JP3959968B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導電性基体の表面に陽極酸化皮膜を形成した後、この陽極酸化皮膜をニッケル封孔処理と湯封孔処理とで2段封孔し、その後感光層を設けて電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法に係り、特に、ニッケル封孔処理と湯封孔処理の処理時間を最適化することにより、封孔処理による基体表面のシミや封孔汚れの発生を防止した上で封孔度を下げ、高感度な電子写真感光体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導電性基体上に感光層(光導電層)が形成されてなるものであるが、発生電荷の該基体への抜けによる画像不良を防止する目的で、一般に、基体に下地処理として陽極酸化処理を施して基体表面に陽極酸化皮膜(アルマイト層)を形成し、この上に感光層を形成することが行われている。
【0003】
この陽極酸化処理としては、硫酸アルマイト処理が一般的であるが、形成された陽極酸化皮膜には無数の穴が存在し、この穴が電子写真感光体としての使用に際して画像黒点の原因となることから、陽極酸化処理後この穴を塞ぐための封孔処理が行われる。封孔処理を行うことにより、陽極酸化皮膜の穴の表面に水酸化物が析出し、該穴が塞がれる。
【0004】
従来、この封孔処理としては高温の酢酸ニッケル水溶液中に陽極酸化皮膜を形成した導電性基体を浸漬する方法が最も効率的であるとされており、このニッケル封孔処理後に熱湯に浸漬する湯封孔処理を行う2段封孔処理が、封孔度の低い陽極酸化皮膜を形成することができる点で好ましいとされている。なお封孔度とは、封孔の程度を表す指標であり、試験方法としてアドミッタンス測定試験を実施した場合の皮膜のアドミッタンスの値である。電子写真感光体としての要求性能を満足するためには封孔度50μS以下とすることが必要とされている。
【0005】
2段封孔処理は、通常、陽極酸化を施した導電性基体を酢酸ニッケル水溶液を保持するニッケル封孔槽に所定時間浸漬した後引き上げ、次いで熱湯を保持する湯封孔槽に所定時間浸漬した後引き上げ、その後洗浄、乾燥することにより実施されている。この2段封孔処理において、ニッケル封孔処理では、陽極酸化皮膜の穴表面に付着したニッケルが触媒となって水酸化物の生成を促進し、次の湯封孔処理で生成した水酸化物が穴内で成長することにより封孔度がより一層低減される。
【0006】
従来、このような2段封孔処理において、ニッケル封孔処理の処理時間は10分以上、特に20分以上が好ましいとされ、その後の湯封孔処理は、5分以上、特に7分〜30分が好ましいとされ、実際には、ニッケル封孔処理24分、湯封孔処理12分で行われている(特公平6−75209号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の2段封孔処理では次のような問題があった。
【0008】
即ち、前述の如く、電子写真感光体としての要求性能を満足するためには、封孔度を50μS以下にする必要があり、そのためにはニッケル封孔槽も湯封孔槽も温度を85〜90℃、或いはそれ以上の高温に保持する必要があった。このため、導電性基体の陽極酸化皮膜表面のみならず、ニッケル封孔槽液中でもニッケル水酸化物やアルミニウム水酸化物が析出する。
【0009】
導電性基体は、高温のニッケル封孔槽から引き上げて次工程の湯封孔槽に移動させる必要があり、ニッケル封孔槽から基体表面に付着したまま持ち出されたニッケル封孔槽液は、基体が高温であるために、短時間で容易に基体表面で乾燥し水酸化物のシミとして固着する。このシミは、次の湯封孔槽で一部再溶解されるが、湯封孔処理時間が短いために多くは基体に付着したままとなり、高温の湯封孔槽からの引き上げ時に、更に強固に基体表面に固着するようになる。
【0010】
一方、湯封孔槽内では、基体表面のシミの溶解により、水酸化物濃度が経時的に徐々に増加し、この濃度が高くなると、高温の湯封孔槽から基体を引き上げるときに基体表面に付着した湯封孔槽液が乾燥することで新たに水酸化物のシミを形成させることとなる。
【0011】
ところで、ニッケル封孔槽内において、水酸化物は、陽極酸化皮膜の穴内だけでなく、陽極酸化皮膜表面にも析出し、この陽極酸化皮膜表面に過剰に析出した水酸化物は封孔汚れとして基体表面に堆積する。
【0012】
このようなシミや封孔汚れを完全に除去しないまま、陽極酸化皮膜上に感光層を形成すると、これらの部分が白点状の画像欠陥の要因となるため、これを除去する必要があるが、これらのシミや封孔汚れは、一旦乾燥、放置されると水に溶解しにくくなるために、封孔処理後の洗浄工程でブラシ等により機械的に強力にこすり落とすか、薬液につけて再溶解させるなどの後処理が必要となり、このことが生産性を低下させる原因となっていた。
【0013】
なお、封孔槽から基体を引き上げる際に基体に付着した封孔槽液の乾燥を防止するために、基体に冷却水をかけたり、冷却した封孔槽液をかけたりする方法も提案されているが、この方法では、乾燥を防止するに十分なだけ基体を冷却するために、水をかけ過ぎると封孔槽液が希釈されてしまい、また、封孔槽液温が下がって封孔効率が悪くなるなどの問題がある。
【0014】
一方、封孔汚れが発生しないように封孔処理温度を下げたり、封孔処理時間を短くすると、封孔度が十分に下がらず、特に高感度の電子写真感光体用の基体として使用できないなどの問題があった。
【0015】
また、ニッケル封孔処理時間が湯封孔処理時間に比べて長い従来法では、ニッケル封孔処理で発生するニッケル廃液量も多く、廃液処理の負荷が大きいという問題もあった。
【0016】
本発明は上記従来の問題点を解決し、導電性基体の表面に陽極酸化皮膜を形成した後、この陽極酸化皮膜をニッケル封孔処理と湯封孔処理とで2段封孔し、その後感光層を設けて電子写真感光体を製造する方法において、封孔処理による基体表面のシミや封孔汚れの発生を防止した上で封孔度を下げ、高感度な電子写真感光体を製造する方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子写真感光体の製造方法は、導電性基体を陽極酸化処理して該基体表面に陽極酸化皮膜を形成した後、該陽極酸化皮膜を封孔処理する工程を有する電子写真感光体の製造方法であって、該封孔処理は、ニッケル水溶液によるニッケル封孔処理と、このニッケル封孔処理後の熱湯による湯封孔処理とを行う電子写真感光体の製造方法において、該ニッケル封孔処理の処理時間が1〜5分であり、該湯封孔処理の処理時間が15分〜2時間であることを特徴とする。
【0018】
本発明では、陽極酸化皮膜の2段封孔処理に当たり、ニッケル封孔処理時間を湯封孔処理時間よりも短く、上記範囲に設定することにより、次のような作用効果を得る。
▲1▼ ニッケル封孔槽から引き上げた際の乾燥により基体表面に付着したシミを、高温の湯封孔槽に比較的長い時間浸漬することにより再溶解させて除去することができる。
▲2▼ 基体表面や陽極酸化皮膜の穴のごく表面付近に析出した封孔汚れも、上記と同様に湯封孔槽で再溶解させて除去することができる。
▲3▼ ▲1▼,▲2▼より、表面の水酸化物によるシミや封孔汚れを大幅に低減することができ、封孔処理後、感光層形成前の基体の洗浄工程を簡略化できる。
▲4▼ 穴内部に析出した水酸化物は、湯封孔処理においても高温の湯と接触しないために溶解せず、むしろ穴内で比較的長い時間高温に保たれることにより水酸化物が成長し、封孔が促進される。
▲5▼ ▲4▼より、封孔度の低い陽極酸化基体が得られるため、この基体を用いて高感度の電子写真感光体を製造することができる。
▲6▼ 湯封孔処理時間が長いため、湯封孔槽を大きく設計できる。このため、同一量の基体持ち込みに対し、湯封孔槽液の汚染が減少し、液の汚染によるシミの発生を防止するための湯封孔槽液の交換頻度を減らすことができる。
▲7▼ ニッケル封孔処理時間が短いため、同一の生産性で処理した場合、ニッケル封孔槽の大きさを小さくすることができ、ニッケル廃液量も減少し、廃液処理の負荷を軽減できる。
【0019】
本発明において、ニッケル封孔処理時間は1〜3分であることが好ましく、湯封孔処理時間は20分〜1時間であることが好ましい。
【0020】
また、ニッケル封孔処理で用いるニッケル水溶液の温度は80〜100℃でニッケル濃度は3〜6g/Lであり、かつ湯封孔処理の熱湯温度は90〜97℃であることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の電子写真感光体の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
本発明においては、まず導電性基体に陽極酸化を施して陽極酸化皮膜を形成する。導電性基体としては、一般にアルミニウム又はアルミニウム合金製の基体が用いられる。陽極酸化に先立ち、導電性基体は、酸、アルカリ、有機溶剤、界面活性剤、エマルジョン、電解などの各種脱脂洗浄方法により脱脂処理されることが好ましい。
【0023】
導電性基体の陽極酸化は、通常、例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸などの酸性浴中で実施されるが、硫酸浴中での陽極酸化処理が最も良好な結果を与えるため好ましい。硫酸浴中で陽極酸化を行う場合、硫酸浴の硫酸濃度は100〜300g/L、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/L、液温は15〜30℃、電解電圧は5〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲に設定されるのが好ましい。
【0024】
このような陽極酸化で形成される陽極酸化皮膜は、ブロッキング性(電荷を通さない性質)を有するため、その膜厚が過度に厚いと絶縁性が高くなることから、その平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下であることが好ましい。ただし、陽極酸化皮膜の膜厚が過度に薄いと十分なブロッキング効果を得ることができないことから、陽極酸化皮膜の平均膜厚は、特に3〜6μmであることが好ましい。
【0025】
このようにして陽極酸化皮膜を形成した後は、ニッケル封孔処理と湯封孔処理の2段封孔処理を行う。
【0026】
ニッケル封孔処理において、封孔剤としては酢酸ニッケルを用いるのが好ましく、封孔液としての酢酸ニッケル水溶液の酢酸ニッケル濃度はニッケル換算で3〜6g−Ni/L、液温は80〜100℃であることが好ましい。また、この酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲とすることが好ましく、このようなpHに調整するためにアンモニア水、酢酸ナトリウム等のpH調整剤を適宜添加する。また、皮膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸塩、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を、用いる酢酸ニッケル水溶液に添加しても良い。
【0027】
ニッケル封孔処理は、上記温度及び所定の濃度に調整された酢酸ニッケル水溶液を保持するニッケル封孔槽に、陽極酸化を施した基体を浸漬することにより実施されるが、本発明においては、このニッケル封孔処理時間、即ち、基体のニッケル封孔槽への浸漬時間を1〜5分、好ましくは1〜3分とする。このニッケル封孔処理時間が上記範囲よりも短いと、水酸化物の生成が不十分となり、十分に封孔度の低い基体を得ることができない。ニッケル封孔処理時間が上記範囲よりも長いとニッケル封孔処理による封孔汚れやシミが増え、次の湯封孔処理時間を長くしてもこれらを十分に除去し得なくなる。
【0028】
このようなニッケル封孔処理後は、基体をニッケル封孔槽から引き上げ、次いで湯封孔処理を行う。なお、このニッケル封孔処理後、湯封孔処理に先立ち、常法に従って室温にて浸漬水洗が行われる。
【0029】
湯封孔処理は、熱湯を保持した湯封孔槽にニッケル封孔処理後の基体を浸漬することにより実施される。
【0030】
本発明においては、この湯封孔処理時間、即ち、湯封孔槽への浸漬時間を15分〜2時間、特に20分〜1時間とする。湯封孔処理時間が上記範囲よりも短いと、ニッケル封孔処理後のシミや封孔汚れを十分に再溶解させて除去することができず、また穴内の水酸化物の成長により、封孔度を十分に低減させることができない。湯封孔処理時間は過度に長くてもそれに見合う効果は得られず、徒に処理時間が長くなり生産性が低下するため好ましくない。
【0031】
この湯封孔処理における熱湯の温度は、封孔促進効果、シミや汚れの再溶解効率の面で90℃以上、特に90〜97℃とすることが好ましい。
【0032】
なお、この湯封孔処理に用いる熱湯は、必ずしも純水である必要はなく、本発明の目的を損なわない範囲でアルコール等の水溶性溶剤が添加されていても良い。
【0033】
従来においては、この湯封孔処理後は、ブラシ洗浄等により基体の表面に付着している汚れを十分に除去した後湯上げ乾燥し、次の感光層形成工程に供するが、本発明においては、ニッケル封孔処理時間を短くし、湯封孔処理時間を長くしたことにより、基体のシミや封孔汚れを低減できることから、この湯封孔処理後の洗浄を省略することができる。
【0034】
このようにして封孔処理された陽極酸化皮膜上に形成される感光層としては、無機系、有機系の各種光導電層が使用できるが、電荷発生層、電荷移動層よりなる積層型光導電層が好適である。
【0035】
この場合、電荷発生層としては、セレン及びその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミニウム等の無機光導電体;フタロシアニン、アゾ色素、キナクリドン、多環キノン等の各種有機顔料が使用できる。特に、無金属フタロシアニン、銅、塩化インジウム、塩化ガリウム、スズ、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウムなどの金属又はその酸化物;塩化物の配位したフタロシアニン類、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類などのアゾ顔料が好ましい。
【0036】
電荷発生層は、一般に、これらの物質の均一層として、或いはバインダー樹脂中にこれらの物質が微粒子として分散した状態で形成される。ここで使用されるバインダー樹脂としては、例えばフェノキシ、エポキシ、ポリエステル、アクリル、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
【0037】
電荷発生層の膜厚は通常0.1〜1μm、好ましくは0.15〜0.6μmである。
【0038】
一方、電荷移動層に用いる電荷移動材料としては、ポリビニル、カルバゾール、ポリビニルピレン、ポリアセナフチレン等の高分子化合物、又は各種ピラゾリン誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体などの低分子化合物が使用でき、通称これらの電荷移動材料とともに必要に応じてバインダー樹脂が配合される。好ましいバインダー樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂などが挙げられ、またこれらの部分的架橋硬化物も使用される。また電荷移動層には、必要に応じて、酸化防止剤、増感剤などの各種添加剤が含まれていても良い。
【0039】
電荷移動層の膜厚は通常10〜40μm、好ましくは13〜25μmである。
【0040】
このようにして製造された電子写真感光体は、高感度で画像特性に優れ、反転現像方式等の電子写真システムに有効に使用することができる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
なお、以下の実施例及び比較例では、封孔度測定用のサンプルと、感光体としての性能を評価するためのサンプルとを作製し、封孔度及び感光体性能を各々以下のようにして調べ、結果を表1に示した。
[封孔度]
Fischer社製「Anotest」を用いて、2段封孔処理後24時間放置した基体について測定を行った。
[感光体性能]
作製された感光体を、市販の反転現像方式のレーザープリンタに装着して(1)5℃,10%RH、(2)25℃,60%RH、(3)35℃,85%RHの条件下で実写試験を行い、得られた画像の100cm2当たりの白点、液だれ、黒点の数を調べた。
【0043】
実施例1〜6、比較例1,2
表面を鏡面仕上げした肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを脱脂剤NG−#30(キザイ(株)製)の30g/L水溶液中で60℃にて5分間脱脂洗浄を行った。続いて水洗を行った後、7重量%硝酸に25℃で1分間浸漬した。更に水洗後、180g/Lの硫酸電解液(溶存アルミニウム濃度7g/L、温度18℃)中にて1.2A/dm2の電流密度、15Vの電解電圧で陽極酸化を行い、平均膜厚8μmの陽極酸化皮膜を形成した。
【0044】
次いで、水洗後、下記ニッケル封孔槽に表1に示す時間浸漬してニッケル封孔処理し、その後室温で空気撹拌した水洗槽に1分間浸漬した後、下記湯封孔槽に表1に示す時間浸漬して湯封孔処理した。
[ニッケル封孔槽]
封孔処理液ニッケル濃度:奥野製薬社製皮膜封止剤「DX−5000」10g/L(ニッケル換算濃度1.77g/L)
封孔処理液pH:5.5
槽温度:表1に示す通り。
[湯封孔槽]
封孔処理液:熱湯(水のみ、pH調整なし)
槽温度:表1に示す通り。
【0045】
この2段封孔処理後、洗浄を行うことなく、そのまま湯上げ乾燥した。
【0046】
一方、オキシチタニウムフタロシアニン10重量部、ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、商品名エスレックBH−3)5重量部に1,2−ジメトキシエタン500重量部を加えサンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行った。
【0047】
この分散液に、上記封孔処理を施したアルミニウムシリンダーを浸漬して塗布し、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように電荷発生層を設けた。
【0048】
次に、このアルミニウムシリンダーを、次に示すヒドラゾン化合物[1]56重量部とヒドラゾン化合物[2]14重量部とシアノ化合物[3]1.5重量部及びポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製、ノバックス(登録商標)7030A)100重量部を1,4−ジオキサン1000重量部に溶解させた液に浸漬して塗布し、乾燥後の膜厚が17μmとなるように電荷移動層を設けた。
【0049】
【化1】
【0050】
【表1】
【0051】
表1より、本発明によれば封孔度が低く、高感度で良好な画像を形成可能な電子写真感光体を製造することができることがわかる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、導電性基体の表面に陽極酸化皮膜を形成した後、この陽極酸化皮膜をニッケル封孔処理と湯封孔処理とで2段封孔し、その後感光層を設けて電子写真感光体を製造するに当たり、封孔処理による基体表面のシミや封孔汚れの発生を防止した上で封孔度を下げ、高感度な電子写真感光体を製造することができる。
Claims (3)
- 導電性基体を陽極酸化処理して該基体表面に陽極酸化皮膜を形成した後、該陽極酸化皮膜を封孔処理する工程を有する電子写真感光体の製造方法であって、
該封孔処理は、ニッケル水溶液によるニッケル封孔処理と、このニッケル封孔処理後の熱湯による湯封孔処理とを行う電子写真感光体の製造方法において、
該ニッケル封孔処理の処理時間が1〜5分であり、該湯封孔処理の処理時間が15分〜2時間であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 請求項1において、該ニッケル封孔処理の処理時間が1〜3分であり、該湯封孔処理の処理時間が20分〜1時間であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1又は2において、該ニッケル封孔処理で用いるニッケル水溶液の温度が80〜100℃でニッケル濃度が3〜6g/Lであり、かつ該湯封孔処理の熱湯温度が90〜97℃であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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