JP3963779B2 - 手術用顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、手術中に、術部を拡大観察するために脳神経外科等で使用される手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から手術中に、手術用顕微鏡を用いて術部を拡大観察しながら手術を進めることが行われている。ここで使用される手術用顕微鏡には、図17に示すように床上に設置される支持スタンドaと、この支持スタンドa上に基端部が取付けられた多関節アームbと、この多関節アームbの先端部に取付けられた顕微鏡鏡体cとが設けられている。
【0003】
そして、術者は顕微鏡鏡体cを覗きながら、顕微鏡鏡体cと術部dとの間に、術部dの処置を行う、例えば電気メスなどの術具eを挿入し、術部dの処置を行なっている。
【0004】
また、特許第3032214号公報には術部dを撮像する撮像手段と、この撮像手段で撮像された画像を表示する表示手段(観察手段)とを分離した構成の手術用顕微鏡が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図17に示す手術用顕微鏡では、術部dと顕微鏡鏡体cとの間に術具eの作業空間が形成される。ここで、術部dと顕微鏡鏡体cとの間の作業空間の距離には制限があるため、使用できる術具eの長さに制限がある。例えば、術具eの長さが長い場合には顕微鏡鏡体cと術部dとの間の作業空間に入らない問題がある。逆に、術具eの長さが短い場合には術具eの先端部が術部dに届かない問題がある。
【0006】
また、顕微鏡鏡体cが術部dの上方に配置されているため、術者が術部dを肉眼で直視できない。そのため、術部dの周辺は顕微鏡鏡体cの陰に隠れて見えない問題がある。さらに、術具eを操作する際に、術具eが顕微鏡鏡体cと干渉するおそれがあるので、顕微鏡鏡体cが邪魔になり、術具eを操作しにくい。
【0007】
また、顕微鏡鏡体cの位置・形状により、術者の手や、目の位置が規制されるので、手術中の姿勢が窮屈なものとなり、術者の疲労を招くおそれがある。さらに、術具eや、術者の手は、顕微鏡鏡体cと術部dの間に配置されるため、これらが顕微鏡鏡体cの視野を遮ってしまい術部dが観察しにくくなる問題もある。
【0008】
また、特許第3032214号公報の手術用顕微鏡では、術部dを撮像する撮像手段と、この撮像手段で撮像された画像を表示する表示手段とを分離しているので、術者が楽な姿勢で手術が行える。
【0009】
しかしながら、この場合でも撮像手段が術部の上方に配置されるため、使用できる術具dの長さに制限がある。さらに、撮像手段が邪魔をして術部dを直視できない問題がある。また、術具eや、術者の手が撮像手段の撮影光路(術部dの撮像範囲)を遮ってしまう問題もある。
【0010】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、手術中に、術具、術者の手が術野を遮らず、術具の操作性が高く、かつ術部を直視可能な手術用顕微鏡を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、術部を立体的に撮影するための2つの撮影光学系を備えた撮影手段と、前記2つの撮影光学系の対物レンズが取り付けられる支持枠を備え、この支持枠は、対物レンズの後方側から対物レンズの前方側へ連通する開口部を有し、前記2つの撮影光学系の対物レンズは、この開口部を間に挟んで開口部の両側に配置され、この開口部を通って対物レンズの後方側から術部に術具を近付けることが可能なように構成されていることを特徴とする手術用顕微鏡である。
【0012】
そして、本請求項1の発明によれば、前記開口部を通って2つの撮影光学系の間から術部を直接目視して観察しながら術部に術具を近付けることが可能である。
なお、前記支持枠は、好ましくは、2本の腕部を有する略U字型の形状を備え、前記2つの撮影光学系の対物レンズは、各腕部の先端近傍にそれぞれ取り付けられる。
【0013】
請求項2の発明は、前記撮影手段は、手術器具を支持する術具支持手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡である。
【0014】
そして、本請求項2の発明では、術具支持手段によって手術器具を支持することにより、手術器具は術具支持手段を支点として操作できるため、手術器具の先端がブレることなく安定して微妙な操作が可能になる。そのため、手術器具の操作性を向上させるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図8(A),(B)を参照して説明する。図1は本実施の形態の手術用顕微鏡1の使用状態を示すものである。図1中で、参照符号2は手術室内に配置されたベッドである。このベッド2の側部に配設されたステー3には手術用顕微鏡1の固定台4が取付けられている。この固定台4は例えばベッド2の上に寝かされた患者Hの頭部などの術部H1の近傍位置に配置されている。
【0016】
また、手術用顕微鏡1には略U字状の鏡体部(撮影手段)5が設けられている。この鏡体部5のU字状の湾曲部分の略中央部位には複数段式の支持アーム6の先端部が連結されている。この支持アーム6には複数のアーム要素6aがそれぞれ関節部6bを介して自由に屈曲可能に連結されている。そして、この支持アーム6の基端部は固定台4に固定されている。なお、支持アーム6の各関節部6bには図示しない固定/解除機構を備え、鏡体部5を任意に移動、固定可能になっている。
【0017】
また、手術用顕微鏡1の鏡体部5にはU字状フレーム(空間形成手段)7と、このU字状フレーム7の両端部に連結された略直線状の2つの光学枠8a,8bとが設けられている。これらの光学枠8a,8bは略平行に配置されている。そして、2つの光学枠8a,8b間に術部観察用の空間Sが形成されている。
【0018】
さらに、各光学枠8a,8bの先端部には図2に示すように各光学枠8a,8bの中心線O1a,O1bの方向と略直交する方向に屈曲された円筒状の屈曲枠体9がそれぞれ設けられている。
【0019】
図3は2つの光学枠8a,8bのうちの一方の光学枠8aの内部構造を示すものである。ここで、U字状フレーム7の両端開口部には内向きに屈曲されたリング状の屈曲端部10が設けられている。さらに、各光学枠8a,8bの基端部にはこの屈曲端部10と対応するリング状の連結溝部11が形成されている。そして、各光学枠8a,8bの連結溝部11にU字状フレーム7の屈曲端部10が挿入される状態で、各光学枠8a,8bの基端部がU字状フレーム7の両端開口部に各光学枠8a,8bの中心線O1a,O1bの軸回り方向にそれぞれ回動自在に連結されている。
【0020】
さらに、U字状フレーム7の両端部には各光学枠8a,8bの駆動モーターMa,Mbが配設されている。そして、各駆動モーターMa,Mbによって光学枠8a,8bをそれぞれU字状フレーム7に対し中心線O1a,O1bの軸回り方向に回転させるようになっている。
【0021】
また、各光学枠8a,8bの内部には術部H1を撮像する撮像光学系(撮影光学系)12と、術部H1を照明する照明光学系13とが内蔵されている。なお、2つの光学枠8a,8bの内部構造は略同一構成になっているので、ここでは一方の光学枠8aの内部構造について説明する。
【0022】
この光学枠8aの撮像光学系12には焦点距離可変型の対物レンズ14aと、ミラー15aと、ズームレンズ16aと、結像レンズ17aと、CCD18aとが設けられている。対物レンズ14aはこの光学枠8aの屈曲枠体9の先端部に配設されている。さらに、CCD18aは光学枠8aの基端部に配設されている。また、光学枠8aの先端部にはミラー15aが配設されている。そして、焦点距離可変対物レンズ14aの撮影光軸Opaは光学枠8a内のミラー15aでCCD18に向けて反射されるようになっている。
【0023】
また、ミラー15aとCCD18aとの間にはズームレンズ16aと、結像レンズ17aとが順次配設されている。そして、焦点距離可変対物レンズ14aによって撮像される術部H1の像はミラー15a、ズームレンズ16a、結像レンズ17aを順に介して伝送され、CCD18aの結像面上に結像されるようになっている。
【0024】
なお、他方の光学枠8bの撮像光学系12も同様に構成されている。すなわち、光学枠8bの撮像光学系12にも焦点距離可変型の対物レンズ14bと、ミラー15bと、ズームレンズ16bと、結像レンズ17bと、CCD18bとを備え、焦点距離可変対物レンズ14bによって撮像される術部H1の像は撮影光軸Opbに沿ってミラー15b、ズームレンズ16b、結像レンズ17bを順に介して伝送され、CCD18bの結像面上に結像されるようになっている。
【0025】
さらに、鏡体部5の2つの光学枠8a,8bの各対物レンズ14a,14bの撮影光軸Opa,Opbは、術部H1などの観察部位で交差するように構成されている。そして、手術用顕微鏡1の鏡体部5の2つの撮像光学系12により、術部H1を立体的に撮影するようになっている。
【0026】
また、2つの撮像光学系12の各焦点距離可変の対物レンズ14a,14bはフォーカス用モーター19a,19bにより撮影光軸Opa,Opb上に沿って進退可能に支持されている。これにより、2つの対物レンズ14a,14bはそれぞれ焦準可能となっている。
【0027】
さらに、2つの撮像光学系12の各ズームレンズ16a,16bは図示しないモーターにより撮影光軸Opa,Opb上に沿って進退可能に支持されている。そして、各ズームレンズ16a,16bの進退動作により、変倍が可能となる。
【0028】
また、一方の光学枠8aの照明光学系13にはライトガイド20aと、照明レンズ21aとが設けられている。照明レンズ21aは光学枠8aの屈曲枠体9の先端部に撮像光学系12の焦点距離可変型の対物レンズ14aと並べて配設されている。さらに、ライトガイド20aの先端部は照明レンズ21aの内面に対向配置されている。このライトガイド20aの基端部は図示しない光源装置側に延出されている。そして、図示しない光源装置からの照明光がライトガイド20a内を通して導かれ、照明レンズ21aから術部H1に照明光を照射するようになっている。この照明レンズ21aから術部H1に照射する照明光の照明光軸OLaは術部H1の位置で対物レンズ14aの撮影光軸Opaと交差するように設定されている。
【0029】
なお、他方の光学枠8bの照明光学系13も同様にライトガイド20bと、照明レンズ21bとを備えている。そして、図示しない光源装置からの照明光がライトガイド20b内を通して導かれ、照明レンズ21bから術部H1に照明光を照射するようになっている。この照明レンズ21bから術部H1に照射する照明光の照明光軸OLbは術部H1の位置で対物レンズ14bの撮影光軸Opbと交差するように設定されている。
【0030】
また、図4に示すように2つの撮像光学系12のフォーカス用モーター19a,19bはフォーカス駆動回路22を介して制御部23に接続されている。さらに、鏡体部5の各光学枠8a,8bの駆動モーターMa,Mbはモータ駆動回路24を介して制御部23に接続されている。この制御部23にはフォーカス調整用のスイッチ25が接続されている。
【0031】
また、制御部23は、図5に示すように常に各撮影光軸Opa,Opbの交点pが常にピント位置になるように各光軸Opa,Opb上の焦点距離可変対物レンズ14a,14bの焦点距離fa,fbと、各光学枠8a,8bの中心線O1a,O1bを中心とした各光学枠8a,8bの回転角度θa,θbとを制御する。すなわち、各焦点距離可変対物レンズ14a,14bの焦点距離がfa=fb、また、光学枠8a,8bの回転角度がθa=θbとなるようにフォーカス用モーター19a,19b、及びモーターMa,Mbが制御されている。
【0032】
さらに、本実施形態の鏡体部5は図1に示すように画像処理部26を介して表示部27に接続されている。図6に示すように画像処理部26には、2つの映像信号処理部28a,28bが設けられている。これらの映像信号処理部28a,28bの入力端側はそれぞれCCD18a,18bに接続されている。
【0033】
また、本実施形態の表示部27は、頭部装着型のヘッドマウントディスプレイ29によって形成されている。このヘッドマウントディスプレイ29には左右一対の表示素子30a,30bが設けられている。各表示素子30a,30bはそれぞれ映像信号処理部28a,28bの出力端側に接続されている。
【0034】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の手術用顕微鏡1の使用時には図示しない光源装置から出射される照明光はライトガイド20a,20bを通して導光され、更に照明レンズ21a,21bから照明光軸OLa,OLbに沿って術部H1に照射される。
【0035】
さらに、術部H1の像は2つの光学枠8a,8bの各撮像光学系12によって撮像される。このとき、術部H1の像は各撮像光学系12の撮影光軸Opa,Opb上の対物レンズ14a,14bに入射される。そして、各撮像光学系12の対物レンズ14a,14bからの入射光はミラー15a,15bによって略直交する方向に屈曲された後、ズームレンズ16a,16bを通し、結像レンズ17a,17bによりCCD18a,18b上に結像される。
【0036】
CCD18a,18bに結像された像は電気信号に変換された後、各CCD18a,18bからの出力信号は画像処理部26の2つの映像信号処理部28a,28bにそれぞれ入力される。さらに、各映像信号処理部28a,28bで処理された映像信号はヘッドマウントディスプレイ29の表示素子30a,30bに入力され、各表示素子30a,30bにそれぞれ表示される。これにより、術者は術部H1の画像を観察できる。
【0037】
また、術部H1の像のピント合わせは次の通り行なわれる。まず、術者はフォーカス調整用のスイッチ25をオン操作する。このスイッチ25のオン操作時にスイッチ25から出力される信号は制御部23に入力される。このとき、制御部23はあらかじめ記憶された条件に従い、フォーカス駆動回路22、モータ駆動回路24に所定の制御信号を出力する。ここで、制御部23にあらかじめ記憶されている条件は図5に示すように左右の光学枠8a,8b内の撮像光学系12の各撮影光軸Opa,Opbの交点pが常に各撮像光学系12の対物レンズ14a,14bの焦点位置fa,fbになることを満たすものである。
【0038】
そして、制御部23から出力される制御信号によりフォーカス駆動回路22はフォーカス用モーター19a,19bをそれぞれ同一量回転させる。このとき、同時にモータ駆動回路24はモーターMa,Mbを同一角度回転させる。これにより、各撮像光学系12の対物レンズ14a,14bの焦点位置fa,fbが移動される。
【0039】
また、鏡体部5の左右の撮像光学系12の倍率の変更は次の通り行なわれる。まず、術者は、図示しないズーム操作用のスイッチを操作する。このスイッチ操作により、ズームレンズ16a,16bを駆動する図示しないモーターがスイッチ操作の操作量に応じて駆動され、変倍が行なわれる。
【0040】
また、手術中の術具の操作は次の通り行なわれる。まず、術者は、図7に示すように鏡体部5の上から2つの光学枠8a,8b間の術部観察用の空間Sを通して鉗子などの処置具(術具)31を術部H1に挿入する。この際、鏡体部5はU字型をしているため、術者は術部H1を目視によって直視して観察できる。
【0041】
術部H1に向けて処置具31を挿入する具体的な挿入作業時には、まず、術者が術部H1の上方から直接、術部H1と鏡体部5を同時に確認しながら処置具31を術部H1の入り口に誘導する。このとき、ヘッドマウントディスプレイ29の表示素子30a,30bには鏡体部5の左右の撮像光学系12により撮像される術部H1の画像が表示されている。そして、術者はヘッドマウントディスプレイ29の表示素子30a,30bにそれぞれ表示される術部H1の画像を目視して確認しながら術部H1に向けて処置具31を挿入する作業を行なう。このとき、U字状フレーム7の上部は開放されているため、処置具31が鏡体部5と干渉するおそれがない。そのため、処置具31の長さに制限がない。
【0042】
さらに、処置具31の挿入作業時には、処置具31は鏡体部5の2つの光学枠8a,8b間の術部観察用の空間S内に挿入された状態で配置されている。そのため、ヘッドマウントディスプレイ29の表示素子30a,30bには図8(A),(B)に示すように術部H1の画像に処置具31の先端部が接近する状態の画像が表示される。このとき、処置具31が鏡体部5の左右の撮像光学系12の撮影光軸Opa,Opbを遮る事がないため、術者は鏡体部5の左右の撮像光学系12の間から常に術部H1を目視によって直視して観察できる。そして、術者は左右の撮像光学系12により撮像される術部H1の画像を見ながら処置具31を操作し、手術を行う。
【0043】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の手術用顕微鏡1では、手術用顕微鏡1の鏡体部5がU字型のU字状フレーム7と、このU字状フレーム7の両端部に連結された略直線状の2つの光学枠8a,8bとによって形成されている。そのため、鏡体部5が外部に対して開口されているため、手術中に、処置具31などの術具や、術者の手が術野を遮らず、術具の挿入が容易である。
【0044】
さらに、手術用顕微鏡1による術部H1の像のピント合わせは左右の光学枠8a,8bの屈曲枠体9の中でフォーカス用モーター19a,19bにより2つの撮像光学系12の各焦点距離可変の対物レンズ14a,14bを撮影光軸Opa,Opb上に沿って進退させることにより行なっている。そのため、従来のように撮像部を進退させることなく行なえるため、撮像部が動いて手術作業の邪魔になる事がない。
【0045】
また、左右の光学枠8a,8bには照明光学系13がそれぞれ配設されているため、術具等により照明が遮られるおそれがない。そのため、術部H1が術具等の影にならない。
【0046】
さらに、ベッド2の側部のステー3に手術用顕微鏡1の固定台4が取付けられているため、従来の手術用顕微鏡のように、大型の支持装置が必要なく、手術室の省スペース化が図れる。
【0047】
さらに、表示部27にヘッドマウントディスプレイ29を使用しているため、術部H1を撮像する鏡体部5と、この鏡体部5で撮像された画像を表示する表示部27とを分離することができる。そのため、術者が楽な姿勢で手術が行われる効果がある。
【0048】
また、図9および図10は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図8(A),(B)参照)の手術用顕微鏡1における鏡体部5の構成を次の通り変更したものである。なお、その他の部分は第1の実施形態の手術用顕微鏡1とほぼ同様なので、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
すなわち、本実施の形態の手術用顕微鏡1の鏡体部5では図9に示すようにU字状のU字状フレーム7の略中央部分に照明光出射部41が配設されている。この照明光出射部41は左右の各光学枠36a,36bの中間位置に配置されている。
【0050】
また、照明光出射部41には図10に示すように本実施の形態の照明光学系42が配設されている。この照明光学系42はライトガイド43と、照明レンズ44とにより構成されている。そして、照明光出射部41には照明レンズ44が固定されている。さらに、第1の実施の形態と同様にライトガイド43の先端部は照明レンズ44の内面に対向配置されている。このライトガイド43の基端部は図示しない光源装置側に延出されている。そして、図示しない光源装置からの照明光がライトガイド43内を通して導かれ、照明レンズ44から術部H1に照明光を照射するようになっている。
【0051】
また、本実施の形態の光学枠8a,8b内からは第1の実施の形態の照明光学系13であるライトガイド20a,20bと、照明レンズ21a,21bとが除かれている。すなわち、本実施の形態の光学枠8a,8b内には第1の実施の形態の撮像光学系12のみが配設されている。そして、図9に示すように照明レンズ44から術部H1に照射する照明光の照明光軸OLは術部H1の位置で左右の光学枠8a,8bの各撮像光学系12の対物レンズ14a,14bの撮影光軸Opa,Opbとの交差部と交差するように設定されている。
【0052】
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態の手術用顕微鏡1の使用時には図示しない光源装置から出射される照明光はライトガイド43を通して導光され、更にU字状フレーム7の照明光出射部41の照明レンズ44から照明光軸OLに沿って術部H1に照射される。他の作用は第1の実施の形態と同様である。
【0053】
そこで、本実施の形態では手術用顕微鏡1の鏡体部5のU字状フレーム7に照明光出射部41を配設し、この照明光出射部41に照明光学系42を配設している。そして、照明光はU字状フレーム7の照明光出射部41の1箇所から術部H1に照射される構成であるため、第1の実施の形態のように2つの光学枠8a,8bの各照明レンズ21a,21bの2箇所から照明光を照射する場合に比べて安価になるだけでなく、鏡体部5の、特に光学枠8a,8bが小型化できるため、より術者は術部を観察し易い。
【0054】
また、図11および図12は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、脳神経外科の手術用の手術用顕微鏡51を設けたものである。この手術用顕微鏡51には患者Hの頭部H0をベッド2に対して固定するための頭部固定装置52が設けられている。この頭部固定装置52には略C字状のC字状フレーム53が設けられている。このC字状フレーム53には周方向に沿って複数、本実施の形態では4つの押えロッド54が適宜の間隔を存して配置されている。各押えロッド54はC字状フレーム53の内方向に向けて突設されている。
【0055】
さらに、本実施の形態の手術用顕微鏡51には、鏡体部55と、この鏡体部55を支持する複数段式の支持アーム56とが設けられている。ここで、支持アーム56は、複数のアーム要素56aがそれぞれ関節部56bを介して揺動可能に連結されて構成されている。
【0056】
また、支持アーム56の基端部には頭部固定装置52に固定される固定部57が設けられている。さらに、支持アーム56の先端部には鏡体部55に連結される鏡体連結部58が設けられている。
【0057】
また、鏡体部55には円形フレーム59が設けられている。ここで、支持アーム56の鏡体連結部58には円形フレーム59をその中心軸O1を中心に回動可能に支持するガイド部材60が設けられている。そして、円形フレーム59は、ガイド部材60により中心軸O1を中心に回動可能に支持されている。さらに、このガイド部材60には、図示しないモーターを備え、ガイド部材60を中心軸O1と平行に移動可能に保持する焦準装置61が配設されている。
【0058】
また、円形フレーム59には光学系を備えた2つの光学枠62a,62bが装着されている。これらの光学枠62a,62bは円形フレーム59の中心軸O1に対して対称の位置になるように一体的に配設されている。
【0059】
図12は2つの光学枠62a,62bのうちの一方の光学枠62aの内部構造を示すものである。ここで、各光学枠62a,62bの内部には術部H1を撮像する撮像光学系63と、術部H1を照明する照明光学系64とが内蔵されている。なお、2つの光学枠62a,62bの内部構造は略同一構成になっているので、ここでは一方の光学枠62aの内部構造について説明する。
【0060】
この光学枠62aの撮像光学系63には対物レンズ65aと、ズームレンズ66aと、結像レンズ67aと、CCD68aとが設けられている。対物レンズ65aは図12中でこの光学枠62aの下端部に配設されている。さらに、CCD68aは図12中で光学枠62aの上端部に配設されている。
【0061】
また、対物レンズ65aとCCD68aとの間の撮影光軸Opa上にはズームレンズ66aと、結像レンズ67aとが順次配設されている。そして、対物レンズ65aによって撮像される術部H1の像は撮影光軸Opaに沿ってズームレンズ66a、結像レンズ67aを順に介して伝送され、CCD68aの結像面上に結像されるようになっている。
【0062】
なお、他方の光学枠62bの撮像光学系63も同様に構成されている。すなわち、光学枠62bの撮像光学系63にも対物レンズ65bと、ズームレンズ66bと、結像レンズ67bと、CCD68bとを備え、対物レンズ65bによって撮像される術部H1の像は撮影光軸Opbに沿ってズームレンズ66b、結像レンズ67bを順に介して伝送され、CCD68bの結像面上に結像されるようになっている。
【0063】
さらに、鏡体部55の2つの光学枠62a,62bの撮影光軸Opa,Opbは、常に中心軸O1上で交差するように設定されている。そして、手術用顕微鏡1の鏡体部55の2つの撮像光学系63により、術部H1を立体的に撮影するようになっている。
【0064】
また、鏡体部55の一方の光学枠62aの照明光学系64にはライトガイド69aと、照明レンズ70aとが設けられている。そして、図示しない光源装置からの照明光がライトガイド69a内を通して導かれ、照明レンズ70aから術部H1に照明光を照射するようになっている。この照明レンズ70aから術部H1に照射する照明光の照明光軸OLaは術部H1の位置で対物レンズ65aの撮影光軸Opaと交差するように設定されている。
【0065】
さらに、鏡体部55の他方の光学枠62bの照明光学系64にも同様にライトガイド69bと、照明レンズ70bとが設けられている。そして、この照明レンズ70bから術部H1に照射する照明光の照明光軸OLbは術部H1の位置で対物レンズ65bの撮影光軸Opbと交差するように設定されている。
【0066】
さらに、本実施形態の鏡体部55の2つの撮像光学系63の各CCD68a,68bは第1の実施の形態と同様の構成の画像処理部26を介して表示部27に接続されている。なお、画像処理部26および表示部27は第1の実施の形態と同一の構成であるため、ここではその説明は省略する。
【0067】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の手術用顕微鏡51の使用時には図示しない光源装置から出射される照明光はライトガイド69a,69bを通して2つの光学枠62a,62b内に導光され、更に照明レンズ70a,70bから照明光軸OLa,OLbに沿って術部H1に照射される。
【0068】
また、術部H1の観察像は2つの光学枠62a,62bの各撮像光学系63によって撮像される。このとき、術部H1の像は各撮像光学系63の撮影光軸Opa,Opb上の対物レンズ65a,65bに入射される。そして、各撮像光学系63の対物レンズ65a,65bからの入射光は、ズームレンズ66a,66bを通し、結像レンズ67a,67bによりCCD68a,68b上に結像される。
【0069】
また、CCD68a,68bに結像された像は第1の実施の形態と同様の作用により表示部27のヘッドマウントディスプレイ29(図6参照)に表示される。
【0070】
また、術部H1の像のピント合わせは次の通り行なわれる。まず、術者は図示しない焦準用スイッチを操作する。このスイッチの操作時には図示しないモーターが駆動され、ガイド部材60が円形フレーム59の中心軸O1と平行に移動する。これにより光学枠62a,62bが中心軸O1と平行に進退する。これにより、術部H1へのピント合わせが行なわれる。
【0071】
また、手術中の術具の操作は、円形フレーム59の内部の空間Sを通して行なわれる。このとき、円形フレーム59は円形のリング状に形成されているため、術者は手をフレーム59に載せて術具を操作可能である。そのため、術具を安定して操作することができる。
【0072】
さらに、術中に術者が術部H1に対して立つ位置を変更した場合、ガイド部材60に対して円形フレーム59を中心軸O1周りに回転させることにより光学枠62a,62bの位置を変更することができ、観察方向の変更ができる。
【0073】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の手術用顕微鏡51では、円形フレーム59が円形のリング形状のため、ガイド部材60に対して円形フレーム59を回転させるだけで容易に観察方向を変更できる。
【0074】
さらに、術者は円形フレーム59上に手を置くことが可能であり、術具を安定して操作できる効果がある。
【0075】
また、支持アーム56を頭部固定装置52に装着しているため、術中にベッド2に対する患者Hの頭部H0の位置を変更しても、常に患者Hの頭部H0に対する鏡体部55の2つの光学枠62a,62bの位置が一定に保たれる。このため、患者Hの頭部H0の位置を変更する際に、いちいち支持アーム56を手動で操作して2つの光学枠62a,62bを移動させる必要がなく、手術時間の短縮が図れる。
【0076】
また、術部H1へのピントあわせは焦準装置61によりガイド部材60、円形フレーム59を介して鏡体部55の光学枠62a,62bを移動させる方式であるため、光学枠62a,62bが簡単な構成である。
【0077】
なお、第1〜3の各実施形態において、術部H1の画像はヘッドマウントディスプレイに表示したが、公知の立体モニターに表示する構成にしてもよい。さらに、第1、2の各実施の形態では手術用顕微鏡1の鏡体部5にU字状フレーム7、第3の実施の形態では手術用顕微鏡51の鏡体部55に円形フレーム59をそれぞれ設ける構成を示したが、鏡体部のフレーム形状は第1、2の実施の形態に関してはV字型、Y字型、凹型でもよく、第3実施形態に関しては、四角型、三角型等の多角形あるいは楕円形状でも実施可能であり、それぞれ同様の効果が得られる。
【0078】
また、図13は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図8(A),(B)参照)の手術用顕微鏡1の鏡体部5の構成を次の通り変更したものである。
【0079】
すなわち、本実施の形態では、手術用顕微鏡1の鏡体部5におけるU字状フレーム7の中央部位に略Y字型の術具ガイド部材71が突設されている。この術具ガイド部材71にはY字型の溝部72が形成されている。そして、この溝部72に術具73を当接させることにより術具73を保持可能になっている。
【0080】
そこで、本実施の形態では術具73は術具ガイド部材71の溝部71を支点として操作できるため、術具73の先端がブレることなく安定して微妙な操作が可能になる。そのため、術具73の操作性を向上させることができる。
【0081】
また、図14は第4の実施の形態(図13参照)の変形例を示すものである。第4の実施の形態の手術用顕微鏡1では鏡体部5におけるU字状フレーム7に略Y字型の術具ガイド部材71を突設させた構成を示したが、本変形例では鏡体部5におけるU字状フレーム7の中央部位に凹部75を設け、この凹部75によって術具73をガイドする構成にしたものである。本変形例でも第4の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0082】
また、図15および図16は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第4の実施の形態(図13参照)の手術用顕微鏡1の鏡体部5におけるU字状フレーム7の術具ガイド部材71の構成を次の通り変更したものである。
【0083】
すなわち、本実施の形態では第4実施形態の術具ガイド部材71に代えて術具73を係脱可能に係止する係止機構81を備えた術具ガイド部82を手術用顕微鏡1の鏡体部5におけるU字状フレーム7の中央部位に設けたものである。
【0084】
この術具ガイド部82には図14に示すようにU字状フレーム7の中央部位に保持枠83がU字状フレーム7と一体的に突設されている。この保持枠83の先端部には弾性材料で形成された球状のボール体84が転動可能に支持されている。このボール体84の軸心部には術具73が嵌挿される穴84aが径方向に貫通されている。
【0085】
また、係止機構81には保持枠83の内部にボール体84の中心方向に進退可能に支持されたシャフト85が配設されている。このシャフト85の基端部側には保持枠83に一体的に固定されたソレノイド86が対向配置されている。このソレノイド86は図示しない駆動回路を介して術具73の係止解除用の入力手段である図示しないスイッチに接続されている。
【0086】
さらに、シャフト85の先端部にはボール体84に当接される大径な当接部87が設けられている。また、シャフト85の外周面にはボール体84を押圧する方向に当接部87を付勢するばね部材88が設けられている。
【0087】
次に、上記構成の作用について説明する。ここでは、本実施の形態の手術用顕微鏡51の使用時における係止機構81の動作について説明する。術具73を固定する場合(非操作状態)にはソレノイド86が非動作状態で保持される。この状態では、図16に示すようにばね部材88の付勢力によりシャフト85がボール体84を押圧している。そのため、ボール体84と保持枠83の摩擦によりボール体84が保持枠83に対して転動不能な状態で係止される。このとき、シャフト85からの押圧力によってボール体84が圧縮される状態に変形する。これに伴い、穴84aが変形し、この穴84aに挿入されている術具73を押圧することにより、術具73の進退および挿入方向を軸とする回転が固定される。
【0088】
また、術具73を操作する場合には術者は術具73の係止解除用の図示しないスイッチをオン操作する。このスイッチのオン操作時には、図示しない駆動回路からの信号によりソレノイド86が動作し、シャフト85をばね部材88の押圧力に抗してボール体84と反対方向に移動させる。
【0089】
これによりシャフト85によるボール体84の押圧が解除され、ボール体84が保持枠83に対して転動可能になる。このとき、同時にボール体84の穴84aの変形も解除される。そのため、この穴84aに挿入されている術具73の進退及び挿入方向を軸とする回転が可能となる。
【0090】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では手術用顕微鏡1の鏡体部5におけるU字状フレーム7の中央部位に術具73を係脱可能に係止する係止機構81を備えた術具ガイド部82を設けている。そのため、この係止機構81によって術具73を係脱可能に係止することができるため、術中に術者が術具73から手を離さなければならない場合も術具73を術部H1から抜去する必要がない。このため、術者の作業が減り、手術時間の短縮につながる効果がある。
【0091】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 術部を立体的に撮影するための2つの撮影光学系を備えた撮影手段と、前記2つの撮影光学系の間に空間を形成して前記撮影手段を支持する支持手段を備えた手術用顕微鏡。
【0092】
(付記項2) 前記撮影手段は、略U字型であることを特徴とする付記項1記載の手術用顕微鏡。
【0093】
(付記項3) 前記撮像手段は円形のリング形状であることを特徴とする付記項1記載の手術用顕微鏡。
【0094】
(付記項4) 前記リング形状の中心軸を中心に撮影光学系が回動可能であることを特徴とする付記項3記載の手術用顕微鏡。
【0095】
(付記項5) 前記2つの撮影光学系により形成される撮影光軸を互いに交差した状態で、それぞれ傾斜可能な光軸傾斜手段を備えたことを特徴とする付記項1記載の手術用顕微鏡。
【0096】
(付記項6) 前記撮影手段は、前記支持手段に対し撮影方向に略平行に移動可能な焦準手段を備えたことを特徴とする付記項1記載の手術用顕微鏡。
【0097】
(付記項7) 前記支持手段は、手術室の床に設置されるスタンドであることを特徴とする付記項1記載の手術用顕微鏡。
【0098】
(付記項8) 支持手段は手術台に固定されることを特徴とする付記項1記載の手術用顕微鏡。
【0099】
(付記項9) 支持手段は、患者頭部を固定する頭部固定装置に接続されることを特徴とする付記項1記載の手術用顕微鏡。
【0100】
(付記項10) 術部を立体的に撮影するための2つの撮影光学系を備えた撮影手段と、前記撮影手段を支持する支持手段を備えた手術用顕微鏡において、
前記撮影手段は、それぞれの撮影光学系の間に、外部に開放された空間を具備し、かつ手術器具を支持する術具支持手段を備えたことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0101】
(付記項11) 術具保持手段は、術具を移動/固定可能な制動手段を備えたことを特徴とする付記項10記載の手術用顕微鏡。
【0102】
(付記項1〜9の従来技術) 本発明は、手術で術部を拡大観察するために脳神経外科等で使用される手術用顕微鏡に関する。従来、手術用顕微鏡を用いた手術は、図16に示すように行われていた。
【0103】
即ち、術者は顕微鏡鏡体cを覗きながら、顕微鏡鏡体cと術部dの間に術具eを挿入し、処置をおこなっていた。
【0104】
このため、
▲1▼術部dと顕微鏡鏡体cの間の距離に制限があるため、使用できる術具eの長さに制限がある。術具eが長いと顕微鏡鏡体cと術部dの間に入らない。術具eが長いと術部dに届かない。
【0105】
▲2▼顕微鏡鏡体cが邪魔になり、術具eを操作しにくい。
【0106】
▲3▼顕微鏡鏡体cの位置・形状により、術者の手、目の位置が規制され、手術中の姿勢が窮屈で術者の疲労を招く。
【0107】
▲4▼顕微鏡鏡体cが術部上方に配置されているため、術部を直視できない。すなわち術部の周辺は見えない。
【0108】
▲5▼術具や術者の手は、顕微鏡鏡体cと術部dの間にあるため、これらが顕微鏡鏡体cの視野を遮ってしまい術部dが観察しにくくなる。
【0109】
という問題があった。
【0110】
これらを改善するために特許第3032214がある。
【0111】
これは、撮像手段と表示手段(観察手段)を分離し、術者が楽な姿勢で手術が行えるようにしたものである。しかしながら、以下の問題は解決できていない。
【0112】
(付記項1〜9が解決しようとする課題) 問題点
・撮像手段が術部の上方に配置されるため、使用できる術具に制限がある。
【0113】
・撮像手段が邪魔をして術部を直視できない。
【0114】
・術具や術者の手が撮像手段の撮影光路(術部の撮像範囲)を遮ってしまう。
【0115】
すなわち▲1▼▲2▼▲4▼▲5▼は解決されていない。
【0116】
(付記項1〜9の目的) 手術用顕微鏡下手術で、術具、術者の手が術野を遮らず、術具の操作性が高く、かつ術部を直視可能な手術用顕微鏡の提供。
【0117】
(付記項1〜9の効果) 撮像光学系の問に外部に開放された空間を備えたことで、術具及び術者の手が術野を遮らず、かつ広い術具の作業空間が確保できる。また、術部上部が開放されているため、術部を直視可能である。これにより、手術時間の短縮しいては術者の疲労の軽減が図れる。
【0118】
【発明の効果】
本発明によれば、術具及び術者の手が術野を遮らず、かつ広い術具の作業空間が確保できる。また、術部上部が開放されているため、術部を直視可能である。これにより、手術時間の短縮、術者の疲労の軽減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の手術用顕微鏡の使用状態を示す斜視図。
【図2】 第1の実施の形態の手術用顕微鏡における撮像部を示す斜視図。
【図3】 第1の実施の形態の手術用顕微鏡における撮像部の内部構成を示す要部の縦断面図。
【図4】 第1の実施の形態の手術用顕微鏡における電気回路を示す概略構成図。
【図5】 第1の実施の形態の手術用顕微鏡の焦点距離の調整動作を説明するための説明図。
【図6】 第1の実施の形態の手術用顕微鏡における画像処理部の概略構成図。
【図7】 第1の実施の形態の手術用顕微鏡における撮像部の上から撮像部の開口部を通して術具を術部に挿入している状態を示す平面図。
【図8】 第1の実施の形態の手術用顕微鏡における表示部の表示画像を示すもので、(A)は左眼の表示部の表示画像を示す平面図、(B)は右眼の表示部の表示画像を示す平面図。
【図9】 本発明の第2の実施の形態の手術用顕微鏡における撮像部を示す斜視図。
【図10】 第2の実施の形態の手術用顕微鏡の照明光学系を示す図9のX−X線断面図。
【図11】 本発明の第3の実施の形態の手術用顕微鏡における脳神経外科の手術の一例を示す斜視図。
【図12】 第3の実施の形態の手術用顕微鏡における撮像部の内部構成を示す要部の縦断面図。
【図13】 本発明の第4の実施の形態の手術用顕微鏡における撮像部の術具ガイド手段の使用状態を示す斜視図。
【図14】 第4の実施の形態の手術用顕微鏡における撮像部の変形例を示す斜視図。
【図15】 本発明の第5の実施の形態の手術用顕微鏡における撮像部の術具ガイド手段を示す斜視図。
【図16】 第5の実施の形態の手術用顕微鏡における撮像部の術具ガイド手段の内部構成を示す要部の縦断面図。
【図17】 従来の手術用顕微鏡の概略構成図。
【符号の説明】
5 鏡体部(撮影手段)
7 U字状フレーム(空間形成手段)
8a,8b 光学枠(空間形成手段)
12 撮像光学系(撮影光学系)
H1 術部
S 術部観察用の空間
Claims (3)
- 術部を立体的に撮影するための2つの撮影光学系を備えた撮影手段と、
前記2つの撮影光学系の対物レンズが取り付けられる支持枠を備え、
この支持枠は、対物レンズの後方側から対物レンズの前方側へ連通する開口部を有し、前記2つの撮影光学系の対物レンズは、この開口部を間に挟んで開口部の両側に配置され、この開口部を通って対物レンズの後方側から術部に術具を近付けることが可能なように構成されていることを特徴とする手術用顕微鏡。 - 前記撮影手段は、手術器具を支持する術具支持手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡。
- 前記支持枠は、2本の腕部を有する略U字型の形状を備え、前記2つの撮影光学系の対物レンズは、各腕部の先端近傍にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡。
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