JP3962544B2 - ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、ポリプロピレンセグメントとポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントとが化学結合を有するブロックコポリマーの製造方法に関する。更に詳しくは、固体触媒成分、少なくとも一種以上の有機金属化合物、及び必要であれば電子供与性化合物(例えばケイ素化合物、窒素をヘテロ原子とする複素環化合物等)を触媒に使用して、必要であれば固体触媒成分と有機金属化合物を予め接触させて、ポリプロピレンセグメントを重合し、ポリプロピレンセグメント末端にポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを形成させるブロックコポリマーの製造方法に関する。
得られたブロックコポリマーは耐衝撃性に優れ、成形材料、結晶性ポリオレフィンと非晶性ポリオレフィンとの相溶化剤、ポリプロピレンあるいはポリエチレンのようなポリオレフィンの改質剤として有用である。
背景技術
ポリプロピレンやポリエチレンのようなポリオレフィンは、各種物性(機械的強度、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性等)および加工性に優れ、且つ安価であるため、大量に消費されている。しかし、例えばポリプロピレンの場合、比較的高い剛性を有しているが、衝撃強度の点において劣っており、この点を改良するため、衝撃強度に優れている非晶性のポリ(エチレン−co−プロピレン)をブレンドすることによりその特性を改善することが行われてきた。従来のブロックタイプコポリマーでは、ポリプロピレンよりなるマトリックスとポリ(エチレン−co−プロピレン)よりなるドメインとが相分離しており、衝撃時にマトリックス/ドメイン間での剥離を起こすことによる白化や、その後の物性低下などが問題となり、その改善が要望されていた。
従来より、ポリプロピレンの1グレードとしてポリプロピレンとポリ(エチレン−co−プロピレン)とのブロックコポリマーは知られているが、この製造方法では、まず第1の重合槽でポリプロピレンを30分〜数時間かけて合成し、その後、第2の重合槽においてポリ(エチレン−co−プロピレン)を30分〜数時間かけて合成するという2段階重合法を用いて製造されている。ポリマー鎖1本当たりの生成時間を考えると、この方法で得られるブロックコポリマーは、ポリプロピレンとポリ(エチレン−co−プロピレン)とが化学的に結合しておらず、ミクロにブレンドされた状態で存在しているため、高分子化学で定義されるところのブロックコポリマーではなく、したがって、必ずしも目的とする特性が充分に得られるとは限らなかった。
特開平8−92338号公報、特開平9−87343号公報には、チーグラー触媒あるいはメタロセン触媒を用い、それぞれポリプロピレンとポリ(エチレン−co−プロピレン)の重合時間を連鎖移動反応が殆ど起こらないような短時間領域に設定することにより、管式重合器を用いて、ポリプロピレンとポリ(エチレン−co−プロピレン)とが化学結合を有する真のブロックコポリマーを製造する方法を開示している。
上記発明による化学的にポリプロピレンとポリ(エチレン−co−プロピレン)が結合した真のブロックコポリマーであるポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)では、白化性、耐衝撃強度などの諸問題が改善され、優れた特性を有する材料が得られる。
しかし、この製造方法では、得られるポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の分子量が低いため、機械的強度、耐熱性といった各種物性および加工性を向上させるためには、分子量の向上が必要となる。
また、この製造方法では、得られるポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の収量が低く、ポリマー中に相当量の無機物が残存し、ポリマー品質の低下、例えば成形性の低下、およびフィッシュアイなどの原因となる。
また、この製造方法を3気圧以上の重合圧力で実施すると、得られるポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)のノルマルヘプタン抽出率が20重量%を超えるため、重合溶媒中への生成ポリマーの溶解が生じ、ポリマー同士の付着、重合器壁面への付着が起こり、重合温度の制御が困難になるために、異常重合あるいは重合器閉塞のような問題が生じるおそれがあった。また、3気圧以下の重合圧力で実施する場合には生産効率が低下する。
したがって、本発明の目的は、ポリプロピレンセグメントとポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントが化学的に結合した真のブロックコポリマーであるポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)を触媒活性を向上させて、無機物の残存量が少なくすることである。本発明の他の目的は、重量平均分子量が10万以上の真のブロックコポリマーを製造することである。本発明のさらに他の目的は、ノルマルヘプタン抽出率が20重量%以下であり、壁への付着なく製造することである。
発明の開示
そこで、本発明者は、ポリプロピレンとポリ(エチレン−co−プロピレン)が化学的に結合した真のブロックコポリマーの製造方法を種々検討した結果、
(1)チタンおよびハロゲンもしくはチタン、マグネシウムおよびハロゲンからなる固体触媒成分と(2)少なくとも1種以上の有機金属化合物からなる触媒成分とを予め接触(予備接触ともいう)させて予備活性化した固体触媒成分を用い、連鎖移動反応が殆ど起こらない重合時間内に、ポリプロピレンの重合末端にエチレン及びプロピレンを共重合させることにより、高活性で効率良くポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)が得られ、且つ得られたブロックコポリマー中の無機物の残存量を低下させられることを見い出し、本発明を完成するに至った。
さらに、ケイ素化合物や窒素をヘテロ原子とする複素環化合物のような特定の電子供与性化合物を外部ドナーとして使用することによりかかる問題点を解決しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第1は、(1)チタンおよびハロゲン、又は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンからなる固体触媒成分、及び
(2)有機金属化合物
からなるオレフィン重合触媒の存在下に、ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)を製造する方法において、
(1)及び(2)を予め接触させた後、ポリプロピレンセグメントを重合し、該ポリプロピレンセグメントの末端にポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合せしめることを特徴とするポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第2は、(1)チタンおよびハロゲン、又は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンからなる固体触媒成分、
(2)有機金属化合物、及び
(3)有機ケイ素化合物RSi(OR’)4−n(RおよびR’は同種又は異種の炭素数1〜10の炭化水素基、nは1〜3の整数である。)および下記一般式(1)で表される窒素を含む複素環化合物
Figure 0003962544
(式中、R1は炭素数1〜6の炭化水素基、R2、R3、R4、R5は水素または炭素数1〜6の炭化水素基であり、R2とR3およびR4とR5のそれぞれ少なくとも一方は炭化水素基であり、R2とR3またはR4とR5は互いに連結して環を形成していてもよい。R6は水素または炭素数1〜6のアルキル基、アルキルオキシ基であり、R7は水素、炭素数1〜6のアルキル基、アルキルオキシ基である。)
からなる群から選ばれた少なくとも一種の電子供与性化合物
からなるオレフィン重合触媒の存在下に、ポリプロピレンセグメントを重合し、該ポリプロピレンセグメントの末端にポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合せしめることを特徴とするポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第3は、(3)電子供与性化合物の存在下に、(1)固体触媒成分と(2)有機金属化合物を予め接触させることを特徴とする本発明の第2に記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第4は、(1)チタンおよびハロゲン、又は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンからなる固体触媒成分、
及び(2)有機金属化合物
からなるオレフィン重合触媒の存在下にポリプロピレンセグメントを重合した後、
(3)本発明の第2に記載の電子供与性化合物
を添加して、該ポリプロピレンセグメントの末端にポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合せしめることを特徴とするポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第5は、(1)固体触媒成分及び(2)有機金属化合物を予め接触させることを特徴とする本発明の第4に記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第6は、有機金属化合物が、異なる2種以上の有機金属化合物RAlCl3−n(ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又は炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、nは1〜3の整数又は半整数である。)からなることを特徴とする本発明の第1〜5のいずれかに記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第7は、重合領域a及びその下流に重合領域bを有する管型連続重合反応器を使用して、重合領域aにおいてポリプロピレンセグメントを重合し、得られたポリプロピレンセグメントの末端に重合領域bにおいてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合することを特徴とする本発明の第1〜6のいずれかに記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第8は、重合領域a及び重合領域bにおける滞留時間が、それぞれ0.01秒〜15分間であることを特徴とする本発明の第7に記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第9は、管型連続重合反応器による反応がプラグフロー式に行われることを特徴とする本発明の第7に記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第10は、重量平均分子量が10万以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第11は、ノルマルヘプタン抽出率が20重量%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
本発明の第12は、触媒に起因する無機物含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法を提供する。
発明を実施するための最良の形態
本発明では、ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)で表されるブロックコポリマー中のポリプロピレン部分(ポリプロピレン−で示される部分)をポリプロピレンセグメントといい、コポリマー部分(−ポリ(エチレン−co−プロピレン)で示される部分)をポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントという。
なお、従来のプロピレン単独重合体をポリプロピレンといい、エチレン−プロピレン共重合体をポリ(エチレン−co−プロピレン)という。
上記ポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントはランダム共重合体であってもブロック共重合体であっても、両者が混在してもよい。
本発明では、ポリプロピレンセグメントとポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントとが化学的に結合(共有結合)した真のブロック共重合体をポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)といい、用語に混乱を生じない範囲で、単にブロックコポリマーと略称する。
また、ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法と言う場合には、ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)を含む生成ポリマー全体の製造方法をいう。したがって、ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)と言う場合には、通常、生成ポリマー全体のことをいう。
本発明で得られるポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)はそれ自身、耐衝撃性に優れており成形材料に用いられる他、結晶性ポリオレフィンと非晶性ポリオレフィンとの相溶化剤、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの改質剤として有用な特性を示す。この場合、ポリプロピレンセグメントの構造は結晶性のアイソタクチック化度の高いものが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
また、本発明ではブロックコポリマーを合成する際、重合条件を制御することによりポリプロピレン及び/又はポリ(エチレン−co−プロピレン)を共存させることも可能である。
本発明では、ポリプロピレンセグメント、ポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントの各々の長さ、比率、あるいはポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメント中のエチレン含有率等は所望の物性の範囲において選択することができる。
本発明では、ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)を製造する触媒として(1)チタンおよびハロゲン、又はチタン、マグネシウムおよびハロゲンからなる固体触媒成分及び(2)少なくとも一種以上の有機金属化合物、及び必要に応じて加えられる(3)電子供与性化合物からなるオレフィン重合触媒を使用する。
固体触媒成分(1)としては、例えば、四塩化チタンを塩化マグネシウムに担持した触媒や、三塩化チタン触媒など、各種のものを用ることができる。
有機金属化合物(2)としては、RAlCl3−n(ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又は炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、好ましくは1〜8のアルキル基、nは1〜3の整数又は半整数であり、半整数は好ましくは1.5(セスキ)である。)を使用することができる。
具体的には、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−iso−ブチルアルミニウム、トリシクロペンチルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロリド、ジ−iso−ブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド;エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライドなどが挙げられる。
有機金属化合物(2)としては、上記有機金属化合物の異なる2種以上を使用することができる。
中でもトリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリド、トリ−iso−ブチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリド、トリエチルアルミニウムとエチルアルミニウムセスキクロリド等の異なる2種類の有機金属化合物の混合使用;トリエチルアルミニウムとトリ−iso−ブチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリド等の異なる3種類の有機金属化合物の混合使用等が好ましい。
異なる2種以上の有機金属化合物の比率は各成分が1〜99モル%、好ましくは10〜90モル%、さらに好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは30〜70モル%である。但し異なる2種以上の有機金属化合物の合計は100モル%である。
電子供与性化合物(3)はドナーともいわれ、具体的には下記の有機ケイ素化合物、下記の複素環化合物、エーテル類、エステル類、これらの混合物等が挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、RSi(OR’)4−n(ここで、RおよびR’は同種又は異種の炭素数1〜10の炭化水素基、nは1〜3の整数である。)を使用することができる。
上記一般式で表される有機ケイ素化合物において、置換基Rとしてはメチル基、エチル基、ビニル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、シクロペンチル基、各種ヘキシル基、シクロヘキシル基、各種ヘプチル基、シクロヘプチル基、各種オクチル基、シクロオクチル基、各種ノニル基、シクロノニル基、各種デシル基、シクロデシル基、フェニル基、各種置換フェニル基等が挙げられる。
置換基OR’としてはメトキシ基、エトキシ基、ビニルオキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、アリルオキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、各種ペントキシ基、シクロペントキシ基、各種ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、各種ヘプトキシ基、シクロヘプトキシ基、各種オクトキシ基、シクロオクトキシ基、各種ノニルオキシ基、シクロノニルオキシ基、各種デシルオキシ基、シクロデシルオキシ基、フェニルオキシ基、各種置換フェニルオキシ基等が挙げられる。
より具体的には、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジノルマルプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジノルマルブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
複素環化合物としては、前記一般式(1)で示される窒素をヘテロ原子とする複素環化合物が使用される。
一般式(1)で、窒素原子には、R6として水素、または、炭素数1〜6のアルキル基、アルキルオキシ基などの置換基が置換していてもよい。
R1は炭素数1〜6の炭化水素基であり複素環を形成する。R2、R3、R4、R5は水素または炭素数1〜6の炭化水素基であり、R2とR3においては、それぞれ少なくとも一方は炭化水素基であり、R4とR5もそれぞれ少なくとも一方は炭化水素基である。R2とR3またはR4とR5は互いに連結して環を形成していてもよい。
複素環には置換基R7が置換していてもよい。R7は水素、炭素数1〜6のアルキル基、アルキルオキシ基である。
具体的には、例えば、下記一般式(2)なる骨格を有する化合物を例示することができる。
Figure 0003962544
(式中、R2、R3、R4、R5は水素または炭素数1〜6の炭化水素基であり、R2とR3およびR4とR5のそれぞれ少なくとも一方は炭化水素基であり、R2とR3またはR4とR5は互いに連結して環を形成していてもよい。R6は水素または炭素数1〜6のアルキル基、アルキルオキシ基であり、R7は水素、炭素数1〜6のアルキル基、アルキルオキシ基である。)
より具体的には、2,6−ジメチルピペリジン、2,6−ジイソブチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラエチルピペリジン、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの2,6−置換ピペリジン類、2,5−ジメチルピロリジン、2,5−ジイソプロピルピロリジン、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン、N−メチル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン、N−エチル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジンなどの2,5−置換ピロリジンが挙げられる。
電子供与性化合物の固体触媒への添加量は、例えば、電子供与性化合物/Tiのモル比0.05〜200で添加することができるが、この範囲内で、電子供与性化合物を、接触処理の際に全量添加しても、他の成分に分割添加しても、ポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメント重合時に添加してもよい。
すなわち、予備処理時及び/又は重合時に加えられる電子供与性化合物の重量は、電子供与性化合物中の電子供与性原子または基M(例えば、有機ケイ素化合物ではSi、窒素を含む複素環化合物のN)と固体触媒成分に含まれるTiのモル比(M/Ti)では、0.05〜200、好ましくは0.5〜100である。
なお、上記電子供与性化合物/Tiの比率は、正確にはモル/グラム原子比というべきであるが、便宜上モル比という。また、Al/Ti比、Si/Ti比、N/Ti比等もグラム原子比というべきであるが、便宜上モル比という。
電子供与性化合物(3)はポリプロピレンセグメントが重合される場合には添加せず、ポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントが重合される際に添加するようにしてもよい。この場合、固体触媒成分(1)と有機金属化合物(2)は予め接触処理を行っても、行わないでもよい。
さらには、固体触媒成分(1)と有機金属化合物(2)と電子供与性化合物(3)の一部の存在下にポリプロピレンセグメントを重合した後、ポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを結合して重合する際にも残りの電子供与性化合物(3)を添加することができる。
電子供与性化合物(3)の添加は、上記固体触媒成分と有機金属化合物を予め接触させる場合に、電子供与性化合物(3)を共存させて接触処理することもできるし、固体触媒成分と有機金属化合物を接触させた後添加することもできる。
このような固体触媒成分(1)と有機金属化合物(2)と電子供与性化合物(3)の存在下にポリプロピレンセグメントを重合することができる。
また、電子供与性化合物(3)は混合物でもよく、またポリプロピレンセグメントを重合する場合と、ポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合する場合と異なる種類のものを使用することもできる。
上記固体触媒成分、有機金属化合物にはその他、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、ニッケル、バナジウム及びこれらの化合物を添加することが可能である。
固体触媒成分(1)と有機金属化合物(2)は予め接触処理を行っても、行わないでもよい。
はじめに、重合に使用する前に上記固体触媒成分と有機金属化合物を予め接触させる場合について説明する。
予備処理方法
固体触媒成分と有機金属化合物は、固体触媒成分中のTiと有機金属化合物であるアルキルアルミニウム中のAlのモル比(Al/Ti比)が0.1〜200、好ましくは1〜50になるように使用される。
固体触媒成分と有機金属化合物を予め接触処理する場合には、Al/Ti比が前記と同じく0.1〜200、好ましくは1〜50になるように混合され接触される。
2種類以上のアルキルアルミニウムを使用する場合には、固体触媒成分中のTiと全Alのモル比が上記範囲内である。
固体触媒成分は一部が、好ましくは全量が、助触媒として用いられる有機金属化合物の一部又は全量と接触処理される。有機金属の一部を接触処理時に添加した場合には、残部は単独であるいは原料単量体と混合されて重合系に加えられる。
2種類以上のアルキルアルミニウムを使用する場合には、全種類を混合して接触させてもよいし、一部の種類を混合して接触させてもよい。
固体触媒成分と有機金属化合物の接触は、固体触媒成分と液体である有機金属化合物を混合して行ってもよいが、好ましくは、固体触媒成分と有機金属化合物の少なくとも一方を重合不活性な溶媒を使用して懸濁溶液又は均一溶液にしておき、両者を混合させて行うことができる。
上記重合不活性な溶媒としては、後述の重合溶媒が使用できる。
混合には、撹拌機付き混合槽、ラインミキサー、振動型撹拌機、超音波撹拌機、粉砕混合機等を使用することができる。
接触処理条件としては、温度は0〜100℃、好ましくは5〜70℃、時間は0.05秒〜48時間、好ましくは0.3秒〜24時間、圧力は減圧でも常圧でも加圧でもよく、特に限定されるものではない。接触雰囲気は触媒が失活しないような条件であれば特に限定されないが、例えば、乾燥高純度窒素等のイナートガスの雰囲気下が好ましい。
電子供与性化合物は、固体触媒成分(1)と有機金属化合物(2)を予め接触処理する場合には、接触させる際に加えてもよいし、接触させる際に加えずに固体触媒成分(1)、有機金属化合物(2)及び/又はエチレン、プロピレン、エチレン−プロピレン混合原料等に添加してもよい。
次に、固体触媒成分(1)と有機金属化合物(2)を予め接触処理させない場合について説明する。
予め接触処理を行わない場合には、電子供与性化合物(3)は、固体触媒成分(1)、有機金属化合物(2)及び/又はエチレン、プロピレン、エチレン−プロピレン混合原料(混合原料の代わりにエチレンのみでは、未反応プロピレンとエチレンの混合物が反応器中で形成される)に添加される。
以下に、本発明の各種態様を纏めて示す。
(A)予備接触有り
(a)固体触媒と有機金属化合物のみ使用:固体触媒と有機金属化合物を予備接触させて、ポリプロピレンセグメントを重合し続いてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合する。
(b)固体触媒と有機金属化合物と電子供与性化合物使用:電子供与性化合物存在下に、固体触媒と有機金属化合物を予備接触させて、ポリプロピレンセグメントを重合し、続いてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合する。
(b’)固体触媒と有機金属化合物と電子供与性化合物使用:電子供与性化合物不存在下に、固体触媒と有機金属化合物を予備接触させて、電子供与性化合物を添加してポリプロピレンセグメントを重合し、続いてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合する。
(b”)固体触媒と有機金属化合物と電子供与性化合物使用:電子供与性化合物不存在下に、固体触媒と有機金属化合物を予備接触させて、ポリプロピレンセグメントを重合し、続いて電子供与性化合物を添加してポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合する。
(B)予備接触なし
(c)固体触媒と有機金属化合物のみ使用:固体触媒と異なる二種以上の有機金属化合物の存在下に、ポリプロピレンセグメントを重合し続いてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合する。
(d)固体触媒と有機金属化合物と電子供与性化合物使用:固体触媒と有機金属化合物と電子供与性化合物存在下にポリプロピレンセグメントを重合し、続いてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合する。
(d’)固体触媒と有機金属化合物と電子供与性化合物使用:固体触媒と有機金属化合物と電子供与性化合物存在下に、ポリプロピレンセグメントを重合し、続いて電子供与性化合物を添加してポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合する。
なお、上記で有機金属化合物は、(c)で異なる2種以上の有機金属化合物と記載したが、(c)以外にも異なる2種以上のものを使用することもできる。
本発明の重合方法の一例を図面をもって説明する。第1図はその重合方法の説明図である。第1図において、A、B、C、Dは容器であり、a、bは管型連続重合反応器の重合領域を示す。
管型連続重合反応器としては、後述する滞留時間内に、反応原料が供給され、反応が行われ、反応マスが反応器外に排出されるようなものであればよく、管の長さ/直径比等は特に限定されない。管型連続重合反応器による反応は、プラグフロー的であることが好ましく、滞留時間内に反応が行われ、反応マスが反応器外に排出される範囲内において、反応管内にはバッフル等を設けて撹拌効果を向上させることは可能であり、本発明はこれらの形態をもプラグフロー的の表現に含む。
容器Aには固体触媒成分、有機金属、例えばアルキルアルミニウム、又はこれらを予め接触処理した触媒成分、電子供与性化合物及び溶媒を入れる。
2種以上の有機金属化合物を使用する場合には、容器Aには固体触媒成分、2種以上の有機金属の混合物、又はこれらを予め接触処理した触媒成分、必要により電子供与性化合物及び溶媒を入れる。
なお、容器A中のTiと容器A及びB中の合計のAlのモル比(Al/Ti比)は、前記のように0.1〜200、好ましくは1〜50になるように使用される。
容器Bにはアルキルアルミニウム及び溶媒を入れ、プロピレンを溶解させるが、必要により電子供与性化合物を加えることもできる。
ここでアルキルアルミニウムの量は、特に限定されるものではないが、容器A中のTiに対して容器B中のアルキルアルミニウムはAl/Tiモル比(Al/Ti比)で1〜1,000倍、好ましくは30〜500倍である。
容器Cには溶媒を入れ、エチレンあるいはエチレンとプロピレンの混合物を溶解させるが、必要により電子供与性化合物を加えることもできる。特にコポリマーセグメントを重合させる際にのみ電子供与性化合物を加えることもできる。
第1段階において容器Aの流出液と容器Bの流出液とを合流させ、重合領域aでポリプロピレンセグメントを重合する。続いて、容器Cの流出液を重合領域bに導入する。重合領域bでは、重合領域aで合成されたポリプロピレンセグメントの末端に化学的に結合したポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントが生成する。
重合領域bからの流出液はアルコールの収容されている容器Dに導かれ、重合が停止される。その後、反応マスから溶媒、アルコール等を分離し、得られた固体のブロックコポリマーを洗浄、乾燥して、目的とするポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)を得ることができる。
ブロックコポリマーの組成は、重合領域aあるいは重合領域bの長さと流出液の流速(即ち重合反応時間)、容器Bに溶解させるプロピレン及び/又は容器Cに溶解させるエチレンあるいはエチレンとプロピレンの混合物の量を変化させることによって制御することができる。
また、ポリプロピレンセグメントを重合し、続いてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合させる際に、それぞれのセグメントの重合時間を変化させることにより、各セグメントのブロック鎖長を変化させることができる。
さらに、重合領域bの後流で容器Dまでとの間にトルエン等の炭化水素溶媒を収容した容器C’(図示せず)を設けて、ポリマーの触媒活性が持続する状態で反応マスから残存するプロピレン及び/又はエチレンモノマーを分離し、容器Dの後流に新たに重合領域c(図示せず)を設けて、得られた原ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の末端に、さらにポリプロピレンセグメントを重合させたり、そのポリプロピレンセグメントに続けてさらにポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合させたりすることができる。あるいは、得られた原ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の末端に、さらに組成の異なるポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合させたりすることができる。
このように、単独重合体重合工程、共重合体重合工程を2度以上繰り返して行うことも可能であり、更には繰り返す際の重合時間を長時間(1〜2時間程度)とすることも、共重合組成を変えることも可能である。
上記溶媒(重合溶媒)は特に制限はなく、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、液化プロピレン、液化プロパン、液化イソブタン等の低沸点炭化水素等が用いられるが特に限定されるものではない。
なお、本発明では溶媒を使用せずに気相重合を行わせることもできる。
また、ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の重合温度は−20℃〜200℃、好ましくは0〜70℃であり、重合圧力は1〜40atm、好ましくは3〜30atmであり、重合時間は0.02秒〜30分、好ましくは0.3秒〜2分であるが、特に限定されるものではない。
上記をさらに各セグメントを重合する領域別に検討すると、ポリプロピレンセグメントを重合する領域(第1図におけるa)では、重合のための滞留時間は0.01秒〜15分、好ましくは0.15秒〜2.5分であり、ポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを重合する領域(第1図におけるb)では、重合のための滞留時間は0.01秒〜15分、好ましくは0.15秒〜2.5分である。
ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の分子量を高くするには、ポリプロピレンセグメントの重合度を高くする方法及び/又はポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントの重合度を高くする方法がある。
外部ドナーとして前記電子供与性化合物(3)のTiに対する使用量は、M/Tiモル比が0.05〜200、好ましくは0.5〜100であるが、この範囲内では外部ドナーの量を増加すると分子量が増加する。
外部ドナーとして前記電子供与性化合物(3)を使用すると、得られたポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の重量平均分子量の範囲は10万〜60万、さらに15万〜50万のものが得られる。重量平均分子量が10万以上では機械的強度が十分である。しかし、60万を超えると溶融時の流動性が悪く加工性が低下する。
この他に、分子量を高くするには、滞留時間を長くすること、重合温度を上昇させること等を行うこともできる。
ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)のノルマルヘプタン抽出率を低下させるには、高分子量化の場合と同様に、外部ドナーとして電子供与性化合物(3)のTiに対する使用量を、M/Tiモル比が0.05〜200、好ましくは0.5〜100の範囲内で、増加させる。この方法で得られるポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)のノルマルヘプタン抽出率の範囲は0〜20重量%であり、さらに0〜10重量%のものも得られる。ノルマルヘプタン抽出率が20重量%を超えて、重合器壁面への付着及び閉塞を生じるおそれがなくなる。
この他に、ノルマルヘプタン抽出率を低下させるには、重合温度を低下させて行うこともできる。
ポリプロピレンセグメントとポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントとが化学結合を有する真のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)が生成していることは、本発明者が開示している特開平8−92338号公報記載のノルマルヘプタン室温抽出方法を用いて得られた各種ポリマーを抽出処理することにより確認した。すなわち、本発明で得られたポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の抽出率と、容器A及びBからの流出液を重合領域aのみで重合を行って得られたポリプロピレン及び、容器AおよびCからの流出液を重合領域bのみで重合を行って得られたポリ(エチレン−co−プロピレン)との混合物の抽出率とを比較することにより確認した。
得られたポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の重量平均分子量(Mw)はGPCによって測定した。
エチレン含有量(重量%)については、エチレン含有率が既知の各種の重合タイプのコポリマー、及びポリプロピレンとポリエチレンとの種々の混合比のサンプルを使用して、赤外線吸収(IR)スペクトル法及び核磁気共鳴(NMR)スペクトル法による、重合タイプ、エチレン含有率別の多数の検量線を作成して、上記検量線の適切なものを使用して、常法の吸収帯を使用して面積吸光度、又は線吸収度によりエチレン含有率を測定した。
コポリマー部のエチレン含有率(EL:重量%)は次式により換算する。
EL(重量%)=全エチレン含有率(重量%)×100/CO含有率
(上式でCO含有率(重量%)はコポリマー部重合量×100/(ポリプロピレン部の重合量+コポリマー部重合量)で表される。)
なお、ポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメント含有量(CO含有率)は、ブロックコポリマーを全量回収した値より、重合管aにて生成したポリプロピレン部(コントロールとしてポリプロピレンの単独重合を同一条件にて実施した値。)を差し引くことにより算出した。あるいはCO含有率は、試料の単位重量当たりのポリプロピレンセグメント部の融解潜熱量を、アイソタクチックポリプロピレンのみの融解潜熱量(113J/g)と比較しても得られる。ただし、全エチレン含有率によっても、ポリマーの種類によっても検量線が異なるので、上記全エチレン含有率の測定と同様に、全エチレン含有率の範囲毎、重合の種類毎により多数の検量線を用意しておき、場合によっては試料を溶剤分離して、抽出分、残分について測定し、求めることもできる。
上記ポリプロピレンセグメント部の融解潜熱量の測定方法は下記による。
装置:DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)
昇温速度10℃/分で200℃迄昇温し、10分間保持した後、降温速度10℃/分で−100℃まで降温し、10分間保持して、熱履歴を一定にした後、10℃/分で200℃迄昇温し融解曲線を得て、温度130〜175℃迄のピークをポリプロピレンセグメント部の融解潜熱量とした。
得られたポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)のノルマルヘプタン抽出率は、生成物の乾燥パウダー0.6gを、常圧下に、24時間、ノルマルヘプタン50mlによりソックスレー抽出を行い、抽出原料パウダーに対する抽出物の重量%として求めた。
実施例
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、容器Aは容量3リットルのウォータージャケット付きステンレス製、容器Bは容量3リットルのウォータージャケット付きステンレス製、容器Cは容量3リットルのウォータージャケット付きステンレス製、容器Dは容量10リットルのウォータージャケット付きステンレス製である。
[I]初めに電子供与性化合物の添加無し、固体触媒と有機金属化合物の予備接触有りについて示す。
[実施例I−1]
予備処理:容器Aにトルエン1リットル、チタン担持型塩素含有マグネシウム触媒(Ti担持型Mg触媒と略す)35g(東邦チタニウム(株)社製「THC−C触媒」、以下同様))、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液30ml(60mmol)(東ソーアクゾ(株)社製)を収容し、撹拌機を使用して750rpmで回転し、30℃で3分間、予め混合接触させた。このときのAl/Tiモル比は3である。
重合:容器Bにはトルエン200ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液240ml(480mmol)およびプロピレン300g(7.1mol)を収容し、容器Cにはトルエン900ml、エチレン15g(0.5mol)およびプロピレン35g(0.8mol)を収容し、容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール5リットルを収容し、温度を15℃に保った。
さらに、重合領域aおよびbの温度を25℃に保ち、それぞれの領域における反応マスの滞留時間が0.3秒になるように容器A〜Cを窒素で加圧し、重合を行い、容器Aの触媒(固体触媒のこと、以下同様。)を20g〜25g流出させた時点で重合を終了させた。
重合終了後、容器Dより反応マスを抜き出し、35%塩酸溶液100mlを加え、24時間撹拌した後、生成ポリマーを濾過し、イソプロピルアルコール1リットルで3回、ついで1リットルのイオン交換水で3回洗浄後、濾過し、60℃で8時間減圧乾燥して目的とするブロックコポリマーのパウダーを19.5g得た。
このときのポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメント含量は64.1wt%、エチレン含量は33.5wt%であった。得られたブロックコポリマーの1秒当たりの触媒活性は1.5g/g−触媒(固体触媒の意味であり、以下同様。)、ノルマルヘプタン抽出率は23wt%となり、一部のポリマーが抽出されているものの殆どのポリマーが残存している。抽出された成分はポリ(エチレン−co−プロピレン)であった。
また、得られたブロックポリマーパウダーの重量平均分子量は94,000であった。
また、得られたブロックポリマーパウダー中の残存無機物は90重量ppm(wtppm)であった。
これに対して、ブランクとなる混合物(ポリプロピレン(容器Bのプロピレンをa重合領域のみで重合させて得られたもの):40wt%、ポリ(エチレン−co−プロピレン)(容器Cのエチレン、プロピレン混合物をb重合領域のみで重合させて得られたもの):60wt%)のノルマルヘプタン抽出率は57wt%であり、ほぼポリ(エチレン−co−プロピレン)が抽出され、ポリプロピレンのみが残存していることが判る。
[実施例I−2]
実施例I−1において、予備処理の際のAl/Ti比を1で行い、容器Bのトリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液を260ml(520mmol)を収容して行った以外は実施例I−1と同様の操作を行った。得られたブロックコポリマーの収量は17.6g、このときのポリ(エチレン−co−プロピレン)含量は68.8wt%、エチレン含量は31.9wt%、1秒当たりの触媒活性は1.4g/g−触媒、ノルマルヘプタン抽出率は26wt%であった。
また、得られたブロックポリマーパウダーの重量平均分子量は86,000であった。
[実施例I−3]
実施例I−1において、予備処理の際のAl/Ti比を30で行い、容器Bにトリエチルアルミニウムを収容しなかった以外は実施例I−1と同様の操作を行った。得られたブロックコポリマーの収量は15.6g、このときのこのときのポリ(エチレン−co−プロピレン)含量は68.0wt%、エチレン含量は32.0wt%、1秒当たりの触媒活性は1.2g/g−触媒、ノルマルヘプタン抽出率は25wt%であった。
また、得られたブロックポリマーパウダーの重量平均分子量は90,000であった。
[実施例I−4]
実施例I−1において、重合領域aおよびbの滞留時間がそれぞれ0.4秒になるように窒素で加圧し重合を行った以外は同様の操作を行った。得られたブロックコポリマーの収量は27.3g、このときのポリ(エチレン−co−プロピレン)含量は75.4wt%、エチレン含量は27.0wt%、1秒当たりの触媒活性は1.5g/g−触媒、ノルマルヘプタン抽出率は25wt%であった。
[実施例I−5]
実施例I−1において、重合領域aおよびbの重合温度をそれぞれ50℃にした以外は同様の操作を行った。得られたブロックコポリマーの収量は20.9g、このときのポリ(エチレン−co−プロピレン)含量は74.7wt%、エチレン含量は42.4wt%、1秒当たりの触媒活性は1.5g/g−触媒、ノルマルヘプタン抽出率は28wt%であった。
[実施例I−6]
実施例I−1において、重合温度を20℃にした以外は同様の操作を行った。得られたブロックコポリマーの収量は18.6g、このときのポリ(エチレン−co−プロピレン)含量は73.4wt%、エチレン含量は49.1wt%、1秒当たりの触媒活性は1.2g/g−触媒、ノルマルヘプタン抽出率は20wt%であった。
[比較例1](外部ドナー不使用、予め接触無し)
容器Aにトルエン1リットル、Ti担持型Mg触媒35gおよびプロピレン150g(3.6mol)を収容し、容器Bにはトルエン500ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液270ml(東ソーアクゾ(株)社製)およびプロピレン150g(3.6mol)を収容し、容器Cにはトルエン900ml、エチレン15g(0.5mol)およびプロピレン35g(0.8mol)を収容し、容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール5リットルを収容し、温度を15℃に保った。
以上のようにして実施例I−1と同様の操作を行った。得られたブロックコポリマーの収量は2.2g、このときのポリ(エチレン−co−プロピレン)含量は62.5wt%、エチレン含量は23.9wt%、重量平均分子量は92,000、1秒当たりの触媒活性は、0.15g/g−触媒、ノルマルヘプタン抽出率は25wt%であった。
[比較例2]
容器Aにトルエン1リットル、Ti担持型Mg触媒35gを収容し、容器Bにトルエン200ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液270ml(東ソーアクゾ(株)社製)およびプロピレン300g(7.1mol)を収容し、容器Cにはトルエン900ml、エチレン15g(0.5mol)およびプロピレン35g(0.8mol)を収容し、容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール5リットルを収容し、温度を15℃に保った。
さらに、重合領域aおよびbの温度を25℃に保ち、それぞれの領域における反応マスの滞留時間が0.3秒になるように容器A〜Cを窒素で加圧し、重合を行い、容器Aの触媒を20g〜25g流出させた時点で重合を終了させた。
得られたブロックコポリマーの収量は2.0g、このときのポリ(エチレン−co−プロピレン)含量は63.7wt%、エチレン含量は24.6wt%、重量平均分子量は89,000、1秒当たりの触媒活性は、0.15g/g−触媒、ノルマルヘプタン抽出率は25wt%であった。
また、得られたブロックポリマーパウダー中の残存無機物は392重量ppmであった。
上記実施例及び比較例の結果を表1に示す。
Figure 0003962544
[II]次に、二種以上の有機金属を使用する場合(一部電子吸引性化合物使用の例を含む)について示す。
[実施例II−1](外部ドナー存在下固体触媒と有機金属を予め接触)
予備処理:容器Aにトルエン1リットル、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液15ml(東ソーアクゾ(株)社製)、ジエチルアルミニウムクロライド2mol/リットルトルエン溶液15ml(東ソーアクゾ(株)社製)を加え、次いで有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシラン3.5g(0.02mol)(チッソ(株)社製)、Ti担持型Mg触媒35gを収容し、30℃で3分間予め混合接触させた。このときのAl/Tiモル比は3、Si/Tiモル比は1である。
重合:容器Bにはトルエン200ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液120ml、ジエチルアルミニウムクロライド2mol/リットルトルエン溶液120ml及びプロピレン300g(7.1mol)を収容し、容器Cにはトルエン900ml、エチレン15g(0.5mol)及びプロピレン35g(0.8mol)を収容し、容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール10リットルを収容し、温度を15℃に保った。
さらに、重合領域aおよびbの温度を25℃に保ち、それぞれの領域における反応マスの滞留時間が0.3秒になるように容器A〜Cを窒素で加圧し、重合を行い、容器Aの触媒を20g〜25g流出させた時点で重合を終了させた。
重合終了後、容器Dより生成物を抜き出し、35%塩酸溶液100mlを加え、24時間撹拌した後、生成ポリマーを濾過し、イソプロピルアルコール1リットルで3回、ついで1リットルのイオン交換水で3回洗浄後、濾過し、60℃で8時間減圧乾燥して目的とするブロックコポリマーのパウダーを得た。
結果を表2に示す。
[実施例II−2]
容器Bに、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液240mlを収容した以外は実施例II−1と同様に行った。結果を表2に示す。
[実施例II−3]
容器Bに、ジエチルアルミニウムクロライド2mol/リットルトルエン溶液240mlを収容した以外は実施例II−1と同様に行った。結果を表2に示す。
[実施例II−4](外部ドナー無添加、固体触媒と有機金属を予め接触)
容器Aに、ジイソプロピルジメトキシシラン(外部ドナー)を添加しなかった以外は実施例II−1と同様に行った。結果を表2に示す。
[実施例II−5](外部ドナー無添加、固体触媒と有機金属は予め接触させず)
容器Aに、プロピレンを3.6mol収容し、ジイソプロピルジメトキシシラン(外部ドナー)を添加せず、固体触媒と有機金属を予め接触させず、容器Aの有機金属を容器Bに加え、容器Bにプロピレンを3.6mol収容した以外は実施例II−1と同様に行った。結果を表2に示す。
[実施例II−6](外部ドナー無添加、固体触媒と有機金属は予め接触)
容器Aに、ジイソプロピルジメトキシシラン(外部ドナー)を添加せず、固体触媒と有機金属を予め接触させず、容器Aの有機金属を容器Bに加えた以外は実施例II−1と同様に行った。結果を表2に示す。
Figure 0003962544
この結果、実施例II−1〜3と実施例I−1の比較から分かるように、電子供与性化合物(外部ドナー)あり、予備接触ありの場合には、2種類の異なる有機金属を使用した方が、さらに活性は向上し、無機物含有量が低くなる。
また、実施例II−4と実施例I−1の比較から分かるように、電子供与性化合物(外部ドナー)あり、予備接触なしの場合にも、2種類の異なる有機金属を使用した方が、活性は大幅に向上し、無機物含有量が低くなる。
また、実施例II−5及びII−6と比較例1、2から分かるように、電子供与性化合物(外部ドナー)なし、予備接触なしの場合には、2種類の異なる有機金属を使用した方が、活性は低いながらも向上し、無機物含有量が高いながらも改善される。
[III]以下に、電子供与性化合物として有機ケイ素化合物を使用した例を示す(但し、有機金属化合物は一種類である)。
[実施例III−1](外部ドナー存在下固体触媒と有機金属を予め接触)
予備処理:容器Aにトルエン1リットル、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液30ml(東ソーアクゾ(株)社製)、有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシラン3.5g(0.02mol)(チッソ(株)社製)、Ti担持型Mg触媒35gを収容し、30℃で3分間予め混合接触させた。このときのAl/Tiモル比は3、Si/Tiモル比は1である。
重合:容器Bにはトルエン200ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液240ml及びプロピレン300g(7.1mol)を収容し、容器Cにはトルエン900ml、エチレン15g(0.5mol)及びプロピレン35g(0.8mol)を収容し、容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール5リットルを収容し、温度を15℃に保った。
さらに、重合領域aおよびbの温度を25℃に保ち、それぞれの領域における反応マスの滞留時間が0.3秒になるように容器A〜Cを窒素で加圧し、重合を行い、容器Aの触媒を20g〜25g流出させた時点で重合を終了させた。
重合終了後、容器Dより生成物を抜き出し、35%塩酸溶液100mlを加え、24時間撹拌した後、生成ポリマーを濾過し、イソプロピルアルコール1リットルで3回、ついで1リットルのイオン交換水で3回洗浄後、濾過し、60℃で8時間減圧乾燥して目的とするブロックコポリマーのパウダーを31.4g得た。
得られたブロックコポリマーの重量平均分子量は349,000、分子量分布は6.2であり、コポリマー含量は72.9wt%、エチレン含量は29.4wt%、ノルマルヘプタン抽出率は9wt%であり、反応器の壁面への付着および閉塞は起こらなかった。得られたブロックコポリマーの1秒当たりの触媒活性は2.6g/g−触媒であった。
[実施例III−2]
ジイソプロピルジメトキシシランの添加量を35g(0.2mol)、Si/Tiモル比を10で行った以外は実施例III−1と同様の操作を行った。得られたブロックコポリマーの収量は13.1g、このときのコポリマー含量の含量は69.0wt%、エチレン含量は17.6wt%であり、重量平均分子量は401,000、分子量分布は6.2、ノルマルヘプタン抽出率は8wt%であり、反応器の壁面への付着および閉塞は起こらなかった。
[実施例III−3]
ジイソプロピルジメトキシシランの添加量を70g(0.4mol)、Si/Tiモル比を20で行った以外は実施例III−1と同様の操作を行った。得られたブロックコポリマーの収量は11.3g、このときのコポリマー含量は44.9wt%、エチレン含量は41.3wt%であり、重量平均分子量は442,000、分子量分布は5.1、ノルマルヘプタン抽出率は9wt%であり、反応器の壁面への付着および閉塞は起こらなかった。
[実施例III−4]
反応領域a及びbの滞留時間を0.4秒にした他は、実施例III−1と同様に行った。
得られたブロックコポリマーの収量は41.9g、このときのコポリマー含量は69.7wt%、エチレン含量は27.3wt%であり、得られたブロックコポリマーの重量平均分子量は44.6万であり分子量分布は6.1、ノルマルヘプタン抽出率は8wt%であった。
[実施例III−5]
ジイソプロピルジメトキシシランの代わりにジイソブチルジメトキシシランを0.02mol加えた以外は実施例III−1と同様の操作を行った。
得られたブロックコポリマーの収量は25.1g、このときのコポリマー含量は76.2wt%、エチレン含量は32.5wt%であり、1秒当たりの触媒活性は2.0g/g−触媒であった。
[実施例III−6]
ジイソプロピルジメトキシシランの代わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.02molを加えた以外は実施例III−1と同様の操作を行った。
得られたブロックコポリマーの収量は22.4g、このときのコポリマー含量は77.2wt%、エチレン含量は30.4wt%であり、1秒当たりの触媒活性は1.8g/g−触媒であった。
[実施例III−7]
ジイソプロピルジメトキシシランの代わりにフェニルトリメトキシシシランを0.02mol加えた以外は実施例III−1と同様の操作を行った。
得られたブロックコポリマーの収量は20.2g、このときのコポリマー含量は70.0wt%、エチレン含量は27.3wt%であり、1秒当たりの触媒活性は1.7g/g−触媒であった。
[実施例III−8]
ジイソプロピルジメトキシシランの代わりにジフェニルジメトキシシランを0.02mol加えた以外は実施例III−1と同様の操作を行った。
得られたブロックコポリマーの収量は20.1g、このときのコポリマー含量は68.7wt%、エチレン含量は28.1wt%であり、1秒当たりの触媒活性は1.7g/g−触媒であった。
[実施例III−9](予め接触させず外部ドナー存在下重合)
容器Aにトルエン1リットル、Ti担持型Mg触媒35g、有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシラン3.5g(0.02mol)(チッソ(株)社製)、及びプロピレン150g(3.6mol)を収容し、容器Bにはトルエン500ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液270ml(東ソーアクゾ(株)社製)及びプロピレン150g(3.6mol)を収容し、容器Cにはトルエン900ml、エチレン15g(0.5mol)及びプロピレン35g(0.8mol)を収容し、容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール5リットルを収容し、温度を15℃に保った。
以上のようにして実施例III−1と同様の重合温度、滞留時間で重合を行った。得られたブロックコポリマーの収量は3.3g、このときのコポリマー含量は73.4wt%、エチレン含量は32.3wt%、1秒当たりの触媒活性は、0.25g/g−触媒であった。
[実施例III−10](予め接触させ、コポリマー部重合時に外部ドナー添加)
<予備処理> 容器Aにトルエン1リットル、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液30ml(東ソーアクゾ(株)社製)、Ti担持型Mg触媒35gを収容し、30℃で3分間、予め混合接触させた。このときのAl/Tiモル比は3である。
<重合> 容器Bにはトルエン200ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液240ml及びプロピレン300g(7.1mol)を収容し、容器Cにはトルエン900ml、有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシラン3.5g(0.02mol)(チッソ(株)社製)、エチレン15g(0.5mol)及びプロピレン35g(0.8mol)を収容し、Si/Tiモル比は1になるようにした。容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール5リットルを収容し、温度を15℃に保った。
さらに、重合領域aおよびbの温度を25℃に保ち、それぞれの領域における反応マスの滞留時間が0.3秒になるように容器A〜Cを窒素で加圧し、重合を行い、容器Aの触媒を20g〜25g流出させた時点で重合を終了させた。
重合終了後、容器Dより生成物を抜き出し、35%塩酸溶液を100mlを加え、24時間撹拌した後、生成ポリマーを濾過し、イソプロピルアルコール1リットルで3回、ついで1リットルのイオン交換水で3回洗浄後、濾過し、60℃で8時間減圧乾燥して目的とするブロックコポリマーのパウダーを23.4g得た。
このときのコポリマー含量は69.3wt%、エチレン含量は31.5wt%であった。得られたブロックコポリマーの1秒当たりの触媒活性は1.8g/g−触媒であった。
[実施例III−11](予め接触させ、プロピレン重合時に外部ドナー添加)<予備処理> 容器Aにトルエン1リットル、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液30ml(東ソーアクゾ(株)社製)、Ti担持型Mg触媒35gを収容し、30℃で3分間予め混合接触させた。このときのAl/Tiモル比は3である。
<重合> 容器Bにはトルエン200ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液240ml、有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシラン3.5g(0.02mol)(チッソ(株)社製)、及びプロピレン300g(7.1mol)を収容し、Si/Tiモル比は1になるようにした。容器Cにはトルエン900ml、エチレン15g(0.5mol)及びプロピレン35g(0.8mol)を収容した。容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール5リットルを収容し、温度を15℃に保った。
さらに、重合領域aおよびbの温度を25℃に保ち、それぞれの領域における反応マスの滞留時間が0.3秒になるように容器A〜Cを窒素で加圧し、重合を行い、容器Aの触媒を20g〜25g流出させた時点で重合を終了させた。
重合終了後、容器Dより生成物を抜き出し、35%塩酸溶液100mlを加え、24時間撹拌した後、生成ポリマーを濾過し、イソプロピルアルコール1リットルで3回、ついで1リットルのイオン交換水で3回洗浄後、濾過し、60℃で8時間減圧乾燥して目的とするブロックコポリマーのパウダーを24.4g得た。
このときのコポリマー含量は73.8wt%、エチレン含量は32.2wt%であった。得られたブロックコポリマーの1秒当たりの触媒活性は2.0g/g−触媒であった。
上記の結果をまとめて表3に示す。
Figure 0003962544
Figure 0003962544
[IV]以下に、電子供与性化合物として窒素を含む複素環化合物を使用した例を示す。
[実施例IV−1](外部ドナー存在下固体触媒と有機金属を予め接触)
<予備処理> 容器Aにトルエン1リットル、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液30ml(東ソーアクゾ(株)社製)、複素環化合物として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン2.8g(0.02mol)(東京化成工業(株)社製)、Ti担持型Mg触媒35gを収容し、30℃で3分間、予め混合接触させた。このときのAl/Tiモル比は3、N/Tiモル比は1である。
<重合> 容器Bにはトルエン200ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液240mlおよびプロピレン300g(7.1mol)を収容し、容器Cにはトルエン900ml、エチレン15g(0.5mol)およびプロピレン35g(0.8mol)を収容し、容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール5リットルを収容し、温度を15℃に保った。
さらに、重合領域aおよびbの温度を25℃に保ち、それぞれの領域における反応マスの滞留時間が0.3秒になるように容器A〜Cを窒素で加圧し、重合を行い、容器Aの触媒を20g〜25g流出させた時点で重合を終了させた。
重合終了後、容器Dより生成物を抜き出し、35%塩酸溶液100mlを加え、24時間撹拌した後、生成ポリマーを濾過し、イソプロピルアルコール1リットルで3回、ついで1リットルのイオン交換水で3回洗浄後、濾過し、60℃で8時間減圧乾燥して目的とするブロックコポリマーのパウダーを23.6g得た。
このときのコポリマー含量は77.5wt%、エチレン含量は37.6wt%、重量平均分子量は159,000、分子量分布は4.0であった。得られたブロックコポリマーの1秒当たりの触媒活性は1.9g/g−触媒であった。
[実施例IV−2]
実施例IV−1において、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを0.01mol(N/Ti=0.5モル比)加えた以外は同様の操作を行った。
得られたブロックコポリマーの収量は21.2g、このときのコポリマー含量は75.7wt%、エチレン含量は35.7wt%であり、1秒当たりの触媒活性は1.7g/g−触媒であった。
[実施例IV−3]
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの添加量を28g(0.2mol)、N/Tiモル比を10で行った以外は実施例IV−1と同様の操作を行った。
得られたブロックコポリマーの収量は7.4g、このときのコポリマー含量は81.9wt%、エチレン含量は42.7wt%であり、得られたブロックコポリマーの重量平均分子量は192,000であり分子量分布は4.1であった。
[実施例IV−4]
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの添加量を56g(0.4mol)、N/Ti比を20で行った以外は実施例IV−1と同様の操作を行った。
得られたブロックコポリマーの収量は6.2g、このときのコポリマー含量は79.7wt%、エチレン含量は39.7wt%であり、得られたブロックコポリマーの重量平均分子量は211,000であり分子量分布は4.5であった。
[実施例IV−5](予め接触させず外部ドナー存在下重合)
容器Aにトルエン1リットル、Ti担持型Mg触媒35g、複素環化合物として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン2.8g(0.02mol)(東京化成工業(株)社製)、およびプロピレン150g(3.6mol)を収容し、容器Bにはトルエン500ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液270ml(東ソーアクゾ(株)社製)およびプロピレン150g(3.6mol)を収容し、容器Cにはトルエン900ml、エチレン15g(0.5mol)およびプロピレン35g(0.8mol)を収容し、容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール5リットルを収容し、温度を15℃に保った。
以上のようにして実施例IV−1と同様の重合温度、滞留時間で重合を行った。得られたブロックコポリマーの収量は3.5g、このときのコポリマー含量は74.4wt%、エチレン含量は32.3wt%、1秒当たりの触媒活性は0.18g/g−触媒であった。
[実施例IV−6](予め接触させ、コポリマー部重合時に外部ドナー添加)
<予備処理> 容器Aにトルエン1リットル、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液30ml(東ソーアクゾ(株)社製)、Ti担持型Mg触媒35gを収容し、30℃で3分間、予め混合接触させた。このときのAl/Tiモル比は3である。
<重合> 容器Bにはトルエン200ml、トリエチルアルミニウム2mol/リットルトルエン溶液240mlおよびプロピレン300g(7.1mol)を収容し、容器Cにはトルエン900ml、複素環化合物として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン2.8g(0.02mol)(東京化成工業(株)社製)、エチレン15g(0.5mol)およびプロピレン35g(0.8mol)を収容し、N/Tiモル比は1になるようにした。容器B及びCの温度を30℃に保った。また、容器Dにはイソプロピルアルコール5リットルを収容し、温度を15℃に保った。
さらに、重合領域aおよびbの温度を25℃に保ち、それぞれの領域における反応マスの滞留時間が0.3秒になるように容器A〜Cを窒素で加圧し、重合を行い、容器Aの触媒を20g〜25g流出させた時点で重合を終了させた。
重合終了後、容器Dより生成物を抜き出し、35%塩酸溶液を100mlを加え、24時間撹拌した後、生成ポリマーを濾過し、イソプロピルアルコール1リットルで3回、ついで1リットルのイオン交換水で3回洗浄後、濾過し、60℃で8時間減圧乾燥して目的とするブロックコポリマーのパウダーを20.6g得た。
このときのコポリマー含量は75.3wt%、エチレン含量は35.3wt%であった。得られたブロックコポリマーの1秒当たりの触媒活性は1.6g/g−触媒であった。
[実施例IV−7]
反応領域a及びbの滞留時間を0.4秒にした他は、実施例IV−1と同様に行った。
得られたブロックコポリマーの収量は31.6g、このときのコポリマー含量は77.7wt%、エチレン含量は38.3wt%であり、得られたブロックコポリマーの重量平均分子量は208,000であり分子量分布は4.3であった。
上記の結果をまとめて表4に示す。
Figure 0003962544
産業上の利用可能性
本発明により、白化性、耐衝撃性に優れ、結晶性ポリオレフィンと非晶性ポリオレフィンとの相溶化剤、ポリプロピレンあるいはポリエチレンといったポリオレフィンの改質剤、成形材料として有用で、特に重量平均分子量100,000以上のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)が効率良く且つ無機物の残存が少ない状態で製造できる。したがって、得られた製品は品質低下が少なく、成形加工した場合にも、例えばフィッシュアイの少ないフィルムのような良好な成形品が得られる。また、ノルマルヘプタン抽出率が特に20wt%以下であるポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)が得られ、重合器壁面への付着及び閉塞を起こすことなくが効率良く製造できる。
本発明により、機械的強度、耐熱性のような各種物性および加工性が向上したブロックコポリマーを効率よく生産することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の重合方法を示すフローシートである。

Claims (8)

  1. (1)チタンおよびハロゲン、又は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンからなる固体触媒成分、及び
    (2) n AlCl 3-n (ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又は炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、nは1〜3の整数又は半整数である。)からなる有機アルミニウム化合物
    からなるオレフィン重合触媒の存在下に、ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)を製造する方法において、
    (1)固体触媒成分及び(2)有機アルミニウム化合物、接触処理条件:0〜100℃、0.05秒〜48時間、イナートガス雰囲気下で、予め接触させた後、
    プロピレンを0.01秒〜15分間重合させてポリプロピレンセグメントを
    該ポリプロピレンセグメントの末端にエチレン及びプロピレンを0.01秒〜15分間重合させてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを得ることを特徴とするポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法。
  2. (1)チタンおよびハロゲン、又は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンからなる固体触媒成分、
    (2) n AlCl 3-n (ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又は炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、nは1〜3の整数又は半整数である。)からなる有機アルミニウム化合物、及び
    (3)有機ケイ素化合物RnSi(OR')4-n(RおよびR'は同種又は異種の炭素数1〜10の炭化水素基、nは1〜3の整数である。)および下記一般式(1)で表される窒素を含む複素環化合物
    Figure 0003962544
    (式中、R1は炭素数1〜6の炭化水素基、R2、R3、R4、R5は水素または炭素数1〜6の炭化水素基であり、R2とR3およびR4とR5のそれぞれ少なくとも一方は炭化水素基であり、R2とR3またはR4とR5は互いに連結して環を形成していてもよい。R6は水素または炭素数1〜6のアルキル基、アルキルオキシ基であり、R7は水素、炭素数1〜6のアルキル基、アルキルオキシ基である。)
    からなる群から選ばれた少なくとも一種の電子供与性化合物
    からなるオレフィン重合触媒の存在下に、ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)を製造する方法において、
    (1)固体触媒成分と(2)有機アルミニウム化合物を、接触処理条件:0〜100℃、0.05秒〜48時間、イナートガス雰囲気下で、予め接触させ、
    プロピレンを0.01秒〜15分間重合させてポリプロピレンセグメントを
    該ポリプロピレンセグメントの末端にエチレン及びプロピレンを0.01秒〜15分間重合させてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを得ることを特徴とするポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法。
  3. (3)電子供与性化合物の存在下に、(1)固体触媒成分と(2)有機アルミニウム化合物を予め接触させることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法。
  4. (1)チタンおよびハロゲン、又は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンからなる固体触媒成分、及び(2) n AlCl 3-n (ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又は炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、nは1〜3の整数又は半整数である。)からなる有機アルミニウム化合物からなるオレフィン重合触媒の存在下に、ポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)を製造する方法において、
    (1)固体触媒成分及び(2)有機アルミニウム化合物を、接触処理条件:0〜100℃、0.05秒〜48時間、イナートガス雰囲気下で、予め接触させた後、
    プロピレンを0.01秒〜15分間重合させてポリプロピレンセグメントを
    (3)有機ケイ素化合物R n Si(OR ' 4-n (RおよびR ' は同種又は異種の炭素数1〜10の炭化水素基、nは1〜3の整数である。)および下記一般式(1)で表される窒素を含む複素環化合物
    Figure 0003962544
    (式中、R1は炭素数1〜6の炭化水素基、R2、R3、R4、R5は水素または炭素数1〜6の炭化水素基であり、R2とR3およびR4とR5のそれぞれ少なくとも一方は炭化水素基であり、R2とR3またはR4とR5は互いに連結して環を形成していてもよい。R6は水素または炭素数1〜6のアルキル基、アルキルオキシ基であり、R7は水素、炭素数1〜6のアルキル基、アルキルオキシ基である。)
    からなる群から選ばれた少なくとも一種の電子供与性化合物を添加して、該ポリプロピ
    レンセグメントの末端にエチレン及びプロピレンを0.01秒〜15分間重合させてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを得ることを特徴とするポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法。
  5. 有機アルミニウム化合物が、異なる2種以上の有機アルミニウム化合物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法。
  6. 重合領域a及びその下流に重合領域bを有する管型連続重合反応器を使用して、重合領域aにおいてプロピレンを重合させてポリプロピレンセグメントを得、重合領域bにおいて得られたポリプロピレンセグメントの末端にエチレン及びプロピレンを重合させてポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法。
  7. 重合時間が、それぞれ0.01秒〜2.5分間であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法。
  8. 管型連続重合反応器による反応がプラグフロー式に行われることを特徴とする請求項6に記載のポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)の製造方法。
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