JP3959198B2 - 超電導キャビティ、その製造方法、及び超電導加速器 - Google Patents

超電導キャビティ、その製造方法、及び超電導加速器 Download PDF

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    • H05H7/14Vacuum chambers
    • H05H7/18Cavities; Resonators
    • H05H7/20Cavities; Resonators with superconductive walls

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超電導キャビティ、その製造方法、及び超電導加速器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無酸素銅製やニオブ製のキャビティを溶接組立てする場合に、電子ビーム溶接法が多く利用されている。この場合、キャビティの外側からアイリス部やセル部の溶接を行なうことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平4−322100号公報「加速管の製造方法」には、YAGレーザビームを接合部内面に照射し、接合部内面近傍を溶融させることを特徴とする方法が記載されているとともに、加速管内部を不活性ガス雰囲気とする旨が記載されている。しかし、この公報の図中からは具体的な方法が全く読み取れず、光ファイバーから得られるYAGレーザビームだけでは、溶接は不可能である。よってこの場合、何らかの複雑な光学系と駆動系が必要になる。
【0004】
図10は、従来法による高エネルギビーム溶接の状態を示す図であり、(a)は通常の高エネルギービーム溶接断面形状59、(b)はギャップが大きい場合の目はずれ溶接断面形状60、(c)は溶け落ちによるアンダーカット溶接断面形状61を示している。
【0005】
従来の電子ビーム溶接では、外周部からの溶接となるため、貫通溶接が基本となる。そこで、開先に隙間が若干でも発生すると、図10の(a)に示すように凸状の裏ビードが発生したり、図10の(b)に示すように開先ギャップにより融合不良が発生したり、あるいは図10の(c)に示すように溶接部が溶け落ちてアンダーカットの溶接ビードとなる可能性がある。
【0006】
一方、レーザ溶接の場合には、通常レーザ光を照射する側から不活性ガスを供給しながら溶接を行なうが、ニオブや無酸素銅のような活性金属、あるいは酸化し易い材料の場合、十分な酸化防止のシールドを行なえない。また、通常裏面側は不活性ガス雰囲気ではないため、このような金属の場合、何らかの不活性ガス雰囲気を十分に形成しなければならない。
【0007】
レーザ溶接の場合も、基本的には電子ビームの溶接ビード形状と同じであることから、レーザ光で外周から溶接する場合には、同様な欠陥が発生する可能性がある。このことから、レーザ光で溶接する場合には、セル部及びアイリス部の内側から溶接することが適切と考えられる。このような小径管内径に駆動部を含めたコンパクトな光学系を開発することが技術課題の一つのポイントとなっている。
【0008】
また、内側溶接部は内径が大きく異なるため、単一光学系では対応できず、少なくとも2種類以上の光学系が必要となる。しかし、2種類の光学系を内径の小さいアイリス部品に通過させることは難しい。この2種類の光学系を適当な位置に制御し位置決めする方法を含めて光学的制御が必要となる。
【0009】
また、アイリス部及びセル部の内径の真円度は、プレス製品であることから端面を機械加工しても中心軸に対して偏心する。この場合、レーザ光の焦点の位置制御及び溶接線ずれの制御を遠隔で行なう方法などの開発が必要となる。
【0010】
レーザ溶接を行なう場合には、2種類の方法が考えられる。内側からの貫通溶接ではなく非貫通で溶接を行ない、外周からも非貫通溶接を行なうためにキャビティを回転させるか、あるいは光学系を回転させるが、これらは駆動系が大きく異なる。すなわち、高精度な位置決めが可能で最適な駆動系が必要となる。
【0011】
また通常、キャビティに使用される材料はニオブである。このニオブは非常に高価であるため、母材を無酸素銅で形成する場合、無酸素銅の溶接は、通常レーザ溶接では困難である。したがって、無酸素銅をレーザ溶接する方法を開発する必要があり、かつ、無酸素銅内面の表面をニオブにするための方法の開発が必要となる。
【0012】
本発明の目的は、溶接欠陥のない高品質な超電導キャビティ、その超電導キャビティの製造方法、及びその超電導キャビティにより構成される超電導加速器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の超電導キャビティ、その製造方法、及び超電導加速器は以下の如く構成されている。
【0014】
(1)本発明の超電導キャビティの製造方法は、レーザ光を利用して溶接する際にキャビティ全体を容器内に軸方向を縦にしてセットし、前記レーザ光の集光用光学ヘッドを前記キャビティの内側に挿入した状態で前記キャビティ内及び前記容器内の両方の空気を吸引し、その後不活性ガスの吸入を行ない前記キャビティの外側及び内側の雰囲気を高純度で同圧の不活性ガス雰囲気にした状態で前記レーザ光により溶接する超電導キャビティの製造方法であって、前記溶接は、板材を曲げ加工することにより直管を製造し、前記直管の内側から治具により固定して行ない、前記直管の溶接、第1のアイリス部である「前記直管と第1のセル部との突合せ部」の溶接、前記第1のセル部の長径部の溶接、及び第2のアイリス部である「前記第1のセル部の短径部と第2のセル部の短径部との突合せ部」の溶接を、まず内側からのレーザ光による非貫通溶接で行ない、その後に外部からもレーザ光により非貫通溶接で行ない、前記第1のアイリス部の溶接、前記第1のセル部の長径部の溶接、及び前記第2のアイリス部の溶接の開先は、段付き形状である。
【0019】
(2)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記(1)に記載の方法であり、かつ前記第1のアイリス部の溶接、前記第1のセル部の長径部の溶接、及び前記第2のアイリス部の溶接を行なう際に、レーザ光によるスポット溶接の仮止め、あるいは溶接深さ1.5mm以下での仮止め溶接を行なった後、本溶接を行なう。
【0020】
(3)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記(1)または(2)に記載の方法であり、かつ前記第1及び第2のアイリス部と前記第1及び第2のセル部を構成するキャビティの溶接組立をレーザ光を用いて行なう際に、レーザ光の光軸が前記第1及び第2のアイリス部及び前記第1及び第2のセル部の少なくとも一方の回転中心と平行をなすとともに、内側から前記第1及び第2のアイリス部の溶接を行なう際に第1の集光光学系を用い、内側から前記第1及び第2のセル部の溶接を行なう際に第2の集光光学系を用いる
【0021】
(4)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記(3)に記載の方法であり、かつ前記第1及び第2の集光光学系の一方の集光光学系にレーザ光を導入し溶接を行なうために、一つ以上の反射ミラーを遠隔操作で開閉し、前記第1及び第2の集光光学系の他方の集光光学系にレーザ光を導入できる機構を備えた。
【0022】
(5)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記(3)または(4)に記載の方法であり、かつ前記キャビティを内側から溶接する際に、前記第1及び第2の集光光学系が光軸を中心にあるいは前記キャビティの中心軸を中心に回転し、前記キャビティを固定した状態で溶接行なう。
【0023】
(6)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記(5)に記載の方法であり、かつ前記第1及び第2の集光光学系を回転させて内側から溶接を行ない、さらに外側から非貫通溶接を行なう場合に、前記キャビティを回転させて溶接する。
【0024】
(7)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記(3)乃至(6)のいずれかに記載の方法であり、かつ前記第1及び第2の集光光学系は、前記第1及び第2のアイリス部及び前記第1及び第2のセル部の少なくとも一方の内径の変動量に応じて集光点の位置を自動的に調整する手段、または前記変動量を自動的にフィードバックして高さ制御を行なう手段を備えた。
【0025】
(8)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記(3)乃至(7)のいずれかに記載の方法であり、かつ前記第1及び第2の集光光学系は、開先をモニターし溶接線の位置ずれを検出する検出手段と、この検出手段で検出された位置ずれを基に前記溶接線の位置を補正する補正手段と、を備えた。
【0026】
(9)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記(3)乃至(8)のいずれかに記載の方法であり、かつ内側溶接及び外側溶接において、溶接線近傍にスパイラルまたは溶接ビードを重ね溶接幅を広くして行ない、かつ前記第1及び第2の集光光学系及び前記キャビティの回転制御と位置制御を行なう機構を備えた。
【0027】
10)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記()に記載の方法であり、かつ外周溶接において、前記キャビティを回転する手段と、前記キャビティの外部に設けられた集光光学系を前記キャビティの中心軸と平行に駆動する手段と、備えた。
【0028】
11)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の方法であり、かつ前記キャビティの母材が無酸素銅で構成される場合に、銅及びニッケルの合金材をシム材として利用し無酸素銅同士の間に挿入して内側から溶接する。
【0029】
12)本発明の超電導キャビティの製造方法は上記(11)に記載の方法であり、かつ前記無酸素銅同士の溶接で組み立てられた前記キャビティの内側にニオブの電極を設置し、メッキ処理を行なうことで前記キャビティの内面にニオブのメッキ層を構成するか、あるいはイオンビームまたは化学蒸着法により前記キャビティの内面にニオブの蒸着層を形成する。
【0030】
13)本発明の超電導キャビティは、上記(1)乃至(12)のいずれかに記載の製造方法で製造されている。
【0031】
14)本発明の超電導加速器は、上記(13)に記載の超電導キャビティにより構成されている。
【0032】
上記手段を講じた結果、それぞれ以下のような作用を奏する。
【0033】
(1)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、溶接欠陥がなくなり、またスパッターなどがキャビティの内部に付着しないため、超真空容器の製造を容易に行なえ、かつ高品質な溶接が可能となる。
【0034】
(2)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、キャビティの溶接には、アイリス部と称する直管とセル部との突合せ部及びセル部とセル部の短径部の突合せ部と、セル部と称するセル部とセル部の長径部の突合せ部があるが、ニオブ製などの直管の製造法において、板材をローラ曲げ加工して長管を製造し、その管の内側から、レーザ光の光学系と突合せ部とに隙間がないよう治具によりクランプして溶接することができる。
【0035】
(3)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、内側の表面でほぼ平らな溶融表面が得られ、またスパッターなどが発生せず良好な溶接が可能となる。
【0036】
(4)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、内側と外側の両方の溶接を行なう場合よりも早い時間で溶接を行なうことができる。
【0037】
(5)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、アイリス部とセル部を組み立て、容器内に挿入して遠隔で溶接を行なうことができる。
【0038】
(6)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、段付き形状の開先をある程度固定した後、本溶接を行なうことができる。
【0039】
(7)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、アイリス部とセル部の双方の溶接を効率良く行なうことができる。
【0040】
(8)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、アイリス部とセル部の双方の溶接を遠隔操作で効率良く行なうことができる。
【0041】
(9)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、内側からの円周方向への溶接を安定した状態で行なうことができる。
【0042】
(10)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、各集光光学系を回転させて内側から比較的浅い溶接を行なった後、外側から非貫通溶接を行なうことで、両側からの確実な溶接が行なえる。
【0043】
(11)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、アイリス部やセル部の内径の変動による集光点の位置ずれを自動的に補正することができる。
【0044】
(12)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、溶接線の位置ずれを自動的に補正することで一層精確な溶接を行なうことができる。
【0045】
(13)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、溶接幅が広くなるため、確実な溶接が可能となる。
【0046】
(14)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、キャビティを回転することで、外側の溶接光学系を回転せずに外周溶接を行なうことができる。
【0047】
(15)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、無酸素銅同士の溶接を容易に行なうことができる。
【0048】
(16)本発明の超電導キャビティの製造方法によれば、無酸素銅同士の溶接を安価に行なうことができる。
【0049】
(17)本発明の超電導キャビティによれば、溶接欠陥がなくなり、高品質でコンパクトな構成をなし、容易に製造可能なものとなる。
【0050】
(18)本発明の超電導加速器によれば、高性能かつ高品質なものに製造される。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る超電導キャビティ及びその製造方法について図面を参照して説明する。
【0052】
図1は、本実施の形態に係る超電導キャビティ(超電導空胴)の溶接装置の構成を示す図である。図1において、キャビティ本体1を溶接組立てする際、キャビティ本体1内にアイリス部2とセル部3にそれぞれ適した集光光学系であるアイリス部内側溶接用光学系7とセル部内側溶接用光学系6が挿入され、さらに各集光光学系を回転する回転駆動系(キャビティ内光学系回転駆動部)12、及び各集光光学系を軸方向に移動する直線駆動系(キャビティ内光学系軸駆動部)13が備えられている。
【0053】
また、キャビティ本体1の外周を溶接するために、外側溶接光学系8を高さ方向及び軸方向に駆動する駆動系(外側溶接用軸駆動モータ)15が備えられている。さらに駆動系として、キャビティ本体1を回転する回転モータ(キャビティ本体回転モータ)14が備えられている。
【0054】
そして、アイリス部2やセル部3を溶接する際には、これら構成部品が容器5内に挿入、設置される。容器5は密閉されており、容器5内の雰囲気を不活性ガス例えばアルゴンガスの雰囲気にするために、真空ポンプ9により容器5の内側の空気を排出する。その後、バルブ10を閉じてバルブ11を開き、不活性ガスを吸入し、キャビティ内部に含み不活性ガスの雰囲気を形成する。
【0055】
図2は、直管の溶接方法を示す図である。図2には、直管16の軸方向の溶接方法を示しており、板厚3mmのニオブ板(あるいはニオブクラッド材)をローラ曲げ加工により曲げ、軸方向の溶接を行なう。この場合、直管16の内側から溶接するため、図1で示したアイリス部内側溶接用光学系7を直管16の内側に挿入し、軸方向の直線駆動系13を駆動させて溶接する。この場合も、容器5の中にアイリス部2の溶接治具17を入れ、クランプ機構により固定する。
【0056】
その後、不活性ガス雰囲気中で、図2に示すアイリス部2の軸方向の溶接線18に沿って溶接をする。なお、レーザ溶接条件は、出力2.8kW、溶接速度0.5m/minである。この場合、貫通溶接を行なっている。
【0057】
図3は、アイリス部2とセル部3の内側及び外側溶接方法を示す図である。図1に示した溶接装置でキャビティ本体1のアイリス部2とセル部3を溶接する場合、図3に示す内側及び外側溶接方法では、アイリス部2の溶接にアイリス部内側溶接用光学系7を使用する。
【0058】
この場合、まず内側からアイリス部溶接部19の非貫通溶接を出力2.8kW,溶接速度1.0m/minのレーザ光で行ない、アイリス部内側溶接断面21を形成する。また、セル部3については、セル部内側溶接用光学系6を用いてセル部溶接部20にアイリス部2の場合と同様な条件、出力2.8kW,溶接速度1.0m/minで同様に非貫通溶接を行ない、セル部内側溶接断面22を形成する。
【0059】
その後、外周専用の集光光学系である外側溶接光学系8を用いて、出力2.8kW,溶接速度1.0m/minの条件でセル部3及びアイリス部2の溶接を行なう。これらの断面図を、それぞれ23と24に示す。このような方法を用いると、内側の表面では、ほぼ平らな溶融表面が得られ、またスパッターなどが発生せず良好が溶接が可能となる。
【0060】
また実験では、図1に示した両内側溶接用光学系6,7を用いて、出力2.8kW,溶接速度0.5m/minでアイリス部2とセル部3の貫通溶接を行なった。この場合、若干の凹凸及びスパッターが内部に発生したため、内部の溶接周辺をフラップホールとバフ仕上げにより鏡面に仕上げた。この場合には、トータルの溶接時間は、内側と外側の両方の溶接を行なう場合よりも早い。
【0061】
図4は、アイリス部2とセル部3の開先形状を示す図である。アイリス部2とセル部3の開先形状としては、図4に示すようにレーザ溶接では通常I開先25を利用するが、この開先ではキャビティ全体を容器5に入れて溶接することは、組立てはずれが生じるためできない。このため、お互いに組み合わさるようにインロウ型段付き形状開先26を利用することが最適である。
【0062】
本実験では溶接を行なう前に、キャビティ全体を固定する必要があるため、レーザ光で8箇所のスポット溶接を外側からあるいは内側から行なった。これにより、キャビティ全体を回転できることになる。この仮り止めには、スポット溶接だけではなく内側全周を高速で、例えば2.8kW出力,溶接速度3m/min程度で溶接することも可能であった。
【0063】
次に、各機器の説明を行なう。
【0064】
図5は、溶接用光学系のレイアウトと機能を示す図である。まず、図5を基に集光光学系とその機能について説明する。回転軸36から少し離れかつ平行をなすよう、光ファイバー4を介してレーザ光出射口27からYAGレーザ光が広がりながら出射される。この広がるレーザ光を平行にするために、コリメータレンズ28が備えられている。次に、平行に整形されたレーザ光は、光路切換えミラー29で反射された後、反射ミラー30,31で反射される。そして、レーザ光が最終的にアイリス部溶接線38に集光されるように、集光レンズ32が内蔵されている。
【0065】
さらに、セル部溶接線39を溶接する場合に、光路切換ミラー29がエアーの圧力で下方に下がる機構が備えられてる。このミラー29が下方に下がると、レーザ光は通過し、反射ミラー33及び反射ミラー34で反射され、最終的に集光レンズ35により集光され、セル部3の溶接が行なわれる。以上の光学部品は、一体型として光学部品内蔵容器37に構成されている。この光学部品内蔵容器37の直径は、アイリス部2の内径よりも小さく構成されている。
【0066】
また、セル部3の直径はアイリス部2の内径よりも十分に大きいため、集光レンズの設置場所は、このままではアイリス部2の内径よりも大きくなる。そこで、セル部3の溶接用集光光学系であるセル部内側溶接用光学系6は、モータ駆動によりアイリス部2を通過する場合に、90°折り曲げてアイリス部2の直径よりも小さく折りたたむ構成としている。
【0067】
図6は、光学部品の具体的な機能と構成を示す図であり、(a)はアイリス部、(b)はセル部を示す。以下、図6を基に具体的な構成を説明する。図6の(a)に示すアイリス部2の溶接の際に、光ファイバー軸40上のレーザ光は、オフセットされた位置で回転中心36と平行をなすよう図面に対して垂直な方向に設けられたコリメータレンズ28を通過後、ミラー29で反射され、上部の反射ミラー30で左側に反射され、反射ミラー31で下方に反射されて伝送される。これにより、アイリス部2の溶接線での溶接は、集光レンズ32でレーザ光を集光することにより可能となる。
【0068】
そして、ノズル41には接触式ローラ42が備えられており、さらに高さ変化に倣うためにスプリング43が設けられている。しかし、このままスプリング43に圧力が掛かっていては、アイリス部2から光学系全体が抜けなくなるため、エアーシリンダー用ガスポケット44がノズル41周辺に備えられている。このエアーシリンダー用ガスポケット44にガス圧をかけると、ノズル41が上部へ縮む。これにより、ノズル41はアイリス部2に接触することなく軸方向に移動できる。
【0069】
次に、図6の(b)に示すセル部3の開先の溶接用光学系について説明する。上記したミラー29は、アイリス部2と同様にスプリングとガス圧力により出し入れが可能な構造をなしており、ガス圧を下げるとスプリングの圧力でミラー29が下がり、レーザ光が伝送され反射ミラー33で反射され、図面上の左側に伝送され、さらに反射ミラー34で上部へ反射され、集光レンズ35で集光されることでセル部3が溶接される。
【0070】
この場合も、高さ変化に倣うために接触式ローラ42がノズル41に備えられ、溶接部前後には、スプリング43とエアシリンダー用ガスポケット44が備えられており、圧力をかけるとノズル41が縮む構造をなしている。しかし、セル部3の溶接の場合、セル部3の直径が大きいため、この縮みしろだけではノズル41がセル部3の直径内に収まらない。このため、モータ45の回転によりギヤとウォームギヤを利用して、ノズル41が回転軸方向に90°倒れる機構を備えている。この機構により、はじめてノズル41がセル部3の直径内に収まることになる。なお、図6の(a),(b)中47は、ノズル伸縮用のガス供給口である。
【0071】
図7は、溶接線倣い装置の構成を示すブロック図である。以下、溶接線の倣い機構と方法を図6,図7を基に説明する。例えば、図6の(b)に示すように、セル部3の溶接用光学系の先端近傍に、CCDカメラ48が光軸と平行に検出位置補正距離49だけ離れた位置に取付けられている。そして図7に示すように、CCDカメラ48で得た画像データについて溶接線画像処理部50で開先変動量を把握し、変動量演算部51で実際の回転位置と開先変動量を算出する。
【0072】
さらに、回転方向(円周方向)用のモータドライバ52と軸方向用のモータドライバ54を介して、それぞれモータ53,55により2軸同時制御で溶接線位置制御を行なう機能を有している。この機能は、アイリス部2の溶接光学系にも内蔵されており、同様な制御を行なうことができる。
【0073】
以上のような機能を有する溶接線倣い装置により、キャビティの内側の溶接が可能となる。次に、外周から溶接する場合には、内側からすでに非貫通で溶接が行なわれており、キャビティ本体回転用モータ14でキャビティ本体1を回転することが可能となるため、外側溶接光学系8を回転せずに、図1に示すように駆動部を含む外側溶接光学系8の図面上水平(左右)方向への制御を付加している。さらに上下動作に関しては、外側溶接用軸モータ15による制御を可能としている。
【0074】
ここで、キャビティ本体1を回転すると、外周のセル部3及びアイリス部2の溶接線とも同様に若干位置ずれが生じる。このため、内側の溶接システムと同様に外側溶接光学系にCCDカメラを備えて、キャビティ本体を回転したときの回転角度とそのずれ量を演算し、そのずれ量を補正し、外周部を溶接するシステムで溶接を行なう。
【0075】
このように溶接線倣いをつけることにより複雑で高価なシステムとなることがあるため、溶接線を確実に溶接する方法として次にスパイラル溶接を行なった。
【0076】
図8は、スパイラル溶接法によるキャビティ部品の溶接組立を示す図である。以下、例としてセル部3の溶接実験結果を示す。図8の(a)は、溶接前のセル部3の溶接開先を示す断面図である。ここで内側から出力2.8kW,溶接速度1m/minで溶接を行ない、図8の(b)に断面図で示すように、溶接ビード幅の50%をオーバーラップさせて3回スパイラル状に溶接し、多重の内側スパイラル溶接ビードを形成する。
【0077】
さらに図8の(b)に示すように、外周の溶接において、出力2.8kW,溶接速度0.8m/minで若干溶け込み深さを深くし、かつオーバーラップビードを6周溶接して多重の外側スパイラル溶接ビード56を形成する。この方法によれば、若干溶接変形は多くなるが溶接幅が広くなるため、確実な溶接が可能となる。
【0078】
図9は、無酸素銅製キャビティの溶接法を示す図である。キャビティの材料がニオブではなく無酸素銅の場合には、YAGレーザ光で溶接することは吸収率が低いためさらに困難となる。そこで、本実施の形態では、図9に示すように、例えばセル部3の溶接において、内側にニッケル及び銅の合金からなる板厚0.5mm(ギャップ方向)×深さ方向2mmのシム材58を溶接の開先26に挿入し、そのシム材58を溶融し、その熱により銅の溶融・溶接を行なう実験を行なった。
【0079】
この実験では、ニッケル70%,銅30%の合金のシム材を用い、出力2.8kW,溶接速度0.5m/minで十分に貫通溶接を行なうことができた。レーザ溶接後、内面の仕上げ加工が必要であるが、銅とニオブでは材料コストが安くなる。実用上は、この無酸素銅の溶接後、キャビティ本体1の内側にニオブの電極を設置し、メッキまたはイオンビームや化学蒸着法による蒸着により、キャビティの内面にニオブのメッキ層または蒸着層を形成して超電導キャビティとして用いる。
【0080】
本実施の形態の応用例として、キャビティにポート部などの溶接が必要となる。この場合、同様な内側からのレーザ溶接が可能であることから、超電導キャビティのニオブ材料及び無酸素銅で構成されている部品の溶接に、最適なレーザ溶接を用いる。これにより、高速、低ひずみ、高真空なキャビティを製造することが可能になり、その結果、超電導加速器の品質向上につながる。
【0081】
以下、本実施の形態による作用について説明する。
【0082】
(1)キャビティを溶接する際には、キャビティ内及び外部両方ともに不活性ガス雰囲気を形成する必要がある。この場合、アイリス部2及びセル部3ともに数mmの板厚のプレスあるいは板金加工及び機械加工で開先加工が行なわれたものをレーザ溶接で組み立てるため、必ず隙間が生じる。このため、キャビティの表面側,裏面側とも、不活性ガス雰囲気を形成する必要がある。
【0083】
これには、キャビティの大きさが比較的大きいため、キャビティ及び溶接用光学部品とも容器内にセットし、その容器内の空気を真空ポンプで引きながら、外部からアルゴンガスを供給する。そして、酸素濃度を確認して十分な置換を行なった後、溶接光学系のノズル部からアルゴンガスを流すと同時に、外周の容器にもアルゴンガスを流す制御を行なう。
【0084】
(2)アイリス部2は、別途先に板材を曲げ加工により円筒状に曲げて、その後その円周方向の溶接光学系と同じ光学系を用いて、内側から円筒の稜線部の溶接を行なう。その後、端面を加工し円周部の開先の加工を行なう。この場合も、円周方向の溶接と同様に不活性ガス雰囲気中で溶接を行なう。
【0085】
(3)アイリス部2の円周方向及び稜線方向の溶接、さらにセル部3の円周方向の溶接を内側から行なう場合、溶接後に機械加工を行なうときに、レーザ溶接特有のキーホール溶接を行なえば溶接速度が早く効率的である。しかし、内側から溶接する場合、表面層だけ溶接することで滑らかな溶接ビード表面が得られるため、後加工の機械加工が不要となる。
【0086】
(4)貫通溶接で組み立てる場合でも、外側から溶接を行なうと内側のビードが盛り上がったり、あるいはスパッタによる内部の機械加工が多く必要となるため、内側からの貫通溶接が適切である。
【0087】
(5)アイリス部2やセル部3を容器内に挿入して遠隔で溶接を行なうため、それぞれを組み立てるのに開先を段付きにする。また、段付きの開先をある程度固定するためには、レーザ光によるスポット溶接あるいは溶接深さ1.5mm以下での連続した仮止め溶接を行ない、その後本溶接を行なう。
【0088】
(6)内側から円周方向に溶接を行なうため、光学系の回転中心をキャビティの回転中心とほぼ一致させる。また、アイリス部2とセル部3の直径は大きく異なるため、それぞれの回転半径に適した集光光学系を構成する。
【0089】
(7)一度集光光学系をキャビティ内にセットした場合、レーザ光をアイリス部2とセル部3の各溶接用集光光学系に切り替えて伝送する必要がある。このため、どちらかの集光光学系に内蔵された反射ミラーを遠隔操作で開閉する。
【0090】
(8)内側から溶接する際には、それぞれの構成部品が一体となっていないため、キャビティ本体を回転させて溶接することはできない。このため、光学系を回転させて溶接をする。
【0091】
(9)キャビティ内の溶接面は、なるべく平らで後加工を無くし、溶接ビードに凹凸のない溶接が必要となるため、比較的浅い溶接を内側から行ない、この溶接後、キャビティの外部に設けられた別の集光光学系によりキャビティの外側から溶接を行なうことでキャビティの強度を増すようにする。
【0092】
(10)キャビティの内側は機械加工が施されているが、若干の回転中心のずれ、あるいはそれぞれの直径(内径)が若干異なるため、レーザ光の焦点を補正する必要がある。このため、接触式倣いを考慮した光学系の構造とし、また、非接触倣いのためには、CCDカメラや高さセンサなどで検出された焦点の高さをフィードバックしてコントロールする。
【0093】
(11)また、回転中心で光学系を回転しても、回転軸と直角平面は常に直角ではない。すなわち、溶接線がずれる場合がある。これを補正するために、CCDカメラなどで開先をモニターして溶接線の位置ずれを検出し、回転方向と軸方向の2軸を同時に制御することで溶接線の位置を補正する。
【0094】
(12)レーザ溶接の溶接ビードは狭いため、これを十分に満足するために、溶接線近傍で溶接ビードを何周かスパイラル状に重ねて溶接する。このため、内側を溶接する場合、各集光光学系の回転軸に対する回転制御機構、及び各集光光学系の前記回転軸に直交する駆動軸に対する平行方向への位置制御機構の2軸同時制御機構により制御を行なう。また、キャビティの外部から溶接する場合には、キャビティ本体を回転制御する機構と、外部に設けられた集光光学系をキャビティの中心軸と平行な方向に直線移動させる位置制御機構により2軸同時制御する。
【0095】
(13)キャビティの母材が無酸素銅で構成され、その内側にメッキなどコーティングによりニオブを後加工で形成する場合には、無酸素銅の溶接方法が必要となる。この場合、レーザ光で無酸素銅を溶接することは難しい。このため、無酸素銅同士の溶接には、開先に銅とニッケルの合金で形成されるシム材を挿入し、そのシム材を溶融させて内側から無酸素銅を溶接する。
【0096】
(14)超電導加速器には、以上の方法で溶接されたキャビティが必要となる。また超電導加速器は、その他ポート部や銅で構成されているため、以上の方法が超電導加速器を組み立てに必要な技術となる。
【0097】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適時変形して実施できる。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、溶接欠陥のない高品質な超電導キャビティ、その超電導キャビティの製造方法、及びその超電導キャビティにより構成される超電導加速器を提供できる。本発明によれば、内側の表面では、ほぼ平らな溶融表面が得られ、後加工の機械加工が不要となり、またスパッターなどが発生せず良好な溶接が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る超電導キャビティの溶接装置の構成を示す図。
【図2】本発明の実施の形態に係る直管の溶接方法を示す図。
【図3】本発明の実施の形態に係るアイリス部とセル部の内側及び外側溶接方法を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係るアイリス部とセル部の開先形状を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る溶接用光学系のレイアウトと機能を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係る光学部品の具体的な機能と構成を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係る溶接線倣い装置の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の実施の形態に係るスパイラル溶接法によるキャビティ部品の溶接組立てを示す図。
【図9】本発明の実施の形態に係る無酸素銅製キャビティの溶接法を示す図。
【図10】従来例に係る高エネルギビーム溶接の状態を示す図。
【符号の説明】
1…キャビティ本体
2…アイリス部
3…セル部
4…光ファイバー
5…容器
6…セル部内側溶接光学系
7…アイリス部内側溶接光学系
8…外側溶接光学系
9…真空ポンプ
10…バルブ
11…不活性ガス吸入バルブ
12…キャビティ内光学系回転駆動部
13…キャビティ内光学系軸駆動部
14…キャビティ本体回転用モータ
15…外側溶接用軸駆動モータ
16…直管
17…溶接治具
18…溶接線
19…アイリス部溶接部
20…セル部溶接部
21…アイリス部内側溶接断面
22…セル部内側溶接断面
23…アイリス部外側溶接断面
24…セル部外側溶接断面
25…I開先
26…いんろう型段付き開先
27…レーザ光出射口
28…コリメータレンズ
29…光路切換えミラー
30…反射ミラー
31…反射ミラー
32…アイリス部溶接用集光レンズ
33…反射ミラー
34…反射ミラー
35…セル部溶接用集光レンズ
36…回転軸
37…光学部品内蔵容器
38…アイリス部溶接線
39…セル部溶接線
40…ファイバー軸
41…ノズル
42…接触ローラ
43…スプリング
44…エアーシリンダー用ガスポケット
45…モータ
46…歯車
47…ガス供給口
48…CCDカメラ
49…検出位置補正距離
50…溶接線画像処理部
51…変動量演算部
52…円周方向用モータドライバ
53…円周方向用モータ
54…軸方向用モータドライバ
55…軸方向用モータ
56…外側スパイラル溶接ビード断面
57…内側スパイラル溶接ビード断面
58…シム材
59…通常の高エネルギビーム溶接断面形状
60…ギャップが大きい場合の目はずれ溶接断面形状
61…溶け落ちによるアンダーカット溶接断面

Claims (14)

  1. レーザ光を利用して溶接する際にキャビティ全体を容器内に軸方向を縦にしてセットし、前記レーザ光の集光用光学ヘッドを前記キャビティの内側に挿入した状態で前記キャビティ内及び前記容器内の両方の空気を吸引し、その後不活性ガスの吸入を行ない前記キャビティの外側及び内側の雰囲気を高純度で同圧の不活性ガス雰囲気にした状態で前記レーザ光により溶接する超電導キャビティの製造方法であって、
    前記溶接は、板材を曲げ加工することにより直管を製造し、前記直管の内側から治具により固定して行ない、
    前記直管の溶接、第1のアイリス部である「前記直管と第1のセル部との突合せ部」の溶接、前記第1のセル部の長径部の溶接、及び第2のアイリス部である「前記第1のセル部の短径部と第2のセル部の短径部との突合せ部」の溶接を、まず内側からのレーザ光による非貫通溶接で行ない、その後に外部からもレーザ光により非貫通溶接で行ない、
    前記第1のアイリス部の溶接、前記第1のセル部の長径部の溶接、及び前記第2のアイリス部の溶接の開先は、段付き形状であることを特徴とする超電導キャビティの製造方法。
  2. 前記第1のアイリス部の溶接、前記第1のセル部の長径部の溶接、及び前記第2のアイリス部の溶接を行なう際に、レーザ光によるスポット溶接の仮止め、あるいは溶接深さ1.5mm以下での仮止め溶接を行なった後、本溶接を行なうことを特徴とする請求項1に記載の超電導キャビティの製造方法。
  3. 前記第1及び第2のアイリス部と前記第1及び第2のセル部を構成するキャビティの溶接組立をレーザ光を用いて行なう際に、レーザ光の光軸が前記第1及び第2のアイリス部及び前記第1及び第2のセル部の少なくとも一方の回転中心と平行をなすとともに、内側から前記第1及び第2のアイリス部の溶接を行なう際に第1の集光光学系を用い、内側から前記第1及び第2のセル部の溶接を行なう際に第2の集光光学系を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の超電導キャビティの製造方法。
  4. 前記第1及び第2の集光光学系の一方の集光光学系にレーザ光を導入し溶接を行なうために、一つ以上の反射ミラーを遠隔操作で開閉し、前記第1及び第2の集光光学系の他方の集光光学系にレーザ光を導入できる機構を備えたことを特徴とする請求項3に記載の超電導キャビティの製造方法。
  5. 前記キャビティを内側から溶接する際に、前記第1及び第2の集光光学系が光軸を中心にあるいは前記キャビティの中心軸を中心に回転し、前記キャビティを固定した状態で溶接を行なうことを特徴とする請求項3または4に記載の超電導キャビティの製造方法。
  6. 前記第1及び第2の集光光学系を回転させて内側から溶接を行ない、さらに外側から非貫通溶接を行なう場合に、前記キャビティを回転させて溶接することを特徴とする請求項5に記載の超電導キャビティの製造方法。
  7. 前記第1及び第2の集光光学系は、前記第1及び第2のアイリス部及び前記第1及び第2のセル部の少なくとも一方の内径の変動量に応じて集光点の位置を自動的に調整する手段、または前記変動量を自動的にフィードバックして高さ制御を行なう手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の超電導キャビティの製造方法。
  8. 前記第1及び第2の集光光学系は、開先をモニターし溶接線の位置ずれを検出する検出手段と、この検出手段で検出された位置ずれを基に前記溶接線の位置を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の超電導キャビティの製造方法。
  9. 内側溶接及び外側溶接において、溶接線近傍にスパイラルまたは溶接ビードを重ね溶接幅を広くして行ない、かつ前記第1及び第2の集光光学系及び前記キャビティの回転制御と位置制御を行なう機構を備えたことを特徴とする請求項3乃至8のいずれかに記載の超電導キャビティの製造方法。
  10. 外周溶接において、前記キャビティを回転する手段と、前記キャビティの外部に設けられた集光光学系を前記キャビティの中心軸と平行に駆動する手段と、を備えたことを特徴とする請求項9に記載の超電導キャビティの製造方法。
  11. 前記キャビティの母材が無酸素銅で構成される場合に、銅及びニッケルの合金材をシム材として利用し無酸素銅同士の間に挿入して内側から溶接することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の超電導キャビティの製造方法。
  12. 前記無酸素銅同士の溶接で組み立てられた前記キャビティの内側にニオブの電極を設置し、メッキ処理を行なうことで前記キャビティの内面にニオブのメッキ層を構成するか、あるいはイオンビームまたは化学蒸着法により前記キャビティの内面にニオブの蒸着層を形成することを特徴とする請求項11に記載の超電導キャビティの製造方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の製造方法で製造されたことを特徴とする超電導キャビティ。
  14. 請求項13に記載の超電導キャビティにより構成されることを特徴とする超電導加速器。
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