JP2003277969A - 継目無し可撓性無端状金属シート体の製造方法 - Google Patents
継目無し可撓性無端状金属シート体の製造方法Info
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Abstract
可撓性無端状金属シート体の製造方法を提供する。 【解決手段】 (1)継目無し可撓性無端状金属シート
体を製造する方法であって、(i)該金属シート体を表
面に形成させるための金型を電鋳液中に降下し、浸漬さ
せる工程、(ii)該浸漬した金型を陰極とし、金属を陽
極とし、両電極間に電圧を印加し、該金型表面に金属膜
を形成する工程、(iii)該金型表面から該金属膜を剥
離回収する工程、を含む方法において、(iv)該金型を
該電鋳液中に浸漬する直前より、該金型と該金属との間
に電圧を印加し、微少電流を流す工程、(v)該金型を
電鋳液中に浸漬後、引続き該電圧を所定電流値が得られ
るまで上昇させる工程、を包含することを特徴とする継
目無し可撓性無端状金属シート体の製造方法。
Description
端状金属シート体の製造方法、該金属シート体からなる
電子写真感光体用基体及びそれを用いた電子写真感光体
に関するものである。
ーの小型化、軽量化に伴い、電子写真感光体用基体に
は、柔軟性のある継目のない可撓性無端状金属シート体
が用いられるようになってきた。電子写真感光体をベル
ト状にすることにより、従来の大口径アルミニウムドラ
ム基体を必要とした高速のカラー複写機及びプリンター
の小型化、軽量化が可能となるからである。
子写真感光体の基体となる継目のない可撓性無端状金属
シート体の膜厚は、画像のフルカラー化の高画質が必要
にされることに伴い、現像部とのギャップを一定に保つ
ため、現像部とのギャップのばらつきが必要最小限であ
ることが不可欠になっている。そのためには、基体とな
る継目のない可撓性無端状金属シート体の平面性は、可
能な限り均一でなければならない。継目のない可撓性無
端状金属シート体は、通常、スルファミン酸ニッケルを
含む水溶液を用いる電気鋳造法で製造されている。
ら0.5Vの定電圧を整流器から出力させ、金型が最下
降点に達してから3秒間その状態を保持するものであ
る。これは、金型が腐蝕するのを保護するためである。
そして、この方法では、定電圧出力と電流出力を切り換
えるために、5秒間整流器の出力を停止する。その後、
電流の出力を開始して30秒かけて125Aまで電流の
出力を上げていき、積算時間電流を積算する。しかしな
がら、この整流器制御では、金型表面に形成される金属
シート体に、突起、ピンホール等の不良状態が発生し、
良品率の低下の原因となっている。
ホール等が発生しない継目のない可撓性無端状金属シー
ト体の製造方法を提供するとともに、該金属シート体か
らなる電子写真感光体用基体を提供し、さらに、該感光
体を用いた画像欠陥のない優れた画像を得ることのでき
る電子写真感光体を提供することをその課題とするもの
である。
を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完
成するに到った。以下に示す継目無し可撓性無端状金属
シート体の製造方法、電子写真感光体基体及び電子写真
感光体が提供される。 (1)継目無し可撓性無端状金属シート体を製造する方
法であって、(i)該金属シート体を表面に形成させる
ための金型を電鋳液中に降下し、浸漬させる工程、(i
i)該浸漬した金型を陰極とし、金属を陽極とし、両電
極間に電圧を印加し、該金型表面に金属膜を形成する工
程、(iii)該金型表面から該金属膜を剥離回収する工
程、を含む方法において、(iv)該金型を該電鋳液中に
浸漬する直前より、該金型と該金属との間に電圧を印加
し、微少電流を流す工程、(v)該金型を電鋳液中に浸
漬後、引続き該電圧を所定電流値が得られるまで上昇さ
せる工程、を包含することを特徴とする継目無し可撓性
無端状金属シート体の製造方法。(2)該金属としてニ
ッケルを用いるとともに、該電鋳液としてスルファミン
酸ニッケル水溶液を用いて、該金型表面にニッケル膜を
形成させることを特徴とする前記(1)に記載の方法。
(3)前記(1)又は(2)に記載の方法で得られた継
目無し可撓性無端状金属シート体からなる電子写真感光
体用基体。(4)前記(3)に記載の基体表面に感光層
を形成したことを特徴とする電子写真感光体。
る。図1は本発明の方法を実施する場合の装置系統図を
示す。図1において、1は電鋳槽、2は電鋳液、3はカ
ソード(金型)、4はアノードケース、5はアノード、
6はカシードケース、7はカソードケーススリット、8
は整流器、9は電鋳液循環ポンプ、10は電鋳液の異物
除去用フィルター、11は電鋳液循環配管を示す。図1
に示した装置系統図において、金型は、回転可能に配設
され、カソードとして作用するもので、その表面に析出
した金属の膜状体(金属膜)が容易に剥離し得る金属
(例えばステンレス等)であればよい。アノードケース
4(チタンケース等)は、その内部にアノード5(アノ
ードニッケル等)が収容されている。カソード3の周辺
にはカソードケース6が配設され、カソードケースには
スリット部7が形成されている。電鋳槽1内には電鋳液
(NiやCo等の金属塩の水溶液)2が充填されてい
る。
アノード5との間に電圧を印加すると、アノード5から
金属イオンが溶出し、この金属イオンは回転する金型3
の表面に析出し、金型3の表面には、継目無しの無端状
金属シート体が形成される。この金属シート体は、金型
から剥離回収して製品とされる。本発明においては、整
流器8を介しての金型3及びアノード5との間に電圧を
印加する場合、その金型3を電鋳液2内へ浸漬させる直
前から、電圧を印加し、その金型3とアノード5との間
に微小電流を流しておく。この場合の電圧は0.1〜1
ボルト、好ましくは0.3〜0.7ボルト程度の定電圧
であり(定電圧操作)、金型3全体が電鋳液2内に浸漬
するまで続ける。本発明では、その金型3の浸漬後、直
ちに電圧を所定電流が得られるまで上昇させ、この時点
で所定電流値が得られるように整流器制御を行う(定電
流操作)。
これら実施例によって本発明はなんら限定されるもので
はない。 〔電気鋳造液の調製〕スルファミン酸ニッケル液(日本
化学産業社製)350〜600g/Lに、添加剤として
ハロゲン化ニッケル(塩化ニッケル又は臭化ニッケル)
5〜30g/L、硼酸20〜40g/L、ニッケライト
S(日本化学産業社製)適量、2エチル硫酸ナトリウム
1〜20g/Lを調合し、電気鋳造液400Lを調製し
た。 〔電気鋳造条件〕陰極側にステンレス製の成形用金型を
使用し、陽極側にニッケルSペレット(志村化工社製)
を使用した。通電時間は125A×30min、金型回
転数を6rpm、電気鋳造液温度50℃に設定し、Φ1
68、長さ466mm、厚み30μmの継目のない可撓
性無端状部材を作製した。以上の条件を基本とし、整流
器制御の変更を行い、突起、ピンホール等を低減を図っ
た。
1は、成形用金型をメッキ槽に降下開始して最降下点か
らの時間(3秒間)を示し、下降開始からこの間は定電
圧0.5Vを出力した。t2は、定電圧出力終了から整
流器出力を停止する時間を示し、5秒間整流器の出力を
停止した。t3は出力停止終了から電流の出力を開始
し、目標電流値まで電流値を上げる時間であり、30秒
間で設定電流値の125Aまで電流値を上げた。t4
は、設定電流値にて電流を積算する時間を示し、125
Aで30分間電流を積算した。この制御方法により、継
目のない可撓性無端状金属(ニッケル)シート体を作製
した結果を、表1、2に示す。
ックした。チェック項目としては、突起、ピンホール、
マスクメロン、指紋油、キンク、点キズ、盾キズ、円周
キズ、横断ムラ、点しみ、くもり及び抜き取り等を作製
した全品チェックした。
を532本製造し、基体外観検査を行った結果、合格品
が457本、良品率85.9%であり、不合格品は75
本、不良率14.1%である。不良項目の内訳は、表2
に示すとおり、突起39本、不良発生率7.3%、ピン
ホール13本、不良発生率2.4%であり、この2項目
で69.3%となり、不良項目の大半を占めるいること
が判る。
である。従来と同様に金型下降開始からt1の間は、定
電圧0.5Vを出力した。従来では、t2の定電圧出力
から電流出力に切り換えるために整流器の出力を5秒間
停止していたが、電圧出力と電流出力を切り換えるのに
インターバルが必要ないと判断し、金型を腐食する原因
となる電流の出力停止時間をゼロとした。t1終了に続
き出力0Aからt3の30秒間で設定電流値の125A
まで電流値を上げた。t4にて、125Aで30分間積
算した。この制御方法で、継目のない可撓性無端状金属
シート体を製造した結果を、表3、4に示す。
体を552本製造し、基体外観検査を行った結果、合格
品が530本で、良品率96.0%と従来方式に比べア
ップし、不合格品は22本、不良率4.0%と大幅に向
上している。従来方式で69.3%と不良品の大半を占
めていた不良項目の突起、ピンホールは、それぞれ3
本、発生率0.5%、2本、発生率0.4%と大幅に改
善されていることが判る。
順により、継目のない可撓性無端状金属シート体の表面
上に感光体を作製した。 (下引層の形成)アルキッド樹脂〔ベッコゾール130
7−60−EL(大日本インキ化学工業社製)〕15重
量部、メラミン樹脂〔スーパーベッカミンG−821−
60(大日本インキ化学工業社製)〕10重量部を、メ
チルエチルケトン150重量部に溶解し、これに酸化チ
タン粉末〔タイペールCR−EL(石原産業社製)〕9
0重量部を加えボールミルで12時間分散し、下引層用
塗工液を調製した。次に、この作製した継目のない可撓
性無端状金属シート体を洗浄後、浸漬塗工で下引層塗工
液を塗工し、130℃で20分間乾燥し、厚み3.5μ
mの下引層を形成した。
ール樹脂〔エスレックHL−S(積水化学工業社製)〕
4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、こ
れを下記構造式(1)に示すトリスアゾ顔料に10重量
部を加え、ボールミルで48時間分散後、さらに、シク
ロヘキサノン210重量部を加えて3時間分散を行っ
た。これを容器に取り出し、固形分が1.5重量%とな
るようにシクロヘキサノンで稀釈した。このようにして
得られた電荷発生層用塗工液を上記下引層上に浸漬塗工
で塗工し、130℃、20分間乾燥し、厚み0.2μm
の電荷発生層を形成した。
83部に、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂1
0部、シリコンオイル〔(KF−50(信越化学工業社
製)〕0.002部を溶解し、これに下記構造式(2)
の電荷輸送物質8重量部を加えて電荷輸送層用塗工液を
調製した。このようにして得られた電荷輸送層用塗工液
を電荷発生層上に浸漬塗工後、110℃、20分間乾燥
し、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
を行った。画像評価は、フルカラーレーザープリンター
IPSIO Color 6000〔リコー製(λ=
780nm、600dpi、ビーム径76×76μ
m)〕を用いて、ハーフトーンの画像を出力し、画像欠
陥の有無を調べた。評価は、電子写真感光体外観検査で
合格した物を全数画像の評価した。。画像評価結果を表
5に示す。表5中の○はハーフトーン画像において問題
がないことを示す。
発生しない継目のない可撓性無端状金属シート体からな
る電子写真感光体基体を作製するための方法が提供され
ると共に、画像欠陥のない優れた画像を得ることのでき
る電子写真感光体基体、電子写真感光体及び電子写真装
置を提供され、電子写真分野に寄与するところはきわめ
て大きいものである。
ある。
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 継目無し可撓性無端状金属シート体を製
造する方法であって、(i)該金属シート体を表面に形
成させるための金型を電鋳液中に降下し、浸漬させる工
程、(ii)該浸漬した金型を陰極とし、金属を陽極と
し、両電極間に電圧を印加し、該金型表面に金属膜を形
成する工程、(iii)該金型表面から該金属膜を剥離回
収する工程、を含む方法において、(iv)該金型を該電
鋳液中に浸漬する直前より、該金型と該金属との間に電
圧を印加し、微少電流を流す工程、(v)該金型を電鋳
液中に浸漬後、引続き該電圧を所定電流値が得られるま
で上昇させる工程、を包含することを特徴とする継目無
し可撓性無端状金属シート体の製造方法。 - 【請求項2】 該金属としてニッケルを用いるととも
に、該電鋳液としてスルファミン酸ニッケル水溶液を用
いて、該金型表面にニッケル膜を形成させることを特徴
とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法で得られた
継目無し可撓性無端状金属シート体からなる電子写真感
光体用基体。 - 【請求項4】 請求項3に記載の基体表面に感光層を形
成したことを特徴とする電子写真感光体。
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JP2002082516A JP3980389B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 継目無し可撓性無端状金属シート体の製造方法 |
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JP2012041600A (ja) * | 2010-08-18 | 2012-03-01 | Morioka Seiko Instruments Inc | 電鋳部品の製造方法 |
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2002
- 2002-03-25 JP JP2002082516A patent/JP3980389B2/ja not_active Expired - Fee Related
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