JP3961776B2 - 鉛蓄電池のストラップ形成用鋳型、及び鉛蓄電池の製造方法 - Google Patents

鉛蓄電池のストラップ形成用鋳型、及び鉛蓄電池の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚の同極性極板の耳部同士を接続するストラップをキャスト・オン・ストラップ方式により形成するための鉛蓄電池のストラップ形成用鋳型に関し、更に前記鉛蓄電池を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
キャスト・オン・ストラップ方式(以下COS方式と略称する。)を実施するのに使用されるストラップ形成用鋳型の中には、溶融鉛等の溶融金属を導くライザホールが連通された湯溜り溝の一側に、この溝の長手方向に間隔的にキャビティを並設し、各キャビティを夫々上部に凹部を有する堰を介して湯溜り溝に連通させた構成のものがある。この鋳型は、複数枚の同極性の極板の耳部を接続するストラップを形成するにあたり、前記キャビティの数に応じた極板群に個々に対応する数のストラップを同時に成形できる点で優れている。
【0003】
そして、溶融金属供給排出装置によって、溶融金属はライザホールを通して湯溜り溝から堰上部の凹部を経てキャビティに供給されるが、この供給時間を短かくして製造性を向上するために、従来は溶融金属を急速に供給していたので、それに伴い湯溜り溝及びキャビティ内に供給された溶融金属の上面(液相面)に波打ちを生じる。このような波打ち状態のままで、極板群の耳部がキャビティ内に挿入された後に、鋳型が強制冷却されてキャビティ内の溶融金属が凝固されると、それにより形成されたストラップの表面が波打って、このストラップの厚みが不均一になる。
【0004】
そのため、波打っている溶融金属が前記堰を超えてキャビティに流入する際に波動エネルギーを有効に減衰して、キャビティ内での前記液相面の波打ちを抑制する必要から、従来は前記堰の凹部の深さを4.0mm或はそれ以上としている。
【0005】
また、COS方式では既述のようにキャビティ内の溶融金属に極板群の耳部を挿入した状態で溶融金属を凝固させるので、耳部の挿入直後にキャビティ内の溶融金属が直ぐに凝固すると、この凝固により形成されるストラップと耳部とが溶け合うことがなくなり、両者間の結合強度が低くなる。そのため、挿入された耳部の少なくとも先端部が溶けた状態で前記凝固が行われるに足る時間を確保する必要から、従来は、前記堰の底の高さ位置からのキャビティの深さを9.0mm〜10.00mmとして、キャビテイの容積を大きくしている。それにより、キャビティ回りの温度を高く保持させて、キャビティ内の溶融金属の凝固速度を遅くしている。
【0006】
以上のように設定された堰及びキャビティを有した従来のストラップ形成用鋳型を用いてCOS方式で形成された鉛蓄電池の耳部とストラップとの関係が図5に示されている。図5中符号1は例えば正極板、2は正極板1の耳部、3は負極板の耳部、4は正極板1群の耳部2に接続されたストラップ、5は負極板群の耳部3に接続されたストラップを示しており、また、6は夫々耳部2又は3の先端部とストラップ4又は5とが溶け合った部分を示している。この図5に示されるようにストラップ4、5の幅方向の両端面7と、極板側のストラップ裏面8とは、極板方向に向けて突出するバリ9を介して連続されることがある。このバリ9ができる正確な理由は定かではないが、従来の構成の鋳型を用いてCOS方式でストラップ4、5を形成すると、バリ9の発現率が高いことは確かめられている。
【0007】
ところで、鉛蓄電池の使用中の充放電の繰り返しにより、その極板の内、特に正極用極板1はその面が広がる方向に延び易いことは知られている。この延びによって極板1の一部が負極用極板に接続されたストラップ5の裏面8に至近距離まで接近する場合がある。
【0008】
そのため、既述のように金属製ストラップ5にバリ9が形成されていると、図5中2点鎖線で示すように延び変形した正極板1の縁1aがバリ9と干渉することがある。この干渉により正極板1と負極板とが短絡するので、鉛蓄電池の寿命を早期に損なう原因となる。また、バリ9は極めて薄い張出し部であるから、前記干渉によって容易に割れ落ちることはもちろんの事、輸送時や使用時などに外部から加わるショック等で、バリ9の一部が容易に剥れ落ちることがある。このようにしてバリ9の一部が、セパレータ板を間に置いて交互に配置されている正極板1と負極板の上に落下すると、それを原因として正極板1と負極板とが短絡することがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、鉛蓄電池の寿命低下の原因となることを防止できるストラップを形成するのに適した鉛蓄電池のストラップ形成用鋳型及び鉛蓄電池の製造方法を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明の鉛蓄電池のストラップ形成用鋳型は、鋳型本体と、この本体の上面に開放して前記鋳型本体に形成された湯溜り溝と、この湯溜り溝と連通して前記鋳型本体に設けられ前記湯溜り溝に溶融金属を導くライザホールと、前記湯溜り溝に沿って前記鋳型本体にこの本体の上面に開放して設けられ、かつ、極板の耳部が上方から挿入される複数のキャビティと、これらのキャビティと前記湯溜り溝との間にこれら両者を個々に連通する凹部を形成して前記キャビティと同数前記鋳型本体に設けられた堰とを具備し、前記堰上に形成された前記凹部は前記鋳型本体の上面に開放され、かつ、これら凹部の前記鋳型本体の上面からの深さを 1.0 mm〜 2.0 mmとしたことを特徴としている。
【0014】
この発明においては、堰の凹部の深さを1.0mm〜2.0mmとしたことで、COS方式でのストラップ形成の際におけるキャビティでの溶融金属の切れ(湯切り)が良くなる。それにより、幅方向両端に極板側に突出するバリを持たない構成であって、かつ、幅方向両端部が曲面で形成されたストラップを形成できる。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の湯溜り溝の容積を前記キャビティの湯溜り容積に対して4倍〜6倍としたことを特徴とする
この発明においては、湯溜り溝が深くその容積が大きいので、この湯溜り溝内の溶融金属の波立ちを抑制できる。そのため、湯溜り溝から堰を通ってキャビティに供給される溶融金属の供給量のばらつきを少なくできるとともに、キャビティ内の溶融金属の波立ちもより少なくできる。
【0016】
また、前記課題を解決するために、請求項3に係る鉛蓄電池の製造方法は、複数枚の同極性極板の耳部とストラップとをキャスト・オン・ストラップ方式により一体に接続する鉛蓄電池の製造方法において、前記請求項1又は2に記載のストラップ形成用鋳型を用いて、溶融金属をその液相面が波立たないように前記鋳型の湯溜り溝及びキャビティに供給し、これら湯溜り溝及びキャビティに前記鋳型の堰を越えて前記溶融金属が満たされた状態を数秒間保持してから、前記キャビティ内の溶融金属中に前記耳部を上方から挿入した後、前記キャビティの液相面よりも前記湯溜り溝の液相面を下げ、次に、前記鋳型を強制冷却して前記キャビティ内の溶融金属を凝固させて、前記ストラップを形成することを特徴としている。
【0017】
この発明においては、請求項1又は2に記載のストラップ形成用鋳型を用いて、COS方式によりストラップを形成するから、ストラップの幅方向両端面とストラップ裏面とが、極板の根元に向けて突出する凸状曲面を作って連続していて、ストラップがその幅方向両端部に極板側に突出するバリを持たない構成であるとともに、ストラップの幅方向両端部が曲面で形成されていて、その分前記ストラップ裏面と対向する極板と前記曲面との離間距離を増やすことができる鉛蓄電池を作ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0019】
図1は一実施形態に係る製法で作られた鉛蓄電池の極板群及びこれに接続されたストラップを示す斜視図、図2は図1に示された極板群とストラップとの関係を示す断面図である。これらの図中符号11は一方の極板例えば正極板、12は正極板11とは異なる極性の極板つまり負極板、13は電気絶縁材料からなるセパレータ板を夫々示している。セパレータ板13は正極板11と負極板12との間に配置されている。
【0020】
図1及び図2の状態において各正極板11の上側の縁11bには夫々耳部11aが一体に突設されていて、これら耳部11a同士はストラップ14により接続されている。同様に、図1及び図2の状態において各負極板12の上側の縁にも夫々耳部12aが一体に突設されていて、これら耳部12a同士はストラップ15により接続されている。
【0021】
各耳部11a、12aの幅は、いずれもストラップ14、15の幅よりも狭い。ストラップ14の幅方向略中央部に各耳部11aが接続され、ストラップ15の幅方向略中央部に各耳部12aが接続されている。この接続状態において耳部11a、12aの少なくとも先端部とこれに接合されたストラップ14、15とは、溶け合った状態で凝固している。この溶け合った状態の凝固部分を、図2中の正極板11の耳部11aとストラップ14との関係で代表し、符号16で代表して示す。ストラップ14、15を形成する金属には、純鉛(本実施形態で採用)もしくは鉛合金、又は半田等を用いることができる。
【0022】
図2に詳しく示されるように前記接続状態において、ストラップ14、15の幅方向の両端面A、Bと耳部11a又は12aに連続する正極板11又は負極板12側のストラップ裏面Cとは、曲面Dで連続されている。曲面Dはストラップ裏面Cから端面A又はBに行くにしたがい、耳部11a又は12aが突設された両極板11、12の縁11b、12bから次第に遠ざかる円弧を描いて形成されている。このような曲面Dをストラップ14、15がその幅方向両端部に有しているから、各面A〜Dによって耳部11a又は12aの根元に向けて突出する凸状曲面が作られている。したがって、ストラップ14、15はその幅方向両端部に正負両極板11、12側に突出するバリを持たない構成となっている。また、ストラップ14、15の長手方向でも同様にバリを持たない構成となっている。
【0023】
次に、前記構成のストラップ14、15を形成する鋳型21について図3及び図4を参照して説明する。この鋳型21は、鋳型本体22に、湯溜り溝23と、ライザホール24と、キャビティ25と、堰26とを設けて形成されている。
【0024】
鋳型本体22は、例えば一対の湯道ブロック22a間に鋳型ブロック21bを挟設して形成されている。両ブロック22a、22bはその上面が面一となるように組合わされている。鋳型ブロック21bには図示しないが強制冷却用の水冷通路が設けられている。
【0025】
湯溜り溝23は、両湯道ブロック22aの夫々にこれらブロック21aの上面に開放して設けられ、鋳型本体22の長手方向に延びている。湯溜り溝23はその深さを大きくして、その容積を後述のキャビティ25に供給される溶融鉛の量の5倍の溶融鉛を溜めることができる大きさに形成されている。
【0026】
ライザホール24も両湯道ブロック22aの夫々に鋳型本体22の長手方向に延びて設けられている。ライザホール24は湯溜り溝23について少なくとも1本あれば良いが、本実施形態では一つの湯溜り溝23に対しその下側に互いに平行な2本のライザホール24を設けている。これらライザホール24の全長は例えば429mmである。両湯道ブロック22aの夫々には、2本のライザホール24とこれらに対応する湯溜り溝23の最も低い底部とにわたる湯路27、28が設けられている。湯路27、28は、湯溜り溝23の最も低い底部近傍で合流されて、湯溜り溝23に連通されている。なお、湯路27、28は、図3及び図4において代表して1つのみ示したが、湯道ブロック22aの長手方向に所定間隔毎に複数設けられている。各ライザホール24の長手方向一端は閉じられ、他端は図4に示す溶融金属給排出装置としての溶融鉛供給排出装置29に接続されている。
【0027】
溶融鉛供給排出装置29は、プランジャポンプ等を有し、かつ、このポンプからライザホール24までの経路を一時的に開放する一時開放部(図示しない)を有している。この一時開放部を閉じた状態で前記ポンプを駆動させることにより、溶融鉛供給排出装置29は、溶融金属例えば溶融鉛をライザホール24に送り込んで、この溶融鉛を湯路27、28を通して湯溜り溝23に供給する。この場合、一つの湯溜り溝23への供給は2系統、つまり、2本のライザホール24を用いて比較的ゆっくり行われるので、既述のようにライザホール24が429mmと長いにも拘らず、その長手方向の静圧差による溶融鉛吐出量の差異を少なくできる。それにより、前記ポンプを駆動しての溶融鉛供給時における湯溜り溝23内での溶融鉛の液相面での波立ち現象を抑制できる。
【0028】
なお、ライザホール24の長手方向中央部を溶融鉛供給排出装置29に連通させる構成としてもよい。それにより、より長いライザホール24の長手方向の静圧差による経路前後での溶融鉛吐出量の差異を少なくして、溶融鉛供給時における湯溜り溝23内での溶融鉛の液相面での波立ち現象を抑制できる。
【0029】
また、溶融鉛供給排出装置29は、溶融鉛供給後に、前記一時開放部を任意時間開くことにより、この一時開放部を通して湯溜り溝23内に供給された溶融鉛の少なくとも一部を回収しつつ、湯溜り溝23内の溶融鉛の上面(液相面)の高さ位置を下げることができる。
【0030】
前記キャビティ25は鋳型ブロック21bに複数設けられている。つまり、湯溜り溝23の一側に接近して、この溝23の長手方向に沿って所定間隔毎に設けられている。各キャビティ25の上面は鋳型ブロック21bの上面に開放しているとともに、これらキャビティ25の深さは好ましい例として6.0mmと浅く設定されている。
【0031】
これらキャビティ25と湯溜り溝23との間には、これら両者を個々に連通する凹部31を形成する堰26が設けられている。各凹部31の深さG(図4参照)は、2.0mm以下、好ましくは1.0mm〜2.0mm、例えば本実施形態では1.0mmと浅くしてある。そして、凹部31の底をなす堰26の上端の高さ位置で規定される各キャビティ25の個々の湯溜り容積に対して、湯溜り溝23の湯溜り容積は4倍〜6倍としてある。
【0032】
このように湯溜り容積比を設定したことにより、溶融鉛の供給時に湯溜り溝23に溜められた溶融鉛の波立ちを抑制できるとともに、キャビティ25内の溶融鉛の急な固化を防ぐことができ、又、容積比が前記範囲よりも大き過ぎて、溶融鉛の供給量が多量に必要となって効率的に悪くなることを防止できる。なお、前記容積比が前記範囲よりも小さ過ぎる場合には、溶融鉛の供給時に湯溜り溝23に溜められた溶融鉛が波立ち易くなるとともに、キャビティ25内の溶融鉛の固化が早まったりする。そして、既述のように湯溜り溝23での溶融鉛の波立ちが抑制されることにより、堰26を乗り越えてキャビティ25に流入する溶融鉛の量が、各キャビティ25でばらつくことを少なくして、ストラップ14、15を設定通りの厚みに安定して形成できる。
【0033】
また、前記構成のストラップ形成用鋳型21において、図3中手前側の列をなしたキャビティ25は、例えば正極板の所定枚数の極板群(セル)に対するストラップ14を形成するのに使用され、図3中奥側の列をなしたキャビティ25は、例えば負極板の所定枚数の極板群(セル)に対するストラップ15を形成するのに使用される。なお、図4中符号30は予熱装置を示し、これはストラップ形成の際にキャビティ25に挿入して、溶融鉛中に浸漬されようとする同極性の極板群の耳部群10を加熱して温度上昇させるもので、電磁誘導加熱装置等を使用できる。
【0034】
次に、前記構成のストラップ形成用鋳型21を用いてのCOS方式でのストラップ形成について説明する。
【0035】
溶融鉛供給排出装置29による溶融鉛の供給動作により、溶融鉛は、ライザホール24に送り込まれ、更に湯路27、28を通って湯溜り溝23内に供給される。湯溜り溝23内の溶融鉛の液相面が各堰26の上端より高い位置に上昇すると、上昇した溶融鉛が各堰26を乗り越えて各キャビティ25に流入される。そして、全てのキャビティ25の上面まで溶融鉛が注ぎ込まれた時点で、前記供給動作を停止させて、この状態を所定時間例えば少なくとも約2秒間保持する。
【0036】
以上の溶融鉛供給における溶融鉛の供給速度は従来よりも遥かに遅くする。そのため、溶融鉛の供給速度が湯溜り溝23の液相面での波立ちの原因となることを少なくできる。しかも、湯溜り溝23が深く形成されていて、その容積が大きく確保されていることにおいても、湯溜り溝23の液相面での波立ちを抑制できる。その上、ライザホール24を2本用いたから溶融鉛の静圧干渉による湯溜り溝23の液相面での波立ちを抑制できる。したがって、その結果として湯溜り溝23の液相面での波立ちを極めて効果的に抑制して、実質的に波立たないようにできる。そのため、堰26の上の凹部31が浅く液相面での波立ちの打ち消し作用が小さいにも拘らず、この堰26を乗り越えてキャビティ25に流れ込んだ溶融鉛の液相面が波打つことも防止できる。
【0037】
そして、溶融鉛の供給完了状態を既述のように2秒間保持することにより、キャビティ25回りの温度を上昇させることができるとともに、上方への輻射熱により、既に予熱されて各キャビティ25の真上に位置されている耳部群10を加熱できる。
【0038】
この後に、前記各セルの耳部群10を夫々キャビティ25内に上方から挿入して溶融鉛に浸漬する。
【0039】
次に、前記挿入浸漬が完了した時点で、溶融鉛供給排出装置29による溶融鉛の排出動作を行なわせて、湯溜り溝23の液相面を堰26より下げて、各キャビティ25内の溶融鉛を湯溜り溝23の溶融鉛から切り離すとともに、堰26の底の高さにより各キャビティ25内の溶融鉛の量を規定する。
【0040】
そして、所定のタイミングで鋳型ブロック21b内の水冷通路に冷却水を流通させて、鋳型ブロック21bを強制冷却することによって、キャビティ25内の溶融鉛を凝固させる。
【0041】
この場合、既述のようにキャビティ回りの温度が高く保持されているために、耳部群10の少なくとも先端部が溶けた状態で前記凝固が行われるに足る時間を確保できる。そして、以上の凝固により、キャビティ25の形状及び深さに応じた厚みのストラップ14、15を形成できる。このストラップ14、15においては、既述のように耳部11a、12aの少なくとも先端部とこれに接合されたストラップ14、15とが、溶け合った状態で凝固している。
【0042】
こうして、図2に示したように幅方向両端部にバリを有しない既述の構成のストラップ14、15を形成できた。これは、堰26の上の凹部31の深さを1.0mmとしたことにより、既述のCOS方式でのストラップ形成の際におけるキャビティ25での溶融鉛の湯切りが良くなったことでもたらされたものである。
【0043】
また、本発明者による試験の結果によれば、堰26の上の凹部31の深さを2.0mmとした場合でもバリの発生がないストラップ14、15を形成できることが確かめられた。しかし、凹部31の深さを3.0mm、4.0mm以上とした場合にはストラップ14、15にバリが発生することが確かめられた。なお、ここに、バリの発生は、前記各深さの凹部を有した数種類の鋳型21を用いて、夫々1000個のストラップ14、15を形成して確かめたもので、その中に1個でもバリの発生があった場合は、その鋳型ではバリが発生すると評価したものであり、既述のように凹部31の深さが1.0mm〜2.0mmの鋳型21においては、いずれも形成された1000個のストラップ14、15にはバリが発生していなかった。
【0044】
そして、以上のように形成されたストラップ14、15はその幅方向両端部に正負の極板11、12側に突出するバリを持たない構成であるとともに、ストラップ14、15の幅方向両端部が曲面Dで形成されていて、その分、ストラップ裏面Cと対向する正負の極板11、12と前記曲面Dとの離間距離を増やすことができる。
【0045】
そのため、バリを原因とする正負両極板11、12の短絡、及び鉛蓄電池の使用中の充放電の繰り返しにより、正極板11が図2中2点鎖線で示すように延び変形して、その縁11bが負極板12用のストラップ15に接触して、正負両極板11、12が短絡することがない。したがって、前記ストラップ14、15を備える鉛蓄電池は、極板短絡による寿命低下の恐れがなく長寿命である。
【0046】
また、ストラップ14、15を形成するためのキャビティ25の深さも浅くできるので、キャビティ25への溶融金属の供給量を削減できるとともに、それに見合って形成されるストラップ14、15を小形軽量にできる。したがって、コストダウンができるだけではなく、ストラップ14、15の重量軽減に応じて鉛蓄電池を軽量にできる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0049】
請求項1に係る発明によれば、COS方式でのストラップ形成の際におけるキャビティでの湯切りが良くなり、幅方向両端部に極板側に突出するバリを持たないとともに、前記幅方向両端部が曲面で形成されたストラップを形成できるから、鉛蓄電池の寿命低下の原因となることを防止できるストラップを形成するのに適した鉛蓄電池のストラップ形成用鋳型を提供できる。
【0050】
請求項2に係る発明によれば、キャビティへの溶融金属の供給量のばらつき、及びキャビティ内に供給された溶融金属の波立ちをより少なくできるから、均一な厚みのストラップを形成するのに適した鉛蓄電池のストラップ形成用鋳型を提供できる。
【0051】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は2に記載のストラップ形成用鋳型を用いて、COS方式により鉛蓄電池のストラップを作ることができるから、鉛蓄電池の寿命低下の原因となることを防止できるストラップを形成するのに適した鉛蓄電池の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池の極板群及びこれに接続されたストラップを示す斜視図。
【図2】図1に示された極板群とストラップとの関係を示す断面図。
【図3】図1及び図2に示されたストラップを形成するための鋳型の一例を一部切欠して示す斜視図。
【図4】図3中Z−Z線に沿って示す断面図。
【図5】従来の鉛蓄電池の極板群とストラップとの関係を示す断面図。
【符号の説明】
11…正極板
12…負極板
11a、12a…耳部
14、15…ストラップ
A、B…ストラップの幅方向の端面
C…ストラップ裏面
B…ストラップの端部曲面
21…鋳型
22…鋳型本体
23…湯溜り溝
24…ライザホール
25…キャビティ
26…堰
31…凹部
G…凹部の深さ

Claims (3)

  1. 鋳型本体と、
    この本体の上面に開放して前記鋳型本体に形成された湯溜り溝と、
    この湯溜り溝と連通して前記鋳型本体に設けられ前記湯溜り溝に溶融金属を導くライザホールと、
    前記湯溜り溝に沿って前記鋳型本体にこの本体の上面に開放して設けられ、かつ、極板の耳部が上方から挿入される複数のキャビティと、
    これらのキャビティと前記湯溜り溝との間にこれら両者を個々に連通する凹部を形成して前記キャビティと同数前記鋳型本体に設けられた堰とを具備し、
    前記堰上に形成された前記凹部は前記鋳型本体の上面に開放され、かつ、これら凹部の前記鋳型本体の上面からの深さを 1.0 mm〜 2.0 mmとしたことを特徴とする鉛蓄電池のストラップ形成用鋳型。
  2. 前記湯溜り溝の容積を前記キャビティの湯溜り容積に対して4倍〜6倍としたことを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池のストラップ形成用鋳型。
  3. 複数枚の同極性極板の耳部とストラップとをキャスト・オン・ストラップ方式により一体に接続する鉛蓄電池の製造方法において、前記請求項1又は2に記載のストラップ形成用鋳型を用いて、溶融金属をその液相面が波立たないように前記鋳型の湯溜り溝及びキャビティに供給し、これら湯溜り溝及びキャビティに前記鋳型の堰を越えて前記溶融金属が満たされた状態を数秒間保持してから、前記キャビティ内の溶融金属中に前記耳部を上方から挿入した後、前記キャビティの液相面よりも前記湯溜り溝の液相面を下げ、次に、前記鋳型を冷却して前記キャビティ内の溶融金属を凝固させて、前記ストラップを形成することを特徴とする鉛蓄電池の製造方法。
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