JP2002111444A - 複合弾性表面波フィルタ - Google Patents

複合弾性表面波フィルタ

Info

Publication number
JP2002111444A
JP2002111444A JP2000298084A JP2000298084A JP2002111444A JP 2002111444 A JP2002111444 A JP 2002111444A JP 2000298084 A JP2000298084 A JP 2000298084A JP 2000298084 A JP2000298084 A JP 2000298084A JP 2002111444 A JP2002111444 A JP 2002111444A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acoustic wave
surface acoustic
wave filter
electrode
idt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000298084A
Other languages
English (en)
Inventor
Shozo Matsumoto
省三 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Communication Equipment Co Ltd
Original Assignee
Toyo Communication Equipment Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Communication Equipment Co Ltd filed Critical Toyo Communication Equipment Co Ltd
Priority to JP2000298084A priority Critical patent/JP2002111444A/ja
Publication of JP2002111444A publication Critical patent/JP2002111444A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/125Driving means, e.g. electrodes, coils
    • H03H9/145Driving means, e.g. electrodes, coils for networks using surface acoustic waves
    • H03H9/14597Matching SAW transducers to external electrical circuits
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/46Filters
    • H03H9/64Filters using surface acoustic waves
    • H03H9/6423Means for obtaining a particular transfer characteristic
    • H03H9/6433Coupled resonator filters
    • H03H9/644Coupled resonator filters having two acoustic tracks
    • H03H9/6456Coupled resonator filters having two acoustic tracks being electrically coupled
    • H03H9/6469Coupled resonator filters having two acoustic tracks being electrically coupled via two connecting electrodes
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/46Filters
    • H03H9/64Filters using surface acoustic waves
    • H03H9/6423Means for obtaining a particular transfer characteristic
    • H03H9/6433Coupled resonator filters
    • H03H9/644Coupled resonator filters having two acoustic tracks
    • H03H9/6456Coupled resonator filters having two acoustic tracks being electrically coupled
    • H03H9/6469Coupled resonator filters having two acoustic tracks being electrically coupled via two connecting electrodes
    • H03H9/6473Coupled resonator filters having two acoustic tracks being electrically coupled via two connecting electrodes the electrodes being electrically interconnected
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/46Filters
    • H03H9/64Filters using surface acoustic waves
    • H03H9/6489Compensation of undesirable effects
    • H03H9/6493Side lobe suppression

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重モードSAWフィルタにSAW共振子を
直列接続した複合SAWフィルタの挿入損失を低減する
手段を得る。 【解決手段】 圧電基板に設けた弾性表面波フィルタと
弾性表面波共振子とを直列に接続した上で、該接続点に
容量形成用のIDT電極を並列接続した複合弾性表面波
フィルタであって、前記IDT電極の電極周期を、これ
を正規化した値が前記弾性表面波フィルタの電極周期を
正規化したものより大きくなるようにすると共に、前記
IDT電極の反射係数の絶対値が0.95より大きくな
るように対数と電極周期とを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性表面波フィルタ
に関し、特に挿入損失を改善した複合弾性表面波フィル
タに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性表面波フィルタ(以下、SA
Wフィルタと称す)は通信分野で広く利用され、高性
能、小型、量産性等の優れた特徴を有することから特に
携帯電話機等に多く用いられている。特に、セルラー方
式携帯電話機のRF部には低損失、広帯域であると共に
隣接する送受信波を分離するため減衰傾度の急峻なフィ
ルタが要求される。例えば、日本におけるセルラー電話
方式(PDC)の800MHz帯の周波数は、図6に示
すように割り当てられている。即ち、端末機の受信周波
数帯には810〜843MHz(以下、RX1帯と称
す)と、870MHz〜885MHz帯(以下、RX2
帯と称す)とが割り当てられており、RX2帯が端末機
の送信周波数帯893MHz〜898MHz(TX1)
と近接しているため、RX2帯に用いられる受信用RF
フィルタの高域側の減衰傾度として、893〜898M
Hz帯にて10dB以上(図中αで表示)が要求されて
いる。
【0003】図7は縦1次−3次モードを用いた縦結合
1次−3次二重モード表面波フィルタF(以下、二重モ
ードSAWフィルタと称す)と、一端子対弾性表面波共
振子R(以下、SAW共振子と称す)とを直列接続した
共振子型の複合弾性表面波フィルタの構成を示す平面図
である。圧電基板31の主面上に表面波の伝搬方向に沿
ってIDT電極32、33、34を近接配置すると共
に、該IDT電極32、33、34の両側にグレーティ
ング反射器(以下、反射器と称す)35a、35bを配
設して二重モードSAWフィルタFを形成する。さら
に、同一圧電基板31上に二重モードSAWフィルタF
に平行して、IDT電極36と、その両側に反射器37
a、37bとを配置してSAW共振子Rを形成する。こ
こで、IDT電極32、33、34及び36はそれぞれ
互いに間挿し合う複数の電極指を有する一対のくし形電
極から形成されている。そして、二重モードSAWフィ
ルタFにおける中央のIDT電極32の圧電基板31の
端部寄りのくし形電極と入力端子INとを接続すると共
に、IDT電極33、34の圧電基板31端部寄りのく
し形電極と、IDT電極32の圧電基板31中央寄りの
くし形電極とをそれぞれ接地し、二重モードSAWフィ
ルタFの外側のIDT電極33、34の圧電基板31中
央寄りのくし形電極からそれぞれリード電極を延在し、
SAW共振子Rの圧電基板31中央寄りのくし形電極と
接続し、SAW共振子Rの他方のくし形電極を出力端子
OUTに接続して複合SAWフィルタを構成している。
なお、二重モードSAWフィルタFを広帯域化するため
に、該フィルタFの中央のIDT電極32における最外
側のそれぞれの電極指幅を他より幅広としている。
【0004】図7に示す複合弾性表面波フィルタ(以
下、複合SAWフィルタと称す)におけるSAW共振子
Rの役割は、例えば該SAW共振子Rの共振周波数を二
重モードSAWフィルタFの通過域内に、反共振周波数
を通過帯域近傍の高周波側に配置し、該反共振を利用し
て減衰極を形成し、二重モードSAWフィルタFの減衰
量を改善するように機能している。
【0005】図8は図7に示した複合SAWフィルタの
電極パターンを用いて、RX2帯(870MHz〜885 MHz)
用RFフィルタを構成すべく、圧電基板31に38゜Y-X
LiTaO 3を用い、二重モードSAWフィルタFの中央のI
DT電極32を31.5対、外側のIDT電極33、34を
21.5対、交差幅を30λ(λは励起される表面波の波
長)、アルミニウム合金の電極膜厚を170nmとし、SA
W共振子RのIDT電極36の対数を100.5対、交差幅
を20λ、アルミニウム合金の電極膜厚を170nmとして構
成した複合SAWフィルタのフィルタ特性を実線で示し
た図である。なお、比較のため、二重モードSAWフィ
ルタFのみのフィルタ特性を破線にて重ね書きした。図
8から明らかなように、通過域近傍の高域側の減衰量は
改善されているものの、通過域内の高域側が丸みを帯び
てフィルタ特性が劣化していることが分かる。
【0006】上記パスバンド特性劣化を改善するため
に、本願発明者は先行する特許出願(特願2000−249238
号)において、図9に示すような複合SAWフィルタを
提案している。即ち、図7に示した、二重モードSAW
フィルタFと直列接続のSAW共振子Rとからなる複合
SAWフィルタにおいて、二重モードSAWフィルタF
とSAW共振子Rとの間に容量を並列接続して複合SA
Wフィルタを構成したものである。この並列容量は例え
ば、図9に示すように、容量形成用IDT電極38を用
いて形成し、二重モードSAWフィルタF及びSAW共
振子RのIDT電極と直交するように配置した。また、
SAWの励振とは無関係の容量形成用IDT電極38の
電極周期λ2は、電極を形成する際の短絡不良等を少な
くすることを目的として、二重モードSAWフィルタF
及びSAW共振子Rのそれぞれの電極周期λ1及びλ4
り十分大きくすることが望ましい。IDT電極38を上
述のように構成することによって、フィルタF、共振子
Rから伝搬してきた表面波によりIDT電極38が表面
波を励振することは防止でき、例え表面波が励振された
としても、フィルタの帯域より低域側にスプリアスとし
て生じるのみであって、複合SAWフィルタのフィルタ
特性を劣化させる虞はほとんどない。
【0007】図10は、図9に示す複合SAWフィルタ
の電極パターンを用いて、RX2帯用RFフィルタを構
成すべく、圧電基板31に38゜Y-X LiTaO3を用い、二重
モードSAWフィルタFの中央のIDT電極32を31.5
対、外側の2つのIDT電極33、34をそれぞれ21.5
対、交差幅を30λ1、アルミニウム合金の電極膜厚を170
nmとし、SAW共振子RのIDT電極対数36を100.5
対、交差幅を20λ2、容量形成用IDT電極38の対数
を25対、交差幅を100μm(容量にして1.2pF)として構
成した複合SAWフィルタの通過域特性を示す図であ
る。同図においてマーカー▽1と▽2とは通過帯域の規
格(通過帯域の両端の周波数)を示している。この図か
ら明らかなように通過域内の高周波側の丸みが改善され
ているが、マーカー▽1、▽2において挿入損失がそれ
ぞれ1.57dB、2.11dBでことが分かる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
複合SAWフィルタにおいて、図10に示した試作品は
従来の挿入損失の規格2.5dBを辛うじて満たしてい
るものの、量産時の製造バラツキを考慮すると、2.0
dB以下を満たしていないと製造歩留まりが低下し、コ
ストが上昇するという問題があった。本発明は上記問題
を解決するためになされたものであって、低損失の複合
SAWフィルタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る複合弾性表面波フィルタの請求項1記載
の発明は、圧電基板の主面上に設けた弾性表面波フィル
タの一方の端子と、弾性表面波共振子の一方の端子とを
直列に接続すると共に、この接続点に容量形成用のID
T電極を並列接続した複合弾性表面波フィルタであっ
て、前記容量形成用のIDT電極の電極周期を、これを
表面波の伝搬速度にて正規化した値が前記弾性表面波フ
ィルタの電極周期を正規化した値より大きくなるように
すると共に、前記容量形成用IDT電極の反射係数の絶
対値が0.95より大きくなるようにIDT電極の対数
と電極周期とを構成したことを特徴とする複合弾性表面
波フィルタである。請求項2記載の発明は、圧電基板の
主面上に設けた弾性表面波フィルタの一方の端子と、弾
性表面波共振子の一方の端子とを直列に接続すると共
に、この接続点と前記弾性表面波フィルタの他方の端子
に容量形成用の第1と第2のIDT電極をそれぞれ並列
接続した複合弾性表面波フィルタであって、前記容量形
成用の第1と第2のIDT電極の電極周期を、これらを
表面波の伝搬速度にて正規化した値が前記弾性表面波フ
ィルタの電極周期を正規化した値より大きくなるように
すると共に、前記容量形成用の第1と第2のIDT電極
の反射係数の絶対値が0.95より大きくなるようにそ
れぞれのIDT電極の対数と電極周期とを構成したこと
を特徴とする複合弾性表面波フィルタである。請求項3
記載の発明は、前記弾性表面波フィルタがリーキー波の
伝搬方向に沿って、3つのIDT電極とその両側にグレ
ーティング反射器を配置してなる縦結合1次−3次二重
モード弾性表面波フィルタであり、前記弾性表面波共振
子がIDT電極とその両側にグレーティング反射器を配
置したものであることを特徴とする請求項1または2に
記載の複合弾性表面波フィルタである。請求項4記載の
発明は、請求項1乃至3に記載の複合弾性表面波フィル
タを縦続したことを特徴とする複合弾性表面波フィルタ
である。請求項5記載の発明は、圧電基板の主面上に設
けた第1と第2の2つの弾性表面波フィルタを縦続接続
すると共に該接続部、入力端子と第1の弾性表面波フィ
ルタの接続部及び第2の弾性表面波フィルタと出力端子
との接続部にそれぞれ容量形成用の第1、第2及び第3
のIDT電極を並列接続した弾性表面波フィルタであっ
て、前記容量形成用の第1、第2及び第3のIDT電極
の電極周期を、これらを表面波の伝搬速度にて正規化し
た値が前記弾性表面波フィルタの電極周期を正規化した
値より大きくなるようにするすると共に、前記容量形成
用の第1、第2及び第3のIDT電極のそれぞれの反射
係数の絶対値が0.95より大きくなるように電極の対
数と電極周期とを構成したことを特徴とする弾性表面波
フィルタである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示した実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る複
合SAWフィルタの構成を示す平面図であって、圧電基
板1の主面上に表面波(正しくはリーキー波)の伝搬方
向に沿って3つのIDT電極2、3、4を配置すると共
に、これらの両側に反射器5a、5bを配設して二重モ
ードSAWフィルタFを形成する。さらに、該二重モー
ドSAWフィルタFに平行してIDT電極6と、その両
側に反射器7a、7bを配置してSAW共振子Rを形成
する。ここで、IDT電極2、3、4及び6はそれぞれ
互いに間挿し合う複数の電極指を有する一対のくし形電
極から形成されている。そして、二重モードSAWフィ
ルタFにおける中央のIDT電極2の圧電基板1の端部
寄りのくし形電極と入力端子INを接続し、IDT電極
2の圧電基板1の中央寄りのくし形電極と、IDT電極
3、4の圧電基板1の端部寄りのそれぞれのくし形電極
を接地する。さらに、IDT電極3、4の圧電基板1の
中央寄りのそれぞれのくし形電極からリード電極を延在
し、SAW共振子Rの圧電基板1の中央寄りのくし形電
極とを接続すると共に、SAW共振子Rの圧電基板1の
端部寄りのくし形電極と出力端子OUTとを接続する。
そして、二重モードSAWフィルタFとSAW共振子R
との間で、圧電基板1の端部寄りに、リーキー波の伝搬
方向と直交して容量形成用のIDT電極8を配置し、そ
の一方のくし形電極と、二重モードSAWフィルタFと
SAW共振子Rとを結ぶリード電極とを接続し、他方の
くし形電極を接地して複合SAWフィルタを構成する。
【0011】本発明の特徴はIDT電極3、4、5によ
って励起されるリーキー波の縦3次モードの周波数f3
と、容量形成用IDT電極8によって励起されるレイリ
ー波の周波数f2との関係を、f2<f3とすると共
に、後述するように容量形成用IDT電極8の反射係数
Γの絶対値|Γ|の値が0.95より大きくなるように、I
DT電極8の対数とピッチとを設定したことにある。即
ち、f2<f3とするには、IDT電極2、3、4の電
極周期をλ1、IDT電極8の電極周期をλ2とすると、
リーキー波の伝搬速度VLは4,212m/秒程度であ
り、レイリー波の伝搬速度VRは3,230m/秒程度で
あるので、それぞれの電極周期を伝搬速度で正規化して
λ1’=λ1/VL、λ2’=λ2/VRとしたとき、IDT
電極8の電極周期λ2をλ2’>λ1’を満足するように
設定したことにある。
【0012】図2は図1に示した複合SAWフィルタの
電極パターンを用いて、RX2帯用RFフィルタを構成
すべく、上記の電極周期の条件を満たすように、圧電基
板1に38゜Y-X LiTaO3を用い、二重モードSAWフィル
タFの中央のIDT電極2を31.5対、外側の2つのID
T電極3、4をそれぞれ21.5対、交差幅を30λ1、アル
ミニウム合金の電極膜厚を170nmとし、SAW共振子R
のIDT電極対数6を100.5対、交差幅を20λ4、容量形
成用IDT電極8の対数を37対、その電極周期λ2を4.4
5μm、交差幅を100μm(容量にして1.6pF)とした場合
の複合SAWフィルタのフィルタ特性を示している。規
格である通過域の両端のマーカー▽1、▽2においてそ
れぞれ1.38db、1.75dBと従来の値より改善されてい
ることが判明した。
【0013】ここで、挿入損失が改善される理由を検討
してみると、容量形成用のIDT電極が、複合SAWフ
ィルタの中心周波数において呈する等価回路の定数値に
あると推測される。そこで、容量形成用のIDT電極8
の等価回路を容量Cと抵抗Rの並列回路として、その値
を高周波回路用のネットワーク・アナライザーを用いて
反射係数Γとして測定した。周知のように、反射係数Γ
は被測定物へ入射する入射波Aと、被測定物から反射さ
れる反射波Bとの比で表され、Γ=B/A=|Γ|ej
θ=U+jV と定義されている。即ち、反射係数Γは
U−V平面において、(0,0)を中心として極座標で
表すことができる。図8に示した容量形成用IDT電極
38を容量Cと抵抗Rの並列回路として、その反射係数
Γをネットワークアナライザーを用いて測定してもの
が、図11の曲線であり、マーカー▽1は複合SAWフ
ィルタの中心周波数f0を示している。この図からフィ
ルタの中心周波数f0において反射係数の絶対値|Γ|
は最外側の円(|Γ|=1)と次の破線の円(|Γ|=
0.8)との中間点の0.92程度に位置していることが分か
る。
【0014】一方、図3は本発明に係る容量形成用のI
DT電極8を周波数を777.5MHzから977.5MHzまで変化さ
せて測定した反射係数Γの軌跡を示す図である。複合S
AWフィルタの中心周波数f0=877.5MHzにおけるI
DT電極8の反射係数Γの絶対値|Γ|はマーカー▽1
で示す点であり、最外側の円である1に近い値を示して
いる。このことは等価回路で表す抵抗Rが極めて大きな
値であり、容量形成用のIDT電極8が複合SAWフィ
ルタの中心周波数f0において、大きなQを呈している
ことを表している。そのために複合SAWフィルタの挿
入損失が低減されるものと考えられる。なお、そのとき
IDT電極8の呈する容量値はマーカー▽1における位
相回転角で表される。
【0015】図4は第1の変形例の構成を示す平面図で
あって、図1における入力端子INとIDT電極2との
間に容量形成用のIDT電極9を配置した複合SAWフ
ィルタの構成を示す平面図である。このような構成とす
ることにより、通過帯域がより平坦になることが実験的
に確かめられている。なお、容量形成用IDT電極9も
8と同様に複合SAWフィルタの中心周波数f0におけ
る反射係数の絶対値|Γ|が0.95より大きいことが、挿
入損失を低減する条件となる。
【0016】図5は本発明に係る第2の変形例の構成を
示す平面図であって、圧電基板1上にリーキー波の伝搬
方向に沿って第1及び第2の二重モードSAWフィルタ
F1、F2を並置すると共に、該二重モードSAWフィ
ルタを縦続接続した接続部、入力端子と第1の二重モー
ドSAWフィルタF1との接続部及び第2の二重モード
SAWフィルタF2と出力端子OUTとの接続部にそれ
ぞれ容量10、11及び12を並列接続して構成したS
AWフィルタである。このように、入力、出力及び段間
に容量を並列接続し、該容量をフィルタの帯域幅に応じ
て適宜設定することにより、SAWフィルタの通過域特
性を平坦化することができる。図5の例は上記の容量を
リーキー波と直交して配置したIDT電極10、11、
12により形成した場合であり、これらの容量が複合S
AWフィルタの中心周波数において呈するそれぞれの反
射係数の絶対値が共に0.95より大きくなるように、ID
T電極10、11、12の対数とその電極周期を構成し
てSAWフィルタの低損失を実現している。
【0017】以上では縦1次−3次モードを用いた二重
モードSAWフィルタに、SAW共振子を直列接続した
複合SAWフィルタについて説明したが、これに限らず
多重モードSAWフィルタにSAW共振子を直列接続す
るいかなる複合SAWフィルタにも適用できることは説
明するまでもない。また、本発明になる複合SAWフィ
ルタを複数段縦続接続し、より減衰傾度の急峻なフィル
タを構成してもよい。また、圧電基板にタンタル酸リチ
ウムを用いて説明したが、他の圧電物質、例えばニオブ
酸リチウム、四硼酸リチウム、ランガサイト等に適用で
きることは説明するまでもない。
【0018】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、請求項1に記載の発明は複合SAWフィルタの挿
入損失を低減するという優れた効果を表す。請求項2に
記載の発明は複合SAWフィルタの挿入損失を低減する
と共に、通過域の特性を平坦化するという優れた効果を
表す。請求項3に記載の発明は複合SAWフィルタを構
成する弾性表面波フィルタを縦結合1次−3次二重モー
ドSAWフィルタで構成しているので、広帯域であると
共に低損失の複合弾性表面波フィルタを構成することが
可能となる。請求項4に記載の発明は広帯域、低損失で
あると共に、減衰傾度の急峻な複合弾性表面波フィルタ
を構成することができるという優れた効果を奏す。請求
項5に記載の発明は、弾性表面波フィルタを2段縦続接
続したフィルタの段間部、入力部及び出力部にIDT電
極で形成した容量を設けることにより、フィルタのパス
バンドを平坦化することが可能になると共に、挿入する
容量の反射係数が大きくなるように構成することによ
り、挿入損失を低減することが可能となるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合弾性表面波の構成を示す平面
図である。
【図2】複合弾性表面波フィルタのフィルタ特性を示す
図である。
【図3】複合弾性表面波フィルタに設けた容量形成用I
DT電極の反射係数を示す極座標である。
【図4】本発明に係る第1の変形例である複合弾性表面
波フィルタの構成を示す平面図である。
【図5】本発明に係る第2の変形例である縦続接続型弾
性表面波フィルタの構成を示す平面図である。
【図6】携帯電話システム(PDC)に割り当てられた
800MHz帯の周波数を示す図である。
【図7】従来の二重モードSAWフィルタとSAW共振
子との直列接続とからなる複合SAWフィルタの構成を
示す平面図である。
【図8】複合SAWフィルタのフィルタ特性を示す図で
ある。
【図9】本願発明者が提案している複合SAWフィルタ
の構成を示す平面図である。
【図10】図9の電極パターンを用いて試作した複合S
AWフィルタのフィルタ特性を示す図である。
【図11】図9に示した容量形成用IDT電極の反射係
数を極座標で表した図である。
【符号の説明】
1・・圧電基板 2、3、4、6、8、9、10、11、12・・IDT
電極 5a、5b、7a、7b・・グレーティング反射器 F、F1、F2・・1次−3次縦結合二重モード弾性表
面波フィルタ R・・一端子対弾性表面波共振子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板の主面上に設けた弾性表面波フ
    ィルタの一方の端子と、弾性表面波共振子の一方の端子
    とを直列に接続すると共に、この接続点に容量形成用の
    IDT電極を並列接続した複合弾性表面波フィルタであ
    って、前記容量形成用のIDT電極の電極周期を、これ
    を表面波の伝搬速度にて正規化した値が前記弾性表面波
    フィルタの電極周期を正規化した値より大きくなるよう
    にすると共に、前記容量形成用IDT電極の反射係数の
    絶対値が0.95より大きくなるようにIDT電極の対
    数と電極周期とを構成したことを特徴とする複合弾性表
    面波フィルタ。
  2. 【請求項2】 圧電基板の主面上に設けた弾性表面波フ
    ィルタの一方の端子と、弾性表面波共振子の一方の端子
    とを直列に接続すると共に、この接続点と前記弾性表面
    波フィルタの他方の端子に容量形成用の第1と第2のI
    DT電極をそれぞれ並列接続した複合弾性表面波フィル
    タであって、前記容量形成用の第1と第2のIDT電極
    の電極周期を、これらを表面波の伝搬速度にて正規化し
    た値が前記弾性表面波フィルタの電極周期を正規化した
    値より大きくなるようにすると共に、前記容量形成用の
    第1と第2のIDT電極の反射係数の絶対値が0.95
    より大きくなるようにそれぞれのIDT電極の対数と電
    極周期とを構成したことを特徴とする複合弾性表面波フ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】 前記弾性表面波フィルタがリーキー波の
    伝搬方向に沿って、3つのIDT電極とその両側にグレ
    ーティング反射器を配置してなる縦結合1次−3次二重
    モード弾性表面波フィルタであり、前記弾性表面波共振
    子がIDT電極とその両側にグレーティング反射器を配
    置したものであることを特徴とする請求項1または2に
    記載の複合弾性表面波フィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3に記載の複合弾性表面波
    フィルタを縦続したことを特徴とする複合弾性表面波フ
    ィルタ。
  5. 【請求項5】 圧電基板の主面上に設けた第1と第2の
    2つの弾性表面波フィルタを縦続接続すると共に該接続
    部、入力端子と第1の弾性表面波フィルタの接続部及び
    第2の弾性表面波フィルタと出力端子との接続部にそれ
    ぞれ容量形成用の第1、第2及び第3のIDT電極を並
    列接続した弾性表面波フィルタであって、前記容量形成
    用の第1、第2及び第3のIDT電極の電極周期を、こ
    れらを表面波の伝搬速度にて正規化した値が前記弾性表
    面波フィルタの電極周期を正規化したものより大きくな
    るようにするすると共に、前記容量形成用の第1、第2
    及び第3のIDT電極のそれぞれの反射係数の絶対値が
    0.95より大きくなるように電極の対数と電極周期と
    を構成したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
JP2000298084A 2000-09-29 2000-09-29 複合弾性表面波フィルタ Pending JP2002111444A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000298084A JP2002111444A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 複合弾性表面波フィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000298084A JP2002111444A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 複合弾性表面波フィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002111444A true JP2002111444A (ja) 2002-04-12

Family

ID=18780094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000298084A Pending JP2002111444A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 複合弾性表面波フィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002111444A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006123518A1 (ja) * 2005-05-16 2006-11-23 Murata Manufacturing Co., Ltd. 弾性境界波装置
KR100735484B1 (ko) * 2005-11-25 2007-07-03 삼성전기주식회사 직렬 2-트랙 dms 필터
WO2008067793A1 (de) * 2006-12-05 2008-06-12 Epcos Ag Dms-filter mit verbesserter anpassung
JP2011114826A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Taiyo Yuden Co Ltd フィルタ、分波器、通信モジュール
WO2016088804A1 (ja) * 2014-12-02 2016-06-09 京セラ株式会社 弾性波素子、分波器および通信モジュール

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7394336B2 (en) 2005-05-16 2008-07-01 Murata Manufacturing Co. Ltd. Elastic boundary wave apparatus
WO2006123518A1 (ja) * 2005-05-16 2006-11-23 Murata Manufacturing Co., Ltd. 弾性境界波装置
CN101167247B (zh) * 2005-05-16 2012-02-29 株式会社村田制作所 弹性边界波装置
KR100735484B1 (ko) * 2005-11-25 2007-07-03 삼성전기주식회사 직렬 2-트랙 dms 필터
DE102006057340B4 (de) * 2006-12-05 2014-05-22 Epcos Ag DMS-Filter mit verbesserter Anpassung
WO2008067793A1 (de) * 2006-12-05 2008-06-12 Epcos Ag Dms-filter mit verbesserter anpassung
JP2010512077A (ja) * 2006-12-05 2010-04-15 エプコス アクチエンゲゼルシャフト 整合が改善されたdmsフィルタ
US7915975B2 (en) 2006-12-05 2011-03-29 Epcos Ag DMS filter with improved matching
JP2011114826A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Taiyo Yuden Co Ltd フィルタ、分波器、通信モジュール
WO2016088804A1 (ja) * 2014-12-02 2016-06-09 京セラ株式会社 弾性波素子、分波器および通信モジュール
CN107005226A (zh) * 2014-12-02 2017-08-01 京瓷株式会社 弹性波元件、分波器以及通信模块
JPWO2016088804A1 (ja) * 2014-12-02 2017-08-31 京セラ株式会社 弾性波素子、分波器および通信モジュール
US10622969B2 (en) 2014-12-02 2020-04-14 Kyocera Corporation Acoustic wave element, multi plexer, and communication module
CN107005226B (zh) * 2014-12-02 2020-11-20 京瓷株式会社 弹性波元件、分波器以及通信模块

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6570470B2 (en) Surface acoustic wave ladder filter utilizing parallel resonators with different resonant frequencies
US7532090B2 (en) Acoustic wave filter device and duplexer
WO2021002321A1 (ja) 弾性波フィルタおよびマルチプレクサ
EP1037385B1 (en) Surface acoustic wave filter, duplexer, and communications device
WO2019131530A1 (ja) 弾性波フィルタ
EP1710910A2 (en) Surface acoustic wave filter
US6504454B2 (en) Longitudinally coupled surface acoustic wave filter
JP2003069385A (ja) 弾性表面波フィルタ
JP4687462B2 (ja) Sawフィルタ
US7482895B2 (en) Surface acoustic wave filter
US6828879B2 (en) Longitudinal coupled multiple mode surface acoustic wave filter
JP2004140738A (ja) 弾性表面波フィルタ
JP2002111443A (ja) 複合弾性表面波フィルタ
JP3890731B2 (ja) 縦結合多重モードsawフィルタ
JP3915322B2 (ja) 弾性表面波フィルタ
JP2002111444A (ja) 複合弾性表面波フィルタ
JP2002064358A (ja) 複合弾性表面波フィルタ
JPH10261935A (ja) 弾性表面波素子
JP4138093B2 (ja) 縦結合二重モードsawフィルタ
JP3514015B2 (ja) 弾性表面波装置及びその製造方法
JP3290165B2 (ja) ラダー型弾性表面波フィルタ
JP4548305B2 (ja) 二重モード弾性表面波フィルタ
JP4004042B2 (ja) 分波器
JP4710186B2 (ja) 縦結合二重モードsawフィルタ
WO2021045031A1 (ja) 弾性波フィルタ