JP4226478B2 - 強磁性コイルボビンを有する燃料噴射器 - Google Patents

Description

公知の燃料噴射システムの実例は、噴射器により、内燃機関で燃焼すべき燃料を散布すると思われる。また、散布される燃料はエンジン速度、エンジン負荷、エンジン排出物などのような多数のエンジンパラメータに従ってその量を変化させると思われる。

公知の電子式燃料噴射システムの実例は、少なくとも１つのエンジンパラメータをモニターして噴射器を電気的に作動することにより燃料を散布すると思われる。公知の噴射器の実例は、弁を作動するために電磁コイル、圧電気素子または磁歪材料を使用すると思われる。

公知の噴射器のかかる実例には多数の問題点があると思われる。公知の噴射器の実例は、多数の気密シールを含む複数のコンポーネントを必要とすると思われる。また、噴射器の実例は最適化された磁束回路を提供しないと思われる。

発明の概要

本発明によると、燃料噴射器は、弁組立体と、磁界を弁組立体の作用エアギャップの方へ集中させる弁アクチュエータ組立体とを備えることができる。本発明の一実施例によると、弁アクチュエータ組立体は、作用エアギャップに隣接する強磁性部分を有するハウジングを備えることができる。強磁性部分は、燃料噴射器の縦軸に沿って作用エアギャップの方へ延びることができる。強磁性部分は、燃料噴射器の縦軸に関して作用エアギャップの両側からその作用エアギャップの方へ延びる。

本発明は、内燃機関に用いる燃料噴射器を提供する。燃料噴射器は、管組立体、アーマチャー組立体、作用エアギャップ、コイル及びハウジングを備えることができる。管組立体は縦軸を有し、第１の端部及び第２の端部を有する非磁性管、及び第１と第２の端部の間の非磁性管内に位置する極片より成る。アーマチャー組立体は、極片と第１の端部の間の管組立体内に位置し、極片から離れる方向に偏倚された端面を有する。作用エアギャップは、端面が極片から離れる方向に偏倚されると、端面と極片を分離する。コイルは、電源に接続可能であり、アーマチャー組立体に対する弾性偏倚に抗して端面を極片の方へ変位させるように作動可能である。ハウジングは、作用エアギャップに隣接し、コイルを管組立体上で支持する。ハウジングはコイルの周りを取り囲み、コイルと非磁性管の間を延びる強磁性の内壁を有し、強磁性の内壁は縦軸に平行に測定してコイルの長さより実質的に小さい幅を有する開口を備えている。

本発明は、さらに、内燃機関に用いる燃料噴射器を提供する。燃料噴射器は、薄壁の管体、極片、アーマチャー、スリーブ、ボビン、電気コイルを有する。薄壁の管体は、第１の端部、第２の端部及び縦軸を有する。極片は、第１と第２の端部間で管体内に位置する。アーマチャーは、管体内に位置し、縦軸に沿って極片から作用エアギャップだけ離隔している。アーマチャーは、極片から離れる方向に調整自在に偏倚される。ボビンは、スリーブ内に挿入され、作用ギャップの各側の管体の外側表面と係合する強磁性部分を有する。電気コイルは、ボビン上に装着され、電源に接続可能であり、アーマチャーに対する偏倚力に抗して極片に関してアーマチャーを偏倚させるように作動可能である。

本発明は、また、燃料噴射器の組立て方法を提供する。この方法は、管組立体を用意し、アーマチャー組立体を用意し、端面が極片から離れる方向に偏倚されると、端面と極片を分離させて作用エアギャップを形成し、ハウジングを用意し、コイルをハウジング内に配置し、非磁性管の強磁性の内壁をコイルと非磁性管の間に位置決めし、ハウジングを作用エアギャップに隣接して配置し、ハウジングを管組立体に固定するステップより成る。管組立体は、縦軸を有し、第１の端部及び第２の端部を有する非磁性管、及び第１と第２の端部の間の非磁性管内に位置する極片より成る。アーマチャー組立体は、極片と第１の端部の間の管組立体内に位置し、極片から離れる方向に偏倚された端面を有する。ハウジングは、縦軸に平行に測定してコイルの長さより実質的に小さい幅を有する開口を備えた強磁性の内壁を有する。コイルは、電源に接続可能でアーマチャー組立体に対する弾性偏倚に抗して端面を極片の方へ変位させるように作動可能である。

図１を参照して、ソレノイド作動型燃料噴射器１０は、内燃機関（図示せず）で燃焼すべき燃料を散布する。燃料噴射器１０は、第１の噴射器端部１２と第２の噴射器端部１４との間を縦軸Ａ−Ａに沿って延び、弁組立体１６と、弁アクチュエータ組立体１８とを有する。弁組立体１６は、流体取り扱い機能、例えば、燃料流路を画定し、噴射器１０を介する燃料の流れを阻止する機能を有する。弁アクチュエータ組立体１８は、電気的機能、例えば、電気信号を噴射器１０を介して燃料を流す駆動力に変換する機能を有する。

弁組立体１６は、縦軸Ａ−Ａに沿って第１の端部２０と第２の端部２２との間を延びる管組立体を備えることができる。第１の端部２０及び第２の端部２２は、噴射器の第１の端部１２及び第２の端部１４に対応する。図１は、両方の実施例に共通の部品を同じ参照番号で示す弁組立体の２つの実施例を示す。

管組立体は少なくとも非磁性管２４と極片２８とを有する。非磁性管２４は、管組立体の第１の端部２０から第２の端部２２へ延びるのが好ましい。

非磁性管２４は、高圧燃料が流れる薄壁の圧力容器を形成する。非磁性管２４の厚さは、少なくとも１０バールの通常作動圧力に耐えると同時に磁束に対するリラクタンスが最小となるように最適化することができる。非磁性管２４の厚さを決定する他のファクターとして、振動力及び着脱時にかかる力の最大値を含めることができる。非磁性管２４は、例えば、３００シリーズのオーステナイト系ステンレス鋼のような非磁性ステンレス鋼またはそれと実質的に等価の構造的及び磁気的特性を示す他の任意適当な材料を含むことができる。非磁性管２４は深絞り加工または圧延加工により形成可能である。極片２８は強磁性材料を含むことが可能であり、非磁性管の内部に圧力嵌め、圧着、普通の溶接、摩擦溶接、または好ましくはレーザー溶接により固定される。極片２８は、第１の端部２０と第２の端部２２との間に配置される。非磁性管２４は、Ｏリング３２を保持するために入口端部で押し広げてもよい。

非磁性管２４を極片２８とは別個に形成することにより、組立プロセス時に異なる長さの非磁性管２４を用いることにより異なる長さの噴射器を製造することが可能である。公知の噴射器では、極片２８の長さは固定的であり、噴射器の長さは作動条件に応じて変えるのが好ましい。非磁性管２４を別個に形成すると、同じサイズの極片２８及び以下に説明する他の内部コンポーネントと異なる長さの非磁性管とをモジューラー式で組み立てることが可能になる。このモジューラー式組立てにより、製造者が性能及び他の基準の範囲を満足するためにサイズが多様な噴射器を製造する場合、部品点数、組立ての複雑さ及び製造コストを減少することができる。

弁座３４、３４´は管組立体の第１の端部２０に固定される。弁座３４、３４´は燃料噴射器の縦軸Ａ−Ａを中心とする開口を有し、この開口を介して燃料が内燃機関（図示せず）へ流入する。弁座３４、３４´はその開口を取り囲む密封表面を有する。密封表面は円錐台形または凹面状であり、仕上げ表面を備えることができる。図１の右半分で示すように、オリフィスディスク（番号なし）を、溶接または他の公知の固着法により弁座３４の下側表面３６に固着することができる。図１の左半分に示す実施例では、オリフィスディスク（番号なし）は弁座３４´とバックアップワッシャ３６´との間に挿入される。オリフィスディスクは、サイズ及び方向が正確に決定された少なくとも１つのオリフィスを有し、特定の燃料スプレーパターンを得ることができる。

強磁性アーマチャー３８、３８´は管組立体内に位置する。アーマチャー３８、３８´の一方の端部は計量部材に接続されている。図１の右半分は球弁４０として実現される計量部材を示す。図１の左半分はニードル弁４０´として実現される計量弁を示す。アーマチャー３８、３８´は、管組立体内で極片２８に対向する。計量部材４０、４０´は、弁座３４、３４´及びその密封表面に関して可動である。計量部材４０、４０´は、図１に示す閉位置と、開位置（図示せず）との間で可動である。閉位置では、計量部材４０、４０´は密封表面と密接係合して開口を介する燃料流を阻止する。開位置において、計量部材４０、４０´は弁座３４、３４´から離隔するため、燃料は開口を流れることができる。

１つの軸方向に延びる少なくとも通路４２、４２´と、アーマチャー３８、３８´の壁を貫通する少なくとも１つの開口４４、４４´は、アーマチャー３８、３８´を介して燃料を流すことができる。図１の右側のアーマチャー３８については、開口４４は任意の形状でよく、好ましくは非円形、例えば、軸方向に細長いものであり、それにより気泡が容易に通過できる。例えば、シートを実質的に管体に圧延して形成される別個の中間部分４６については、開口４４は圧延シートの非当接端縁部間に形成された軸方向に延びるスリットでよい。あるいは、アーマチャー３８を深絞り加工により形成してもよい。開口４４、４４´は、少なくとも１つの通路４２、４２´へ流体を連通させる。従って、開位置では、燃料は通路４２、４２´から開口４４、４４´を通り、計量部材４４、４４´の周りを流れて、開口から内燃機関（図示せず）へ送られる。

管組立体内にある弾性部材４８は、アーマチャー３８、３８´を弁座３４、３４´の方へ偏倚させる。調整管５０もまた管組立体内に配置するとよい。調整管５０は、管組立体の第１の端部２０と第２の端部２２との間に位置する。調整管５０は弾性部材４８と係合し、管組立体に関して弾性部材４８の偏倚力を調整する。詳述すると、調整管５０は、弁アクチュエータ組立体１８が脱勢されると弾性部材４８が反作用して噴射器の弁を閉じるための反作用部材を提供する。調整管５０の位置は、その外側表面と非磁性管２４の内側表面との間の締り嵌めにより非磁性管２４に関して保持することができる。従って、非磁性管２４に関する調整管５０の位置に基づいて、計量部材４０、４０´の所定の動的特性を設定することができる。

弁組立体１６は、以下のように組立てることができる。予め組立てたアーマチャー３８、３８´、計量部材４０、４０´及び中間部分４２、４２´を第２の端部２２から軸Ａ−Ａに沿って挿入する。その後、極片２８を第２の端部２２から軸Ａ−Ａに沿って挿入し、以下に述べるように所望の作用エアギャップ８２が形成されるように位置決めする。極片２８は、摩擦溶接、レーザー溶接及び、好ましくは仮付け溶接のような公知の固着技術により非磁性管２４に固定する。その後、弾性部材４８及び調整管５０を第２の端部２２から軸Ａ−Ａに沿って挿入する。調整管５０を軸Ａ−Ａに沿い非磁性管２４に関して位置決めすることにより、弾性部材の動的特性を調整する。例えば、アーマチャー３８、３８´が噴射パルス時に浮き上がったり跳ねたりしないように調整する。その後、弁座３４、３４´を第１の端部２０から軸Ａ−Ａに沿って挿入し、圧着、摩擦溶接、普通の溶接、好ましくはレーザー溶接のような公知の固着法により非磁性管２４に固着する。

図１−３を参照して、弁アクチュエータ組立体１８は、ボビン５２、少なくとも１つの電気端子５４（図２）、円筒形ハウジング５６及びワイヤーコイル５８を備えることができる。ボビン５２は、第１の強磁性部材６０、第２の強磁性部材６２及び第１と第２の強磁性部材６０、６２を接続するプラスチック部材６４を有する。ワイヤーコイル５８は、ボビン５２上に支持された電気接点６３（図２）に電気接続されている。ワイヤーコイル５８は、付勢されると磁束（図３の磁束線Ｍで略示）を発生するが、この磁束によりアーマチャー３８、３８´が開位置の方へ移動するため燃料が開口を流れることができる。ワイヤーコイル５８を脱勢すると、弾性部材４８がアーマチャー３８、３８´を閉位置に戻すため燃料の流れが遮断される。各電気端子５４は、ワイヤーコイル５２のそれぞれの電気接点６８と電気的に接触する。図２に示すように、好ましい実施例は２つの電気端子５４と２つの電気接点６３とを有する。

図１及び３は第１及び第２の強磁性部材６０、６２を示すが、これらの部材はそれぞれ強磁性フランジ６６、６８と強磁性軸方向延長部７０、７２とを備えている。強磁性フランジ６６、６８は非磁性管２４と円筒形ハウジング５６との間を延びる。図３に示すように、第１の強磁性部材６０の強磁性フランジ６６の一部には、電気接点６３の支持部材７４を収容するための凹部が形成されている。好ましい実施例において、電気接点の支持部材７４はプラスチック部材６４と一体的に形成されている。強磁性軸方向延長部７０、７２は、強磁性フランジ６６、６８から縦軸Ａ−Ａの方向において互いに近づくように延びるが、プラスチック部材６４が貫通する開口により互いに分離されている。プラスチック部材６４が貫通する開口の長さはワイヤーコイル５８の長さより実質的に小さいが、これらは共に縦軸Ａ−Ａに沿って測定したものである。好ましい実施例において、第１及び第２の強磁性部材６０、６２は、縦軸Ａ−Ａの方向にワイヤーコイル５８を中心として対称配置されている。

プラスチック部材６４は、非磁性管２４に隣接する内壁７６と、円筒形ハウジング５６に隣接する外壁７８とを備えることができる。強磁性軸方向延長部７０と７２との間の開口内を延びるように、リング８０を内壁の上に形成してもよい。あるいは、内壁７６の一部及び／またはリング８０を亜鉛のような他の非磁性材料で形成してもよい。

好ましい実施例において、円筒形ハウジング５６は強磁性フランジ６６、６８の外側端部において第１と第２の強磁性部材６０、６２を接続する。かくして、ボビン５２はワイヤーコイル５８を収容しそれを支持する強磁性ハウジングを提供する。強磁性軸方向延長部７０、７２と、それらの間の開口を貫通するプラスチック部材６４のリング８０とは、強磁性ハウジングの内壁を提供する。

強磁性ハウジングの他の可能な構成は、離隔してその間に開口を形成する２つの円筒形ハウジングにより強磁性軸方向延長部７０、７２を形成し、それぞれの円筒形ハウジング５６の方へ延びるように該円筒形ハウジング上に強磁性フランジ６０、６８を形成したものがある。さらに別の構成として、強磁性フランジ６６、６８をそれぞれ、外側円筒形ハウジングとそれぞれの内側円筒形ハウジングとの間に接続した別個のディスクにより形成し、外側円筒形ハウジングが強磁性フランジ及び２つの内側円筒形ハウジングの周りを延びるように形成したものがある。

磁束帰還路を提供する円筒形ハウジング５６は、一般的に、ボビン５２及びワイヤーコイル５８の外面を取り囲む強磁性円筒部材を備えるようにしてもよい。図２に示すように、円筒形ハウジング５６は、ワイヤーコイル５８の脱勢時に生じる可能性のある渦電流をなくすためのスロット、孔部６５または他の特徴部分を備えることができる。さらに、円筒形ハウジング５６の周面に切り込んだ（または凹部として形成した）端縁部６７を設けてボビン５２の電気接点支持部材７４（図１）を取り付けるための浮き上がり部を提供することができる。

弁アクチュエータ１８は以下のように構成可能である。プラスチック部材６４は、電気接点６３と第１及び第２の強磁性部材６０、６２とをインサート成形することにより形成する。ワイヤーコイル５８は、プラスチック部材６４上に巻き付けて、電気接点６４で終端させる。これによりボビン５２が完成する。その後、円筒形ハウジング５６をボビン５２の上に配置する。電気端子５４を予め曲げて適当な形状にした後、ろう付け、はんだ付け、溶接、または、好ましくは抵抗溶接によりそれぞれの電気接点６３に電気接続する。別法として、電気端子５４を電気接点６３に一体的に形成してもよい。

弾性部材４８は、常態で、アーマチャー３８、３８´を極片２８から離れる方向に偏倚させることにより、アーマチャー３８、３８´と極片２８との間に作用エアギャップ８２を形成する。ボビン５２は、作用エアギャップ８２が縦軸Ａ−Ａの方向においてワイヤーコイル５８の端部間に存在するように非磁性管２４に沿って配置する。好ましい実施例では、ボビン５２は、作用エアギャップ８２が２つの強磁性軸方向延長部７０と７２との間でワイヤーコイルの中心に来るように、また、リング８０が作用エアギャップ８２に隣接するように、非磁性管２４に沿って配置される。

動作について説明すると、ワイヤーコイル５８は、付勢されると、磁気回路に磁束Ｍ（図３）を発生させる。磁束は、アーマチャー３８、３８´を縦軸Ａ−Ａに沿って極片２８の方へ移動させることにより作動エアギャップ８２を閉じる。アーマチャー３８、３８´のこの運動により計量部材４０、４０´が弁座３４、３４´から離れるため、燃料は非磁性管２４、通路４２、４２´、開口４４、４４´、弁座３４、３４´と計量部材４０、４０´を通り、最終的にオリフィスディスク（番号なし）の開口を通って内燃機関（図示せず）へ流入できるようになる。ワイヤーコイル５８が脱勢されると、アーマチャー３８、３８´は弾性部材４８の偏倚力により極片２８から離れる方向に移動するため、作用エアギャップ８２が再び形成され、計量部材４０、４０´が弁座３４、３４´と密接係合して、噴射器１０を介する燃料の流れを停止する。

好ましい実施例によると、ワイヤーコイル５８が発生させる磁束Ｍは、極片２８、作用エアギャップ８２、強磁性軸方向延長部７０、７２、強磁性フランジ６６、６８及び円筒形ハウジング５６を含む回路を流れる。軸方向延長部７０、７２は、磁束が非磁性管２４を横切る面積を増加させる。その結果、非磁性管２４の非磁性的性質による磁気リラクタンスの有害な影響が最小限に抑えられる。本発明の別の利点として、作用エアギャップ８２に対する強磁性軸方向延長部７０、７２とリング８０の相対的位置により磁束Ｍが作用エアギャップ８２の方へ集中することがある。

作用エアギャップ８２をワイヤーコイル５８の内部に位置させることにより得られる別の利点は、ワイヤーコイル５８に必要な巻数を減少できることである。使用するワイヤー量のコスト削減が可能であるだけでなく、所要の磁束Ｍを発生させるエネルギーが少なくなり、ワイヤーコイル５８で発生する熱が減少する（この熱は噴射器の一貫した動作を確保するために放散させねばならない）。

完成した弁組立体１６を完成した弁アクチュエータ組立体１８に挿入することができる。かくして、噴射器１０は、組立てて、別個にテストした後、接続して噴射器１０にすることのできる２つのモジューラー副組立体により構成可能である。弁組立体１６と弁アクチュエータ組立体１８とは、接着剤、溶接または他の等価的固着法により固定できる。

弁アクチュエータ組立体１８は、非磁性管２４を介する流体通路の外側に位置するため、乾いた弁アクチュエータ組立体が得られる。従って、弁アクチュエータ組立体と弁組立体との間には気密シールが不要であり、燃料噴射器１０の完成に必要な部品点数が減少する。

弁アクチュエータ組立体１８を弁組立体１６に一旦係合した後、オーバーモールド８４により弁組立体１６と弁アクチュエータ組立体１８とを包み込む。オーバーモールド８４は、弁組立体１６に対する弁アクチュエータ組立体１８の相対的方向及び位置を維持する。図１に示すように、オーバーモールド８４はまた、電気端子５４の一部が露出し電気ハーネスコネクタ部分８６を形成する。電気端子５４と電気ハーネスコネクタ部分８６とは係合用コネクタ、例えば、車両ワイヤーハーネスの一部（図示せず）に係合するため、ワイヤーコイル５８の付勢用電源（図示せず）への噴射器１０の接続が容易になる。好ましい実施例において、オーバーモールドは射出成形プラスチックにより形成される。オーバーモールド８４はまた、噴射器の構造用ケースを提供し、所定の電気絶縁性質と断熱特性を与える。別法として、アクチュエータ組立体を弁組立体１６に固定する前にオーバーモールド８０を弁アクチュエータ組立体１８の上に形成することも可能である。その後、弁組立体１６を予め組み立てた弁アクチュエータ組立体１８とオーバーモールド８４とに挿入してもよい。

噴射器の第２の端部１４は、燃料供給用燃料レール（図示せず）と流体連通関係にする必要がある。Ｏリング３２、８８（図１）を用いて、噴射器の第２の端部１４を燃料レール（図示せず）に密封し、噴射器の第１の端部１２の所にある噴射器１０と内燃機関（図示せず）との間の接続部に流体が漏れないシールを提供することができる。

本発明をある特定の実施例に関連して説明したが、頭書の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく多数の変形例及び設計変更が可能である。従って、本発明は記載した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の文言及びその均等物により決まる全範囲を有するものである。

本発明の燃料噴射器の断面図である。 図１に示す燃料噴射器の一部の展開図である。 図１に示す燃料噴射器の一部の断面図である。

Claims (20)

1. 内燃機関用燃料噴射器であって、
   縦軸を有し、第１の端部及び第２の端部を有する非磁性管、及び非磁性管内に位置する極片より成る管組立体と、
   極片と第１の端部の間の管組立体内に位置し、極片から離れる方向に弾性偏倚された端面を有するアーマチャー組立体と、
   端面が極片から離れる方向に偏倚されると、端面と極片を分離する作用エアギャップと、
   電源に接続可能であり、アーマチャー組立体に対する弾性偏倚に抗して端面を極片の方へ変位させるように作動可能なコイルと、
   作用エアギャップに隣接し、コイルを管組立体上で支持するハウジングとより成り、
   該ハウジングは、
   コイルの周りを取り囲み、コイルと非磁性管の間を延びる強磁性の内壁を有し、強磁性の内壁は縦軸に平行に測定してコイルの長さより小さい幅を有する開口を備えていると共に、
   強磁性の内壁から離れる方向に延びる第１及び第２のフランジと、
   両フランジ間を延びる環状壁部と、
   第１及び第２のフランジを実質的に取り囲む円筒部材とより成り、
   環状壁部は強磁性の内壁と開口内に延びる非磁性突出部とを有する
   燃料噴射器。
2. ハウジングは、縦軸に沿い作用エアギャップを中心として配置されている請求項１の燃料噴射器。
3. 極片は環状壁部を有し、
   アーマチャー組立体はさらに環状壁部を備えた強磁性部材を有し、
   強磁性の内壁は環状であり、
   非磁性管は極片、環状の強磁性部材及び強磁性の内壁のいずれの環状壁部よりも薄い環状壁部を有する請求項１の燃料噴射器。
4. ハウジングは、縦軸に沿って第１の端面、第２の端面及び中心を有し、作用エアギャップはハウジングの第１及び第２の端面よりハウジングの中心に近い所に位置する請求項３の燃料噴射器。
5. 強磁性の内壁は、互いに近づく方向に、また第１及び第２のフランジから離れる方向に向いた第１及び第２の強磁性延長部を有する請求項１の燃料噴射器。
6. 第１及び第２の強磁性延長部は非磁性管の縦軸に沿って延びる請求項５の燃料噴射器。
7. 強磁性延長部の縦方向断面積は、強磁性延長部に隣接する非磁性管の縦方向断面積よりも大きい請求項６の燃料噴射器。
8. 非磁性管は外側表面を有し、ボビンの上方及び下方部分の管状部分は非磁性管の外側表面と係合する請求項６の燃料噴射器。
9. コイルは電源により付勢されると磁束回路を形成し、磁束回路は強磁性延長部が係合する非磁性管部分に沿って、非磁性管の外部にある請求項８の燃料噴射器。
10. コイルは電源により付勢されると磁束回路を形成し、磁束回路は強磁性延長部に沿って延びる請求項６の燃料噴射器。
11. 強磁性の内壁の開口は、縦軸に沿う作用エアギャップと整列関係にある請求項１の燃料噴射器。
12. 前記開口は縦軸に沿う作用エアギャップの中心に位置する請求項１１の燃料噴射器。
13. 非磁性管の長さは、縦軸に沿って測定した燃料噴射器の全長に等しい請求項１の燃料噴射器。
14. 非磁性管は均質である請求項１３の燃料噴射器。
15. ハウジングはさらに、
    環状スリーブと、
    環状スリーブ内に挿入したボビンとを有し、
    ボビンは、
    半径方向フランジ及び軸方向延長部を有する第１の環状部材と、
    半径方向フランジ及び軸方向延長部を有する第２の環状部材とを備えており、第２の環状部材は第１の環状部材と同心関係にあり、
    軸方向延長部は互いに近づく方向に延びて開口により分離される請求項１の燃料噴射器。
16. ボビンはさらに、コイルを収容し半径方向フランジ間に接続された環状ケーシングを有し、環状ケーシングは開口内に延びる環状突出部を有する請求項１５の燃料噴射器。
17. 強磁性の内壁は軸方向延長部を有し、半径方向フランジは強磁性であり、環状突出部は非磁性である請求項１６の燃料噴射器。
18. 環状突出部は縦軸に沿って作用エアギャップの中心に位置する請求項１６の燃料噴射器。
19. 請求項１記載の内燃機関用燃料噴射器であって、
    第１の端部、第２の端部及び縦軸を有する管体を備えた燃料噴射器。
20. 請求項１記載の内燃機関用燃料噴射器の組立方法であって、
    縦軸を有し、第１の端部及び第２の端部を有する非磁性管、及び第１と第２の端部の間の非磁性管内に位置する極片より成る管組立体を用意し、
    極片と第１の端部の間の管組立体内に位置し、極片から離れる方向に弾性偏倚された端面を有するアーマチャー組立体を用意し、
    端面が極片から離れる方向に偏倚されると、端面と極片を分離させて作用エアギャップを形成し、
    縦軸に平行に測定してコイルの長さより実質的に小さい幅を有する開口を備えた強磁性の内壁を有するハウジングを用意し、
    ハウジング内に、電源に接続可能でアーマチャー組立体に対する弾性偏倚に抗して端面を極片の方へ変位させるように作動可能なコイルを配置し、
    非磁性管の強磁性の内壁をコイルと非磁性管の間に位置決めし、
    ハウジングを作用エアギャップに隣接して配置し、
    ハウジングを管組立体に固定するステップより成る燃料噴射器の組立方法。

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