JP3960606B2 - 静電潜像現像剤用キャリアとその製造方法及び該キャリアを用いた静電潜像現像剤とプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
従来から、二成分現像法は高速なプリントに適し、非磁性トナーの取り扱いが容易なため、フルカラー画像の形成装置にも広く利用されてきた。しかし、フルカラープリント装置は装置内に複数の現像装置を備える必要があり、モノクロ機に比べ、装置が大型化し、重量が大きくなるなどの欠点があった。特に二成分現像装置は、一成分現像装置に比べ、トナーとは別に現像剤の収納容積と、その攪拌機構を具備する必要があり、現像ユニットの小型化のためには、現像剤量の少量化が必須の課題であった。
こうした窒素含有有機材料をコート材料として用いる例として、従来から、ポリアミドを用いる例が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、このような樹脂被覆率を向上させたキャリアの場合、初期のキャリア付着は良好に阻止されるがランニングにより急激に悪化し、キャリア付着に対する耐久性が維持されない。特に、現像剤の容量の少ない現像ユニットや、スリーブ線速の速い現像プロセスではキャリア付着に対する耐久性が極めて悪い。最近では複写速度の高速化が進み、また装置の小型化により搭載される現像剤量が減少していることから、キャリア付着に対する使用条件が厳しくなっている一方で、メンテナンスの軽減などから現像剤の耐久性が強く望まれていて、長期に亘る良好な非キャリア付着性が強く望まれている。
すなわち、帯電性の環境変動、放置帯電量低下を抑制し、さまざまな使用環境においても画像濃度変動、地肌汚れ、トナーによる機内汚染などの不具合がなく良質な画像が得られる静電潜像現像剤用キャリアを提供することにある。また、本発明の静電潜像現像剤用キャリアを製品収率良く得るために有効な製造方法、及び本静電潜像現像剤用キャリアを用いた静電潜像用現像剤、更にプロセスカートリッジを提供することにある。
なお、以下では静電潜像現像剤用キャリアを静電潜像現像用キャリアと記載することがある。
なお、本発明において磁気モーメントの表示単位に「Oe」を使用しているが、1Oe≒79A/mにより「A/m」単位に換算できる。
(数3)
A=[(L1−L2)/L2]×100 …(1)
(式中、L1はキャリア芯材投影像の外周長を表し、L2はキャリア芯材投影像の包絡線の長さを表す。)
(数4)
A=[(L1−L2)/L2]×100 …(1)
(式中、L1はキャリア芯材投影像の外周長を表し、L2はキャリア芯材投影像の包絡線の長さを表す。)
該樹脂被覆粒子を分級して、重量平均粒径が25〜45μmでかつ粒径22μm未満の粒子の含有割合が7重量%以下であるキャリアを得る工程(b)とを備えたことを特徴とする静電潜像現像用キャリアの製造方法である。
また、相互に反応性を有する樹脂の使用と、包絡係数が4.5より小さい平滑なキャリア芯材を使用することによって、N−メトキシメチル化ポリアミド樹脂の有するタック性とそれによる凝集体の発生を抑制することができ、キャリア芯材に形成された樹脂被覆層の有する長所を十分に引き出しつつ、製品収率の向上をも両立させることが可能となる。
このキャリアにおける芯材と樹脂被覆層との接着性は良好であり、トナー組成物とした場合のスペントによる帯電変動もなく、更に長期に亘りキャリア付着の発生が起り難い。
帯電性の環境変動、放置帯電量低下を抑制し、さまざまな使用環境においても画像濃度変動、地肌汚れ、トナーによる機内汚染などの不具合がなく良質な画像が得られる。
本発明の電子写真現像剤用キャリアは、磁性を有するキャリア芯材の表面に(i)N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と、(ii)シラノール基及び/又は加水分解可能な基を有するシリコーン樹脂とを少なくとも含む1種類以上で前記N-アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能な樹脂とを含有する樹脂被覆層を形成するとともに、前記式(1)で示されるキャリア芯材の包絡係数Aが、A<4.5の関係を満たすことことにより、前記本発明の課題を解決することができるという新規に見出した技術に基づいて完成されたものである。
このようにして得られたメトキシメチル化ポリアミドは、その反応比に応じてメタノールなど低級アルコールに対する溶解性が向上するため、キャリア芯材表面に樹脂被覆層(被膜)を形成することが容易になる。また、該ポリアミドは未架橋の状態ではゴム弾性を示し、適当な酸触媒の存在下で加熱することにより、置換されたアルコキシ基(例えば、メトキシ基)と主鎖のアミド結合の活性水素との間で縮合することにより、架橋し硬度が増す。また、少なくともN−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能な樹脂として含まれるシラノール基及び/又は加水分解可能な基を有するシリコーン樹脂(縮合性シリコーン樹脂)が混合され、キャリア芯材表面に被膜として塗布され、酸触媒の存在下で加熱されることにより、シリコーン樹脂とN−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂との相互間に架橋構造を有する被膜が形成される。
上記アミン化合物とカルボン酸化合物との反応によって得られる縮重合体に用いられるアミン化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタジアミン、1,2−プロパンジアミンなどの直鎖アルキルジアミン、分岐型アルキルジアミン、m−フェニレンジアミン、P−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N−フェニル−p−フェニルジアミン、4,4−ジアミノジフェニルアミンなどの芳香族ジアミン、カルボン酸化合物としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン酸、マロン酸などの多価脂肪酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
用いるシリコーンとしては、シラノール基又はシラノール基を発生する加水分解性基を有するシリコーン樹脂が用いられる。加熱によるシラノール基とポリアミドのアルコキシ基(例えば、メトキシ基)間の架橋反応とともに、ポリアミドの触媒として用いる有機酸との反応によりエステルが生成し、樹脂中に残留する酸触媒によってもたらされる帯電性の負極性化が抑制される。
導電性物質の例としては、例えば、導電性ZnO、Al等の金属粉、各種の方法で作られたSnO2及び種々の元素をドープしたSnO2、ホウ化物(例えば、TlB2、ZnB2、MoB2、炭化ケイ素及び導電性高分子(ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、ポリピロール)などがあるが、最も好ましくは導電性のカーボンブラックである。なかでも、カーボンブラックは広範囲に抵抗値を得られるために好ましく用いられる。
樹脂被覆層(被膜)中に含有させる硬質微粒子の含有量としては、5%〜70%が好ましく、より好ましくは2〜40%の範囲である。硬質微粒子の含有量は、用いる微粒子の粒子径、比表面積によって適切に選ばれるが、5%未満では被膜の耐磨耗効果が発現しにくく、70%を超えると微粒子の脱離が生じやすくなる。
本発明の電子写真現像剤用キャリアは、キャリア芯材の包絡係数Aを下記式(1)で表した場合、A<4.5の関係を満たし、また、キャリアの粒径分布における重量平均粒径Dwが25〜45μmであり、粒径分布において44μmよりも小さい粒径を有する粒子の含有割合が70重量%以上、22μmより小さい粒径を有する粒子の含有割合が7重量%以下で、かつ該キャリアの重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.30の範囲にあることを特徴とする。
(数5)
A=[(L1−L2)/L2]×100 …(1)
(式中、L1はキャリア芯材投影像の外周長を表し、L2はキャリア芯材投影像の包絡線の長さを表す。)
走査型電子顕微鏡(日立製 S−2700)により倍率300倍にてキャリア芯材を撮影する。その画像をパソコンに取り込み画像処理ソフトImage−Pro(Media社製)により解析を行い、L1は測定項目の中のPerimeterを選択し、L2は測定項目の中のPerim.(convex)を選択し測定する。このような方法により、例えば、300個の任意に選択したキャリア芯材を測定し、その平均値を採用する。
凹凸の少ない表面が平滑な芯材21は、図2(a)に示すように樹脂液の偏在する場所がなく、1つのキャリアの中でコート樹脂層22は均一になる。凹凸の多い芯材21のコートキャリアに比べ経時による芯材地肌部の露出が極めて少なく、経時による非キャリア付着が良好である。一方、凹凸の多い芯材21に樹脂をコートした場合、図2(b)に示すように窪んだ部分に樹脂液が溜まりやすく、逆に凸の部分は樹脂液が不足しコート樹脂層22が薄くなり、1つのキャリアの中で、層厚の不均一が生じる。コート樹脂層22の薄い部分は磨耗により、すぐに芯材地肌を露出してしまい、経時によるキャリア付着が急激に悪化する。
また、粒径22μm未満の粒子を7重量%以下にすることでこれらの非キャリア付着性も改善された。これはキャリア粒径が小さいとキャリア1個あたりの磁気モーメントが小さくなり、現像スリーブに対する磁気的な拘束力が弱まり、地肌が露出していなくてもキャリア付着が発生しやすくなるためと考えられる。また、キャリア芯材の表面が平滑で、且つ微粉量の少ない粒径分布を持つコートキャリアを用いることで長期に亘り良好な非キャリア付着性が得られる。
図3に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極32a、電極32bを収容したフッ素樹脂製容器からなるセル31にキャリア33を充填し、両極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK 5HVLVWDQFH 0HWHU;横川ヒューレットパッカード株式会社製)により直流抵抗を測定して電気抵抗率RΩ・cmを求め、LogRを算出する。
B−Hトレーサー(BHU−60、理研電子製)を使用し、円筒のセルにキャリア芯材1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし3000Oeまで変化させ、次に徐々に小さくして零にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3000Oeとする。更に徐々に磁場を小さくして零にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、B−Hカーブを図示し、得られたB−Hカーブから1000Oeにおける磁気モーメントを算出する。
すなわち、磁性材料の粉砕物粒子を前記式(1)で示される包絡係数Aが、A<4.5の関係を満たすように調製してキャリア芯材とし、この表面に樹脂被膜を形成し樹脂被覆粒子を得る工程(a)と、該樹脂被覆粒子を分級して、重量平均粒径が25〜45μmでかつ粒径22μm未満の粒子の含有割合が7重量%以下であるキャリアを得る工程(b)とを備える製造方法である。
そこで本発明者らは、小粒径粒子を効率よくシャープにカットできる方法を開発すべく種々検討したところ、ふるい機を用いて粒子を分級する際に、その金網に超音波振動を与えることにより、22μm未満の小径粒子を効率よくシャープにカットし得ることを見出した。
金網を振動させる周波数は、20〜50kHz、好ましくは30〜40kHzである。共振部材の形状は、金網を振動させるのに適した形状であればよく、通常はリング状である。なお、金網を振動させる振動方向は、垂直方向であるのが好ましい。
図4において、41は振動ふるい機、42は円筒容器、43はスプリング、44はベース(支持台)、45は金網、46は共振リング、47はケーブル(高周波電流ケーブル)、48はコンバータ(振動子)、49はリング状フレームを示す。図4に示した超音波発振器付振動ふるい器41(円形ふるい機)を作動させるには、ケーブル47を介して高周波電流をコンバータ48に供給する。コンバータ48に供給された高周波電流は超音波振動に変換される。コンバータ48で発生した超音波振動は、そのコンバータ48が固定されている共振リング46及びそれに連設するリング状フレーム49を垂直方向に振動させる。この共振リング46の振動により、共振リング46とフレーム49に固定されている金網45が垂直方向に振動する。
なお、超音波発振器付きの振動ふるい機は販売されており、例えば、晃栄産業(株)より製品名「ウルトラソニック」として入手可能である。
このようなプロセスカートリッジ50は、図5の模式図に概略構成を示すように感光体51と、該感光体51の表面を帯電させる帯電手段52(例えば、帯電ブラシ)と、前記感光体51の表面に形成される静電潜像を現像タンク53に充填した現像剤を用いて現像する現像手段54(例えば現像部)と、前記感光体51の表面に残存する現像剤を払拭するクリーニング手段55(例えば、ブレード)とを具備するものである。なお、構成は一例であってこれに限定されるものではない。
<キャリア製造例1>
メトキシメチル化ポリアミド(ナガセケムテック株式会社製、EF30T)10部、シラノール含有メチルシリコーン樹脂(SiOH含有量1重量%、MW15000)の固形分濃度20wt%トルエン溶液を固形分量10部相当とを混合、溶解し、さらに酢酸を用いてpH4とし、50℃にて3時間還流した。この溶液の固形分量に対してカーボンブラック(BP2000)5部を加え、更に、メタノール80部、アセトン80部、トルエン80部にて希釈した液体をホモジナイザーで攪拌、分散してコート液を得た。このコート液の固形分に対して5部のクエン酸を溶解し、流動床乾燥装置によりキャリア芯材に対して塗布し、ナイロン−シリコーン樹脂混合被膜を形成した。キャリア芯材は、Cu−Zn系フェライトであり、包絡係数:3.8、50V/mmにおける抵抗率LogR:8.7、1000Oeにおける磁気モーメント:81emu/g、嵩密度:2.33g/cm3である。得られた粉体は、210℃にて2時間加熱乾燥し、晃栄産業(株)製ウルトラソニックにて超音波振動を与えながら分級を行い、重量平均粒径:35μm、粒径22μm以下の粒子:7重量%以下、被膜厚さ0.6μmのキャリアAを得た。
なお、キャリアの被膜厚さはキャリアを破砕し、走査型電子顕微鏡で観察して求めた。
また、上記キャリア抵抗率は、前記図3に示したセルと方法を用いて測定した。
すなわち、電極間距離2mm、表面積2×4cmの一対の平行平板電極(12a)、(12b)を収容したフッ素樹脂製容器からなるセル(11)にキャリア(13)を充填し、両極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード株式会社製)にて直流抵抗を測定した電気抵抗率R・ΩcmからLogR(電気抵抗と略す)を算出した。印加電圧100V及び500Vにおける抵抗率を測定した。キャリアの電気抵抗は50V/mmでLogR:14.2、250V/mmで13.4:であった。
<キャリア製造例2>
上記キャリア製造例1において、用いるシリコーン樹脂をSiOH含有量6重量%、分子量MW5000のメチルフェニルシリコーン樹脂とする以外はすべて同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアBを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:14.1(50V/mm)、13.2(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例3>
上記キャリア製造例2において、メトキシメチル化ポリアミド固形分7部、シラノール型メチルフェニルシリコーン樹脂の固形分13部とする以外は全て同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアCを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:15.4(50V/mm)、14.8(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例4>
前記キャリア製造例2において、メトキシメチル化ポリアミド固形分13部、シラノール型メチルフェニルシリコーン樹脂の固形分7部とする以外は全て同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアDを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:14.1(50V/mm)、13.1(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例5>
前記キャリア製造例2において、更にヘキサブトキシメチル化メラミン、トルエン、ブタノール混合溶液の固形分量2部相当を添加し、同様に被膜を形成して被膜厚さ0.6μmのキャリア粒子Eを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:14.9(50V/mm)、13.2(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例6>
前記キャリア製造例2において、更にテトラブトキシメチル化ベンゾグアナミンのトルエン、ブタノール混合溶液の固形分量2部相当を添加し、同様に被膜を形成して被膜厚さ0.6μmのキャリア粒子Fを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:15.1(50V/mm)、13.8(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例7>
前記キャリア製造例4において、クエン酸に代えてアジピン酸を用いる以外はすべて同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアGを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:14.4(50V/mm)、14.0(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例8>
上記キャリア製造例7において、コート液に疎水性シリカR972の2部を添加し、ホモジナイザーで20分間分散して得られたコート液を用いて、被膜を形成する以外はすべて同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアHを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:14.7(50V/mm)、14.4(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例9>
上記キャリア製造例8において、コート液に更に粒子径0.3ミクロンのアルミナ微粒子1部を添加し、これをホモジナイザーで同様に分散して得られたコート液を用い、被膜を形成する以外はすべて同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアIを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:15.2(50V/mm)、13.5(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例10>
前記キャリア製造例2において、使用するフェライト芯材を包絡係数:3.9、50V/mmにおける抵抗率LogR:7.9、1000Oeにおける磁気モーメント:81emu/g、嵩密度:2.35g/cm3とした以外はすべて製造例2と同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアJを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:14.1(50V/mm)、13.1(250V/mm)であった(重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例11>
前記キャリア製造例2において、使用するフェライト芯材を包絡係数:3.8、50V/mmにおける抵抗率LogR:8.8、1000Oeにおける磁気モーメント:71emu/g、嵩密度:2.32/cm3とした以外はすべて同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアKを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:14.4(50V/mm)、13.2(250V/mm)であった(重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例12>
前記キャリア製造例2において、使用するフェライト芯材を包絡係数:4.3、50V/mmにおける抵抗率LogR:8.9、1000Oeにおける磁気モーメント:79emu/g、嵩密度:2.16g/cm3とした以外はすべて同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアLを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:14.3(50V/mm)、13.4(250V/mm)であった(重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例13>
前記キャリア製造例1において、シリコーン樹脂を用いない以外はすべて同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアMを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:13.7(50V/mm)、LogR:12.6(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例14>
前記キャリア製造例1において、200℃での追加熱をせずに、被膜厚さ0.6μmのキャリア粒子Nを得た。このキャリアNの電気抵抗はLogR:10.1(50V/mm)、8.2(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例15>
メトキシメチル化ポリアミド(ナガセケムテック株式会社製、EF30T)10部、レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト、PR51283)の固形分2部をメタノール80部に溶解し、更に酢酸を用いてpH4とし、50℃にて3時間還流した。この溶液の固形分量に対してカーボンブラック(BP2000)5部、疎水性シリカ微粒子(R9725部、日本アエロジル社)を加え、更に、メタノール80部、アセトン80部で希釈た液体をホモジナイザーで攪拌、分散して、コート液を得た。以下、前記キャリア製造例1と同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアOを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:13.7(50V/mm)、LogR:12.9Ω・cm(250V/mm)であった(芯材のLogR、包絡係数、磁気モーメント、嵩密度、重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリア製造例16>
前記キャリア製造例2において、使用するフェライト芯材を包絡係数:8.1、50V/mmにおける抵抗率LogR:8.6、1000Oeにおける磁気モーメント:80emu/g、嵩密度:2.21g/cm3とした以外はすべて同様にして被膜厚さ0.6μmのキャリアPを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR:14.3(50V/mm)、13.5(250V/mm)であった(重量平均粒径、粒径22μm以下の粒子等はキャリア製造例1と同じ)。
<キャリアAとトナーを混合した現像剤による評価(1)>
キャリア製造例1で作成したキャリアA;93部とIPSIO Color8000(株式会社リコー製)用の黒トナー;7部とを混合し現像剤とした。この現像剤をIPSIO Color8000に装填して、画像面積率12%、文字画像チャートを用いて10万枚の連続プリント試験を行なった。
試験開始時の現像剤を少量抜き出し、この現像剤中のキャリアの帯電量を測定した。また、10万枚プリント終了時の現像剤の帯電量を同様に評価した。さらに、画像の地肌汚れも試験開始時と10万枚プリント終了時に評価した。その他の評価の内容は以下のようである。 評価結果を下記表1に示す。
(a)現像剤の帯電量:現像装置のスリーブ上から少量の現像剤を採取し、公知のブローオフ法に基づいて行なった。
(b)地肌汚れの評価:目視評価で下記4段階の評価とした。
(c)被膜摩耗率の評価:被膜磨耗率は、試験開始時のキャリア被覆層の厚さを100としたときの、10万枚プリント後におけるキャリア被覆層の厚さの比率を求め、試験開始時の厚さ(100)と比べたときの減少分で表した。
(d)スペント量の評価:現像剤から分離したキャリア1gをMEK、トルエンの1:1混合溶液10gに溶解し、その上澄み液を分光光度計にて320nm〜700nmの吸光度を測定し、その平均の吸光度を評価した。
(e)製品収率の評価:目開き63μmのメッシュ篩に作成したキャリアを入れ、これを振動式篩分け器にかけて篩分けし、メッシュを通過したものの割合を測定した。
(f)画質の評価:連続プリントにて出力した画像を全体的に目視評価を行い下記4段階で評価した。
[評価段階];◎:大変良好、○:良好、△:若干不良、×:不良(×は許容不可のレベル)
<キャリアB〜Pとトナーを混合した現像剤による評価(2)〜(16)>
上記実施例13において用いたキャリアAに代えてキャリアB〜Pをそれぞれ用い、実施例13と同様に現像剤を調製し、実施例及び比較例それぞれについて画像評価を行なった。結果を下記表1に併せて示す。
22 コート樹脂層
31 セル
32a 電極
32b 電極
33 キャリア
41 振動ふるい機
42 円筒容器
43 スプリング
44 ベース(支持台)
45 金網
46 共振リング
47 ケーブル
48 コンバータ(振動子)
49 リング状フレーム
50 プロセスカートリッジ
51 感光体
52 帯電手段
53 現像タンク
54 現像手段
55 クリーニング手段
Claims (21)
- 磁性を有するキャリア芯材の表面に樹脂被覆層を形成した静電潜像現像剤用キャリアにおいて、該樹脂被覆層は、(i)N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と、(ii)シラノール基及び/又は加水分解可能な基を有するシリコーン樹脂を少なくとも含む1種類以上で前記N-アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能な樹脂とを含有し、かつ下記式(1)で示される前記磁性を有するキャリア芯材の包絡係数Aが、A<4.5の関係を満たすことを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
(数1)
A=[(L1−L2)/L2]×100 …(1)
(式中、L1はキャリア芯材投影像の外周長を表し、L2はキャリア芯材投影像の包絡線の長さを表す。) - 前記N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂は、該ポリアミド樹脂の有するアミド結合性水素のうちメトキシメチル基への置換率が20〜70mol%であるN−メトキシメチル化ポリアミドであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記樹脂被覆層中に触媒として沸点が100℃以上である固体有機酸を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記樹脂被覆層中にメチロール化メラミンを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記樹脂被覆層中にメチロール化ベンゾグアナミンを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記樹脂被覆層中にフェノール樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記キャリアの電気抵抗率をRΩ・cmとしたときの印加電界50V/mmにおけるLogRが14以上であり、250V/mmにおけるLogRが16以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記磁性を有するキャリア芯材の電気抵抗率をRΩ・cmとしたときの印加電界50V/mmにおけるLogRが8.5以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記磁性を有するキャリア芯材の磁気モーメントが1000Oe(79000A/m)の磁場において76emu/g以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記磁性を有するキャリア芯材の嵩密度が2.2g/cm3以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記被覆層中に導電性物質を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記導電性物質が導電性カーボンであることを特徴とする請求項11に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記被覆層中に硬質微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記硬質微粒子が金属酸化物粒子であり、該金属酸化物粒子がSi、Ti、Alのいずれかの酸化物であることを特徴とする請求項13に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記金属酸化物粒子の含有量は、樹脂被覆層重量の5%〜70%の範囲であることを特徴とする請求項14に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記静電潜像現像用キャリアの重量平均粒径Dwが25〜45μmであり、粒径分布において44μmよりも小さい粒径を有する粒子の含有割合が70重量%以上、22μmより小さい粒径を有する粒子の含有割合が7重量%以下で、かつ該キャリアの重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.30の範囲にあることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリアの製造方法であって、磁性材料の粉砕物粒子を下記式(1)で示される包絡係数Aが、A<4.5の関係を満たすように調製して磁性を有するキャリア芯材とし、この表面に樹脂被膜を形成し樹脂被覆粒子を得る工程(a)と、
(数2)
A=[(L1−L2)/L2]×100 …(1)
(式中、L1はキャリア芯材投影像の外周長を表し、L2はキャリア芯材投影像の包絡線の長さを表す。)
該樹脂被覆粒子を分級して、重量平均粒径が25〜45μmでかつ粒径22μm未満の粒子の含有割合が7重量%以下であるキャリアを得る工程(b)とを備えたことを特徴とする静電潜像現像剤用キャリアの製造方法。 - 前記樹脂被覆粒子の分級は、超音波発振器付きの振動ふるい機を用いて行われることを特徴とする請求項17に記載の静電潜像現像剤用キャリアの製造方法。
- 前記超音波発振器付きの振動ふるい機は、電気的に供給され変換された超音波振動を共振リングを介してふるい用金網面に伝え、垂直振動するようにした構造を有することを特徴とする請求項18に記載の静電潜像現像剤用キャリアの製造方法。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリアと静電潜像現像剤用トナーとから構成される静電潜像現像剤。
- 感光体と、該感光体の表面を帯電させる帯電手段と、前記感光体の表面に形成される静電潜像を静電潜像現像剤用キャリアと静電潜像現像剤用トナーとから構成される請求項20に記載の静電潜像現像剤を用いて現像する現像手段と、前記感光体の表面に残存する現像剤を払拭するクリーニング手段とを具備することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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