JP2018123537A - べた基礎の施工方法、筒状型枠及びべた基礎構造 - Google Patents
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Abstract
Description
また、予め工場等でコンクリート部材(以下、「プレキャストコンクリート部材」という。)を大量生産しておき、これらを施工現場に搬送し、施工現場において鉄筋と一体的に連結することでコンクリート製のべた基礎を短期間で構築する施工方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、使用する鉄筋の本数、位置及び径の太さは様々であり、これに応じてプレキャストコンクリートの形状を工場等で案件ごとに設計通りに成形する必要があるため、プレキャストコンクリート用の型枠の製造コストが嵩むという問題もある。
また、更に、前記底盤に対する前記筒状型枠の上下方向の高さと傾斜度を調節する位置決め工程を備えることを特徴とする。
また、更に、前記上部開口に架け渡したボルト装着治具に、アンカーボルト及び/又はホールダウンボルトを保持させる工程を備えることを特徴とする。
また、更に、プレキャストコンクリート部材によって前記外部基礎を形成する工程を備えることを特徴とする。
また、上下方向の高さと傾斜度を調節するための位置決め機構を備えることを特徴とする。
また、前記位置決め機構が、前記筒状型枠の外面に取り付けられるプレートと、当該プレートの水平部に取り付けられるボルトを備えており、前記水平部分から下方への前記ボルト先端の突出量を調節することで位置決めされることを特徴とする。
また、前記上部開口に架け渡されるボルト装着治具を備えており、当該ボルト装着治具が上下方向にのびる貫通穴を一つ以上備えており、アンカーボルト及び/又はホールダウンボルトが前記貫通穴に挿入・保持されることを特徴とする。
また、プレキャストコンクリート部材によって形成された前記外部基礎を備えることを特徴とする。
また、筒状型枠で独立用コンクリートブロックを作成できるので工数を減らすことができ、少ない作業者で内部基礎を形成できる。また、基礎内部の設計の自由度が向上する。
また、筒状型枠を一体成形して充分な構造強度を持たせることにすれば、筒状型枠内に流し込んだコンクリートが固まる前の状態であっても次の工程に移ることができるので工期を短縮できる。
また、独立用コンクリートブロックを用いることで一般的な内部基礎と比較してコンクリートの使用量を減らすことができるので施工コストを抑えることができる。また、基礎の内部の風通しが良くなるので湿気や結露の発生を抑制でき、特にエアコン床暖房に適している。また、人通口の確保が容易になる。
特に、位置決め機構をプレートとボルトで構成することにすれば、ボルトを回して先端の突出量を調節するだけで位置決めできるので施工性を向上させることができる。
また、ボルト装着治具を用いることでアンカーボルト等を独立用コンクリートブロックの所望の位置に配置することができる。
また、プレキャストコンクリート部材で外部基礎を形成することにすれば、従来のように外部基礎と内部基礎をプレキャストコンクリート部材で形成する場合と比較してプレキャストコンクリート部材の種類を減らすことができる。したがって、長尺且つ規格化した外部基礎用のプレキャストコンクリート部材を大量に在庫として確保しておくことが可能になり、外部基礎の施工コストを低減することができると共に工期を短縮できる。
図1に示すように、べた基礎構造1はコンクリート製の底盤10、外部基礎20及び内部基礎30を少なくとも備える。底盤10及び外部基礎20は周知であるため詳細な説明は省略する。
鉄筋31は底盤10の内部を通って当該底盤10の表面から上方に露出している。各鉄筋31は水平方向の鉄筋13によって結束される。
独立用コンクリートブロック32は底盤10の表面に形成される部材である。独立用コンクリートブロック32の製造方法は後述するが、上方に露出した鉄筋31と共に成形されることで底盤10と一体化される。独立用コンクリートブロック32を底盤10の表面に複数配置することで内部基礎30が形成される。
図2(b)は補強のために独立用コンクリートブロック32を形成する箇所に地中梁11を設けた状態を示しており、図2(c)はマウンドアップした状態を示している。他にも底盤10の内部にH形鋼等の鋼材を配置することにしてもよい。
外部基礎20の形成は、図2(a)〜(c)に示すように底盤10の外縁に沿って複数のプレキャストコンクリート部材40を列べてコンクリートを流し込むことで一体化する手法を用いてもよく、或いは底盤10の外縁に型枠を配置し、型枠内にコンクリートを流し込むことで定盤と一体化する一般的な手法を用いてもよい。
筒状型枠50は上部開口51及び下部開口52を備えており、本実施の形態では四角枠状に一体成型される。筒状型枠50の寸法は設計段階の構造計算に基づいて決定する。
筒状型枠50の材質は特に限定されないが、例えばGRC(Glassfiber Reinforced Cement ガラス繊維補強セメント)、ファイバーコンクリート、繊維コンクリート、モルタルコンクリート等を用いることにすれば一体成形により高強度で軽量の筒状型枠50を得られる。筒状型枠50の材質として他には例えば金属、ベニヤ合板、構造用合板、コンクリートパネル等を用いてもよい。但し、筒状型枠50の内部に流し込まれるコンクリートの荷重に充分に耐え得る程度の強度が必要である。
べた基礎の施工前に予め一体成形により筒状型枠50を製造しておけば、筒状型枠50が自立するので、作業者は筒状型枠50を上記鉄筋31が露出した箇所まで持っていって被せることで設置が完了し、施工性が向上する。
図4(a)〜図4(f)に示すように筒状型枠50の形状は平面視した場合に正方形や長方形であってもよく、或いは正円形、楕円形、L字形、T字形等、適宜変更可能である。
位置決め機構60はプレート61とボルト62,63を備える。
プレート61はL字状の部材であり、その一方の片(水平部)61aが水平方向にのびるように他方の片(垂直部)61bを筒状型枠本体50の外面に取り付けている。
本実施の形態では筒状型枠本体50の屈曲箇所にインサート64を埋め込んでいる。そして垂直部61bに設けた穴を介してボルト62をインサート64に螺合することで垂直部61bを筒状型枠本体50に取り付けている。プレート61を筒状型枠本体50に取り付ける方法としては他にも接着剤等の周知の接合方法を用いることができる。
なお、独立用コンクリートブロック32の強度を確保するためにはインサート64等が筒状型枠50の内面側に露出しない構造にするのが好ましい。
水平部分から下方へのボルト63先端の突出量を調節することで筒状型枠本体50の上下方向の高さと傾斜度を調節することができる。
また、筒状型枠本体50内でコンクリートが固化した後は、ボルト62を緩めてインサート64から抜き取ることで、プレート61、ボルト62及び63、ナット65を再利用することができる。
また、ボルト63の替わりにくさび状の部材をプレート61と底盤10の間に打ち込んだり、複数の薄板状の部材をプレート61と底盤10の間に積層したりすることで位置決めを行なうことにしてもよい。
ボルト装着治具70は上部開口51よりもわずかに大きな寸法の枠体70aと、枠体70aの対向する2辺を繋ぐブリッジ70bを備えている。
枠体70aは上部開口51の周囲に金具70cによって固定される。
ブリッジ70bには上下方向にのびる貫通穴71が一つ又は二つ以上形成されており、各貫通穴71にアンカーボルト72やホールダウンボルト73等を挿入して保持させることになる。
ボルト装着治具70の形状は、アンカーボルト72等の位置に合わせて変更することができる。図4(a)及び4(b)はアンカーボルト72等を十字型に配置する場合、図4(c)は同じくL型、図4(d)は同じくT型、図4(e)は同じくI型、図4(f)は一本のみを配置する場合の例を示している。
まず、作業者は外部基礎用のプレキャストコンクリート部材40を基礎の外縁に列べて配置する。なお、プレキャストコンクリート部材40を用いない場合は、基礎の外縁に沿って型枠を設置して次に述べるようにコンクリートを打設することで形成してもよく(いわゆる二度打ち)、或いは予め外縁に沿って型枠を設置しておき、次に述べるようにコンクリートを打設することで底盤10と同時に形成してもよい(いわゆる一体打ち)。
次に、作業者は底盤10用の鉄筋12を配筋する。
そして、複数のL字型の鉄筋31の下部を底版用の鉄筋12に結束することで鉛直方向に起立した状態にする。また、鉛直方向に起立した鉄筋31同士を他の鉄筋13を用いて水平方向に結束しておく。
そして、コンクリートを打設して底盤10を形成すると同時にプレキャストコンクリート部材40による外部基礎を形成する。コンクリートが固化した状態では底盤10の内部を通った鉄筋31が当該底盤10の表面から上方に露出した状態になる。
具体的には、上記のとおり自立した筒状型枠50を手で持ち、その下部開口52側から鉄筋31に被せることで鉄筋31の周囲を筒状型枠50で覆う。
次に、必要に応じて、作業者は底盤10に対する筒状型枠本体50の上下方向の高さと傾斜度を調節することで位置決めを行なう。
位置決めは筒状型枠本体50の四隅に取り付けた位置決め機構60を利用する。すなわち、ボルト63を回してプレート61の水平部61aから下方へのボルト63先端の突出量を調節し、筒状型枠本体50の天端が水平になるようにその上下方向の高さと傾斜度を調節する。
具体的には、上部開口51の形状に合ったボルト装着治具70を選択して固定し、次に、アンカーボルト72等を貫通穴71に通し、ナット74等を利用することで鉛直状態を維持する。アンカーボルト72等の材質、形状、配置間隔等は各ハウスメーカーの仕様等に応じて適宜選択すればよい。
次に、作業者は筒状型枠本体50内にコンクリートを流し込んで固化させることで独立用コンクリートブロック32を形成する。アンカーボルト72等はその下部側が独立用コンクリートブロック32内に固定される。独立用コンクリートブロック32の形成後に筒状型枠50を除去する必要はない。
このような独立用コンクリートブロック32を底盤10上に複数設けることで内部基礎30を形成する。
10 底盤
11 地中梁
12 鉄筋
13 鉄筋
20 外部基礎
30 内部基礎
31 鉄筋
32 独立用コンクリートブロック
40 プレキャストコンクリート部材
50 筒状型枠
51 上部開口
52 下部開口
60 位置決め機構
61 プレート
61a 水平部
61b 垂直部
62,63ボルト
64 インサート
65 ナット
70 ボルト装着治具
70a 枠体
70b ブリッジ
70c 金具
71 貫通穴
72 アンカーボルト
73 ホールダウンボルト
74 ナット
Claims (10)
- コンクリート製の底盤、外部基礎及び内部基礎を少なくとも備えるべた基礎の施工方法において、
底盤の内部を通した鉄筋を当該底盤の表面から上方に露出させる工程と、
上部開口及び下部開口を備える筒状型枠を用いて前記上方に露出させた鉄筋の周囲を覆う工程と、
前記筒状型枠内にコンクリートを流し込んで固化させることで独立用コンクリートブロックを形成する工程と、
前記独立用コンクリートブロックを複数設けることで前記内部基礎を形成する工程を少なくとも備えることを特徴とするべた基礎の施工方法。 - 更に、前記底盤に対する前記筒状型枠の上下方向の高さと傾斜度を調節する位置決め工程を備えることを特徴とする請求項1に記載のべた基礎の施工方法。
- 更に、前記上部開口に架け渡したボルト装着治具に、アンカーボルト及び/又はホールダウンボルトを保持させる工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のべた基礎の施工方法。
- 更に、プレキャストコンクリート部材によって前記外部基礎を形成する工程を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のべた基礎の施工方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のべた基礎の施工方法で用いる前記筒状型枠において、
一体成形により自立していることを特徴とする筒状型枠。 - 上下方向の高さと傾斜度を調節するための位置決め機構を備えることを特徴とする請求項5に記載の筒状型枠。
- 前記位置決め機構が、前記筒状型枠の外面に取り付けられるプレートと、当該プレートの水平部に取り付けられるボルトを備えており、
前記水平部分から下方への前記ボルト先端の突出量を調節することで位置決めされることを特徴とする請求項6に記載の筒状型枠。 - 前記上部開口に架け渡されるボルト装着治具を備えており、
当該ボルト装着治具が上下方向にのびる貫通穴を一つ以上備えており、
アンカーボルト及び/又はホールダウンボルトが前記貫通穴に挿入・保持されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の筒状型枠。 - コンクリート製の底盤、外部基礎及び内部基礎を少なくとも備えるべた基礎構造において、
前記内部基礎が、底盤の内部を通って当該底盤の表面から上方に露出する鉄筋と、前記上方に露出した鉄筋と一体に成形された複数の独立用コンクリートブロックで構成されることを特徴とするべた基礎構造。 - プレキャストコンクリート部材によって形成された前記外部基礎を備えることを特徴とする請求項9に記載のべた基礎構造。
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