JP3960721B2 - コンクリート梁の開口構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚さ方向に貫通した開口を形成すると共に該開口を鋼板によって補強したコンクリート梁の開口構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物の基礎に於いては、鉄筋コンクリート梁を連続させた連続布基礎によって構成することがある。この場合、コンクリート梁には設備配管を挿通するための開口や換気用の開口等種々の開口が形成されるのが一般的である。
【0003】
また中低層住宅では、コンクリート梁の梁せいが小さいので、例えば人が通れる大きさの開口を形成した場合、梁せいに対しての断面欠損が相対的に大きくなるため剪断耐力が著しく低下し、該開口を補強することが必要となる。
【0004】
ここで、上記の如きコンクリート梁の開口を補強する構造の例について図5を用いて説明する。尚、コンクリート梁51には開口の有無に係わらず上部及び下部の所定位置に横鉄筋51aが埋設され、且つ横鉄筋51aを結んで縦鉄筋51bが所定のピッチで設けられている。
【0005】
同図(a)はコンクリート梁51に比較的大きい六角形の開口52が形成された場合の構造を説明するものである。横鉄筋51aの中間部位に横筋53aが配置されると共に開口52の左右方向には縦鉄筋51bのピッチよりも小さい間隔を持った複数の縦筋53bが配置され横鉄筋51a、横筋53aを例えばスポット溶接或いはなまし鉄線による結束により接続している。更に、イナズマ型に形成された4本の斜筋54が開口52を囲むように配置され夫々上下の横鉄筋51aに接続されている。このように、開口52を補強するために6本の新たな鉄筋を配置すると共に夫々所定の横鉄筋51aに接続している。
【0006】
同図(b)はコンクリート梁51に比較的小さい円形の開口55が形成された場合を示している。この開口55は縦鉄筋51bのピッチ内に納まっている。開口55の周囲には4本の斜筋54が配置され、夫々横鉄筋51aに接続されている。同図(c)はコンクリート梁51の下方に比較的小さい円形の開口55が形成された場合を示している。この場合、開口55の上部に新たな横筋56を配置して縦鉄筋51bに接続し、更に横鉄筋51aと横筋56を複数の縦筋57によって接続している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、コンクリート梁に開口が形成されている場合、開口の周囲に多数の鉄筋を配置して補強するのが一般的であるが、配筋が複雑になり易く且つ部材点数が多くなるという問題がある。また鉄筋のあきを確保することが難しくなって、コンクリートを充分に充填することが困難になるという問題が生じる。
【0008】
また最近の住宅は長寿命化を目指しており、主たる躯体を変更することなく、屋内の間取りを変更したり、増築し得るような構造を有するものが開発されつつある。このような建物では、長期間使用するのに伴って想定される設備の変更や交換等の作業、或いは設備や建物の保守・点検等を実施する際に作業員が容易に床下の全域に入り込むことが可能なように構成する必要がある。このため、コンクリート梁に人が通過するための人通孔を形成することが要求されている。
【0009】
しかし、コンクリート梁に開口を形成する場合、「鉄筋コンクリート構造 計算規準・同解説」(日本建築学会)では、補強が充分であっても、形成する開口が丸孔である場合は直径を、また長方形である場合は梁せい方向の辺長を、夫々梁せいの1/3以下にすべきことが記載されている。即ち、コンクリート梁に形成する開口の梁せい方向の寸法は該梁せいの寸法に応じて限界が生じることとなる。
【0010】
このため、コンクリート梁に人通孔を形成する場合、上記規準に沿った寸法を有する長方形を含む多角形の開口を形成することとなるが、このような開口では、隅角部に対する応力の集中によりヒビ割れが発生し易いという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、施工が簡単で、且つ高い強度を確保することが出来るコンクリート梁の開口構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本件発明者は、上記課題を解決するために種々の試みを行なった。その結果、開口の周囲に鋼板を配置し、更に鋼板を主筋に溶接することによってコンクリート梁の剪断耐力を向上させることが出来、加えてその曲げ剛性も向上させることが出来ること、少なくとも鋼板の一方の面を粗面とすることによってコンクリートの付着性能を確保することが出来ること、等の知見を得た。
【0013】
従って、本発明に係るコンクリート梁の開口構造は、厚さ方向に貫通した開口を有するコンクリート基礎梁の開口構造であって、前記開口は人の肩が抜ける程度の寸法を持った楕円又は連続曲線で構成される扁平な形状であり、少なくとも一方の面が粗面に形成され且つ前記開口の形状に対応する形状を持ったくり抜きを有する鋼板が、前記粗面を前記開口の軸線と直交し前記くり抜きの位置が前記開口位置に対応するように配置されると共に水平方向に配置した複数の主筋に溶接されて前記開口の周囲に埋設され、前記開口の範囲を除外した位置には前記主筋に対し所定の間隔を持って配置された縦鉄筋が接続されており、前記開口の範囲には前記鉄筋を除外して大きな間隔が形成され、更に、前記鋼板は前記コンクリート基礎梁の梁せい及び開口の大きさに応じたコンクリート基礎梁の開口形成部位の断面積の大きさに応じて且つ前記断面積が大きくなるに従って薄く小さくなるに従って厚くなるように設定した板厚を有し、且つ前記開口が、合成樹脂の発泡体によって成形され前記開口に対応する断面形状と前記コンクリート基礎梁の厚さよりも長い寸法と抜け勾配とを有する中抜き型枠を、一端で前記鋼板を挟持し他端で前記中抜き型枠を固 定する固定部材によって前記くり抜きに於ける鋼板に対する所定の被り厚さが確保される位置に取り付け、コンクリート基礎梁を成型するために対向して配置された型枠に圧縮力が作用するように配設した後コンクリートを打設して形成されたものであることを特徴とするものである。
【0014】
上記コンクリート梁の開口構造では、開口の周囲に、少なくとも一方の面が粗面に形成されると共に所定の形状を持ったくり抜きを有する鋼板を、水平方向に配置された複数の主筋に溶接して埋設したので、鋼板の粗面によってコンクリートの付着性を確保することが出来る。従って、主筋と鋼板及びコンクリートが一体化し、これにより、高い剛性と耐力を発揮することが出来る。特に、鋼板が開口の上下に配置されることとなり、この断面積によって剪断耐力を発揮することが出来る。このため、コンクリート梁が高い強度を確保することが出来る。
【0015】
また鋼板を複数の縦鉄筋に代えて用いるので、配筋の部材を軽減して簡易化すると共に配筋作業を容易に行うことが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、上記コンクリート梁の開口構造の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1はコンクリート梁に楕円形の開口を構成する際の開口構造を説明する図である。図2はコンクリート梁に楕円形の開口を形成する方法を説明する図である。図3は中抜き型枠の構成を説明する図である。図4はコンクリート梁を説明する斜視図である。
【0017】
先ず、図4によりコンクリート梁1について説明する。このコンクリート梁1は建物の基礎、特に連続布基礎を構成する梁として用いるものであり、所定位置に作業員が通過し得る開口2、及び図示しない建物の外部から床下に上水道管や下水道管或いはガス管等の配管を引き込むための開口や床下の通気用の開口が形成されている。
【0018】
コンクリート梁1の寸法は一義的に設定されるものではなく、目的の建物に対応して種々設定されている。本実施例のコンクリート梁1は、厚さが160 mm、高さが730mmの寸法を有している。
【0019】
本実施例に於ける開口2は、建物を長期間使用するのに伴って想定される設備の変更や交換等の作業、或いは設備や建物の保守・点検等を実施する際に作業員が容易に床下に入り込むことが可能なように形成されるものである。このため、前記開口2は、偏平な形状である楕円形に形成され、寸法が長さ方向(コンクリート梁1の長さと平行な方向)は500mm、梁せい方向は300mmに形成されている。
【0020】
このように、本実施例では、コンクリート梁1の梁せいが730mmであるのに対して開口2の梁せい方向の寸法を300mmとしている。両者の比率は約0.4であり、コンクリート梁の梁せいに対して開口を1/3以下にすべきという規準を越えるものである。そして、本発明は、前記規準を越えたにも関わらず、充分に高い剪断耐力を発揮し得る開口構造を実現したものである。
【0021】
開口2の形状及び寸法は本実施例に限定するものではなく、形状は人の肩が抜ける程度に偏平な形状、例えば長方形や六角形であっても良い。しかし、前記形状の場合、コンクリート梁1に作用する力に応じて、隅角部に応力が集中してヒビ割れが発生するという可能性が生じるため、楕円形或いは連続曲線で形成される偏平な形状であることが好ましい。また寸法は大きいことが好ましいが、コンクリート梁1の梁せいとの関係で制限される。
【0022】
次に、図1により開口構造について説明する。コンクリート梁1の上部及び下部には全長にわたって夫々2本の主筋となる横鉄筋3が予め設定された間隔を持って配置されており、縦方向に横鉄筋3を接続する縦鉄筋4が所定のピッチで配置され、夫々横鉄筋3に接続されている。
【0023】
コンクリート梁1に形成する開口2と対応する位置には、少なくとも一方の表面が粗面5aとして形成された鋼板5が該粗面5aを開口2の軸心と直交する方向にして配置されると共に該裏面5bを横鉄筋3に当接させて配置されている。そして鋼板5の裏面5bが複数の横鉄筋3に溶接(ビード6)され、これにより、鋼板5は横鉄筋3に強固に一体化している。このとき、鋼板5は全ての横鉄筋3と溶接されることが好ましい。従って、鋼板5が縦鉄筋としての機能を果たすと共に、開口2を補強する補強部材としての機能を果たすことが可能である。
【0024】
鋼板5は、少なくとも一方の表面が粗面5aとして形成されると共に中央にコンクリート梁1に形成された開口2と対応するくり抜き5cが形成されている。鋼板5の粗面5aはコンクリートの付着性能を確保するものであり、凹凸が形成された面、或いは突起が形成された面であれば良い。このような粗面として、例えば縞鋼板の縞面を利用することが可能であり、また鋼板の面に棒鋼やボルト等を突起状に溶接した面を利用することが可能である。
【0025】
特に、縞鋼板は各種厚さを持ったものが規格化されており、入手の容易さ、コストの面から好ましい材料といえる。この縞鋼板の縞面を粗面5aとして利用した場合、コンクリートの付着性能を充分に確保することが可能である。このため、本実施例では、鋼板5として縞鋼板を用いている。
【0026】
開口2の形成に起因するコンクリート梁1の剪断耐力の低下は、開口2の寸法に対応して変化する。即ち、開口2の寸法、特に梁せい方向の寸法が大きくなるに従って、コンクリート梁1の開口2の形成部位の断面積が小さくなり、これに伴って剪断耐力が小さくなる。このため、コンクリート梁1に形成される開口2の周囲に鋼板5を埋設することによって、剪断耐力を向上させることが可能である。
【0027】
鋼板5によるコンクリート梁1の剪断耐力は、開口2の形成部位に於ける鋼板5の断面積に比例する。しかし、鋼板2の梁せい方向の寸法はコンクリート梁1の梁せい及び開口2の梁せい方向の寸法等の条件に応じた制限があるため、鋼板5の厚さを増加させることで剪断耐力を向上させることが可能である。従って、鋼板5の厚さは、目的のコンクリート梁1の寸法及び開口2の寸法、該コンクリート梁1に作用する剪断力等の設計条件を考慮して適宜設定することが可能である。本実施例に於いて、鋼板5は厚さが1.5 mm〜12mm程度の範囲の中から適宜選択して用いている。
【0028】
鋼板5に形成されるくり抜き5cは、開口2と対応する形状に形成される。特に、鋼板5をコンクリート梁1に埋設する場合、建築基準法、及び建築基準法施行令に規定された被り厚さ(4cm)を満足することが必須である。このため、鋼板5に形成されたくり抜き5cは、端縁が開口2の内面から4cm以上の被り厚さを満足し得る寸法を持って形成されている。
【0029】
即ち、くり抜き5cは端縁が開口2の内面から所定の被り厚さがあれば良いため、開口2が楕円形であったとしても必ずしもくり抜き5cも楕円形である必要はなく、上下の辺長の大きい六角形,八角形であっても良い。しかし、くり抜き5cが多角形である場合、コンクリート梁1に埋設された鋼板5であっても、コンクリート梁1に作用する力によって隅角部に応力が集中する。このため、開口2が楕円形である場合、鋼板5のくり抜き5cも相似形の楕円であることが好ましい。
【0030】
従って、本実施例では、被り厚さが4cmであるため、鋼板5のくり抜き5cは、形状が楕円形で、長さ方向の寸法が580mm,梁せい方向の寸法が380mmで形成されている。
【0031】
上記の如く構成されたコンクリート梁1では、上部に載置された構造物の荷重が作用し、該荷重に応じた剪断力が作用したとき、開口2の周囲が鋼板5によって補強されるため、高い剪断耐力を発揮することが可能である。本件発明者の実験では、鋼板を溶接しなかった場合と比較して補強構造の剪断耐力を更に50%程度上昇させる結果を得ており、無孔梁と略同等の剪断耐力を得ることが可能であるという結果を得ている。
【0032】
次に、上記の如き構造を持った開口2をコンクリート梁1に形成する方法について図2により説明する。
【0033】
先ず、同図(a)に示すように、コンクリート梁1を成形するための配筋を行なう。この配筋は、予め設定された位置に複数の横鉄筋3を配置すると共に、これらの横鉄筋3に対し、所定に間隔を持って配置された縦鉄筋4を接続する。縦鉄筋4を横鉄筋3に接続する。このとき、コンクリート梁1に於ける開口2の形成部位に対応する位置には縦鉄筋4を配筋することなく、大きな間隔を設けておく。
【0034】
横鉄筋3と縦鉄筋4を接続した後、コンクリート梁1の開口2の形成部位に対応する位置に鋼板5を溶接する。即ち、開口2の形成位置と鋼板5のくり抜き5cを一致させて鋼板5の裏面5bを横鉄筋3に当接させ、これにより、粗面5aを露出させた状態で、裏面5bと全ての横鉄筋3を溶接する。鋼板5と横鉄筋3を溶接するに際し、採用する溶接方法は限定するものではない。例えば、工場段階で配筋及び鋼板5を溶接する場合、溶接ロボットや自動溶接装置を用いた炭酸ガスアーク溶接法等を採用することが多く、また建築現場で溶接する場合、手動溶接を採用することが多い。また強度的には断続隅肉溶接で充分であり、断続的なビード6が形成される。
【0035】
上記の如き配筋作業及び横鉄筋3と鋼板5との溶接作業は工場段階で行なうことが好ましい。このように、コンクリート梁1の各鉄筋3,4及び鋼板5を工場生産することによって、品質管理の行き届いた且つ精度の高い製品として信頼性を確保することが可能である。
【0036】
次に、同図(b)に示すように、鋼板5に形成されたくり抜き5cに開口2の形状に対応させた断面形状を持った中抜き型枠10を取り付けて固定部材11によって鋼板5に固定する。
【0037】
中抜き型枠10は、開口2の楕円形状と対応する断面形状を持ち、且つ外形に所定の抜け勾配(中抜き型枠10の材質によっても異なるが、本実施例では径の差で5mm)を設けて形成されている。従って、開口2にも当然抜け勾配(径の差)が存在する。
【0038】
本実施例では、図3に示すように成形された合成樹脂の発泡体によって中抜き型枠10を構成している。この中抜き型枠10は、外周部位に形成された成形部10aと、成形部10aの内部に配置されたリブ10bとからなり、リブ10bの間に長手方向に貫通する間隙部10cが一体成形により形成されている。
【0039】
上記の如く構成された中抜き型枠10では、成形部10aの外周面によってコンクリート梁1に開口2を成形することが可能であり、成形部10aに作用する力をリブ10bによって支持することが可能である。更に、コンクリート梁1を成形した後、抜け勾配が形成された小径側から大径側に力を作用させて該コンクリート梁1から抜き取ることが可能である。
【0040】
特に、中抜き型枠10を合成樹脂の発泡体とすることで、この中抜き型枠10は、略均一の寸法を持って形成することが可能であり、コンクリート梁1に形成された開口2の寸法が安定してバラツキが生じることがない。
【0041】
中抜き型枠10を成形する際の材料として特に限定するものではない。本実施例では、燃焼したときに有害物を発生することのないポリエチレンを用いている。
【0042】
固定部材11は、中抜き型枠10を鋼板5に固定する固定機能と、中抜き型枠10の成形部10aの表面と鋼板5のくり抜き5cの端縁との間隔(被り厚さ)を確保するスペーサとしての機能とを有するものである。このため、固定部材11は、例えば一端に鋼板5を挟持して固定する機能を発揮するクリップが形成されると共に他端にも中抜き型枠10を固定する機能を発揮する固定部が形成され、且つクリップと固定部との間隔が被り厚さと等しい値に形成されている。
【0043】
次に、同図(c)に示すように、鋼板5のくり抜き5cに中抜き型枠10を取り付け、この横鉄筋3,鋼板5,中抜き型枠10の両側にコンクリート梁1を成形するための型枠12を配設する。
【0044】
型枠12の間隔はコンクリート梁1の厚さ寸法(160mm)と一致しており、略中央に横鉄筋3,鋼板5を配置すると共に中抜き型枠10の長さ方向の両端と当接している。また型枠12は、建物の建築現場に構成されても良く、工場に構成されても良い。即ち、コンクリート梁1は、現場打ちコンクリート梁であって良く、プレキャストコンクリート(PC)梁であっても良い。
【0045】
上記の如くして各鉄筋3,4を配筋すると共に横鉄筋3に鋼板5を溶接し、且つ鋼板5のくり抜き5cに中抜き型枠10を取り付け、更に、型枠12を配設した後、該型枠12内にコンクリートを打設して所定期間養生することによって、現場打ちのコンクリート梁1或いはPC梁1を構成することが可能である。
【0046】
尚、コンクリート梁1に開口2を形成する場合、必ずしも上記工程順序に実施する必要はなく、例えば、鋼板5のくり抜き5cに中抜き型枠10を固定する工程と、横鉄筋3と鋼板5の両側に型枠12を配設する工程は逆であっても良い。
【0047】
また中抜き型枠10の長さ寸法をコンクリート梁1の厚さ寸法よりも適度に長くしておき(例えば165mm〜170mm)、型枠12によって該中抜き型枠10に圧縮力を作用させることで、コンクリート打設時に中抜き型枠10に作用する力(例えば浮力)に対抗させるようにしても良く、また中抜き型枠10を型枠12に固定しても良い。
【0048】
特に、本実施例のように、コンクリート梁1に形成する開口2の形状を楕円形とし、且つ鋼板5に形成するくり抜き5cの形状を開口2と相似な楕円形とすることによって、コンクリート梁1に大きな荷重が作用した場合であっても、開口2に於ける応力の集中を防止することが可能であり、該応力集中に伴うヒビ割れの発生を防止することが可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係るコンクリート梁の開口構造では、開口の周囲に鋼板を配置し、該鋼板を主筋に溶接して両者を一体化するため、複雑な配筋作業を必要としない。このため、施工性を向上させることが出来、工期の短縮化をはかることが出来る。特に、鋼板の少なくとも一方の表面が粗面として形成されるため、コンクリートの付着性を確保することが出来る。
【0050】
また鋼板の厚さを適宜設定することで所望の剪断耐力を発揮させることが出来る。このため、安定して高い強度を保証することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンクリート梁に楕円形の開口を構成する際の開口構造を説明する図である。
【図2】 コンクリート梁に楕円形の開口を形成する方法を説明する図である。
【図3】 中抜き型枠の構成を説明する図である。
【図4】 コンクリート梁を説明する斜視図である。
【図5】 従来の開口構造の構成を説明する図である。
【符号の説明】
1 コンクリート梁
2 開口
3 横鉄筋
4 縦鉄筋
5 鋼板
5a 粗面
5b 裏面
5c くり抜き
6 ビード
10 中抜き型枠
10a 成形部
10b リブ
10c 間隙
11 固定部材
12 型枠

Claims (1)

  1. 厚さ方向に貫通した開口を有するコンクリート基礎梁の開口構造であって、前記開口は人の肩が抜ける程度の寸法を持った楕円又は連続曲線で構成される扁平な形状であり、少なくとも一方の面が粗面に形成され且つ前記開口の形状に対応する形状を持ったくり抜きを有する鋼板が、前記粗面を前記開口の軸線と直交し前記くり抜きの位置が前記開口位置に対応するように配置されると共に水平方向に配置した複数の主筋に溶接されて前記開口の周囲に埋設され、前記開口の範囲を除外した位置には前記主筋に対し所定の間隔を持って配置された縦鉄筋が接続されており、前記開口の範囲には前記鉄筋を除外して大きな間隔が形成され、更に、前記鋼板は前記コンクリート基礎梁の梁せい及び開口の大きさに応じたコンクリート基礎梁の開口形成部位の断面積の大きさに応じて且つ前記断面積が大きくなるに従って薄く小さくなるに従って厚くなるように設定した板厚を有し、且つ前記開口が、合成樹脂の発泡体によって成形され前記開口に対応する断面形状と前記コンクリート基礎梁の厚さよりも長い寸法と抜け勾配とを有する中抜き型枠を、一端で前記鋼板を挟持し他端で前記中抜き型枠を固定する固定部材によって前記くり抜きに於ける鋼板に対する所定の被り厚さが確保される位置に取り付け、コンクリート基礎梁を成型するために対向して配置された型枠に圧縮力が作用するように配設した後コンクリートを打設して形成されたものであることを特徴とするコンクリート梁の開口構造。
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