JP3956179B2 - ビデオ画像の製作方法及び装置 - Google Patents

ビデオ画像の製作方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はビデオ画像の製作方法及び装置に係り、特に背景画像に被撮影者を重ねてビデオ撮影するビデオ画像の製作方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブルーバックなどの特定色のスクリーンを背景にして被撮影者をビデオカメラで撮影し、この撮影した画像から特定色だけを抽出してキー信号を作成し、このキー信号によって被撮影者の画像と、予め準備されている複数の背景画像の中から適宜選択した背景画像とをクロマキー合成し、この合成画像をビデオテープに記録するようにしたビデオ画像の製作方法がある(特平8−7792号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クロマキー合成は、合成部分の境界にジッターが生じたり、キー信号を得るための特定色成分が全景側にかぶる等の不自然な合成となるという問題がある。また、ビデオ撮影中に被撮影者はリアルな体験をすることができず、撮影中に退屈するという問題がある。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、背景画像に違和感なく被撮影者を合成することができ、撮影中に被撮影者がリアルな体験をすることができるビデオ画像の製作方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1に係るビデオ画像の製作方法は、スクリーンに背景画像となる動画を表示し、被撮影者が位置する床面に動く歩道を設置し、該動く歩道の速度と背景画像の移動速度とが同期するように制御し、前記動く歩道の速度及び背景画像の移動速度を被撮影者によるリモコン操作で変化させ、該背景画像に被撮影者を重ねてビデオ撮影することを特徴としている。これにより、背景画像に違和感なく被撮影者を合成することができ、また、被撮影者は撮影中に背景画像を見ながらリアルな体験をすることができる。更に、観光地などを歩き回るなどの疑似体験ができ、その合成画像を得ることができる。また、任意の速度で歩いたり止まったりすることができ、より自然な合成画像を得ることができる。
【0008】
本願請求項に示すように前記背景画像に応じて被撮影者を照明する照明光の色温度及び/又は輝度を変えることを特徴としている。即ち、背景画像の色温度及び/又は輝度に被撮影者の色温度及び/又は輝度を合わせることができ、より自然な画像合成を可能にしている。
【0009】
本願請求項に示すように音声を再生し、前記ビデオ撮影とともに音声を録音することを特徴としている。
【0011】
本願請求項に係るビデオ画像の製作装置は、被撮影者を収容するビデオ撮影ボックスと、前記ビデオ撮影ボックスの壁面をスクリーンとし、該スクリーンに画像を表示させるプロジェクターと、前記ビデオ撮影ボックスの床面に設置された動く歩道と、前記動く歩道の速度と前記背景画像の移動速度とが同期するように制御する制御手段と、連続する背景画像を記憶する画像記憶手段と、前記画像記憶手段から背景画像を順次読み出し、前記プロジェクターに背景画像を出力するプロジェクター制御手段と、前記スクリーンと対向する位置に設置されたビデオカメラとを備え、背景画像に被撮影者を重ねてビデオ撮影することを特徴としている。
【0012】
本願請求項に示すように前記ビデオ撮影ボックス内に設けられたスピーカと、音声情報を記憶する音声記憶手段と、前記音声記憶手段から音声情報を読み出し、前記スピーカに音声情報を出力して音声を発生させる音声再生手段と、マイクロフォンを含み前記ビデオ撮影ボックス内の音声を録音する録音手段と、を有することを特徴としている。
【0014】
本願請求項に示すように少なくとも前記動く歩道の速度を制御するリモコンと、該リモコンからのリモコン信号を受信する受信部と、該受信部によって受信したリモコン信号に基づいて前記動く歩道の速度を制御するとともに、前記画像記憶手段からの背景画像の読み出しを制御し、前記動く歩道の速度と前記背景画像の移動速度とを同期させる制御手段と、を有することを特徴としている。
【0015】
本願請求項に示すように被撮影者を照明する照明光の色温度及び/又は輝度を変えることが可能な照明手段と、前記背景画像の色温度及び/又は輝度に応じて前記照明手段の色温度及び/又は輝度を調整する調整手段と、を有することを特徴としている。本願請求項に示すように被撮影者を照明する照明手段として前記ビデオカメラを囲むリングライトを有することを特徴としている。
【0016】
本願請求項に示すように前記ビデオ撮影ボックスの壁面のほぼ全周をスクリーンとし、複数組のビデオカメラ及び照明手段が前記スクリーンに埋め込まれていることを特徴としている。
【0017】
本願請求項10に示すように前記複数組のビデオカメラ及び照明手段のうちのいずれかの組のビデオカメラ及び照明手段を動作可能に選択的に切り替える切替手段を有することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るビデオ画像の製作方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0019】
図1は本発明に係るビデオ画像の製作装置の概略を示す平面図であり、図2は図1の2−2線に沿う断面図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、このビデオ画像の製作装置は、出入口10Aを有するスタジオ10内にビデオ撮影ボックス12が設けられており、ビデオ撮影ボックス12の4つの壁面にはスクリーンS1〜S4が設けられている。各スクリーンS1〜S4には、それぞれ照明L1〜L4付きのビデオカメラCam 1〜Cam 4が埋め込まれており、また、各スクリーンS1〜S4にそれぞれ被撮影者に対する背景画像を投影するプロジェクターP1〜P4が設置されている。尚、ビデオカメラCam 1〜Cam 4には、それぞれ図示しないマイクロホン及びリモコン受光部が設けられている。また、照明L1〜L4は、被撮影者の影が撮影されないようにリングライトが好ましい。
【0021】
ビデオ撮影ボックス12の床面には、動く歩道14が設置されている。この動く歩道14は、図2に示すように被撮影者16がリモコン18を操作することにより、矢印A方向又は矢印B方向に移動でき、また、速度も調整できるようになっている。尚、リモコン操作による動く歩道14等の制御の詳細については後述する。
【0022】
また、スタジオ10の正面には、操作パネル20が設けられている。この操作パネル20には、図3に示すようにCRTディスプレイ21、本発明に係るビデオ画像を記録するための記録媒体(ビデオカセット)の挿入排出口22、プリント取出口23、紙幣及びコインの投入口24、釣銭用トレー25、及び各種のボタンを含む操作部26等が設けられている。
【0023】
図4は本発明に係るビデオ画像の製作装置の実施の形態を示すブロック図である。
【0024】
このビデオ画像の製作装置は、主として照明L1〜L4付きのビデオカメラCam 1〜Cam 4、プロジェクターP1〜P4、各ビデオカメラCam 1〜Cam 4に設けられたマイクロホンM1〜M4及びリモコン受光部R1〜R4、動く歩道14、色温度変換部T1〜T4、音声再生回路30、記録再生装置46、中央処理装置(CPU)50、照明強度コントローラ52、照明色温度コントローラ54、背景画像及び音声ライブラリ56、背景画像ジェネレータ62、及びプロジェクターコントローラ64等から構成されている。
【0025】
図5は動く歩道14等を制御するためのリモコン18の平面図である。
【0026】
このリモコン18は、動く歩道14等の速度をアップ/ダウンさせるアップスイッチ18A、ダウンスイッチ18B、右折スイッチ18C、左折スイッチ18D、停止スイッチ18E、ビデオカメラCam 1〜Cam 4を手動で選択するための手動切替えスイッチ18F〜18I、ビデオカメラCam 1〜Cam 4を自動的に切り替えるための自動切替えスイッチ18J、及び上記スイッチ操作に応じた赤外リモコン信号を出力するリモコン発光部18K等を有している。このリモコン18のリモコン発光部18Kから発光されたリモコン信号は、各ビデオカメラCam 1〜Cam 4に設けられたリモコン受光部R1〜R4のうちのいずれか1つ又は複数によって受光される。
【0027】
色温度変換部T1〜T4は、被撮影者を照明する照明光の色温度を変換するもので、図6(A)に示すように光源70の前方に配置されたガラスフィルタ72と、このガラスフィルタ72を適宜の位置に回転させるモータ74とから構成されている。尚、ガラスフィルタ72には、図6(B)に示すように円周方向に青から赤にわたってグラデーションが付けられている。
【0028】
図4に戻って、CPU50は装置全体を統括制御するもので、このCPU50には、課金装置34から投入料金等を示す情報が加えられ、リモコン受光部R1〜R4からリモコン受光強度を示す信号及びA/Dコンバータ48を介してリモコン信号が加えられ、操作部26から背景画像の選択信号や印画要求等の指令信号が加えられる。
【0029】
次に、上記CPU50及び図4に示した各部の動作について、図7乃至図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0030】
図7は被撮影者が料金を投入してから被撮影者を撮影したビデオ画像が記録されたビデオカセットを受け取るまでの全体の流れを示すフローチャートである。
【0031】
CPU50は課金装置34からの情報により料金が投入されたか否かを判別し(ステップS10)、料金が投入されたと判別すると、続いてビデオカセットが挿入排出口22(図3参照)に挿入されたか否かを判別する(ステップS12)。
【0032】
ビデオカセットが挿入されたことが判別されると、被撮影者は背景画像を操作部26でのボタン操作により選択する(ステップS14)。背景画像が選択されると、ビデオ撮影が開始される(ステップS16)。即ち、CPU50は、背景画像が選択されると、背景画像及び音声ライブラリ56から背景画像信号とそれに付随する音声信号を読み出し、背景画像信号を背景画像ジェネレータ62に出力させ、音声信号を音声再生回路30に出力させる。尚、背景画像信号及び音声信号は、外部サーバ58から通信装置60を介して背景画像及び音声ライブラリ56に取り込むことができるようになっている。
【0033】
背景画像ジェネレータ62は、背景画像及び音声ライブラリ56から入力した背景画像信号をCPU50からの制御信号に基づいてプロジェクターコントローラ64を介してプロジェクターP1〜P4に出力し、各プロジェクターP1〜P4は、それぞれ入力する背景画像信号に基づいて4面のスクリーンS1〜S4(図1参照)に背景画像を投影する。
【0034】
また、音声再生回路30は、背景画像及び音声ライブラリ56から入力した音声信号をD/A変換したのち増幅し、これをスピーカSに出力して音声を再生させる。
【0035】
一方、ビデオカメラCam 1〜Cam 4は、それぞれ対向するスクリーンに投影された背景画像に被撮影者を重ねてビデオ撮影し、ビデオ信号をカメラ入力セレクタ44に出力する。カメラ入力セレクタ44は、CPU50からの選択指令により、4つのビデオ信号のうちから1つのビデオ信号を選択し、これを記録再生装置46に出力する。
【0036】
また、マイクロホンM1〜M4は、それぞれビデオ撮影ボックス12内の音声を検出し、音声信号をマイク入力セレクタ38に出力する。マイク入力セレクタ38は、CPU50からの選択指令により、4つの音声信号のうちから1つの音声信号を選択し、これを音声合成回路40に出力する。音声合成回路40は、マイク入力セレクタ38から入力する音声信号と、背景画像及び音声ライブラリ56から出力されるBGM等の音声信号とを合成し、これを記録再生装置46に出力する。記録再生装置46は、入力するビデオ信号と音声信号とをビデオカセットに記録する。
【0037】
上記のようにして所定時間のビデオ撮影が終了すると(ステップS18)、CPU50は印画要求があるか否かを判別する(ステップS20)。印画要求があると、印画画像の選択を行う(ステップS22)。この印画画像の選択は、前記記録再生装置46によりビデオ信号を再生させ、被撮影者と背景画像とが合成された画像を画像表示器26に表示させ、コマ送りや停止等の操作を行うことにより所望のコマ画像を選択することができる。そして、印画画像の選択が行われると、記録再生装置46はそのコマ画像を示すビデオ信号を印画装置42に出力し、印画装置42により静止画を印画させる(ステップS24)。
【0038】
印画要求がない場合又は印画が終了すると、精算要求があるか否かを判別する(ステップS26)。精算要求がない場合にはステップS20に戻り、精算要求がある場合にはビデオカセットを挿入排出口22から排出し、料金を精算して釣銭を返金する(ステップS30)。
【0039】
次に、リモコン操作に伴う各部の制御について図8乃至図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0040】
図2に示すように被撮影者16はリモコン18を持って動く歩道14上におり、必要に応じてリモコン18を操作する。CPU50は、動く歩道14等を制御するリモコン18のスイッチ類が押されたか否かを判別する(図8のステップS40)。リモコン18のスイッチ類が押されていない場合には、マイクロホンM1〜M4付きのビデオカメラCam 1〜Cam 4のうちのいずれかのビデオカメラが手動で選択されているか否か(即ち、撮影に供するビデオカメラが固定されているか否か)を判別する(ステップS42)。
【0041】
ビデオカメラが固定されている場合、即ち、ビデオカメラCam 1〜Cam 4を手動で選択するための手動切替えスイッチ18F〜18I(図5参照)のうちのいずれかがONされている場合には、ステップS40に戻るとともに、CPU50は、手動切替えスイッチ18F〜18Iによって選択されたビデオカメラ及びマイクロホンからビデオ信号及び音声信号を取り込むべくカメラ入力セレクタ44及びマイク入力セレクタ38を制御する。
【0042】
一方、ビデオカメラが固定されていない場合、即ち、ビデオカメラCam 1〜Cam 4を自動的に切り替えるための自動切替えスイッチ18JがONされている場合には、CPU50は各ビデオカメラのリモコン受光部R1〜R4から入力するリモコン信号に基づいてリモコン受光強度を示す信号を求める(ステップS44)。そして、最もリモコン受光強度の強いビデオカメラ及びマイクロホンを選択すべくカメラ入力セレクタ44及びマイク入力セレクタ38を切り替える(ステップS46)。
【0043】
また、ステップS40において、リモコン18のスイッチ類が押されたと判別されると、図9に示すサブルーチンに移行する(ステップS48)。
【0044】
図9に示すように動く歩道14等の速度をアップ/ダウンさせるリモコン18のアップスイッチ18A又はダウンスイッチが18Bが押されたか否かを判別する(ステップS50)。アップスイッチ18A又はダウンスイッチ18Bが押された場合には、CPU50は、指示した方向に動く歩道の速度をアップ又はダウンさせるべく駆動回路32に制御信号を出力し、動く歩道の速度を変化させる(ステップS52)。
【0045】
尚、アップスイッチ18A又はダウンスイッチ18Bがワンプッシュされるごとに段階的に動く歩道の速度をアップ又はダウンさせる。また、動く歩道の移動方向は、リモコン信号の出射方向(被撮影者が歩いている方向)に基づいて決定される。即ち、図10に示すように4つのビデオカメラCam 1〜Cam 4のリモコン受光部R1〜R4に入射するリモコン信号のリモコン受光強度を求め(ステップS62)、最もリモコン受光強度の強いビデオカメラは、ビデオカメラCam 1又はCam 2かを判別する(ステップS64)。
【0046】
図1に示すように最もリモコン受光強度の強いビデオカメラがビデオカメラCam 1又はCam 2の場合には、被撮影者は矢印B方向に向かって歩いていることになる。従って、この場合には、動く歩道14を矢印A方向に駆動し(ステップS66)、被撮影者が常に動く歩道14のほぼ中央に位置するようにする(図2参照)。一方、最もリモコン受光強度の強いビデオカメラがビデオカメラCam 1又はCam 2でない場合(即ち、ビデオカメラCam 3又はCam 4の場合)には、被撮影者は矢印A方向に向かって歩いていることになるため、動く歩道14を矢印B方向に駆動する(ステップS68)。
【0047】
また、図9のステップS52では、上記のように動く歩道を制御するとともに、動く歩道の移動方向及び速度に合わせて背景画像の移動方向及び速度を変化させ、また音声も変化させる。
【0048】
ステップS54では、リモコン18の右折スイッチ18C又は左折スイッチ18Dが押されたか否かを判別する。右折スイッチ18C又は左折スイッチ18Dが押された場合には、CPU50は、指示した方向に背景画像及び音声を変化させる(ステップS56)。この背景画像の方向の変化により、被撮影者が右折又は左折したように撮影される。
【0049】
ステップS58では、リモコン18の停止スイッチ18Eが押されたか否かを判別する。停止スイッチ18Eが押された場合には、動く歩道を停止させる(ステップS60)。
【0050】
次に、照明強度及び色温度の制御について図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0051】
まず、CPU50は、選択された背景画像の色温度情報を入手し、入手した色温度情報を照明色温度コントローラ54に出力する(ステップS70)。照明色温度コントローラ54は、入力した色温度情報からガラスフィルタ72(図6参照)の回動位置を決定し(ステップS72)、その決定した位置にガラスフィルタ72を移動させるべくモータ74を制御する(ステップS74)。これにより、被撮影者を照明する照明光の色温度が背景画像の色温度と一致するように調整される。
【0052】
また、CPU50は、選択された背景画像の平均輝度情報を入手し、入手した平均輝度情報を照明強度コントローラ52に出力する(ステップS76)。照明強度コントローラ52は、入力した平均輝度情報から照明の輝度を決定し(ステップS78)、その決定した輝度となるように照明の輝度を調整する(ステップS80)。
【0053】
図12は本発明に係るビデオ画像の製作装置の他の実施の形態の概略を示す平面図であり、図13は図11の13−13線に沿う断面図である。
【0054】
図11及び図13に示すように、このビデオ画像の製作装置のスタジオ80の壁面には複数の小型のスピーカSがアレイ状に埋め込まれており、また、1つの壁面をスクリーンとするプロジェクターPと、2つのリングライト付きのビデオカメラCam と、2つの照明Lとが配置されている。尚、この実施の形態では、スタジオ80内にはピアノ82がセットされている。
【0055】
図14は本発明に係るビデオ画像の製作装置の実施の形態を示すブロック図である。
【0056】
このビデオ画像の製作装置は、主としてリングライト付きのビデオカメラCam 、プロジェクターP、ビデオカメラCam に設けられたマイクロホンM、照明L、音声再生回路30、演奏条件入力手段として機能するキーボード及びモニタを有するパソコン90、課金装置92、CPU94、演奏画像を示す背景画像信号と自動伴奏音としての音声信号を曲目毎に記録しているデータベース96、画像処理装置98、音声再生回路100及び演奏記録装置102から構成されている。
【0057】
図15は背景画像に被撮影者(演奏者)を重ねてビデオ撮影するとともに、自動伴奏音と演奏者の演奏音とを録音するための処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
演奏者が課金装置92に所要の料金を投入すると、図15に示す処理がスタートし(ステップS100)、演奏者はまず演奏に使用する楽器と曲目を選択する(ステップS102、S104)。続いて、選択した曲目のピッチ、テンポ等の演奏条件を選択する(ステップS106)。
【0059】
次に、背景画像のシーンを選択する(ステップS108)。即ち、1つの曲目について、例えば客席側からステージ側を見たシーンやステージ側から客席側を見たシーン等の複数のシーンが用意されており、演奏者はこれらのシーンから所望のシーンを選択する。尚、ステップS102〜S108における各選択操作は、パソコン90のキーボードやマウス等を使用して行う。
【0060】
CPU94は、選択されたシーンの背景画像信号をデータベース96から読み出し、画像処理装置98に出力させる。画像処理装置98は、データベース96から取り込んだ背景画像信号を、演奏条件(テンポ)に合うように画像処理で変換し、プロジェクターPに出力する(ステップS110)。これは、背景画像の動作と演奏のテンポとの整合をとるためである。
【0061】
また、CPU94は、選択された曲目を演奏する各楽器ごとの音声信号(但し、被撮影者が実際に演奏する楽器の音声信号を除く)をデータベース96から読み出し、音声再生回路100に出力させる。音声再生回路100は、データベース96から取り込んだ各楽器ごとの音声信号をD/A変換したのち増幅し、これをアレイ状に配置された複数のスピーカSのうちの対応するスピーカSに出力して自動伴奏音を再生する。これにより、例えば、あるスピーカSからはバイオリンの音を発生させ、あるスピーカSからクラリネットの音を発生させることができ、演奏者は実際にオーケストラをバックにステージに立っているときと同様な疑似体験をすることができる。
【0062】
このようにして演奏者は自動伴奏音付きで自己の楽器を演奏することができる。一方、ビデオカメラCam 及びマイクロホンMは、演奏が開始されると(ステップS112)、その演奏中に背景画像に演奏者を重ねてビデオ撮影してビデオ信号を演奏記録装置102に出力するとともに、自動伴奏音と演奏音とを検出して音声信号を演奏記録装置102に出力する(ステップS102)。これにより、背景画像に演奏者を重ねた画像が記録され、また自動伴奏音と演奏者の演奏音とが録音される。そして、演奏が終了すると、画像及び音声の記録も終了する(ステップS104)。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、スクリーンに背景画像となる動画を表示し、この背景画像に被撮影者を重ねてビデオ撮影するようにしたため、背景画像に違和感なく被撮影者を合成することができ、また、被撮影者は撮影中に観光地、コンピュータグラフィック、バーチャルリアリティ空間の中を歩き回ったり、オーケストラをバックに自己の楽器を演奏する等の疑似体験ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビデオ画像の製作装置の概略を示す平面図
【図2】図1の2−2線に沿う断面図
【図3】操作パネルの正面図
【図4】本発明に係るビデオ画像の製作装置の実施の形態を示すブロック図
【図5】リモコンの平面図
【図6】色温度変換部を説明するために用いた図
【図7】本発明に係るビデオ画像の製作の全体の流れを示すフローチャート
【図8】リモコン操作に伴う各部の制御を説明するために用いたフローチャート
【図9】リモコン操作に伴う各部の制御を説明するために用いたフローチャート
【図10】リモコン操作に伴う各部の制御を説明するために用いたフローチャート
【図11】照明強度及び色温度の制御を説明するために用いたフローチャート
【図12】本発明に係るビデオ画像の製作装置の他の実施の形態の概略を示す平面図
【図13】図12の13−13線に沿う断面図
【図14】本発明に係るビデオ画像の製作装置の実施の形態を示すブロック図
【図15】背景画像に被撮影者(演奏者)を重ねてビデオ撮影するとともに、自動伴奏音と演奏者の演奏音とを録音するための処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
10…スタジオ、12…ビデオ撮影ボックス、14…動く歩道、16…被撮影者、18…リモコン、30、100…音声再生回路、42…印画装置、46…記録再生装置、50、94…CPU、52…照明強度コントローラ、54…照明色温度コントローラ、56…背景画像及び音声ライブラリ、62…背景画像ジェネレータ、64…プロジェクターコントローラ、96…データベース、98…画像処理装置、102…演奏記録装置、S1〜S4…スクリーン、L1〜L4、L…照明、Cam 1〜Cam 、Cam …ビデオカメラ、P1〜P4、P…プロジェクター、M1〜M4、M…マイクロホン、R1〜R4…リモコン受光部、T1〜T4…色温度変換部

Claims (10)

  1. スクリーンに背景画像となる動画を表示し、
    被撮影者が位置する床面に動く歩道を設置し、該動く歩道の速度と背景画像の移動速度とが同期するように制御し、
    前記動く歩道の速度及び背景画像の移動速度を被撮影者によるリモコン操作で変化させ、
    該背景画像に被撮影者を重ねてビデオ撮影することを特徴とするビデオ画像の製作方法。
  2. 前記背景画像に応じて被撮影者を照明する照明光の色温度及び/又は輝度を変えることを特徴とする請求項のビデオ画像の製作方法。
  3. 音声を再生し、前記ビデオ撮影とともに音声を録音することを特徴とする請求項1又は2のビデオ画像の製作方法。
  4. 被撮影者を収容するビデオ撮影ボックスと、
    前記ビデオ撮影ボックスの壁面をスクリーンとし、該スクリーンに画像を表示させるプロジェクターと、
    連続する背景画像を記憶する画像記憶手段と、
    前記画像記憶手段から背景画像を順次読み出し、前記プロジェクターに背景画像を出力するプロジェクター制御手段と、
    前記ビデオ撮影ボックスの床面に設置された動く歩道と、
    前記動く歩道の速度と前記背景画像の移動速度とが同期するように制御する制御手段と、
    前記スクリーンと対向する位置に設置されたビデオカメラと、
    を備え、背景画像に被撮影者を重ねてビデオ撮影することを特徴とするビデオ画像の製作装置。
  5. 前記ビデオ撮影ボックス内に設けられたスピーカと、音声情報を記憶する音声記憶手段と、前記音声記憶手段から音声情報を読み出し、前記スピーカに音声情報を出力して音声を発生させる音声再生手段と、マイクロフォンを含み前記ビデオ撮影ボックス内の音声を録音する録音手段と、を有することを特徴とする請求項のビデオ画像の製作装置。
  6. 少なくとも前記動く歩道の速度を制御するリモコンと、該リモコンからのリモコン信号を受信する受信部と、該受信部によって受信したリモコン信号に基づいて前記動く歩道の速度を制御するとともに、前記画像記憶手段からの背景画像の読み出しを制御し、前記動く歩道の速度と前記背景画像の移動速度とを同期させる制御手段と、を有することを特徴とする請求項4又は5のビデオ画像の製作装置。
  7. 被撮影者を照明する照明光の色温度及び/又は輝度を変えることが可能な照明手段と、前記背景画像の色温度及び/又は輝度に応じて前記照明手段の色温度及び/又は輝度を調整する調整手段と、を有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のビデオ画像の製作装置。
  8. 被撮影者を照明する照明手段として前記ビデオカメラを囲むリングライトを有することを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載のビデオ画像の製作装置。
  9. 前記ビデオ撮影ボックスの壁面のほぼ全周をスクリーンとし、複数組のビデオカメラ及び照明手段が前記スクリーンに埋め込まれていることを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載のビデオ画像の製作装置。
  10. 前記複数組のビデオカメラ及び照明手段のうちのいずれかの組のビデオカメラ及び照明手段を動作可能に選択的に切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項のビデオ画像の製作装置。
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