JP3963253B2 - 弾性表面波素子及びこれを用いた分波器 - Google Patents

弾性表面波素子及びこれを用いた分波器 Download PDF

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    • H03H9/02559Characteristics of substrate, e.g. cutting angles of lithium niobate or lithium-tantalate substrates

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は弾性表面波素子に関し、特に移動通信機器の高周波部に用いられ、フィルタ通過特性として高耐電力及び通過帯域の高角形性が要求される弾性表面波素子及びこれを用いた分波器に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波フィルタに代表される弾性表面波素子は、携帯電話等の移動通信機器に広く用いられている。特に、近年では移動通信機器の小型・薄型化を目的として、送信・受信信号を分離するためのアンテナデュプレクサ(分波器)を誘電体素子から弾性表面波素子で置き換えようとする動きが活発になっている。ここで、弾性表面波技術を用いてアンテナデュプレクサを開発するには、弾性表面波素子の耐電力性および通過帯域の角形性を向上させることが不可欠である。なぜなら、アンテナデュプレクサはアンテナの直前に配置され、増幅された大電力信号が通過するため、耐電力性の弱い弾性表面波素子では破壊してしまうからである。また、近年の移動通信システムでは、送信帯域と受信帯域が極めて接近しているため、混信を起こさないように高角形なフィルタ通過特性が必要となっているからである。このような理由により、弾性表面波技術を用いてアンテナデュプレクサを実現するためには、弾性表面波素子の耐電力性および通過帯域の角形性を向上させることが必須となっていた。
【0003】
上記のような背景により、弾性表面波フィルタの耐電力性および角形性を向上させるための開発が進められている。耐電力性を向上させる方策は次のように大きく2つに分けられる。第1の方策は、弾性表面波を励振するインターディジタルトランスデューサ用電極材料を工夫するものである。第2の方策は、インターディジタルトランスデューサを含めた電極設計を工夫する。第1の方策は例えば、特開平5−90268号公報や特開平4−288718号公報に記載されている。
【0004】
他方、第2の方策は例えば、特開平10−303698号公報に記載のように、はしご型弾性表面波フィルタにおいて、各共振器を構成するインターディジタルトランスデューサの周期をわずかにずらすことに着目している。特に、入力側から見て初段の直列共振器の電極指周期を他の直列共振器よりも小さくすること、および初段の並列共振器の電極指周期を他の並列共振器よりも大きくすることで耐電力性が向上することが開示されている。このような電極指の設定により、耐電力性が最も弱くなる共振周波数を仕様帯域外にシフトさせることができる、と上記公報に記載されている。具体的には、同公報には、初段の直列共振器の電極指の周期を小さくして直列共振器の共振周波数を大きくするか、又は初段の並列共振器の電極指の周期を大きくして並列共振器の共振周波数を小さくすることが記載されている。このような発明によって弾性表面波フィルタの耐電力性は大幅に向上し、800MHz〜1GHzを通過帯域とするアンテナデュプレクサはすでに開発されるに至っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年の移動通信システムでは、1.8〜2GHzという従来よりも高周波領域に通過帯域があり、更に、より高角形なフィルタ通過特性が要求されている。このような要求により、弾性表面波フィルタの耐電力性と角形性を向上しなければならないことになる。まず、通過帯域が高周波領域にあるというだけで、弾性表面波フィルタの耐電力性を向上しなければならない。なぜなら、通過帯域の周波数とインターディジタルトランスデューサの電極指周期は反比例の関係にあるため、高周波になるほど電極指周期が小さくなる。この結果、一本の電極指幅が細くなり耐電力性が弱くなるからである。また、高角形なフィルタ通過特性が要求されているために、耐電力性と高角形性を同時に改善することも必要となっていた。しかしながら、はしご型弾性表面波フィルタにおいて、耐電力性と高角形性を同時に改善することは極めて困難であった。なぜなら、はしご型弾性表面波フィルタの耐電力性には周波数依存性があり、耐電力性が最も弱くなる周波数は、特開平10−303698号公報の図3にも示されているように通過帯域と阻止域の中間にあることが知られている。ここで、フィルタ通過特性が高角形になると通過帯域と阻止域が接近することになり、耐電力性が最も弱くなる周波数が通過帯域に極めて近づいてしまう。従って、角形性の低い弾性表面波フィルタに比べて耐電力性は大幅に弱くなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は以上のような事情を考慮してなされたものであり、弾性表面波フィルタの耐電力性を向上すること、および耐電力性と角形性を同時に向上することを課題としている。
【0007】
本発明は以上のような事情を考慮してなされたものであり、従来とは異なる原理で弾性表面波素子の耐電力性を向上させること、および耐電力性と通過帯域の角形性を同時に向上させることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、LiTaO3の圧電基板上に複数の弾性表面波共振器をはしご型に接続した弾性表面波素子であって、各弾性表面波共振器はインターディジタルトランスデューサとその両側に設けられた1対の反射器とを有する構成において、信号入力側から見て初段の直列に接続された弾性表面波共振器の共振周波数をfS1、直列に接続された他のすべての弾性表面波共振器の共振周波数の平均をfSavとした場合、1.00fSav>fS1≧0.99fSavであり、直列に接続された弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの弾性表面波共振器におけるインターディジタルトランスデューサの電極指の幅が、その電極指周期の7.5%以上であって25%より小さいことを特徴とする弾性表面波素子である。本発明者は、前者の条件設定により、第一に、共振周波数における消費電力が減り、耐電力性が改善されることを見出した。これは、初段の直列共振器の共振周波数を仕様帯域内で低い方向に変化させても耐電力性が改善されることを意味しており、初段の直列共振器の共振周波数を高くして共振周波数を仕様帯域外にシフトさせ、これにより耐電力性の向上を図る従来技術とは異なる動作原理である。また、本発明者は、後者の条件設定により、耐電力性とフィルタ通過特性の角形性を同時に向上させることができることを見出した。
【0009】
上記発明において、より好ましくは、直列に接続された弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの弾性表面波共振器におけるインターディジタルトランスデューサの電極指の幅が、その電極指周期の15%以上22.5%以下である。
【0010】
また、上記発明において、好ましくは、直列に接続された弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの弾性表面波共振器におけるインターディジタルトランスデューサの電極指非交差部の長さが、電極指周期の1.0倍から4.5倍であり、前記インターディジタルトランスデューサの電極指非交差部に弾性表面波の励振に寄与しないダミー電極を配置する。これにより、耐電力性とフィルタ通過特性の角形性を同時により一層向上させることができる。
【0011】
また、本発明は、前記弾性表面波素子が送信用フィルタを構成する。本発明の弾性表面波素子は耐電力性又はこれとともに通過帯域の角形性が向上しているので、送信用フィルタに適用して好適である。
【0012】
更に、本発明は、送信用フィルタと受信用フィルタとを具備する分波器であって、前記送信用フィルタは上記の弾性表面波素子を含むことを特徴とする分波器である。本発明の弾性表面波素子は耐電力性又はこれとともに通過帯域の角形性が向上しているので、アンテナデュプレクサなどの分波器に適用して好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施態様)
本発明により耐電力性が向上することを説明するために、弾性表面波素子の一例として、圧電基板上に弾性表面波共振器を直列及び並列に接続することで構成されるはしご型弾性表面波フィルタの耐電力性の周波数依存性について説明する。
【0014】
前述した特開平10−303698号公報の図3にも記されているように、はしご型弾性表面波フィルタにおいて、周波数を変化させて電力を印加した場合、通過帯域と阻止域の中間の周波数でチップ温度が最も高くなることが知られている。言い換えると、通過帯域と阻止域の中間の周波数において、はしご型フィルタの耐電力性が最も弱くなることが知られている。
【0015】
この実験事実を計算により検証した結果を述べる。計算に用いた弾性表面波フィルタの構造を図1に示す。図1(A)は弾性表面波フィルタの平面図、同(B)はその等価回路である。図1(A)に示す弾性表面波フィルタは、LiTaO42°Yカット−X伝播の基板10に形成された4つの直列共振器S1〜S4と2つの並列共振器P1、P2からなる4段構成のはしご型弾性表面波フィルタである。各共振器は、1端子対弾性表面波共振器である。各共振器は、所定数のくし型電極から構成されるインターディジタルトランスデューサ(図面が煩雑にならないよう、インターディジタルトランスデューサ及び共振器を同じ参照符号S1〜S4、P1、P2で示してある)と、その両側に設けられた反射器11、12とを有する。図1(A)に拡大して示しているように、各直列共振器S1〜S4の電極周期をλS1で表し、各並列共振器P1、P2の電極周期をλP1で表す。
【0016】
図2に、弾性表面波共振器の周波数特性及び減衰量との関係を示す。図(A)に、直列共振器(S1等)のインピーダンス(Z=r+jx,r:抵抗分,x:リアクタンス分)と、並列共振器(P1等)のアドミタンス(YP=g+jb,g:コンダクタンス分,b:サセプタンス分)の周波数特性を示す。図の縦軸がインピーダンス又はアドミタンスを示すが、リアクタンス分x及びサセプタンス分bがゼロとなる位置がそれぞれ直列共振器及び並列共振器の共振周波数である。図2(A)から分かるように、直列共振器の共振周波数は、並列共振器の反共振周波数に略一致する。
【0017】
図2(B)は、図2(A)の周波数特性に合わせて描いた弾性表面波素子のフィルタ特性を示している。信号を通過させる仕様帯域では、直列共振器の共振周波数が含まれ、インピーダンスZはほぼゼロであるため、ほとんど直接共振器に電流が流れる。また、この直列共振器の共振周波数の近傍では、並列共振器のアドミタンスは必ずしもゼロになっていないため、並列共振器にもわずかではあるが電流が流れる。
【0018】
以上から、図1に示される弾性表面波フィルタは、所定の共振周波数を有する第1の1端子対弾性表面波共振器(P1、P2)を並列腕に、該第1の1端子対弾性表面波共振器の反共振周波数に略一致する共振周波数を有する第2の1端子対弾性表面波共振器(S1〜S4)を直列腕にそれぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面波素子であって、前記第1及び第2の1端子対弾性表面波共振器(P1、P2、S1〜S4)が所定数の電極指を有するくし形電極(インターディジタルトランスデューサ)から構成されるものである。
【0019】
このような弾性表面波フィルタを構成する各共振器の設計パラメータを表1に示すように設定して消費電力を計算した。
【0020】
【表1】
Figure 0003963253
ここで、各共振器を1つのアドミタンス素子(それぞれの共振器のアドミタンスをYS1,YS2、YS3、YS4、YP1、YP2とする)として図1(B)のような等価回路に変換し、入力には内部抵抗50Ω(=r)の交流電源OSCを接続し、出力には50Ωの負荷Rを接続した。そして、この等価回路を解くことですべての共振器に対する電流及び電圧を求め、消費電力を計算した。
【0021】
消費電力と通過特性の計算結果を図3に示す。直列共振器S1〜S4に関しては、すべて高周波側の遷移領域に消費電力のピークがあり、並列共振器P1、P2に関してはすべて低周波側の遷移領域に消費電力のピークがある(S2とS3の曲線は重なっている)。ここで消費電力が大きいということは、耐電力性は悪くなることを意味する。この計算結果からも、はしご型弾性表面波フィルタでは遷移領域において消費電力が大きく、耐電力性が弱くなることがわかる。また、直列共振器だけ、及び並列共振器だけでそれぞれ比較すると、入力側に最も近い共振器S1あるいはP1のピークが最大となっている。従って、入力に最も近い共振器の耐電力性が弱いことがわかり、この結果も実験と一致する。以上の結果をもとに、図1(B)に示した等価回路を用いて耐電力性を向上させるための方策を検討し、発明に至った。以下、詳細に述べる。
【0022】
上述の計算結果から、入力に最も近い共振器の消費電力を低減させることで弾性表面波フィルタの耐電力を向上することができる。まず、直列共振器について記す。図1に示したはしご型弾性表面波構造において、入力に最も近い初段の直列共振器S1の電極指周期λS1のみを変化させたときの初段直列共振器の消費電力の変化を図4に示す。ここで、他の共振器の電極指周期λS2、λS3、λS4は変化させていない。初段の直列共振器の電極指周期を0.005μm大きい2.095μmとすることでピークが小さくなっているのがわかる。また、初段直列共振器S1における電極指周期の変化率に対する消費電力のピーク強度の変化を図5に示す。この結果から、初段直列共振器S1の電極指周期を他の直列共振器S2〜S4よりも大きくすることでピーク強度が低減し、耐電力性が改善することが予想される。逆に、初段直列共振器S1の周期を小さくすると消費電力のピーク強度が大きくなり、耐電力が劣化すると予想できる。
【0023】
ここで、電極指周期の変化させる量について述べる。図5から、他の直列共振器S2〜S4の平均電極周期λSav(この例では、λSav=λS2、λS3、λS4)よりも少しでも大きくすると低減効果があり、0.7%程度までは単調に減少している。また、0.7%以上変化させてもピーク強度の変化はほとんどなく、0.7%以上では一定の耐電力性改善効果が得られると考えられる。従って、変化量の上限は、耐電力性によって決められるものではない。むしろ、フィルタ通過特性に与える影響よって制限され、その影響が小さい1%と以下とすることが望ましい。つまり、1.01λSav≧λS1>1.00λSavとすればよい。
【0024】
次に、電極指周期を変化させたときの共振器の共振周波数について考える。一般に弾性表面波共振器の共振周波数をf、電極指周期をλ、及び弾性表面波の速度をvとすると、次式のように反比例の関係にある。
f=v/λ (1)
従って、各直列共振器S〜S4の共振周波数をそれぞれfS1、fS2、fS3、fS4、初段以外の共振器の平均共振周波数をfSavとした場合、電極指周期の変化量に関する制限1.01λSav≧λS1>1.00λSavを共振周波数に関して書き換えると、1.00fSav>fS1≧0.99fSavの関係が得られる。この結果から、初段に直列に接続された共振器S1の共振周波数を上述の範囲で調整することで耐電力性を向上できることがわかる。
【0025】
このように、仕様帯域内で低い方向に初段の直列共振器の共振周波数を変化させても耐電力性を改善することができる。この動作原理は、初段の直列共振器の共振周波数を高くして共振周波数を仕様帯域外にシフトさせ、これにより耐電力性の向上を図る従来技術とは異なる動作原理である。
【0026】
更に、電極指周期の変更以外で共振周波数をかえることを考える。式(1)をみると、共振周波数は、電極指周期のほかに弾性表面波速度によっても変化することがわかる。また、弾性表面波速度は、インターディジタルトランスデューサの(電極指幅/電極指周期)の値によっても変化することが知られている。この事実を踏まえると、本発明では、直列に接続された共振器におけるインターディジタルトランスデューサの(電極指幅/電極指周期)を一定としているため、すべての共振器における弾性表面波速度は等しく、電極指周期のみを変化させることで共振周波数を変化させて耐電力を向上させるものとなっている。これに対して、弾性表面波速度を変化させて、あるいは弾性表面波速度と電極指周期の両方を変化させることで共振周波数を変えてもよく、結果として初段に直列に接続された共振器の共振周波数が請求項1に記載の範囲にあれば、耐電力を向上させることができる。
【0027】
一例として、信号入力側から見て初段に直列に接続された弾性表面波共振器S1を構成するインターディジタルトランスデューサの(電極指幅/電極指周期)の値を直列に接続された他のすべての弾性表面波共振器S2〜S4を構成するインターディジタルトランスデューサの(電極指幅/電極指周期)よりも大きくすることで、主に弾性表面波の速度変化の効果を用いて共振周波数を調整している。この場合、すべての直列共振器S1〜S4の電極指周期は同一でもよい。更に、初段に直列に接続された弾性表面波共振器S1のインターディジタルトランスデューサの電極指幅が大きくなったという理由からも耐電力性が向上する。
【0028】
また、別の例として、信号入力側から見て初段の直列に接続された弾性表面波共振器を構成するインターディジタルトランスデューサの電極指周期を、直列に接続された他のすべての弾性表面波共振器を構成するインターディジタルトランスデューサの平均電極指周期よりも大きくすることで共振周波数が低くなり、耐電力向上の効果を得ることができる。ここで、直列に接続されたすべての共振器S1〜S4における(電極指/電極指周期)が同一である必要はなく、請求項1で特定した共振周波数の範囲であれば耐電力向上の効果が得られる。
(第2実施態様)
次に、本発明の第2実施態様を説明する。本実施態様は初段に並列に接続された共振器の耐電力性向上に関するものである。本実施態様における耐電力性向上は、基本的に直列に接続された共振器と同じ理由によって説明できる。
【0029】
図1に示した構造において、入力に最も近い初段の並列共振器の電極指周期λp1のみを変化させたときの初段並列共振器P1の消費電力の変化を図6に示す。初段の並列共振器P1の電極指周期λP1を小さくすることで消費電力ピークが小さくなっているのがわかる。また、初段並列共振器P1の電極指周期の変化率に対するピーク強度の変化を図7に示す。この結果から、初段並列共振器P1の電極指周期を他の並列共振器P2よりも小さくすることでピーク強度が低減し、耐電力性が改善する。
【0030】
また、電極指周期の変化量について述べる。図7から、他の並列共振器P2の平均電極周期λPav(この例では、λPav=λP2)よりも少しでも小さくすると低減効果があり、−1.0%程度までは単調に減少している。また、−1.0%より小さくしてもピーク強度の変化はほとんどなく、−1.0%より小さい範囲では一定の耐電力性改善効果が得られる。従って、変化量の上限としては、耐電力性ではなくフィルタ通過特性に与える影響よって制限され、その影響が小さい%以下とすることが望ましい。つまり、1.00λPav>λP1≧0.99λPavとすればよい。
【0031】
次に、電極指周期を変化させたときの共振器の共振周波数について考える。直列共振器の場合と同様に、式(1)を用いると、各並列共振器P1、P2の共振周波数をそれぞれfP1、fP2とし、また、一般に初段以外の並列共振器が複数あることを想定して、平均周波数をfav(図1の構造ではfav=fP2)とすると、1.00λPav>λP1≧0.99λPavを共振周波数に関して書き換えると、1.01fPav≧fP1>1.00fPavの関係が得られる。この結果から、初段の並列共振器P1の共振周波数を調整することで耐電力性を向上できることがわかる。ここで、更に直列共振器と同じ議論により、信号入力側から見て初段の並列に接続された弾性表面波共振器を構成するインターディジタルトランスデューサの(電極指幅/電極指周期)の値を、他の並列に接続された弾性表面波共振器を構成するインターディジタルトランスデューサの(電極指幅/電極指周期)の平均値よりも小さくすることで、主に弾性表面波の速度変化の効果を用いて共振周波数を調整し、耐電力向上を実現することができる。また、別の手法として、信号入力側から見て初段の並列に接続された弾性表面波共振器を構成するインターディジタルトランスデューサの電極指周期を、並列に接続された他のすべての弾性表面波共振器を構成するインターディジタルトランスデューサの平均電極指周期よりも大きくすることで共振周波数が高くなり、耐電力向上効果を得ることができる。しかしながら、並列に接続されたすべての共振器P1〜Pにおける(電極指幅/電極指周期)が同一である必要はなく、1.01fPav≧fP1>1.00fPavの範囲であれば耐電力向上の効果が得られる。
【0032】
このように、仕様帯域内で高い方向に初段の並列共振器の共振周波数を変化させても耐電力性を改善できる。この動作原理は、初段の並列共振器の共振周波数を低くして共振周波数を仕様帯域外にシフトさせ、これにより耐電力性の向上を図る従来技術とは異なる動作原理である。
(第3実施形態)
次に、本発明の実施形態を第3実施形態として説明する。
【0033】
本実施の形態は、前記第1及び第2の実施の形態5において、直列に接続された弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの弾性表面波共振器におけるインターディジタルトランスデューサの電極指幅が、その電極指周期の7.5%以上であって25%より小さいことを特徴とする弾性表面波素子であり、耐電力性とフィルタ通過特性の角形性を同時に向上することができる。例えば、複数の直列共振器S1〜S4のうち、初段の直列共振器S1の電極指幅/電極指周期を、電極指の幅と間隔が同一である0.25より小さい値とする(具体的には、7.5%以上であって25%より小さい)。このようにして初段の直列共振器S1の共振周波数を低くすることで、耐電力性と角形性の両方が同時に向上している。耐電力性が向上する理由はこれまで述べてきた通りであるので、角形性の向上について実験結果を用いて説明する。
【0034】
インターディジタルトランスデューサの電極指の幅と間隔が同一である場合、(電極指幅/電極指周期)の値は0.25である。これに対し、請求項1に係る発明では電極指幅が細く間隔が広い状態になっている。このように、電極指の幅を細くした場合、フィルタ通過特性の角形性は向上することが実験によりわかった。
【0035】
本発明者は、図8に示すような1つの直列共振器を作製し、(電極指幅/電極指周期)の値を変化させたときの通過特性の変化を調べた。はしご型弾性表面波フィルタの高周波側の遷移領域の急峻性は直列共振器の特性で決定されるため、直列共振器の遷移領域が急峻になれば弾性表面波フィルタの角形性も向上することになる。結果を図9に示す。図9は、電極指幅/電極指周期を変えたときの通過特性の変化を示すグラフである。なお、その他の設計パラメータは表2に示す通りである。
【0036】
【表2】
Figure 0003963253
図9から、(電極指幅/電極指周期)を0.25より小さくすることで通過帯域の高周波端部が盛り上がり、遷移領域が急峻になっているのがわかる。また、(電極指幅/電極指周期)を0.075まで小さくしても同様に角形改善効果が確認できた。しかしながら、(電極指幅/電極指周期)を0.075を下回る値にした場合、正常な通過特性を得ることができなかった。従って、はしご型弾性表面波フィルタにおいて少なくとも1つの直列共振器におけるインターディジタルトランスデューサの(電極指幅/電極指周期)を0.25(25%)より小さく0.075(7.5%)以上の範囲に設計すれば、通過帯域の角形性が向上した弾性表面波フィルタが得られる。
【0037】
図1に示したはしご型弾性表面波フィルタ構造を用い、すべての直列共振器の(電極指幅/電極指周期)を0.175としたフィルタを作製した。設計パラメータは表3の通りである。
【0038】
【表3】
Figure 0003963253
なお、比較のために表1に示した設計パラメータを用い、(電極指幅/電極指周期)が0.25であるフィルタの特性も合わせて図10に示してある。ここで、電極指幅/電極指周期を0.25より小さくしたときに角形性が向上する理由は現状では不明であり、現象として通過帯域の高周波端部が盛り上がることだけがわかっている。
【0039】
次に、このように通過帯域の高周波端部が盛り上がったはしご型弾性表面波フィルタにおいて、前述したような耐電力向上のための策を施した場合の角形性の変化について述べる。表3に示した設計パラメータのはしご型弾性表面波フィルタにおいて、初段の直列共振器S1だけの電極指周期を変化させたフィルタを作製し、角形性を評価した。結果を図11に示す。ここで角形性の定義としては、図12に示すように高周波側の遷移領域において、減衰量が−3dBの点での周波数と−42dBの点での周波数差とした。図11の結果から、初段の直列共振器S1の電極指周期を大きくすることで角形性が改善していることが確認できる。以上の結果から、初段直列共振器の電極指周期を大きくすることで、耐電力と角形性の両方を同時に向上していることがわかった。
【0040】
また、比較のために、電極指幅/電極指周期を0.25としたはしご型弾性表面波フィルタにおいて初段の直列共振器S1の電極指周期を変更した場合の結果を図13に示す。電極指周期を大きくしても、角形性は徐々に劣化しているのがわかる。以上の結果から、初段の直列共振器S1の電極指周期を大きくすることで角形性と耐電力性の両方が同時に向上するのは、直列共振器における電極指幅/電極指周期を0.25より小さくしたフィルタに特有の効果であることがわかった。ここで、はしご型弾性表面波フィルタにおいて少なくとも1つの直列共振器の電極指幅/電極指周期を0.25より小さくすれば、上述のような角形性と耐電力性の両方を同時に改善する効果が得られる。なぜなら、直列共振器1つだけでも通過帯域の高周波端部が盛り上がる効果を得られるからである。
【0041】
なお、(電極指幅/電極指周期)の範囲に関しては、0.25より小さくすれば(つまり、25%より小さい)効果は得られるが、図9に示すように0.225以下にすることで通過帯域の高周波端部の盛り上がりが顕著になるため、0.225以下とすることがより望ましい。また、(電極指幅/電極指周期)の下限に関しては、電極指幅をあまりに細くすると弾性表面波の励振効率が著しく低下し、通過特性の劣化が大きいので0.075以上にすることが望ましい。
【0042】
次に、電極指幅のより望ましい範囲について述べる。一般的に、電極指幅が細い場合、製造性が悪く製品の歩留まりが低くなる。例えば、最も高周波信号を利用する携帯電話システムでは、通過帯域が2GHz近傍のアンテナデュプレクサが用いられている。この場合、インターディジタルトランスデューサの電極指周期は約2μmとなる。ここで、製造コストの低いi線ステッパを用いて歩留まりよく電極指のパターンを形成しようとした場合、電極指幅の下限は約0.3μmである。従って、(電極指幅/電極指周期)の下限を0.15とすることが、製造性の観点からより望ましく、0.15〜0.225(15%〜22.5%)の範囲の(電極指幅/電極指周期)とすれば製造性を確保しながら角形性と耐電力性を改善することが可能となる。
上述のように、通過帯域の高周波端部が盛り上がった弾性表面波フィルタにおいては、直列共振器の共振周波数を低くすることで角形性と耐電力性の両方を同時に向上させることが可能になることがわかる。
(第4実施形態)
以上の考察に基づき、通過帯域の高周波端部を盛り上げる別の手法を、以下第実施形態として説明する。
【0043】
本実施の形態は、直列共振器におけるインターディジタルトランスデューサの電極指非交差部の長さを電極指周期の1.0〜4.5倍とし、その部分に弾性表面波の励振には寄与しないダミー電極を配置することで通過帯域の高周波端部を盛り上げることができる。図1に示したはしご型弾性表面波フィルタの構造を用い、直列共振器におけるインターディジラルトランスデューサの電極指非交差部の長さを変化させてフィルタを作製し、通過特性を評価した。なお、インターディジタルトランスデューサの電極指非交差部の長さとは、図14のa+bの長さである。長さaは、第1のくし型電極21の各電極指の先端と、第2のくし型電極22の矩形のベース部分との間の距離に相当する長さである。同様に、長さbは、第2のくし型電極22の各電極指の先端と、第1のくし型電極21の矩形ベース部分との間の距離に相当する長さである。なお、以下の説明では、電極指非交差部を参照番号24で特定する。
【0044】
本発明者の実験において、電極指非交差部24の長さa+bを電極指周期の2.5倍とした。また、電極指非交差部24には、それぞれ長さが電極指周期に等しいダミー電極23を配置した。ダミー電極23は各くし形電極21、22のベース部分から、対向する電極指の先端に向かい直線状に延びている電極で、弾性表面波の励振に寄与しない部分である。
【0045】
このようなインターディジタルトランスデューサを用いた弾性表面波フィルタの通過特性を図15に示す。電極指非交差部24の長さを電極指周期の0.5倍から2.5倍に増やし、ダミー電極23を配置することで通過帯域の高周波端部が盛り上がっていることがわかる。このように電極指交差幅を電極指周期の2.5倍にしたインターディジタルトランスデューサを直列共振器に用いたはしご型弾性表面波フィルタにおいて、初段の直列共振器S1の電極指周期を変化させて角形性の変化を評価した結果を図16に示す。ここでも、角形性の定義は、高周波側の遷移領域における−3dBの点の周波数と、−42dBの点の周波数の差とした。図16からわかるように、初段の直列共振器S1の電極指周期を大きくすることで通過帯域の角形性が改善していることが確認できる。この結果、通過帯域の高周波端部を盛り上げた弾性表面波フィルタを用いれば、初段直列共振S1の電極指周期を大きくすることで、角形性と耐電力性の両方を同時に改善できることがわかった。
【0046】
ここで、電極指非交差部24の長さの範囲について述べる。図18に示すような直列共振器を作製、電極指非交差部24の長さを変えて通過特性を評価した。なお、電極指非交差部24には励振に寄与しないダミー電極23を配置している。結果を図19に示す。電極指非交差部24の長さを電極指周期の1.0倍に増やすことで、電極指非交差部24の長さが電極指周期の0.5倍の場合よりも、通過特性の高周波端部が盛り上がっているのが確認できる。また、1.5倍以上では通過特性に変化がなかった。ここで、電極指非交差部24の長さの上限について考えると、あまり長くなると弾性表面波の励振効率が低下して挿入損失の増大を招くとともに、インターディジタルトランスデューサの占有面積も大きくなって素子の小型化を阻害してしまうため、電極指周期の4.5倍以下とすることが望ましい。
【0047】
【実施例】
(第1実施例)
42°Yカット−X伝播のLiTaO基板を用い、図1のように4個の直列共振器S1〜S4と2個の並列共振器P1、P2で構成されたはしご型弾性表面波フィルタを作製した。なお、このフィルタの通過帯域は1.9GHz帯である。直列共振器S2、S3、S4の電極指周期はλS2=λS3=λS4=2.09μm、並列共振器P1、P2の電極指周期はλP1=λP2=2.16μmであり、直列共振器S1の周期λS1を2.09μm(サンプルA)、2.095μm(サンプルB)、2.100μm(サンプルC)とした。従って、他の直列共振器S2〜S4の平均電極指周期に対するλS1の変化量は、それぞれ0%、0.24%、0.8%である。また、(電極指幅/電極指周期)の値はすべて0.25であり、すべての直列共振器の開口長は35μm、電極対数は150対である。また、電極材料はAl−0.5wt%Cu(150nm)/Ti(20nm)とした。これらのサンプルの耐電力性を評価するために、環境温度85°Cおいて、−dB通過帯域の高周波端に電力を印加し、耐電力を評価した。ここで、耐電力の定義としては、初期印加電力を0.8Wとし、5分経過ごとに電力を0.1Wずつ増加させたときに特性が劣化する直前の印加電力とした。また、特性劣化の基準は、−3dB通過帯域幅が初期帯域幅の95%以下になったときとした。耐電力の評価結果は、サンプルA:1.0W、サンプルB:1.2W、サンプルC:1.4Wあり、λS1を大きくすることが有効であることが確認できた。
(第2実施例)
42°Yカット−X伝播のLiTaO基板を用い、図1に示すように、4個の直列共振器S1〜S4と2個の並列共振器P1、P2で構成されたはしご型弾性表面波フィルタを作製した。なお、フィルタの通過帯域は1.9GHz帯である。すべての直列共振器S1〜S4の(電極指幅/電極指周期)の値はすべて0.175であり、すべての並列共振器P1、P2の(電極指幅/電極指周期)は0.25である。直列共振器S2、S3、S4の電極指周期λS2=λS3=λS4=2.12μm、並列共振器P1、P2の電極指周期はλP1=λP2=2.16μmであり、直列共振器S1の周期λS1を2.12μm(サンプルD)、2.125μm(サンプルE)、2.13μm(サンプルF)とした。従って、他の直列共振器S2〜S4の平均電極指周期に対するλS1の変化量は、それぞれ0%、0.24%、0.47%である。すべての直列共振器S1〜S4の開口長は50μm、電極対数は150対である。また、電極材料はAl−1wt%Cu(130nm)/Ti(40nm)とした。これらのサンプルの耐電力性を評価するために、環境温度85°Cにおいて、−3dB通過帯域の高周波端に電力を印加し、耐電力を評価した。サンプルD:1.1W、サンプルE:1.8W、サンプルF:2.0Wであり、λS1を大きくすることが有効であることが確認できた。また、これら3つのサンプルの角形性(高周波側の遷移領域における−3dBの点の周波数と−42dBの点での周波数差)はそれぞれ17.2MHz、16.8MHz、16.5MHzであり、λS1を大きくすることで角形性も改善されている。この結果、耐電力性と角形性の両方を同時に向上させる効果があることが確認できた。
(実施例3)
42°Yカット−X伝播のLiTaO基板を用い、図1に示すように、4個の直列共振器S1〜S4と2個の並列共振器P1、P2で構成されたはしご型弾性表面波フィルタを作製した。なお、フィルタの通過帯域は1.9GHz帯である。すべての直列共振器S1〜S4の(電極指幅/電極指周期)の値はすべて0.20であり、すべての並列共振器P1、P2の(電極指幅/電極指周期)は0.25である。また、すべての直列共振器S1〜S4の電極指非交差部の長さは電極指周期の2.5倍とした。また、電極指非交差部には電極指周期と等しい長さのダミー電極23(図14)を配置した。直列共振器S2、S3、S4の電極指周期λS2=λS3=λS4=2.12μm、並列共振器P1、P2の電極指周期はλP1=λP2=2.16μmであり、直列共振器S1の周期λS1を2.12μm(サンプルG)、2.122μm(サンプルH)、2.125μm(サンプルI)とした。従って、他の直列共振器S2〜S4の平均電極指周期に対するλS1の変化量は、それぞれ0%、0.094%、0.24%である。すべての直列共振器S1〜S4の開口長は40μm、電極対数は150対である。また、電極材料はAl−0.5wt%Cu(130nm)/Ti(40nm)とした。これらのサンプルの耐電力性を評価するために、環境温度85°Cにおいて、−3dB通過帯域の高周波端に電力を印加し、耐電力を評価した。サンプルG:1.1W、サンプルH:1.4W、サンプルI:1.8Wであり、λS1を大きくすることが有効であることが確認できた。また、これら3つのサンプルの角形性(高周波側の遷移領域における−3dBの点の周波数と−42dBの点での周波数差)はそれぞれ16.1MHz、15.6MHz、15.3MHzであり、λS1を大きくすることで角形性も改善されている。この結果、耐電力性と角形性の両方を同時に向上させる効果があることが確認できた。
(実施例4)
図17に示すように、42°Yカット−X伝播のLiTaO基板を用い、4個の直列共振器S1〜S4と4個の並列共振器P1〜P4で構成されたはしご型弾性表面波フィルタを作製した。なお、フィルタの通過帯域は1.9GHz帯である。すべての直列共振器S1〜S4の(電極指幅/電極指周期)の値はすべて0.25であり、すべての並列共振器P1〜P4の(電極指幅/電極指周期)は0.25である。直列共振器S1〜S4の電極指周期λS1=λS2=λS3=λS4=1.96μm、並列共振器P〜P4の電極指周期はλ P2 =λP3=λP4=2.04μmであり、並列共振器P1の周期λP1を2.04μm(サンプルJ)、2.035μm(サンプルK)、2.03μm(サンプルL)とした。従って、他の並列共振器P2〜P4の平均電極指周期に対するλP1の変化量は、それぞれ0%、0.25%、0.49%である。すべての直列共振器の開口長は30μm、電極対数は130対である。また、電極材料はAl−0.5wt%Cu(150nm)/Ti(20nm)とした。これらのサンプルの耐電力性を評価するために、環境温度85°Cにおいて、−3dB通過帯域の低周波端(1930MHz)に電力を印加し、耐電力を評価した。サンプルJ:1.2W、サンプルK:1.4W、サンプルL:1.6Wであり、λP1を大きくすることが有効であることが確認できた。
(第5実施形態)
以上説明した弾性表面波フィルタの一応用例を、以下第5実施形態として説明する。
【0048】
図20は、弾性表面波素子を用いた分波器の構成を示すブロック図である。図示する分波器はアンテナデュプレクサであって、アンテナ部に対して共通信号端子Tを介して、送信用フィルタT(F2)と受信用フィルタR(F1)とが接続されている。送信用フィルタTは、送信用フィルタRよりも高い耐電力性が要求されるので、前述した本発明の実施形態又は実施例で説明した弾性表面波素子で構成される。勿論、受信用フィルタRを同様に構成してもよい。例えば、受信用フィルタRの低周波側の抑圧域に送信用フィルタTの漏れ電力が印加される可能性を考慮するならば、本発明により耐電力性が向上された弾性表面波素子を用いることができる。
【0049】
図21は、図20に示す分波器の周波数特性を示す図である。図示するように、受信用フィルタRの通過帯域(中心周波数f)が、送信用フィルタTの通過帯域(中心周波数f)よりも高周波側にある。なお、図21の特性は単に、分波器の周波数特性はどのようなものであるかを説明するための図であって、特性そのものは前述した各実施形態及び実施例で説明した通りである。
【0050】
なお、図20に示す分波器において、送信用フィルタTと受信用フィルタRの両方又はどちらか一方とアンテナ部との間に、特性インピーダンス整合用の整合回路を設けてもよい。
【0051】
以上の通り、第5実施形態によれば、耐電力性に優れた分波器を提供することができる。特に、前述した第3実施形態や第4実施形態の弾性表面波素子を用いることで、耐電力性と通過帯域の角形性の両方に優れた高い信頼性のフィルタや分波器を提供することができる。このようなフィルタや分波器は、1GHzを超え、1.8〜2GHzという従来よりも高周波領域に通過帯域があり、更により高角形なフィルタ通過特性が要求される用途に適用することができる。
【0052】
なお、送信用フィルタと受信用フィルタとを別々のチップ(圧電材料で形成されるフィルタチップ)で形成してもよく、単一のフィルタチップ上に送信用フィルタと受信用フィルタを一緒に形成してもよい。
【0053】
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態や実施例に限定されるものではない。はしご型弾性表面波フィルタの直列共振器の数及び並列共振器の数は、前述した数値に限定されるものではなく、任意の数の段数を選択することができる。また、主としてYカット−X伝播LiTaO基板を用いた実施例を示したが、PZTなどの他の圧電材料で形成した基板上にインターディジタルトランスデューサを形成した場合であっても同様の作用、効果が得られるものである。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、耐電力性が向上した弾性表面波素子及び耐電力性と通過帯域の角形性の両方が向上した弾性表面波素子、並びにこの弾性表面波素子を用いた送信用フィルタや分波器を提供することができる。特に、本発明の弾性表面波素子を用いて、1GHzを超える通過帯域を持つ信頼性の高いフィルタや分波器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による弾性表面波素子の構成を示す図である。
【図2】 弾性表面波共振器の周波数特性と減衰量との関係を示す図である。
【図3】 消費電力と通過特性の計算結果を示すグラフである。
【図4】 入力に最も近い初段の直列共振器S1の電極指周期λS1のみを変化させたときの初段直列共振器の消費電力の変化を示すグラフである。
【図5】 初段直列共振器S1における電極指周期の変化率に対する消費電力のピーク強度の変化を示すグラフである。
【図6】 入力に最も近い初段の並列共振器の電極指周期λp1のみを変化させたときの初段並列共振器P1の消費電力の変化を示すグラフである。
【図7】 初段並列共振器P1の電極指周期の変化率に対するピーク強度の変化を示すグラフである。
【図8】 角形性を評価した直列共振器の構造を示す図である。
【図9】 電極指幅/電極指周期を変えたときの通過特性の変化を示すグラフである。
【図10】 電極指幅/電極指周期を0.175としたはしご型弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
【図11】 初段直列共振器S1の電極指周期を変化させたときの角形性の変化を示すグラフである。
【図12】 角形性の定義を説明する図である。
【図13】 電極指幅/電極指周期=0.25のときの初段直列共振器S1の電極指周期変化量に対する角形性の変化を示すグラフである。
【図14】 インターディジタルトランスデューサの電極指非交差部の長さを示す図である。
【図15】 直列共振器におけるインターディジタルトランスデューサの電極指非交差部の幅を変え、ダミー電極を配置したときの通過特性の変化を示す図である。
【図16】 初段直列共振器の電極指周期を変えたときの角形性の変化を示す図である。
【図17】 実施例4の弾性表面波フィルタの構造を示す図である。
【図18】 角形性を評価した直列共振器の構造を示す図である。
【図19】 電極指非交差部の長さを変えたときの通過特性の変化を示すグラフである。
【図20】 本発明の分波器の構成を示すブロック図である。
【図21】 分波器のフィルタの周波数特性図である。
【符号の説明】
S1〜S4 直列共振器(インターディジタルトランスデューサ)
P1〜P4 並列共振器(インターディジタルトランスデューサ)
10 基板
11、12 反射器
21 第1のくし型電極
22 第2のくし型電極
23 ダミー電極
24 電極指非交差部

Claims (5)

  1. LiTaO3の圧電基板上に複数の弾性表面波共振器をはしご型に接続した弾性表面波素子であって、各弾性表面波共振器はインターディジタルトランスデューサとその両側に設けられた1対の反射器とを有する構成において、信号入力側から見て初段の直列に接続された弾性表面波共振器の共振周波数をfS1、直列に接続された他のすべての弾性表面波共振器の共振周波数の平均をfSavとした場合、1.00fSav>fS1≧0.99fSavであり、直列に接続された弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの弾性表面波共振器におけるインターディジタルトランスデューサの電極指の幅が、その電極指周期の7.5%以上であって25%より小さいことを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 直列に接続された弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの弾性表面波共振器におけるインターディジタルトランスデューサの電極指の幅が、その電極指周期の15%以上22.5%以下であることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波素子。
  3. 直列に接続された弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの弾性表面波共振器におけるインターディジタルトランスデューサの電極指非交差部の長さが、電極指周期の1.0倍から4.5倍であり、前記インターディジタルトランスデューサの電極指非交差部に弾性表面波の励振に寄与しないダミー電極を配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の弾性表面波素子。
  4. 前記弾性表面波素子は、送信用フィルタを構成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の弾性表面波素子。
  5. 送信用フィルタと受信用フィルタとを具備する分波器であって、前記送信用フィルタは請求項1から4のいずれか一項記載の弾性表面波素子を含むことを特徴とする分波器。
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