JP3956782B2 - 電磁弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁弁としては、電磁コイルと、電磁コイルを収容し、励磁した電磁コイルの磁気回路を構成する複数の部材を備え、この複数の部材を嵌合固定することによって、電磁コイルを収容するとともに、磁気回路が形成されるものがある(特開2001−304446号公報)。
【0003】
特開2001−304446号公報の開示によると、その複数の部材としては、外周側固定鉄心としての弁ハウジングと、内周側固定鉄心としての吸引部材と、弁部を保持するフランジを含んで構成されている。吸引部材と弁ハウジングは圧入により結合されている。この吸引部材および弁ハウジングの圧入部は、ともに円形であり、弁ハウジングの孔の内径は、吸引部材の外径より小さくしてある。また、この弁ハウジングは、吸引部材と結合された状態で、フランジに溶接固定されている。
【0004】
なお、吸引部材は、弁ハウジングに圧入組付けする際、可動子を吸引する吸引力向上に貢献する非磁性の中間部材を間に挟んでフランジに溶接固定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の開示による技術では、製造工程において、弁ハウジングを吸引部材に圧入する圧入部の製造ばらつきによって圧入荷重が過大になる恐れがある。場合によってその過大となった圧入荷重が、薄肉部となっている中間部材を変形させる可能性がある。その結果、吸引部材と可動子間のギャップを小さくさせ、弁作動の動特性に影響を及ぼし、望ましくない製品の性能等のばらつきを大きくする可能性がある。
【0006】
この対策として、圧入部の圧入代等を管理する方法が考えられるが、管理に伴って製造コストが増加する問題がある。また、圧入部の圧入荷重を低減する方法として、圧入部に潤滑油等を塗布する方法が考えられるが、圧入後に溶接等を行なう際、溶接部に油分が付着していると、ボイドが発生し、溶接品質が阻害される可能性がある。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、磁気回路を構成する部材を嵌合固定するものであって、嵌合による変形を抑制可能な構造を備えた電磁弁を提供することにある。
【0008】
また、別の目的は、磁気回路を構成する部材を嵌合固定するものであって、嵌合による変形の抑制が図れるとともに、安価な構造を備えた電磁弁を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1によると、略円筒状の電磁コイルと、電磁コイルの磁気回路を構成する固定子鉄心、および可動子を備え、固定子鉄心は、電磁コイルの外周の少なくとも一部を覆う外周側固定子鉄心と、少なくとも一部が電磁コイルの内周側に設けられ、可動子を移動自在に収容し、かつ可動子と軸方向に対向可能に配置される内周側固定子鉄心と、前記外周側固定子鉄心と前記内周側固定子鉄心が係合する係合部を有する電磁弁において、外周側固定子鉄心は、係合される内周側固定子鉄心の一部が圧入される嵌合孔を有し、係合部は、嵌合孔の内周と圧入される内周側固定子鉄心の外周との間で、圧入により嵌合した圧入部と隙間とから構成されており、圧入部は、嵌合孔の内周の周方向の一部に形成されている。
【0010】
これにより、電磁コイルの磁気回路を構成する固定子鉄心において、外周側固定子鉄心と内周側固定子鉄心とを係合させて磁気経路を形成させる際、その係合部を、従来技術のように全て圧入によって嵌合することなく、圧入により嵌合した圧入部と、隙間を設けることで、圧入荷重の低減が図れる。したがって、内周側固定子鉄心、もしくは外周側固定子鉄心の圧入による変形の抑制が可能である。例えば、内周側固定子鉄心において、可動子を内部に収容する内壁のように比較的剛性の低い部分での変形の抑制を図れる。
【0011】
特に、係合部は、嵌合孔の内周と圧入される内周側固定子鉄心の外周との間で、圧入により嵌合した圧入部と隙間とから構成されており、圧入部は、嵌合孔の内周の周方向の一部に形成されている。即ち、隙間は、圧入部から所定の幅で周方向に延在している。これにより、例えば、隙間の所定幅を、内周側固定子鉄心の外周と外側固定子鉄心の内周の製造ばらつきの範囲内で圧入しない程度にすることが可能である。したがって、隙間、つまり磁気経路上の空隙を抑えつつ、圧入荷重の低減が図れる。
【0012】
本発明の請求項2によると、圧入部において、内周側固定鉄心が外周側固定子鉄心と、嵌合孔の略周方向において嵌合している。
【0013】
これにより、許容される圧入荷重の範囲で、圧入部を略周方向に延ばすことことが可能である。
【0014】
本発明の請求項3によると、圧入部において、外周側固定子鉄心の嵌合孔の内周と前記内周側固定鉄心の外周との少なくとも一方に平面部分を有している。
【0015】
これにより、曲面同士の嵌合に比べて、圧入荷重のばらつきの低減が図れる。
【0016】
本発明の請求項4によると、嵌合孔の内周は、略円周形状であって、略円周の一部に形成される略平行な平面が上記平面部分である。
【0017】
これにより、例えば、電磁コイルの外周の少なくとも一部を覆う外周側固定子鉄心を成形する方法として、プレス加工を用いれば、電磁コイルの外周形状に沿って覆うことが容易であるとともに、内周も打ち抜き加工等により成形が容易となる。さらに、平面以外の内周、つまり円周は、圧入荷重に影響しないため、略円周の形状、真円度の公差幅を緩めることが可能である。したがって、電磁弁を安価に製造することが可能である。
【0018】
本発明の請求項5によると、嵌合孔の内周は、平行な平面に沿う方向に向かって略直交する位置決め平面を有する。
【0019】
これにより、平行な平面に沿う方向に向かって略直交する位置決め平面を設けることで、圧入工程の位置決め精度等の問題により平行な平面に沿う方向に軸ずれが生じてしまう場合において、隙間側で圧入が生じてしまう現象の防止が図れる。
【0020】
本発明の請求項6によると、内周側固定鉄心は、磁性材料からなる吸引部材と、非磁性材料からなる中間部材と、磁性材料からなるフランジを備え、中間部材は、吸引部材とフランジの間に挟まれるとともに、可動子を内周側に配置するように、薄肉に形成されている。
【0021】
これにより、吸引部材の可動子を吸引する吸引力向上に貢献する非磁性の中間部材を有する内周側固定子鉄心を備えた電磁弁に好適である。本発明の電磁弁では圧入荷重の低減が図れるので、例えば外周側固定子鉄心を内周側固定子鉄心に圧入組付けする際、薄肉に形成され、比較的剛性の弱い中間部材の変形の抑制が図れる。
【0022】
本発明の請求項7および請求項8によると、固定子鉄心を構成する部材を溶接固定もする電磁弁に好適である。本発明の電磁弁では圧入荷重の低減が図れるので、圧入荷重の低減を図る他の手法、例えば圧入部に潤滑油等を塗布する方法を用いる必要はない。このため、溶接部に油分が付着してしまって、ボイドが生じる現象の防止が図れる。また、本発明の請求項8によれば、外周側固定子鉄心の断面形状は、略U字状に形成され、略U字状に延びる両端部には、フランジに溶接固定される溶接部を有しており、圧入部は、両溶接部の並び方向に対向するように配置されている。これにより、溶接部から圧入部を通じて内周側固定子鉄心へ流れる磁気経路を最短距離になるようにすることが可能であり、磁気効率の向上が図れる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電磁弁に具体化した実施形態を図面に従って説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の電磁弁の平面図である。図2は、本実施形態の電磁弁の概略構成を示す軸方向断面図である。図2に示すように、電磁弁1は、電磁コイル10、固定子鉄心20、可動子30、弁体40、弁座部材(以下、バルブボディと呼ぶ)50等を含んで構成されている。
【0025】
電磁コイル10は、スプール11と、巻線12と、コイルカバー13とを備えている。樹脂製のスプール11は巻線12を巻装され、さらにこれらスプール11および巻線12を樹脂製のコイルカバー13により2次成形する。このとき、樹脂製のコネクタ14は、コイルカバー13に一体的に成形される。このコネクタ14には、電磁コイル10に通電するため、巻線12の端部と電気的に接続するターミナル15が設けられている。
【0026】
また、固定子鉄心20は、第1の支持部材21と、第2の支持部材25とを備え、通電により吸引力を発生する電磁コイル10を収容して、後述の可動子30と共に磁束が流れる磁気回路を形成している。なお、この第2の支持部材25は、電磁コイル10の外周の少なくとも一部を覆う外周側固定子鉄心を構成する。また、第1の支持部材21は、後述の吸引部材24および中間部材23を備えており、内周側固定子鉄心を構成している。
【0027】
第1の支持部材(以下、フランジ部と呼ぶ)21は、磁性材のフランジ22と、非磁性材の中間部材23と、磁性材の吸引部材24とで構成されている。フランジ22は、中央が中空の略平板状であって、本発明の電磁弁1を例えば燃料供給装置に収容して固定できるように、固定用ボルト等を螺合する案内孔29が複数設けられている。
【0028】
中間部材23は、円環状であって、略円筒状の吸引部材24とフランジ22の中空端部22aと共に、溶接等により一体的に形成される。これにより、この吸引部材24と中間部部材23とフランジ22との一体部(以下、収容部と呼ぶ)28は、可動子30を燃料気密に収容できる。これにより、内周側固定子鉄心としての第1の支持部材21は、図2に示すように、可動子30を移動自在に収容し、かつ可動子30と軸方向に対向可能に配置されている。
【0029】
なお、非磁性材の中間部材23は、可動子30に対向する径方向位置に配置されているので、通電して磁気コイル10に磁気を発生させると、磁束がフランジ22、第2の支持部材25、吸引部材24の順で、可動子30に流れる磁気回路が形成される。このため、中間部材23に磁束が流れにくくすることで、磁束が吸引部材24から可動子30へより多く流れるようにでき、可動子40を吸引する吸引力の向上が図れる。
【0030】
第2の支持部材(以下、弁ハウジングと呼ぶ)25は、図1および図2に示すように、有底の略円筒の周面の一部を切欠いた形状であって、一端25aは、フランジ部21に溶接等により固定される。なお、本実施形態では、有底の略円筒の周面の一部を切欠いた形状で説明するが、有底の略円筒形状であっても、一つの面が開口する略立方体形状でもよい。
【0031】
なお、以下説明する本実施形態では、弁ハウジング25は、断面が略U字状に形成され、その略U字状に延びる両端部25aは、フランジ22に溶接固定される溶接部Wを有する。
【0032】
さらに、弁ハウジング25の中央部には、嵌合孔(以下、孔と呼ぶ)25bが設けられ、この嵌合孔25bは、吸引部材24と嵌合し、係合部Pを形成する。なお、この係合部Pは、弁ハウジング25と吸引部材24の磁気経路の一部を構成している。なお、本発明の特徴である係合部Pについては、後述する。
【0033】
なお、上述の切欠くことで形成される開口部25cには、電磁コイル10に一体成形されたコネクタ部14を径方向に突き出すようにすれば、コネクタ14とハーネス(図示せず)との結線作業がし易いコネクタ14の大きさ、形状を設定することが可能となる。
【0034】
可動子30は、略円筒であって、収容部28内を軸方向に移動自在に移動する。この可動子30と吸引部材24との間には、軸方向に、後述の弁体40を開弁方向に付勢する付勢スプリング60が配置されている。可動子30と吸引部材24には、それぞれ付勢スプリング60を保持する有底孔30a、24aが設けられている。この付勢スプリング60は、吸引方向とは反対の開弁方向(吸引部材24から遠ざかる方向)に可動子30を付勢している。これにより、非通電時に、付勢スプリング60の付勢力により可動子30と係合する弁体40を開弁方向に移動させることができる。なお、この電磁コイル10と固定子鉄心20と可動子30は、電磁駆動部Sを形成している。
【0035】
次に、弁体40、バルブボディ50を以下説明する。弁体40とバルブボディ50(詳しくは、弁座当接面43aと弁座面53a)は当接、離間することで燃料等の制御媒体の連通、遮断を行なう周知の弁装置であればいずれでもよい。なお、弁体40およびバルブボディ50は弁部Bを構成する。
【0036】
なお、以下本実施形態では、ON−OFF制御のポペット弁構造として説明する。弁体40は、図2に示すように、可動子30に溶接等により固定されている。この弁体40は、バルブボディ50の弁孔51に軸方向摺動自在に保持されている。なお、弁体40の下端には、大径部43を備えている。また、バルブボディ50は、フランジ22の略円環状の凸設部22bに溶接等により固定されるとともに、収容部28の内周壁と同軸に配置されて、貫通された弁孔51が設けられている。これにより、弁体40は、可動子30と一体的に移動が可能である。さらに、バルブボディ50は、その外周と弁孔51とを径方向に連通する複数の燃料入口孔52と、弁孔51の下端側に開口の外周を囲んで形成された弁座53とが設けられている。この弁座53の弁座面53aは、弁体40の下端に形成された大径部43の弁座当接面43aに当接、離間可能に対面している。なお、弁体40とバルブボディ50は、所謂、ON−OFF制御のポペット弁部1Bを形成している。また、バルブボディ50には、非通電時、付勢スプリング60により弁体40を開弁方向に移動するリフト量を規制するストッパプレート70がバルブボディ50内に保持されている。なお、ストッパプレート70には外周に切欠部70aを設けて、燃料入口孔52から導入した燃料を弁孔51の燃料溜室BGを経由して、燃料通路を形成する切欠部70aから燃料を導出することが可能である。
【0037】
次に、上述の構成を有する電磁弁1の動作について、以下説明する。まず、電磁駆動部1Sにおいて、コネクタ14のターミナル15に電流を供給し、電磁コイル10に通電すると、電磁コイル10が励磁され、電磁力が発生する。この電磁力が発生すると、固定子鉄心20を形成するフランジ部21と弁ハウジング25、および可動子30とで構成された磁気回路に磁束が流れ、吸引部材24と可動子30との間に可動子30を吸引する吸引力が発生する。そして、可動子30が、付勢スプリング60の付勢力に抗して、磁気吸引力により吸引部材24とのギャップを詰める方向に移動する。これにより、弁体40の弁座当接面43aがバルブボディ50の弁座面53aとが当接し、閉弁する。一方、非通電時には、電磁コイル10の電磁力が消失し、可動子30を付勢する付勢スプリング60によって、弁体40が開弁方向に移動する。そして、弁体40はストッパプレート70に押圧され、開弁時の弁体40のリフト量が規制される。これにより、弁体40の弁座当接面43aがバルブボディ50の弁座面53aとが離間するので、燃料入口孔53から導入した燃料は、弁孔51の燃料溜室BGを経由してストッパプレート70の切欠部70aから導出される。
【0038】
本発明の特徴である吸引部材24と弁ハウジング25が係合する係合部Pについて、以下図1、図2および図3に従って説明する。図3は、図1中の固定子鉄心の係合部周りの拡大平面図である。図1および図3に示すように、係合部Pは、圧入部Paと隙間δとから構成されている。圧入部Paは、弁ハウジング25の孔25bの内周および吸引部材24の上端部24bの外周のそれぞれの一部同士が圧入により嵌合している。これにより、電磁コイル10の磁気回路を構成する固定子鉄心20において、弁ハウジング25と吸引部材24を係合させて磁気経路を形成させる際、その係合部Pを、従来技術のように全て圧入によって嵌合することなく、圧入により嵌合した圧入部Paと、隙間δを設けることで、圧入荷重の低減が図れる。したがって、吸引部材24つまり内周側固定子鉄心24、23、22、もしくは弁ハウジング25の圧入による変形の抑制が可能である。本実施形態では、内周側固定子鉄心24、23、22において、可動子30を内部に収容する内壁のように比較的剛性の低い部分での変形の抑制を図れる。
【0039】
なお、その内壁として、吸引部材24の可動子30を吸引する吸引力向上に貢献する非磁性の中間部材23を、図2に示すように、薄肉に形成される場合において、比較的剛性の弱い中間部材23の変形の抑制が図れる。これにより、中間部材23の変形によって生じる吸引部材24と可動子30の軸方向ギャップの縮小等の防止が可能である。
【0040】
さらに、一般に、圧入される各部材が同種の鋼材(例えば、本実施形態では、フェライト系ステンレス鋼)である場合、圧入部Paが凝着いわゆる焼き付きを起こす可能性がある。圧入部Paで凝着を起こすと、圧入代を可能な限り小さく設定しても、その公差内の上限においては圧入荷重が過大となってしまう場合がある。これに対して、本実施形態では、圧入部Paは、従来技術のように全周を圧入するのではなく、吸引部材24と弁ハウジング25と略周方向に嵌合しているだけである。これにより、許容される圧入荷重の範囲で、圧入部Paを略周方向に延ばすことが可能である。つまり、圧入時に凝着を起こす部分を、従来の全周から略周方向の一部(詳しくは、図3中の長さLPa)に限定することができ、圧入荷重の調整が容易となる。
【0041】
また、本実施形態では、図1および図3に示すように、孔25bが、略円周形状であって、その略円周の一部に形成される略平行な平面25fを有する。これにより、電磁コイル10の外周の少なくとも一部を覆う弁ハウジング25を成形する方法として、プレス加工を採用するのに好適である。プレス加工を用いれば、電磁コイル10の外周形状に沿って覆うような成形が容易であるとともに、孔25bの内周も打ち抜き加工等により成形が容易である。さらに、孔25bの内周のうち平面25f以外の内周、つまり円周は、圧入荷重に影響しないため、真円度の公差幅を緩めることが可能である。したがって、電磁弁1を安価に製造することが可能である。
【0042】
なお、平面25fは、図1および図3に示すように、弁ハウジング25の孔25bの内周と吸引部材24の上端部24bの外周との少なくとも一方に形成され、嵌合するための平面部分を構成する。これにより、曲面同士の嵌合に比べて、圧入荷重のばらつきの低減が図れる(図4参照)。なお、図4は、図1中の圧入部の圧入代と圧入荷重の関係を表し、横軸に圧入部Paの圧入代、縦軸に圧入荷重を示している。図4中の黒いひし形の符号は従来の圧入部が全周である場合、黒い四角の符号は本実施形態の場合を示し、本実施形態は、従来技術に比べて、圧入荷重の低減が図れる。さらに、従来の曲面同士の嵌合に比べて、本実施形態の弁ハウジング25の孔25bの内周と吸引部材24の上端部24bの外周との少なくとも一方に嵌合ための平面部分を有する嵌合では、圧入代の増加に従って圧入荷重が増大するのを抑制できる。
【0043】
さらに、本実施形態では、隙間δが、圧入部Paから所定の幅wδで周方向に延在している。これにより、隙間δの所定の幅wδを、吸引部材24の上端部24bの外周と弁ハウジング25の孔25bの内周の製造ばらつきの範囲内で圧入しない程度に設定することが可能である。したがって、隙間δつまり磁気経路上の空隙を抑えつつ、圧入荷重の低減が図れる。
【0044】
さらになお、本実施形態では圧入荷重の低減が図れるので、本実施形態のように、弁ハウジング25とフランジ22とを結合する方法として溶接による接合を行なうものに好適である。圧入荷重の低減を図る他の手法、例えば圧入部Paに潤滑油等を塗布する方法を用いる必要がない。このため、溶接部Wに油分が付着してしまってボイドが生じる現象の防止が図れる。
【0045】
さらになお、本実施形態では、図1および図3に示すように、圧入部Paが、両溶接部Wの並び方向に対向するように配置されている。これにより、図1に示すように、溶接部Wから圧入部Paを通じて弁ハウジング25に流れる磁束が、磁気経路の最短距離になるようにすることができ、磁気効率の向上が図れる。
【0046】
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
【0047】
第2の実施形態では、圧入部Paとして、第1の実施形態で説明した弁ハウジング25の孔25bの内周と吸引部材24の上端部24bの外周との少なくとも一方に嵌合ための平面部分を有する構成に代えて、図5に示すように、所定の曲面部分同士とする。図5は、本実施形態に係わる固定子鉄心の係合部周りの拡大平面図である。図5に示すように、弁ハウジング25の孔25bは略楕円形状であり、吸引部材24の上端部24bは略円形状に形成されている。孔25bの短径は、上端部24bの直径より僅かに小さくなっている。その結果、図5に示すように、所定の曲面部分同士の範囲LPaで嵌合する。なお、孔25bの長径側に隙間δが形成されている。
【0048】
この構成によると、圧入部Paを所定の曲面部分に限定する。したがって、従来の曲面同士の全周圧入でなく、吸引部材24と弁ハウジング25の曲面部分同士による部分的な圧入を行なうことが可能であるので、第1の実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
【0049】
(第3の実施形態)
第3の実施形態としては、第1の実施形態で説明した孔25bの形状を、略円周形状に代えて、図6に示すように、略長方形とする。図6は、本実施形態に係わる固定子鉄心の係合部周りの拡大平面図である。図6に示すように、吸引部材24の上端部24bの形状を、略正方形とする。また、弁ハウジング25の孔25bの形状は、図6の左右方向に延在する略長方形とする。なお、隙間δは、図6に示すように、孔25bの略長方形の両端部に配置されている。
【0050】
この構成によっても、第1の実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
【0051】
(第4の実施形態)
第4の実施形態としては、第1の実施形態で説明した弁ハウジング25を、断面形状がU字形状であるものに代えて、図7に示すように、略円筒形状とする。図7は、本実施形態に係わる電磁弁であって、図7(a)は平面図、図7(b)は軸方向断面図、図7(c)は固定子鉄心の係合部周りの拡大平面図である。
【0052】
この構成によると、第1の実施形態と同様な効果を得ることが可能である。なお、溶接部Wは、図7に示すように、弁ハウジング25の全周にわたってある。このため、圧入部Paの配置位置は、孔25bの内周のいずれにあっても、溶接部Wから圧入部Paを通じて弁ハウジング25に流れる磁束が、磁気経路の最短距離になるようにすることが可能である。
【0053】
(第5の実施形態)
第4の実施形態としては、第1の実施形態の孔25bに、図8に示すように、略平行な平面25fに沿う方向に向かって略直交する位置決め平面25kを備える。図8は、本実施形態に係わる固定子鉄心の係合部周りの拡大平面図である。
【0054】
一般に、圧入工程の位置決め精度等の工程上の問題によっては、圧入する部材間で軸ずれが生じる場合がある。過大な軸ずれが生じると、例えば弁ハウジング25の孔25bの隙間δを有する側の内周に、吸引部材24の上端部24bの外周が接触する恐れがある。この結果、その接触部分で凝着を起こしてしまって圧入荷重が過大となってしまう可能性がある。
【0055】
これに対して、本実施形態では、平行な平面25fに沿う方向に向かって略直交する位置決め平面25kを設けることで、軸ずれの抑制が図れる。その結果、圧入工程の位置決め精度等の問題により平行な平面25fに沿う方向に軸ずれが生じてしまう場合において、隙間δ側で圧入が生じてしまう現象の防止が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の電磁弁の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の電磁弁の概略構成を示す軸方向断面図である。
【図3】図1中の固定子鉄心の係合部周りの拡大平面図である。
【図4】図1中の圧入部の圧入代と圧入荷重の関係を示すグラフである。
【図5】第2の実施形態に係わる固定子鉄心の係合部周りの拡大平面図である。
【図6】第3の実施形態に係わる固定子鉄心の係合部周りの拡大平面図である。
【図7】第4の実施形態に係わる電磁弁であって、図7(a)は平面図、図7(b)は軸方向断面図、図7(c)は固定子鉄心の係合部周りの拡大平面図である。
【図8】第5の実施形態に係わる固定子鉄心の係合部周りの拡大平面図である。
【符号の説明】
1 電磁弁
10 電磁コイル
14 コネクタ
20 固定鉄心
21 第1の支持部材(フランジ部、内周側固定子鉄心)
22 フランジ
23 (非磁性材で形成される)中間部材(内周側固定子鉄心)
24 吸引部材(内周側固定子鉄心)
24b 上端部
25 第2の支持部材(弁ハウジング、外周側固定子鉄心)
25b 嵌合孔(孔)
25c 開口部
25f 略平行な平面
25k 位置決め平面
30 可動子
40 弁体
50 弁座部材(バルブボディ)
P 係合部
Pa 圧入部
δ 隙間
W 溶接部

Claims (8)

  1. 略円筒状の電磁コイルと、前記電磁コイルの磁気回路を構成する固定子鉄心、および可動子を備え、
    前記固定子鉄心は、前記電磁コイルの外周の少なくとも一部を覆う外周側固定子鉄心と、少なくとも一部が前記電磁コイルの内周側に設けられ、前記可動子を移動自在に収容し、かつ前記可動子と軸方向に対向可能に配置される内周側固定子鉄心と、
    前記外周側固定子鉄心と前記内周側固定子鉄心が係合する係合部を有する電磁弁において、
    前記外周側固定子鉄心は、係合される前記内周側固定子鉄心の一部が圧入される嵌合孔を有し、
    前記係合部は、前記嵌合孔の内周と圧入される前記内周側固定子鉄心の外周との間で、圧入により嵌合した圧入部と隙間とから構成されており、
    前記圧入部は、前記嵌合孔の内周の周方向の一部に形成されていることを特徴とする電磁弁。
  2. 前記圧入部において、前記内周側固定子鉄心が前記外周側固定子鉄心と、前記嵌合孔の略周方向において嵌合していることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記圧入部において、前記外周側固定子鉄心の前記嵌合孔の内周と前記内周側固定子鉄心の外周との少なくとも一方に平面部分を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁弁。
  4. 前記嵌合孔の内周は、略円周形状であって、前記略円周の一部に形成される略平行な平面が前記平面部分であることを特徴とする請求項3に記載の電磁弁。
  5. 前記嵌合孔の内周は、前記平行な前記平面に沿う方向に向かって略直交する位置決め平面を有することを特徴とする請求項4に記載の電磁弁。
  6. 前記内周側固定子鉄心は、磁性材料からなる吸引部材と、非磁性材料からなる中間部材と、磁性材料からなるフランジを備え、
    前記中間部材は、前記吸引部材と前記フランジの間に挟まれるとともに、前記可動子を内周側に配置するように、薄肉に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電磁弁。
  7. 前記外周側固定子鉄心は、前記フランジに溶接固定されていることを特徴とする請求項6に記載の電磁弁。
  8. 前記外周側固定子鉄心の断面形状は、略U字状に形成され、前記略U字状に延びる両端部には、前記フランジに溶接固定される溶接部を有しており、
    前記圧入部は、前記両溶接部の並び方向に対向するように配置されていることを特徴とすることを請求項7に記載の電磁弁。
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