JP3672154B2 - 鉛蓄電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
鉛蓄電池の製造工程は、普通前半の極板製造の工程と、後半の、すなわち極板とその他の部品とを用いて極群を構成しそれに必要とされる接続を行った後容器に収納することを含む工程とに分けられる。本発明は、この後半の工程のうちの、特に正、負の極板とセパレ−タとを積み重ねて出来た極群を構成する正極板および負極板を、それぞれ個別に正極柱と負極柱とに電気的、機械的に接続する部分の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような電気的、機械的接続を行う工程には大別して2つの方法がある。一つは極群を正立させた状態で正、負それぞれの極板の耳を櫛形と称する治具を備えた鋳型に挿入し、別に製作した正、負の極柱を前記鋳型の所定位置に正立させ、バ−ナ−を用いて必要な鉛またはその合金を補給しつつ極板の耳と極柱とを溶着するもの、他は極群を倒立し、所要の形状の鋳型に満たした溶融した鉛またはその合金(以下溶鉛という)に正、負それぞれの極板の耳を挿入した後冷却して鋳型から取り出す所謂キャスト・オン・ストラップ法(COS)である。後者の方法は極柱を同時に作製できる利点があり、自動化された設備も出来て広く行はれるようになった。その初期の例は特許第433322号(米国特許3087005号)に示され、以後多数の提案がなされている。
【0003】
このCOSでは所定の鋳型の中の溶鉛が固体である極板耳の表面を濡らして両者を一体に結合する必要があるので、耳の表面に色々の処理を施した場合でも現実には耳と溶鉛のそれぞれの温度条件が極めて狭い範囲に保たれる必要があり、操業条件の管理を十分に行うと共に設備にも改善を加える必要があった。その一例は特開平1−195662号公報に開示されている。これはキャストオン鋳型に隣接して設けた鉛供給部から溶融鉛をキャビテイ内にオ−バ−フロ−によって供給する方式の装置であって、キャビテイと湯道を隔てる堰の、キャビテイ側の裾野の部分においてキャストオン鋳型と鉛供給部を分離し、両者の間に断熱材を挿入してなる鉛蓄電池の極板群溶接装置である。この場合には鉛を供給する部分の内部にはヒ−タ−を、鋳型のキャビテイ−の近傍には冷却管とを備えて両者の間に断熱材を置き、且つ部分的な温度の差が生じ難いように鋳型の熱容量を大きくしておく必要があった。また鋳型に注入する溶鉛の温度を十分に高く保っておく必要があった。
【0004】
これと類似の装置による操業条件の一例を示せば鋳型の温度を240℃とし、500℃の温度の溶鉛を鋳型に注入し、溶鉛の温度が周囲の鋳型によって冷却されて所定の温度例えば380℃になったとき素早く倒立させた極群の極板の耳を溶鉛に挿入し、ついで鋳型の冷却パイプに冷水を通じて溶鉛を凝固させた後極群と鋳型とを引き離すという作業を行っていた。この条件では溶鉛の酸化が激しく、耳挿入までの時間の許容差が小さく、熱容量の大きい鋳型の冷却に時間が掛かるなどの問題があった。また鋳型の構造は複雑で、機種の変更に時間と手数が掛かった。
【0005】
これらの改善のため、特開平5−3028号公報では離型剤を塗布した鋳型を溶鉛中に浸して均等に加熱することを含む一連の工程からなる製造法を開示している。この方法は安定した操業ができ大量生産に適するストラップ形成法を提供するが、生産機種の変更は簡単でなくエネルギーの使用量も多いうらみがあった。一方、特開平7−122259号公報ではその主たる目的に併せて、鋳型を単純化する方法と昇温、冷却時間の短縮を計っている。この鋳型は単純であるが、成型されるストラップ部分に比べてなお寸法、重量とも過大であり、また狭い範囲の操業条件を守る自動化設備を目的としていない。また、特開平8−212999号公報でも鋳型のストラップ成型用キャビティー周辺の一部または周辺部全体の肉厚がストラップの厚さよりも薄いモールドを用い、成形されたストラップを冷却する方法、および鋳型に電流を流しジュール熱で鋳型の両キャビティーを加熱する方法を提案しているが、この場合には通電加熱を行う必要上、鋳型に熱発生の少ない厚肉部の存在が不可欠であり、特にその説明にも“ストラップの成形”と限定してあるように、この方法の手段と作用では極柱および極柱から各極板への接続部分を同時に鋳造することは不可能であることは明らかである。また極端に厚さの異なる鋳型の一部に加熱冷却を繰り返すため鋳型の歪みが甚だしい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の諸問題を解決しようとするもので、単純な構造の鋳型を使用し、溶鉛の温度を低く保ちながら充分な時間的余裕のある操業を可能とする。また生産性も高く、機種の変更も容易であり、鋳型の寿命も長くできる。併せてこれにより得られた製品の信頼性も高く保つことのできる製造装置を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、
電池各セルの極柱および極柱から各極板への接続部を鋳造するための鋳型と、
この鋳型に溶融した金属鉛または鉛合金を導入する手段と、
この金属の凝固する前に極板の耳を金属中に浸漬する手段と、
鋳型を冷却する手段と、
この溶融した金属が凝固した後極板と鋳型を互いに反対の方向に移動させて極板と接続部と極柱の一体物を鋳型から分離する手段と、
を備えた鉛蓄電池の製造装置において、
前記鋳型の熱容量はその内部に導入される金属の熱容量の5倍を越えないことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は本発明の一実施形態により鉛蓄電池を製造する途中の断面図、図2は図1において鋳型を溶鉛に没入する前の要部斜視図、図3は図1において極群の耳を鋳型の溶鉛中に浸漬した要部断面図、図4は鋳型を冷却装置により冷却している状態を示す要部断面図、図5は本発明により作製した極群の正面図である。
【0010】
図において、1は本体21と定液面部22からなる溶鉛炉(加熱装置等は省略)であり、本体21内の溶鉛2の一部がポンプ(図示せず)により静かに定液面部22の下から定液面部22内に送り込まれ、余剰の溶鉛2は定液面部22の上面の一部または周囲から溶鉛2に戻り、それにより定液面部22内の液面23は操業に必要な清浄さと高さが保たれるようになっている。
【0011】
3,3’はそれぞれ正極および負極の鋳型であり、材質は機械的強度、特に約400℃前後までの高温における強度と熱サイクルに対する強度、高温の溶鉛への耐蝕性、およびフラックスへの耐蝕性を考慮した上、熱膨張係数の小さいものを選んでいる。本実施形態では溶鉛の温度は実際上400℃を大きく越えることはないので薄い板で造られていても充分長期間使用することができる。
【0012】
鋳型3,3’の材料の線熱膨張係数は小さいもの、具体的には18×10-6/K以下のものが望ましく、鋳型の表面を充分に平滑に加工し、必要な抜き勾配(例えば1乃至2度角)をとれば離型剤を使用せずに鋳型と鉛合金とを分離出来る。しかし、少量の離型剤の使用を妨げない。また、分離の際に鋳型に振動または軽い衝撃を与えれば分離は更に容易になる。
【0013】
鋳型3,3’の材質は、金属またはセラミックスが使用できる。セラミックスは線膨張係数が小さく型離れの良い利点がある。しかし、機械的強度と熱伝導度のおよび加工し易さの点から金属のほうが使用しやすい。固体金属の原子熱は、デュ−ロン・プチ−(Dulong-Petit)の法則によりいずれも26Joule /Kとみてよく、また合金のモル熱はノイマン・コップ(Neumann-Kopp)の法則により成分元素のそれの和として算出できる。従って、主要な成分元素の比率を知れば元素の原子量と設計重量から使用する鉛合金と鋳型材料の熱容量を知ることができる。実際には鉄、鋼、不銹鋼、チタンやその合金が利用できる。
【0014】
なお、鋳型3,3’は、金属の塊または厚い板に凹部を彫り込んで製作することも出来るが、薄い金属板またはパイプを加工すれば容易に造られる。板は上記したように鉄、鋼、不銹鋼など耐熱性に富み強度の高いものがよく、電池に併せて設計された正、負の極柱と、それぞれの極板の耳と極柱の連結部とを接続する部分の形状を倒立した形で鋳造できるように形成される。
【0015】
鋳型3,3’の厚さは特に限定しないが、後述するようにその中に鋳造される鉛またはその合金の熱容量の5倍を越えない熱容量とする為には上限は5ミリメ−トル程度、下限は機械的強度の面から1ミリメ−トル程度としている。それぞれの内面は必要な抜き勾配が設けられている。断面が円形の長い極柱の部分は板の曲げて溶接する加工、絞り加工などでの製作できる。しかし、丸棒から放電加工で必要な抜き勾配を付けて作製する等の精度の高い加工が推奨される。
【0016】
なお、ここで言う鋳型3,3’とはその内側にいれた溶鉛2に接する壁面を構成する部分を指し、その壁面に接続する保持または補強のための部分(鋳型保持機構等)は含まれない。
【0017】
鋳型3,3’への溶鉛2の供給は、パイプまたは樋を経て重力またはポンプの作用で行うことが出来、小型の杓で汲み上げて行うこともできるが、鋳型全体を流動している溶鉛2を入れた容器または鍋の中に浸漬して後引き上げるのがよく、本実施形態では移動機構41,41’と連結された鋳型保持機構4,4’により鋳型3,3’を溶鉛炉1の定液面部22内に浸漬して引き上げる。すなわち、本実施形態における溶鉛の導入手段は、溶鉛炉1と移動機構41,41’と鋳型保持機構4,4’である。これによって溶鉛2の供給の際の加熱手段が不要になり、この間の鉛の酸化を防ぐことができる。また、鋳型3,3’と溶鉛2の温度が同じになり、鋳型3,3’が溶鉛2より引き上げられても鋳型3、3’内に導入された溶鉛2の温度の低下割合が小さくなるので溶鉛全体の温度を低く保って操業することができ、酸化滓の生成が抑えられる。また、溶鉛2の表面の流動により多少は生成する酸化滓を除き新鮮な溶鉛2を鋳型3,3’に供給することができる。これらは材料の節約、良好な接合、清掃工数の引き下げに貢献する。
【0018】
また、導入された溶鉛2の温度が鋳型3,3’で冷やされて急降下することがないので、極板耳51,51’の挿入までの時間の選択に巾ができ操業が安定する。一般に溶けた金属の流動は温度差による対流や電磁誘導のような加熱方法によっても起こし得るが、前述したように、溶鉛炉1の定液面部22への溶鉛2の供給をポンプによると、静かな流れとなり、酸化滓を増やさない点で好ましい。
なお、溶鉛2の不規則な流動は鋳型3,3’の、特に大きな鋳型のその中への没入と引き上げによっても起こるが、この場合は表面の酸化滓を除くことにはならない。
【0019】
5はそれを構成する正負それぞれの極板の耳51、51’に接続部を形成しようとする極群であって、保持機構6によって鋳型3,3’の上方に正しく保持されている。鋳型3、3’に所定の溶鉛2が満たされた後、移動機構41、41’により鋳型3、3’が持ち上げられ、必要に応じ極群5も降下し、図3に示すように極板の耳51、51’が鋳型3、3’の中の溶鉛に浸漬される。この場合、極板耳51,51’の挿入に伴い湯面が上昇するが、耳表面に溶鉛2が濡れることによって溶鉛2が這い上がり良好なメニスカスを形成するので溶鉛2が鋳型3,3’からこぼれ落ちるのが防がれる。しかし、浸漬する耳51,51’の体積が大きい場合には湯面をやや下げておく場合もある。この時は鋳型3,3’を斜めに溶鉛2の中に浸漬して引き上げる等の方法が応用できる。また、鋳型3,3’上部の縁の上面に厚さ方向に傾斜を設ければ縁の上面に余分の溶鉛2が留まり固化四散することがない。なお、極板耳51,51’の接合される表面を予め清掃または研磨し、あるいは、フラックス、錫または半田メッキを施すことにより接合を良好にすることは公知である。
【0020】
鋳型3,3’の中の溶鉛2に耳51,51’を挿入した後、溶鉛2が固まる迄は鋳型3,3’及び極群5は静止状態に保つ必要があるが、動揺を与えない範囲で鋳型3,3’の周囲から均等に冷風を送り、または、水のスプレ−を行うなどの鋳型を冷却する手段により冷却することができる。鋳型の一部または大部分を水浴に漬けることもできる。図4において7は水冷装置外箱、71は水浴用の水72を入れる水槽、73は空気吹き出しパイプ、74、74’は排気ダクトである。これまで溶鉛炉1の傍に待機していた水冷装置7は溶鉛炉1の退去と共に鋳型3、3’を水冷する。この際生じる湯気は空気吹き出しパイプ73より噴出する空気により追い出され排気ダクトに吸収される。水を使用するときは安全の為に溶鉛の容器または鍋と確実に隔絶しておく必要がある。本発明では鋳型は小形軽量であるからこれらの操作が容易に行える。水浴による冷却は、得られた極柱や接続部の品質を向上させる。
【0021】
溶鉛2が凝固した後極群5と鋳型3,3’を移動機構41,41’(極板と接続部分と極柱との一体物を鋳型から分離する手段)により互いに反対方向に引き離すことにより、図5に示すような極柱52および接続部52’の付いた極群5が形成できる。この際鋳型に振動、衝撃を与えると鋳型からの一体物の離脱が更に容易となる。
【0022】
次に、本実施形態を用いて耳の接続部分と極柱を形成した極群を作製する方法について説明する。
【0023】
図1の如き設備で温度を380乃至400度(セ氏)に保った定液面部22の中に鋳型3、3’を浸漬し約2秒の後、移動装置41,41’により鋳型3、3’を水平に上昇させ、真上に位置する極群5の耳51、51’が鋳型3、3’の中に半ば挿入された所で約6秒保持する。ついで、側方より送られた冷却水槽(図示せず)に約3秒間鋳型3,3’を浸漬して後、鋳型3、3’を移動装置41,41’により下降させ極群5と分離する。
【0024】
次に、上記装置において、鋳型の熱容量を表1のように変化させ、上記方法により図5のような極群を作製した。その後、該極群の極柱52、接続部52’を切断してその断面の状態と、耳51,51’と接続部52’との接続の状態を調査した。その結果を表1に示す。なお、表1における鋳型の熱容量は、鋳型内に入れる溶鉛の熱容量の倍数で示す。
【0025】
【表1】
【0026】
表1のように、鋳型の熱容量がその中の金属のそれの5倍を大きく越える場合は、極柱と接続部の一体物や接続部と耳の接続箇所が不良になる。これは、鋳型の熱容量が大きくなれば、その中に導入した溶融金属の温度が下がり、また、完全に凝固する時間が長くなるためである。この対策として、鋳型の溶融金属中への浸漬時間を延ばしたり、溶融金属の温度を上昇させ、また、冷却時間を延ばしたりすると、生産性が低下するばかりでなく溶鉛の酸化も激しく、また耳の熱による劣化も起こり、品質も下がる。また、一般に行われている所謂COSの鋳型の熱容量はそれに導入される金属のそれの数十倍から数百倍またはそれ以上であるが、厚い型の急速な加熱冷却は型の材料の熱応力を起こさせて歪みの原因となるだけでなく、1サイクルに40秒ないし60秒以上を要し、生産性が大幅に下がる。さらに、熱経済の上でも不利になる。
【0027】
なお、本発明は全ての形式の鉛蓄電池の製造に利用できる。使用する溶鉛は純鉛、及び鉛−アンチモン、鉛−錫、鉛−錫−カルシウム系など現用の合金に適用できる。また、一日または短期間に複数の機種の電池を生産する設備に使用でき有用である。また、各図には説明を分かりやすくするために、鋳型3、3’を一対のみ示してあるが、12ボルト電池を扱う場合には6対の鋳型を並列させて同時に操業することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明は次に記載する効果を奏する。
【0029】
(1)重厚で、ヒ−タ−や通電設備、水冷管等をもつ複雑な構造の鋳型を用いる必要がなく、材料の節約になり、装置も簡素化され、設備費、保守費が安くなる。また、扱う機種の変更の時の交換の工数が大幅に削減できる。
【0030】
(2)溶鉛の温度を従来より下げることができるので、酸化滓の生成が減少するだけでなく、設備の傷みが少なく長持ちし、また、エネルギも節約される。
【0031】
(3)極板耳挿入迄の温度変化が緩やかであるから、耳挿入の時間に多少の前後があっても安定した接合が得られ、操業が安定する。
【0032】
(4)酸化滓等の混入がなく品質の優れた接合部が得られる。
【0033】
(5)耳挿入後の冷却は熱容量が小さいので、容易である。
【0034】
(6)鋳型に極端な厚さの差を設ける必要がなく、その一部に大きい温度差を与えないので鋳型の歪みが起こりにくい。
【0035】
(7)鋳型の加熱、冷却が短時間で行われるので、生産性が向上する。
【0036】
(8)鋳型の水冷は、極柱および接続部の品質向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を用いて極群に極柱と接続部を形成する方法を示す断面図である。
【図2】図1において、鋳型を溶鉛に没入する前の要部斜視図である。
【図3】図1において、極群の耳を鋳型の溶鉛中に浸漬した要部断面図である。
【図4】鋳型を水浴により冷却している状態を示す要部断面図である。
【図5】本発明により作製した極群を示す正面図である。
【符号の説明】
1 溶鉛炉
2 溶鉛
3,3’ 鋳型
4,4’ 鋳型保持機構
5 極群
6 極群保持機構
7 水冷装置外箱
41,41’ 移動機構
51,51’ 極板の耳
52 極柱
52’ 接続部
71 水槽
72 水浴用の水
73 空気吹き出しパイプ
74、74’ 排気ダクト
Claims (6)
- 電池各セルの極柱および該極柱から各極板への接続部を鋳造するための鋳型と、
この鋳型に溶融した金属鉛または鉛合金を導入する手段と、
この金属の凝固する前に前記極板の耳を該金属中に浸漬する手段と、
前記鋳型を冷却する手段と、
この溶融した金属が凝固した後、前記極板と前記鋳型を互いに反対の方向に移動させて該極板と前記接続部と前記極柱の一体物を前記鋳型から分離する手段とを備えた製造装置を用いる鉛蓄電池の製造方法において、
前記溶融した金属鉛または鉛合金の温度が400℃を超えず、
前記鋳型の熱容量はその内部に導入される前記金属の熱容量の5.1倍を超えないことを特徴とする鉛蓄電池の製造方法。 - 前記鋳型に溶融した金属鉛又は鉛合金を導入する手段が該鋳型全体を流動している溶鉛を入れた容器又は鍋の中に浸漬した後引き上げるものであり、前記容器又は鍋が溶鉛炉の定液面部であり、該定液面部にポンプにより溶鉛を供給することを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池の製造方法。
- 前記鋳型が金属板又はパイプに彫り込みを除く加工をして造られたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の鉛蓄電池の製造方法。
- 前記極板と前記接続部と前記極柱の一体物を前記鋳型から分離する際に、鋳型に振動または衝撃を与えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の鉛蓄電池の製造方法。
- 記前鋳型を斜めに溶鉛の中に浸漬して引き上げることにより内部に導入される前記金属の湯面を下げることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の鉛蓄電池の製造方法。
- 記前鋳型を冷却する手段が、鋳型を水浴に漬けることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の鉛蓄電池の製造方法。
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