JP3962241B2 - 平滑面磁気ディスク対応ヘッドスライダ、ヘッドスライダアッセンブリ、および磁気ディスク装置、ならびに磁気ディスクの検査・製造方法、および磁気ディスク装置の組み立て方法 - Google Patents

平滑面磁気ディスク対応ヘッドスライダ、ヘッドスライダアッセンブリ、および磁気ディスク装置、ならびに磁気ディスクの検査・製造方法、および磁気ディスク装置の組み立て方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3962241B2
JP3962241B2 JP2001346170A JP2001346170A JP3962241B2 JP 3962241 B2 JP3962241 B2 JP 3962241B2 JP 2001346170 A JP2001346170 A JP 2001346170A JP 2001346170 A JP2001346170 A JP 2001346170A JP 3962241 B2 JP3962241 B2 JP 3962241B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic disk
slider
head slider
head
bearing surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001346170A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003151233A (ja
Inventor
谷  弘詞
光広 正田
Original Assignee
株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ filed Critical 株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ
Priority to JP2001346170A priority Critical patent/JP3962241B2/ja
Priority to US10/198,140 priority patent/US6927942B2/en
Publication of JP2003151233A publication Critical patent/JP2003151233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3962241B2 publication Critical patent/JP3962241B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/10Structure or manufacture of housings or shields for heads
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/60Fluid-dynamic spacing of heads from record-carriers
    • G11B5/6005Specially adapted for spacing from a rotating disc using a fluid cushion

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平滑な表面を有する磁気ディスクに好適な20nm以下の極低浮上量の磁気ヘッドスライダの形状に関するものであり、特に磁気ディスクと常時接触、あるいは間欠的に接触する状態で使用されるヘッドスライダに係わり、接触時の摩擦力および振動を低減するヘッドスライダとそれを用いたヘッドスライダアッセンブリ、ならびに、該ヘッドスライダあるいは該ヘッドスライダアッセンブリに好適な磁気ディスクと組み合わせた磁気ディスク装置に関する。さらに、平滑な表面を有する磁気ディスクのバーニッシュ加工、グライド検査、エラー検査に前記ヘッドスライダあるいは前記ヘッドスライダアッセンブリを用いた磁気ディスクの検査・製造方法に関する。さらにまた、前記ヘッドスライダあるいは前記ヘッドスライダアッセンブリをサーボトラック記録工程で使用したことを特徴とする磁気ディスク装置の組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置における記録密度は著しい増加の一途であり、最近は1平方インチ当たり10ギガビット以上のものまで発表されている。このような高記録密度を達成するためには、磁気ヘッドと磁気ディスクの磁気記録層との間隔をできるだけ近づけることが必須であり、現在は20nm以下にしなければならない状況である。
【0003】
最近の磁気ディスク装置においては、上記間隔を出来るだけ狭めるために磁気ディスクの表面粗さを極力小さくしなければならなくなった。その結果、磁気ディスクの回転の停止時に磁気ヘッドが接触し、磁気ディスクが回転し始めるとその気流によって磁気ヘッドが浮上するという従来のようなコンタクトスタートストップ方式から、磁気ディスクの停止時には磁気ヘッドが磁気ディスク上から離れたところに退避し(アンロード)、磁気ディスクが回転し始めると磁気ヘッドを磁気ディスク上にロードオンされるロードアンロード方式が採用されつつある。この場合、耐摺動性は若干緩和されるが、しかしロードオン時の衝撃や通常動作時でも突発的に発生し得る磁気ヘッドの姿勢異常による接触などに耐えなければならない。また、浮上量が著しく小さくなった現在では、平滑な表面を持つ磁気ディスクとヘッドスライダが接触すると接触時に大きな摩擦力が発生しヘッドスライダが大きく振動して記録再生が出来なくなる場合がある。
【0004】
磁気ディスクはAl合金基板やガラス基板などの非磁性基板上に下地膜、磁性膜、保護膜、潤滑膜を順次積層して構成される。現在の磁気ディスクの表面粗さはデータ面での中心線平均粗さRaが0.5〜2.5nm程度であるのが一般的である。潤滑膜の材料としてはパーフルオロポリエーテルよりなる液体潤滑剤を用いるのが一般的であり、その膜厚は1.0〜3.0nmが一般的である。
【0005】
バーニッシュヘッドは特開平10−112023号公報に記載のように磁気ディスク製造の最終工程においてバーニッシュ工程と呼ばれる突起除去あるいはクリーニングのための工程において使用される。前記公知例では磁気ディスクの表面粗さが小さい場合にバーニッシュヘッドが磁気ディスクに吸着して突起や汚れ除去の効果を出すことが出来なくなるため、バーニッシュヘッドの表面粗さを粗くして、吸着を回避する技術を開示している。
【0006】
グライドヘッドは特開平11−37748号公報に記載のようにヘッドスライダの背部に圧電素子を取付て磁気ディスクの突起が接触したことを検出する突起検出検査工程で使用される。グライドヘッドの浮上量は現在では10nm以下であり、磁気ディスクと接触すると大きな摩擦力が発生して磁気ディスクにスクラッチ傷や打痕傷を付ける場合がある。
【0007】
エラー検査用のヘッドは特開2000−55883号公報に記載のように磁気ディスクの記録再生信号欠陥を検査するヘッドであり、ヘッドスライダの空気流出端近傍に記録再生素子を搭載している。また、磁気ディスク装置の組立工程では、サーボ信号を磁気ディスクに書き込む工程であるサーボトラック記録工程があり、その際にクロックヘッドと呼ばれる基準信号を磁気ディスクに書き込むためのヘッドが使用される。このクロックヘッドは、磁気ディスクの外周端近傍にクロック信号を書き込むことが多く、その工程中にヘッドとディスクが接触して磁気ディスクが平坦な場合には正常な記録が出来ない場合やディスクに傷を付ける場合がある。
【0008】
コンタクトスタートストップ方式では、磁気ディスクの表面の面粗さが小さくなり平坦になればなるほどスティクションが増加し、磁気ディスク装置の起動を阻害する原因となる。そこで特開平6−203514号公報には、スライダの空気軸受け面に段付き突起をもうけることでスティクションを低減する技術が開示されている。この公知例は段付き突起の高さを0.01ミクロンより大きくし1.5ミクロンより小さくすることで、磁気ディスクとスライダとの接触面積を減少させることによって、スライダの浮上安定性とスティクションの低減が可能であることを示唆している。しかしながら、高速でヘッドが磁気ディスクに接触した場合の摩擦力を低減する効果があるかどうかは開示されていない。
【0009】
また、特開平11−25629号公報には、前述の公知例と同じような段付き突起を有するヘッドスライダで、スライダの空気軸受け面の磁気ディスク記録面に対する傾斜角度、すなわち、ピッチ角度が0.5〜1.5mradの角度を有するスライダが開示されている。この公知例では中心線平均粗さRaが1nm以下の磁気ディスクで上記のピッチ角度になるように段付き突起の高さを調整することで磁気ディスクとの接触面積を小さくしてスティクションを低減する。この公知例においても、高速接触時の摩擦力低減のための技術については開示されていない。
【0010】
特開平9−245451号公報には、スライダの空気軸受け面に突起を形成して磁気ディスクが静止している状態での磁気ディスクとヘッドスライダとの接触面積を小さくして吸着を回避する技術が開示されている。この公知例では磁気ディスクの面粗さが小さくなればなるほどスライダ面の突起の面積を小さくする必要があることを示している。特開平8−102164号公報にも同様に、スライダ面の一部に薄膜からなる段差を形成して磁気ディスクとの接触面積を低減して静摩擦力を低減する技術が開示されている。しかし、これらの公知例でも高速接触時の摩擦力低減のための技術は述べられていない。
【0011】
特開平10−49850号公報、特開平11−185418号公報にはスライダの空気流入端近傍に段差を設けたスライダにおいて記録再生素子の位置での浮上量と空気流出端の浮上量との差を小さくするための方法として空気軸受け面と磁気ディスク面との角度を制御して、かつ空気流出端部分にテーパをつけることで素子から空気流出端最下点までの距離を小さくする方法が開示されている。また、スライダサスペンションに関する公知例として、特開平6−119736号公報がある。この公知例は、ヘッドの面外剛性の低減とスライダ荷重のばらつきを低減するため、サスペンションを固定するベースプレートの横とスライダを接着している部分との2ヵ所の可動部分を設けたサスペンションを開示している。しかし、これらの公知例でも高速接触時の摩擦力低減のための技術は述べられていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術ではヘッドの浮上量が著しく小さくなって磁気ディスクと間欠的、あるいは連続的に接触する場合の高速接触時のヘッドスライダと磁気ディスクとの間の摩擦力を低減することが出来ていない。
【0013】
すなわち、バーニッシュヘッドの場合には磁気ディスクの突起を低くなるように加工するためには出来るだけ低浮上で突起の上をヘッドが通過することが望ましいが、そうすると磁気ディスクと接触したときにバーニッシュヘッドが振動して磁気ディスクを傷つけ、その後のグライド検査、エラー検査の合格率が低下する。
【0014】
グライドヘッドおよびエラー測定用ヘッドの場合も同様で、突起欠陥を検査するためには磁気ディスク装置に使用される磁気ヘッドよりも低い浮上量で検査することが必要であり、そのため磁気ディスクと接触する確率が高くなる。接触した場合にはヘッドが振動して磁気ディスクを傷つける。そのため、突起欠陥検査、エラー検査はスライダの浮上量を10nm以下に下げると、製造中に磁気ディスクに傷をつけ、突起として盛り上がったまま磁気ディスク装置に組み込まれ、稼働中にその部分がエラーとして発生する場合がある。また、磁気ディスク装置は組み立てた後にエラーやサーマルアスペリティの登録を行うが、その際に磁気ディスク上の突起が多いとエラーの登録オーバーや登録に長時間要するという問題がある。
【0015】
クロックヘッドの場合も接触するとヘッドが磁気ディスクを傷つけること、および、クロック記録位置がデータエリア外の外周であってもロード・アンロード方式の磁気ディスク装置の場合には、磁気ディスク装置のヘッドがその傷の上を通過するため、さらに傷が大きくなること、さらには、ヘッドに傷が入ることなどで磁気ディスク装置の信頼性が低下すると言う問題がある。具体的な例としては、装置の稼働時間経過に伴いエラーが増加し、記録されたデータが消失するという問題が発生する。いずれのヘッドにおいても磁気ディスクとヘッドが高速で接触した場合、特に平坦な磁気ディスクの場合に発生する接触時の摩擦力を低減可能なヘッドスライダ、スライダサスペンションを提供することが必要となる。
【0016】
磁気ディスク装置に使用されるヘッドスライダでも、磁気ディスクと接触すると磁気ディスクの潤滑剤が掻き取られる場合や、ヘッドが大きく振動・跳躍するため正常に記録再生できなくなる場合、磁気ディスクに傷が入る場合がある。
【0017】
以上に鑑み、本発明は高速で平滑な表面を有する磁気ディスクと接触した際にも大きい摩擦力が発生せず、ヘッドが振動しないヘッドスライダ、ヘッドスライダアッセンブリ、およびこれらを用いた磁気ディスクの検査・製造方法・ならび磁気サーボ記録方法を提供することを目的とする。
【0018】
また、高速で連続接触しつつ記録再生を行う磁気ディスク装置においては高速で摩擦振動の小さいヘッドスライダ、スライダサスペンションが必須であり、さらに重要な課題である。従来の技術においてヘッドスライダと磁気ディスクとが接触し大きい摩擦力の発生があると、磁気ディスクが傷つき、磁気ディスク装置の稼働経過に伴い、エラーの増加、すなわち記録信号の消失などの問題が発生する。さらに、従来の技術ではスライダの軸受け面に段差あるいは突起を形成して磁気ディスクとの接触面積を低減することでスティクションの低減を図っているが、その場合、接触面積が小さい状態で高速で接触すると、接触面圧が大きくなるためヘッドあるいは磁気ディスクが摩耗し易くなり、信頼性の低下を招く。
【0019】
これらに対し、本発明は接触面積を大きくして接触面圧を小さくし、高速での磁気ディスクとの接触においても摩耗を低減する手段を提供することおよびそれらを用いた磁気ディスク装置を提供することをもうひとつの目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、磁気ディスク円板上を浮上させるための複数の空気軸受け面、または磁気ディスク円板上を接触しつつ滑らかに滑走させるための複数の潤滑軸受け面、および、回転する磁気ディスクへの押し付け荷重力をうける荷重点あるいはピボット点を有するヘッドスライダにおいて,該荷重点(ピボット点)よりスライダ進行方向前方の前記軸受け面の、前記磁気ディスク円板面への最近接先端部あるいは接触部より前方に向かう磁気ディスク面に対する傾斜角度(ピッチ角度)が、最近接先端部あるいは接触部より後方に向かう磁気ディスク面に対する傾斜角度より小さく、前記各軸受け面のヘッドスライダー進行方向に対して横方向の幅の少なくとも一部分が150μm以上であるようにした。
【0021】
また、前記ヘッドスライダにおいて、前記軸受け面の、前記磁気ディスク円板面への最近接先端部あるいは接触部よりスライダ進行方向前方に向かう磁気ディスク面に対する傾斜角度(ピッチ角度)が20μrad以上150μrad以下であるようにした。
【0022】
さらに、前記ヘッドスライダーにおいて、上記軸受け面の少なくとも一つの面が同一平面上になく、ヘッド荷重点(ピボット点)よりスライダ進行方向の前方に位置する流入端近傍の軸受け面に段差が形成されており、該段差によって決定される軸受け面の磁気ディスク面に対する傾斜角度(ピッチ角度)が20μrad〜150μradであるようにした。
【0023】
また、前記ヘッドスライダーにおいて、荷重点(ピボット点)よりスライダ進行方向前方に位置する空気流入端近傍の軸受け面に形成された段差面によって決定される軸受け面の、磁気ディスク面に対するヘッドスライダーの進行方向に向かう傾斜角度(ピッチ角度)が、荷重点後方に位置する空気流出端近傍の軸受け面と磁気ディスク面とで決定されるヘッドスライダーの進行方向に向かう傾斜角度(ピッチ角度)より大きくなるようにした。
【0024】
さらにまた、前記ヘッドスライダーにおいて、スライダの長手方向の中央部付近でスライダの軸受け面が磁気ディスク円板面側に凸になるようにし、空気流出端近傍の軸受け面の段差と磁気ディスク面とで決定される傾斜角度(ピッチ角度)が20μrad〜100μradであるようにした。
【0025】
さらに、前記ヘッドスライダの軸受け面が同一平面上にあり、各軸受け面はスライダの進行方向と磁気ディスク円板面の双方に対して垂直な方向に形成された溝を有し、各溝は磁気ディスク円板面に対し傾斜角をもって各々の深さの溝として形成されており、かつ、各軸受け面において該傾斜角度の小さい溝が前方に、隣り合ってあるいは接触部を介して傾斜角度の大きい溝が後方に配置されたテクスチャを形成するようにした。
【0026】
また、情報が記録される磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に対して情報の読み書きを行う磁気ヘッドを備えたヘッドスライダーとを含む磁気ディスク装置において、前記磁気記録媒体として搭載される磁気ディスクの中心線平均粗さRaが1.3nm以下であり、かつ、該磁気ディスクの有する潤滑剤の表面張力が20×10−3N/m(20dyn/cm)以上であり、該潤滑膜厚が1.0nm以上であり、さらに、前記ヘッドスライダーが上記に記載のヘッドスライダであるようにした。
【0027】
さらに、前記ヘッドスライダを取り付けるためのスライダサスペンションにおいて、スライダ支持部の回転支持機構とサスペンション-アーム近傍のサスペンション折り曲げの部との間に1個の変形可能部を有し、回転支持機構部とスライダ側のサスペンション剛体部とを合わせたスライダピッチ方向の回転剛性率より、変形可能部のスライダ方向への剛性率が小くなるようにした。
【0028】
また、上記のヘッドスライダまたはヘッドスライダアセンブリを磁気ディスクのバーニッシュ工程、グライド検査工程、およびエラー検査工程の少なくともいずれかに用いるようにした。
【0029】
さらにまた、上記のヘッドスライダまたはヘッドスライダアセンブリをサーボトラック記録工程で使用するようにした。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して、説明する。
(実施例1)
磁気ディスク上を浮上させるための複数の空気軸受け面、または磁気ディスク上を接触しつつ滑らかに滑走させるための複数の潤滑軸受け面を有するヘッドスライダにおいて、磁気ディスクと接触する可能性のある軸受け面の接触部近傍において、ヘッドスライダの進行方向の前方側に発生する潤滑剤の圧縮圧力が後方側に発生する圧縮圧力よりも大きくなり、高速回転時においても、平滑な磁気ディスク円板上を極低浮上あるいは潤滑膜を介して安定に滑走するヘッドスライダの作製について図1、図2、および図3を使い具体的に説明する。
【0031】
以下の実施例において、回転する磁気ディスク面上の磁気ヘッドスライダの進行方向を前方、後退方向を後方として記述する。
【0032】
ヘッドスライダ1が潤滑膜4を有する平滑な磁気ディスク5と接触する場合(図1)を示す。スライダーの荷重点(ピボット点)22の前方(ヘッドスライダー進行方向の前方)において、スライダー軸受け面201の磁気ディスク円板への最近接先端部(接触部)701より前方に向かう傾斜角度601は、同先端部(接触部)701から後方に向かう傾斜角度602すなわちスライダー軸受け面201の後縁面202の傾斜角度602よりも小さく形成されている。ここにおいて、この最近接先端部(接触部)701の前方には比較的多量の潤滑剤の溜まり2が発生し、後方に形成された潤滑剤の溜まり3は前方の溜まり2よりも少ない。
【0033】
この近傍におけるヘッドスライダーに作用する力についてさらに詳しく説明する。第4図は第1図におけるスライダーの磁気ディスク円板への最近接先端部(接触点)近傍を拡大して示した図である。平滑な円板とヘッドスライダがあるピッチ角度θp1(第1図の傾斜角度601に相当)、θp2(第1図の傾斜角度602に相当)で接触している接触点近傍の潤滑剤の形態から潤滑剤とヘッドスライダ間の力を第4図を参照して下記のように見積もることが出来る。
【0034】
すなわち、前方に溜まる潤滑剤2はヘッドとの間にメニスカスを形成し、メニスカス力M1でヘッドを磁気ディスク側に引きつける。また、ヘッドは接触点前方の潤滑溜まり2に乗り上げようとするため、潤滑剤は圧縮されヘッドスライダは垂直方向に圧縮圧応力Pで磁気ディスクから離れる方向へ押し上げられる。後方の潤滑剤についても同じでメニスカス力Mt、圧縮応力Pが発生する。前方、後方のメニスカス力は潤滑剤とヘッドの軸受け面のなす角度をθM1、θMtとしたとき、それぞれCOS(θM1COS(θMt)に比例するとともに潤滑剤の表面張力に比例する。またスライダと接触している潤滑剤の量が多くなるとメニスカス力は増加する。
【0035】
一方、第3図に示したように、スライダのピッチ角度θp1、θptが小さくなり、磁気ディスクの面粗さレベルにスライダ面とディスク面が接近するとメニスカス力は接触面前方と後方で発生するが、接触面の下部では潤滑剤が進入しないために潤滑剤は圧縮されず、スライダにも圧縮応力は働かない。また、前方のメニスカス力は大きいため、接触面は進行方向に対し前方側で磁気ディスクに引きつけられるため、ますます、接触面へ潤滑剤が進入しないこととなる。
【0036】
また、スライダのピッチ角度θp1が十分に大きい場合、すなわち前方と後方で潤滑溜まりの量が実質的に変わらない程度になった場合(図1でピッチ角度601が大きい状態)では、前方に溜まる潤滑剤の量が少ないことと、圧縮応力P1がCOSθp1に比例すると考えると、メニスカス力と潤滑剤の圧縮応力が小さくなると推定される。すなわち、ピッチ角度θp1が大きすぎても小さすぎても潤滑剤の圧縮応力は小さくなり、ヘッドスライダは磁気ディスクから離れにくくなる。しかしながら、ピッチ角度θp1を適当な値として、接触点の進行方向に対して垂直な方向の幅を大きくして、ヘッドの荷重を最適な値とすれば、メニスカス力と潤滑剤の圧縮応力とスライダ荷重を釣り合わすことが出来て、ヘッドスライダは潤滑膜の上を浮上しするため、スライダと磁気ディスクとの固体接触を回避することが出来て、本来の潤滑膜の機能である摩擦力低減の効果を発現することができる。すなわち、ピッチ角度θp1を最適化することで高速接触時の摩擦力を低減可能であり、かつ固体接触を起こさないので、耐摩耗性の極めて優れたヘッドスライダと磁気ディスクとの組合せとすることが出来る。この考えからすると、従来の技術である接触面積を小さくしてスティクションを小さくする方法とは逆であり、潤滑膜とスライダの軸受け面との接触面積を大きくし、前方の潤滑膜の圧縮応力を大きくすることで摩擦力を低減できることになる。
【0037】
ここにおいて、前記荷重点より前方の上記傾斜角度(ピッチ角度)は、20μrad〜150μradが好適範囲である。また、各軸受けの進行方向に対して垂直な方向の幅は150μm以上が安定浮上および安定滑走に必要である。
【0038】
また、平滑でない磁気ディスク7とヘッドスライダ1が接触した場合(図2)は、接触点8において潤滑剤の溜まりは分散されて接触点前方、後方で潤滑剤の溜まりの量の差は少なく、本発明の効果は顕れない。
【0039】
(実施例2)
具体的なヘッドスライダ形状の他の例について、図5にその概略を示す。
上図にスライダの磁気ディスク対向面の概略平面図を、下図に磁気ディスク上に静止している場合の概略側面図を示す。スライダには軸受け面が3面(11、11、14)形成されている。次に負圧制御用の浅トレンチ面12、13、深トレンチ面15が形成されている。さらにスライダの流入端140から長さ21の間に軸受け面上に段差16が形成されており、その段差の高さは18である。この場合、この段差16によってスライダの軸受け面と磁気ディスクとのピッチ角170は決定される。スライダの荷重点22は前方の軸受け面11と後方の軸受け面14との間に形成されている。軸受け面の幅20、19は150μm以上で、この幅は、軸受け面と磁気ディスクとの接触幅と一致することになる。このように、ヘッドスライダの流入端近傍の軸受け面に段差が形成されており、その段差によって決定されるヘッドスライダのそれぞれの軸受け面のピッチ角度170は20μrad〜150μradになるように調節する。軸受け面の数はさらに多くすることも可能である。また図5では段差が流入端から連続して存在するが、かならずしも連続していなくても良い。
【0040】
(実施例3)
具体的なヘッドスライダ形状のさらに他の例として、2個の軸受け面を有するヘッドスライダを図6に示す。
図において、軸受け面23は流入端近傍にテーパ24を有し、流入端から流出端まで連続して形成されている。軸受け面上には流入端から長さ29の領域に段差25が形成されている。その高さ27をもって軸受け面23上に形成された段差面によりピッチ角度261が決定される。スライダ幅28、テーパ24、ヘッド荷重22で浮上量は決定される。テーパ24は連続接触するスライダの場合は特に必要ない。
【0041】
また、流入端近傍の軸受け面に形成された段差面と磁気ディスク面とのなす角度で決定されるピッチ角度(傾斜角度)261を、流出端近傍の軸受け面と磁気ディスク面とで決定されるピッチ角度(傾斜角度)262より大きくすることで、流出端近傍に配置される記録再生素子と磁気ディスクとの距離を接近させることが可能である。具体的には、スライダの長手方向の中央部付近あるいは流入端近傍の軸受け面から流出端近傍の記録再生素子との間で、スライダの軸受け面側が磁気ディスクに対向する方向へ凸になるようにスライダを加工し、流出端近傍の軸受け面と磁気ディスク面とで決定されるピッチ角度を20μrad〜100μradとすることで達成される。この加工は、従来からクラウン加工として行われている加工を用いれば容易に行うことが出来て、例えばヘッドスライダの背面をレーザ光でスクライブ加工することなどで可能である。本形状例につき、図7の概念図でさらに説明する。
【0042】
スライダの流入端近傍には段差25が形成されその高さ27とスライダ中央部付近のクラウン32によって段差部のピッチ角度30と流出端側の軸受け面のピッチ角度31は決定される。このようなスライダとすることで前述した流出端近傍の記録再生素子と磁気ディスクとの間隔を小さくすることが容易にできる。
【0043】
軸受け面に形成する段差を従来からスライダ面の保護膜として使用されているカーボン膜で形成すれば、耐摩耗性の点でより好ましい。
【0044】
(実施例4)
また、本発明による潤滑剤のヘッドスライダに対する圧縮応力の制御方法として流入端近傍に段差を設ける方法ではなく、軸受け面に溝の斜面角度の異なるテクスチャー溝を形成するもう一つの方法がある。かかるテクスチャー溝の形成にはエッチング加工を用いる。ヘッドスライダに対するエッチング加工では、深くエッチングするとエッチングされた溝の斜面の角度は大きくなり、浅くエッチングすると小さくなる。あるいは、エッチング条件でエッチング溝斜面の角度を変化させることも可能である。そこで、軸受け面を同一平面上に配置し、スライダの進行方向に対して垂直な方向で各軸受け面に傾斜角の小さいテクスチャー溝を前方に形成し、その後方に隣り合って傾斜角の大きいテクスチャー溝を形成し、これらから組み合わされたテクスチャ溝を形成すれば、スライダの軸受け面における本発明の意図する傾斜角度(ピッチ角度)の関係を得ることが出来る。本方法による磁気ヘッドスライダの具体的な例を図8、図9により説明する。
【0045】
図8は、左からテクスチャー浅溝、それと隣り合った接触面およびテクスチャー深溝なる形状を繰り返して形成したスライダの軸受け面の磁気ディスクとの接触状態を表す断面模式図である。テクスチャー浅溝35(その底面350)の斜面351は角度が小さく、テクスチャー深溝36(その底面360)の斜面361は角度が大きい。かかるテクスチャー溝はエッチング条件の選択により形成される。この構造において、テクスチャー浅溝側の斜面は角度が小さいため潤滑剤の溜まり2が多くなり逆にテクスチャー深溝側の斜面の潤滑剤の溜まり3は少なくなる。実際のスライダの磁気ディスク対向面の平面概略は図9のようであり、軸受け面にそれぞれ図8に示した形状のテクスチャー溝が形成されている。
【0046】
本発明のヘッドスライダは、潤滑剤の圧縮応力を大きくするために各軸受け面の幅(図9に示す空気流入軸受け面のテクスチャ幅210、空気流出軸受け面のテクスチャ幅191)は大きい方が好ましく、ヘッドスライダの流入端から流出端へ向かう位置でほぼ同じ位置にある軸受け面の幅の短手方向への和が300ミクロン以上であることが好ましく個々の軸受け面の幅は150ミクロン以上が好適である。応用においては、この上記の条件下においてヘッドスライダの設計浮上量を考慮し、軸受け面の幅、長さ、個数を設計することにより本発明の効果による接触摩擦力の小さいヘッドスライダを得ることが出来る。
【0047】
また、本発明のヘッドスライダに相対する磁気ディスクの面粗さは図2に示したように粗さが大きいとその効果が小さくなるため、中心線平均粗さRaが1.3nm以下の磁気ディスクと組合せた方が好ましい。さらに、本発明は磁気ディスクの潤滑剤の特性とも大きく係わるものである。そこで、潤滑剤はメニスカスを形成しやすくかつ圧縮応力を大きくできるものが好ましい。現実的にはパーフルオロポリエーテル系の潤滑剤で温度20度での表面張力が20mN/m〜30mN/mのフォンブリンZ−DOL、フォンブリンZ−DOLTX、あるいはフォンブリンテトラオールといったアウジモント社製のパーフルオロポリエーテルなどが使用できる。また、ハイドロカーボン系の潤滑剤は表面張力がパーフルオロポリエーテル潤滑剤より大きいため、さらにメニスカスを形成しやすい。しかしながら、潤滑剤の他の特性、たとえば、耐摩耗性や熱に対する飛散性、腐食性、分解性などを考慮して潤滑剤の設計を行うことが望ましい。
【0048】
(実施例5)
また、本発明のヘッドスライダに好適なスライダサスペンションとして、スライダ支持部の回転支持機構とサスペンション−アーム近傍のサスペンション折り曲げの部との間に1個の変形可能部を有し、回転支持機構部とスライダ側のサスペンション剛体部とを合わせたスライダピッチ方向の回転剛性率より、変形可能部のスライダ方向への剛性率が小さいヘッドサスペンションを形成し、これを本発明のヘッドスライダーと組み合わせ、ヘッドスライダーアッセンブリとした。図10、図11により本発明のスライダサスペンションの作用を説明する。
【0049】
図10に従来より通常に使用されているスライダサスペンション54を模式的に示す。ヘッドスライダ51は、スライダ支持部の回転支持機構52とサスペンションアーム55との間のスライダサスペンション54に取り付けられている。スライダが磁気ディスクと接触し摩擦力F53が作用するとスライダとサスペンションは振動・変形する。図10に示した従来のサスペンションの場合は回転支持機構52とアーム取付部の変形部58とで変形する。スライダの振動に伴いサスペンションは56、57のように変形するが、摩擦力の方向への変形量は小さいため、ヘッドの振動は吸収されず持続する。
【0050】
それに対し、図11に示した本発明のスライダサスペンション64の実施例では、上記ヘッドの振動はサスペンションの動きに吸収され、ヘッドの振動は持続しない。その作用と効果を説明する。ヘッドスライダ61は、スライダ支持部の回転支持機構62とサスペンションアーム65との間に1個の変形可能部64を有するスライダサスペンション68に取り付けられている。スライダが磁気ディスクと接触し摩擦力F63が作用するとスライダとサスペンションは振動・変形する。サスペンションの変形可動部64はヘッドとサスペンション先端部の回転支持機構62の振動とともに66、67のように変形する。摩擦力がスライダに作用したときサスペンションの変形可動部64は摩擦力方向への変形66に対する剛性が、スライダとスライダとつながるサスペンション固体部の前のめり変形に対する剛性より小さいために、スライダは前のめりにならずに摩擦力方向に平行移動して、ヘッドの回転支持機構の振動を吸収することが可能となる。
【0051】
即ち、この場合、回転支持機構部とスライダ側のサスペンション剛体部とを合わせたスライダピッチ方向の回転剛性率より、変形可能部のスライダ方向への剛性率が小さく、ヘッドの回転支持機構の振動を吸収することが可能となる。図12に示したサスペンションも上記と同じ効果を得ることが出来る。
【0052】
この場合、サスペンション76のアーム取付部75とスライダ回転支持機構72の中間に並進方向に変形しやすい変形可動部74をもうけたサスペンションであり、スライダの回転剛性より変形可能部の並進剛性が小さいため、スライダの振動を吸収することが出来、図11に示したサスペンションと同じ作用を持つ。
【0053】
本実施例に示したサスペンションは、前記の磁気ヘッド素子を有する本発明のスライダを取り付け、スライダサスペンションアッセンブリとして、磁気ディスク装置に搭載される。
【0054】
(実施例6)
図5、6、7、9に示したような上記本発明実施例のヘッドスライダを磁気ディスクのバーニッシュ工程、グライド検査工程、エラー検査工程に使用した。この場合、磁気ディスクとスライダが接触してもスライダの振動が小さいため、磁気ディスクに傷つけることなく、バーニッシュや検査を行うことが出来る。さらに、上記図11、12に示した本発明実施例のスライダサスペンションアッセンブリを使用すれば、その効果はもっと確かなものとなる。
【0055】
また、本発明のバーニッシュやグライド検査、エラー検査を行うことで、ヘッドの浮上量を10nm以下に小さくしても磁気ディスクが傷つかず精度の高い検査が可能であるため、その磁気ディスクを組み込んだ磁気ディスク装置は、稼働中のエラーの発生が少ない。さらに組立に要する時間も短く、組立検査の時間を短縮可能である。
【0056】
磁気ディスク装置の組立工程のサーボトラック記録工程で使用されるクロックヘッドに本発明のヘッドスライダを用いれば、磁気ディスクとスライダが接触しても、磁気ディスクに傷つけることが少なく、スライダの振動も小さいため、その装置稼働中の信頼性低下が少なくなる。
【0057】
磁気ディスク上の潤滑剤の経時的な減量を少なくする方法としては、磁気ディスク装置内に磁気ディスクに使用している潤滑剤と同じ種類の潤滑剤を配置して、潤滑剤をガス化させて磁気ディスクに供給して、潤滑剤の減量を少なくすることが可能である。そのためには、磁気ディスク装置内に配置する潤滑剤は分子量が小さいものが好ましい。
【0058】
(実施例7)
本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。図13は本発明のヘッドスライダ、サスペンションを搭載した磁気ディスク装置を示す斜視概略図である。
磁気ディスク装置は、記録再生素子を搭載した磁気ヘッドスライダ81、サスペンション82、磁気ディスク83、スピンドルモータ84、ボイスコイルモータ85、信号処理回路86、塵埃除去フィルタ87などの部品によって構成されている。磁気ヘッドスライダ81は、磁気ディスク83が回転することで浮上あるいは連続的に磁気ディスク上を滑走する。磁気ディスク上を安定的に浮上、あるいは滑走するために上述のごとくスライダ面には軸受け面が形成されている。
【0059】
本磁気ディスク装置に搭載する本発明のヘッドスライダの実施例を実施例7として図5を参照してさらに詳細に説明する。ここで用いたスライダ材料はアルミナチタンカーバイドであり、スライダの大きさは1.25mm×1.0mmである。流出側の軸受け面14は長さ200×幅300ミクロン(幅は図中19)、流入側の軸受け面11は左右に1個づつ配置され、その大きさは長さ300ミクロン、広幅400ミクロン、狭幅200ミクロンである。所定のエッチングマスクを形成した後、イオンエッチング法によって、深トレンチ面15は約2ミクロンの深さで、浅トレンチ面12、13は0.2ミクロンの深さで加工し、エッチングマスクは取り除いた。ヘッドの荷重は約30mNである。記録再生素子は、後方の軸受け面の流出端から30ミクロンの位置に配置した。上記のようにスライダの形状を製作した後、全面にSi膜を2nmスパッタ法で形成し、その上にCVD法によってカーボン膜を5nm形成した。スライダのクラウン量はスライダ全体を円柱近似してその曲率から求めた。その結果クラウン量は−2〜8nm程度であった。このヘッドスライダの場合周速7m/sでの浮上量は約15nmである。本実施例の場合、流入端から200ミクロン、前方の軸受け面で100ミクロンの位置までカーボン膜を20nm〜500nmの間で数種類の膜厚で成膜して段差を形成した。
【0060】
(実施例8)
また、実施例8として軸受け面の幅(パッド幅ともいう)をそれぞれ50〜350ミクロンの範囲で変化させたサンプルを作製した。幅が変わるとヘッドの浮上量も変化するため、スライダ流入端の前方の軸受け面を流入端より設けて、浅トレンチ面ステップ部をなくし、浮上しない、すなわち磁気ディスクと連続的に接触滑走するスライダとした。比較例1として段差を形成していないヘッドスライダを用意した。段差はAFM(走査型プローブ顕微鏡 NanoscopeIIITM Digital Instrument社製)によりタッピングモードでスキャンサイズ30×30μm、スキャンレート1Hz、サンプル数512、Z−limit440V、フィルター処理Flatten、カンチレバー単結晶シリコン製、先端曲率半径5〜20nmという測定条件で測定を行った.その結果は後にまとめて示す。測定はそれぞれ数回の測定を行い、その平均値を測定結果とした。
【0061】
ここでヘッドスライダの特性を調査するために用いた磁気ディスクの断面構造概略図を図14に示す。
この磁気ディスクはアルミノシリケートよりなる強化ガラス基板88を洗浄した後、NiTa合金シード層89を30nm、その上にCrTi合金下地膜90を5nm、その上に下部磁性層91としてCoCrPt合金膜を、その上にRu中間膜92を、その上に上部磁性層93としてCoCrPtB磁性膜を、その上にダイヤモンドライクカーボン膜94を3.5nm成膜した。磁性膜までの成膜はスパッタ法、ダイヤモンドライクカーボン膜はイオンビームデポジション法で行った。保護膜の表面には液体潤滑剤95をディップ法で形成した。潤滑剤はアウジモント社製のフォンブリンZ−DOLを用いた。分子量は約3000である。潤滑膜の厚さはFTIRで測定したところ約2.0nmであった。磁気ディスクの表面粗さはガラス基板の表面粗さを変化させて制御した。本実施例では基板面の粗さが、Ra0.3〜1.7nm、Rp3.0〜14.0nmとしたものを用意した。ここで、Ra、Rpは、それぞれJISB0601―1994の算術平均粗さ、山頂線−平均線間距離である。基板の粗さは、AFM(走査型プローブ顕微鏡 NanoscopeIIITM Digital Instrument社製)によりタッピングモードでスキャンサイズ10×10μm、スキャンレート1Hz、サンプル数512、Z−limit440V、フィルター処理Flatten、Lowpass、カンチレバー単結晶シリコン製、先端曲率半径5〜20nmという測定条件で測定を行った結果を示した。測定はそれぞれ数回の測定を行い、その平均値を測定結果とした。
【0062】
本発明において非磁性磁気ディスク基板としては磁気ディスク用として市販されているガラス基板が面粗さを小さくできるので好適に使用されるが、他の基板でも面粗さを小さくすることが出来れば使用可能である。
【0063】
実施例7のヘッドスライダを取り付けたサスペンションは図10に示したようなタイプ1930と呼ばれるタイプの通常に使用されているものである。実施例8のヘッドスライダは図15に示したものであり、荷重は4〜8mNに設定した。このサスペンションは図11に示した本発明の構造原理に基づき製造したものであり、サスペンション中央部にスライダ62の背面の回転支持部の回転剛性より小さい並進剛性を持つ変形可能部64を有している。
【0064】
実施例7、比較例1のヘッドスライダをRa0.6nmの粗さの磁気ディスク上で周速7m/sで浮上させた状態で、気圧を26600Paまで減圧し、その時の摩擦力の振幅およびAE(アコースティックエミッション)を測定した。摩擦力の振幅は摩擦力の増加とともに大きくなり、AE出力も大きくなる。気圧とAE出力の測定結果例を図16に示す。
【0065】
図の上二段は比較例1で減圧していったときのAE出力の変化(気圧の変化に対応してAE出力を示す)を表しており、下二段は実施例7で軸受け面に50nmの段差をつけた場合のそれを示している。大気圧下でAE出力はほとんど出ていない(96の状態)が、減圧していく(図で右にゆく)と比較例1の場合はスライダが接触を開始(97の状態)して、さらに減圧するとスライダが振動して極めて大きいAE出力(98の状態)が測定された。それに対して本発明のスライダを用いた実施例7では減圧をしていってもスライダの振動に伴う巨大なAE出力は測定されなかった。
【0066】
(実施例9)
さらに、実施例7において、段差の高さを変え、結果としてピッチ角を変えたスライダを作成した。これらを実施例7と同様のヘッドサスペンションのサスペンションに取り付け、気圧26600Pa下の摩擦力の振幅を比較した。結果を図17に示す。
【0067】
ピッチ角が0の場合(すなわち比較例1)は摩擦力振幅は大きく、ピッチ角を20μrad以上とするだけで、摩擦力振幅は急減した。ピッチ角をもっと増加して200μrad以上とすると摩擦力振幅は増加していく。この結果から実施例7のスライダを用いたヘッドでは、ピッチ角を20〜200μradとすることで摩擦力振幅が極めて小さくなっていることが判った。
【0068】
0.6nmの磁気ディスク上で周速7m/sで連続摺動させたときの摩擦力振動振幅を測定した。その結果を図18に示す。
【0069】
驚くべきことに従来の技術で示唆されていた接触面積を小さくする、すなわちパッド幅を小さくするとスティクションが小さくなるという現象とは逆にパッド幅を大きくすると摩擦力の振動振幅は小さくなるという結果を得た。
【0070】
(実施例10)
上記の結果が従来の技術とは異なる現象を示している点に着目し、さらに磁気ディスクの潤滑膜厚と表面粗さの異なる磁気ディスクと、実施例7のピッチ角を規定する段差が50nmのヘッドスライダの組合せで、摩擦力の振動振幅を比較した。潤滑膜厚0.5nm、1.0nm、1.5nm、2.0nm、2.5nmの磁気ディスクでの測定結果を図19に、中心線平均粗さRaが約0.3nm、0.8nm、1.1nm、1.7nmの磁気ディスクでの測定結果を図20に示す。
【0071】
潤滑膜厚の依存性を表す図19からはパッド幅が大きい(300ミクロン)場合は、潤滑膜厚が厚い方が摩擦力振動が小さくなっており、パッド幅が小さい(50ミクロン)の場合は潤滑膜厚が厚くなると摩擦力振動が大きくなり、パッド幅の大きさで全く逆の結果となっている。潤滑膜厚は1.0nm以上で摩擦力が小さくなっていることから、本発明のヘッドスライダとの組合せには潤滑膜厚1.0nm以上の磁気ディスクが好適であるといえる。磁気ディスクの面粗さの依存性を示す図20からも、パッド幅が大きい場合は面粗さが小さくなると摩擦力が小さく、逆にパッド幅が小さい場合は面粗さが小さい方が摩擦力が大きいという逆の結果となっている。磁気ディスクの面粗さはRa1.3nm以下で摩擦力が小さくなっていることから、本発明のヘッドスライダとの組合せにおいてはRa1.3nm以下の粗さの磁気ディスクが好適であるといえる。従来の技術から示唆される接触面積が小さいほどスティクションが小さいという現象は、図19、20においてパッド幅の小さい場合に発生する現象を示していたか、もしくは接触点の前方斜面のピッチ角が後方のそれよりも小さくなく、潤滑剤の圧縮応力の発生が充分ではなかったためと考えられる。しかし、パッド幅が大きい場合には、従来の技術では推定され得なかった新たな現象が発生している。このような結果から、我々は図1〜4に示したヘッドスライダの軸受け面構造、すなわち、接触点の前方に溜まる潤滑剤の量を後方に溜まる潤滑剤の量より多くする機構によって、1〜3nm領域の厚さのヘッドディスクインターフェースにおいて、潤滑剤の圧縮応力でヘッドスライダを持ち上げるという、極低浮上あるいは接触滑走時における薄膜潤滑方式の発明に至ったものである。この発明では、その原理からして、接触点に発生する潤滑膜の圧縮応力と接触点に作用するスライダ荷重との関係で、接触点で潤滑膜が形成されるか否かが決定されるため、ヘッド荷重が小さくなれば潤滑剤の圧縮応力は小さくて済むため軸受け面の幅はその分小さくても済む。本実施例では荷重4〜35mNのスライダで軸受け面の幅を200ミクロン以上とすると摩擦力が小さくなった。
【0072】
しかし、荷重を小さくすれば、当然、幅は小さくても同様の効果を得ることが出来る。従来の技術では、ヘッドスライダの荷重と磁気ディスクの面粗さ、潤滑膜の材料、膜厚、スライダの軸受け面の形状が本発明で対照とした領域とは異なったため、本発明とは異なる現象として測定されたものと推定される。
【0073】
(実施例11)
さらに実施例7においてスライダの軸受け面の段差高さをパラメータとして、減圧していったときに磁気ディスクと接触を開始したとAEで判定した接触開始気圧を測定した。潤滑膜厚2.0nmでRa0.6nmの磁気ディスクを使って測定した。その結果を図21に示す。
【0074】
ピッチ角が0の場合(すなわち比較例1の場合)から、段差をつけてピッチ角を付与した場合に接触開始気圧は一旦減少して、50〜100nmの段差で最小値を取り、その後段差が高くなるにしたがって増加する。AE信号は微小なヘッドスライダの振動を検出しているので、段差を付与することでヘッド振動が明らかに小さくなること、またあまり大きくするとスライダの振動は大きくなっていくことが明らかとなった。この現象も従来の技術からは示唆され得るものではなく、本発明において新たに見出された現象である。
【0075】
(実施例12)
次に実施例8でパッド幅300ミクロンで,スライダの軸受け面の段差の高さが50nmと350nmのヘッドスライダの耐摩耗性を比較した。耐摩耗性試験は周速7m/sでヘッドスライダを磁気ディスクと連続摺動してクラッシュまでの時間を比較した。本発明の薄膜潤滑方式では、スライダの軸受け面と磁気ディスクとの間のピッチ角があまりに大きいと潤滑剤の圧縮応力が小さくなり、接触界面で潤滑膜を形成できなくなり耐摩耗性が劣化する。図22にその結果を示す。
【0076】
図から明らかなように上記段差があまり大きいと、すなわちピッチ角があまり大きいとクラッシュまでの時間が短いことが判り、発明者の推定が正しいことが示された。
【0077】
(実施例13)
次に実施例13として実施例7のヘッドスライダで段差高さを100nm、パッド幅を300ミクロンとしてスライダの背面中央にレーザスクライブ加工を施してクラウンをつけたスライダを作成した。クラウン量は約0nm、約30nm、約50nmである。実施例13のヘッドスライダを用いた磁気ヘッドにより磁気ディスクの分解能を比較した。分解能は記録再生素子と磁気ディスクの磁性膜との距離に関係し、一般的に距離が小さくなると分解能は増加する。結果を図23に示す。この結果はクラウンを大きくすると分解能は増加することを示している。
【0078】
上記の各実施例の検討結果から、本発明のヘッドスライダまたスライダサスペンションで高速接触での摩擦力低減、耐摩耗性向上の効果が著しいことが判った。
【0079】
(実施例14)
さらに、実施例14として図9に示したテクスチャの斜面の傾斜角が異なるテクスチャを軸受け面に形成したヘッドスライダを示す。実施例14のスライダの軸受け面のサイズは比較例1と同じである。テクスチャは浅溝部が幅25ミクロン深さ6nm、接触部が10ミクロン、深溝部が幅25ミクロン深さ50nmである。比較例2として実施例14のスライダ軸受け面のテクスチャ浅溝を深さ50nmの深溝に変えたものを製造した。実施例14と比較例2のヘッドスライダで潤滑膜厚2.0nm、中心線平均粗さRa0.6nmの磁気ディスクと組み合わせた場合、気圧26600Pa下の摩擦力の振幅を比較した。その結果、比較例2では摩擦力が大きくヘッドスライダが大きく振動していると推定されたが、実施例14では摩擦力は比較例2より十分小さかった。
【0080】
実施例14は浅溝と深溝を交互に配置したテクスチャ構造で本発明の効果を発現させたが、このほかの方法としてはイオンビームなどの方向性を持つビーム加工を用いてビームをスライダの軸受け面に垂直ではなく斜め入射させ、前方の斜面のピッチ角を小さくする方法なども考えられる。また、有効なテクスチャの形状としては、スライダの進行方向に対して垂直な線状なテクスチャ(実施例14)の他、格子状、あるいは、ハニカム状の多角形状のピットのテクスチャが考えられる。多角形ピットテクスチャの場合には、そのピットの斜面の角度がスライダの進行方向の斜面より後方の斜面を大きくすることで、多角形のピットに溜まった潤滑剤が効率的に接触部へ進入するため、摩擦力低減には効果的である。
【0081】
(実施例15)
実施例15として磁気ディスクのバーニッシュ加工に実施例8のヘッドスライダアセンブリを使用した例を示す。スライダの段差の高さは100nmである。また磁気ディスクは潤滑膜厚1.5nm〜2.0nmで中心線平均粗さRa0.6nmのものである。周速7m/sでシーク速度は0.3mm/回転で3回、磁気ディスクの半径17mm〜40.5mmをシークした。比較例3として通常市販されているワッフルタイプのバーニッシュヘッドでバーニッシュ加工を行った磁気ディスクを作成した。比較例3に用いたバーニッシュヘッドの概略図を24図に示す。
【0082】
スライダのサイズは2mm×1.6mm、荷重50mNであり、スライダ面にはテーパ99と交差した加工溝100と浮上面101がある。バーニッシュ加工の条件は同じである。実施例15と比較例3の磁気ディスクを磁気ディスク装置に組み込み磁気ディスク1面あたりのサーマルアスペリティ(TA)数を比較した。サーマルアスペリティは、磁気ディスク面の微少な突起とヘッドの記録再生素子が接触して再生信号の出力が変形する現象であり、この個数が多いと磁気ディスク装置の検査合格率が低下したり、装置の稼働とともに初期的には登録されていなかったサーマルアスペリティが発生して、装置の信頼性を低下させる。結果は実施例15の磁気ディスクのサーマルアスペリティ数が平均0.6個/面に対して比較例3では平均36個/面であり、実施例15のバーニッシュ加工を施した磁気ディスクの信頼性性能が優れているという結果を得た。
【0083】
(実施例16)
実施例16では、磁気ディスクのグライド検査工程に実施例7のヘッドスライダを使用したグライド検査を行い磁気ディスクを選別した。実施例7のスライダでピッチ角は100μradであり、スライダ背面に圧電素子を搭載して磁気ディスクの突起を検査できるものである。磁気ディスクは実施例15で使用したものと同じ種類のもので、比較例3のバーニッシュ加工を行った後にグライド検査を行った。比較例4として通常の2レールタイプのグライド検査ヘッドを用いて検査した磁気ディスクも用意した。実施例16と比較例4のスライダの浮上量は周速を調整してそれぞれ6nmとして突起欠陥を検査した。磁気ディスクを実施例16、比較例4ともに磁気ディスク100枚(200面)について検査したところ突起欠陥数は実施例16の磁気ディスクで平均1.4個/面、比較例4の磁気ディスクで平均9.2個/面であった。その中で突起欠陥数が1個以下の磁気ディスクを磁気ディスク装置に組み込みエラー、サーマルアスペリティの登録を行った後、ヒートランした。ヒートランは60度の環境で磁気ディスク装置を一定動作させ、エラーの発生を監視した。200時間後に発生したエラー数は実施例16の磁気ディスクが0個に対して、比較例4の磁気ディスクは平均0.3個/面のエラー発生(後発エラー)があった。発明者は、比較例4ではグライド検査で磁気ディスクを傷つけているため、突起検出数が多く、また磁気ディスク装置としては後発エラーの発生があったものと考えている。
【0084】
(実施例17)
実施例17としてエラー検査用のヘッドに実施例7のヘッドスライダを用いた場合を示す。検査した磁気ディスクは実施例16の場合と同じである。実施例7のヘッドスライダで段差を50nm形成したものを使用した。比較例5として、比較例1のヘッドスライダを用いてエラー検査した。ヘッドスライダの浮上量は8nmである。エラー検査はどちらも1ミクロンピッチで半径18mmから40mmまで行った。エラー測定の前には実施例15のバーニッシュ加工、実施例16のグライド検査を行い、実施例17、比較例5ともに100枚の磁気ディスクをエラー測定した。エラー測定の結果、実施例17の平均エラー個数は12個/面であり、比較例5は38個/面であった。
【0085】
(実施例18)
次に実施例18としてサーボトッラク記録工程で使用するクロックヘッドとして実施例7のヘッドスライダを用いて磁気ディスク装置を組み立てた。実施例18で用いたクロックヘッドは実施例7の段差を50nmとしたもので3.0インチの磁気ディスク上で回転数5000min−1の時浮上量が8nmになるように調整した。クロックヘッドは磁気ディスクの外周半径41mm位置にクロック信号を書き込んだ。比較例6では段差のない比較例1のヘッドを用いた。実施例18の場合はクロック信号は、正常に書き込め問題なくサーボトラック記録工程を終了した。しかしながら、比較例6の場合は、クロック信号の再生出力が変動して正常にサーボトラック記録工程を終了する磁気ディスク装置は少なかった。それらの装置を実施例16の場合と同じヒートランしたところ、比較例6の場合は後発のエラー発生装置率が11%であったのに対して、実施例18では1%以下であった。
【0086】
(実施例19)
実施例19として実施例7に示したヘッドスライダとフォンブリンZ−DOLの潤滑膜厚2.0nm、中心線平均粗さRaが0.6nmの磁気ディスクとを組合せ、磁気ディスク装置の塵埃フィルタ87に平均分子量2000のフォンブリンZ−DOLを1.5mg滴下した磁気ディスク装置を製造した。比較例7として塵埃フィルタにフォンブリンZ−DOLを滴下しなかったものを製造した。実施例19に使用したヘッドスライダの段差は50nmであり、浮上量は8nmである。また磁気ディスクのサイズは2.5インチサイズであり、その潤滑剤の平均分子量は約3000である。磁気ディスク装置はロードアンロード方式を採用したものである。比較のため磁気ディスク装置を70度でランダムにシークを繰りかえすランダムシーク試験を行い、後発のエラーが発生する時間を調査した。その結果比較例7の場合は1200時間でエラーの発生があったが、実施例19の場合は5000時間以上エラーの発生が無かった。このことから実施例19の磁気ディスクと同じ構造で小さい平均分子量の潤滑剤を磁気ディスク装置の内部に配置して、本発明のヘッドスライダと組み合わせることで信頼性の高い磁気ディスク装置とする事ができた。
【0087】
(実施例20)
従来の技術で示唆されていたスティクションの低減も本発明で可能であることを実施例20で示す。実施例20では実施例8のヘッドスライダを用いて中心線平均粗さRa0.6nmで潤滑膜厚2.2nmの磁気ディスクで試験を行った。比較例8として実施例8のスライダで段差40nmで軸受けパッド面の幅を50ミクロンとしたものを使用した。実施例20のスライダの段差は40nmである。試験は4200min−1の回転数で電源オン時間10秒、オフ時間10秒のコンタクトスタートストップ試験を行った。結果を図25に示す。本図において横軸CSS,cycleはコンタクトスタートストップの回数を表わし、縦軸Stiction,mNはスティクションをmN単位で表わす。
【0088】
実施例20のスライダではスティクションは非常に小さく、比較例8はスティクションが大きい。この結果から、本発明のヘッドスライダは高速で接触したときの摩擦力の低減のみならず、スティクションの低減効果もあることが判った。また、比較例8は従来の技術からはスティクションが小さいであろうと示唆されていたものであったが、本比較試験ではスティクションは小さくならず、本発明のヘッドスライダの方が良好なスティクション低減効果を示した。
【0089】
【発明の効果】
以上の各実施例で示したように、本発明のヘッドスライダ、ヘッドスライダアセンブリを用いた磁気ディスク装置とすることで高速接触時の摩擦力を低減することが可能であり、耐摩耗性の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を表す概略図である。
【図2】従来の技術を説明する概略図である。
【図3】従来の技術を説明する概略図である。
【図4】本発明を説明する概略図である。
【図5】本発明の実施例7を表す概略図である。
【図6】本発明の実施例8を表す概略図である。
【図7】本発明の実施例13を表す概略図である。
【図8】本発明を説明する概略図である。
【図9】本発明の実施例14を表す概略図である。
【図10】従来の技術からなるサスペンションの概略図である。
【図11】本発明の実施例のサスペンションを表す概略図である。
【図12】本発明の他の実施例のサスペンションを表す概略図である。
【図13】本発明の実施例の磁気ディスク装置を表す概略図である。
【図14】本発明の実施例の磁気ディスクの断面構造を表す概略図である。
【図15】本発明の他の実施例のサスペンションを表す概略図である。
【図16】本発明の実施例8と比較例1の減圧接触AE信号の比較図である。
【図17】本発明の実施例9のスライダのピッチ角と摩擦力振動振幅との関係を表す図である。
【図18】本発明の実施例9のスライダのパッド幅と摩擦力振動振幅との関係を表す図である。
【図19】本発明の実施例10の磁気ディスクの面粗さと摩擦力振動振幅との関係を表す図である。
【図20】本発明の実施例10の磁気ディスクの潤滑膜厚と摩擦力振動振幅との関係を表す図である。
【図21】本発明の実施例11のスライダの段差高さと減圧接触気圧との関係を表す図である。
【図22】実施例12のスライダの段差高さと耐摩耗性との関係を表す図である。
【図23】本発明の実施例13のスライダのクラウン量と分解能との関係を表す図である。
【図24】比較例3のバーニッシュヘッドの形状を表す概略図である。
【図25】本発明の実施例20と比較例8のコンタクトスタートストップ試験でのスティクションを表す試験結果である。
【符号の説明】
1…ヘッドスライダ、2…前方潤滑剤溜まり、3…後方潤滑剤溜まり、4…潤滑膜、5…磁気ディスク、7…面粗さの大きい磁気ディスク、8…接触点、9…接触部、111…空気流入軸受け面、12…前方パッド浅トレンチ面、13…流出パッド浅トレンチ面、14…流出軸受け面、15…深トレンチ面、16…段差形成部、18…段差高さ、19…流出軸受け面の幅、20…空気流入軸受け面の幅、21…段差長さ、22…ヘッド荷重点(ピボット点)、23…スライダ軸受け面、24…テーパ部、25…段差部、26…ピッチ角、27…段差高さ、28…スライダ軸受け面の幅、29…段差長さ、30…流入段差部ピッチ角、31…流出軸受け面ピッチ角、32…クラウン、33…テクスチャ浅溝深さ、34…テクスチャ深溝深さ、35…テクスチャ浅溝、36…テクスチャ深溝、37…テクスチャ突起接触部、51…ヘッドスライダ、52…スライダ回転支持部、53…摩擦力F、54…サスペンション、55…サスペンション取付アーム、56…サスペンション振動時の変形、57…サスペンション振動時の変形、58…サスペンション取付部の変形、61…ヘッドスライダ、62…スライダ回転支持部、63…摩擦力F、64…並進変形可能部、65…サスペンション取付アーム、66…サスペンション振動時の変形、67…サスペンション振動時の変形、68…サスペンション、71…ヘッドスライダ、72…スライダ回転支持部、73…摩擦力F、74…並進変形可能部、75…サスペンション取付アーム、76…サスペンション、81…ヘッドスライダ、82…アーム、83…磁気ディスク、84…スピンドルモータ、85…ボイスコイルモータ、86…信号処理回路、87…塵埃除去フィルタ、88…非磁性基板、89…シード層、90…下地膜、91…下部磁性膜、92…非磁性中間膜、93…上部磁性膜、94…保護膜、95…潤滑膜、96…非接触状態AE出力、97…接触開始AE出力、98…ヘッド巨大振動AE出力、99…テーパ部、100…機械加工溝、101…軸受け面、140…スライダの空気流入端、170…前方ピッチ角、171…後方ピッチ角、172…前方ピッチ角、173…後方ピッチ角、191…空気流出軸受け面のテクスチャ幅、201…スライダ軸受け面、202…スライダ軸受け面の後縁面、210…空気流入軸受け面のテクスチャ幅、261…段差により規定される前方ピッチ角度、262…ピッチ角度、350…テクスチャ浅溝底面、351…テクスチャ浅溝の斜面、360…テクスチャ深溝底面、361…テクスチャ深溝の斜面、601…スライダ軸受け面の磁気ディスク円板への最近接部(接触部)より前方に向かう傾斜角度(ピッチ角度)、602…スライダ軸受け面の磁気ディスク円板への最近接部(接触部)より後方に向かう傾斜角度(ピッチ角度)、701…スライダ軸受け面の磁気ディスク円板への最近接部(接触部)。

Claims (10)

  1. 情報が記録される磁気ディスクであって、表面の中心線平均粗さRaが1.3nm以下であり、表面に塗布された潤滑剤の表面張力が20×10 −3 N/m(20dyn/cm)以上であり、該潤滑剤の膜厚が1.0nm以上である磁気ディスクと、
    前記磁気ディスク面上を浮上させるための複数の空気軸受け面または磁気ディスク面上を接触しつつ滑らかに滑走させるための複数の潤滑軸受け面と、回転する磁気ディスクへの押し付け荷重力をうける荷重点(ピボット点)を有するヘッドスライダであって、前記荷重点(ピボット点)よりスライダ進行方向前方の前記軸受け面の、前記磁気ディスクへの最近接先端部あるいは接触部より前方に向かう磁気ディスク面に対する傾斜角度(ピッチ角度)が、最近接先端部あるいは接触部より後方に向かう磁気ディスク面に対する傾斜角度より小さいヘッドスライダと、を有することを特徴とする磁気ディスク装置。
  2. 前記ヘッドスライダ軸受け面の、前記磁気ディスクへの最近接先端部あるいは接触部よりスライダ進行方向前方に向かう磁気ディスク面に対する傾斜角度(ピッチ角度)が20μrad以上150μrad以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク装置
  3. 前記ヘッドスライダの荷重点(ピボット点)よりスライダ進行方向の前方に位置する流入端近傍の軸受け面に段差が形成されており、該段差によって決定される軸受け面の磁気ディスク面に対する傾斜角度(ピッチ角度)が20μrad〜150μradであり、かつスライダ進行方向に対して横方向の幅の少なくとも一部分が150μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク装置
  4. 前記ヘッドスライダの荷重点(ピボット点)よりスライダ進行方向前方に位置する空気流入端近傍の軸受け面に形成された段差面によって決定される、軸受け面の磁気ディスク面に対するスライダ進行方向に向かう傾斜角度(ピッチ角度)が、荷重点後方に位置する空気流出端近傍の軸受け面と磁気ディスク面とで決定されるスライダ進行方向に向かう傾斜角度(ピッチ角度)より大きく、かつ前記軸受け面の段差面スライダ進行方向に対して横方向の幅の少なくとも一部分が150μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  5. 前記ヘッドスライダ長手方向の中央部付近軸受け面が磁気ディスク面側に凸であり、空気流出端近傍の軸受け面磁気ディスク面とで決定される傾斜角度(ピッチ角度)が20μrad〜100μradであることを特徴とする請求項4に記載の磁気ディスク装置。
  6. 磁気ディスク上を浮上させるための複数の空気軸受け面、または磁気ディスク上を接触しつつ滑らかに滑走させるための複数の潤滑軸受け面を有するヘッドスライダにおいて、前記軸受け面が同一平面上にあり、各軸受け面はスライダの進行方向と磁気ディスクの双方に対して垂直な方向に形成された溝を有し、各溝は磁気ディスクに対し傾斜角をもって各々の深さの溝として形成されており、かつ、各軸受け面において該傾斜角度の小さい溝が前方に、隣り合ってあるいは接触部を介して傾斜角度の大きい溝が後方に配置されたテクスチャを形成し、かつ、前記各溝の前記ヘッドスライダの進行方向の横方向の幅の少なくとも一部分が150μm以上であることを特徴とするヘッドスライダ。
  7. 請求項6に記載のヘッドスライダと、該ヘッドスライダを取り付けるためのスライダサスペンションであって、スライダ支持部の回転支持機構とサスペンションアーム近傍のサスペンション折り曲げ部との間に1個の変形可能部を有し、回転支持機構部とスライダ側のサスペンション剛体部とを合わせたスライダピッチ方向の回転剛性率より、変形可能部のスライダ方向への剛性率が小さいスライダサスペンションと、を有することを特徴とするヘッドスライダアッセンブリ。
  8. 請求項6に記載のヘッドスライダあるいは請求項7に記載のヘッドスライダアッセンブリを磁気ディスクのバーニッシュ工程、グライド検査工程、およびエラー検査工程の少なくともいずれかに用いることを特徴とする磁気ディスクの検査・製造方法。
  9. 請求項6に記載のヘッドスライダあるいは請求項7に記載のヘッドスライダアッセンブリをサーボトラック記録工程で使用することを特徴とする磁気ディスク装置の組み立て方法。
  10. 情報が記録され、記録面上に潤滑膜を有する磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に対して情報の読み書きを行うヘッドスライダを備えたヘッドスライダアッセンブリとを含む磁気ディスク装置において、該ヘッドスライダまたは該ヘッドスライダアセンブリとして、請求項6記載のヘッドスライダまたは請求項7記載のヘッドスライダアセンブリを有し、さらに前記磁気記録媒体の潤滑膜と主鎖の基本構造が同じで、平均分子量がより小さい潤滑剤を供給用潤滑剤として有することを特徴とする磁気ディスク装置。
JP2001346170A 2001-11-12 2001-11-12 平滑面磁気ディスク対応ヘッドスライダ、ヘッドスライダアッセンブリ、および磁気ディスク装置、ならびに磁気ディスクの検査・製造方法、および磁気ディスク装置の組み立て方法 Expired - Fee Related JP3962241B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001346170A JP3962241B2 (ja) 2001-11-12 2001-11-12 平滑面磁気ディスク対応ヘッドスライダ、ヘッドスライダアッセンブリ、および磁気ディスク装置、ならびに磁気ディスクの検査・製造方法、および磁気ディスク装置の組み立て方法
US10/198,140 US6927942B2 (en) 2001-11-12 2002-07-19 Magnetic head slider and magnetic head slider assembly having a leading slope angle smaller than a trailing slope angle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001346170A JP3962241B2 (ja) 2001-11-12 2001-11-12 平滑面磁気ディスク対応ヘッドスライダ、ヘッドスライダアッセンブリ、および磁気ディスク装置、ならびに磁気ディスクの検査・製造方法、および磁気ディスク装置の組み立て方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003151233A JP2003151233A (ja) 2003-05-23
JP3962241B2 true JP3962241B2 (ja) 2007-08-22

Family

ID=19159387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001346170A Expired - Fee Related JP3962241B2 (ja) 2001-11-12 2001-11-12 平滑面磁気ディスク対応ヘッドスライダ、ヘッドスライダアッセンブリ、および磁気ディスク装置、ならびに磁気ディスクの検査・製造方法、および磁気ディスク装置の組み立て方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6927942B2 (ja)
JP (1) JP3962241B2 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7072145B2 (en) * 2002-09-26 2006-07-04 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Flying head slider with air bearing step face arrangement
US7006323B1 (en) * 2003-07-18 2006-02-28 Komag, Inc. Magnetic head for proximity recording
JP4078317B2 (ja) 2004-02-06 2008-04-23 Hoya株式会社 固体表面の評価方法、磁気ディスクの評価方法、磁気ディスクおよびその製造方法
JP2005285217A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Toshiba Corp スライダ、ヘッドアセンブリ、ディスク装置
JP4272102B2 (ja) 2004-04-12 2009-06-03 ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ 磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク装置
US7760468B2 (en) * 2004-04-21 2010-07-20 Sae Magnetics (Hk) Ltd. Air-bearing design with particle rejection features
JP4527511B2 (ja) * 2004-05-26 2010-08-18 富士通株式会社 ヘッドスライダおよび磁気記録装置
US7570457B2 (en) * 2005-03-31 2009-08-04 International Business Machines Corporation Tape recording head with trench defining wear zone for constant rate of head wear
US7255636B2 (en) * 2005-06-16 2007-08-14 Seagate Technology Llc Hybrid burnishing head design for improved burnishing of disk media
JP4594811B2 (ja) * 2005-06-28 2010-12-08 株式会社東芝 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体および磁気記録装置
US8758092B2 (en) * 2005-11-16 2014-06-24 Seagate Technology Llc Sweeper burnish head
US7314404B2 (en) * 2006-02-13 2008-01-01 Komag, Inc. Burnishing head
WO2008004471A1 (fr) * 2006-07-03 2008-01-10 Konica Minolta Opto, Inc. Procédé de fabrication d'un substrat de verre, disque magnétique et son procédé de fabrication
US7837885B2 (en) * 2006-11-07 2010-11-23 Sae Magnetics (Hk) Ltd. Air bearing design with a flatter pitch profile for reducing particle TAs
JP4600388B2 (ja) * 2006-11-28 2010-12-15 Tdk株式会社 磁気記録媒体、記録再生装置およびスタンパー
JP4377947B1 (ja) * 2008-06-12 2009-12-02 株式会社東芝 ヘッド、ヘッドサスペンションアッセンブリ、およびこれを備えたディスク装置
US8169744B2 (en) * 2008-11-26 2012-05-01 Hitachi Global Storage Technologies, Netherlands B.V. Slider having a lubricant-accumulation barrier
US8174794B2 (en) 2008-11-26 2012-05-08 Hitachi Global Storage Technologies, Netherlands B.V. Slider having a lubricant-accumulation barrier including a plurality of lubricant-accumulation-barrier portions
US8137163B2 (en) * 2009-03-16 2012-03-20 Seagate Technology Llc Burnish head design with multiple pads on side rail
US8279556B2 (en) * 2009-06-03 2012-10-02 Hitachi Global Storage Technologies, Netherlands B.V. Slider air bearing for disk drives
US8024748B1 (en) * 2009-09-09 2011-09-20 Western Digital Technologies, Inc. Method and system for coupling a laser with a slider in an energy assisted magnetic recording disk drive
TWI513993B (zh) 2013-03-26 2015-12-21 Ind Tech Res Inst 三軸磁場感測器、製作磁場感測結構的方法與磁場感測電路
CN113435085B (zh) * 2021-06-23 2023-01-03 西安交通大学 一种考虑粘滞效应的复杂形貌磁头稳态飞行建模方法

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5526204A (en) * 1989-12-20 1996-06-11 Conner Peripherals, Inc. Low drag liquid bearing recording head
US5345353A (en) 1992-09-21 1994-09-06 International Business Machines Corporation Step projection air bearing slider with improved stiction performance and wear resistance
JP3120593B2 (ja) 1992-10-05 2000-12-25 株式会社日立製作所 ヘッドスライダ支持装置
US5420735A (en) * 1993-05-28 1995-05-30 Maxtor Corporation Hard disk drive having partial contact magnetic recording slider apparatus
US5424888A (en) * 1993-06-24 1995-06-13 International Business Machines Corp. Speed independent, air bearing slider
JPH0721717A (ja) * 1993-06-24 1995-01-24 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 速度および斜行依存性のないエア・ベアリング・スライダ
US5418667A (en) * 1993-08-03 1995-05-23 International Business Machines Corporation Slider with transverse ridge sections supporting air-bearing pads and disk drive incorporating the slider
US5841608A (en) * 1994-08-30 1998-11-24 Fujitsu Limited Head slider with projections arranged on rails thereof
US5886856A (en) * 1994-09-19 1999-03-23 Hitachi, Ltd. Magnetic head slider assembly for magnetic disk recording/reproducing apparatus
JP3219947B2 (ja) 1994-09-29 2001-10-15 アルプス電気株式会社 浮上式磁気ヘッド
JP3647961B2 (ja) 1996-03-05 2005-05-18 富士通株式会社 磁気ヘッド用スライダ及び磁気記録装置
JPH1049850A (ja) 1996-08-05 1998-02-20 Hitachi Ltd 磁気ディスク記録装置
US5768055A (en) * 1996-09-19 1998-06-16 Sae Magnetics (H.K.) Ltd. Magnetic recording head having a carbon overcoat array on slider air bearings surfaces
JPH10112023A (ja) 1996-10-04 1998-04-28 Mitsubishi Chem Corp 磁気ディスクの検査方法
US6021020A (en) * 1996-10-28 2000-02-01 Kabushiki Kaisha Toshiba Head slider and read/write apparatus using same
WO1999000792A1 (en) * 1997-06-27 1999-01-07 Seagate Technology, Inc. Slider for disc storage system
JPH1125629A (ja) 1997-07-02 1999-01-29 Hitachi Ltd 磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク記録装置
JPH1137748A (ja) 1997-07-22 1999-02-12 Mitsubishi Chem Corp 磁気ディスクの突起検出方法
JPH11185418A (ja) 1997-12-17 1999-07-09 Hitachi Metals Ltd 浮上式磁気ヘッド
US6373661B1 (en) * 1998-04-28 2002-04-16 Hitachi, Ltd. Magnetic head slider and a magnetic disk device in which the slider is mounted
JP2000030389A (ja) * 1998-07-08 2000-01-28 Fujitsu Ltd ヘッドスライダ及びディスク装置
JP2000055883A (ja) 1998-08-13 2000-02-25 Kubota Corp 磁気記録媒体の検査方法及び検査用ヘッド
JP3815094B2 (ja) * 1998-12-24 2006-08-30 富士通株式会社 ヘッドアセンブリ及びディスク装置
JP2001035113A (ja) * 1999-06-30 2001-02-09 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 磁気ヘッド
JP3366609B2 (ja) * 1999-12-27 2003-01-14 アルプス電気株式会社 磁気ヘッドおよび磁気記録装置
JP3444256B2 (ja) * 2000-01-18 2003-09-08 株式会社日立製作所 磁気ディスク装置
JP3769441B2 (ja) * 2000-02-14 2006-04-26 株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ スライダおよび記録装置
US6657820B2 (en) * 2001-01-18 2003-12-02 Hitachi, Ltd. Magnetic head slider

Also Published As

Publication number Publication date
US20030090833A1 (en) 2003-05-15
JP2003151233A (ja) 2003-05-23
US6927942B2 (en) 2005-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3962241B2 (ja) 平滑面磁気ディスク対応ヘッドスライダ、ヘッドスライダアッセンブリ、および磁気ディスク装置、ならびに磁気ディスクの検査・製造方法、および磁気ディスク装置の組み立て方法
US7690100B2 (en) Techniques for certifying a head-gimbal assembly
JP3990091B2 (ja) 磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク装置
JP6294843B2 (ja) 円環状基板、磁気ディスク用基板、磁気ディスク用基板の製造方法、磁気ディスク、磁気ディスクの製造方法、ハードディスク装置
US20030137773A1 (en) Slider for disc storage system
KR20030091958A (ko) 공기 베어링 슬라이더
JP2007272995A (ja) 磁気ディスク装置および非磁性基板の良否判定方法、磁気ディスク、並びに磁気ディスク装置
JP3965277B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記憶装置
US8711520B2 (en) Device with a floating head having a heater element
US6552872B2 (en) Magnetic disk drive capable of preventing stiction of magnetic head
US20020040595A1 (en) Glide heads and methods for making glide heads
JPWO2005004152A1 (ja) 磁気ヘッドスライダ及びその製造方法
JP2901437B2 (ja) 磁気ディスク及び磁気ヘッド
JP2005235290A (ja) 磁気ヘッドスライダ
Jiaa et al. Opportunities and challenges for near contact recording
JP2006120228A (ja) ディスク装置
JP2006294122A (ja) 磁気ディスク用グライドヘッド
Suk Head-disk interface: migration from contact-start-stop to load/unload
JP4181064B2 (ja) 記録媒体の製造方法
JP2000099942A (ja) 磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板
JP2738394B2 (ja) 磁気ディスク
JP2930060B2 (ja) 磁気ディスク、磁気ディスク用基板および磁気ディスクの製造方法
JP2910960B2 (ja) 磁気ディスク及び磁気記録装置
JP2000149478A (ja) 磁気ヘッドスライダ並びに磁気ディスク装置、磁気ヘッドスライダの作成方法
JPH1021501A (ja) 磁気ディスク媒体および磁気ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041019

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070213

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140525

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees