JP3959939B2 - 宛先情報表示体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、宛先を表示して当該宛先へ配達される宛先情報表示体に関し、例えば、宛先を表示した電子ペーパー(宛先情報表示体)を郵送や宅配により当該宛先へ配送(発送や配達)することにより当該電子ペーパーに保持された情報を当該宛先へ送り届けるシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電子配信を除くと、従来に既に存在している文書の伝達手段としては、ハガキや封書による紙を媒体として郵送等で配送する方法か、或いは、電子データを格納したフロッピーディスクやCD−R(レコーダブルCD)を梱包して郵送等で配送する方法が取られていた。
【0003】
しかしながら、これらの方法では、次のような問題点があった。
(1)配送先の宛名は紙に記述されたものであり、返信する場合や複数の人に順番に回覧する場合には、再度、別の紙に宛名を書き直す手間がかかる。
(2)転送する場合には、課金は転送者にかかってしまうため、例えばもともとの情報発信者に対して課金をするような配送回覧システムが成立しづらい。
(3)宛名用紙の再利用ができない。
(4)宛名を書く紙に住所以上の多くの付加情報を表示するにはスペース上困難である。
(5)受取時のセキュリティが低い。
(6)宛先のプライバシーが守れない。
【0004】
また、特に、ハガキや封書を用いた方法では、更に次のような問題点があった。
(7)紙面の枚数以上の情報を載せることが出来ない。
(8)書かれている内容が誰でも閲覧でき、プライバシーが守れない。
(9)印字情報を簡単に書き直したり、修正することが困難である。
(10)媒体(紙)の再利用は出来ない。
【0005】
また、特に、フロッピーディスクやCD−Rを用いた方法では、更に次のような問題点があった。
(11)閲覧時に専用の表示装置が別に必要となる。
(12)再送付時には再梱包が必要となる。
【0006】
なお、電子的な手段を用いて郵便業務の効率化を図った従来技術の例を紹介しておく。
一例として、特開平11−341200号公報には、用紙に記入されている郵便情報を送信側の装置により読み取って、当該郵便情報を伝送路を介して受信側へ送信し、受信側で当該郵便情報を受信して出力すること等を行う電子郵便システムが記載されている。
また、他の例として、特開平9−173989号公報には、郵便書簡上に記されている郵便番号等を認識してそれに対応する郵便バーコードを検索するとともに、当該郵便書簡上から適当な表示場所を決定し、その表示場所に当該郵便バーコードを表示すること等を行う郵便バーコードの自動表示装置が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来においてハガキやフロッピーディスク等を郵送等で配送することにより情報を配送する方法に関しては、種々な問題点があった。なお、電子メールのような電子配信を利用すると解消され得る問題点もあるが、このような電子配信では実際の物(ハガキ等)のやり取りがないために味気無さを感じるユーザも多く、実際に物を配送する形態において利便性の高い配送システム等を実現することが望まれている。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑みなされたもので、実際に物を配送する形態において利便性の高い配送システム等を実現することができる宛先情報表示体や、このような宛先情報表示体を用いた回覧システムやアンケートシステムを提供することを目的とする。そして、本発明では、従来においてハガキやフロッピーディスク等を配送する方法に関して存在した上述したような問題点を解消することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る宛先情報表示体は、情報を電子的に表示して当該表示内容が保持可能であるとともに当該表示内容が電子的に書き換え可能である表示手段を備え、表示手段により表示される宛先情報により指定される宛先へ配達され得る。
従って、このような宛先情報表示体では、例えば配送中には表示した宛先情報を保持することができる一方、配達後には表示される宛先情報を書き換えることができるため、利便性が高く、使い回し(再利用)も可能である。
【0010】
ここで、本発明に係る宛先情報表示体は、例えば配送物に付される宛先(宛名)シートや荷札等のようなものとして用いることができ、また、後述するように宛先情報と共に内容の情報をも表示可能な構成では、例えば(電子媒体)郵便ハガキやダイレクトメール等のようなものとして用いることもできる。
【0011】
また、表示内容が保持可能である表示手段としては、例えば後述する電子ペーパーで用いられているようなメモリ性を有する表示素子を用いて構成することができる。
なお、表示手段による表示内容の保持は、無電力で行われる構成が用いられるのが好ましいが、例えば電池やバッテリ等の電力を用いて行われる構成が用いられてもよい。
【0012】
また、宛先情報としては、例えば宛先が特定されるようなものであれば、どのような情報が用いられてもよく、具体例としては、郵便番号の情報や、住所の情報や、氏名の情報等が用いられる。
また、このような宛先情報により指定される宛先へ宛先情報表示体が配達される態様としては、特に限定はなく、具体例としては、郵送により配達される態様や、宅配により配達される態様を用いることができる。
【0013】
また、本発明に係る宛先情報表示体は、情報を表示手段により表示可能に保持するメモリを備えた。
従って、例えば多量な情報をメモリにより保持して、必要に応じてその一部の情報を表示することができるため、宛先情報表示体により保持される情報量の向上等を図ることができる。
【0014】
ここで、メモリにより保持する情報としては、種々なものであってもよく、具体例としては、上記した宛先情報や、後述する内容の情報や、また、宛先(配送先)の詳細情報や、(例えば宛先情報表示体が配送物に付される場合には)配送物の詳細情報等が用いられる。
【0015】
なお、本発明に係る宛先情報表示体は、それ自体が配達されることを考慮すると、例えば小型で薄型で携帯型であるのが好ましく、後述するように、メモリの記憶容量と比べて小さい表示容量を有した程度の大きさの(つまり、見易さ等が担保される程度で比較的小型の)画面を備えて、メモリに保持される複数の情報を切り替えて画面に表示させる構成とするのも好ましい。
【0016】
また、例えばメモリに保持される宛先情報を必要な時に(例えばボタンが押された時等に)表示手段により表示させるようにした場合には、必ずしも表示手段の表示内容が保持可能なものでなくとも、宛先を示すという目的は達成される。すなわち、本発明に係る宛先情報表示体は、他の構成として、情報を電子的に表示して当該表示内容が電子的に書き換え可能である表示手段と、情報を表示手段により表示可能に保持するメモリとを備え、表示手段により表示される宛先情報により指定される宛先へ配達され得る。
【0017】
また、本発明に係る宛先情報表示体では、更に、内容の情報が保持されて表示手段により表示される。
従って、宛先情報ばかりでなく、内容情報を表示することもできるため、宛先情報表示体自体を郵便ハガキ等のような配送物として利用することができる。
【0018】
ここで、内容の情報としては、種々な情報であってもよく、具体例としては、宛先人に対するメッセージ(手紙等の内容)の情報や、広告の情報や、金融機関等の利用明細書の情報や、アンケートに関する情報等が用いられる。
また、内容情報を保持する態様としては、特に限定はなく、具体例としては、表示手段により表示保持する態様や、メモリにより表示可能に保持する態様や、また、例えばメモリにより(表示以外の手段で外部に出力可能に)保持する態様が用いられる。
【0019】
また、本発明に係る宛先情報表示体では、複数の情報をメモリにより保持し、これら複数の情報を切り替えて表示手段により表示させる表示切替手段を備えた。
従って、例えば必要に応じて表示される情報を切り替えることができ、利便性を高めることができる。
ここで、表示切替手段としては、種々なものであってもよく、例えばユーザにより操作されるボタン等から構成することができる。
【0020】
また、メモリにより保持する情報としては、上述のように種々な情報であってもよい。また、複数の情報としては、例えば「複数の宛先情報」や「複数の内容情報」といったように同一種類の複数の情報であってもよく、例えば「宛先情報と内容情報と詳細情報」といったように異なる種類の複数の情報であってもよく、また、例えば「3つの宛先情報と1つの内容情報」といったようにこれら両方に該当する複数の情報であってもよい。
【0021】
なお、表示切替の具体例としては、複数の宛先情報を順次切り替えて返信や転送に役立てる態様や、転送元の情報や転送先の情報を順次切り替えて回覧に役立てる態様や、複数の内容情報を切り替えて種々な内容を提供する態様や、宛先情報から内容情報へ切り替えて宛先人に対して当該内容情報を提示する態様や、宛先情報から当該宛先(配達場所)の地図等の詳細情報へ切り替えて宛先の把握に役立てる態様や、(例えば宛先情報表示体が配送物に付される場合には)宛先情報から配送物の詳細情報へ切り替えて当該配送物(内容物)に関する情報を提供する態様等を実施することができる。
【0022】
また、本発明に係る宛先情報表示体では、表示対象となる情報の全部又は一部が(例えば人により把握され得る文字や図形等の態様を用いずに)バーコードで表示される。
従って、他人が表示画面を見た場合であってもその表示内容(バーコードが示す情報)が把握されないため、セキュリティやプライバシーを保証することができる。なお、バーコードの情報は、例えば専用のバーコード読取装置により読み取られてそれに対応する(例えば人により把握される文字等の)情報へ変換される。
【0023】
ここで、バーコードで表示させる情報としては、種々なものであってもよく、例えば宛先情報をバーコード(のみ)で表示させると、他人によって宛先が知られることなくセキュリティを確保することができ、例えば内容情報をバーコード(のみ)で表示させると、他人によってメッセージ等の内容が知られることなくプライバシーを確保することができ、また、(例えば宛先情報表示体が配送物に付される場合には)配送物の情報をバーコード(のみ)で表示させると、他人によって当該配送物(内容物)が知られることなくプライバシーを確保することができる。
【0024】
また、上記のように、表示対象となる情報の全部をバーコードで表示してもよく、或いは、当該情報の一部をバーコードで表示してもよく、いずれの情報をバーコードで表示して、いずれの情報を通常の(つまり、バーコードを用いない態様の)文字や図形等で表示するかについては、装置の使用状況等に応じて、任意に設定されてもよい。
【0025】
なお、所定の情報をバーコードで表示する仕方としては、例えば当該情報をバーコード情報として宛先情報表示体に保持させる仕方や、例えば宛先情報表示体に通常の(つまり、バーコードを用いない態様の)情報とバーコード情報とを変換する機能を備えて、当該宛先情報表示体が所定の(通常の)情報をバーコード情報へ変換して表示する仕方を用いることができる。また、例えば宛先情報表示体が、ユーザから入力される指示に応じて、所定の情報を通常の情報として表示する処理とバーコード情報として表示する処理とを切り替えるような態様を用いることもできる。
【0026】
また、本発明に係る宛先情報表示体では、外部(つまり、ユーザや、外部の装置等)から情報を受け付ける情報受付手段と、受け付けた情報を保持する情報保持手段とを備えた。
従って、例えば宛先人(ユーザ)から返信内容の情報やアンケートの回答情報等を受け付けて保持することや、例えば回覧の途中で追記的な内容の情報を受け付けて保持すること等ができ、利便性を高めることができる。
【0027】
ここで、情報受付手段としては、種々なものであってもよく、例えばユーザにより操作されるキーボタン等や、例えば外部の装置や外部の記憶媒体から情報を受け付けるインタフェース等から構成することができる。
また、受け付けた情報を保持する態様としては、メモリにより保持する態様ばかりでなく、例えば表示手段により表示保持することも可能である。
【0028】
なお、上記のようにして宛先情報表示体により保持された返信内容等の情報は、例えば当該情報を入力したユーザによって(例えば郵送であれば、当該宛先情報表示体が再投函されて)次の宛先人(が存する場所)へ当該宛先情報表示体と共に送り届けられる。
【0029】
また、他の構成として、例えば宛先情報表示体に(有線や無線による)通信機能を備えて、当該宛先情報表示体がユーザ等から受け付けた情報を次の宛先(例えば返信であれば、元の情報の発信者や、指定されたアドレスを有するコンピュータ端末装置等)へ送信する構成とすることも可能である。
【0030】
また、本発明に係る宛先情報表示体では、ユーザから認証に関する情報を受け付ける認証情報受付手段と、受け付けた認証情報に基づいてユーザを認証する認証手段とを備えた。
従って、例えば宛先情報表示体が配達された先の者が宛先人本人であるか否か等を認証により確認することができ、セキュリティを高めることができる。
【0031】
ここで、認証に用いる情報(認証情報)としては、種々なものであってもよく、具体例として、ユーザの指紋の情報や、ユーザの手書きサインの情報や、暗証番号の情報等を用いることができる。
また、認証情報受付手段としても、種々なものであってもよく、例えば上記した種々な認証情報に対応して、指紋を読み取る指紋センサや、手書きサインを受け付けるペンタッチ装置や、暗証番号の入力を受け付ける数字キー等を用いることができる。
【0032】
また、ユーザの認証結果は様々な態様で利用することができ、具体例として、宛先情報表示体の配達時に受取人が本人であるか否かを確認するために利用することや、宛先情報表示体に保持された(例えば特定の)情報を閲覧しようとする者が設定された本人であることが確認された場合にのみ当該情報を画面に表示するために利用すること等ができる。
【0033】
また、本発明に係る宛先情報表示体では、Webサイトの接続先情報(例えばURL(Uniform Resource Locator)等の情報)をメモリに保持する接続先情報保持手段と、当該接続先情報により指定されるWebサイトへアクセスして当該Webサイトの情報を取得するアクセス手段とを備えた。
従って、このように外部と情報を(有線や無線により)送受信する機能を備えて、Webサイトの情報を取得する構成としたため、例えば宛先情報表示体の発送人が当該宛先情報表示体に接続先情報を保持させておくだけで、当該接続先情報により指定されるWebサイトの(大量の)情報を宛先人等の閲覧者に提供することができる。
【0034】
ここで、上記したアクセス手段は、例えばそれ自体が回線を介してWebサイトへアクセスして当該Webサイトの情報を受信する通信機能から構成されてもよく、或いは、例えば外部の通信機器(コンピュータや携帯電話端末等)との間でアクセス要求等の情報を送受信して、当該通信機器の通信機能を利用してWebサイトへアクセスして当該Webサイトの情報を受信するような構成であってもよい。
【0035】
また、上記と同様に例えば宛先情報表示体に通信機能を備えた構成や、例えば宛先情報表示体に外部の通信機器との接続端子及び当該通信機器との情報送受信機能を備えた構成では、宛先情報表示体が外部の装置から送信される情報を受信して表示内容を当該情報に更新することや、宛先情報表示体が外部の装置との間で通信される情報を利用して上記した認証処理を実行すること等が可能である。
【0036】
また、本発明に係る宛先情報表示体では、ユーザにより情報を書き込むことが可能な透明シートを備えた。なお、ユーザは例えばペンにより透明シートに文字等を書き込むことや、例えばプリンタにより透明シートに文字等を印刷して書き込むことが可能である。
従って、宛先人等(ユーザ)により種々な情報を書き込んでメモすることができるため利便性が高く、また、例えばペンタッチによりユーザからの手書き文字を受け付ける表示画面上に透明シートを位置させた構成では、同一の手書き文字を表示画面を介して宛先情報表示体に入力するとともに透明シートに書き込むこと等ができる。
【0037】
また、本発明に係る宛先情報表示体では、設定された者に対する課金の情報を管理する課金管理手段を備えた。
従って、例えば予め設定された条件に従って、所定の者(例えば一人であってもよく、複数人であってもよく、また、例えば条件によって異なる人であってもよい)に対する課金情報が管理されるため、様々な態様で課金を行うことができ、現実の配送サービスにおいて大きな効果を発揮することができる。
【0038】
ここで、課金の対象となる者としては、装置の使用状況等に応じて種々な者が設定されてもよく、例えば宛先情報表示体の発送者や、例えば宛先情報表示体の受取人や、例えば(複数の宛先人に転送される場合には)宛先情報表示体の最初の発送人(広告主など)等に課金することが可能である。
【0039】
また、課金情報の管理の仕方としては、例えば課金対象となる者の情報及びこの者に対する課金の金額の情報をメモリに記憶して管理する仕方を用いることができ、また、例えば1回の配送に係る料金が固定額であるような場合には、課金対象となる者の情報及びこの者に対する課金の回数の情報をメモリに記憶して管理するような仕方を用いることもできる。
【0040】
また、例えば宛先情報表示体の発送者に課金する場合には、当該発送者(のみ)に関する履歴情報をメモリに記憶して管理する仕方を用いることもでき、同様に、例えば宛先情報表示体の受取人に課金する場合には、当該受取人(のみ)に関する履歴情報をメモリに記憶して管理する仕方を用いることもでき、また、例えば状況に応じて課金対象となる者が変化するような場合には、発送人と受取人との両方の履歴情報をメモリに記憶して管理する仕方を用いることもできる。
【0041】
また、本発明に係る宛先情報表示体は、好ましい態様として、電子ペーパーを用いて構成される。
なお、電子ペーパーの詳細については、後述する。
【0042】
また、本発明では、以上に示したような宛先情報表示体の好ましい利用態様として、以上に示したような宛先情報表示体を用いた回覧システムを提供する。ここで、この回覧システムにおける宛先情報表示体は、例えば、情報を電子的に表示して当該表示内容が電子的に書き換え可能である表示手段や、回覧の順序の情報を保持するとともに複数の宛先の情報を表示手段により表示可能に保持するメモリや、これら複数の宛先情報を回覧の順序に従って切り替えて表示手段により表示させる宛先表示切替手段を備えている。
【0043】
そして、本発明に係る回覧システムでは、例えば郵送や宅配により宛先情報表示体が回覧の順序に従って複数の宛先人により回覧されるに際して、宛先情報表示体により表示される宛先情報により指定される宛先へ当該宛先情報表示体が配達された場合に、当該宛先情報表示体により表示させる宛先情報が(例えば当該宛先情報表示体の受取人により)次の回覧順序に係る宛先情報に切り替えられ、これにより、当該宛先情報表示体が次の宛先(転送先)へ送り届けられる。
【0044】
ここで、宛先表示切替手段としては、種々なものであってもよく、例えばユーザにより操作されるボタン等から構成することができる。
また、回覧の順序の情報としては、例えば回覧の順序が特定されるものであればどのようなものであってもよく、具体例として、複数の宛先に関する回覧の順序を数字(回覧順序を示す番号)情報により記憶することができ、また、各宛先情報を格納するメモリのアドレス位置と当該各宛先の回覧順序とを対応させることで回覧の順序を記憶することもできる。
【0045】
また、本発明では、以上に示したような宛先情報表示体の好ましい利用態様として、以上に示したような宛先情報表示体を用いたアンケートシステムを提供する。ここで、このアンケートシステムにおける宛先情報表示体は、例えば、情報を電子的に表示して当該表示内容が電子的に書き換え可能である表示手段や、ユーザからアンケートに関する回答情報を受け付けるアンケート回答情報受付手段や、受け付けた回答情報をメモリに保持するアンケート回答情報保持手段を備えている。
【0046】
そして、本発明に係るアンケートシステムでは、宛先情報表示体により表示される宛先情報により指定される宛先へ当該宛先情報表示体が配達された場合に、当該宛先情報表示体により表示されるアンケート情報に関する回答情報をユーザ(例えば当該宛先情報表示体の受取人)から当該宛先情報表示体(のアンケート回答情報受付手段)により受け付け、受け付けた回答情報を当該宛先情報表示体(のアンケート回答情報保持手段)により保持し、これにより、保持された回答情報をアンケートの集計者により集計することができる。
ここで、アンケート回答情報受付手段としては、種々なものであってもよく、例えばユーザにより操作されるキーボタン等から構成することができる。
【0047】
また、本発明に係るアンケート情報収集システムでは、宛先情報表示体を用いることにより、例えば上記のようにして宛先情報表示体により保持される情報(例えばアンケートに関する回答情報等)をインターネットを介して情報収集者へ送信する。
すなわち、例えば宛先情報表示体が宛先へ配達された場合に、宛先情報表示体ではユーザ(例えば当該宛先情報表示体の受取人)により追記等されて受け付けた情報を保持し、当該宛先情報表示体はサービス業者等により回収される。そして、宛先情報表示体に保持された情報はサービス業者等の端末に読み込まれた後に、当該端末からインターネットを介して指定された情報収集者の端末へ送信される。このようにして、情報収集者は、例えば宛先情報表示体を用いてユーザに対して行ったアンケートに関する回答情報等を収集することができる。
【0048】
ここで、上記のように、本発明に係る宛先情報表示体としては、例えば紙のような画面に情報を電子的に表示出力する電子ペーパーが用いられるのが好ましく、このような電子ペーパーとしては、例えば特願平10−324155号公報(以下で、文献1と言う)に記載された表示装置のようなものや、例えば特願平11−125158号公報(以下で、文献2と言う)に記載されたドキュメントビューワ装置のようなものを用いて構成することが可能である。
【0049】
上記文献1に記載された表示装置では、例えばモノクロ2階調の強誘電性液晶から構成されて電気的に書き換え可能な表示手段を備えて、当該表示手段に表示出力させる情報を必要な時に書き換える一方、書き換えが終了した後には電源供給を停止させて表示手段上の情報をそのまま表示出力させておくことが可能であり、低消費電力化等の効果を実現することができる。
【0050】
なお、強誘電性液晶はメモリ性を有しており、電力の供給を受けなくても表示内容を保持することができる一方、表示内容を電気的に書き換えることも可能な性質を有している。また、このようなメモリ性を有する表示手段としては、例えばカラー強誘電性液晶や例えば特開平2−254420号公報に記載されたコレステリック液晶等の液晶から構成することもでき、また、液晶でなくとも、例えば電気泳動や磁気誘導等のメモリ性を利用して構成することも可能である。
【0051】
また、上記文献2に記載されたドキュメントビューワ装置では、例えば複数画面分の表示情報を記憶することが可能な記憶手段やメモリ性を有する表示装置を備えて、記憶手段に記憶されている表示情報を各画面毎に切り替えて表示装置に表示出力させることができ、そして、このような表示画面の変更時には電力供給を行って当該変更を実行する一方、表示画面の変更が終了した後には電源供給を停止させることにより、低消費電力化等の効果を実現することができる。
【0052】
なお、電子ペーパーとしては、例えば情報を表示用データの形で格納するVRAM(Video Random Access Memory)等を用いてOS(Operating System)を介在しないで情報を画面に表示出力する機能を有したものを用いるのも好ましい。また、上述のように、表示内容を保持する媒体としては、例えば無電源で表示内容を保持するものが用いられるのが好ましいが、例えば太陽電池等の電源を備えて当該電源の電力により表示内容を保持するものが用いられてもよい。
【0053】
以上に示したような電子ペーパーでは、例えば電子の速報性という特徴と、紙ドキュメントのどこでもいつでも即座に見れて且つ使い易いという特徴との両方の効果を発揮することができて好ましい。
【0054】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施例を図面を参照して説明する。
図1には、本発明に係る宛先情報表示体のハードウエア構成の一例を示してあり、同図を用いて、本例の宛先情報表示体により行われるデータ処理の概要を説明する。なお、本例の宛先情報表示体は、好ましい態様として、電子ペーパーを用いて構成されている。
【0055】
同図に示されるように、本例の宛先情報表示体には、外部との間で信号(情報)を送受信するデータ転送ポート1や、情報を記憶して保持する内部メモリ2や、電子的に表示した表示内容を保持することが可能であるとともに表示内容が電子的に書き換え可能な表示デバイス3や、例えば予め設定された制御プログラムに従って各種の処理を実行するCPU(Central Processing Unit)4が備えられている。
【0056】
このような構成から成る本例の宛先情報表示体では、例えば宛名や発信者の情報を含む宛先情報や内部文書等の内容情報のデータが有線(有線通信による信号)や無線(無線通信による信号)により外部からデータ転送ポート1を介して入力され、入力される情報がCPU4を経由して内部メモリ2に書き込まれる。なお、上記図1に点線で示したように、例えばデータ転送ポート1から入力される情報が直接的に内部メモリ2に書き込まれる構成とすることもできる。
【0057】
また、内部メモリ2に書き込まれた情報は、必要に応じて例えばユーザからの指示に従って、表示デバイス3の画面に表示出力される。
具体例として、宛先情報表示体が配送される際には、宛名等の宛先の情報を表示デバイス3により表示させ、これにより、当該宛先情報により指定される宛先へ当該宛先情報表示体を配達することができる。なお、宛先情報表示体が配送物に付されるような場合には、当該配送物も宛先情報により指定される宛先へ配達される。
【0058】
また、具体例として、内部メモリ2に書き込まれた内容情報についても、例えばユーザからの要求に従って、表示デバイス3の画面に表示出力される。
また、例えばユーザからの要求に従って、新たな情報を有線や無線の通信手段により入手して内部メモリ2に記憶することもでき、このようにして記憶された情報についても表示デバイス3により表示出力させることができる。
【0059】
また、例えば表示部上でボタンやペンタッチ等を用いてユーザにより追記される情報(追記信号)をデータ転送ポート1を介して内部メモリ2に記憶することもでき、このようにして記憶された情報についても表示デバイス3により表示出力させることができる。
【0060】
以上のように、本例の宛先情報表示体では、メモリ性を有して電子的に書き換え可能な表示媒体を用いて宛先表示や文書表示を行う表示部(画面)が構成されており、必要に応じて表示部上に表示される宛先等の表示内容を変更することができる。なお、表示内容の変更の仕方としては、例えば内部メモリ2により保持される複数の情報の中から表示させる情報を切り替える仕方や、或いは、例えば外部から(内部メモリ2を介さずに)表示内容を書き換える仕方を用いることができる。
【0061】
次に、本例の宛先情報表示体の具体的な実施態様の例を示す。
図2(a)には、例えば郵便や宅配の配送物に付される宛先シート等として利用可能な宛先情報表示体11の外観の一例を示してある。
同図(a)に示されるように、この宛先情報表示体11には、宛先等の情報を表示出力する表示部(画面)12や、外部との間で宛先等の情報を送受信するデータ転送ポート13や、画面の表示内容を切り替える画面切り替えスイッチ14や、表示モードを切り替えるモード切り替えスイッチ15が備えられている。
【0062】
上述のように、例えばデータ転送ポート13を介して宛先情報表示体11に入力される宛先や送信者(当該宛先情報表示体11の発送者)の情報は、内部のメモリ内に記憶されるとともに、表示部12に表示される。ここで、この例では、ユーザがモード切り替えスイッチ15(或いは、画面切り替えスイッチ14)を押すことにより、宛先情報を表示する宛先表示モードと送信者情報を表示する送信者確認表示モードとを切り替えることが可能である。
【0063】
なお、上記図2(a)には、宛先表示モードにおいて表示部12により表示される宛先情報の一例として、宛先となる郵便番号や住所や氏名の情報を示してあり、同図(b)には、送信者確認表示モードにおいて表示部12により表示される送信者情報の一例として、送信者の郵便番号や住所や氏名の情報を示してある。
【0064】
また、図3(a)〜図3(d)には、上記図2に示したような宛先情報表示体11を複数の宛先に順次配送(転送)する場合の例を示してあり、このような利用態様を用いて回覧やアンケートを行うことができる。
具体的には、図3(a)には、宛先表示モードにおいて表示部12により表示される宛先情報の一例として、宛先となる郵便番号や住所や氏名の情報及び送信者の氏名(名称)の情報を示してある。そして、この状態から、例えばユーザによりモード切り替えスイッチ15が押されることで、転送先表示モードに切り替えられる。
【0065】
同図(b)には、転送先表示モードにおいて表示部12により表示される転送先情報(宛先情報表示体11を転送する宛先の情報)の一例として、転送先となる郵便番号や住所や氏名の情報及び(もともとの)送信者の氏名(名称)の情報を示してある。
【0066】
ここで、この例では、複数の転送先の情報がその転送順序の情報と共に宛先情報表示体11のメモリに格納されており、同図(b)に示した状態から、例えばユーザにより画面切り替えスイッチ14が押されると、表示部12により表示される転送先の情報が転送順序に従って切り替えられる。
同図(c)には、このような画面表示の切り替えが行われた場合において表示部12により表示される転送先情報の一例として、同図(b)で示したのとは異なる転送先の郵便番号や住所等の情報を示してある。
【0067】
また、転送先表示モードの状態から、例えばユーザによりモード切り替えスイッチ15が押されることで、返信先表示モードに切り替えられる。なお、本例では、転送先表示モードにおいて、転送順序が最後となる転送先情報が表示されている状態で画面切り替えスイッチ14が押された場合にも、返信先表示モードに切り替えられる。
【0068】
同図(d)には、返信先表示モードにおいて表示部12により表示される返信先情報(宛先情報表示体11を返信する宛先の情報)の一例として、返信先となる郵便番号や住所や氏名(名称)の情報を示してある。なお、この例では、宛先情報表示体11の(もともとの)送信者が返信先の者となっており、当該返信先の情報は宛先情報表示体11のメモリに格納されている。
【0069】
また、図4(a)及び同図(b)には、上記図2や上記図3に示したような宛先情報表示体11のメモリに配送物(荷物)の詳細な内容を示す情報(荷内容情報)が格納されて、当該荷内容情報が表示される場合の例を示してある。
具体的には、図4(a)には、宛先表示モードにおいて表示部12により表示される宛先情報の一例として、宛先となる郵便番号や住所や氏名の情報を示してある。そして、この状態から、例えばユーザによりモード切り替えスイッチ15が押されることで、荷内容表示モード(荷物詳細表示モード)に切り替えられる。
【0070】
同図(b)には、荷内容表示モードにおいて表示部12により表示される荷内容情報の一例として、宛先情報表示体11が付されて配送される荷物である「メンタイコ」に関する詳細な情報を示してある。
なお、ここでは、荷内容情報を表示するモードへ切り替えた場合を示したが、他の例として、(宛先情報表示体11のメモリに格納された)配達場所の地図の情報を表示するモードへの切り替えを行う構成や、(宛先情報表示体11のメモリに格納された)各種の文書の情報を表示するモードへの切り替えを行う構成とすることもできる。
【0071】
次に、図5(a)には、例えば電子媒体を用いた郵便ハガキやダイレクトメールとして利用可能な宛先情報表示体21の外観の一例を示してある。
同図(a)に示されるように、この宛先情報表示体21には、宛先等の情報を表示出力する表示部(画面)22や、外部との間で宛先等の情報を送受信するデータ転送ポート23や、画面の表示内容を切り替える画面切り替えスイッチ24や、表示モードを切り替えるモード切り替えスイッチ25が備えられている。
【0072】
具体的には、図5(a)には、宛先表示モードにおいて表示部22により表示される宛先情報の一例として、宛先となる郵便番号や住所や氏名の情報及び送信者の氏名(名称)の情報を示してある。そして、この状態から、例えばユーザによりモード切り替えスイッチ25が押されることで、内容表示モードに切り替えられる。
【0073】
同図(b)には、内容表示モードにおいて表示部12により表示される内容情報の一例として、(1ページ目の)「お買い得情報」を示してある。
ここで、この例では、「お買い得情報」は複数ページ分の情報から構成されており、これら複数ページ分の情報が宛先情報表示体21のメモリに格納されている。そして、同図(b)に示した状態から、例えばユーザにより画面切り替えスイッチ24が押されると、表示部22により表示される(或るページの)「お買い得情報」が次のページの「お買い得情報」に切り替えられる。
【0074】
同図(c)には、このような画面表示の切り替えが行われた場合において表示部22により表示される情報の一例として、次ページの(2ページ目の)「お買い得情報」を示してある。
同様に、同図(d)には、このような画面表示の切り替えが更に行われた場合において表示部22により表示される情報の一例として、更に次ページの(3ページ目の)「お買い得情報」を示してある。
【0075】
この例のように、本例の宛先情報表示体では、そのメモリに複数ページ分の情報や複数種類の情報を保持させて当該宛先情報表示体を宛先へ配送することが可能であるため、例えば従来の紙によるハガキ等で送付するにはかさばってしまうような大量の情報を一度に送ることも可能となって便利である。
【0076】
次に、図6(a)には、例えば電子媒体を用いた郵便ハガキやダイレクトメールとして利用可能であって、外部との通信機能を有した宛先情報表示体31の外観の一例を示してある。
同図(a)に示されるように、この宛先情報表示体31には、宛先等の情報を表示出力する表示部(画面)32や、(この例では、外部の通信機器を用いて)外部との間で情報を通信する機能を有した通信モジュール33や、外部の通信機器と当該宛先情報表示体31とを接続する外部接続端子34や、画面の表示内容を切り替える画面切り替えスイッチ35や、表示モードを切り替えるモード切り替えスイッチ36が備えられている。また、この例では、宛先情報表示体31の外部接続端子34に通信機器(例えば携帯電話端末)37が接続されている。
【0077】
具体的には、図6(a)には、宛先表示モードにおいて表示部32により表示される宛先情報の一例として、宛先となる郵便番号や住所や氏名の情報及び送信者の氏名(名称)の情報を示してある。そして、この状態から、例えばユーザによりモード切り替えスイッチ36が押されることで、外部との通信を利用した内容表示モードに切り替えられる。
【0078】
同図(b)には、内容表示モードに切り替えた時に表示部32により表示される内容情報の一例として、「お買い得情報」を示してあり、また、この画面表示では、画面切り替えスイッチ35により最新情報を閲覧することができる旨(「最新情報はこちら」)が表示されている。
【0079】
ここで、例えばユーザにより画面切り替えスイッチ35が押されると、宛先情報表示体31では、通信モジュール33が外部の通信機器37を用いて、予め「お買い得情報」中に登録されているアドレス(URL)に対応したWebサイトへアクセスして、当該Webサイトの最初のページの情報(ホームページの情報)を取得し、同図(c)に示されるように、取得した情報を表示部32により表示する。
【0080】
また、同図(c)に示した画面表示では、画面切り替えスイッチ35により「最新のお買い得情報」を更新して閲覧することができる旨(「こちらを押して下さい」)が表示されている。そして、この状態で、例えばユーザにより画面切り替えスイッチ35が押されると、宛先情報表示体31では、通信モジュール33が外部の通信機器37を用いて、前記アクセスしたWebサイトから「最新のお買い得情報」を取得し、同図(d)に示されるように、取得した情報を表示部32により表示する。なお、同図(d)に示した画面表示では、画面切り替えスイッチ35により「注文」を行う画面表示へ移行させることができる旨(「注文はこちら」)が表示されている。
【0081】
以上のように、この例では、宛先情報表示体31に外部の通信機器を用いた外部との通信機能を備えることで、外部へ情報を送信することや外部から情報を受信することができ、具体例として、ユーザから受け付けた追加的な情報や注文発注に係る情報を外部へ送信することや、アンケートを出した発信者(の装置)との間で情報をやり取りして当該アンケートに関する回答情報を送信すること等ができる。また、例えば宛先情報表示体自体に通信機器37と同様な通信機能を備えた構成とすれば、宛先情報表示体と外部の携帯電話端末やパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等とを接続しなくとも、上記と同様な各種の通信処理を実行することが可能となる。
【0082】
次に、図7には、本発明に係る宛先情報表示体の他の構成例として、多機能モデルを採用した場合におけるハードウエア構成の一例を示してある。
同図に示されるように、この場合の宛先情報表示体には、電子的に表示した表示内容を保持することが可能であるとともに表示内容が電子的に書き換え可能な表示デバイス41や、表示デバイス41による表示処理を制御する表示制御部42や、ユーザの指紋を読み取る指紋センサから成る指紋センサ43や、ユーザによる手書き入力を受け付けるデジタイザから成る手書き入力部44や、ユーザから指示等を受け付けるボタンから成るボタン部45や、ユーザから情報等を受け付ける仮想キーボードから成る仮想キーボード部46や、所定の制御プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)47や、各種の情報を記憶するRAM(Random Access Memory)48や、制御プログラムに従って各種の処理を実行するCPU49が備えられている。
【0083】
ここで、指紋センサ部43では指紋センサによりユーザの指紋を読み取り、例えば読み取られた指紋の情報とRAM48等に記憶されている所定の指紋情報とが一致するか否かをCPU49が判断することにより、指紋を用いたユーザの認証を行うことができる。
【0084】
また、手書き入力部44ではデジタイザにより例えばユーザの手書きサインを読み取り、例えば読み取られた手書きサインの情報とRAM48等に記憶されている所定の手書きサイン情報とが一致するか否かをCPU49が判断することにより、手書きサインを用いたユーザの認証を行うことができる。なお、手書き入力部44では、例えばユーザの手書き文字を読み取って、追記的な宛先情報や内容情報等を受け付けることもできる。
【0085】
また、ボタン部45では各種のボタンが押されることによりユーザから各種の指示を受け付けることができる。
また、仮想キーボード部46では仮想キーボードにより例えば暗証番号の情報をユーザから受け付け、例えば受け付けた暗証番号の情報とRAM48等に記憶されている所定の暗証番号情報とが一致するか否かをCPU49が判断することにより、暗証番号を用いたユーザの認証を行うことができる。なお、仮想キーボード部46では、例えば仮想キーボードにより他の情報を受け付けることもできる。
【0086】
なお、この例では、指紋や手書きサインや暗証番号を用いた認証によりセキュリティを確保することが可能な構成としたが、例えばこれら3つの認証機能の1つ或いは2つのみが宛先情報表示体に備えられたような構成とすることも可能である。また、他の認証機能が宛先情報表示体に備えられてもよい。
【0087】
図8には、上記図7に示したような構成から成る宛先情報表示体の外観の一例を示してある。
図8に示されるように、同図に示した宛先情報表示体には、画面の左側に指紋センサ51が備えられているとともに各種のボタン53〜59が備えられており、また、画面上に手書き文字入力部52や仮想キーボード60が表示される構成となっている。また、同図に示した宛先情報表示体には、追記用の透明シート64が備えられている。
【0088】
ここで、指紋センサ51では、その上に載せられたユーザの指の指紋を読み取る。
また、画面上に表示される手書き文字入力部52では、その上にタッチペン65で文字等が書かれることにより当該文字等を読み取る。
【0089】
また、宛先ボタン53が押されると表示制御部42では画面上に郵便番号や住所や氏名等の宛先の情報を表示させ、次宛先ボタン54が押されると表示制御部42では次の宛先に係る宛先情報を画面上に表示させる。
また、閲覧ボタン55が押されると表示制御部42では画面上に文書等の内容の情報を表示させる。
【0090】
また、前ボタン56が押されると表示制御部42では前回の表示内容(前の画面の表示内容)を画面に表示させ、次ボタン57が押されると表示制御部42では次回の表示内容(次の画面の表示内容)を画面に表示させる。
また、地図ボタン58が押されると表示制御部42では例えば宛先(配達場所)付近の地図の情報を画面上の地図表示部63に表示させる。
また、アンケートボタン59が押されると表示制御部42では例えばアンケートに関する質問事項の情報を提示するための表示内容やそれに対する回答の情報を受け付けるための表示内容を画面に表示させる。
【0091】
また、画面上に表示される仮想キーボード60は、例えば“0”〜“9”の数字キー等から構成されており、各キーが押されることによって、押されたキーに対応する数字情報等を受け付け、これにより、暗証番号等の情報を受け付ける。また、画面上にはその上部に、バーコードを表示するバーコード部61が設けられている。そして、例えば宛先(配達場所)の経度や緯度の情報やアンケートに対する回答の情報等をバーコードで表示して、これらの情報がバーコード読取装置により読み取られることで他の装置へ出力する構成となっている。
【0092】
また、画面上には、文書等の内容の情報を表示する内容表示部62が設けられる。そして、この例では、セキュリティやプライバシーを確保するために、例えばユーザが暗証番号(指紋や手書き文字でもよい)により本人であることが認証された場合にのみ、文書等の内容の情報が画面上に表示される構成となっている。なお、このような内容情報は、例えば仮想キーボード60(や手書き文字入力部52)が表示される画面と同一の画面上に表示されてもよく、或いは、異なる画面上(次ページの画面上)に表示されてもよい。
【0093】
また、追記用の透明シート64は、例えば宛先情報表示体本体の表面上に複数枚が重ねられて被せられており、ユーザは各透明シート上にペン等により文字等を記載することができる。また、複数枚の透明シート64は、ユーザにより適宜はがされて用いられる。一例として、透明シート64の上から手書きサインを書き込むと、当該手書きサインを当該透明シート64により保持することができるとともに、同一の手書きサインを手書き文字入力部52を介して宛先情報表示体のメモリにより保持することができる。
【0094】
次に、図9(a)を参照して、従来のハガキや封書を用いた配送システム(例えば紙媒体を用いた郵便システム)において行われる処理の手順例を示すとともに、同図(b)を参照して、本例の宛先情報表示体を用いた配送システム(例えば電子ペーパーを用いた郵便(宅配)システムであって、本例では、主にダイレクトメールに関するもの)において行われる処理の手順例を示し、これにより、本例において得られる効果を従来例の場合と比較して示す。
【0095】
まず、図9(a)を参照して、従来例に係る処理の手順例を示す。
すなわち、従来のハガキや封書を用いたやり取りでは、まず、発送人が、ハガキや封書を購入し(ステップS21)、当該ハガキ等に宛名と内容を記述或いは印刷し(ステップS22)、その後、当該ハガキ等を投函する(ステップS23)。すると、投函されたハガキ等は配送されることで(ステップS24)、宛先へ配達され(ステップS25)、当該宛先の受取人が、受け取ったハガキ等を必要に応じて開封して(ステップS26)、その記述内容を閲覧する(ステップS27)。
【0096】
一方、前記受取人が前記発送人に対してハガキ等を返送する場合には、上記と同様に、まず、当該受取人が、ハガキ等を購入し(ステップS28)、当該ハガキ等に宛名と内容を記述等し(ステップS29)、その後、当該ハガキ等を投函する(ステップS30)。すると、上記と同様に、投函されたハガキ等の配送(ステップS31)及び配達(ステップS32)が行われ、受取人となる前記発送人が開封(ステップS33)や閲覧(ステップS34)を行う。
【0097】
次に、図9(b)を参照して、本例に係る処理の手順例を示す。
すなわち、例えば電子ペーパーから成る本例の宛先情報表示体を用いたやり取りでは、まず、発送人は、例えば返信されてきた宛先情報表示体を有していない場合にのみ、新規に宛先情報表示体を購入すればよい(ステップS1)。次に、発送人は、宛先情報表示体に宛名(宛先)と内容の情報を書き込んで(ステップS2)、その後、当該宛先情報表示体を投函する(ステップS3)。なお、本例では、2サイクル目以降のやり取りについては、宛先情報の入力を省略することもできる。
【0098】
次いで、投函された宛先情報表示体は配送されることで(ステップS4)、宛先へ配達され(ステップS5)、当該宛先の受取人が、受け取った宛先情報表示体のスイッチを操作すること等により、当該宛先情報表示体により保持された内容の情報等を閲覧する(ステップS6)。
【0099】
一方、前記受取人は、例えば宛先情報表示体のスイッチを操作すること等により、例えば予め当該宛先情報表示体により保持されている返信先や転送先となる宛先の情報を選択して、選択した宛先情報を当該宛先情報表示体の画面に表示させることができ、また、例えば内容の情報等を当該宛先情報表示体に書き込むことや、既に書き込まれている情報の変更等を行う(ステップS7)。
【0100】
なお、受取人が宛先情報表示体のスイッチを操作して内容情報を閲覧するに際して、例えば暗証番号等のセキュリティコードの入力を受取人から宛先情報表示体により受け付けることや(ステップS13)、例えば宛先情報表示体により保持されている情報を受取人が電子データとして外部に取り出して加工することや(ステップS14)、例えばIT(Information Technology)弱者用に追記用透明シートを組合せて利用可能にすることもできる(ステップS15)。
【0101】
次いで、前記受取人が宛先情報表示体を投函すると(ステップS8)、当該宛先情報表示体が配送(ステップS9)及び配達(ステップS10)され、その宛先に係る新たな受取人が当該宛先情報表示体により保持された情報を閲覧する(ステップS11)。
なお、宛先情報表示体の返信を受けた者は、例えば当該返信内容の情報を当該宛先情報表示体から電子データとして読み出して収集することができる(ステップS12)。
【0102】
ここで、上記図9(b)に示したような本例のシステムでは、例えば同図(a)に示したような従来のシステムと比べて、次のような効果を得ることができる。
(1)電子ペーパー等から成る宛先情報表示体を媒体としてやり取りするため、媒体のリサイクル性を向上させることができ、紙の消費を抑制することができる(環境によい)。
(2)宛先情報表示体に備えられるメモリにより記述情報量を増大させることができる。また、記述内容の変更や修正や加工が容易であり、アンケート等に関するデータ処理や印刷の高速化を図ることも可能である。
【0103】
(3)配送業者により、宛先情報表示体の発送人や受取人に関する顧客管理データを収集して活用することができ、これにより、集金プロセスや課金プロセスや配送プロセスを簡略化することができる。
(4)封書の様な物理的破損を伴わないで、文書等の内容を閲覧することができるため、紙の消費を抑制することができる(環境によい)。
【0104】
(5)宛先情報表示体に認証機能を備えることにより、プライバシーやセキュリティを向上させることができる。
(6)宛先情報表示体に予め転送先や返信先の情報を書き込んでおくことにより、転送時や返信時に宛先情報の書き換えが不要となり、また、既に書き込まれている情報の書き換えも容易であるため、転送作業や返信作業を簡略化することができる。
【0105】
次に、図10(a)を参照して、従来の紙媒体による回覧板を用いた回覧システムにおいて行われる処理の手順例を示すとともに、同図(b)を参照して、本例の宛先情報表示体を用いた回覧システムにおいて行われる処理の手順例を示し、これにより、本例において得られる効果を従来例の場合と比較して示す。なお、同図(a)及び同図(b)では、フローチャートの右側の方に手回しによる回覧の流れを示し、左側の方に郵送による回覧(例えば社内回覧も含む)の流れを示してある。
【0106】
まず、図10(a)を参照して、従来例に係る処理の手順例を示す。
すなわち、従来の回覧板を用いた場合では、まず、発送人が、回覧ベースを購入し(ステップS71)、回覧用紙に宛名と内容を記述或いは印刷し(ステップS72)、その後、回覧板を1番目の回覧者へ手回しで配達する(ステップS73)。なお、郵送が用いられる場合には、回覧板が投函されて(ステップS81)、配送されることにより(ステップS82)、配達される(ステップS73)。
【0107】
すると、回覧板を受け取った受取人は、当該回覧板の内容を閲覧して(ステップS74)、確認欄をチェックする(ステップS75)。なお、郵送が用いられる場合には、受取人により必要に応じて開封作業が行われる(ステップS83)。
次に、受取人は、回覧板を次の(2番目の)回覧者へ手回しで配達する(ステップS76)。なお、郵送が用いられる場合には、受取人が次の転送先となる宛名と必要に応じて追記的な内容を記述等した後に(ステップS84)、回覧板が投函されて(ステップS85)、配送されることにより(ステップS86)、配達される(ステップS76)。
【0108】
すると、上記と同様に、回覧板を受け取った2番目の受取人は、当該回覧板の内容を閲覧して(ステップS77)、上記と同様な回覧作業を行う。なお、郵送が用いられる場合には、上記と同様に、2番目の受取人により必要に応じて開封作業が行われる(ステップS87)。
そして、以上に示したのと同様な回覧作業が以降の回覧者により繰り返して行われ(ステップS78)、最終的に回覧板の返信を受けた者は当該回覧板の用紙に書き込まれた返信データを目視で収集する(ステップS79)。
【0109】
次に、図10(b)を参照して、本例に係る処理の手順例を示す。
すなわち、例えば電子ペーパーから成る本例の宛先情報表示体を回覧板として用いた場合では、まず、発送人は、例えば返信されてきた宛先情報表示体を有していない場合にのみ、新規に宛先情報表示体を購入すればよい(ステップS41)。次に、発送人は、宛先情報表示体に回覧に係る複数の宛名(宛先)と内容の情報を書き込んで(ステップS42)、その後、宛先情報表示体を1番目の回覧者へ手回しで配達する(ステップS43)。なお、郵送が用いられる場合には、宛先情報表示体が投函されて(ステップS61)、配送されることにより(ステップS62)、配達される(ステップS43)。
【0110】
すると、宛先情報表示体を受け取った受取人は、当該宛先情報表示体のスイッチを操作すること等により、当該宛先情報表示体により保持された内容の情報等を閲覧する(ステップS44)。
次に、受取人は、例えば宛先情報表示体のスイッチを操作すること等により、予め当該宛先情報表示体により保持されている転送先となる宛先の情報を選択して、選択した宛先情報を当該宛先情報表示体の画面に表示させることができ、また、例えば内容の情報等を当該宛先情報表示体に書き込むことや、返信用の宛先情報を当該宛先情報表示体に書き込むことも可能である(ステップS45)。
【0111】
なお、受取人が宛先情報表示体のスイッチを操作して内容情報を閲覧するに際して、例えば暗証番号等のセキュリティコードの入力を受取人から宛先情報表示体により受け付けることや(ステップS50)、例えば宛先情報表示体により保持されている情報を受取人が電子データとして外部に取り出して加工することや(ステップS51)、例えばIT弱者用に追記用透明シートを組合せて利用可能にすることもできる(ステップS52)。
【0112】
次いで、受取人は、宛先情報表示体を次の(2番目の)回覧者へ手回しで配達する(ステップS46)。なお、郵送が用いられる場合には、宛先情報表示体が投函されて(ステップS63)、配送されることにより(ステップS64)、配達される(ステップS46)。
【0113】
すると、上記と同様に、宛先情報表示体を受け取った2番目の受取人は、当該宛先情報表示体により保持された内容を閲覧して(ステップS47)、上記と同様な回覧作業を行う。
そして、以上に示したのと同様な回覧作業が以降の回覧者により繰り返して行われ(ステップS48)、最終的に宛先情報表示体の返信を受けた者は当該宛先情報表示体により保持された情報を電子データとして収集することができる(ステップS49)。
【0114】
ここで、上記図10(b)に示したような本例のシステムでは、例えば同図(a)に示したような従来のシステムと比べて、次のような効果を得ることができる。
(1)電子ペーパー等から成る宛先情報表示体を媒体としてやり取りするため、媒体のリサイクル性を向上させることができ、紙の消費を抑制することができる(環境によい)。
(2)宛先情報表示体に備えられるメモリにより記述情報量を増大させることができる。また、記述内容の変更や修正や加工が容易であり、アンケート等に関するデータ処理や印刷の高速化を図ることも可能である。
【0115】
(3)配送業者により、宛先情報表示体の発送人や受取人に関する顧客管理データを収集して活用することができ、これにより、集金プロセスや課金プロセスや配送プロセスを簡略化することができる。一例として、従来の紙による郵便では困難であったものとして、本例では、複数の回覧先へ連続的に宛先情報表示体(回覧板)を郵送することを、課金対象者を特定した状態で行うことができる。そして、例えば宛先情報表示体の最初の発信者に対して回覧に係る全ての配送料金を課金するような新たなサービスを実現することもできる。
(4)封書の様な物理的破損を伴わないで、文書等の内容を閲覧することができるため、紙の消費を抑制することができる(環境によい)。
【0116】
(5)宛先情報表示体に認証機能を備えることにより、プライバシーやセキュリティを向上させることができる。一例として、回覧の途中で回覧者によって追加的に書き込まれたような情報を特定の者以外には見せないようにすることができ、このような情報に関するプライバシーやセキュリティを保護することができる。
(6)宛先情報表示体に予め転送先や返信先の情報を書き込んでおくことにより、転送時や返信時に宛先情報の書き換えが不要となり、また、既に書き込まれている情報の書き換えも容易であるため、転送作業や返信作業を簡略化することができる。
【0117】
次に、図11(a)を参照して、従来の紙の媒体を用いてアンケート等に関する回覧及びその回答の回収及び課金を行うシステムにおいて為されていた課金の仕方を示すとともに、同図(b)を参照して、本例の宛先情報表示体を用いてこのようなシステムを構成した場合に可能な(新たな)課金の仕方の一例を示す。
【0118】
まず、図11(a)を参照して、従来例に係る課金の仕方を説明する。
すなわち、従来では、最初の情報発信者が回覧板を1番目の回覧者(情報受け取り者A)へ郵送する場合には当該情報発信者或いは当該回覧者Aに対して課金が為され(ステップS101)、1番目の回覧者(情報受け取り者A)がアンケートに対する回答情報等を付加して回覧板を2番目の回覧者(情報受け取り者B)へ郵送する場合には前記1番目の回覧者Aに対して課金が為される(ステップS102)。
【0119】
また、2番目の回覧者(情報受け取り者B)がアンケートに対する回答情報等を付加して回覧板を3番目の回覧者(情報受け取り者C)へ郵送する場合には前記2番目の回覧者Bに対して課金が為され(ステップS103)、3番目の回覧者(情報受け取り者C)がアンケートに対する回答情報等を付加して回覧板を元の情報発信者へ郵送する場合には当該3番目の回覧者Cに対して課金が為される(ステップS104)。
【0120】
このように、従来の郵送システム(宅配システムも含む)の課金方法では、紙媒体の発信者か或いは受信者にしか課金をすることができないのが通常であったため、不便な場合も多かった。
【0121】
次に、図11(b)を参照して、本例で可能な課金の仕方の一例を説明する。すなわち、本例では、最初の情報発信者が宛先情報表示体(回覧板)を1番目の回覧者(情報受け取り者A)へ郵送する場合や(ステップS91)、1番目の回覧者(情報受け取り者A)がアンケートに対する回答情報等を付加して宛先情報表示体を2番目の回覧者(情報受け取り者B)へ郵送する場合や(ステップS92)、同様に、2番目の回覧者(情報受け取り者B)が宛先情報表示体を3番目の回覧者(情報受け取り者C)へ郵送する場合や(ステップS93)、3番目の回覧者(情報受け取り者C)が宛先情報表示体を元の情報発信者へ郵送する場合(ステップS94)の全てに関して、各転送が行われる毎に、例えばもともとの情報発信者に対して課金をすることや、或いは、例えば所定の第三者(例えば情報の発信を依頼した者)に対して課金をすることができる(ステップS95)。
【0122】
なお、このような課金情報は例えば宛先情報表示体のメモリにより管理することができ、この場合、宛先情報表示体には、例えば課金対象者となるもの者を特定する情報等が設定されて管理される。
このように、本例では、例えば情報元の発信者やそれ以外の第三者に対して課金をすることが可能な課金システムを実現することができ、これにより、例えば情報の受取人が複数人に跨った場合においても、情報発信者やその他の第三者に対してまとめて課金をすることが可能となる。
【0123】
次に、電子ペーパー等から成る宛先情報表示体を用いた配送サービスの一実施態様例として、インターネットを介して情報の配送依頼を受け、当該依頼に係る情報を宛先情報表示体により配送するサービスを示す。
図12には、このような配送サービスを実現する配送サービスシステムの一例を示してあり、このシステムには、依頼者の端末装置(例えばコンピュータ等)71や、サービス業者の端末装置(例えばコンピュータ等)72や、宛先情報表示体73が備えられている。
【0124】
まず、情報配送の依頼者は例えば自己の端末装置71を操作して、当該端末装置71とサービス業者の端末装置72とをインターネットを介して接続し、これにより、配送して欲しい宛先の情報や配送して欲しい内容の情報等をインターネットを介して自己の端末装置71からサービス業者の端末装置72へ送信する。
【0125】
一方、サービス業者はその端末装置72により依頼者からの依頼を受けたことに応じて、当該端末装置72により受信した宛先情報や内容情報を出力して宛先情報表示体73に書き込み、その後、当該宛先情報表示体73を依頼者により指定された宛先74へ配送する。そして、例えば上記した情報配送の依頼者に対して課金をする。
本例の宛先情報表示体を用いると、このような配信サービスを実現することが可能である。
【0126】
更に、宛先情報表示体73は回収され(郵便投稿若しくは回収サービス)、追記された情報はサービス業者の端末装置72及びインターネットを介して情報発信依頼者の端末装置71へ返信される。
【0127】
以上のように、本例の宛先情報表示体を用いると、種々な効果を得ることができ、以下に具体的な効果の例を示す。
(1)配送物の宛名シートやハガキとして宛先情報表示体(電子ペーパー等)を使用することにより、表示内容を必要な時に当該宛先情報表示体に記録された宛先に瞬時に切り替えることで、転送や返信の為の宛先の書き換えを容易にすることができる。
(2)メモリを利用することより、従来のハガキ等の紙媒体の様に紙の枚数に制約されることをなくすことができ、複数枚の情報を宛先情報表示体により送付することが可能となる。
【0128】
(3)画面に表示される電子情報が書き換え容易であるため、媒体(宛先情報表示体)の再利用が可能となる。
(4)最初の発送者や受信者に関する電子情報を記録することにより、配送の課金対象となる者を任意に変更することが可能となるとともに、指紋認識やサイン認識や暗証番号等による照会機能を付加することにより、紙媒体では出来なかったセキュリティ性の向上やプライバシー性の向上を図ることが可能となる。
【0129】
(5)従来のフロッピーディスクやCD−Rを用いた場合と比べると、例えば内容情報の閲覧用に表示装置を別に必要とせずに、宛先情報表示体を受け取ったその場で内容情報を閲覧することを可能な構成とすることもでき、発送時における梱包の必要をなくすことも可能である。
(6)宛先情報表示体と外部の通信手段とを接続することにより、宛先情報表示体のメモリに記録されているデータ以外に、発信者や受信者の希望する情報を外部から取得して画面に表示させることができる。
(7)例えばITリテラシーの低い層に対しても、PC環境に近い情報伝達を提供することが可能となる。
【0130】
ここで、本発明に係る宛先情報表示体の構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。一例として、本実施形態では、表示画面を一方の面に備えた電子ペーパーを用いて宛先情報表示体を構成したが、表示画面を両面に備えた電子ペーパーを用いて宛先情報表示体を構成することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は種々なものに適用することが可能である。
【0131】
また、本実施形態では、本発明に係る宛先情報表示体により行われる種々な処理が、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROMに格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成としたが、例えば当該処理を実行するための各機能手段を独立したハードウエア回路として構成することもできる。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピーディスクやCD−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る宛先情報表示体や、当該宛先情報表示体を用いた回覧システムやアンケートシステムによると、例えば郵便(宅配も含む)媒体若しくはその宛名(宛先)書きシートとして電気的に書き換え可能な表示デバイスを備えた電子ペーパー等を用いることにより、転送や返信の為の宛名の書き換えを容易にすることができる。また、例えば紙の枚数に制約されることなく、複数枚の情報を送付することもでき、また、配送の課金対象者を任意に変更することも可能となるとともに、セキュリティ性を向上させることも可能となる。
【0133】
更に、例えば従来の電子記録メディアの様に閲覧用に表示装置を別に必要とはせずに宛先情報表示体を受け取ったその場で内容情報を閲覧することが可能な構成とすることもでき、また、メモリに記録されているデータ以外に発信者や受信者の希望する情報を外部から取得して画面に表示させることもできる。そして、このような効用により、例えばPC等の装置に依存せずに電子情報のやり取りを可能とすることができ、ITリテラシーの低い層に対しても、PC環境に近い情報伝達や利便性を提供することが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る宛先情報表示体のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図2】 宛先情報表示体の利用態様の一例を示す図である。
【図3】 宛先情報表示体の利用態様の一例を示す図である。
【図4】 宛先情報表示体の利用態様の一例を示す図である。
【図5】 宛先情報表示体の利用態様の一例を示す図である。
【図6】 宛先情報表示体の利用態様の一例を示す図である。
【図7】 多機能モデルを採用した宛先情報表示体のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図8】 多機能モデルを採用した宛先情報表示体の外観の一例を示す図である。
【図9】 配送システムにおいて行われる処理の手順例を示すフローチャート図である。
【図10】 回覧システムにおいて行われる処理の手順例を示すフローチャート図である。
【図11】 本発明において実施可能な課金方法の一例を説明するための図である。
【図12】 配送サービスシステムの一例を示す図である。
【符号の説明】
1、13、23・・データ転送ポート、 2・・内部メモリ、
3、41・・表示デバイス、 4、49・・CPU、
11、21、31、73・・宛先情報表示体、 12、22、32・・表示部、
14、24、35・・画面切り替えスイッチ、
15、25、36・・モード切り替えスイッチ、 33・・通信モジュール、
34・・外部接続端子、 37・・通信機器、 42・・表示制御部、
43・・指紋センサ部、 44・・手書き入力部、 45・・ボタン部、
46・・仮想キーボード部、 47・・ROM、 48・・RAM、
51・・指紋センサ、 52・・手書き文字入力部、 53・・宛先ボタン、
54・・次宛先ボタン、 55・・閲覧ボタン、 56・・前ボタン、
57・・次ボタン、 58・・地図ボタン、 59・・アンケートボタン、
60・・仮想キーボード、 61・・バーコード部、 62・・内容表示部、
63・・地図表示部、 64・・追記用透明シート、 65・・タッチペン、
71・・依頼者の端末装置、 72・・サービス業者の端末装置、
74・・宛先、
Claims (14)
- 宛先情報を電子的に表示して当該宛先情報の表示が電子的に書き換え可能である表示手段と、宛先情報を表示手段により表示可能に複数保持するメモリと、表示手段に表示させる宛先情報を切り替える指示入力をユーザから受け付ける宛先表示切替指示手段と、当該指示入力に応じてメモリ中の該当する宛先情報に切り替えて表示手段により表示させる宛先表示切替手段とを備え、配送物の宛先を特定すべく当該配送物に付される媒体又は当該配送物自体として用いられることを特徴とする宛先情報表示体。
- 請求項1に記載の宛先情報表示体において、
宛先人に提示する内容情報をメモリに保持し、
宛先情報から内容情報に表示を切り替える指示入力をユーザから受け付ける内容表示切替指示手段と、
当該指示入力に応じてメモリ中の内容情報に切り替えて表示手段により表示させる内容表示切替手段と、を備えたことを特徴とする宛先情報表示体。 - 請求項2に記載の宛先情報表示体において、
複数の内容情報をメモリに保持し、
前記内容表示切替指示手段は、表示手段に表示させる内容情報を切り替える指示入力をユーザから受け付け、
前記内容表示切替手段は、当該指示入力に応じて該当する内容情報に切り替えて表示させることを特徴とする宛先情報表示体。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の宛先情報表示体において、
表示対象となる情報の全部又は一部がバーコードで表示されることを特徴とする宛先情報表示体。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の宛先情報表示体において、
外部から情報を受け付けて情報受付手段を備え、
受け付けた情報をメモリに保持することを特徴とする宛先情報表示体。 - 請求項3又は請求項4に記載の宛先情報表示体において、
ユーザから認証に関する情報を受け付ける認証情報受付手段と、
受け付けた認証情報に基づいてユーザを認証する認証手段と、を備え、
前記内容表示切替手段は、ユーザを認証したことを条件に内容情報を表示させることを特徴とする宛先情報表示体。 - 請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の宛先情報表示体において、
Webサイトの接続先情報を含む内容情報をメモリに保持し、
当該接続先情報により指定されるWebサイトへアクセスして当該Webサイトの情報を取得するアクセス手段を備えたことを特徴とする宛先情報表示体。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の宛先情報表示体において、
ユーザにより情報を書き込むことが可能な透明シートを備えたことを特徴とする宛先情報表示体。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の宛先情報表示体において、
設定された者に対する課金の情報を管理する課金管理手段を備えたことを特徴とする宛先情報表示体。 - 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の宛先情報表示体において、
電子ペーパーを用いて構成されたことを特徴とする宛先情報表示体。 - 宛先情報を電子的に表示して当該宛先情報の表示が電子的に書き換え可能である表示手段と、回覧の順序の情報を保持するとともに複数の宛先情報を保持するメモリと、表示手段に表示させる宛先情報を切り替える指示入力をユーザから受け付ける宛先表示切替指示手段と、指示入力に応じて宛先情報を回覧の順序に従って切り替えて表示手段により表示させる宛先表示切替手段とを備え、配送物の宛先を特定すべく当該配送物に付される媒体又は当該配送物自体として用いられることを特徴とする宛先情報表示体。
- 請求項11に記載の宛先情報表示体を用いた回覧システムであって、前記宛先情報表示体により表示される宛先情報により指定される宛先へ当該宛先情報表示体が配達された場合に、当該宛先ユーザからの指示入力に応じて当該宛先情報表示体により表示させる宛先情報が次の回覧順序に係る宛先情報に切り替えられることを特徴とする回覧システム。
- 宛先情報を電子的に表示して当該宛先情報の表示が電子的に書き換え可能である表示手段と、ユーザからアンケートに関する回答情報を受け付けるアンケート回答情報受付手段と、受け付けた回答情報をメモリに保持するアンケート回答情報保持手段と、ユーザの宛先情報及びアンケートの返信先の宛先情報を保持するメモリと、表示手段に表示させる宛先情報を切り替える指示入力をユーザから受け付ける指示受付手段と、指示入力に応じてユーザの宛先情報からアンケートの返信先の宛先情報に切り替えて表示手段により表示させる宛先表示切換手段とを備え、配送物の宛先を特定すべく当該配送物に付される媒体又は当該配送物自体として用いられることを特徴とする宛先情報表示体。
- 請求項13に記載の宛先情報表示体を用いたアンケート情報収集システムであって、
ユーザから受け付けてメモリに保持した回答情報を、当該回答情報を読み込む端末とインターネットを介して指定の情報収集者の端末へ送信することを特徴とするアンケート情報収集システム。
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