JP3959948B2 - 駆動システム及びそのシステムを用いた給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つのステッピングモータを正回転及び逆回転させることにより2つの駆動対象機構を切り換えて個々に駆動させる駆動システムとその駆動システムを用いた給紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、複数の駆動対象機構を1つのモータにより駆動させるようにして装置の簡易化、コストの低減化等を図る場合がある。例えば、図13に示すように、その画像形成に使用する用紙Pを用紙収容トレイ(又はカセット)に積載収容して画像形成時に供給する給紙装置において、上下2段に配置された2つの用紙収容カセット100A,100B内に積載収容される用紙Pを給紙(送出)ロール125に接する高さまで上昇させる台板101A,101Bの各動作を1つのモータにより駆動させる駆動システムが提案されている(特開平6−1469号公報)。図中の126は用紙送りロール対である。
【0003】
すなわち、かかる提案の駆動システムは、図14に示すように、1つのモータ200を使用し、そのモータ200の正回転時の駆動力を第1の駆動伝達機構140により上段の用紙収容カセット100Aにおける台板101Aを回動運動にて上昇させる駆動対象機構としてのアーム105Aに伝達させる一方で、そのモータ200の逆回転時の駆動力を第2の駆動伝達機構150により下段の用紙収容カセット100Bにおける台板101Bを回動運動にて上昇させる駆動対象機構としてのアーム105Bに伝達させるように構成されている。また、第1の駆動伝達機構140は、モータ200の回転がプーリ201、ベルト141及びプーリ142を介してワンウェイクラッチ143に伝えられ、モータ200の回転が正回転であればワンウェイクラッチ143が作動し、その正回転時の駆動力がカップリング144、145を介して前記アーム105Aに伝えられる仕組みになっている。一方、第2の駆動伝達機構150は、モータ200の回転がギア202、プーリ付ギア151、ベルト152及びプーリ153を介してワンウェイクラッチ154に伝えられ、モータ200の回転が逆回転であればワンウェイクラッチ154が作動し、その逆回転時の駆動力がカップリング155、156を介して前記アーム105Bに伝えられる仕組みになっている。図中の符号147、157は、駆動対象機構であるアーム105A,105Bにそれぞれ伝達された駆動力の各回転方向とは逆の方向に回転してしまうことを防止するための逆回転防止機構である。
【0004】
そして、この駆動システムによれば、モータ200が正回転した場合には、その駆動力が第1の駆動伝達機構140を介してアーム105Aに伝達されて上段の用紙収容カセット100Aの台板101Aが上昇し、また、モータ200が逆回転した場合には、その駆動力が第2の駆動伝達機構150を介してアーム105Bに伝達されて下段の用紙収容カセット100Bの台板101Bが上昇するようになっている。しかも、その上昇した各台板101A,101Bはいずれも、前記逆回転防止機構147、157の機能により、その上昇した位置(高さ)がそのまま保持されるようにもなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような駆動システムにあっては、その1つのモータとしてステッピングモータを使用した場合、次のような問題がある。すなわち、ステッピングモータの(正回転又は逆回転の)起動が多数回繰り返された場合に、一方の用紙収容カセット100の台板101が不用意に上昇して規定の高さを超えてしまい、この結果、給紙ミスや、駆動システム、給紙ロール等の破損が発生するおそれがある。
【0006】
これは、ステッピングモータの起動時における以下のような特性に起因するものと考えられる。つまり、ステッピングモータは、一般に、図11及び図12に示すようにその停止時における位相(ロータ15(25)とステーター16(26)の各歯15a(25a)、16a(26a)の対向状態)が正しい位置にあるとは限らないため、その起動前に前励磁を行って上記位相のずれを修正してから起動するようになっているが、この位相ずれの修正の際に、ロータ(即ちモータ軸1a(21))が正回転方向又は逆回転方向のどちらの方向に回転するかがわからないのである。このため、例えば、図12aに示すように、ステッピングモータの正回転(矢印方向の回転)時の駆動力を使用する場合に、同図bに示すようにロータ15(25)が上記位相ずれ修正に際して正回転方向に回転すれば問題がないものの、同図cに示すようにロータ15(25)が逆回転方向に回転してしまうことがある。そして、例えば、上下段の用紙給紙カセットにおける台板101A,101Bが規定の高さまで上昇された状態で上段の用紙給紙カセット100Aからの給紙が繰り返し行われると、そのカセットの台板101aを上昇させるためにステッピングモータが正回転方向に起動することになるが、この起動のたびに、そのモータ軸が位相ずれ修正により逆回転方向に僅かに回転し、その逆回転時の駆動力が第2の駆動伝達機構140を介してアーム105Bに伝えられて下段の用紙収容カセット100Bの台板101Bを徐々に上昇させ、かかる動作が蓄積されることにより遂には規定の高さをも超えることになるものと推測される。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、1つのステッピングモータを正回転及び逆回転させることにより2つの駆動対象機構を切り換えて個々に駆動させる場合、そのステッピングモータの起動が繰り返されることがあっても、駆動時期ではない側の駆動対象機構にもわずかな駆動力が徐々に伝えられて不具合が発生してしまうことを防止することができる駆動システムや給紙装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の駆動システムは、図1に例示するように、1つのステッピングモータ1と、このステッピングモータ1の駆動力により駆動する第1及び第2の駆動対象機構2、3と、この第1の駆動対象機構2に前記ステッピングモータ1の正回転時の駆動力を伝達させるように作動する第1の駆動伝達機構4と、前記第2の駆動対象機構3に前記ステッピングモータ1の逆回転時の駆動力を伝達させるように作動する第2の駆動伝達機構5とを備えた駆動システムにおいて、前記第1及び第2の駆動伝達機構4、5の入力に対する伝達遅れ角度Q1、Q2を前記ステッピングモータ1の軸1aの回転角度に換算した値k11、k22(k1,k2は各駆動伝達機構4、5ごとの換算用の係数である)が、そのステッピングモータ1の回転起動に際して行われる位相ずれの修正時に発生する回転角度Mよりも大きくなるように設定されていることを特徴とするものである。
【0009】
ここで、上記各駆動伝達機構は、ステッピングモータの正回転時又は逆回転時のいずれか一方の駆動力のみを伝達させる機能部を有し、その機能部としては例えばワンウェイクラッチなどで構成したものが適用できるが、必ずしもこれに限定されない。また、上記伝達遅れ角度Q1、Q2は、駆動伝達機構が入力されるステッピングモータの回転駆動力を実際に出力するときの回転がその入力時の回転に対してどの程度遅れて伝達されるかの性能を回転角度として現すものである。さらに、上記ステッピングモータにおける回転起動時の位相ずれ修正により発生する回転角度Mは、そのモータ固有のものでもあるが、例えば、以下のようにステッピングモータの形式によって異なった値となる。すなわち、可変リランクタンス(Variable Reluctance)型(以下「VM型」と称す)のステッピングモータにおける上記回転角度Mは「ステップ角θ×1」、永久磁石(Permanent Magnet)型(以下「PM型」と称す)のステッピングモータにおける上記回転角度Mは「ステップ角θ×1/2」、VM型とPM型を複合させた複合(Hybrid)型(以下「HB型」と称す)のステッピングモータにおける上記回転角度Mは「ステップ角θ×2」となる。また、上記換算した値値k11、k22における換算用係数k1,k2は、伝達遅れの要因となる各駆動伝達機構4、5の構成部品における実際に伝達される回転数をモータ軸の回転数で割った各伝達機構の伝達比(減速比又は増速比)とすればよい。したがって、このシステムにおいては「k11>M、k22>M」との関係になるように設定される。
【0010】
この駆動システムにおいては、前記第1及び第2の駆動伝達機構4、5の少なくとも一方が、一定方向の回転のみを伝達するワンウェイクラッチ6a,6b、支軸7a,7bに取り付けられるギア8a,8b、互いに噛み合う複数のギア8a,8b,9a,9b、又は前記駆動対象機構2,3と連結を行う一対のカップリング部材10a,10b,11a,11bの少なくとも1つを有する場合、前記伝達遅れ角度Q1、Q2は、そのワンウェイクラッチ6a,6bの遅れ角γ1,γ2、その支軸7a,7bとギア8a,8bの取り付け部におけるガタα1,α2、その噛み合うギア8a,9a(8b,9b)どうしのバックラッシュβ1(β2)、又はそのカップリング部材10a,11a(10b,11b)の連結部におけるガタδ1(δ2)の少なくとも1つとすればよい。
【0011】
例えば、伝達遅れ角度Q1、Q2として、上記遅れ角γ1,γ2、ガタα1,α2、バックラッシュβ1,β2、ガタδ1,δ2のいずれか1つを適用する場合、その各伝達遅れ角度Q1、Q2の換算値kQと回転角度Mの関係については「k1γ1>M及び/又はkγ2>M」、「k1α1>M及び/又はk2α2>M」、「k1β1>M及び/又はk2β2>M」、又は「k1δ1>M及び/又はk2δ2>M」と設定すればよい。
【0012】
なお、上記バックラッシュβ1,β2は、ギア8a,8bを固定したときのギア9a,9bのガタによる回転角度である。また、この駆動システムにおいては、ステッピングモータからの回転駆動の入力に対して上記したような回転角度Mとの関係を満たすための遅れ角α、各ガタβ,δ、バックラッシュβが回転起動時に常に存在していなければならず、このため、各駆動伝達機構における各ギアなどに本来伝達すべき各回転方向とは逆方向の回転力(負荷)を与えるようにしておく必要がある。具体的には、例えば、各駆動対象機構において存在する駆動回転方向とは逆方向に回転させようとする負荷が各駆動伝達機構に逆伝達されるように構成しておけばよい。
【0013】
このような駆動システムによれば、ステッピングモータ1の正転時には第1の駆動伝達機構4が作動して第1の駆動対象機構2が駆動し、その逆回転時には第2の駆動伝達機構5が作動して第2の駆動対象機構3が駆動する。そして、ステッピングモータ1の回転起動が繰り返された場合であっても、その各起動に際して行われる位相ずれの修正時に発生する逆回転(回転角度Mの回転)は各駆動伝達機構4、5における伝達遅れ角度Q1、Q2に基づく回転伝達遅れによりキャンセル(吸収)されるため、その逆回転による駆動力が駆動時期ではない側の駆動対象機構2(3)に伝達されることがない。これにより、ステッピングモータの起動が繰り返されることがあっても、駆動時期ではない側の駆動対象機構が不用意に作動して不具合が発生するようなことはない。このような駆動システムは、各種用途に使用することが可能である。
【0014】
また、本発明の給紙装置は、以上のような駆動システムを、用紙収容部に積載収容されている用紙を上昇させる上昇機構とその用紙収容部から用紙を送り出す送出機構とを駆動させる駆動システムとして、又は、複数の用紙収容部にそれぞれ積載収容されている用紙を個々に上昇させる各上昇機構を駆動させる駆動システムとして用いることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
[実施の形態1]
図2は、本発明の実施の形態1に係る駆動システムとそのシステムを用いた給紙装置を示す概要図であり、同図aは上面側からみたときの概要図、同図bは同図aのB−B線に沿う面(装置の正面側)からみたときの概要図である。
【0017】
図中において、符号100は用紙Pを積載して収容する箱型の給紙トレイ(カセット)、120は用紙Pを1枚ずつ送り出すピックアップロール121及び送出ロール対122からなる送出機構、130は用紙Pを上昇させる(持ち上げる)ための上昇機構である。このうち給紙トレイ100は、図示しない給紙装置本体フレームに対して矢印C,Dに示す方向にスライド自在に取り付けられ、用紙Pの補給作業などを行う場合に本体フレームから矢印D方向にむけて引き出した状態にして作業を行えるようになっている。また、送出機構120は、積載収容された用紙Pの最上部にある用紙Pを送り出す送出ロール121と、この送出ロール121にて重送された用紙を捌いて搬送する用紙捌きロール対122とで主に構成されている。さらに、上昇機構130は、給紙トレイ100の側面に支点131aを中心にして回動するように取り付けられ、収容されている用紙Pの送出方向Sの前半部を支持するリフトプレート131と、このリフトプレート130を上昇動させる一部クランク上に曲げ加工されたリフトアーム(タング)132とで構成されている。
【0018】
この他、図2中の140はガイド溝141に沿って前後にスライド自在に取り付けられ、用紙Pの搬送方向Sの後端部をその用紙サイズに合わせて規制して揃える後端規制板、150はガイド溝151に沿って前後にスライド自在に取り付けられ、用紙Pの搬送方向Sと平行する側端部をその用紙サイズに合わせて規制して揃える側端規制板である。また、送出機構120において、送出ロール121が用紙捌きロール対122の支軸に対して揺動自在に取り付けられた支持フレーム123に設けられている。そして、この送出ロール121は、給紙トレイ100の引き出し時や用紙の非送出時においては、図示されていないソレノイドで作動する持ち上げ機構によって支持フレーム123を介して用紙に触れない退避位置まで持ち上げられるようになっており、また、給紙動作時にはその退避位置から下方に降ろされ、しかも送出ロール121の下方の用紙Pが無くなった場合又は少なくなる場合には更に下方側の下降する(但し、所定の下限位置で止まってそれ以上は降りない)ようになっている。また、送出ロール121が後述するように上昇する用紙Pにより規定の高さになると、前記支持フレーム123の後端部に形成された被検出部が用紙高さ検知センサ124によって検知されるようになっている。さらに、給紙トレイ100から送出された用紙Pが装置外の搬送ロール対160を通過して無事に送り出されると、その用紙後端部の通過が用紙通過検知センサ165により検知されるようになっている。
【0019】
また、図2中において、20は送出機構120と上昇機構130を駆動するための駆動システム、21はステッピングモータ、24はステッピングモータ21の正回転時の駆動力を送出機構120の各ロール121、122に伝達させるように作動する第1の駆動伝達機構、25はステッピングモータ21の逆回転時の駆動力を上昇機構130のリフトアーム135に伝達させるように作動する第2の駆動伝達機構である。
【0020】
第1の駆動伝達機構24は、図2〜図4に示すように、ステッピングモータ21のモータ軸22に取り付けられた駆動ギア23と噛み合う減速ギア26に対してさらに噛み合うギア40と、このギア40の回転を伝えるシャフト41と、このシャフト41にギア40の矢印方向(モータの正回転方向Eと同じ方向)の回転のみをクラッチ結合により伝達させかつその逆方向の回転を空回りさせて伝達させないように作動するワンウェイクラッチ42と、シャフト41の他端部に固着されたギア43と、このギア43と噛み合ってその回転を送出ロール121の支軸121aに伝えるギア44及びギア45と、ギア43と噛み合ってその回転を用紙捌ロール対122の支軸122aに伝えるギア46及びギア47とで構成されている。
【0021】
このような第1駆動伝達機構24によれば、ステッピングモータ21が正回転方向(図2〜4中の矢印E方向。時計周りの方向)に回転すると、図5などに示すように、その駆動力が駆動ギア23と減速ギア26を介してギア40に矢印方向に回転する駆動力として伝えられため、ワンウェイクラッチ41がクラッチ結合してシャフト41まで伝達される。そして、シャフト41に伝えらた駆動力は、図3などに示すように、残りの各ギア43〜47を介して送出ロール121及び用紙捌ロール対122の各支軸121a,122aに伝達される。この結果、その送出ロール121及び用紙捌ロール対122が同じ矢印方向(モータの正回転方向Eと同じ方向)に回転するようになっている。なお、ギア40にステッピングモータ21の逆回転方向Fの駆動力が伝えられた場合には、ワンウェイクラッチ41がクラッチ結合しないため、その回転方向の駆動力がシャフト41ひいては送出ロール121及び用紙捌ロール対122に伝えられることはない。
【0022】
一方、第2の駆動伝達機構25は、前記減速ギア26と噛み合うギア50と、このギア50に噛み合うワンウェイクラッチ内臓ギア51と、このギア51内のワンウェイクラッチ(51A)が結合する方向(モータの正回転方向Eと同じ方向)への回転のみが伝えられる支軸52と、この支軸52がギア51により回転させられるときの方向(モータの正回転方向Eと同じ方向)へはクラッチが結合せずに支軸52の回転を開放し、かつその反対方向に支軸52が回転しようとするにはクラッチが結合して支軸52の回転を阻止するように作動する、図示されていない支持フレームに固定されたワンウェイクラッチ53と、このワンウェイクラッチ53とは反対側となる支軸52の端部に固着(ピン固定)されたギア54と、このギア54と噛み合うギア55付きのカップリング56とで構成されている。また、このカップリング56とリフトアーム135の間には、そのカップリング56と結合するギア61付きカップリング60と、このカップリング60のギア61と噛み合う2段歯車62と、この2段歯車の小径ギア62bとかみ合う2段歯車63と、この2段歯車63の小径ギア63aと噛み合って弧状ギア64とが給紙トレイ100側に配設されている。そして、リフトアーム135は弧状ギア64の基部に固着されている。
【0023】
このような第2駆動伝達機構によれば、ステッピングモータ21が逆回転方向(図2〜4中の矢印F方向。反時計周りの方向)に回転すると、図4などに示すように、その駆動力が駆動ギア23と減速ギア26を介してギア50に伝えられた後、ワンウェイクラッチ内臓型のギア51に矢印方向に回転する駆動力として伝えられため、そのギア51内のワンウェイクラッチ51Aが結合してギア51の回転がそのまま支軸52に伝達される。続いて、支軸52に伝えられた駆動力は、ギア54を介してギア55付きのカップリング56まで伝達される。そして、カップリング56まで伝えらた駆動力は、図3などに示すように、ギア61付きカップリング60及び2つの二段歯車62、63を経て弧状ギア64に伝達される。この結果、リフトアーム135が矢印方向(モータの正回転方向Eと同じ方向)に回動するようになっている。なお、ギア51にステッピングモータ21の正回転方向Eの駆動力が伝えられた場合には、そのギア51内のワンウェイクラッチ51Aがクラッチ結合しないため、その回転方向の駆動力が支軸52ひいてはリフトアーム135に伝えられることはない。
【0024】
そして、この駆動システム20においては、ステッピングモータ21として永久磁石型(PM型)のステッピングモータを使用している。このステッピングモータ21は、そのステップ角が「θ°」であり、その回転起動に際して行われる位相ずれの修正により発生する回転角度Mは前述したように「θ/2」である。また、上記第1の駆動伝達機構24におけるワンウェイクラッチ42としてはその遅れ角度が「γ1」のものを、第2の駆動伝達機構25におけるワンウェイクラッチ53としてはその遅れ角度が「γ2」のものを使用している。
【0025】
そしてまた、この2つのワンウェイクラッチ42、53については、その各遅れ角度γ1、γ2が「k1γ1>M、k2γ2>M」となる関係を満たすものを選定している。この関係式においてM=θ/2であり、また、k1、k2は駆動伝達機構24、25における伝達遅れ角度Q1、Q2に相当する各ワンウェイクラッチ42、51A(ギア51に内設されているワンウェイクラッチ)の遅れ角度γ1、γ2をステッピングモータ1の軸21の回転角度に換算するための各係数であって、(クラッチの支軸41、52の回転数)/(モータ軸21の回転数)で得られる数値(駆動伝達比)である。具体的には、γ1=2.2°、γ2=1.5°、θ=7.5°、M=3.75°、k1=1.78、k2=2.67である。
【0026】
次に、このような駆動システム20を適用した給紙装置の動作について説明する。
【0027】
最初に、図6aに示すように、装置本体から引き出した給紙トレイ100内に多数枚の用紙Pを積載収容してから、その給紙トレイ100を装置本体内に押し込んで装着すると、送出ロール121の持ち上げ機構のソレノイドが作動して送出ロール121を降ろした後、上昇機構130が作動して用紙Pをその最上部が送出機構20の送出ロール121に触れて所定の給紙動作位置(高さ)に達するまで持ち上げる(同図b)。
【0028】
すなわち、図3や図4に示すように、駆動システム20におけるステッピングモータ21が逆回転方向Fに回転し始め、その駆動力が前記したように第2の駆動伝達機構25によって上昇機構130まで伝達され、これにより上昇機構130におけるリフトアーム135が上昇方向に回動してリフトプレート131が持ち上げられる。このリフトプレート131が上昇することにより、用紙Pが持ち上げられるとともに、その用紙の最上部が触れている送出ロール121も同時に持ち上げられる。そして、その持ち上げられる送出ロール121の支持フレーム123の被検知部が用紙高さ検知センサ124に検知されると、用紙Pが所定の高さまで持ち上げられたものと判断され、ステッピングモータ21の回転が停止し、上昇機構130による用紙Pの持ち上げ動作が終了する。また、これと同時に、送出ロール121の持ち上げ機構のソレノイドが作動停止(オフ)して送出ロール121を持ち上げて待機位置に戻し、これにより送出ロール121は給紙開始時まで用紙Pから離れた状態におかれる。そして、上昇機構130によって上昇したリフトプレート131は、第2の駆動伝達機構25内におけるワンウェイクラッチ53のクラッチ機能によりリフトアーム135ひいては支軸52の逆回転が防止されているため下降することがなく、所定の位置(高さ)に保持される仕組みになっている。
【0029】
次いで、この給紙装置が使用される対象物(画像形成装置など)から給紙の要求指示が出されると、図7に示すように、送出機構120が主に作動して給紙トレイ100から用紙Pを1枚ずつ送り出す給紙動作が行われる。
【0030】
すなわち、まず送出ロール121の持ち上げ機構のソレノイドが作動して送出ロール121を用紙P上に降ろした後、駆動システム20におけるステッピングモータ21が正回転方向Eに回転し始める。このときのステッピングモータ21による駆動力が前記したように第1駆動伝達機構24によって送出機構120まで伝達され、これにより送出機構120における送出ロール121及び用紙捌きロール122が回転する。この送出ロール121及び用紙捌きロール122が回転することにより、用紙Pの最上部側の用紙が送出ロール121によって送り出された後、用紙捌きロール122によって重送状態の用紙が捌かれて1枚ずつ給紙トレイ100から送り出される(図7a)。
【0031】
このように送り出された用紙Pは、搬送ロール対160により給紙先に送り出され、そのときの用紙先端部が用紙搬送方向Sの下流側に配置されている用紙通過検知センサ165に検知されると、用紙が次の搬送ロール対160まで正常に搬送されたものと判断され、送出ロール121の持ち上げ機構のソレノイドが作動停止(オフ)して送出ロール121を持ち上げて待機位置に戻した後に、ステッピングモータ21がその回転を停止する。この給紙に際しては、その送り出される用紙Pによって用紙捌きロール122が連れ回りするが、ワンウェイクラッチ42があるため、その回転はステッピングモータ21へは伝わらない。
【0032】
そして、複数枚の連続した給紙要求がある場合には、上記したような送出機構120による給紙動作が同様に繰り返される。
【0033】
この連続した給紙動作が行われると、リフトプレート131上にある用紙Pの高さが給紙枚数に応じて次第に低くなるため、その用紙Pの最上面に触れている送出ロール121の高さも低くなる。この送出ロール121がある一定の高さより低くなると、その支持フレーム123の被検出部が用紙高さ検知センサ124により検知される。この検知がなされると、送出機構120による実行中の給紙動作が終了した後であって次の給紙動作が開始される前に、上昇機構130による用紙Pの持ち上げ動作が前述したように行われる。すなわち、ステッピングモータ21が逆回転方向Fに一定の時間だけ回転し、上昇機構130におけるリフトアーム135を上昇方向に回動させてリフトプレート131を一定の量だけ持ち上げる。これにより、リフトプレート131上の用紙Pは再び所定の高さに持ち上げられ、良好な給紙動作が可能な状態に保たれるようになっている。
【0034】
一方、このような複数枚の連続した給紙動作が行われると、その用紙1枚分の給紙動作ごとに駆動システム20におけるステッピングモータ21が正回転方向Eに回転起動することになるが、このステッピングモータ21による回転起動が行われるたびに、位相ずれの修正も行われるため、逆回転方向Fへの微小な回転が繰り返して行われる可能性が高くなる。
【0035】
ところが、この給紙装置における駆動システムでは、第2の駆動伝達機構25におけるワンウェイクラッチ51Aの遅れ角度γ2をモータ軸22の回転角度に換算した値k2γ2が上記位相ずれ修正時に発生する回転角度Mよりも大きくなる関係、即ち「k2γ2>M」の関係になるように設定されている。
【0036】
これにより、ステッピングモータ21の回転起動時に発生する回転角度Mによる微小な逆回転は、第2の駆動伝達機構25におけるギア51に内設されたワンウェイクラッチ51Aの遅れ角度γ2に基づく回転伝達遅れによって吸収されてキャンセルされる。この結果、その微小な逆回転は、ワンウェイクラッチ51Aによりギア51の回転が伝達される関係になっている支軸52には伝達されない。このため、そのステッピングモータ21の微小な逆回転の駆動力が上昇機構130のリフトアーム135にまで伝達されないことになるため、リフトプレート131が不用意に上昇して用紙Pの高さが少しずつ上昇してずれてしまうことがない。
【0037】
したがって、この給紙装置では、連続した給紙動作中に用紙Pが不用意に上昇して規定の高さを超えてしまうことに起因した給紙ミスや、駆動システム、給紙ロール等の破損が発生するおそれがなく、良好な給紙動作が安定して行われようになる。
【0038】
ちなみに、この給紙装置の場合には、ワンウェイクラッチ51Aの遅れ角度γ2を常に存在させることが可能になっている。すなわち、支軸52がワンウェイクラッチ53により保持されている構造であるため、用紙P等の重量によってリフトアーム135ひいては支軸52に回転負荷が与えられた場合であっても、支軸52にワンウェイクラッチ51Aを介して取り付けられているギア51は自由な状態にある。このため、ギア51又はそれよりも上流側に配されるギア50等に対して、上昇機構130を上昇駆動させる本来の駆動方向(モータ21における逆回転方向F)とは反対の方向に回転させる負荷を与えるようにすることで上記遅れ角度γ2が常に存在するようになるのである。したがって、第2の駆動伝達機構25には常にワンウェイクラッチ51Aの遅れ角γ2が存在しているため、上記したようなワンウェイクラッチ51Aの遅れ角度γ2に基づく回転伝達遅れによる、ステッピングモータ21の起動時における微小な逆回転の第2駆動伝達機構25への伝達防止効果が確実に得られるようになっている。
【0039】
[実施の形態2]
図8は、本発明の実施の形態2に係る駆動システム(又は給紙装置)の要部を示すものである。この実施の形態に係る駆動システムは、第2の駆動伝達機構25における第12ギア54とその支軸52の構成を一部変更した以外は実施の形態1に係る駆動システム20(又は給紙装置)と同じ構成からなるものである。
【0040】
この実施の形態では、第2の駆動伝達機構25における伝達遅れ角Mとしてワンウェイクラッチ51Aの遅れ角度に代えて、第2の駆動伝達機構25における支軸52とギア54の取り付け部におけるガタα2を適用し、このガタα2が「k2α2>M」となる関係を満たすように設定している。この関係式において実施の形態1の場合と同様にM=θ/2であり、また、k2は第2の駆動伝達機構25における伝達遅れ角度Q2に相当する支軸52とギア54の取り付け部におけるガタα2をステッピングモータ1の軸21の回転角度に換算するための係数であって、(ギア54の回転数)/(モータ軸21の回転数)で得られる数値(駆動伝達比)である。具体的には、α2=1.5°、k2=2.67である。M及びθについては実施の形態1の場合と同じである。なお、支軸52とギア54は、通常は(例えば実施の形態1の場合には)ガタがない固定した状態で取り付けられている。
【0041】
そして、この実施の形態では、上記「k2α2>M」の関係を実現するため、図8に示すようにギア54の支軸52の取り付け孔54aを「D形の孔」とするとともに、支軸52のギア54の取り付け部を「D面」としている。これにより、その支軸52にギア54を取り付けた場合に、図9aに示すようにギア54のD形孔54aと支軸52のD面との間に間隙(ガタ)Jが発生し、しかも、支軸52がいずれかの方向に回転したときに、その間隙Jの分だけ支軸52が空回転した後、支軸52の回転方向先端部となる一部がD形孔54aの一部に突き当たって初めて支軸52の回転がギア54に伝達されるようになる。すなわち、支軸52がガタ分に相応した一定の角度だけ回転することによりギア54を回転させることができるように構成されている。
【0042】
このような駆動システムを採用した給紙装置では、複数枚の連続した給紙動作が行われてステッピングモータ21が正回転方向Eに頻繁に回転起動することになる場合においても、第2の駆動伝達機構25における支軸52とギア54の取り付け部におけるガタα2が「k2α2>M」となる関係を満たすように設定されているため、ステッピングモータ21の回転起動時に発生する回転角度Mによる微小な逆回転は少なくとも第2の駆動伝達機構25における上記ガタα2による回転伝達遅れによって吸収されてキャンセルされ、結果的に、そのギア54以降の各ギア等には伝達されない。このため、そのステッピングモータ21の微小な逆回転の駆動力が上昇機構130のリフトアーム135に伝達されないため、連続する給紙動作中にリフトプレート131が不用意に上昇して用紙Pの高さが少しずつ上昇してずれてしまうことがない。
【0043】
[実施の形態3]
この実施の形態に係る駆動システム(又は給紙装置)は、第2の駆動伝達機構25における第12ギア54と第13ギア55の構成を一部変更した以外は実施の形態1に係る駆動システム20(又は給紙装置)と同じ構成からなるものである。
【0044】
すなわち、この実施の形態3では、第2の駆動伝達機構25における伝達遅れ角Mとしてワンウェイクラッチ51Aの遅れ角度に代えて、第2の駆動伝達機構25におけるギア54とギア55のバックラッシュβ2を適用し、このバックラッシュβ2が「k2β2>M」となる関係を満たすように設定している。この関係式において実施の形態1の場合と同様にM=θ/2であり、また、kは第2の駆動伝達機構25における伝達遅れ角度Q2に相当するギア54とギア55のバックラッシュβ2をステッピングモータ1の軸21の回転角度に換算するための係数であって、(ギア55の回転数)/(モータ軸21の回転数)で得られる数値(駆動伝達比)である。具体的には、β2=1.5°、k2=2.67である。M及びθについては実施の形態1の場合と同じである。また、この実施の形態では、上記「k2β2>M」の関係を実現するため、ギア54のギア歯とギア55のギア歯の噛み合い時における間隙が発生するようにその各歯を適宜加工形成し、ギア54が一定の角度回転するとギア55が回転するように構成することで対処している。
【0045】
このような駆動システムを採用した給紙装置では、複数枚の連続した給紙動作が行われてステッピングモータ21が正回転方向Eに頻繁に回転起動することになる場合においても、第2の駆動伝達機構25におけるギア54とギア55のバックラッシュβ2が「k2β2>M」となる関係を満たすように設定されているため、ステッピングモータ21の回転起動時に発生する回転角度Mによる微小な逆回転は少なくとも第2の駆動伝達機構25における上記バックラッシュβ2による回転伝達遅れによって吸収されてキャンセルされ、結果的に、そのギア55以降の各ギア等には伝達されない。このため、そのステッピングモータ21の微小な逆回転の駆動力が上昇機構130のリフトアーム135に伝達されないため、連続する給紙動作中にリフトプレート131が不用意に上昇して用紙Pの高さが少しずつ上昇してずれてしまうことがない。
【0046】
[実施の形態4]
この実施の形態に係る駆動システム(又は給紙装置)は、第2の駆動伝達機構25におけるカップリング56、60の構成を一部変更した以外は実施の形態1に係る駆動システム20(又は給紙装置)と同じ構成からなるものである。
【0047】
すなわち、この実施の形態4では、第2の駆動伝達機構25における伝達遅れ角Mとしてワンウェイクラッチ51Aの遅れ角度に代えて、第2の駆動伝達機構25におけるカップリング56、60の連結部におけるガタδ2を適用し、このガタδ2が「k2δ2>M」となる関係を満たすように設定している。この関係式において実施の形態1の場合と同様にM=θ/2であり、また、k2は第2の駆動伝達機構25における伝達遅れ角度Q2に相当するカップリング56、60の連結部におけるガタδをステッピングモータ1の軸21の回転角度に換算するための係数であって、(カップリング60の回転数)/(モータ軸21の回転数)で得られる数値(駆動伝達比)である。具体的には、δ2=0.6°、k2=6.36である。M及びθについては実施の形態1の場合と同じである。また、この実施の形態では、上記「k2δ2>M」の関係を実現するため、カップリング56、60の連結部の噛み合い時における間隙が発生するようにその連結部を適宜加工形成し、カップリング56が一定の角度回転するとカップリング60に回転が伝達されるように構成することで対処している。
【0048】
このような駆動システムを採用した給紙装置では、複数枚の連続した給紙動作が行われてステッピングモータ21が正回転方向Eに頻繁に回転起動することになる場合においても、第2の駆動伝達機構25におけるカップリング56、60の連結部におけるガタδ2が「k2δ2>M」となる関係を満たすように設定されているため、ステッピングモータ21の回転起動時に発生する回転角度Mによる微小な逆回転は少なくとも第2の駆動伝達機構25における上記ガタδ2による回転伝達遅れによって吸収されてキャンセルされ、結果的に、そのカップリング60以降にある各ギアには伝達されない。このため、そのステッピングモータ21の微小な逆回転の駆動力が上昇機構130のリフトアーム135に伝達されないため、連続する給紙動作中にリフトプレート131が不用意に上昇して用紙Pの高さが少しずつ上昇してずれてしまうことがない。
【0049】
[他の実施の形態]
実施の形態1〜4では、制御部4として第2の駆動伝達機構25における伝達遅れ角Mとして「ワンウェイクラッチ51Aの遅れ角度γ2」、「支軸52とギア54の取り付け部におけるガタα2」、「ギア54とギア55のバックラッシュβ2」、又は「カップリング56、60の連結部におけるガタδ2」のいずれか1つを単独で適用して回転角度Mとの間で特定の関係となるように構成した場合について例示したが、その伝達遅れ角Mとして上記遅れ角度γ2、ガタα2、バックラッシュβ2、ガタδ2の群からなる複数のものを適宜組み合わせて回転角度Mとの間で特定の関係となるように構成しても勿論よい。
【0050】
また、実施の形態1〜4では、駆動システム20を送出機構120と上昇機構130とを駆動させる駆動システムとして用いた給紙装置について例示したが、その駆動システム20は、例えば、給紙トレイ100が2段ある給紙装置であれば、その各給紙トレイ100における各上昇機構130を駆動させる駆動システムとして用いるように構成しても構わない。
【0051】
さらに、実施の形態2〜4におけるような各ガタα、バックラッシュβ、がたδなどを常に存在させるためには、例えば、用紙Pのリフトプレート131の高さを保持するための機構であるワンェイクラッチ53を、給紙トレイ100内のギア61よりも下流側に配置すればよい。例えば、ギア62をその支軸にギア54と同様に固定し、その支軸に回転方向を規制するワンウェイクラッチを取り付けることにより、用紙P等の重量によってリフトアーム135ひいてはギア62の上記支軸に回転負荷が与えられた場合であっても、カップリング56より下流側にあるギアは固定されているものの、カップリング56とそれより上流側にあるギアは自由な状態にある。このため、カップリング56より上流側にあるギアに対して、上昇機構130を上昇駆動させる本来の駆動方向(モータ21における逆回転方向F)とは反対の方向に回転させる負荷を与えるようにすることで、上記各ガタやバックラッシュを常に存在させることが可能になる。ただし、この構成を採用する場合には、トレイ100を引き出す際に、ギア62の支軸の回転方向を規制する上記ワンウェイクラッチとそれを固定するフレームとの間の固定が外れるように構成し、トレイ100を引き出したときにリフトプレート131が連動して下降するような機構を設ける必要がある。
【0052】
この他、実施の形態1等においてワンウェイクラッチ51Aの遅れ角度を常に存在させる手段として以下のものを採用することも可能である。すなわち、図10に例示するように、まずギア51と噛み合う新たなギア500を追加する。このギア500は、フレーム501に対しベアリング502等を介して回転可能に支持された支軸503に、固定ピン504とそのピン504が当接して止まる係止部(切り欠き凹部)505等により所定の角度qの「がた」をもたせた状態で取り付ける。また、ギア500とその支軸503とを図示するようにトーションスプリング506で連結し、そのスプリング506による初期トルクを与えて上記がたをなくした状態に保つ。トーションスプリング506は、ギア500が上昇機構を上昇駆動させる本来の方向(モータ21における逆回転方向F)に回転した際に巻き込まれるようにしておく。また、上記支軸503は、トルクリミッタ507によってある一定のトルクを加えないと回転しないように構成する。このときのトルクリミッタ507のトルクは、トーションスプリング506の初期トルクと角度qだけ回転して巻き込んだときのトルクとの中間の値になるように設定する。
【0053】
このように構成することにより、給紙動作時には、ギア500がギア51からの回転が伝達されることにより給紙動作のための回転駆動方向(モータ21の正回転方向E)に回転し、また、このときギア500と支軸503の間の上記がたもないため、支軸503もギア500と同じ方向に回転する。これにより、トーションスプリング506もギア500及び支軸503とともに回転するので、巻き込まれることがなく、そのトルクも変化しないことになる。
【0054】
一方、リフトプレート131を上昇させる時には、ギア500が上昇機構を上昇駆動させるための方向(モータ21における逆回転方向F)に回転する一方で支軸503がトルクリミッタ507により回転が停止させられることになるが、この際、ギア500と支軸503の間に上記がたが発生するようになるため、そのギア500の回転によってトーションスプリング506が巻き込まれる。この結果、そのトーションスプリング506のトルクがトルクリミッタ507のトルクを超えた時点で、支軸503もギア500と共に回転する。そして、その回転が止まると、トーションスプリング506が元に戻ろうとする力で、ギア500が反対方向(モータ21の正回転方向E)に回転する。これにより、ギア51をワンウェイクラッチ51Aによるロック方向とは反対の方向に回転させることになるため、ワンウェイクラッチ51Aの遅れ角度が常に存在するようになる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の駆動システムによれば、1つのステッピングモータを正回転及び逆回転させることにより2つの駆動対象機構を切り換えて個々に駆動させる場合、そのステッピングモータの起動が繰り返されることがあっても、駆動時期ではない側の駆動対象機構にもわずかな駆動力が徐々に伝えられることがなくなり、この結果、当該駆動対象機構の動作に悪影響を及ぼすことを確実に防止することができる。
【0056】
また、この駆動システムを用いた本発明の給紙装置によれば、駆動システムにおけるステッピングモータの起動が繰り返されることがあっても、駆動時期ではない側の上昇機構などが不用意に上昇して給紙ミスや、駆動システム、給紙ロール等の破損が発生するおそれがなくなり、この結果、良好で安定した給紙動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の駆動システムの構成を示す概念図。
【図2】 実施の形態1に係る駆動システム及び給紙装置を示す概要図。
【図3】 図2の駆動システムを示す要部斜視図。
【図4】 第2駆動伝達機構の構成及びその動作状態を示す要部斜視図。
【図5】 第1駆動伝達機構の構成及びその動作状態を示す要部斜視図。
【図6】 給紙トレイの用紙収容状態及び上昇機構の動作状態を示す概略説明図。
【図7】 給紙トレイの送出機構による給紙動作の状態を示す概略説明図。
【図8】 実施の形態2に係る駆動システムにおける支軸とギアの構成を示す概要図。
【図9】 図8の支軸とギアの取り付け状態の変化例を説明図。
【図10】 ワンウェイクラッチの遅れ角を常駐させる構成例を示す概要図。
【図11】 ステッピングモータのロータ及びステーターの一例を示す概要図。
【図12】 図10のステッピングモータにおけるロータとステーターの位相状態と位相ずれ修正時の回転状態を模式的に示す説明図。
【図13】 従来の2段カセットタイプの給紙装置を示す概要図。
【図14】 図12の給紙装置における駆動システムを示す概要図。
【符号の説明】
1,21…ステッピングモータ、1a,21…モータ軸、2…第1の駆動対象機構、3…第2の駆動対象機構、4,24…第1の駆動伝達機構、5,25…第2の駆動伝達機構、20…駆動システム、42,51A…ワンウェイクラッチ、52…支軸、54,55…ギア、56,60…カップリング部材、120…送出機構、130…上昇機構、100…給紙トレイ(用紙収容部)、P…用紙。

Claims (3)

  1. 1つのステッピングモータと、このステッピングモータの駆動力により駆動する第1及び第2の駆動対象機構と、この第1の駆動対象機構に前記ステッピングモータの正回転時の駆動力を伝達させるように作動する第1の駆動伝達機構と、前記第2の駆動対象機構に前記ステッピングモータの逆回転時の駆動力を伝達させるように作動する第2の駆動伝達機構とを備えた駆動システムにおいて、
    前記第1及び第2の駆動伝達機構の入力に対する伝達遅れ角度を前記ステッピングモータの軸の回転角度に換算した値が、そのステッピングモータの回転起動に際して行われる位相ずれの修正時に発生する回転角度よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする駆動システム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記第1及び第2の駆動伝達機構の少なくとも一方が、一定方向の回転のみを伝達するワンウェイクラッチ、支軸に取付けられるギア、互いに噛み合う複数のギア、又は前記駆動対象機構と連結を行う一対のカップリング部材の少なくとも1つを有する場合、
    前記伝達遅れ角度が、そのワンウェイクラッチの遅れ角、その支軸とギアの取り付け部におけるガタ、その噛み合うギアどうしのバックラッシュ、又はそのカップリング部材の連結部におけるガタの少なくとも1つであることを特徴とする駆動システム。
  3. 請求項1又は2に記載の駆動システムを、用紙収容部に積載収容されている用紙を上昇させる上昇機構とその用紙収容部から用紙を送り出す送出機構とを駆動させる駆動システムとして、又は、複数の用紙収容部にそれぞれ積載収容されている用紙を個々に上昇させる各上昇機構を駆動させる駆動システムとして用いることを特徴とする給紙装置。
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