JP4129214B2 - 静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法に使用される二成分現像現像剤に用いられる静電潜像現像用キャリア、それを用いた静電潜像現像剤、および静電潜像現像剤を備えるプロセスカートリッジ、画像形成装置に関する。
近年、電子写真方式を用いるプリント装置は急速にカラー化が進み、また、そのプリント速度の高速化が進んでいる。
従来から、二成分現像法は高速なプリントに適し、非磁性トナーの取り扱いが容易なため、フルカラー画像を形成する画像形成装置にも広く利用されてきた。しかし、フルカラー画像形成装置は装置内に複数の現像装置を備える必要があり、モノクロ画像形成装置に比べ、装置が大型化し、重量が大きくなるなどの欠点があった。特に二成分現像装置は、一成分現像装置に比べ、トナーとは別に現像剤の収納容積と、その攪拌機構を具備する必要があり、現像ユニットの小型化のためには、現像剤量の少量化が必須であった。
現像剤中のキャリアは現像装置内でトナーとの摩擦、スリーブやブレードなどの摺擦部材、規制部材やスクリュー、パドルなどの攪拌搬送部材により機械的な摩擦や衝撃を繰り返し受けている。現像剤を少量化することは、プリント枚数あたりのトナーとキャリアの摩擦機会の増加、キャリアが現像部を通過する頻度の増加を意味し、結果として現像装置内のキャリアの疲労が急速に進行する。
プリント速度の高速化も相まって、キャリアの耐久性、特にキャリア表層の被覆層の高い耐摩耗性とトナーや他部材によるキャリア表面の汚染(スペント)を防ぎながら、長期間に渡って、速やかな帯電性を維持することが以前にもまして重要になってきている。
最近のデジタル複写機やプリンタでは負極性に帯電した感光体を用いて、ネガポジ現像を行なう場合が多く、負極性に帯電したトナーを用いる場合が多い。トナーを負に帯電するために、キャリア被覆層中に窒素を含有する有機化合物を含有させる例が多く知られている。
たとえば、シリコーン樹脂にアミノシランカップリング剤を混合して用いる例や、ある種の酸アミドを内添する例、メラミン、グアナミンなどのアミノ化合物やその誘導体を内添する例、アミノ基を有するアクリルの共重合体などを被覆層に用いる例などである。こうした窒素含有有機材料をコート材料として用いる例として、従来から、ポリアミドを用いる例が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、ナイロンに代表されるポリアミド樹脂は、一般にトナーに負帯電性を付与するには、好ましい材料であるが、その多くが溶媒溶解性に乏しいため、溶液を塗布するなど簡易な方法で層形成することが困難であり、またポリアミド自体の耐摩耗性が充分でないなどの問題点もあった。
そこで、ポリアミドを溶媒可溶化して用いる例として、アミド結合の水素原子をアルコキシ化、アルコキシアルキル化して用いる例が開示され(例えば、特許文献1〜6参照。)、そうしたポリアミドを主鎖に有するグラフトポリマーを用いる例が開示されている(例えば、特許文献7、8参照。)が、主成分にこうしたポリアミドを用いた被覆層は被覆層の耐摩耗性において充分とはいえなかった。
また、N−メトキシメチル化ポリアミドを含有し、表面抵抗が10〜1013Ω・cm以下であることが開示されており、ポリアミドを一部メトキシメチル化することによって、被覆層抵抗を低抵抗化することが開示されている(例えば、特許文献9参照。)が、残留メトキシ基によるキャリアの低抵抗化はメトキシ基の高い水親和性によりもたらされるものであり、帯電量の環境変動性、現像剤帯電量の保存性低下が大きいなどの不具合があった。
これらの問題を解決するために、N−アルコキシアルキル化ポリアミドと、少なくともシラノール基および/または加水分解可能な基を有するシリコーンを含む1種類以上の該N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能な樹脂を含有するコート剤が検討されているが、帯電立上りの遅れや帯電量の経時変動性や帯電量の環境変動性という不具合が残っていた。
特開昭49−115549号公報(第1頁左下欄第3行目〜第6行目の特許請求の範囲、第2頁右上欄第19行目〜左下欄第16行目) 特開平1−118150号公報(第1頁左下欄第4行目〜末行目の特許請求の範囲第1項) 特開平1−118151号公報(第1頁左下欄第4行目〜右上欄第1行目の特許請求の範囲第1項) 特開平4−188160号公報(第1頁左下欄第4行目〜第7行目の特許請求の範囲、第3頁右上欄第6行目〜第12行目、第3頁右下欄第4行目〜第14行目) 特開2001−201894号公報(第2頁第1欄第1行目〜第45行目の特許請求の範囲) 特許第3044390号公報(第1頁第1欄第1行目〜第9行目の請求項1、第3頁第5欄第8行目〜第13行目、第3頁第6欄第2行目〜第8行目、第3頁第6欄第19行目〜第34行目) 特許第2835971号公報(第1頁第1欄第1行目〜第2頁第11行目の特許請求の範囲、第3頁第5欄第41行目〜第4頁第7欄第22行目) 特許第2835972号公報(第1頁第1欄第1行目〜第2欄第10行目の特許請求の範囲、第3頁第6欄第13行目〜第43行目) 特許第2932192号公報(第1頁第1欄第1行目〜第2欄第9行目の特許請求の範囲、第2頁第4欄第42行目〜第3頁第6欄第7行目、第3頁第5欄第46行目〜第6欄第35行目)
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、長期に渡り安定した帯電付与能力を有し、かつ、被覆層の耐摩耗性や、磁性を有する微粉体と被覆層との接着性に優れ、トナー組成物のスペントによる帯電変動のない静電潜像現像用キャリアを提供することにある。
また、帯電立上り性を向上させ、帯電性の環境変動、放置帯電量低下を抑制し、さまざまな使用環境においても画像濃度変動、地肌汚れ、トナーによる装置内汚染などの不具合がなく、良質な画像を得ることができる静電潜像現像用キャリアを提供することにある。
さらに、この静電潜像現像用キャリアを用いた静電潜像用現像剤、およびプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば下記の構成をもって、上記の目的が達成される。
(1)本発明は、磁性を有する微粉体表面に被覆層を有する形態を有し、該被覆層が、(1)N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と、(2)シラノール基および/または加水分解可能な基を有し該N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能なシリコーン樹脂を含む樹脂との混合物から得られる縮合物を含有する静電潜像現像用キャリアであって、該シリコーン樹脂が平均分子量5000以上30000未満のメチルシリコーン樹脂を少なくとも含む静電潜像現像用キャリアである。
(2)また、本発明は、さらに、前記ポリアミド樹脂がメトキシ化率20〜70mol%のN−メトキシメチル化ポリアミド樹脂である静電潜像現像用キャリアである。
(3)また、本発明は、さらに、前記被覆層中に触媒として沸点が100℃以上である固体有機酸を含有する静電潜像現像用キャリアである。
(4)また、本発明は、さらに、前記被覆層中にメチロールメラミンを含有する静電潜像現像用キャリアである。
(5)また、本発明は、さらに、前記被覆層中にメチロールベンゾグアナミンを含有する静電潜像現像用キャリアである。
(6)また、本発明は、さらに、印加電界50V/mmにおける電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が14以上であり、250V/mmにおける電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が16以下の静電潜像現像用キャリアである。
(7)また、本発明は、さらに、前記被覆層中に電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が−4以上7以下の低抵抗物質を含有する静電潜像現像用キャリアである。
(8)また、本発明は、さらに、前記低抵抗物質が導電性カーボンである静電潜像現像用キャリアである。
(9)また、本発明は、さらに、前記被覆層中に硬質微粒子を有する静電潜像現像用キャリアである。
(10)また、本発明は、さらに、前記被覆層中の硬質微粒子が金属酸化物粒子であり、該金属酸化物粒子がSi、Ti、Alの金属酸化物のうち少なくとも1種以上を含有する静電潜像現像用キャリアである。
(11)また、本発明は、さらに、前記被覆層の金属酸化物粒子の含有量が被覆層重量の5〜70%の範囲である静電潜像現像用キャリアである。
(12)本発明は、磁性を有する粉体表面に被覆層を有する静電潜像現像用キャリアと少なくとも結着樹脂と着色剤とからなる静電潜像現像用トナーとを含む静電潜像現像剤において、前記静電潜像現像用キャリアが、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリアである静電潜像現像剤である。
(13)本発明は、少なくとも、像担持体と、像担持体に形成される静電潜像をトナーで現像する静電潜像現像剤を備える現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、上記(12)に記載の静電潜像現像剤を用いるプロセスカートリッジである。
(14)本発明は、潜像を担持する像担持体と、帯電部材を像担持体表面に接触又は近接させて像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して像担持体に形成されたトナー像を表面移動部材との間に挟持される記録部材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と、像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング装置と、記録部材上のトナー像を熱と圧力で定着する定着装置とを備える画像形成装置において、上記(12)に記載の静電潜像現像剤を用いる画像形成装置である。
本発明は、上記解決するための手段によって、帯電性、被覆層の摩耗性に優れたキャリアが提供される。また、コート後の加温工程で触媒を作用させることが好ましく、これにより、帯電立上り性が向上し、帯電の耐久性、使用環境による変化を低減することが可能となり、信頼性に優れ、さらに生産性向上が可能な静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像剤を提供できるという優れた効果を奏する。さらに、本発明は、上記キャリアを用いた現像剤、及び該現像剤を用いて現像する現像部を有するプロセスカートリッジ、画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明において用いられるポリアミド樹脂としては、主鎖のアミド結合の水素原子をアルコキシアルキル化した、溶媒可溶化ポリアミド樹脂を用い、該ポリアミド樹脂の低級アルコール溶液と、該ポリアミド樹脂と反応性を有しシラノールおよび/または加水分解可能な基を含有する、メチルシリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂、さらに必要に応じて架橋を促進する触媒を混合溶解して調製したコート液を、磁性を有する静電潜像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と記す。)の芯材に塗布、乾燥し、加熱硬化することによって被覆層を形成する。
これによりポリアミド樹脂の優れた正帯電性を有し、特に、シラノールおよび/または加水分解可能な基を含有するメチルシリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂とを用いることで優れた被覆層強度と耐スペント性を有し、さらに帯電立ち上がり性が良く帯電性の環境変動が少ない、静電潜像現像用キャリアを得ることができる。
ここでいうメチルシリコーン樹脂とは、シリコーン樹脂中の有機基がメチル基のみの樹脂である。また、ここでいうポリアミド樹脂とは、一般的な、ジカルボン酸成分とジアミン成分から得られるものや、各種のラクタムの開環縮重合によりなるポリアミド樹脂などである。
本発明に用いられるポリアミド樹脂の例を示すと、例えばジアミン成分としては1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,2−プロパンジアミンなどの直鎖アルカンジアミン、分岐型アルカンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N−フェニル−p−フェニルジアミン、4,4−ジアミノジフェニルアミンなどの芳香族ジアミン等が挙げられ、カルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン酸、マロン酸などの多価脂肪酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられ、これらジアミン成分とジカルボン酸成分の縮重合体、これら複数種のモノマーからなる共重合体、また、カプロラクタムなどの各種ラクタムの開環重合体や、アミノウンデカン酸などの各種アミノ酸の自己縮重合体、それら相互の共重合体などである。
本発明において、ポリアミド樹脂のアルコキシアルキル化、たとえば、ポリアミド樹脂のメトキシメチル化の方法としては、蟻酸のようなポリアミド樹脂溶解可能な酸性雰囲気中、メタノールなどの低級アルコールの存在下で、ホルマリンと反応させることにより行なう。ポリアミド樹脂の可溶化のために行うアルコキシアルキル化処理は、アミド結合の活性水素の置換率にして20〜70mol%程度がよい。これより少ない場合には、アルコール可溶性が乏しく、被覆層形成時に析出したり、被覆層形成後に偏析したりするなどの不具合がある。70mol%より多いと、被覆層密度が低下し、摩耗性が悪化する。金属酸化物粒子を添加した場合においても同様である。ポリアミド樹脂のアルコキシアルキル化率(メトキシメチル化率)は前記アミド結合の活性水素の置換率を表わしている。
本発明において、アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂のアルコキシアルキル基としては、アルコキシの部分はメトキシ基が、またアルキル部分は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体例としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、メトキシ−i−プロピル基、メトキシ−n−ブチル基、メトキシ−i−ブチル基、メトキシ−t−ブチル基等が挙げられる。こうして得られたメトキシメチル化ポリアミド樹脂等のアルコキシアルキル化ポリアミド樹脂は、その反応比に応じてメタノールなど低級アルコールに対する溶解性が向上するため、キャリア表面に被覆層形成することが容易になる。また、該ポリアミド樹脂は未架橋の状態ではゴム弾性を示し、適当な酸触媒の存在下で加熱することにより、自己のメトキシ基と主鎖のアミド結合の活性水素との間で縮合することにより、架橋し硬度が増す。これをシラノール縮合性シリコーン樹脂と混合して、キャリア被覆層として塗布し、同じく酸触媒の存在下で加熱することにより、シリコーン樹脂とポリアミド樹脂間の相互の架橋構造を有する被覆層が形成される。
本発明における反応可能な樹脂とは、ポリアミド樹脂中に有するメトキシ基等のアルコキシ基との縮合反応性を有する水酸基、アルキロール基、カルボキシル基や、活性水素を有するアミノ基などを有する樹脂をいう。代表的には熱硬化性を示す樹脂が用いられる。中でも、シリコーン樹脂はその被覆層強度とともに、得られる被覆層の表面エネルギーが低いことから、キャリアにトナーが付着、汚染する、いわゆるスペント性の抑制効果に優れている。用いるシリコーンとしては、シラノール基および/または加水分解可能な基を有し、平均分子量が5000以上30000未満のメチルシリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂が用いられる。メチルシリコーン樹脂の平均分子量が5000未満であると耐衝撃性が低下し、30000以上であると他の有機材料との相溶性が低下し被覆層の表面性が低下する。
加熱によるシラノール基および/または加水分解可能な基とポリアミド樹脂のメトキシ基等のアルコキシ基と間の架橋とともに、ポリアミド樹脂の触媒として用いる有機酸とのエステルが生成し、残留の酸触媒による帯電性の負極性化が抑制される。
被覆層の帯電量制御、および被覆層強度の向上の目的で、他の架橋型樹脂を混合させることも可能である。なかでもヘキサメチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミンに代表される各種のアルキロールメラミンおよびそのアルキルエーテルなどの誘導体は、被覆層強度と高い帯電量とを同時に得られるため、好ましく用いられる。これにより、被覆層の帯電性を向上させ、かつさらに高い被覆層強度を得ることができる。被覆層強度の向上の目的で、微量のフェノール樹脂を含有させることも好ましい。これにより、ポリアミドの一部に架橋構造を設けることにより、さらに摩耗性に優れた被覆層が得られる。フェノール樹脂の含有量は好ましくは、最表層を形成する樹脂中の2〜10重量%以下であり、好ましくは4〜8重量%である。2重量%以下では被覆層強度の向上効果が得られず、10重量%を超える場合、フェノールの負帯電性により、経時的な帯電性の低下が見られる。
本発明では、さらにこの被覆層中に後述する金属酸化物粒子等の硬質微粒子を混合せしめることが好ましく、それによる補強効果により、その被覆層強度をいっそう強靭なものとすることができ、高い耐久性が得られる。被覆層中への金属酸化物粒子の導入は、たとえば、次のように行なう。
(1)可溶化ポリアミド樹脂をメタノール中に、必要に応じて加熱しながら溶解する。
(2)溶解した溶液に、金属酸化物粒子を混合し、ホモジナイザーのような分散装置を用いて均一に分散する。
(3)分散溶液を別途用意したシラノール縮合性シリコーン樹脂の非水溶媒溶液と混合、同様にホモジナイザーで攪拌し、適宜帯電調整剤、抵抗調整剤を混合し、キャリア芯材に塗布する。
被覆層の充分な硬化を行なうために、酸性下で加温することが好ましいが、用いる酸触媒としては沸点が100℃以上の固体有機物酸をコート剤溶液に含有させることが好ましい。触媒の沸点が100℃未満では、被覆層乾燥時に触媒の蒸発を伴い、架橋形成のための追加熱によって被覆層の硬化が充分に行なうことができない。中でも二塩基酸以上の多価カルボン酸化合物は好ましく用いられる。
被覆層の架橋温度において有効に作用する酸触媒を用いることで反応を充分な架橋反応を行なうことができる。
酸触媒の例としては、乳酸、ラウリン酸、クロトン酸、コハク酸、クエン酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、マロン酸、マレイン酸、イタコン酸、酒石酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ベンジルスルホン酸、トルエンスルホン酸などの代表的な有機酸、塩酸、硫酸、硝酸、次亜燐酸等の無機酸などを単独、もしくは、混合して用いることができるが、先の架橋反応を適切に進めるためには、少なくとも1種類の酸触媒が100℃以上の沸点を持つものを選択すればよい。
本発明において、(1)N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と、(2)少なくともシラノール基および/または加水分解可能な基を有し該N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能な、メチルシリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂を含む樹脂の使用割合は、(1)N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂が1〜70重量%、(2)少なくともシラノール基および/または加水分解可能な基を有し該N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能なメチルシリコーン樹脂が30〜99重量%であることが好ましい。
本発明に用いるアルコキシアルキル化ポリアミド樹脂は、非架橋状態ではその電気抵抗が低いため、画像形成時に地肌汚れや現像剤の帯電量の放置低下、温湿度による帯電量の変動などの不具合があるため、シリコーン樹脂との架橋構造を形成するための加熱工程により、残留するメトキシ成分を充分に分解する必要がある。こうして得られるキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)は、50V/mmにおけるLog値が14以上が好ましく、また17以下が好ましい範囲であり、250V/mmにおける電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が16以下が好ましく、また8以上が好ましい範囲である。電気抵抗率が上記範囲の場合、帯電性の環境変動、現像剤の放置帯電量低下を抑制することができる。50V/mmにおける電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が14より小さいと放置時の帯電量低下が大きく、また、温湿度による帯電量の変動が大きい。また、250V/mmにおける電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が16より大きいと、連続印刷時にキャリアのチャージアップによる画像濃度の低下が生じ好ましくない。
キャリアの電気抵抗を適正にするために、キャリア被覆層中に導電性物質、特に電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が−4以上7以下の低抵抗物質を含有させることが可能である。ここでいう導電性物質とは、公知の導電性材料を用いることができる。導電性物質の例としてはたとえば、導電性ZnO、Al等の金属粉、各種の方法で作られたSnO及び種々の元素をドープしたSnO、ホウ化物、例えばTlB、ZnB、MoB、炭化ケイ素及び導電性高分子、例えばポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、ポリピロールなどがあるが、最も好ましくは導電性のカーボンブラックである。カーボンブラックは広範囲に任意の電気抵抗値を得られるために好ましく用いられる。
また、先に記述したように、被覆層の補強の目的で被覆層中に他の硬質な微粒成分を含有させることができる。なかでも金属酸化物、無機酸化物粒子は均一な粒子径で、かつ被覆層の成分であるポリアミド樹脂と高い親和性が得られ、著しい被覆層の補強効果を示すため、好ましく用いられる。
こうした微粒子としては、従来公知の材料を単独、もしくは、混合して用いることが可能であり、代表的にはシリカ、酸化チタン、アルミナなどがある。
被覆層中に含有させる硬質微粒子の含有量として5〜70重量%が好ましく、より好ましくは2〜40重量%の範囲である。含有量は用いる微粒子の粒子径、比表面積によって、適切に選ばれるが、5重量%未満では被覆層の耐摩耗効果が発現しにくく、70重量%を超えると、微粒子の脱離が生じやすくなる。
本発明で使用することができるキャリア芯材は、重量平均粒径10〜100μmであって、例えば、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライトなどの従来公知のものが全て使用できる。
本発明の被覆樹脂の形成方法は、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法など公知の方法が使用できる。
次に、本発明に使用されるトナーとしては、バインダー樹脂としての熱可塑性樹脂を主成分とし、着色剤、微粒子、そして帯電制御剤、離型剤等を含むものである。また、一般公知の粉砕法、重合法等の各種のトナー製法により作製されたトナーを用いることができる。
バインダー樹脂としては、通常トナー用バインダー樹脂として用いられるものを全て使用することができ、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−o−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが単独あるいは混合して使用できる。
ポリエステル樹脂としては、アルコール成分と酸成分との重縮合反応によって得られ、例えばアルコール成分としては、ポリエチレングリコール、ジエチルグリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単量体、その他の2価のアルコール単量体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上の高級アルコール単量体を挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸成分としては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸からの二量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボン酸−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体、これらの酸の無水物等の3価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
さらにエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物等があり、例えば、エポミックR362、R364、R365、R366、R367、R369(以上、三井石油化学工業社製)、エポトートYD−011、YD−014、YD−904、YD−017(以上、東都化成社製)、エポコート1002、1004、1007(以上、シェル化学社製)等の市販のものがある。
着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、ハンザイエローG、ローダミン6Gレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、染顔料など、従来公知の染顔料を単独あるいは混合して使用し得る。
また、トナーは、通常使用されるトナーと同様に摩擦帯電性を制御する目的で含有せしめる薬剤を含有していても何ら不都合はない。そうした、いわゆる極性制御剤としては、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のCo、Cr、Fe、Zn等の金属錯体等を単独または混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。カラートナーに使用される極性制御剤は無色であることが必要であり、極性を有するポリマー型の極性制御性物質は好ましく用いられる。
本発明に使用されるトナーには流動性改質剤を添加することができる。流動性改質剤の例としては、有機樹脂微粒子、金属石鹸など、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤、或いは酸化セリウム、炭化ケイ素などの研磨剤、一般に流動性改質の目的に用いられる公知の金属酸化物、代表的には酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの酸化金属微粒子、およびその表面を疎水化した粒子などである。これらのいずれの微粉末もその表面を疎水化することは流動性の面で優れた効果をもたらす。表面を疎水化処理するためには、例えば、シランカップリング剤やシリル化剤として一般に知られる珪素化合物を粒子表面と接触、反応させることができる。
疎水化剤としては以下のものが挙げられる。
例えばクロロシラン類としては代表的にトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、エチルジクロロシラン、ジエチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、プロピルジクロロシラン、ジプロピルジクロロシラン、トリプロピルクロロシランなどのアルキルクロロシラン、フェニルクロロシランなど。そのフッ素置換体としてはフルオロアルキルクロロシラン、パーフルオロアルキルクロロシランなど。シリルアミン類としては、代表的にヘキサメチルジシラザン、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジエチルアミノトリメチルシランなど。シリルアミド類としては、代表的にN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド、N−トリメチルシリルアセトアミド、ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミドなど。また、アルコキシシラン類として、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルアルコキシシラン、エチルジアルコキシシラン、ジエチルアルコキシシラン、トリエチルアルコキシシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ジプロピルジアルコキシシラン、トリプロピルアルコキシシランなど、アルキルクロロシランや、フェニル基を有するフェニルアルコキシシランなど。また、そのフッ素置換体としてはフルオロアルキルアルコキシシランの類、パーフルオロアルキルアルコキシシランなど。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、およびその誘導体、フッ素置換体、ジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン類など。これらの一般に公知の疎水化剤として用いられる化合物が全て使用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。また部は重量部を表す。
<キャリアの製造例>
(製造例1)
メトキシメチル化ポリアミド(ナガセケムテック株式会社製、EF30T、メトキシメチル化率30mol%)10部と、メチルシリコーン樹脂(平均分子量15000)10部を混合、溶解し、さらに酢酸を用いてpH4とし、50℃にて3時間還流した。この溶液の固形分量に対して、さらにカーボンブラック(EC600JD、電気抵抗率R(Ωcm)のLog値−1)5部、メタノール80部、アセトン80部、トルエン80部にて希釈した液体をホモジナイザーで攪拌、分散して、コート液を得た。この液体の固形分に対して5部のクエン酸を溶解し、流動床乾燥装置にてフェライト芯材に対して塗布し、ナイロン−シリコーン樹脂混合被覆層を設けた。得られた粉体は、210℃にて2時間加熱乾燥し、被覆層の厚さ0.6μmのキャリアAを得た。尚、キャリア被覆層の厚さの測定は、キャリアを破砕し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察することで求めた。
上記キャリアの電気抵抗率は、次の方法により測定した。図1は、キャリアの電気抵抗率を測定するためのセルの図である。図1に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの一対の平行平板電極(102a)、(102b)を収容したフッ素樹脂製容器からなるセル(101)にキャリア(103)を充填し、両極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード株式会社製)にて直流抵抗を測定し、電気抵抗率R(Ωcm)のLog値を算出した。印加電圧は100Vおよび500Vにおける抵抗率を測定した。
このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.2(50V/mm)、14.3(250V/mm)であった。
(製造例2)
製造例1において、メチルシリコーン樹脂の平均分子量を7000とする以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアBを得た。このキャリアの電気抵抗率RのLog値(Ωcm)は15.1(50V/mm)、14.2(250V/mm)であった。
(製造例3)
製造例1において、メチルシリコーン樹脂の平均分子量を4000とする以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアCを得た。このキャリアの電気抵抗率RのLog値(Ωcm)は15.0(50V/mm)、14.2(250V/mm)であった。
(製造例4)
製造例1において、メチルシリコーン樹脂の平均分子量を20000とする以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアDを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.1(50V/mm)、13.9(250V/mm)であった。
(製造例5)
製造例1において、メチルシリコーン樹脂の平均分子量を40000とする以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアEを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.1(50V/mm)、13.8(250V/mm)であった。
(製造例6)
製造例1において、さらにヘキサブトキシメチル化メラミン、トルエン、ブタノール混合溶液の固形分量2部相当を添加し、同様に被覆層を形成して被覆層の厚さ0.6μmのキャリア粒子Fを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.3(50V/mm)、14.3(250V/mm)であった。
(製造例7)
製造例1において、さらにテトラブトキシメチル化ベンゾグアナミンのトルエン、ブタノール混合溶液の固形分量2部相当を添加し、同様に被覆層を形成して被覆層の厚さ0.6μmのキャリア粒子Gを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.0(50V/mm)、14.1(250V/mm)であった。
(製造例8)
製造例1において、クエン酸に代えてアジピン酸を用いる以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアHを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.2(50V/mm)、14.4(250V/mm)であった。
(製造例9)
製造例1において、コート液に疎水性シリカR972をコート液固形分量に対して20部を添加し、ホモジナイザーで20分間分散して得られたコート液を用いて、被覆層を形成する以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアIを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.2(50V/mm)、14.3(250V/mm)であった。
(製造例10)
製造例1において、コート液に粒子径0.3ミクロンのアルミナ微粒子をコート液固形分量に対して10部を添加し、これをホモジナイザーで同様に分散して得られたコート液を用い、被覆層を形成する以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアJを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.1(50V/mm)、14.2(250V/mm)であった。
(製造例11)
製造例1において、シリコーン樹脂を用いない以外は全く同様にしてキャリアKを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は13.7(50V/mm)、12.6(250V/mm)であった。
(実施例1)
製造例1で作成したキャリアA93部とIPSIO Color8000用黒トナー7部を混合し、現像剤とし、これをIPSIO Color8000に装填して、画像面積率12%、文字画像チャートを用いて10万枚の連続プリント試験を行なった。
[評価]
以下の評価を行ない、その結果を表1に示す。
(1)帯電量及び地肌汚れ
試験開始時、および、10万枚プリント終了時の現像剤を少量抜き出し、この現像剤中のキャリアの帯電量を測定した。また、10万枚プリント終了時の画像の地肌汚れ、現像剤の帯電量を同様に測定した。さらに、40℃、90%Rh下でのキャリアの帯電量、及び1週間放置後のキャリアの帯電量を同様に測定した。現像剤の帯電量は、現像装置のスリーブ上から少量の現像剤を採取し、或いは上記環境下のものを採取し、公知のブローオフ法に基づいて行なった。
地肌汚れの評価は目視評価で4段階の評価とした。
表中記載の記号は、◎:大変良好、○:良好、×:不良(×は許容不可のレベル)とした。
(2)帯電量立上り率
キャリアA93部とIPSIO Color8000用黒トナー7部を計量し、ステンレス製筒型容器に入れて15秒間および10分間振動攪拌して、帯電量立上り率測定サンプルを作成する。つぎにこのサンプルの帯電量を公知のブローオフ法に基づいて測定し、10分間振動攪拌したサンプルの帯電量を100としたときの、15秒間振動攪拌したサンプルの帯電量の比率を帯電量立上り率として求めた。
(3)被覆層摩耗率
被覆層摩耗率は、試験開始時のキャリア被覆層の厚さを100としたときの、10万枚ラン後におけるキャリア被覆層の厚さの比率を求め、試験開始時の厚さ(100)と比べたときの減少分であらわした。キャリア被覆層の厚さの測定は、破砕したキャリアの断面を走査型電子顕微鏡で観察して求めた。
(4)スペント量
スペント量は、現像剤から分離したキャリア1gをMEK、トルエンの1:1混合溶液10gに溶解し、その上澄み液を分光光度計にて320nm〜700nmの吸光度を測定し、その平均の吸光度を評価した。
(実施例2〜10、比較例1)
実施例1においてキャリアAに換えてキャリアB〜Kをそれぞれ用いて、同様に現像剤とし、画像評価を行なった。結果を同様に表1に示す。
Figure 0004129214
表1から明らかなように、比較例1は、帯電量と初期地汚れは「良好」であったが、10万枚プリント後は、地汚れは不良であり、帯電量も大きく低下した。実施例1〜10では、帯電量と初期地汚れは「良好」であり、10万枚プリント後は、帯電量の若干の低下はあるが、地汚れはいずれも「良好」であった。
また、比較例1は、40℃Rh90%の高温度高湿度下では、帯電量が低かった。実施例1〜10では、40℃Rh90%下でも、画像を形成する実用上問題のない帯電量であり、また、1週間放置しても大きな低下はなかった。
また、キャリアの被覆層の摩耗率も、実施例1〜10は小さいが、比較例1は非常に大きく、帯電性能が低下していることがわかる。また、スペントについても、実施例1〜10は小さいが、比較例1は非常に大きいことがわかる。
図2は、本発明のプロセスカートリッジの構成を示す概略図である。
また、上述したキャリアを用いる静電潜像現像剤をプロセスカートリッジに用いることができる。これによって、少ないキャリアで、かつ小さい力による混合・攪拌でトナーの帯電立ち上がりを早くすることができ、プロセスカートリッジを軽くすることができる。また、その分多くのトナーを収納することができ、プロセスカートリッジの交換までの時間を長くすることができる。静電潜像現像剤にかける負担が少なくすることができ、キャリア被覆層の摩耗を少なくしてキャリアを長寿命にしてプロセスカートリッジの寿命を長くすることができる。また、環境変動によってトナー帯電量の変動の少ない静電潜像現像剤によって、地肌汚れのない高品位の画像を得ることができる。また、トナーの機内への飛散を抑えることができる。また、このプロセスカートリッジを用いた装置では、プロセスカートリッジの寿命が長いので、画像形成装置のプロセスカートリッジ交換サイクルを伸ばして、交換の手間を軽減することができる。また、これらのプロセスカートリッジを複数個用いた装置では、上記利点がさらに強調され、操作性、メンテナンス性を大幅に向上させることができる。
図3は、本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。画像形成の動作を開始させると、各感光体が図1で時計回り方向にそれぞれ回転する。そして、その各感光体5の表面が帯電ローラ14aにより一様に帯電される。そして、画像形成ユニット2Aの感光体5には、書込みユニット6によりマゼンタの画像に対応するレーザ光が、画像形成ユニット2Bの感光体5にはシアンの画像に対応するレーザ光が、画像形成ユニット2Cの感光体5にはイエローの画像に対応するレーザ光が、さらに画像形成ユニット2Dの感光体5にはブラックの画像に対応するレーザ光がそれぞれ照射され、各色の画像データに対応した潜像がそれぞれ形成される。各潜像は、感光体5が回転することにより現像装置10A、10B、10C、10Dの位置に達すると、そこでマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各トナーにより現像されて、4色のトナー像となる。この現像装置10A、10B、10C、10Dに上述の静電潜像現像剤を用いることで、小さい力による混合・攪拌でトナーの帯電立ち上がりを早くすることができ、トナー帯電量の環境変動による変化を少なくすることで、いずれの環境であっても同様の高品位の画質を得ることができる。また、キャリアの耐摩耗性がよいことから長寿命の静電潜像現像剤を用いることで、機会のメンテナンスする期間を長くすることができる。
一方、給紙カセット11、12から転写紙が分離給紙部により給紙され、それが転写ベルト3aの直前に設けられているレジストローラ対59により、各感光体5上に形成されているトナー像と一致するタイミングで搬送される。転写紙Pは、転写ベルト3aの入口付近に配設している紙吸着ローラ58によりプラスの極性に帯電され、それにより転写ベルト3aの表面に静電的に吸着される。そして、転写紙Pは、転写ベルト3aに吸着した状態で搬送されながら、マゼンタ、シアン、イエロー及びブラック色の各トナー像が順次転写されていき、4色重ね合わせのフルカラーのトナー画像が形成される。このときに、トナーに外添された潤滑剤も同時に転写されるが、トナーの一部は転写されず感光体上に付着して残留する。その転写紙Pは、定着装置9で熱と圧力が加えられることによりトナー像が溶融定着され、その後は指定されたモードに応じた排紙系を通って、装置本体1上部の排紙トレイ26に反転排紙されたり、定着装置9から直進して反転ユニット8内を通ってストレート排紙されたり、あるいは、両面画像形成モードが選択されているときには、前述した反転ユニット8内の反転搬送路に送り込まれた後にスイッチバックされて両面ユニット7に搬送され、そこから再給紙されて画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dが設けられている画像形成部で、裏面に画像が形成された後に定着して排出される。
キャリアの電気抵抗率を測定するためのセルの図である。 本発明のプロセスカートリッジの構成を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 画像形成ユニット
3 転写装置
3a 転写ベルト
5 感光体(像担持体)
6 書込みユニット
7 両面ユニット
8 反転ユニット
9 定着装置
10 現像装置
11、12 給紙カセット
13 手差しトレイ
14 帯電装置
15 クリーニング手段
20 反転排紙路
25 ローラ対
26 排紙トレイ
45a、45b 搬送ガイド板
46 搬送ローラ
55、56 分離給紙部
58 紙吸着ローラ
59 レジストローラ対
101 セル
102a 平行平板電極
102b 平行平板電極
103 キャリア

Claims (14)

  1. 磁性を有する粉体表面に被覆層を有し、
    該被覆層が、
    (1)N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と、
    (2)シラノール基および/または加水分解可能な基を有し、N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能なシリコーン樹脂を含む樹脂と
    の混合物から得られる縮合物を含有する静電潜像現像用キャリアであって、
    シリコーン樹脂が平均分子量5000以上30000未満のメチルシリコーン樹脂を少なくとも有する
    ことを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
  2. 前記ポリアミド樹脂がメトキシ化率20〜70mol%のN−メトキシメチル化ポリアミド樹脂である
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  3. 前記被覆層中に触媒として沸点が100℃以上である固体有機酸を含有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像用キャリア。
  4. 前記被覆層中にメチロールメラミンを含有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  5. 前記被覆層中にメチロールベンゾグアナミンを含有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  6. 前記静電潜像現像用キャリアが、印加電界50V/mmにおける電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が14以上であり、250V/mmにおける電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が16以下である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  7. 前記被覆層中に電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が−4以上7以下の低抵抗物質を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  8. 前記低抵抗物質が導電性カーボンである
    ことを特徴とする請求項7に記載の静電潜像現像用キャリア。
  9. 前記被覆層中に硬質微粒子を有する
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  10. 前記被覆層中の硬質微粒子が金属酸化物粒子であり、該金属酸化物粒子がSi、Ti、Alの金属酸化物のうち少なくとも1種以上を含有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の静電潜像現像用キャリア。
  11. 前記被覆層中の金属酸化物粒子の含有量が被覆層重量の5〜70%の範囲である
    ことを特徴とする請求項9または10に記載の静電潜像現像用キャリア。
  12. 磁性を有する粉体表面に被覆層を有する静電潜像現像用キャリアと少なくとも結着樹脂と着色剤とからなる静電潜像現像用トナーとを含む静電潜像現像剤において、
    前記静電潜像現像用キャリアが、請求項1〜11のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリアである
    ことを特徴とする静電潜像現像剤。
  13. 少なくとも、像担持体と、像担持体に形成される静電潜像をトナーで現像する静電潜像現像剤を備える現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
    前記プロセスカートリッジが、請求項12に記載の静電潜像現像剤を用いる
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 潜像を担持する像担持体と、帯電部材を像担持体表面に接触又は近接させて像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して像担持体に形成されたトナー像を表面移動部材との間に挟持される記録部材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と、像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング装置と、記録部材上のトナー像を熱と圧力で定着する定着装置とを備える画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、請求項12に記載の静電潜像現像剤を用いる
    ことを特徴とする画像形成装置。
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