以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の概略的な構成を示す全体構成図である。図2は、本実施形態の内視鏡の先端部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図である。図3は、本実施形態の内視鏡装置における内視鏡の先端部近傍の縦断面を拡大して示す要部拡大断面図である。図4は、図2と同様に本実施形態の内視鏡装置の内視鏡の先端部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、同内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通された医療器具(第2の内視鏡)の先端が同内視鏡先端部の開口から突出した状態を示している。図5は、図4の状態における内視鏡先端部近傍の要部拡大断面図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の内視鏡装置1は、体腔内に挿入され体腔内の状態を観察し得るように構成され目視による観察及び検査等に使用される内視鏡2と、この内視鏡2の処置具挿通チャンネル22(後述する。図3参照)に挿通される第2の内視鏡である内視鏡プローブ3と、内視鏡2のライトガイド15に照明光を供給する光源装置4Aと、内視鏡2の固体撮像素子25(後述する。図3参照)の駆動制御を行なうCCDドライブ部31や同内視鏡2の固体撮像素子25により取得した映像信号等を受けて各種の信号処理を施す映像処理部32等を有するビデオプロセッサ5Aと、このビデオプロセッサ5Aの映像処理部32から出力される各映像信号を受けて映像として表示する表示装置6と、上記内視鏡プローブ3の第2ライトガイド35aに照明光を供給する第2の光源装置4Bと、内視鏡プローブ3の観察手段3a(図3参照)の一部を構成する固体撮像素子25Aの駆動制御や同観察手段3aにより取得した映像信号等を受けて各種の信号処理を行なう第2のビデオプロセッサ5Bと、上記ビデオプロセッサ5Aから出力される映像信号を記録する記録装置7等によって主に構成されている。
内視鏡2は、可撓性を有する細長の挿入部10と、この挿入部10の後端に連設される操作部11と、この操作部11の側部から延出されるユニバーサルコード12とによって主に構成される。
ユニバーサルコード12の端部には、コネクタ13が設けられている。このコネクタ13は、光源装置4Aの接続部4Aaに対して着脱自在となっている。また、同コネクタ13とビデオプロセッサ5Aとは、信号ケーブル29を介して電気的に接続されている。そして、ビデオプロセッサ5Aは、表示装置6に電気的に接続されている。
一方、内視鏡2の挿入部10は、硬質部材により形成され内部に通常観察用の観察手段(詳細は後述する)を有する先端部18と、この先端部18の基端側に連設され湾曲自在に形成される湾曲部19と、この湾曲部19の基端側に連設され操作部11の先端側まで延出される長尺の可撓部20とによって主に構成されている。
そして、上記先端部18には、先端装着部材17が装着される。また、挿入部10の湾曲部19は、操作部11に設けられる湾曲ノブ(図示せず)等の操作部材を使用者が適宜操作することによって、例えば上下方向及び左右方向等、任意の方向へ湾曲させることができるようになっている。
内視鏡2の先端部18の内部には、図3に示すように複数の光学レンズ等からなり観察対象物の光学像を結像させるための対物光学系24と、この対物光学系24により形成される光学像を受けて光電変換処理を行なう固体撮像素子(以下、撮像素子という)25等からなる通常観察用の観察手段が配設されている。
撮像素子25は、ビデオプロセッサ5AのCCDドライブ部31からの制御信号を受けて駆動制御されるようになっている。また、同撮像素子25によって取得された映像信号は、ビデオプロセッサ5Aの映像処理部32へと送られて、ここで各種の信号処理が施されるようになっている。
そのために、内視鏡2の挿入部10の内部には、先端部18から操作部11までの間において信号電送用の信号線(特に図示せず)が挿通されている。この信号線は、さらに操作部11の内部において、ユニバーサルコード12の基端側から同ユニバーサルコード12の内部を挿通しコネクタ13の側部に設けられる接続部にまで延出している。そして、このコネクタ13の接続部に接続される信号ケーブル29を介して内視鏡2(の先端部18)とビデオプロセッサ5Aとの間の電気的な接続が確保されるようになっている。さらに、上述したようにビデオプロセッサ5Aと表示装置6との間での電気的な接続が確保されることにより、内視鏡2の撮像素子25によって取得された映像信号は、内視鏡2の挿入部10,操作部11,ユニバーサルコード12内の信号線及び信号ケーブル29を介してビデオプロセッサ5Aへと伝送され、映像処理部32において各種の信号処理が施された後、同映像処理部32から出力される映像信号は表示装置6へと伝送されて、その表示画面上に内視鏡観察画像が表示されるようになっている。
図1に戻って、光源装置4Aは、例えば白色光を発生するランプ14と、このランプ14による白色光を赤,緑,青の面順次光に変換する複数の色透過フィルターを取り付けた回転フィルター9と、この回転フイルター9を回転させるモーター8と、面順次光を集光する集光レンズ14a等によって主に構成されている。また、光源装置4Aには、ユニバーサルコード12のコネクタ13が接続される接続部4Aaが設けられている。そして、光源装置4Aの内部においては、接続部4Aaに対向する位置に集光レンズ14aが配設されている。
したがって、ユニバーサルコード12のコネクタ13が光源装置4Aの接続部4Aaに接続した状態としたとき、コネクタ13のライトガイド15の一端部は、集光レンズ14aに対向して配設されるようになっている。ライトガイド15は、ユニバーサルコード12及び内視鏡2の挿入部10の内部を挿通し、同内視鏡2の先端部18にまで達している。そして、ライトガイド15の他端部に設けられる第1のライトガイドコネクタ15bは、内視鏡2の先端部18の先端面に設けられる照明レンズ16(図2参照)に対向する位置に配置されている。
これにより、光源装置4Aのランプ14から出射する照明光束は、回転フイルター9及び集光レンズ14aを介してライトガイド15に入射し、このライトガイド15を介して内視鏡2の先端部18まで伝送されるようになっている。こうして、ライトガイド15によって内視鏡2の先端部18まで伝送された照明光は、当該照明レンズ16から前方に向けて出射され、内視鏡2の先端部18の前方に位置する観察対象となる患部等の観察対象部位を照明するようになっている。
操作部11の先端側の近傍には、処置具挿入口21が形成されている。この処置具挿入口21は、操作部11の内部において処置具挿通チャンネル22(図3参照)の一端に連通している。この処置具挿通チャンネル22は、中空体であり、挿入部10の長手方向に先端部18まで挿通して形成される管状部材である。そして、処置具挿通チャンネル22の先端側は、内視鏡2の先端部18の前面に形成されるチャンネル開口23に連通している。
したがって、処置具挿入口21から、各種の処置具、例えば上記内視鏡プローブ3や処置用プローブ等を挿入すると、その先端側は、処置具挿通チャンネル22のチャンネル開口23から外部に突出するようになっている。
ここで、第2の内視鏡である内視鏡プローブ3は、先端に固体撮像素子25Aを含んで構成される高倍率の観察手段3a(図3参照)等を備えて構成される拡大観察用の内視鏡プローブである。この内視鏡プローブ3は、従来より一般に用いられる拡大観察用の内視鏡プローブと同様の内部構成を有するものを適用する。したがって、ここでは、その詳細説明を省略する。
内視鏡プローブ3には、その先端部から基端側に設けられるコネクタ35までの間に第2のライトガイド35a(図3参照)が挿通しており、コネクタ35は、第2の光源装置4Bの接続部4Baに着脱自在に接続されるようになっている。その第2のライトガイド35aの基端側には、第2のライトガイドコネクタ35bが設けられ、この第2のライトガイドコネクタ35bは、コネクタ35から突設されている。
第2の光源装置4Bの内部には、例えば白色光を発生するランプ36と、このランプ36による白色光を集光する集光レンズ36a等が配設されている。この集光レンズ36aに対向する位置に接続部4Baが配置されている。これにより、第2の光源装置4Bの接続部4Baに内視鏡プローブ3のコネクタ35が接続された状態としたとき、コネクタ35の第2のライトガイドコネクタ35bは、集光レンズ36a及びランプ36に対向する位置に配置されることになる。
したがって、第2の光源装置4Bのランプ36から集光レンズ36aを介して出射する照明光束は、第2のライトガイドコネクタ35bを介して第2のライトガイド35aに入射し、この第2のライトガイド35aを介して内視鏡プローブ3の先端部まで伝送されるようになっている。そして、内視鏡プローブ3の先端部の先端面に設けられる照明レンズ(特に図示せず)から前方に向けて出射され、観察対象となる患部等の観察対象部位を照明するようになっている。
また、コネクタ35の側部からは、信号ケーブル37が延出されている。この信号ケーブル37の端部には接続コネクタ37aが設けられており、この接続コネクタ37aは、第2のビデオプロセッサ5Bに対して着脱自在に接続されている。
この第2のビデオプロセッサ5Bは、上述のビデオプロセッサ5Aと略同様の構成からなるものであり、内視鏡プローブ3の観察手段の駆動制御及び同観察手段からの出力信号を受けて各種の信号処理を行なうものである。なお、その構成の詳細説明は、本発明に直接関連しないところであるので省略する。
ビデオプロセッサ5Bから出力される映像信号は、例えば上記ビデオプロセッサ5Aの映像処理部32へと出力され、その内部に設けられる混合器(ミキサー;図示せず)を介して表示装置6へとに出力されるようになっている。
したがって、表示装置6には、上述のビデオプロセッサ5Aからの出力を受けて、例えば内視鏡2による通常観察用の内視鏡画像33と共に、内視鏡プローブ3による拡大観察用の内視鏡画像34とが同時に、もしくは切り換えて表示することができるようになっている。
なお、表示装置6における表示形態については、その他にも、各種の形態が考えられる。例えば、上記二つの内視鏡画像(33,34)を並べて表示する形態でもよいし(図1参照)、一方の画像のみを一画面に表示したり、適宜切換操作によって他方の画像を一画面に表示する形態等、その表示形態は様々に変更できるようになっている。
また、ビデオプロセッサ5Aと記録装置7とは、ケーブル等によって電気的に接続されている。これにより、ビデオプロセッサ5Aから出力される映像信号は、記録装置7によって適宜記録し得るようになっている。この場合において、記録装置7に記録される映像信号は、ビデオプロセッサ5Aから出力信号となるが、これには、第2のビデオプロセッサ5Bからのものも含まれる。
そして、本実施形態の内視鏡2においては、先端部18に先端装着部材17が装着されている。この先端装着部材17は、略円筒形状からなり内視鏡2の先端部18に設けられる対物光学系24の前面よりも前方に向けて突設され、当該対物光学系24の前面(先端部18の前面)と、これに対向する部位に配置される観察対象となる患部等の観察対象部位との間隔を一定の距離に離間させた状態を維持し、観察対象面B(図3参照)を形成する離間手段である筒状部17aと、内視鏡2の処置具挿通チャンネル22に挿通され先端部18の前面に設けられるチャンネル開口23から突出される医療器具、例えば内視鏡プローブ3等の突出方向を、筒状部17a(離間手段)によって離間した観察対象面Bに位置される観察対象部位と対物光学系24の光軸Oとが交わる点(図5の符合Aで示す点)に向くように導くガイド手段であるガイド溝部17bとによって形成されている。
そのために、筒状部17aの内側面の一部であって、処置具挿通チャンネル22のチャンネル開口23に対向する傾斜面を有する壁部が形成されている。この壁部は、処置具挿通チャンネル22の挿通方向(図3に示す矢印X方向)に対して対物光学系24の光軸Oに向けて所定の傾斜角度を有するように形成されている。そして、この壁部にあって、チャンネル開口23から突出した医療器具(内視鏡プローブ3)が当接する部位に、上記ガイド溝部17bが形成されている。そして、このガイド溝部17bの溝幅は、例えば上記医療器具(内視鏡プローブ3)が摺動自在に収納され得る程度のサイズに設定されている。
したがって、処置具挿入口21から挿入され、処置具挿通チャンネル22を挿通させてチャンネル開口23から突出させた内視鏡プローブ3等の医療器具は、その先端部が、やがてガイド溝部17bに当接し、さらに、同医療器具(内視鏡プローブ3)が前進すると、当該ガイド溝部17bによって所定の方向、即ち観察対象部位が近接もしくは位置される方向であって、観察対象面Bと対物光学系24の光軸Oとの交点A(図5参照)に向けて導かれるようになっている。
このように構成される本実施形態の内視鏡装置1の作用の概略は、次の通りである。
即ち、まず、図1に示す状態の内視鏡装置1において、内視鏡2の挿入部10を被検者としての患者の体腔内に挿入し、表示装置6に表示される通常観察用の内視鏡画像による体腔内の通常観察を行ないつつ、内視鏡2の先端部18を所望の観察対象部位の近傍まで導く。この一連の手技については、一般的な内視鏡観察操作と同様である。
内視鏡2の先端部18が所望の部位近傍に到達すると、まず、先端部18の先端側の所定の部位に装着される先端装着部材17の筒状部17aによって、観察対象となる患部等が覆われるように、かつ内視鏡2の先端部18の前面が同観察対象部位に対向するように配置する。
このとき、筒状部17aの先端を当該観察対象部位の近傍の体壁に接触させ当接した状態にすると、観察対象面Bに位置する当該観察対象部位と内視鏡2の対物光学系24の前面とが一定の距離に離間した状態で維持される。
この状態で、内視鏡2の通常観察用の観察手段による観察を行なうことができるわけであるが、このとき観察対象部位が、内視鏡2の対物光学系24の光軸Oの延長線上に位置するように設定すると、当該観察対象部位は、表示装置6の表示画面上に表示される内視鏡画像の略中央部分に表示される。
ここで、さらに、当該観察対象部位の拡大観察を行なうために、内視鏡2の処置具挿入口21から内視鏡プローブ3を挿入する。
この内視鏡プローブ3は、処置具挿入口21から挿入し、処置具挿通チャンネル22を挿通させて、その先端部を内視鏡2の先端部18のチャンネル開口23から突出させる。この状態からさらに内視鏡プローブ3を図3の矢印Xで示す方向へと押し出すように突出させると、その先端部は、先端装着部材17の傾斜面のガイド溝部17bに当接する。さらに、内視鏡プローブ3を同方向へ押し出すと、当該内視鏡プローブ3の先端部は、ガイド溝部17bに沿って対物光学系24の光軸Oに近付く方向へと摺動する。つまり、内視鏡プローブ3の先端部は、ガイド溝部17bによって対物光学系24の光軸Oに交差する方向へと導かれる。
ここで、対物光学系24の光軸Oの延長線上には、上述したように観察対象部位が配置されている。したがって、この状態では、内視鏡プローブ3の先端部は、ガイド溝部17bによって、対物光学系24の光軸Oとの交点部分、即ち観察対象部位に向けて導かれ、図5に示すように、同内視鏡プローブ3の先端部の前面が観察対象部位に当接する。これにより、同先端部前面は、観察対象部位に対して密着状態となる。この状態とすることで、内視鏡プローブ3の先端部の前面と観察対象部位を含む面とを、確実に当接することができると共に、両者の位置関係が固定され、同状態が維持されることになる。よって、内視鏡プローブ3を用いて得られる拡大観察画像が表示装置6の表示画面上に表示される際には、ピントずれやブレ等が抑止された鮮明かつ良好な画像が表示される。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、内視鏡2を用いた通常観察を行なって、所望の観察対象部位を対物光学系24の光軸Oの延長線上、即ち表示装置6の表示画面の略中央部に表示させた状態とし、この状態で、拡大観察用の内視鏡プローブ3を処置具挿通チャンネル22に挿通させる操作を行なうのみで、その内視鏡プローブ3の先端部を、先端装着部材17によって形成される観察対象面Bに位置する所望の観察対象部位に容易に導くことができる。
したがって、通常観察用と拡大観察用の二つの観察手段を用いて、通常観察と拡大観察を切り換えて行なう内視鏡装置において、通常観察範囲の視野中心と拡大観察範囲とを容易に略一致させることができる。
また、内視鏡プローブ3の先端面が観察対象部位に密着されることによって、観察対象部位と内視鏡プローブ3の先端部との位置関係を固定維持することができ、よって、観察画像に生じるブレ等を抑止することができる。したがって、これにより、観察対象部位を高倍率で拡大観察するのに際して、良好な映像により、例えば組織学的微細構造の観察等を容易にかつ高精度で行なうことができる。
なお、上記実施形態において、先端装着部材17は、先端部18に対して装着されるものとしたが、先端装着部材17が先端部18に固設された形態で構成してもよい。
次に、本発明の第2の実施形態の内視鏡装置について、以下に説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態の内視鏡装置における内視鏡の先端部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図である。図7,図8は、本実施形態の内視鏡の先端部近傍の縦断面を拡大して示す要部拡大断面図である。このうち図7は、本実施形態の内視鏡の先端装着部材が最も引き込まれた状態を、図8は、同先端装着部材が最も引き出された状態を、それぞれ示している。図9は、図6と同様に本実施形態の内視鏡の先端部近傍を拡大して示す要部拡大斜視図であって、同内視鏡の処置具チャンネルに挿通された医療器具(第2の内視鏡)の先端が同内視鏡の先端部開口から突出した状態を示している。図10は、図9の状態における内視鏡先端部近傍の要部拡大断面図である。
本実施形態の内視鏡装置の基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。なお、本実施形態の内視鏡装置においては、先端装着部材が内視鏡先端部に対し、同内視鏡の対物光学系の光軸に沿う方向に移動自在に構成されている点が異なる。したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符合を附して、その詳細説明は省略し、異なる構成についてのみ、以下に詳述する。
本実施形態の内視鏡装置における内視鏡2Aは、上述の第1の実施形態と同様に、挿入部10A,操作部11,ユニバーサルコード12等によって主に構成される(図1参照)。
挿入部10Aは、図6に示すように通常観察用の観察手段(対物光学系24及び撮像素子25等;図7参照)を有する先端部18Aと、湾曲部19と、可撓部20と、先端部18Aの先端側に取り付けられ図6,図7の矢印X1に沿う方向に移動自在に配設される先端装着部材17Aとによって主に構成されている。
先端装着部材17Aは、上述の第1の実施形態と略同様に、離間手段である筒状部17aと、ガイド手段であるガイド溝部17bとによって形成されている。さらに、本実施形態の先端装着部材17Aにおいては、その基端側の内周面上の一部に係止凸部17cが形成されている。この係止凸部17cは、当該先端装着部材17Aを先端部18Aの先端側の所定の部位に装着したとき、先端装着部材17Aが先端部18Aから脱落するのを防止すると共に、当該先端部18Aの軸方向、即ち図6,図7に示す矢印X1に沿う方向に先端装着部材17Aが移動自在となるように設けられているものである。
先端部18Aの先端側の外周面の一部には、上記先端装着部材17Aの係止凸部17cが係合する凹部18Aaが形成されている。この凹部18Aaに、上記係止凸部17cが係合することにより、先端装着部材17Aは、図6,図7に示す矢印X1に沿う方向における所定の範囲で移動自在となっている。
一方、挿入部10Aには、内部を挿通し操作部11にまで到達する管路18Abが形成されている。この管路18Abは、先端側で上記凹部18Aaに連設している。そして、同管路18Ab内には、先端装着部材17Aと操作部の操作部材(図示せず)とを連結し先端装着部材17Aの移動操作のための動力を伝達する操作ワイヤー26が挿通している。この操作ワイヤー26の先端側は、先端装着部材17Aの係止凸部17cに接続されており、また、同操作ワイヤー26の基端側は、操作部11の内部において、先端装着部材17Aの移動操作を行なうための操作部材(図示せず)に接続されている。これにより、同操作部材の所定の操作によって、操作ワイヤー26を介した先端装着部材17Aの移動操作を行なうことができるようになっている。
なお、先端装着部材17Aの係止凸部17cを先端部18Aの凹部18Aaに係合させることで、先端装着部材17Aを先端部18Aの所定の部位に装着した状態としたとき、上記凹部18Aa内の一壁面と係止凸部17cとの間には、図7に示すように付勢部材17dが張架されている。
ここで、この付勢部材17dは、例えば図7に示すように凹部18Aaの基端側の一壁面18Acと係止凸部17cの基端側に対向する面17Acとの間に張架されている。この場合には、付勢部材17dは伸長性を有するものが用いられる。これにより、先端装着部材17Aは、付勢部材17dの付勢力によって、図7の矢印Xa方向(即ち先端装着部材17Aを前方に向けて付勢する方向)に常に付勢されることになる。したがって、通常状態において、先端装着部材17Aは、最先端側に配置された状態(図8に示す状態)にある。この状態で操作部11の操作部材の操作により、操作ワイヤー26の牽引操作を行なうことで、先端装着部材17Aを、最先端側の位置(図8の位置)から基端側に向けて、つまり図7の矢印Xb方向に移動させることができるようになっている。そして、操作部材を任意の位置に係止するように構成しておけば、先端装着部材17Aの位置設定、即ち先端部18Aの前面に対する突出量の調整を行なうことができるように構成することもできる。
また、この例とは別に、例えば付勢部材17dの配置を次のようにすることもできる。
即ち、凹部18Aaの前端側の一壁面18Adと係止凸部17cの前面側に対向する面17Adとの間に張架させて配置してもよい。この場合には、付勢部材17dは緊縮性を有するものを用いる。これにより、先端装着部材17Aは、付勢部材17dの付勢力によって、図7の矢印Xa方向(即ち先端装着部材17Aを前方に向けて付勢する方向)に常に付勢されることになる(図示は省略している)。この場合にも、通常状態では、先端装着部材17Aは、最先端側の図8に示す状態にあり、操作部材の操作によって操作ワイヤー26の牽引操作を行なって、先端装着部材17Aを図7の矢印Xb方向に移動させ得る構成を実現できる。また、先端部18Aの前面に対する先端装着部材17Aの突出量の調整を行なう構成についても同様の手段で実現できる。
また、付勢部材17dがなくとも、操作ワイヤー26の操作に応じて先端装着部材17Aは進退できるものとなっている。
このように構成された上記第2の実施形態においても、上述の第1の実施形態と同様の作用により全く同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態においては、先端装着部材17Aを内視鏡2の対物光学系24の光軸Oに沿う方向に移動自在に構成し、かつ先端装着部材17Aの突出量、即ち先端装着部材17Aの先端縁部と内視鏡2の前面との間隔を調整自在に構成している。
そのために、まず、例えば操作部11の操作部材の所定の操作を行なうことによって先端装着部材17Aの位置調整を行なう作用が加わる。
例えば、対物光学系24が変倍自在に構成される変倍光学系である場合等において、焦点調節等のために内視鏡2の前面(対物光学系24の前面)と観察対象物との間隔を適宜変更する必要があるようなときには、その焦点調節の設定に応じて、上記操作部材を操作して先端装着部材17Aと内視鏡2の前面との間隔の設定を行なう。
つまり、内視鏡2の前面と観察対象物との間隔の設定を先端装着部材17Aの突出量の調整によって行なうことで、内視鏡2の前面の位置決め、すなわち同前面と観察対象物との間隔を設定すべき所望の間隔となるように設定し、その状態を固定維持する作用を行なう。
また、本実施形態の先端装着部材17A自体は、上述の第1の実施形態の先端装着部材17と全く同様に構成している。それにも関らず、内視鏡2の前面と観察対象物との間隔を適宜変更したとしても、その設定間隔において、内視鏡プローブ3の先端部を、対物光学系24の光軸Oの延長線上にある観察対象物の方向へとガイド溝部17bによって常に導くことが容易にできる(図10参照)。
なお、対物光学系24が変倍自在に構成されるものではなく、例えば被写界深度が深くなるような光学設計がなされた光学系である場合には、単に先端部18Aと観察対象物との距離を変化させた場合であっても、本構成は適用できる。
次に、本発明の第3の実施形態の内視鏡装置について、以下に説明する。
図11は、本発明の第3の実施形態の内視鏡の先端部近傍の縦断面を拡大して示す要部拡大断面図であって、主に撮影光学系の変倍動作を行なう変倍機構を示す図である。なお、図11では先端装着部材は図示を省略している。図12,図13は、本実施形態の内視鏡の先端装着部材を説明する図であって、このうち図12は、本実施形態の先端装着部材の装着状態とそのときの移動方向を示す説明図である。図13は、図12の先端装着部材が内視鏡の先端部に装着した状態の内部構成のうち主に先端装着部材の移動機構を示す要部拡大断面図である。図14は、本実施形態の先端装着部材の移動機構のうち操作部側の機構を示す概略構成図である。
本実施形態の内視鏡装置の基本的な構成は、上述の第2の実施形態と略同様であって、内視鏡の対物光学系として変倍光学系を適用し、この変倍光学系の変倍動作に先端装着部材を移動を連動させるように構成した点が異なる。したがって、上述の第2の実施形態と同様の構成については、同じ符合を附して、その詳細説明は省略し、異なる構成についてのみ、以下に詳述する。
本実施形態の内視鏡装置における内視鏡2Bの先端部18Bは、図11に示すように例えばステンレス材等の金属製部材により略円柱形状に形成された先端部本体41と、この先端部本体41の先端側に被嵌されて一体的に固定された樹脂製の先端カバー42とで構成されている。
先端部本体41には、複数の光学レンズ24a,24b,24c等(詳細は後述する)を有する対物光学ユニット40を配置するための貫通孔46が形成されている。この貫通孔46は、先端側が細径に形成されており、対物光学ユニット40と先端部本体41との間には水密性を確保する水密リングが配置されている。
また、先端部本体41には、内視鏡プローブ3や処置具等の医療器具を挿通するための処置具挿通チャンネル22が設けられているほかに、例えば光源装置4A(特に図示せず。図1参照)からの照明光を伝達するライトガイドケーブル(図示せず)や、対物光学ユニット40の先端側に配置される観察窓の前面側に向けて送気及び送水を行なうためのノズル(図示せず)及びこのノズルに気体及び液体を供給するための送気送水管路(図示せず)等が挿通配置されているのは、上述の各実施形態の内視鏡、もしくは従来の一般的な内視鏡の内部構造と同様である。
なお、対物光学ユニット40の基端側には、後述するように撮像素子25が配設されている。撮像素子25の背面側から延出する信号ケーブル(図示せず)は、挿入部10B(図12参照),操作部11,ユニバーサルコード12,コネクタ13,信号ケーブル29を介してビデオプロセッサ5Aと電気的に接続されている(上記第1の実施形態における図1参照)。
対物光学ユニット40は、図11に示すように固定光学系と移動光学系とを有して構成されている。即ち、固定光学系は、複数の光学レンズ24aからなる第1レンズ群を保持し先端部本体41に固設された第1固定レンズ枠46と、複数の光学レンズ24bからなる第2レンズ群を保持し先端部本体41に固設された第2固定レンズ枠47とによって構成される。
一方、移動光学系は、上記第1レンズ群(24a)と第2レンズ群(24b)との間に挟まれるように、かつ第2固定レンズ枠47の内周側に配置され光学レンズ24cを保持し上記固定光学系に対して光軸Oに沿う方向に移動自在に配設される移動レンズ枠48によって構成される。
そして、上記固定光学系及び移動光学系の各光学レンズ24a,24b,24cの光軸は一致するように配設されている。
この対物光学ユニット40の後方には、撮像素子25が配設されている。この撮像素子25の前面には、光学LPF(ローパスフイルター)25aが配設され、この光学LPF25aは、撮像素子保持枠49によって保持されている。この撮像素子保持枠49は、上記第2固定レンズ枠47の後端部に連設し固定されている。この場合において、対物光学ユニット40の光軸Oは、撮像素子25の撮像領域の略中心部分に一致するように設定されている。
移動レンズ枠48は、操作部11に設けられる変倍操作レバー61(後述する。図14参照)を操作することにより、図11において実線で示す観察位置(長焦点位置)と、同図11において二点鎖線Wで示す観察位置(単焦点位置)との間を移動して、変倍動作を行ない得るようになっている。
即ち、移動レンズ枠48には、外周に向けて突設される凸部48aが形成されている。この凸部48aは、第2固定レンズ枠47に形成された切欠47aを介して同第2固定レンズ枠47の外部に突出するようになっている。
移動レンズ枠48の凸部48aには、ワイヤ受け部材50が光軸Oと平行となる方向に基端側に向けて突設されている。このワイヤ受け部材50には、ワイヤガイド保持部材51が連設されており、このワイヤガイド保持部材51には、操作部11から延出され内部に変倍操作ワイヤー53が挿通されるワイヤガイド管52の一端が保持されている。
そして、変倍操作ワイヤー53は、操作部11側から先端部18Bまでの間においてワイヤガイド管52の内部を挿通しており、一端が操作部11内において変倍操作レバー61に接続されており(詳細は後述する。図14参照)、他端が先端部18B内においてワイヤ受け部材50に半田等によって接続固定されている。
内視鏡2の先端部18Bの先端側には、図12に示すように先端装着部材17Bが同図に示す矢印X1に沿う方向(対物光学ユニット40の光軸Oに沿う方向)に移動自在に配設されている。
先端装着部材17Bの内周面側の後端寄りの所定の位置には係止凸部17Bcが内側に向けて突設している。この係止凸部17Bcが先端部18Bの凹部18Baに係合することで、先端装着部材17Bは、図12の矢印X1に沿う方向に所定の範囲で移動自在となっているのは、上述の第2の実施形態と同様である。
また、係止凸部17Bcには、操作ワイヤー26の先端が接続されており、後端側は操作部11内において変倍操作レバー61に接続されている(詳細は後述する。図14参照)。
挿入部10Bには、この操作ワイヤー26を挿通させ、操作部11にまで到達する管路18Bbが配設されている。この管路18Bbは、先端側で凹部18Baに連設している。これにより、変倍操作レバー61の所定の操作により、操作ワイヤー26を介して先端装着部材17Bの移動操作を、変倍操作と連動して行ない得るようになっている。
操作部11には、図14に示すように、対物光学ユニット40の変倍操作と、先端装着部材17Bの移動操作とを、連動させて一操作で行ない得るようにした変倍操作レバー61が配設されている。
この変倍操作レバー61は、その一端部が操作部11の外面から突出するように配設されており、操作部11の内部においては、その中程の部位が同操作部11内に固設される支軸62によって所定の範囲で回動自在に配設される棒状操作部材である。なお、変倍操作レバー61の一端側の最先端部には、操作部61aが固設されている。
変倍操作レバー61の他端部側には、対物光学ユニット用リンク部材63及び先端装着部材用リンク部材64の各一端部の支軸63a,64aのそれぞれが回動自在に連結されている。
対物光学ユニット用リンク部材63の他端部は、変倍操作ワイヤー53(図11参照)の一端が固定された対物側連結部材53aに支軸53bを介して回動自在に連結されている。
また、先端装着部材用リンク部材64の他端部は、操作ワイヤー26(図13参照)の一端が固定された先端装着部側連結部材26aに支軸26bを介して回動自在に連結されている。
したがって、これにより、変倍操作レバー61の操作部61aを図14に示す矢印R1方向又は同図矢印R2方向へと移動操作することによって、各リンク部材63,64等からなるリンク機構を介して変倍操作ワイヤー53及び操作ワイヤー26が一操作にて同時に移動操作されて、対物光学ユニット40と先端装着部材17Bとは連動して所定の方向(光軸Oに沿う方向)に進退移動するようになっている。
即ち、変倍操作レバー61の操作によって、対物光学ユニット40は、通常観察を行なう観察位置と拡大観察を行なう観察位置との間で移動する。この変倍動作によってピントの合う範囲が変化することから、同対物光学ユニット40による変倍動作に連動させて、先端装着部材17Bを同方向に移動させることで、その突出量を変化させるようにしている。先端装着部材17Bの突出量を変動させることにより、対物光学ユニット40による観察画像は常にピントの合った状態で表示され得るようになっている。その他の構成は、上述の第2の実施形態と略同様である。
このように構成される本実施形態の内視鏡装置の作用を以下に説明する。
まず、本実施形態の内視鏡装置1において、通常観察を行なう場合には、使用者は、操作部11に設けられる変倍操作レバー61の操作部61aを指等によって図14に示す矢印R1方向に傾倒させてその移動範囲の終点部分まで移動させる。これにより、変倍操作ワイヤー53は、一端部の支軸63a,対物光学ユニット用リンク部材63,支軸53b,対物側連結部材53aを介して先端に向けて押し込まれる。すると、変倍操作ワイヤー53は、ワイヤ受け部材50を介して移動レンズ枠48を先端側に向けて移動させる。これによって、同移動レンズ枠48に保持される光学レンズ24cが先端寄りの所定の位置に配置される。そして、対物光学ユニット40は通常観察状態に設定される。
このとき、変倍操作レバー61の動きに連動して、操作ワイヤー26は、支軸64a,先端装着部材用リンク部材64,支軸26b,先端装着部側連結部材26aを介して先端側に向けて押し込まれる。すると、操作ワイヤー26は、係止凸部17Bcを先端部18Bの凹部18Ba内において先端側に向けて移動させ、先端装着部材17Bは前方に所定量だけ突出する。この状態において、内視鏡2Bの挿入部10Bを体腔内等へ挿入し、通常の内視鏡観察(検査)を行なう。
次に、通常観察を行なっているときに、変倍操作が必要になった場合には、使用者は、変倍操作レバー61の操作部61aを図14の矢印R2に示す方向に移動させる操作を行なう。これにより、変倍操作ワイヤー53は、一端部の支軸63a,対物光学ユニット用リンク部材63,支軸53b,対物側連結部材53aを介して基端側に向けて引き込まれる。すると、変倍操作ワイヤー53は、移動レンズ枠48を基端側に向けて移動させる。これによって、同移動レンズ枠48に保持される光学レンズ24cが基端寄りの所定の位置に配置される。そして、対物光学ユニット40は拡大観察状態に設定される。
このときも、変倍操作レバー61の動きに連動して、操作ワイヤー26は、支軸64a,先端装着部材用リンク部材64,支軸26b,先端装着部側連結部材26aを介して基端側に向けて引き込まれる。すると、操作ワイヤー26は、係止凸部17Bcを先端部18Bの凹部18Ba内において基端側に向けて移動させ、先端装着部材17Bは、変倍操作に応じた所定の突出量に設定される。この状態において、内視鏡2Bの挿入部10Bを体腔内等へ挿入し、通常の内視鏡観察(検査)を行なう。
ここで、対物光学ユニット40の光軸Oの延長線上に観察対象部位が配置されるように内視鏡2Bの位置決めをしておく。
この状態で、拡大観察を所望する場合には、上述の第1,第2実施形態において説明したのと同様に、内視鏡2Bの処置具挿入口21から内視鏡プローブ3を挿入する。
そして、内視鏡プローブ3の先端部を内視鏡2Bの先端部18Bのチャンネル開口23から突出させ、さらに、前方へと押し出すと、同内視鏡プローブ3の先端部は、先端装着部材17Bの傾斜面のガイド溝部17Bbに当接する。さらに、内視鏡プローブ3を同方向へ押し出すと、当該内視鏡プローブ3の先端部は、ガイド溝部17Bbによって対物光学ユニット40の光軸Oに交差する方向、即ち観察対象部位に導かれる。
これにより、内視鏡プローブ3を用いて得られる拡大観察画像が表示装置6の表示画面上に表示される。
以上説明したように上記第3の実施形態によれば、上述の第2の実施形態と同様の効果を得ることができると共に、先端装着部材の移動を変倍操作に連動させるようにしたので、変倍操作レバーの一操作にて、変倍操作に応じて先端装着部材の突出量を設定することができる。
なお、上記第3の実施形態についての一変形例として、図15に示すように先端部18Bの外周面に段部材18Bcを形成し、この段部材18Bcに先端装着部材17Bを先端に向けて付勢する付勢部材17Bdを配置する構成にしてもよい。
図15は、本発明の第3の実施形態の一変形例を示す図であって、先端装着部材が取り付けられた状態の内視鏡の先端部近傍の内部構成のうち主に先端装着部材の移動機構の概略を示す断面図である。
このような構成とすることによって、変倍操作レバー61の変倍操作を行なって移動レンズ枠48(図11参照)を移動させ、操作ワイヤー26を引き込んだときには、付勢部材17Bdは、付勢力に抗して圧縮されて先端装着部材17Bが引き込まれる。
その一方で、移動レンズ枠48を反対方向に移動させる場合には、付勢部材17Bdの付勢力が先端装着部材17Bを前方へ押し出すことになる。したがって、付勢部材17Bdを先端部18Bに配設して、これにより先端装着部材17Bを付勢する構成とすることで、先端装着部材17Bの突出方向への移動をより円滑に行なうことができるようになる。
また、上記第3の実施形態についての他の変形例としては、図15に示すように、変倍操作レバー61の変倍操作に連動して操作ワイヤー26及び変倍操作ワイヤー53を移動させるのに電動モータを用いて構成することもできる。
図16は、本発明の第3の実施形態の他の変形例を示す図であって、先端装着部材の移動機構のうち操作部側の機構を示す概略構成図である。
本変形例では、操作部11の内部において、変倍操作レバー61の回転方向及び回転駆動量等を検出する検出手段(後述する)と、この検出手段による検出信号を受けて変倍操作レバー61の回転方向及び回転駆動量に応じた駆動信号を出力する制御部66と、この制御部66によって駆動制御され変倍操作ワイヤー53を駆動する変倍用モーター67と、この変倍用モーター67の回転駆動力を変倍操作ワイヤー53の進退駆動に変換するラック70b及びピニオン70aと、制御部66によって駆動制御され操作ワイヤー26を駆動する先端装着部材移動用モーター68と、この先端装着部材移動用モーター68の回転駆動力を操作ワイヤー26の進退駆動に変換するラック69b及びピニオン69a等が配設されている。
操作ワイヤー26の一端部にはラック70bが接続されており、このラック70bにはピニオン70aが噛合している。そして、ピニオン70aは先端装着部材移動用モーター68の回転駆動軸と同軸に固設されている。この先端装着部材移動用モーター68は、制御部66と信号線72を介して電気的に接続されている。
一方、変倍操作ワイヤー53の一端部にはラック69bが接続されており、このラック69bにはピニオン69aが噛合している。そして、ピニオン69aは変倍用モーター67の回転駆動軸と同軸に固設されている。この変倍用モーター67は、制御部66と信号線71を介して電気的に接続されている。
なお、変倍操作レバー61の回転駆動量を検出する検出手段としては、同レバー61の基端部に設けられるスリット61bと、このスリット61bに対向して設けられるエンコーダ等の光学センサー65等が適用される。この光学センサー65と制御部66との間は信号線73によって電気的に接続されている。
そして、制御部66は、ユニバーサルコード12の内部を挿通する信号線74によってコネクタ13を介して光源装置4Aと接続されて、また、同コネクタ13,信号ケーブル29を介してビデオプロセッサ5Aと電気的に接続されている(上記第1の実施形態における図1参照)。
このように構成した本変形例においては、上述の第3の実施形態と同様に変倍操作レバー61の変倍操作を行なうと、同レバー61の操作方向及び操作量が検出手段(スリット61b及び光学センサー65)によって検出され、その検出結果が制御部66へと信号線73を介して出力される。これを受けて制御部66は、検出手段による検出結果に応じて変倍用モーター67及び先端装着部材移動用モーター68の駆動制御を行なう。これにより、対物光学ユニット及び先端装着部材(共に図示せず)は、変倍操作レバー61による変倍操作に応じた移動量で移動し、対応する所定の位置に設定される。その他の作用は上述の第3の実施形態と全く同様である。
したがって、この変形例の構成によっても、上述の第3の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態においては、処置具挿通チャンネルに挿通する医療器具として、第2の内視鏡である内視鏡プローブを挿通させて、体腔内の所定の部位を拡大観察する場合を例に挙げて説明しているが、これに限ることはない。例えば、処置具挿通チャンネルに穿刺針プローブ等の処置具を挿通させた場合には、所望の部位に対して処置具の先端部を導くことができるので、このような処置を施す場合にも容易に適用することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。