JP3957417B2 - Soi高耐圧電力デバイス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貼り合わせSOI(Silicon On Insulator)基板に、素子間分離溝(トレンチ)を形成して素子間分離した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
SOI−LIGBT(Lateral Insulated Gate Bipolar Transistor)、ダイオード、MOS(Metal Oxide Semiconductor)、サイリスタなどのSOI高耐圧電力デバイスの高耐圧化を達成するため、従来では窒化膜や酸化膜などの無機系の層間絶縁膜を厚膜化し、アルミ配線間の絶縁耐量を増加させていた。
【0003】
プラズマ窒化膜による層間耐圧確保には限界があるため、これを回避するための方策として、例えば文献(ISPSD′96,Prioc.pp.151−154,A 0.8μm High voltage IC using Newly Designed 600V Lateral IGBT on Thick Buried-Oxide SOI)に示すように、3層アルミ配線によって高耐圧を確保することができる。しかし、この方法では層間膜及びアルミ配線を2度ずつ形成し、かつ写真製版も2度必要となるというコスト面の問題が残る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
層間絶縁膜を厚膜化することはゲート−第2アルミ配線間の絶縁耐量を増加させ、SOI−LIGBT、ダイオード、MOS、サイリスタなどをはじめとする高耐圧電力デバイスの耐圧を向上、安定化させる上で有効であるが、第1アルミ配線−第2アルミ配線のコンタクトを取る上で従来構造では以下の問題があった。すなわち図2(a)に示すごとくドライエッチによるコンタクトでは、その開口幅(WTH2)を狭くできることが可能であるが、第2アルミ配線のカバレッジが対応できず断線を引き起こしてしまうことから実用的ではない。そこで、図2(b)に示すようにウエット&ドライエッチを組み合わせて第2アルミ配線が断線しないように工夫するのが一般的であるが、この方法では仕上り寸法(WTH3)が大きな値となり、デバイス寸法の縮小に支障をきたすようになるという問題があった(なお、図2(a)および(b)に係る省略部分は、図1と同様である)。
【0005】
また、図3に示した従来構造では、たとえばLIGBTのエミッタ−コレクタ間に逆バイアスをかけた場合に発生する電位ポテンシャル17が、フィールド酸化膜直下で集中することから耐圧が律速されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1、2にかかわる発明は、層間絶縁膜に、シリコーンラダー系樹脂膜を用いて、多層配線構造の耐圧性を確保したことを特徴とするSOI高耐圧電力デバイスであって、当該シリコーンラダー系樹脂膜が一般式(1):
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、R1およびR2はアリール基、水素原子、脂肪族アルキル基または不飽和結合を有する官能基であり同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、アリール基、脂肪族アルキル基、トリアルキルシリル基または不飽和結合を有する官能基であり同種でも異種でもよく、nは整数である)で表わされ、重量平均分子量が1000以上であるシリコーンラダー系樹脂からなるシリコーンラダーポリマー樹脂組成物からなり、
前記一般式(1)中のR 1 およびR 2 の80%または95%がフェニル基であることを特徴とするSOI高耐圧電力デバイスである。
【0010】
請求項3にかかわる発明は、シリコーンラダーポリマー樹脂組成物が、シランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1記載のSOI高耐圧電力デバイスである。
【0011】
請求項4、5にかかわる発明は、層間絶縁膜に、シリコーンラダー系樹脂膜を用いて、多層配線構造の耐圧性を確保したことを特徴とするSOI高耐圧電力デバイスであって、
当該シリコーンラダー系樹脂膜が一般式(1):
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、R1およびR2はアリール基、水素原子、脂肪族アルキル基または不飽和結合を有する官能基であり同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、アリール基、脂肪族アルキル基、トリアルキルシリル基または不飽和結合を有する官能基であり同種でも異種でもよいが、R1、R2、R3、R4、R5およびR6のうち1%以上は不飽和結合を有する官能基であり、nは整数である)で表わされ、重量平均分子量が1000以上であるシリコーンラダー系樹脂に感光性架橋剤または光重合開始剤を加えたネガ型感光性シリコーンラダーポリマー樹脂組成物からなり、
前記一般式(1)中のR 1 およびR 2 の80%または95%がフェニル基であることを特徴とするSOI高耐圧電力デバイスである。
【0014】
請求項6にかかわる発明は、ネガ型感光性シリコーンラダーポリマー樹脂組成物が、さらに光増感剤、光開始助剤、光重合性モノマー、重合禁止剤またはシランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項5記載のSOI高耐圧電力デバイスである。
【0015】
請求項7にかかわる発明は、テーパを持つ層間絶縁膜パターンを形成し、その膜上に形成する配線の断線を防ぐことを特徴とする請求項1または2記載のSOI高耐圧電力デバイスである。
【0016】
請求項8にかかわる発明は、シリコーンラダー系樹脂組成物からなる層間絶縁膜の膜厚を厚膜化して、第2アルミ配線の容量結合部分で電界を固定する部分をフィールド酸化膜界面から離すことによりフィールド酸化膜直下で集中する電界強度を緩和することができることを特徴とする請求項1または2記載のSOI高耐圧電力デバイスである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、層間絶縁膜に、シリコーンラダー系樹脂膜を用いて、多層配線構造の耐圧性を確保したことを特徴とするSOI高耐圧電力デバイスである。ここで、SOI高耐圧電力デバイスとしては、LIGBT、ダイオード、MOS、サイリスタなどがあげられる。SOI−LIGBTデバイスを例にとると、図1に示すような構造として開示される。
【0018】
本発明のSOI高耐圧電力デバイスの層間絶縁膜としては、一般式(1):
【0019】
【化5】
【0020】
(式中、R1およびR2はアリール基、水素原子、脂肪族アルキル基または不飽和結合を有する官能基であり、同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、アリール基、脂肪族アルキル基、トリアルキルシリル基または不飽和結合を有する官能基であり、同種でも異種でもよく、nは整数である)で表される、重量平均分子量が1000以上であるシリコーンラダー系樹脂からなるシリコーンラダー系樹脂組成物を用いることができる。
【0021】
ここで、アリール基としては、フェニル基、トリル基やキシリル基などのベンゼン環誘導体からなる基、ナフチル基、ナフタレン誘導体からなる基があげられるが、フェニル基やベンゼン環誘導体からなる基が好ましい。
【0022】
脂肪族アルキル基としては、分子式:CnH2n+1(n;整数)で表されるもので、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などがあげられるが、厚膜化を向上させるには、n=3以上の脂肪族アルキル基が好ましい。
【0023】
不飽和結合を有する官能基としては、ビニル基やアリル基などのアルケニル基、スチリル基、シンナモイル基、アジド基、ジアゾ基、アルキルアクリロイル基、アルキルメタクリロイル基があげられるが、アルケニル基、アルキルアクリロイル基、アルキルメタクリロイル基が好ましい。
【0024】
トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基などがあげられる。
【0025】
このシリコーンラダー系樹脂は公知の樹脂であり、その製法は特開平03−207719号公報に記載されており、これを用いることができる。
【0026】
このシリコーンラダー系樹脂には、必要に応じてシランカップリング剤を加えることができる。
【0027】
前記シランカップリング剤とは分子中に2個以上異なった反応基(メトキシ基、エトキシ基、シラノール基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基など)をもつ有機ケイ素単量体であり、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)エチルジメトキシシラン、γ−(アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0028】
シランカップリング剤の添加量は、樹脂組成物中、10ppm以上であることが好ましい。10ppm未満の場合、接着性向上の効果が低い。
【0029】
また、本発明のSOI高耐圧電力デバイスの層間絶縁膜としては、一般式(1):
【0030】
【化6】
【0031】
(式中、R1およびR2はアリール基、水素原子、脂肪族アルキル基または不飽和結合を有する官能基であり同種でも異種でもよく、R3、R4、R5およびR6は水素原子、アリール基、脂肪族アルキル基、トリアルキルシリル基または不飽和結合を有する官能基であり同種でも異種でもよいが、R1、R2、R3、R4、R5およびR6のうち1%以上は不飽和結合を有する官能基であり、nは整数である)で表わされ、重量平均分子量が1000以上であるシリコーンラダー系樹脂からなるネガ型感光性シリコーンラダーポリマー樹脂組成物を用いることができる。
【0032】
ここで、アリール基、脂肪族アルキル基、不飽和結合を有する官能基およびトリアルキルシリル基は前記一般式(1)のものと同じである。また、R1、R2、R3、R4、R5およびR6のうち1%以上は、不飽和結合基を有する官能基であることが必要であるが、5%以上であることがより好ましい。1%未満では感度が低く、パターン加工性に劣る。
【0033】
このシリコーンラダー系樹脂は公知の樹脂であり、その製法は特開平03−207719号公報に記載されており、これを用いることができる。
【0034】
このネガ型感光性シリコーンラダー系樹脂には、感光性架橋剤または光重合開始剤および必要に応じて光増感剤、光開始助剤、光重合性モノマー、重合禁止剤、シランカップリング剤を加えることができる。
【0035】
感光性架橋剤としては、芳香族アジド化合物、芳香族ビスアジド化合物、イミノキノンジアジド化合物、芳香族ジアゾ化合物や有機ハロゲン化合物などの光照射によりラジカル活性種を生成する感光性化合物、たとえばアジドピレン、p−アジドベンズアルデヒド、p−アジドアセトフェノン、p−アジドベンゾイックアシッド、p−アジドベンザルアセトン、p−アジドベンザルアセトフェノン、p−アジド−α−シアノシンナミックアシッド、4−スルフォニルアジドベンゾイックアシッド、3−スルフォニルアジドベンゾイックアシッド、2,6−ジ(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ジ(4′−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジ(4′−アジドベンザル)−4−エチルシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−tert−アミルシクロヘキサノン、1,3−ビス(4′−アジドベンザル)−2−プロパノン、1,3−ビス(4′−アジドシンナミリジン)−2−プロパノン、4,4′−ジアジドカルコン−2−[N,N−ジ(2−エトキシエチル)]スルフォンアミド、4,4′−ジアジドスチルベン−2,2′−ビス[N,N−ジ(2−エトキシエチル)]スルフォンアミド、1,3−ビス(4′−アジドベンザル)−2−プロパノン−2′−スルフォニックアシッド、2,6−ビス(4′−アジドベンザルスルフォニックアシッド)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドベンザルスルフォニックアシッド)メチルシクロヘキサノン、4、4′−ジアジドベンザルアセトン、4,4′−ジアジドスチルベン、4,4′−ジアジドカルコン、4,4′−ジアジドアクリジン、4,4′−ジアジドジフェニルメタン、1,4−イミノキノン−ジアジド(4)−2−スルフォンアミド、1,4−イミノキノン−ジアジド(4)−2−スルフォニックアシッドエステル、4−フェニルアミノフェニル−4′−アゾトリルスルフォン、テトラゾ(ビスジアゾ)ニウム塩、3,4−ジアゾ−N−エチル−N−β−フェノキシエチルアニリン、4,4−ジアゾ−N−フェニルモルフォリン、p−ジアゾジフェニルアミン、2,4−ジアゾ−N−メチル−N−フェネチルアニリン、3,4−ジアゾ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、4−ジアゾ−4′−メトキシジフェニルアミン塩、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン、トリブロムアセトフェノン、o−ニトロベンズアルデヒド、2−ニトロ−5−ヒドロキシベンズアルデヒド、ジフェニルニトロン、チオキサントン、ベンゾフェノチアジン、ベンゾフェノキサジン、1−メチル−3−ジアゾオキシインドール、ジアゾシクロペンタジエンジフェニルスルホンなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらの感光性架橋剤は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0036】
感光性架橋剤の添加量は、樹脂組成物中、10ppm〜20wt%であることが好ましい。10ppm未満の場合、感度が低く、20wt%を超える場合、耐熱性や保存安定性に劣る傾向がある。
【0037】
光重合開始剤としては、カルボニル化合物、ジカルボニル化合物、アセトフェノン、ベンゾインエーテル、アシルフォスフィンオキシド、チオキサンソン、アミノカルボニル化合物、含窒素化合物などの光重合開始剤でありベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、1,2−ナフトキノン、ベンジル、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、9,10−フェナントレンキノン、メチル−α−オキソベンゼンアセテート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソペンチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、メチル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、エチル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジクロルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、9−フェニルアクリジン、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、ビス(5−シクロペンタンジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−pyr−1−yl)フェニル]チタニウム、[η−5,2,4−(シクロペンタンジエニル)−(1,2,3,4,5,6,η)−(メチルエチル)−ベンゼン]アイロン(II)ヘキサフルオロフォスフェート、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシ−1,2−ジフェニルエタノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、3,6−ビス(2−メチル−2−モルフォリノプロパノニル)−9−ブチルカルバゾール、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、9,10−フェナンスレンキノン、α−アシロキシムエステル、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4′,4″−ジエチルイソフタロフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらの光重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0038】
光重合開始剤の添加量は、樹脂組成物中、10ppm〜20wt%であることが好ましい。10ppm未満の場合、感度が低く、20wt%を超える場合、感度の低下を引き起こす傾向がある。
【0039】
シリコーン系樹脂組成物には必要に応じてさらに光増感剤、光開始助剤、光重合性モノマー、重合禁止剤またはシランカップリング剤を添加することができる。
【0040】
光増感剤としては芳香族炭化水素化合物、芳香族ニトロ化合物、芳香族ケトン化合物、芳香族アミノ化合物、フェノール性化合物、キノン化合物、アントロン化合物、クマリン誘導体などであり、たとえばナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニトロベンゼン、p−ニトロジフェニル、ニトロアニリン、ジニトロアニリン、ピクラミド、2−クロロ−4−ニトロアニリン、フェノール、p−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,4,6−トリニトロフェノール、ベンズアルデヒド、9−アントラアルデヒド、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ジベンザルアセトン、ベンジル、p,p′−ジアミノベンゾフェノン、p,p′−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p′−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、アントロン、1,9−ベンゾアントラキノン、6−フェニル−1,9−ベンゾアントラキノン、3−フェニル−1,9−ベンゾアントラキノン、2−ケト−3−アザ−1,9−ベンゾアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンゾアントラキノン、2−ニトロフルオレン、2,7−ジニトロフルオレン、2,5−ジニトロフルオレン、1,8−フタロイルナフタレン、2−クロロ−1,8−フタロイルナフタレン、4−クロロ−1,8−フタロイルナフタレン、5−ニトロアセナフテン、5,6−ジニトロアセナフテン、5−ベンゾイルアセナフテン、1−ニトロピレン、N−アセチル−4−ニトロ−1−アミノナフタレン、N−フェニルチオアクリドン、トリフェニルピリリウムパークロレイト、4−メトキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリウムパークロレイト、4−ブトキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリウムパークロレイト、4−ペンチロキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリウムパークロレイト、2,4,6−トリメトキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリウムパークロレイト、4−メトキシフェニル−2,6−ジフェニルチオピリリウムパークロレイト、4−ブトキシフェニル−2,6−ジフェニルチオピリリウムパークロレイト、4−アミロキシフェニル−2,6−ジフェニルチオピリリウムパークロレイト、2,4,6−トリメトキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリウムパークロレイト、3−ケトクマリン、アリルクマリン、アロイルクマリン、アルコキシカルボニルビスクマリン、ジアルキルケトビスクマリンなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらの光増感剤は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0041】
光増感剤の添加量は、樹脂組成物中、0.01〜20wt%であることが好ましい。0.01wt%未満の場合、感度向上の効果が低く、20wt%を超える場合、耐熱性や保存安定性に劣る傾向がある。
【0042】
光開始助剤としては脂肪族アミンや芳香族アミンなどであり、たとえば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタノールクリエート、ミヒラーケトン、4,4−ジエチルアミノフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらの光開始助剤は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0043】
光開始助剤の添加量は、樹脂組成物中、0.01〜20wt%であることが好ましい。0.01wt%未満の場合、感度向上の効果が低く、20wt%を超える場合、耐熱性や保存安定性に劣る傾向がある。
【0044】
光重合性モノマーもしくはオリゴマーとしては、ビニル基をもつ反応性モノマー、オリゴマーや、アクリロイル基またはメタクリロイル基をもつ単官能もしくは多官能モノマー、オリゴマーがあり、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ブチルアクリレート、長鎖脂肪族アクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、ECH変性ブチルアクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、脂環式変性ネオペンチルグリコールアクリレート、2,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,3−ジブロモプロピルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシ化シクロデカトリエンアクリレート、モルホリンアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、オクタフロロペンチルメタクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、EO変性オクトキシ化リン酸アクリレート、EO変性オクトキシ化リン酸メタクリレート、フェニルメタクリレート、EO変性リン酸アクリレート、EO変性リン酸メタクリレート、EO変性ブトキシ化リン酸アクリレート、EO変性ブトキシ化リン酸メタクリレート、EO変性ノフェキシ化リン酸アクリレート、EO変性フェノキシ化リン酸メタクリレート、EO変性フタル酸アクリレート、EO変性フタル酸メタクリレート、EO変性フタール酸アクリレート、EO,PO変性フタル酸メタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールメタクリレート、ステアリルメタクリレート、EO変性コハク酸アクリレート、EO変性コハク酸メタクリレート、スルホン酸ソーダエトキシアクリレート、スルホン酸ソーダエトキシメタクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1,2−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、アクリル化イソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、エトキシ化ビスフェノールSジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ECH変性ジエチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ECH変性エチレングリコールジアクリレート、グリセロールアクリレート/メタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、長鎖脂肪族ジアクリレート、長鎖脂肪族ジメタクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、EO変性リン酸ジアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、EO変性リン酸ジメタクリレート、カプロラクトンEO変性リン酸ジメタクリレート、ECH変性フタル酸ジアクリレート、ECH変性プロピレングリコールジアクリレート、テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリグリセロールジアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ECH変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジンクジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタアクリレートエステル、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ジヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ジンクメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらの光重合性モノマーもしくはオリゴマーは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0045】
光重合性モノマーもしくはオリゴマーの添加量は、樹脂組成物中、10ppm〜100wt%であることが好ましい。10ppm未満の場合、感度向上の効果が低く、100wt%を超える場合、耐熱性に劣る傾向がある。
【0046】
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メトキノン、p−ベンゾキノン、フェノチアジン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、アントラキノン、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらの重合禁止剤は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0047】
シランカップリング剤としては、前述したものと同じものを用いることができる。
【0048】
本発明のデバイス構造では、層間酸化膜15に低応力性、高絶縁破壊電界性などの特性を持つシリコーンラダー系樹脂を採用することで、図1に示すようにテーパ形状を保つエッチングを行うことが可能なので、仕上り寸法を(WTH1<WTH3)に制御することが可能となり、かつ厚膜化に呼応して第2アルミ配線の断線を引き起こす恐れが無くなるという利点がある。
【0049】
ここでテーパ形状とは、図5に示すように層間絶縁膜のパターンを切断した断面が台形状であることを示し、パターンのエッジが膜厚方向に傾斜を有していることである。パターンのエッジと下地とのなす角であるテーパ角は、30〜90度であることが好ましく、特に45〜85度であることがより好ましい。30度未満の場合、パターン上の膜厚分布の広がりが大きく、耐圧確保が充分に得られなくなり、90度を超える場合、配線の断線を引き起こす傾向がある。
【0050】
層間膜の膜厚は、該樹脂ワニスの濃度によって制御することができ、30Å〜1000μmであることが好ましい。30Å未満であると成膜性が悪くなり、1000μmを超えると、下地基板との応力増加によるクラックが発生する傾向がある。
【0051】
また、図1に示すように、層間絶縁膜15を厚膜化して第2アルミ配線の容量結合部分で電界を固定する部分をフィールド酸化膜界面から離すことにより、フィールド酸化膜直下で集中する電界強度を緩和することができる。その様子を図4に示す。ここで、αは本発明の図1におけるα断面における電界強度を、βは従来技術の図3におけるβ断面における電界強度を表す。この効果によって耐圧を向上させることができるという利点がある。
【0052】
【実施例】
実施例1
前記一般式(1)中のR1およびR2がフェニル基で、R3、R4、R5およびR6が水素原子であり、重量平均分子量が15万のシリコーンラダー樹脂にメトキシベンゼンを加え、2重量%のN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを添加し、粘度を2500cpsに調整した。該溶液をトレンチ形成後の基板上にスピナーを用いて毎分2500回転の速度で塗布した。膜厚は4μmであった。
【0053】
これを、250℃で3分間ホットプレート上で乾燥させた後、ノボラック系フォトレジストを6μmの膜厚で成膜する。このフォトレジストを基本プロセスレシピでパターン形成した後、紫外線(超高圧水銀灯ランプ)を全面に500mJ/cm2照射した。さらに、120℃で2分間ホットプレート上で熱処理した後、レジストパターンをマスクとして、下地のシリコーンラダーポリマー樹脂膜を現像する。現像は、スピン現像器を用いて、メトキシベンゼンとキシレンの容積比が1/3である混合液をエッチング液として25℃で60秒間噴射し、続いてキシレンをリンス液として25℃で30秒間噴射して行う。酢酸ブチルに浸漬させ上層のフォトレジストを剥離し、所定のパターンが転写されたシリコーンラダー樹脂膜を得、350℃で1時間のポストベークを行い完全硬化させた。この得られたシリコーンラダー系樹脂膜パターン上に第2アルミ配線を形成し、絶縁耐量を測定したところ、2200Vの電界を緩和できることが判った。
【0054】
実施例2
前記一般式(1)中のR1およびR2の80%がフェニル基、20%がメチル基で、R3、R4、R5およびR6がトリメチルシリル基であり、重量平均分子量が13万のシリコーンラダー樹脂にメトキシベンゼンを加え、1重量%のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを添加し、粘度を3000cpsに調整した。該溶液を基板上にスピナーを用いて毎分3000回転の速度で塗布した。膜厚は6μmであった。
【0055】
これを200℃で5分間ホットプレート上で乾燥させた後、オーブンで350度で1時間ポストベークを行い、膜を完全硬化させた。このシリコーンラダー樹脂膜上にノボラック系フォトレジストを8μmの膜厚で成膜する。このフォトレジストを基本プロセスレシピでパターン形成を行った。さらに、ドライエッチング装置(RIE)でCHF3/O2=92/8の混合ガスを用いて、レジストパターンをマスクとして下地のシリコーンラダーポリマー樹脂膜をエッチングした。その後、プラズマアッシャ装置を用いて、上層のフォトレジストを除去し、所定のパターンが転写されたシリコーンラダー樹脂膜を得た。この得られたシリコーンラダー系樹脂膜パターン上に第2アルミ配線を形成し、絶縁耐量を測定したところ、3500Vの電界を緩和できることが判った。
【0056】
実施例3
前記一般式(1)中のR1およびR2の95%がフェニル基、5%がビニル基で、R3、R4、R5およびR6が水素原子であり、重量平均分子量が17万の感光性シリコーンラダー樹脂にメトキシベンゼンを加え、さらに3重量%の2,6′−ビス(4′−アジドベンザル)エチルシクロヘキサノン、0.5重量%のモノ−t−ブチルハイドロキノン、2重量%のN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを添加し、粘度を2000cpsに調整した。該溶液をシリコンウエハ上にスピナーを用いて毎分2500回転の速度で塗布した。膜厚は3μmであった。
【0057】
これを、130℃で2分間ホットプレート上で乾燥させ、フォトマスクを密着し、窒素気流下で紫外線(超高圧水銀灯ランプ)を300nm以下の光をカットするガラスフィルターを通して700mJ/cm2照射した。さらに、120℃で1分間ホットプレート上で熱処理した後、スピン現像器を用いて、メトキシベンゼンとキシレンの容積比が1/3である混合液をエッチング液として25℃で60秒間噴射した後、キシレンをリンス液として25℃で30秒間噴射し現像を行ったところ、所定のパターンが転写されたシリコーンラダー樹脂膜を得た。マスクの寸法が20μmで、樹脂膜の開口寸法が21μmであった。350℃で1時間のポストベークを行い完全硬化させた後、パターンの形状を走査型電子顕微鏡で観察した結果、テーパを有することが判った。
【0058】
得られたテーパ形状のパターン上に第2アルミ配線を形成したところ、パターンのエッジ部分でのくさびエッジの発生は無く、断線していないことが判った。また絶縁耐量を測定したところ、1520Vの電界を緩和できることが判った。
【0059】
【発明の効果】
本発明の請求項1〜2および7〜8にかかわる発明によれば、シリコーンラダー系樹脂膜は低応力性であり、また厚膜化形成が可能であるため、図1に示すように層間酸化膜15を厚膜化して第2アルミ配線の容量結合部分で電界を固定する部分をフィールド酸化膜界面から離すことによりフィールド酸化膜直下で集中する、TEOS、SiO2、SiNなどの無機系層間絶縁膜では困難であった電界強度を 緩和することができる。この効果によって、耐圧を向上させることができるという利点がある。
【0060】
請求項3、4、5、6および7にかかわる発明によれば、図1の層間酸化膜15に低応力性、高絶縁破壊電界性などの特性を持つシリコーンラダー系樹脂、特に感光性化した樹脂を採用することで図1に示すようなテーパ形状を保ったエッチングを行うことが可能なので、仕上り寸法を(WTH1<WTH3)に制御することが可能となり、かつ厚膜化に呼応して第2アルミ配線の断線を引き起こす恐れが無くなるという効果がある。
【0061】
また、シリコーンラダー系樹脂および感光性シリコーンラダー系樹脂は高純度であり、他の有機系樹脂とは異なりベーク時の脱ガスがほとんど無いため、成膜後の後工程で用いる半導体製造装置を汚染することがないという効果がある。
【0062】
また、シリコーンラダー系樹脂膜の加工は、ウエットエッチングあるいはドライエッチングの両方を用いることができる。ウエットエッチングあるいはドライエッチングの何れか一方のみで加工を行うため、仕上がり寸法にバラツキも少なく、デバイス寸法の縮小化に与える影響はきわめて小さいという効果がある。
【0063】
また、感光性シリコーンラダー系樹脂膜の加工は、ウェットエッチングのみで加工を行うため、仕上がり寸法にバラツキも少なく、デバイス寸法の縮小化に与える影響はきわめて小さいという効果がある。
【0064】
また、感光性シリコーンラダー系樹脂膜は直接光で、ラインやスルホーン孔などのパターンを微細加工することができるため、フォトレジストを用いる必要がなく半導体製造プロセスの簡略化や低コスト化に寄与する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のSOI−LIGBTデバイスの断面図である。
【図2】 従来のSOIデバイスの配線部の断面図である。
【図3】 従来のSOIデバイスにおける電界の緩和を示す図である。
【図4】 層間絶縁膜の厚膜化による電界強度緩和を示す図である。
【図5】 テーパ角を示す図である。
【符号の説明】
1 基板シリコン、2 埋め込み酸化膜層、3 SOI層、4 Pベース拡散領域、5 N+エミッタ拡散領域、6 Nバッファ拡散領域、7 P+コレクタ拡散領域、8 トレンチ側壁酸化膜、9 トレンチ埋め込みポリシリコン、
10 フィールド酸化膜、11 ゲート酸化膜、12 ゲート配線、13 酸化膜、14 第1アルミ配線、15 層間絶縁膜、16 第2アルミ配線、
17 LIGBTに逆バイアスを印加した際に発生する電位ポテンシャル、
18 層間絶縁膜のパターン、19 テーパ角。
Claims (8)
- 層間絶縁膜に、シリコーンラダー系樹脂膜を用いて、多層配線構造の耐圧性を確保したことを特徴とするSOI高耐圧電力デバイスであって、
当該シリコーンラダー系樹脂膜が、一般式(1):
前記一般式(1)中のR1およびR2の80%がフェニル基である
SOI高耐圧電力デバイス。 - 層間絶縁膜に、シリコーンラダー系樹脂膜を用いて、多層配線構造の耐圧性を確保したことを特徴とするSOI高耐圧電力デバイスであって、
当該シリコーンラダー系樹脂膜が、一般式(1):
前記一般式(1)中のR 1 およびR 2 の95%がフェニル基である
SOI高耐圧電力デバイス。 - シリコーンラダーポリマー樹脂組成物が、シランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1または2記載のSOI高耐圧電力デバイス。
- 層間絶縁膜に、シリコーンラダー系樹脂膜を用いて、多層配線構造の耐圧性を確保したことを特徴とするSOI高耐圧電力デバイスであって、
当該シリコーンラダー系樹脂膜が、一般式(1):
前記一般式(1)中のR1およびR2の80%がフェニル基である
SOI高耐圧電力デバイス。 - 層間絶縁膜に、シリコーンラダー系樹脂膜を用いて、多層配線構造の耐圧性を確保したことを特徴とするSOI高耐圧電力デバイスであって、
当該シリコーンラダー系樹脂膜が、一般式(1):
前記一般式(1)中のR 1 およびR 2 の95%がフェニル基である
SOI高耐圧電力デバイス。 - ネガ型感光性シリコーンラダーポリマー樹脂組成物が、さらに光増感剤、光開始助剤、光重合性モノマー、重合禁止剤またはシランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項4または5記載のSOI高耐圧電力デバイス。
- テーパを持つ層間絶縁膜パターンを形成し、その膜上に形成する配線の断線を防ぐことを特徴とする請求項1または2記載のSOI高耐圧電力デバイス。
- シリコーンラダー系樹脂組成物からなる層間絶縁膜の膜厚を厚膜化して、第2アルミ配線の容量結合部分で電界を固定する部分をフィールド酸化膜界面から離すことによりフィールド酸化膜直下で集中する電界強度を緩和することを特徴とする請求項1または2記載のSOI高耐圧電力デバイス。
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