混じりが無く境界が鮮明であった。 B:色混じりが僅かに発生した。 C:ヒゲ状に色の混じりが発生した。 D:色境界がはっきりしないほど色が混ざった。
【0107】上記評価試験の結果は下記の表2に示した
通りであった。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録装置を示す概略図である。
【図2】本発明による記録装置の一態様を示す図であっ
て、この態様においてはPETフィルムを印刷する記録
装置を示している。
【符号の説明】
1 供給源1 記録ヘッド 2 インクジェット記録機構 3 印刷面 4 洗浄機構 5 乾燥機構 6 製品格納受け 11 PETフィルムロール 12 支持台 13 製品ロール
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 3/04 101Z

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体に、着色剤と、無機酸化物コロイ
    ドと、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる
    インク組成物と、前記インク組成物と接触したとき凝集
    物を生じさせる反応剤を含んでなる反応液とを付着させ
    て印刷を行う記録方法であって、前記反応液を記録媒体
    上に付着させる工程と、前記インク組成物を記録媒体上
    に付着させて画像を記録する工程と、そして前記反応液
    と前記インク組成物とを付着させて印刷した記録媒体を
    極性溶媒で洗浄する工程とを含んでなる、記録方法。
  2. 【請求項2】前記記録媒体が前記インク組成物に対して
    実質的に非吸収性のものである請求項1に記載の記録方
    法。
  3. 【請求項3】前記記録媒体の表面がプラスチック、ゴ
    ム、金属、またはセラミックである、請求項1に記載の
    記録方法。
  4. 【請求項4】前記着色剤が顔料である、請求項1〜3の
    いずれか一項記載の記録方法。
  5. 【請求項5】前記無機酸化物コロイドがコロイダルシリ
    カである請求項1〜4のいずれか一項記載の記録方法。
  6. 【請求項6】前記インクがさらに樹脂エマルジョンを含
    んでなる請求項1〜5いずれか一項記載の記録方法。
  7. 【請求項7】前記樹脂エマルジョンの最低造膜温度が2
    5℃以下のものである、請求項6記載の記録方法。
  8. 【請求項8】前記樹脂エマルジョンの添加量が、インク
    組成物に対して5重量%以上であり、かつ着色剤に対し
    て樹脂エマルジョンのポリマー微粒子をその重量比で1
    〜20の範囲で含んでなるものである、請求項6〜7の
    いずれか一項記載の記録方法。
  9. 【請求項9】前記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の
    粒径が100nm以下である、請求項6〜8のいずれか
    一項記載の記録方法。
  10. 【請求項10】前記樹脂エマルジョンが造膜性を有し、
    樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の表面にカルボキシ
    ル基を有し、かつその0.1重量%の水性エマルジョン
    3容量と、1mol/lの濃度の二価金属塩水溶液1容
    量とを接触させたとき、波長700nmの光透過率が初
    期値の50%となる時間が1×104秒以下となるよう
    な二価金属塩との反応性を有するものである、請求項6
    〜9のいずれか一項記載の記録方法。
  11. 【請求項11】前記ポリマー微粒子を水に分散させ、濃
    度10重量%に調製した水性エマルジョンのテフロン
    (登録商標)板上での接触角が70°以上である、請求
    項6〜10のいずれか一項記載の記録方法。
  12. 【請求項12】前記ポリマー微粒子を水に分散させ、濃
    度35重量%に調製した水性エマルジョンの表面張力
    が、40×10-3N/m(20℃)以上である、請求項
    6〜11のいずれか一項記載の記録方法。
  13. 【請求項13】前記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子
    が、カルボキシル基を有する不飽和ビニル単量体に由来
    する構造を1〜10重量%含んでなり、かつ重合可能な
    二重結合を二つ以上有する架橋性単量体によって架橋さ
    れた構造を有し、該架橋性単量体に由来する構造を0.
    2〜4重量%含有してなる、請求項6〜12のいずれか
    一項に記載の記録方法。
  14. 【請求項14】前記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子
    がコアシェル構造を有するものである、請求項6〜13
    のいずれか一項に記載の記録方法。
  15. 【請求項15】前記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子
    が自己架橋性を有するものである、請求項6〜14のい
    ずれか一項に記載の記録方法。
  16. 【請求項16】コア部がエポキシ基を有する樹脂からな
    り、シェル部がカルボキシル基を有する樹脂からなる、
    請求項6〜15のいずれか一項に記載の記録方法。
  17. 【請求項17】前記水溶性有機溶媒が180℃以上の沸
    点を有するものである、請求項1〜16のいずれか一項
    に記載の記録方法。
  18. 【請求項18】前記反応剤が多価金属塩または、ポリア
    リルアミン、もしくはポリアリルアミンの誘導体であ
    る、請求項1〜17のいずれか一項に記載の記録方法。
  19. 【請求項19】前記多価金属塩が硝酸塩またはカルボン
    酸塩である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の記
    録方法。
  20. 【請求項20】前記カルボン酸塩を構成するカルボン酸
    イオンが、炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸
    (このカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素原子
    は水酸基で置換されていてもよい)または炭素数6〜1
    0の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるものであ
    る、請求項19に記載の記録方法。
  21. 【請求項21】前記反応液がトリエチレングリコールモ
    ノブチルエーテルおよびグリセリンを更に含んでなるも
    のである、請求項1〜20のいずれか一項に記載の記録
    方法。
  22. 【請求項22】記録媒体上にインク組成物の液滴を付着
    させる工程が、反応液を記録媒体に付着させる工程の後
    に行われる、請求項1〜21のいずれか一項に記載の記
    録方法。
  23. 【請求項23】記録媒体上にインク組成物の液滴を付着
    させる工程が、反応液を記録媒体に付着させる工程の前
    に行われる、請求項1〜22のいずれか一項に記載の記
    録方法。
  24. 【請求項24】記録媒体上にインク組成物の液滴を付着
    させる工程または反応液を記録媒体に付着させる工程
    が、液滴を吐出させ記録媒体に付着させて印刷を行うイ
    ンクジェット記録方法である、請求項1〜23のいずれ
    か一項に記載の記録方法。
  25. 【請求項25】請求項1〜24のいずれか一項に記載の
    記録方法によって印刷された、記録物。
  26. 【請求項26】記録媒体に、着色剤と、樹脂エマルジョ
    ンと、水溶性有機溶媒、水とを少なくとも含んでなるイ
    ンク組成物と、前記インク組成物と接触したときに凝集
    物を生じさせる反応剤を含んでなる反応液とを付着させ
    て印刷を行う記録装置であって、記録媒体上に前記反応
    液を付着させる手段と、記録媒体上に前記インク組成物
    を付着させて画像を記録する手段と、そして記録媒体上
    に前記反応液を付着させる手段と、記録媒体上に前記イ
    ンク組成物を付着させて画像を記録する手段を制御する
    手段と、そして前記反応液と前記インク組成物とを付着
    させて印刷した記録媒体を極性溶媒で洗浄する手段とを
    具備してなる装置。
  27. 【請求項27】記録媒体上に前記反応液を付着させる手
    段と、記録媒体上に前記インク組成物を付着させて画像
    を記録する手段とを制御する手段がインクジェット記録
    手段である請求項26に記載の装置。
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