JP3955716B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、油圧緩衝器に関し、特に、油圧緩衝器の外周にコイルスプリングからなる懸架ばねを介装した油圧緩衝器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両におけるサスペンション部材となるストラット型の油圧緩衝器は、図2(A)に示すように、コイルスプリングからなる懸架ばね(以下、単に懸架ばねと略称)1が油圧緩衝器2の外周に介装され、この懸架ばね1の付勢力ででピストンロッド2bが伸長方向に付勢されている。
【0003】
このとき、懸架ばね1は、下端が油圧緩衝器2を構成する外筒2a側に連設された下方のばね受3に担持されながら、上端が油圧緩衝器2を構成するピストンロッド2b側に連設された上方のばね受4に係止され、上下のばね受3,4間に挟持された状態になっている。油圧緩衝器2がサスペンション部材となるストラット型に構成され、懸架ばね1の軸線Cを油圧緩衝器2の軸線に対して傾斜した状態に取付けることから、上記のばね受3,4は油圧緩衝器2の軸線に対して傾斜した状態で連設されている。
【0004】
ところで、およそ油圧緩衝器2に取付ける前の懸架ばね1は、伸びきった状態では、上記のばね受3,4間の寸法よりもかなり長い自由長を有しており、これを上記のばね受3,4間に介装する際には、外力をかけて短縮しなければならない。そして、懸架ばね1を所定の短縮状態に収縮させるについては、例えば、図2(B)に示すように、懸架ばね1の中間部1aを治具(図示せず)を利用して収縮させ、この状態のまま、懸架ばね1の下端を下方のばね受3に載置する。
【0005】
懸架ばね1の下端を下方のばね受3に載置した状態で、ピストンロッド2b側に上方のばね受4を連設し、その後、ピストンロッド2bを徐々に押し下げながら、懸架ばね1の上端をピストンロッド2b側に連設された上方のばね受4の座面に当接させる。そして、懸架ばね1の上端を上方のばね受4に当接させたまま、懸架ばね1を収縮させている治具を緩めて懸架ばね1を徐々に伸長させ、懸架ばね1を油圧緩衝器2の外周に介装する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
最伸長状態の油圧緩衝器の上下のばね受4,3間に懸架ばね1を組み込んだストラット型の油圧緩衝器を車体に装着した場合、油圧緩衝器の外筒の下端に装着された車輪に負荷される車体重量によって発生する曲げモーメントを小さくするため、車体に装着する前の懸架ばね1を組み込んだ状態の油圧緩衝器には、油圧緩衝器2の外周に傾斜した状態で介装された懸架ばね1により、上記曲げモーメントをキャンセルする逆向きの曲げモーメントを付与するのが一般的である。
【0007】
懸架ばね1の下端を下方のばね受3に載置した状態で、ピストンロッド2b側に連設された上方のばね受4を徐々に押し下げながら、懸架ばね1の上端をばね受4の座面に当接させる際には、上記逆向きの曲げモーメントを付与するため、懸架ばね1の上端が、図2(B)に示すように、上方のばね受4の座面に対してずれている。このため、懸架ばね1の上端が上方のばね受4の座面に当接する際に、両者をきちんと位置合わせするためには、懸架ばね1の軸線Caを軸線Cの如く修正し、懸架ばね1の上端をばね受4の座面側に移動させる必要がある。
【0008】
この位置合わせ作業を人手によるとすると、怪我の危険があるため好ましくないから、例えば、治具の操作などで移動することが提案され得るが、この場合には、治具の構造が複雑になるうえ、その制御のための装置までが必要になり、結果として、懸架ばね1を油圧緩衝器2の外周に介装する際のコストの低減を期待できなくなる。
【0009】
本発明は以上のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ストラット型油圧緩衝器の外周に懸架ばねを介装する際の作業性を良くして、コストの低減を諮り得るばね受を備えた油圧緩衝器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、「コイルスプリングからなる懸架ばねの下端を油圧緩衝器を構成する外筒に連設された下方のばね受に担持させながら、上端を外筒と共に油圧緩衝器を構成するピストンロッドに連設される上方のばね受に係止させる油圧緩衝器」を前提とする。
【0011】
上記の課題を解決するため本発明の採った手段は、「懸架ばねを担持する下方のばね受の外縁の一部を少なくとも2箇所切り起こして、座面より浮き上がらせた支持片を形成し、座面の一部と上記2箇所の支持片とにより、懸架ばねの付勢力を受ける前の懸架ばねの下端を座面より浮き上がらせて、懸架ばねの上端を上方のばね受に合致させ、懸架ばねの付勢力を受ける際には、上記支持片が下方のばね受の外縁側に押し戻され、懸架ばねの下端が下方のばね受の座面に載置されること」である。懸架ばねを安定した3点支持とするには、上記座面の一部は座面の頂部近傍とし、上記2箇所の支持点は、座面の頂部近傍と2箇所の支持点がほぼ正三角形の各頂点となるように選定するするのが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1に示す実施形態に基づいて、この発明を説明する。この発明による油圧緩衝器にあっても、コイルスプリングからなる懸架ばね1は、前記した図2(A)に示す従来例と同じである。また、油圧緩衝器2は、前記従来例における場合と同様に、車両におけるサスペンション部材となるストラット型に設定され、上下のばね受4,13の間には、懸架ばね1が油圧緩衝器2に対して傾斜した状態に介装されている。
【0013】
因みに、懸架ばね1を油圧緩衝器2の外周に介装する際には、前記従来例の場合と同様に、懸架ばね1の下端が油圧緩衝器2を構成する外筒2a側に連設された下方のばね受13に担持された後に、図示しない治具を利用して所定の短縮状態に維持された懸架ばね1の上端が、外筒2aと共に油圧緩衝器2を構成するピストンロッド2b側に連設される上方のばね受4に係止される。懸架ばね1の短縮状態の全長は、油圧緩衝器が最伸長状態の上下のばね受4,13間の寸法より小さくされ、この短縮状態のまま下端が下方のばね受13に載置される。
【0014】
本発明は、懸架ばね1を油圧緩衝器2の外周に介装する際に、懸架ばね1の上端をばね受4の座面に合致させる手段に関するものである。懸架ばね1の上端をばね受4の座面側に移動させるには、上方のばね受4の座面から外側にはみ出している側の懸架ばね1の下端を、上記はみ出し側に対応する下方のばね受13の座面から浮き上がらせ、懸架ばね1の上端をばね受4の座面側に戻せばよい。
【0015】
この目的を達成する手段としては、上端が上方のばね受4の座面から外側にはみ出している側の懸架ばね1の下端を、図1(B)に示す下方のばね受13の少なくとも2箇所の座面S及びTから浮き上がらせる。支持点S及びTは、上端が上方のばね受4の座面から外側にはみ出している側から、懸架ばね1の傾斜を修正するのに好適な位置を選択して決定する。懸架ばねを安定した3点支持とするには、図1(D)に示すように、懸架ばね1が直接当接する部分Rは座面の頂部近傍とし、支持点S及びTは、R,S,Tがほぼ正三角形の各頂点となるように選定するのが望ましい。
【0016】
このため、図1(E)及び図1(C)に示すように、外縁13Cを上記支持点S及びTに対応させ、その付け根の部分を例えば図1(E)の13Bに例示すような打痕により部分的に薄くするとともに、図1(B)の如く座面より上方に切り起こして支持片13Aとし、少なくとも2箇所の当該支持片13Aと座面の頂部近傍の3点で懸架ばね1の下端を支持する。この結果、はみ出している側の懸架ばね1の下端が持ち上げられるので、懸架ばね1の傾斜が修正され、その上端をばね受4の座面側に移動させることができる。
【0017】
この状態のまま、ピストンロッド2b側に連設される上方のばね受4を押し下げて、懸架ばね1の上端をばね受4の座面に当接させた後、懸架ばね1を短縮させている治具を緩めて徐々に伸長させ、懸架ばね1を油圧緩衝器2の外周に介装する。
【0018】
油圧緩衝器2が最伸長状態になると、上下のばね受4,13には、車体重量を支持する懸架ばね1の大きな反発力が加わるので、下方のばね受13の支持片13Aは、図1(E)に示す如く薄肉部13Bを支点にして外縁13C側に押し戻され、下方のばね受13は従来技術のばね受3と同様に機能するようになる。外縁13Cは懸架ばね1の座面13Dからの横ずれを防止するために設けられ加わる力が小さいうえ、支持片13Aは、油圧緩衝器2の外周に懸架ばね1を介装する際に、懸架ばね1の重量のみ支持できさえすればよいので、支持片13Aをばね受13の強度を殆ど低下させることなしに形成することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明にあっては、コイルスプリングからなる懸架ばねを緩衝器本体の外周に介装するに際して、治具により短縮した状態の懸架ばねの下端を下方のばね受に載置したときに、懸架ばねの上端が上方のばね受の座面から外側にはみ出し合致していなくても、はみ出している側の懸架ばねの下端を、上記はみ出し側に対応する下方のばね受の外縁から座面の上方に切り起こした支持片で支持することにより、下方のばね受の座面から浮き上がらせ、懸架ばねの上端を上方のばね受の座面側に戻すことで、懸架ばねの傾斜状態を修正することが可能になり、懸架ばねの上端を上方のばね受に合致さることができる。
【0020】
懸架ばねを緩衝器本体の外周に介装した後は、上記支持片は懸架ばねの付勢力を受けることで外縁側に押し戻され、懸架ばねの下端を下方のばね受の座面に下降させるから、支持片の影響を残さずして、懸架ばねを緩衝器本体の外周に介装できることになる。その結果、緩衝器本体の外周にコイルスプリングからなる懸架ばねを介装する場合における作業性を良くして、組み付けコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A) 本発明による油圧緩衝器のX−O−Y矢視図である。
(B) 切り起こした支持片による懸架ばねの支持部の拡大図である。
(C) 下方のばね受の外縁に形成された支持片の側面図である。
(D) 支持片の配置を例示する下方のばね受の座面の平面図である。
(E) 懸架ばねを介装した後に押し戻された支持片の状態図である。
【図2】(A) 懸架ばねを外周に介装した従来の油圧緩衝器である。
(B) 短縮した懸架ばねの下端を下方のばね受に載置した状態図である。
【符号の説明】
1 懸架ばね
1a 中間部
2 油圧緩衝器
2a 外筒
2b ピストンロッド
4 上方のばね受
13 下方のばね受
13A 支持片
13C 外縁
【発明の属する技術分野】
この発明は、油圧緩衝器に関し、特に、油圧緩衝器の外周にコイルスプリングからなる懸架ばねを介装した油圧緩衝器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両におけるサスペンション部材となるストラット型の油圧緩衝器は、図2(A)に示すように、コイルスプリングからなる懸架ばね(以下、単に懸架ばねと略称)1が油圧緩衝器2の外周に介装され、この懸架ばね1の付勢力ででピストンロッド2bが伸長方向に付勢されている。
【0003】
このとき、懸架ばね1は、下端が油圧緩衝器2を構成する外筒2a側に連設された下方のばね受3に担持されながら、上端が油圧緩衝器2を構成するピストンロッド2b側に連設された上方のばね受4に係止され、上下のばね受3,4間に挟持された状態になっている。油圧緩衝器2がサスペンション部材となるストラット型に構成され、懸架ばね1の軸線Cを油圧緩衝器2の軸線に対して傾斜した状態に取付けることから、上記のばね受3,4は油圧緩衝器2の軸線に対して傾斜した状態で連設されている。
【0004】
ところで、およそ油圧緩衝器2に取付ける前の懸架ばね1は、伸びきった状態では、上記のばね受3,4間の寸法よりもかなり長い自由長を有しており、これを上記のばね受3,4間に介装する際には、外力をかけて短縮しなければならない。そして、懸架ばね1を所定の短縮状態に収縮させるについては、例えば、図2(B)に示すように、懸架ばね1の中間部1aを治具(図示せず)を利用して収縮させ、この状態のまま、懸架ばね1の下端を下方のばね受3に載置する。
【0005】
懸架ばね1の下端を下方のばね受3に載置した状態で、ピストンロッド2b側に上方のばね受4を連設し、その後、ピストンロッド2bを徐々に押し下げながら、懸架ばね1の上端をピストンロッド2b側に連設された上方のばね受4の座面に当接させる。そして、懸架ばね1の上端を上方のばね受4に当接させたまま、懸架ばね1を収縮させている治具を緩めて懸架ばね1を徐々に伸長させ、懸架ばね1を油圧緩衝器2の外周に介装する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
最伸長状態の油圧緩衝器の上下のばね受4,3間に懸架ばね1を組み込んだストラット型の油圧緩衝器を車体に装着した場合、油圧緩衝器の外筒の下端に装着された車輪に負荷される車体重量によって発生する曲げモーメントを小さくするため、車体に装着する前の懸架ばね1を組み込んだ状態の油圧緩衝器には、油圧緩衝器2の外周に傾斜した状態で介装された懸架ばね1により、上記曲げモーメントをキャンセルする逆向きの曲げモーメントを付与するのが一般的である。
【0007】
懸架ばね1の下端を下方のばね受3に載置した状態で、ピストンロッド2b側に連設された上方のばね受4を徐々に押し下げながら、懸架ばね1の上端をばね受4の座面に当接させる際には、上記逆向きの曲げモーメントを付与するため、懸架ばね1の上端が、図2(B)に示すように、上方のばね受4の座面に対してずれている。このため、懸架ばね1の上端が上方のばね受4の座面に当接する際に、両者をきちんと位置合わせするためには、懸架ばね1の軸線Caを軸線Cの如く修正し、懸架ばね1の上端をばね受4の座面側に移動させる必要がある。
【0008】
この位置合わせ作業を人手によるとすると、怪我の危険があるため好ましくないから、例えば、治具の操作などで移動することが提案され得るが、この場合には、治具の構造が複雑になるうえ、その制御のための装置までが必要になり、結果として、懸架ばね1を油圧緩衝器2の外周に介装する際のコストの低減を期待できなくなる。
【0009】
本発明は以上のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ストラット型油圧緩衝器の外周に懸架ばねを介装する際の作業性を良くして、コストの低減を諮り得るばね受を備えた油圧緩衝器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、「コイルスプリングからなる懸架ばねの下端を油圧緩衝器を構成する外筒に連設された下方のばね受に担持させながら、上端を外筒と共に油圧緩衝器を構成するピストンロッドに連設される上方のばね受に係止させる油圧緩衝器」を前提とする。
【0011】
上記の課題を解決するため本発明の採った手段は、「懸架ばねを担持する下方のばね受の外縁の一部を少なくとも2箇所切り起こして、座面より浮き上がらせた支持片を形成し、座面の一部と上記2箇所の支持片とにより、懸架ばねの付勢力を受ける前の懸架ばねの下端を座面より浮き上がらせて、懸架ばねの上端を上方のばね受に合致させ、懸架ばねの付勢力を受ける際には、上記支持片が下方のばね受の外縁側に押し戻され、懸架ばねの下端が下方のばね受の座面に載置されること」である。懸架ばねを安定した3点支持とするには、上記座面の一部は座面の頂部近傍とし、上記2箇所の支持点は、座面の頂部近傍と2箇所の支持点がほぼ正三角形の各頂点となるように選定するするのが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1に示す実施形態に基づいて、この発明を説明する。この発明による油圧緩衝器にあっても、コイルスプリングからなる懸架ばね1は、前記した図2(A)に示す従来例と同じである。また、油圧緩衝器2は、前記従来例における場合と同様に、車両におけるサスペンション部材となるストラット型に設定され、上下のばね受4,13の間には、懸架ばね1が油圧緩衝器2に対して傾斜した状態に介装されている。
【0013】
因みに、懸架ばね1を油圧緩衝器2の外周に介装する際には、前記従来例の場合と同様に、懸架ばね1の下端が油圧緩衝器2を構成する外筒2a側に連設された下方のばね受13に担持された後に、図示しない治具を利用して所定の短縮状態に維持された懸架ばね1の上端が、外筒2aと共に油圧緩衝器2を構成するピストンロッド2b側に連設される上方のばね受4に係止される。懸架ばね1の短縮状態の全長は、油圧緩衝器が最伸長状態の上下のばね受4,13間の寸法より小さくされ、この短縮状態のまま下端が下方のばね受13に載置される。
【0014】
本発明は、懸架ばね1を油圧緩衝器2の外周に介装する際に、懸架ばね1の上端をばね受4の座面に合致させる手段に関するものである。懸架ばね1の上端をばね受4の座面側に移動させるには、上方のばね受4の座面から外側にはみ出している側の懸架ばね1の下端を、上記はみ出し側に対応する下方のばね受13の座面から浮き上がらせ、懸架ばね1の上端をばね受4の座面側に戻せばよい。
【0015】
この目的を達成する手段としては、上端が上方のばね受4の座面から外側にはみ出している側の懸架ばね1の下端を、図1(B)に示す下方のばね受13の少なくとも2箇所の座面S及びTから浮き上がらせる。支持点S及びTは、上端が上方のばね受4の座面から外側にはみ出している側から、懸架ばね1の傾斜を修正するのに好適な位置を選択して決定する。懸架ばねを安定した3点支持とするには、図1(D)に示すように、懸架ばね1が直接当接する部分Rは座面の頂部近傍とし、支持点S及びTは、R,S,Tがほぼ正三角形の各頂点となるように選定するのが望ましい。
【0016】
このため、図1(E)及び図1(C)に示すように、外縁13Cを上記支持点S及びTに対応させ、その付け根の部分を例えば図1(E)の13Bに例示すような打痕により部分的に薄くするとともに、図1(B)の如く座面より上方に切り起こして支持片13Aとし、少なくとも2箇所の当該支持片13Aと座面の頂部近傍の3点で懸架ばね1の下端を支持する。この結果、はみ出している側の懸架ばね1の下端が持ち上げられるので、懸架ばね1の傾斜が修正され、その上端をばね受4の座面側に移動させることができる。
【0017】
この状態のまま、ピストンロッド2b側に連設される上方のばね受4を押し下げて、懸架ばね1の上端をばね受4の座面に当接させた後、懸架ばね1を短縮させている治具を緩めて徐々に伸長させ、懸架ばね1を油圧緩衝器2の外周に介装する。
【0018】
油圧緩衝器2が最伸長状態になると、上下のばね受4,13には、車体重量を支持する懸架ばね1の大きな反発力が加わるので、下方のばね受13の支持片13Aは、図1(E)に示す如く薄肉部13Bを支点にして外縁13C側に押し戻され、下方のばね受13は従来技術のばね受3と同様に機能するようになる。外縁13Cは懸架ばね1の座面13Dからの横ずれを防止するために設けられ加わる力が小さいうえ、支持片13Aは、油圧緩衝器2の外周に懸架ばね1を介装する際に、懸架ばね1の重量のみ支持できさえすればよいので、支持片13Aをばね受13の強度を殆ど低下させることなしに形成することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明にあっては、コイルスプリングからなる懸架ばねを緩衝器本体の外周に介装するに際して、治具により短縮した状態の懸架ばねの下端を下方のばね受に載置したときに、懸架ばねの上端が上方のばね受の座面から外側にはみ出し合致していなくても、はみ出している側の懸架ばねの下端を、上記はみ出し側に対応する下方のばね受の外縁から座面の上方に切り起こした支持片で支持することにより、下方のばね受の座面から浮き上がらせ、懸架ばねの上端を上方のばね受の座面側に戻すことで、懸架ばねの傾斜状態を修正することが可能になり、懸架ばねの上端を上方のばね受に合致さることができる。
【0020】
懸架ばねを緩衝器本体の外周に介装した後は、上記支持片は懸架ばねの付勢力を受けることで外縁側に押し戻され、懸架ばねの下端を下方のばね受の座面に下降させるから、支持片の影響を残さずして、懸架ばねを緩衝器本体の外周に介装できることになる。その結果、緩衝器本体の外周にコイルスプリングからなる懸架ばねを介装する場合における作業性を良くして、組み付けコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A) 本発明による油圧緩衝器のX−O−Y矢視図である。
(B) 切り起こした支持片による懸架ばねの支持部の拡大図である。
(C) 下方のばね受の外縁に形成された支持片の側面図である。
(D) 支持片の配置を例示する下方のばね受の座面の平面図である。
(E) 懸架ばねを介装した後に押し戻された支持片の状態図である。
【図2】(A) 懸架ばねを外周に介装した従来の油圧緩衝器である。
(B) 短縮した懸架ばねの下端を下方のばね受に載置した状態図である。
【符号の説明】
1 懸架ばね
1a 中間部
2 油圧緩衝器
2a 外筒
2b ピストンロッド
4 上方のばね受
13 下方のばね受
13A 支持片
13C 外縁
Claims (1)
- コイルスプリングからなる懸架ばねの下端を油圧緩衝器を構成する外筒に連設された下方のばね受に担持させながら、上端を外筒と共に油圧緩衝器を構成するピストンロッドに連設される上方のばね受に係止させる油圧緩衝器において、
懸架ばねを担持する下方のばね受の外縁の一部を少なくとも2箇所切り起こして、座面より浮き上がらせた支持片を形成し、座面の一部と上記2箇所の支持片とにより、懸架ばねの付勢力を受ける前の懸架ばねの下端を座面より浮き上がらせて、懸架ばねの上端を上方のばね受に合致させ、懸架ばねの付勢力を受ける際には、上記支持片が下方のばね受の外縁側に押し戻され、懸架ばねの下端が下方のばね受の座面に載置されることを特徴とするばね受を備えた油圧緩衝器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000163134A JP3955716B2 (ja) | 2000-05-29 | 2000-05-29 | 油圧緩衝器 |
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KR100911546B1 (ko) * | 2008-03-05 | 2009-08-10 | 현대자동차주식회사 | 차량의 서스펜션 구조 |
KR101524486B1 (ko) | 2012-02-03 | 2015-06-01 | 제일모직주식회사 | 다색성 발현 착색용 수지 조성물 및 이를 이용하여 제조된 수지 성형품 |
-
2000
- 2000-05-29 JP JP2000163134A patent/JP3955716B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2001334814A (ja) | 2001-12-04 |
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