JP3954340B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼装置に関するものである。特に、使用者が自動復帰式スイッチをオンすることによって点火動作を開始させる燃焼装置において、使用者が操作していないのにスイッチがオンになってしまった場合には点火動作が開始されないようにして安全を確保する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
使用者が自動復帰式スイッチをオン操作することによって点火動作を動作させて燃焼運転を開始させる燃焼装置が知られている。ここで、点火動作とは、点火電極がスパークを発生するとともにバーナにガスが供給される動作を意味する。自動復帰式スイッチは、使用者が押すとオンになり、押すのを止めるとオフになる。自動復帰式スイッチは、軽く操作でき、ストロークがゼロまたは小さいので操作感に優れている。
反面、自動復帰式スイッチは、その上に物が載ることによってオンとなり、またスイッチ基板が電気的にショートしてオンになることもある。自動復帰式スイッチを燃焼装置の点火動作を開始させるために用いると、便利に操作できる反面、使用者が操作していないにもかかわらず点火動作が開始される可能性がある。
【0003】
この問題に対処するために、自動復帰式スイッチがオンされた時に点火動作を開始する一方、スイッチがオンされてから所定時間後にスイッチのオン・オフを判別し、オンの場合には点火動作を停止し、オフの場合には点火動作を継続する燃焼装置が知られている。この場合、自動復帰式スイッチがオン・オフ判別時に既に点火が完了して燃焼運転が開始されており、しかもスイッチの判別結果がオンである場合には、燃焼運転を終了する。自動復帰式スイッチのオン・オフ判別時にオフである場合には燃焼運転が継続される。
この技術は、使用者が自動復帰式スイッチをオンにする時間は短時間であるという事実を巧みに利用している。すなわち、所定時間以上スイッチがオンされている場合には、使用者が操作したのではなく、スイッチに物が載ったり、あるいは電気的なショートが発生したりしてスイッチがオンになったものと判断し、点火動作を停止させたり、あるいは燃焼運転を終了させたりして安全を確保する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の燃焼装置は、自動復帰式スイッチがオンになったときに点火動作を開始し、その後に所定時間が経過したときに、必要に応じて点火動作あるいは燃焼運転を中止させる方式であるために、スイッチに物が載ったりあるいは電気的なショートが発生したりした場合でも点火動作が開始され(場合によって引続き燃焼運転が行わることもある)、事後的に点火動作あるいは燃焼運転を中止するという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、自動復帰式スイッチが使用者の操作によらずにオンされても安全な燃焼装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用と効果】
請求項1に記載のガス温風暖房機は、バーナと、そのバーナに点火する手段と、その点火手段を制御する手段と、その制御手段に接続された自動復帰式のスイッチと、点火を開始しても安全であることを確認する手段と、送風ファンと、その送風ファンを駆動させるモータを備えている。本発明の確認手段はスイッチがオンされると、少なくともモータを駆動させてモータの回転数が所定値以上であることを確認する作動を開始し、スイッチがオンされてから所定時間が経過した後に確認作業を完了する。本発明の制御手段は、スイッチがオンされてから所定時間後で前記確認手段による確認作業の終了前にスイッチのオン・オフを判別し、スイッチがオンの場合には前記確認手段による確認作業が終了しても点火手段を動作させず、オフの場合には前記確認手段による確認作業の終了時に点火手段を動作させる。また、前記確認手段による確認作業で安全性が確認されないときには、スイッチのオン・オフによらず点火手段を動作させない。
このように構成されていると、下記の効果が得られる。
(1)スイッチがオンされてから所定時間後にスイッチがオンかオフかを判別し、オンの場合には使用者が操作したものではないとして点火を行わない。一方、スイッチがオフの場合には使用者が操作したものとして点火を行う。このように制御するために、スイッチのオンが使用者の操作によらない場合には、点火が行われないので安全である。
(2)点火を行っても安全であることが確認されてから点火が行われる。一方、点火を行っても安全であることが確認されない場合には、点火が行われないので安全である。
(3)スイッチがオンかオフかの確認と、安全確認とを平行して行うことができるので、スイッチがオンにされてから点火が行われるまでの時間を短縮することができる。
【0009】
上記の燃焼装置において、スイッチがオンされてから点火が開始されるまでの間、点火を開始しても安全であることの確認とスイッチのオン・オフを判別している状態であることを報知する報知手段が付加されていることが好ましい(請求項2)。
このように構成されていると、使用者は、スイッチをオンにしてから直ちに点火が行われずに燃焼が開始されなくても、燃焼装置が故障しているのではなく、安全確認を行っていることを認識することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の燃焼装置をガス温風暖房機10に適用した第1実施形態を図1〜図6を参照しながら説明する。
図1、図2に示されているように、ガス温風暖房機10の外郭は、金属板や樹脂等から製作されているケーシング12によって形成されている。図2に示されているように、ガス温風暖房機10の背面側には、室内の空気を取入れる室内空気取入口14と、燃焼用の空気を吸い込む燃焼空気取入口16が開口されている。室内空気取入口14と燃焼空気取入口16は、ケーシング12に着脱自在に装着された防塵用のフィルタ19によって覆われている。ガス温風暖房機10には、背面下部に接続されているガスホース22と図示しない電気コードを経由してガスと電力が供給されている。
ガス温風暖房機10の前面側下部には、図1に示されているように、温風を吹き出す温風吹出口15が開口されている。また、ガス温風暖房機10の上面には、操作パネル17が設けられている。操作パネル17には、ガス温風暖房機10を操作するための表示器や複数のスイッチが装着されている(これらの表示器やスイッチ等については、後述にて詳述する)。
【0015】
ガス温風暖房機10の構成について説明する。図3に示されているように、室内空気取入口14と温風吹出口15は、送風ダクト32によって連通されている。電動モータ36によって回転駆動されるラインフロータイプの送風ファン34が、温風吹出口15の上流に装着されている(室内空気取入口14側を上流、温風吹出口15側を下流とする)。電動モータ36には、その回転数を検知する回転数センサ35が取り付けられている。室温を検知するサーミスタタイプの室温センサ51が、室内空気取入口14の直下流に装着されている。
【0016】
送風ファン34の上流側には、バーナ39が設けられている。バーナ39は、燃焼胴38と、その内部に取り付けられている多数の貫通穴が形成されている燃焼プレート37と、燃焼プレート37の上流側に配置されているカバー31から構成されている。燃焼プレート37の近傍には、燃焼炎の有無を検知するための熱電対43と、空気とガスとの混合気に点火するための点火電極42が装着されている。なお、電動モータ36、回転数センサ35、室温センサ51、点火電極42は、後述にて詳細に説明するコントローラ62と電気的に接続されている。
ダクト44は、燃焼空気取入口16とバーナ39の燃焼胴38とを連通させているとともに、その途中に縮径部44aが形成されている。
【0017】
ガスホース22の下流に装着されているガス供給管46には、上流側から順に2つの電磁開閉弁(47、48)、電磁比例弁49が装着されている。電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49は、コントローラ62に接続されている。電磁開閉弁(47、48)はソレノイドを内蔵した開閉弁であり、通電されると開いてガスを流通させ、通電が停止されると閉じてガスの流通を閉止する。電磁比例弁49は、通電電流が増大するのにともなって開度が大きくなるタイプの比例弁であり、通電電流とガス流通量が比例する特性を有している。
ガス供給管46の先端に形成されているノズル46aは、ダクト44の縮径部44aに挿入されて固定されている。
【0018】
操作パネル17は、運転スイッチ54、室温設定スイッチ55、液晶表示器56を備えている。運転スイッチ54、室温設定スイッチ55、液晶表示器56はコントローラ62に接続されている。運転スイッチ54は自動復帰式であり、使用者が押し込むとオンになり、押し込んでいた力を抜くと元の位置に戻ってオフになる。室温設定スイッチ55は、ガス温風暖房機10が暖房する室内温度を設定するためのスイッチであり、1℃きざみで温度設定が可能とされている。液晶パネル56には、室温設定スイッチ55が設定した温度や、ガス温風暖房機10の運転状況等の情報が表示される。
【0019】
図4に示されているコントローラ62は、内蔵したCPU、メモリ等によって入力された信号を所定の制御プログラムに従って処理し、制御信号を出力するディジタル式の制御器である。コントローラ62は、燃焼制御部62a、ファン制御部62b、安全確認/タイマー部62cを内蔵している。燃焼制御部62a、ファン制御部62b、安全確認/タイマー部62cは、相互に通信してその内部処理に必要な情報を伝達している。コントローラ62には、運転スイッチ54、室温設定スイッチ55、室温センサ51、回転数センサ35、熱電対43からの信号が入力され、電磁開閉弁(47、48)、電磁比例弁49、点火電極42、電動モータ36へ制御信号が出力される。
コントローラ62の燃焼制御部62aは、運転スイッチ54と室温設定スイッチ55からの指示信号、室温センサ51と熱電対43からの検出信号に基づいて電磁開閉弁(47、48)、電磁比例弁49、点火電極42を制御することにより、バーナ39の燃焼制御を行う。ファン制御部62bは、運転スイッチ54と室温設定スイッチ55からの指示信号、室温センサ51と熱電対43と回転数センサ35からの検出信号に基づいて電動モータ36の回転数を制御する。
安全確認/タイマー部62cは、点火が開始される前に送風ファン34や熱電対43の機能をチエックする安全確認と、運転スイッチがオフにされるタイミングとタイマーの時間との関係から運転スイッチ54のオンが使用者によるものか否かの判別を行う。
【0020】
ガス温風暖房機10の運転スイッチ54が操作されてから点火開始まで、あるいは異常が検知されて点火が開始されない場合の動作を、図5のフローチャートを用いて説明する。
運転スイッチ54がオンにされると(S14)、図5に示されているように、その信号をコントローラ62が受信し、安全確認/タイマー部62cによって電動モータ36の起動と熱電対の出力チェックが実行されることにより安全確認がスタートされる(S18)。電動モータ36の起動チェックは、電動モータ36に動作信号を送信し、回転数センサ35が検知した電動モータ36の回転数が所定値以上であることを確認することにより行われる。この電動モータ36の起動チェックは、点火が開始される前に送風ダクト32内を換気して、万が一のガスの滞留を防止するパージ運転と兼行で行われる。熱電対43の出力チェックは、熱電対43の出力電圧が燃焼開始前に想定される燃焼胴38内の温度に対応した所定範囲内であることを確認することにより行われる。
なお、この安全確認は、燃焼制御部62aやファン制御部62bや安全確認/タイマー部62cに模擬的な信号を入力し、処理された結果の出力信号が所定のものであることをチェックすることにより、これらの機能が正常であることを確認するようにしてもよい。
【0021】
続くS22においては、安全確認が終了したか否かが判別される。安全確認が終了していない場合(NOの場合)には、安全確認終了まで待機する。安全確認が終了している場合(YESの場合)には、引き続くS26に移行する。
S26においては、運転スイッチ54の操作が使用者によるものか否かを判別するタイマーがスタートされ、引き続くS30において、運転スイッチ54がオンかオフかが判別される。運転スイッチ54がオンの場合(NOの場合)には、S34に移行してタイマーのスタートから15秒経過したか否かが判別される。
【0022】
S34で15秒経過していないと判別された場合(NOの場合)には、S30の前の処理に戻る。使用者が運転スイッチ54を押し込んでオンにしてから、押し込む力を抜いてオフにするまでの時間は短時間である。よって、S34において運転スイッチ54が15秒経過後にもオンであると判別された場合には、使用者の操作によるオンではなく、運転スイッチ54の上に物が載ってオンにされているか、電気的なショートが発生していると判断できる。従って、S34で15秒経過後にスイッチがオンであると判別された場合(YESの場合)には、S38に移行して操作パネル17の液晶表示器57に異常表示が行われる。なお、異常表示を行わずに、通常停止状態に戻るように構成することもできる。
使用者の操作による運転スイッチ54のオンでないと判断された場合でも、このことがコントローラ62のメモリにエラー履歴として記憶されないように構成することもできる。これは、使用者が運転スイッチ54を押し続ける誤操作を行う可能性があるので、誤操作によって本来残しておくべきエラー履歴が上書きされて消えてしまうのを防止するためである。
【0023】
S30において運転スイッチ54がオフと判別された場合には、S42で点火電極42がスパークを発生させ、S46で電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49が開かれることにより、ガスと空気の混合気に点火されて燃焼運転が開始される。なお、S30で運転スイッチ54がオフと判別された場合でも、S42とS46の作動を直に行わず、タイマーのスタートから15秒経過してから行うように構成することもできる。
運転スイッチ54がオンにされてから点火が開始されるまでの間は、操作パネル17の液晶表示器57に「安全確認/タイマー」の表示が行われる。この表示が行われることにより、使用者は安全確認とタイマーの作動が行われていることを認識できるので、ガス温風暖房機10が故障しているのではないかとの疑念を抱いてしまい、ストレスを感じてしまうことが防止される。
【0024】
以上説明した図5のフローチャートに従って動作すると、運転スイッチ54がオフにされるタイミングによって、点火の開始時点がどのように変化するかを図6のタイミングチャートを参照しながら説明する。図6には、運転スイッチがオフにされるタイミングが異なる3つの事象(事象1、事象2、事象3)において、各事象毎に運転スイッチ54のオン/オフと点火と燃焼状態が図示されている。また、図6においては、時間は左から右に向けて経過する。
【0025】
(事象1) オンにされた運転スイッチ54は、安全確認が終了する前にオフにされる。運転スイッチ54が安全確認終了前にオフにされても、直ちに点火は開始されず、安全確認終了後に点火が開始される。
なお、燃焼運転は、電動モータ36が作動し、通電された点火電極42がスパークを発生し、電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49が開かれて燃焼胴38内にガスと空気との混合気が供給され、混合気に点火されることによって開始される。
【0026】
(事象2) 運転スイッチ54は、タイマー時間内(タイマーがスタートされてから15秒以内)にオフにされる。運転スイッチ54がタイマー時間内にオフにされると、運転スイッチ54がオフにされた時点から点火が開始され、燃焼運転が行われる。
【0027】
(事象3) 運転スイッチ54は、タイマー時間経過後にオフにされる。この 場合には、点火は開始されず、異常表示が行われる。よって、燃焼運転は実行されない。
【0028】
ガス温風暖房機10の燃焼運転開始後の動作について説明する。
燃焼運転中には、コントローラ62に制御されて、電動モータ36が回転され、電磁開閉弁(47、48)が開かれ、電磁比例弁49によってガス供給量が調整される。電動モータ36が回転されると、これに駆動される送風ファン34も回転し、室内空気取入口14から室内の空気が送風ダクト32内に吸い込まれ、バーナ39の周りを流れる。バーナ39の周りを空気が流れると、カバー31が設けられていることにより燃焼胴38内の圧力が負圧となり、ダクト44を経由して室内の空気が燃焼胴38内に吸い込まれる。
【0029】
電磁開閉弁(47、48)が開かれ、電磁比例弁49がガス供給量を調整すると、ガス供給管46のノズル46aからガスがダクト44内に噴出され、室内から吸い込まれた空気と混合される。混合された空気とガスは燃焼胴38内で燃焼され、温風として温風吹出口15から吹き出されて室内を暖房する。コントローラ62は、室温設定スイッチ55や室温センサ51からの入力信号に基づいて電動モータ36の回転数や電磁比例弁49の開度を調整することにより、暖房風量や暖房温度を適切に制御する。
また、コントローラ62は、熱電対42の出力値が所定電圧以下の場合には、酸欠あるいは失火によって燃焼が行われていないと判断し、電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49を閉じる消火制御が実行される。
【0030】
燃焼運転中に運転スイッチ54がオンにされると、コントローラ62に制御されて電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49が閉じられ、電動モータ36が停止されることによりガス温風暖房機10の運転は停止される。
【0031】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図7、図8を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と重複する説明は省略する。
本第2実施形態は、第1実施形態と異なり、運転スイッチ54がオンかオフかの判別が安全確認終了前に行われる。この動作を図7のフローチャートを用いて説明する。運転スイッチ54がオンにされると(S52)、S56で安全確認がスタートされ、続くS60において運転スイッチ54の操作が使用者によるものか否かの判別タイマーがスタートされる。S64では、運転スイッチ54がオンかオフかが判別される。S64で運転スイッチ54がオンと判別された場合(NOの場合)には、S66に移行してタイマーのスタートから15秒経過したか否かが判別される。S66で15秒経過していないと判別された場合(NOの場合)には、S64の前の処理に戻る。S66で15秒経過していると判別された場合(YESの場合)には、オンにされてから15秒後にも運転スイッチ54がオンであり、運転スイッチ54の上に物が載ってオンにされているか、電気的なショートが発生していると判断できる。よって、S66で15秒経過していると判断された場合(YESの場合)の場合には、S70に移行して操作パネル17の液晶表示器57に異常表示が行われる。
【0032】
S64で運転スイッチ54がオフと判別された場合(YESの場合)には、S74に移行して安全確認が終了したか否かが判別される。S74で安全確認が終了していない場合(NOの場合)には、安全確認終了まで待機する。安全確認が終了している場合(YESの場合)には、引き続くS78が行われる。S78においては、点火電極42が作動してスパークが発生され、続くS82で電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49が開かれることにより、ガスと空気の混合気に点火されて燃焼運転が開始される。
【0033】
以上説明したフローチャート(図7)に従って動作すると、運転スイッチ54がオフにされるタイミングによって、点火の開始時点がどのように変化するかを図8にタイミングチャートとして図示した、事象4〜事象6を用いて説明する。
【0034】
(事象4) オンにされた運転スイッチ54は、タイマー時間内にオフにされる。運転スイッチ54がタイマー時間内にオフにされても、直ちに点火は開始されず、安全確認終了後に開始される。
【0035】
(事象5) 運転スイッチ54は、タイマー時間が終了してから安全確認終了前までの間にオフにされる。この場合には、点火は開始されず、異常表示が行われる。よって、燃焼運転は実行されない。
【0036】
(事象6) 運転スイッチ54は、安全確認終了後にオフにされる。この場合には、上記事象5と同様に、点火は開始されず、異常表示が行われる。よって、燃焼運転は実行されない。
【0037】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図9、図10を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と重複する説明は省略する。
本第3実施形態は、運転スイッチ54がオンされると点火電極42の作動と安全確認が行われ、安全確認が終了すると点火電極42を作動させる。そして、安全確認が終了してから所定時間内に運転スイッチ54がオンかオフかを判別し、オンの場合には、電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49が閉じられたままにされる。ここで、安全確認とは、例えば、燃焼制御部62aやファン制御部62bや安全確認/タイマー部62cに模擬的な信号を入力し、処理された結果の出力信号が所定のものであることをチェックすることにより、これらの機能が正常であることを確認するようなものである。
本第3実施形態の燃焼装置の動作を、図9のフローチャートを参照しながら説明する。運転スイッチ54がオンされると(S110)、S118で安全確認がスタートされ、引き続くS120で点火電極42が作動される。すなわち、運転スイッチ54がオンされると、安全確認のスタートと点火電極42の作動が行われる。続くS122では、安全確認が終了したか否かが判別され、安全確認が終了していない場合(NOの場合)には、その終了まで待機する。安全確認が終了している場合(YESの場合)には、S128に移行する。
【0038】
S128においては、運転スイッチ54の操作が使用者によるものか否かの判別タイマーがスタートされ、S130に移行する。S130では、運転スイッチ54がオンかオフかが判別される。S130で運転スイッチ54がオンと判別された場合(NOの場合)には、S134に移行してタイマーのスタートから15秒経過したか否かが判別される。S134で15秒経過していないと判別された場合(NOの場合)には、S130の前の処理に戻る。S134で15秒経過していると判別された場合(YESの場合)には、S138に移行して操作パネル17の液晶表示器57に異常表示が行われる。
S130で運転スイッチ54がオフと判別された場合(YESの場合)には、S146で電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49が開かれ、ガスと空気の混合気がバーナ39に供給される。既に、S120において点火電極42が作動してスパークが発生しているので、ガスと空気の混合気に点火が行われて燃焼運転が開始される。
なお、運転スイッチ54がオンされてから電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49が開かれるまでの間は、操作パネル17の液晶表示器57に「安全確認/タイマー」の表示が行われる。
【0039】
以上説明したフローチャート(図9)に従って動作すると、運転スイッチ54がオフにされるタイミングによって、点火の開始時点がどのように変化するかを図10にタイミングチャートとして図示した事象7〜事象9を用いて説明する。
【0040】
(事象7) オンにされた運転スイッチ54は、安全確認終了前にオフにされる。点火電極42は運転スイッチがオンにされると作動を開始する。この場合には、安全確認が終了した時点で電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49が開かれ、点火電極42が発生しているスパークがガスと空気の混合気に点火して燃焼運転が開始される。
【0041】
(事象8) 運転スイッチ54は、タイマー時間内にオフにされる。この場合には、運転スイッチ54がオフにされた時点で電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49が開かれ、燃焼運転が開始される。
【0042】
(事象9) 運転スイッチ54は、タイマー時間経過後にオフにされる。この場合には、電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49は開かれない。よって、燃焼運転は行われない。
【0043】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
従って、例えば以下に記載するように構成することもできる。
【0044】
(1)点火電極42作動前、あるいは電磁開閉弁(47、48)と電磁比例弁49が開かれていないことの報知は、必ずしも表示に限られるものではない。例えば、メロディや音声によるものであってもよい。
【0045】
(2)運転スイッチのオンで安全確認と運転スイッチがオンかオフかを確認するタイマーが開始され、安全確認終了後の運転スイッチがオンにされてから所定時間内に運転スイッチのオンかオフかの確認が行われるように構成してもよい。
このように構成されていると、安全確認とスイッチがオンかオフかの確認とを平行して行うことができるので、スイッチがオンにされてから点火動作開始までの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガス温風暖房機の前面側の斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るガス温風暖房機の背面側の斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態に係るガス温風暖房機の内部模式図。
【図4】本発明の第1実施形態に係るコントローラの内部構成と、コントローラと他の構成部品との接続状態を示す模式図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る運転スイッチがオンにされてから点火動作が開始されるまでのフローチャート。
【図6】本発明の第1実施形態に係る運転スイッチがオンにされてから点火動作が開始されるまでのタイミングチャート。
【図7】本発明の第2実施形態に係る運転スイッチがオンにされてから点火動作が開始されるまでのフローチャート。
【図8】本発明の第2実施形態に係る運転スイッチがオンにされてから点火動作が開始されるまでのタイミングチャート。
【図9】本発明の第3実施形態に係る運転スイッチがオンにされてから点火動作が開始されるまでのフローチャート。
【図10】本発明の第3実施形態に係る運転スイッチがオンにされてから点火動作が開始されるまでのタイミングチャート。
【符号の説明】
10:ガス温風暖房機
12:ケーシング
14:室内空気取入口
15:温風吹出口
16:燃焼空気取入口
17:操作パネル
19:フィルタ
22:ガスホース
31:カバー
32:送風ダクト
34:送風ファン
35:回転数センサ
36:電動モータ
37:燃焼プレート
38:燃焼胴
39:バーナ
42:点火電極
43:熱電対
44:ダクト、44a:縮径部
46:ガス供給管、46a:ノズル
47、48:電磁開閉弁
49:電磁比例弁
51:室温センサ
54:運転スイッチ
55:室温設定スイッチ
56:液晶表示器
62:コントローラ、62a:燃焼制御部、62b:ファン制御部、62c:安全確認/タイマー部
Claims (2)
- バーナと、そのバーナに点火する点火手段と、その点火手段を制御する制御手段と、その制御手段に接続された自動復帰式のスイッチと、点火を開始しても安全であることを確認する確認手段と、送風ファンと、その送風ファンを駆動させるモータを備えており、
確認手段はスイッチがオンされると、少なくともモータを駆動させてモータの回転数が所定値以上であることを確認する作動を開始し、制御手段はスイッチがオンされてから所定時間後で確認手段による確認作業の終了前にスイッチのオン・オフを判別し、スイッチがオンの場合には確認手段による確認作業が終了しても点火手段を動作させず、オフの場合には確認手段による確認作業の終了時に点火手段を動作させ、確認手段による確認作業で安全性が確認されないときにはスイッチのオン・オフによらず点火手段を動作させないことを特徴とするガス温風暖房機。 - スイッチがオンされてから点火が開始されるまでの間、点火を開始しても安全であることの確認とスイッチのオン・オフを判別している状態であることを報知する報知手段がさらに付加されていることを特徴とする請求項1に記載のガス温風暖房機。
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