JP3959658B2 - 透明バリアフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
透明性、ガスバリア性、耐屈曲性に優れた食品、医薬品、電子部品等の気密性を要求される包装材料、または、ガス遮断材料として優れた特性を持つフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガスバリア性のすぐれたフィルムとしては、ポリアミド(ナイロン Ny)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、上にアルミニウムを積層したもの、塩化ビニリデンやエチレンビニールアルコール共重合体をコーティングしたものが知られている。また、無機薄膜を利用したものとしては、酸化珪素、酸化アルミニウム薄膜等を積層したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のガスバリア性フィルムは、次のような課題を有していた。アルミニウム積層品は、経済性、ガスバリア性の優れたものではあるが、不透明なため、包装時の内容物が見えず、また、マイクロ波を透過しないため電子レンジの使用ができない。塩化ビニリデンやエチレンビニールアルコール共重合体をコーティングしたものは、水蒸気、酸素等のガスバリア性が十分でなく、特に高温処理においてその低下が著しい。また、塩化ビニリデン系については、焼却時の塩素ガスの発生等があり、地球環境への影響も懸念されている。
【0004】
一方、内容物が見え、電子レンジの使用が可能なガスバリアフィルムとして、酸化硅素、酸化アルミニウムをNyフィルム、PETフィルム、PPフィルム、上に積層したフィルムがある。しかし、Nyフィルムに無機酸化物を積層したフィルムはNyフィルムが置かれた雰囲気の湿度変化によりNyフィルムの寸法が変化するため、無機酸化物層に応力がかかり、割れ、バリア性を劣化させる欠点がある。
【0005】
PPフィルム、PETフィルムに無機酸化物を積層したフィルムはフィルムの耐ピンホール性、耐衝撃性が小さいため重量物を包装して落ちしたときなど破れてたり、振動等によりピンホールが発生する欠点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明性、ガスバリア性、耐ピンホール性、耐衝撃性に優れた食品、医薬品、電子部品等の気密性を要求される包装材料、または、ガス遮断材料として優れた特性を持つフィルムを提供する。すなわち、トリメチレンテレフタレート(PTT)フィルムの少なくとも片面に無機酸化物を主たる成分とする薄膜が形成されたことを特徴とする積層フィルムである。
【0007】
本発明で言う無機酸化物とは酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物と酸化硅素等の半金属酸化物、またこれらの複合物を言う。これらの中には酸化が完全でなく酸素を若干欠損したもの、例えばSiOx(x=1.5〜1.9)といった表現をする無機酸化物も含む。
【0008】
この無機酸化物はPTTフィルムの少なくとも片面に真空蒸着、スパッタ、CVD等のドライプロセスにより形成し透明ガスバリアフィルムを作成する。バリア性能面から言うとスパッタ、CVD、が良いが、生産性を考慮すると蒸着、CVD法での製造が好ましい。
【0009】
本発明の無機酸化物層は衛生性、バリア性能から見て酸化アルミニウム、酸化硅素、およびこれらの複合酸化物が好ましい。
【0010】
また、少なくとも片面に無機酸化物層を持つPTTフィルムを通して包装内容物が正確に見えるため無機酸化物層は無色透明が好ましくその意味では蒸着法による酸化アルミニウム、酸化硅素−酸化アルミニウムの複合酸化物、CVD法による酸化硅素が好ましい。
【0011】
本発明の無機酸化物層の厚みは特に限定するものでないが、可撓性、バリア性の面より8〜100nmが好ましく、特に好ましいのは12〜60nmである。
【0012】
本発明のPTTフィルムはPTT樹脂を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方向、および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムである。好ましくは長手方向、幅方向に2倍以上延伸した方が機械特性に優れる。
【0013】
PTT樹脂は、テレフタル酸成分及び1,3−プロパンジオール成分以外に、イソフタル酸、無水フタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルポン酸、アジピン酸、セバシン酸、ε−カブロラクトン、4−ヒドロキシ安息香酸等のエチレンオキシド付加物、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールAやビスフェノールS等のグリコール類を、本発明の効果を損なわない範囲で共重合したものでもよい。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリッフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイドなどを本発明の効果を損なわない範囲でブレンドしたりしてもよい。
【0014】
さらにこのPPT樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度は特に限定するものではないが70%以上の透過率をもつものが好ましい。
【0015】
本発明のPPTフィルムは、本発明の目的を損なわない限りにおいて、無機酸化物層を積層するに先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されていてもよい。本発明のPPTフィルムは、その厚さとして5〜500μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは8〜50μmの範囲である。
【0016】
本発明品は単独で使われてもよいし、他のフィルムと組み合わせても良い。例えばシーラントを設けるために未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)、未延伸ポリエチレンフィルム(PE)とドライラミネーション、あるいはポリエチレンによりサンドラミネーションしたり、PPフィルム、PETフィルム、Nyフィルム(ONy)とラミネーションしても良い。さらに直接本発明品に印刷加工等の加工をしても良い。
【0017】
【実施例】
次に実施例をあげて説明をする。
〔実施例1〕
PPT樹脂を押出し横方向に2倍縦方向に2倍延伸して厚さ15μmのPPTフィルムを作成した。電子銃加熱真空蒸着装置を使いSiOを蒸着原料としてSiOx(x=1.7)の層を形成した。層の厚みは60nmであった。出来上がった透明バリアフィルムの酸素透過度を酸素透過度測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN100)を用いて測定した。
測定条件は始めに湿度0%RH、温度25℃で測定し、続いて湿度を95%RHにあげて測定した。結果を表1に示す。
【0018】
〔比較例1〕
PPTフィルムの代わりに15μmNyフィルム(東洋紡績株式会社製 N1100)を使った以外実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0019】
〔実施例2〕
実施例1で作成したフィルムを耐屈曲性テストした。
耐ピンホール性テストは、いわゆるゲルボフレックステスター(理学工業(株)社製)を用いて評価した。条件としては(MIL−B131H)で112inch×8inchの試料片を直径3.5inchの円筒状とし、両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、ストロークの3.5inchで、440度のひねりを加えその後2.5inchひねりを加えず直線運動で押し潰すものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/minの速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で100回行った。その後フィルムに開いたピンホールの数を数えた。その結果を表2に示す。
【0020】
〔比較例2〕
比較例2で基板フィルムを12μmPETフィルム(東洋紡績株式会社製 E5100)を使った以外実施例2と同様にした。結果を表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
酸素透過度 単位cc/m2/day/atm
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】
本発明により透明ガスバリアフィルムの透明性、ガスバリア性、耐ピンホール性、耐衝撃性を向上させることが出来る。
Claims (1)
- 長手方向、幅方向に2倍以上延伸された、厚さが8〜50μmの範囲内であるトリメチレンテレフタレート(PTT)フィルムの少なくとも片面に、蒸着法により形成された酸化アルミニウム薄膜、蒸着法により形成された酸化硅素―酸化アルミニウムの複合酸化物薄膜、 CVD 法により形成された酸化硅素薄膜のいずれかの薄膜が形成され、該薄膜の厚さが12〜60nmの範囲内であることを特徴とする積層フィルム。
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JP31953897A JP3959658B2 (ja) | 1997-11-20 | 1997-11-20 | 透明バリアフィルム |
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JPH11151773A JPH11151773A (ja) | 1999-06-08 |
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JP (1) | JP3959658B2 (ja) |
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1997
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