JP2008150470A - プロピレン系ブロック共重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れるプロピレン系ブロック共重合体を提供する。
【解決手段】プロピレン系重合体成分とエチレン−プロピレン共重合体成分からなる下記要件(I)及び(II)を満足するプロピレン系ブロック共重合体。
(I)プロピレン系重合体成分の融解温度が160℃以上である。
(II)エチレン−プロピレン共重合体成分(2)が下記構造を有する。
13C−NMRによって測定されるエチレン含量が40〜60wt%であり、
エチレン−プロピレン共重合体成分量あたりの、90℃〜105℃に現れる結晶化ピークの結晶化熱量が2〜10J/g−EPであり、
ガラス転移温度が−50℃以下であり、
13C−NMRによって測定されるエチレン−プロピレン結合部のメソピーク強度に対するラセミピーク強度比が0.01〜0.7である。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系ブロック共重合体に関するものである。さらに詳細には、成形体にした場合、剛性、硬度および成形性に優れ、さらに靭性と低温耐衝撃性のバランスに優れたプロピレン系ブロック共重合体に関するものである。
プロピレン系ブロック共重合体は、剛性や耐衝撃性等に優れる材料であり、自動車内外装材や電気部品箱体等の成形体として、広範な用途に利用されている。
プロピレン系ブロック共重合体は、結晶性のホモポリプロピレン部あるいは少量のプロピレン以外のオレフィンを共重合したランダム共重合体部と、非晶性のエチレンとプロピレン、任意成分としてエチレン、プロピレン以外のオレフィンを共重合したゴム部からなり、従来よりゴム部の構造に着目した高性能化が図られている。
例えば、特許第2785607号公報には、プロピレン−エチレンランダム共重合相のエチレン含有量が20〜60重量%であり、その共重合相の極限粘度が3.5〜8.5dl/gであり、その共重合相が全重合体の5〜20重量%であるプロピレン−エチレンブロック共重合体が記載されている。(特許文献1)
特開平5−178945号公報には、エチレン−プロピレン共重合体部が高度に不規則共重合性を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体が記載されている。(特許文献2)
特許第2785607号公報 特開平5−178945号公報
しかし、上記の公報等に記載されているプロピレン系ブロック共重合体を用いたとしても、プロピレン系ブロック共重合体の剛性、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性については、必ずしも充分ではないことがあり、プロピレン系ブロック共重合体の剛性、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性については、さらなる改良が望まれていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、剛性、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れるプロピレン系ブロック共重合体を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
プロピレン系重合体成分(1)60〜85重量%と、エチレン−プロピレン共重合体成分(2)40〜15重量%からなる重合体であって下記要件(I)及び(II)を満足するプロピレン系ブロック共重合体。
(I)プロピレン系重合体成分(1)が下記構造を有する。
示差走査熱量計(DSC)によって測定される融解温度(Tm)が160℃以上である。
(II)エチレン−プロピレン共重合体成分(2)が下記構造を有する。
13C核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)によって測定されるエチレン含量が、40〜60wt%であり、
エチレン−プロピレン共重合体成分量(g−EP)あたりの、示差走査熱量計(DSC)によって測定される90℃〜105℃に現れる結晶化ピークの結晶化熱量が、2J/g−EP〜10J/g−EPであり、
示差走査熱量計(DSC)によって測定されるガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であり、
13C核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)によって測定されるエチレン−プロピレン結合部のメソピーク強度に対するラセミピーク強度比が0.01〜0.7である。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体を成形材料として用いると、剛性、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れる成形体を得ることができる。
(I)プロピレン系重合体成分(1)
本発明のプロピレン系重合体成分(1)は、示差走査熱量計(DSC)によって測定される融解温度(Tm)が160℃以上であり、好ましくは160℃以上、170℃以下であるプロピレンの単独重合体、または、エチレンおよび炭素数4〜18のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して得られるプロピレン系共重合体である。
前記プロピレン系共重合体成分は、ランダム共重合体でも良く、ブロック共重合体でも良い。
前記プロピレン系共重合体に含有されるエチレンおよび炭素数4〜18のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンの含有量として好ましくは、10モル%以下である(ただし、前記プロピレン系共重合体の全量を100モル%とする)。
前記プロピレン系共重合体に用いられる炭素数4〜18のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン等が挙げられる。
本発明で用いられるプロピレン系重合体成分(1)のメルトフローレート(MFR)は、0.1〜500g/10分であり、好ましくは、0.3〜300g/10分である。ただし、メルトフローレートは、JIS K7210に準拠して、230℃、21N荷重下で測定されるメルトフローレートである。
本発明で用いられるプロピレン系重合体成分(1)の極限粘度([η])は、0.5〜10dl/gであり、好ましくは、0.6〜2dl/gである。
(II)エチレン−プロピレン共重合体成分(2)
本発明のエチレン−プロピレン共重合体成分(2)は、13C核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)によって測定されるエチレン含量が40〜60wt%であり、40wt%よりも少ないとポリプロピレンと相溶するため、剛性が不充分なことがあり、60wt%よりも多いとポリプロピレンとの相容性が十分に高くないこと等から耐衝撃強度が不十分なことがある。
前記エチレン−プロピレン共重合体成分(2)は、プロピレン−エチレンブロック共重合体中のエチレン−プロピレン共重合体成分量(g−EP)あたりの、示差走査熱量計(DSC)によって測定される90℃〜105℃に現れる結晶化ピークの結晶化熱量が、2J/g−EP〜10J/g−EPであり、10J/g−EPより大きいと耐衝撃強度を発現するゴム成分が少なくなり、耐衝撃性に劣ることがある。
前記エチレン−プロピレン共重合体成分(2)の135℃のテトラリン中で測定される極限粘度([η])は、0.1〜10dl/gであり、好ましくは1〜8dl/gであり、より好ましくは2〜6dl/gである。0.1よりも小さいと、耐衝撃性が十分に発現されなく、10よりも大きいと、成形品とした場合のエチレン−プロピレン共重合体成分の分散粒径が大きくなり、耐衝撃性に劣ることがある。
前記エチレン−プロピレン共重合体成分(2)は、示差走査熱量計(DSC)によって測定されるガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であり、−50℃よりも高いと低温での耐衝撃性が十分に発現されないことがある。
また、前記エチレン−プロピレン共重合体成分(2)は、13C核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)によって測定されるエチレン−プロピレン結合部のメソピーク強度に対するラセミピーク強度比が0.01〜0.7であり、好ましくは0.03〜0.6であり、より好ましくは0.05〜0.5である。エチレン−プロピレン結合部のメソピークとラセミピークは文献(Macromolecules,1984年、17巻,1950ページやJournal of Applied Polymer Science,1995年、56巻、1782ページ)で帰属されており、約37.5ppmと約37.9ppmに観測される2本のピークがメソピークであり、約38.4ppmと約38.8ppmに観測される2本のピークがラセミピークである。約37.5ppmと約37.9ppmに観測される2本のピーク強度の和をメソピーク強度とし、約38.4ppmと約38.8ppmに観測される2本のピーク強度の和をラセミピーク強度とする。メソピーク強度に対するラセミピーク強度比が0.01よりも小さい、あるいは0.7よりも大きいと、低温での耐衝撃性が十分に発現されないことがある。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法は、通常の立体規則性触媒を用いて、種々の重合方法によって製造する方法が挙げられる。
立体規則性触媒としては、例えば、固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分とさらに必要に応じて用いられる電子供与体とからなる触媒が挙げられる。
固体状チタン触媒成分としては、例えば、有機ケイ素化合物の存在下、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られ、その平均粒子径が25ミクロン以上である固体触媒成分前駆体と、ハロゲン化化合物(例えば四塩化チタン)、電子供与体(例えば、エーテル化合物、エーテル化合物とエステル化合物の混合物)とを接触処理することにより得られる三価のチタン化合物含有固体触媒成分が挙げられる。
有機金属化合物触媒成分としては、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合を有する有機アルミニウム化合物が挙げられ、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、または、アルキルアルモキサンが好ましく、とりわけトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物またはテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
電子供与性化合物としては、酸素含有化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、硫黄含有化合物が挙げられ、なかでも酸素含有化合物または窒素含有化合物が好ましく、酸素含有化合物がより好ましく、なかでもアルコキシケイ素類またはエーテル類が特に好ましい。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体は、前記プロピレン系ブロック共重合体製造用触媒の存在下に製造され、前記プロピレン系ブロック共重合体製造用触媒を用いた以下の工程により製造される。
重合工程1:プロピレンを単独重合させてホモポリプロピレンを生成させる工程、または、プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる群から選ばれるオレフィンとを共重合させてプロピレン系共重合体を生成させる工程。ここで、該共重合は、プロピレン系共重合体中の該オレフィンの重合単位含有量が10重量%以下、好ましくは5重量%以下(プロピレン系共重合体を100重量%とする)となるように実施される。
重合工程2:上記工程1で得られるホモポリプロピレンまたはプロピレン系共重合体の存在下に、プロピレンとエチレンとを共重合させてエチレン系共重合体を生成させ、ブロック共重合体を製造する工程。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体は、工程2において、あるいは工程1と工程2の間で、ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物と環状有機窒素化合物を添加することによって製造される。
上記ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合と一個Al−ハロゲン結合を有するものである。代表的なものを一般式で下記に示す。
aAlXbc
(式中、Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子、Yは水素原子またはアルコキシ基を表し、aとbは1≦a≦2、cは0≦c≦1を満足する数であり、a+b+c=3である。)
かかるハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物の具体例としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムアイオダイド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジアイオダイド等のアルキルアルミニウムジハライド、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物が例示できる。
上記環状有機窒素化合物としては、3〜8員環の環状有機窒素化合物が好ましく用いられる。そのような化合物としてはピリジン、ピリジン誘導体、ピペリジン、ピペリジン誘導体、ピロリジン、ピロリジン誘導体が挙げられ、より好ましくは窒素複素環部位が6員環構造である芳香族窒素複素環式化合物であり、2,6位に置換基を有する6員環の芳香族複素環式窒素化合物がさらに好ましい。
そのような化合物の具体例としては、2,6−ジメトキシピリジン、2,6−ジエトキシピリジン2,6−ジプロポキシピリジン、2,6−ジイソプロポキシピリジン、2,6−ジ−n−ブトキシピリジン、2,6−ジ−tert−ブトキシピリジン、2,6−ジベンジルオキシピリジン、2,4,6−トリベンジルオキシピリジン、2,6−ジフェノキシピリジン、2,6−ジアセトキシピリジン、2,6−ジフルオロピリジン、2,4,6−トリフルオロピリジン、2,6−ジクロロピリジン、または、2,4,6−トリクロロピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,6−ジエチルピリジン、2,6−ジプロピルピリジン、または、2,6−ジイソプロピルピリジン等が挙げられる。
公知の重合方法としては、溶媒重合方法、スラリー重合方法、気相重合方法等が挙げられ、連続重合方法、回分式重合方法のいずれの方法でも良い。
溶媒重合方法またはスラリー重合方法で用いられる溶媒としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、メチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
重合温度は、通常、−50℃〜70℃であり、好ましくは−20℃〜40℃である。重合圧力は、通常、常圧〜6MPaである。重合時間は、一般に、目的とするポリマーの種類、反応装置によって、適宜決定すれば良く、通常、1分間〜20時間である。
また、本発明のプロピレン系ブロック共重合体の分子量を調節するために、水素等の連鎖移動剤を添加しても良い。
以下、本発明について、実施例および比較例を用いて説明する。実施例および比較例における各物性値は、下記の方法に従って測定した。
(1)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定した。
(1−1)プロピレン−エチレンブロック共重合体の極限粘度
(1−1a)結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度:[η]P
プロピレン単独重合体又はプロピレンとエチレン若しくは炭素数4以上のα−オレフィンが1モル%以下共重合された結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度[η]Pは、その製造時に、第1工程である結晶性ポリプロピレン部分の重合後に重合槽内より重合体パウダーを取り出し、上記(1)の方法で測定して求めた。
(1−1b)エチレン−プロピレン共重合体部分の極限粘度:[η]EP
エチレン−プロピレン共重合体部分の極限粘度:[η]EPは、プロピレン単独重合体部分の極限粘度:[η]Pとプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度:[η]Tをそれぞれ上記(1)の方法で測定し、エチレン−プロピレン共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:Xを用いて次式から計算により求めた。(プロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:Xは、下記(2)の測定方法により求めた。)
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度
[η]T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度
(2)エチレン−プロピレン共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率(X、単位:重量%)及びプロピレン−エチレンブロック共重合体中のエチレン−プロピレン共重合体部分のエチレン含量:(C2’、単位:重量%)
下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982年、15号、1150ページ〜1152ページ)に基づいて求めた。10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン−エチレンブロック共重合体を3mlのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
(3)プロピレン−エチレンブロック共重合体中のエチレン−プロピレン結合部のメソピーク強度に対するラセミピーク強度比
上記(2)と同様に測定した13C−NMRスペクトル中の約37.5ppmと約37.9ppmに観測される2本のピーク強度の和(メソピーク強度)に対する約38.4ppmと約38.8ppmに観測される2本のピーク強度の和(ラセミピーク強度)を算出した。
(4)ガラス転移温度(Tg、単位:℃)
示差走査熱量測定装置(TAインスツルメンツ社製 DSC Q100)を使用し、プロピレン−エチレンブロック共重合体約10mgを窒素雰囲気下で200℃で溶融させた後、200℃で5分間保持した後、10℃/分の降温速度で−90℃まで降温した後、10℃/分で昇温する際の吸熱曲線からJIS K7121に従い測定した。
(5)プロピレン系重合体成分の融解温度(Tm、単位:℃)
上記(4)で測定された吸熱ピークの内、150℃〜170℃の範囲に現れるピークをTmとした。
(6)エチレン−プロピレン共重合体成分の結晶化熱量(単位:J/g−EP)
上記(4)の降温過程で観測されるピークの内、90〜105℃の範囲に現れる結晶化ピーク(Tc)の結晶化熱量を、上記(2)で算出したエチレン−プロピレン共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率(X)で除して算出した。
実施例1
減圧乾燥、アルゴン置換後、冷却した内容積3リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内を真空とし、トリエチルアルミニウム 4.4ミリモル、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン0.44ミリモル及び特開2004−182981実施例1(2)記載の固体触媒成分11.7ミリグラムを、ガラスチャージャー内のヘプタン中で接触させた後一括に投入し、さらに液化プロピレン780gを仕込んだ後、水素 1MPaを前記オートクレーブに仕込んで80℃まで昇温し重合を開始した。重合開始10分後、未反応プロピレンを重合系外へパージした。オートクレーブ内をアルゴンで置換した後、少量のポリマーをサンプリングした。サンプリングしたポリマーの極限粘度[η]Pは1.05dl/gであった。
次いで、上記3リットルオートクレーブを減圧し、ジエチルアルミニウムクロライド1.0ミリモルとヘプタン20ミリリットルをガラスチャージャー内で混合してオートクレーブ内へ投入し、30分攪拌した。その後、2,6−ルチジン0.88ミリモルとヘプタン20ミリリットルをガラスチャージャー内で混合してオートクレーブ内へ投入し、30分攪拌した。
次いで、上記3リットルオートクレーブと連結した内容積30リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内を真空として、プロピレン440g、エチレン230gを添加した後80℃に昇温することで調製した混合ガスを上記3リットルオートクレーブへ連続的にフィードし、重合圧力を0.8MPaとして5時間重合を行った。5時間後オートクレーブ内のガスをパージして重合を終了し、生成した重合体を60℃で5時間減圧乾燥して240gの重合パウダーを得た。得られたポリマーの極限粘度[η]Tは1.68dl/gであり、分析の結果、エチレン−プロピレン共重合体部分(以下、EP部と称す)の含量は36.9重量%であったので、後段部(EP部)で生成したポリマーの極限粘度[η]EPは2.76dl/gであった。又、P部のTmは161.3℃、EP部でのエチレン含量は52重量%、EP部のTgは−51.1℃、EP部のEP部量あたりの結晶化熱量は9.1であった。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
実施例2
固体触媒成分の使用量を10.6ミリグラムとし、ジエチルアルミニウムクロライドの代わりにエチルアルミニウムジクロライドを用いた以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
比較例1
固体触媒成分の使用量を13.3ミリグラムとし、ジエチルアルミニウムクロライドと2,6−ルチジンを添加しない以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
比較例2
固体触媒成分の使用量を9.9ミリグラムとし、ジエチルアルミニウムクロライドを添加しない以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
比較例3
固体触媒成分の使用量を10.7ミリグラムとし、2,6−ルチジンを添加しない以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
比較例4
固体触媒成分の使用量を10.8ミリグラムとし、ジエチルアルミニウムクロライドの代わりにエチルアルミニウムジクロライドを用いた以外は比較例3と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
比較例5
固体触媒成分の使用量を11.0ミリグラムとし、ジエチルアルミニウムクロライドの代わりにトリエチルアルミニウム 1.0ミリモルを使用した以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
実施例3
固体触媒成分の使用量を9.1ミリグラムとし、3リットルオートクレーブと連結した内容積30リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内に添加するプロピレンとエチレンの量を、プロピレン 580g、エチレン220gとし、エチレン−プロピレン共重合体製造での重合圧力を1.0MPaとした以外は実施例2と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
実施例4
固体触媒成分の使用量を9.9ミリグラムとし、エチルアルミニウムジクロライド使用量を0.5ミリモルとした以外は実施例3と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
実施例5
固体触媒成分の使用量を7.3ミリグラムとし、エチルアルミニウムクロライドの代わりにエチルアルミニウムセスキクロライドを使用し、3リットルオートクレーブと連結した内容積30リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内に添加するプロピレンとエチレンの量を、プロピレン 580g、エチレン220gとした以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
実施例6
固体触媒成分の使用量を6.9ミリグラムとし、エチルアルミニウムクロライドの代わりにジメチルアルミニウムクロライドを使用した以外は実施例5と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
Figure 2008150470
Figure 2008150470

Claims (1)

  1. プロピレン系重合体成分(1)60〜85重量%と、エチレン−プロピレン共重合体成分(2)40〜15重量%からなる重合体であって下記要件(I)及び(II)を満足するプロピレン系ブロック共重合体。
    (I)プロピレン系重合体成分(1)が下記構造を有する。
    示差走査熱量計(DSC)によって測定される融解温度(Tm)が160℃以上である。
    (II)エチレン−プロピレン共重合体成分(2)が下記構造を有する。
    13C核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)によって測定されるエチレン含量が、40〜60wt%であり、
    エチレン−プロピレン共重合体成分量(g−EP)あたりの、示差走査熱量計(DSC)によって測定される90℃〜105℃に現れる結晶化ピークの結晶化熱量が、2J/g−EP〜10J/g−EPであり、
    示差走査熱量計(DSC)によって測定されるガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であり、
    13C核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)によって測定されるエチレン−プロピレン結合部のメソピーク強度に対するラセミピーク強度比が0.01〜0.7である。
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