JP3722977B2 - 燃焼式温風暖房機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス温風暖房機等の燃焼式温風暖房機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス温風暖房機等、室内に配置する本体ケース内に燃焼器を収容すると共に、該本体ケースに設けた送風ファンにより室内空気を本体ケース内に吸引しつつ燃焼器の燃焼熱によって加熱してなる温風を室内に吹き出す燃焼式温風暖房機にあっては、室温センサを用いて室温を検出し、その検出室温が使用者などにより設定される設定室温に略一致するように温調制御運転を行うようにしたものが一般に知られている。このような燃焼式温風暖房機では、前記温調制御運転は、燃焼器の燃焼量や送風ファンの風量を制御し、さらに、その燃焼量や風量の制御だけでは室温が設定室温よりも上昇してしまう場合には燃焼器の消火・再点火を断続的に繰り返す(燃焼器の消火・再点火を自動的に繰り返す)ようにして行われるものがある。
【0003】
この種の燃焼式温風暖房機では、燃焼器の燃焼運転中に異常失火すると、該失火が異常失火検出手段により検出されて前記燃焼器が停止せしめられるようになっている。また、燃焼器の燃焼を早期に安定化して失火を未然に防止するために、燃焼器の燃焼運転の開始初期においては、点火時から第1の所定期間(例えば10秒間)は、燃焼器をその最大燃焼量で燃焼せしめる定量燃焼運転を行うようにしている。この場合、上記第1の所定期間は、燃焼器の種々の動作環境、あるいは燃料の種類もしくは燃料成分のばらつきによらずに確実に燃焼器の燃焼を安定化することができるように定められる。そして、このような定量燃焼運転は、温風暖房機の運転スイッチの投入に応じた点火時(暖房運転の開始時)だけでなく、前記温調制御における燃焼器の再点火時(燃焼運転の再開の際)にも行われている。また、温調制御による消火・再点火が頻繁に繰り返し行われると着火音等により使用者に不快感を与えるため、短い周期で消火・再点火が繰り返されないように、検出温度と設定温度との差に応じて燃焼量が決定される、所謂温調制御運転を、前記定量燃焼運転後に第2の所定時間(例えば50秒間)の間、強制的に行うようにしたものがある。つまり、このものでは、点火開始または再点火開始から、前記第1の所定時間の定量燃焼運転と、前記第2の所定時間の温調制御運転とを合わせた時間(例えば60秒間)の間、燃焼器を強制的に燃焼させる強制燃焼運転が行われることになる。
【0004】
このような従来の燃焼式温風暖房機では、温風暖房機の運転スイッチの投入に応じた点火時(暖房運転の開始時)は、一般に室温が低いため、燃焼器の上記のような強制燃焼運転を行うことで、燃焼器の燃焼を早期に安定化できるだけでなく、室温を迅速に上昇させることができる。ところが、その後の温調制御運転における燃焼器の再点火時(燃焼再開時)には、室温が既に設定室温に近い温度になっているので、その際に前記最大燃焼量の定量燃焼運転を行うと、前記所定期間内で室温が設定温度に対して過剰に上昇しやすいという問題がある。
【0005】
前記問題を解決するために、前記温調制御運転による前記燃焼器の再点火の際に前記最大燃焼量より小さい燃焼量で前記定量燃焼運転を行わしめることにより、室温の過剰な上昇を防ぐことが考えられる。
【0006】
しかしながら、前記温調制御運転による前記燃焼器の再点火時に前記定量燃焼運転の燃焼量を一律に前記最大燃焼量より小さくすると、環境条件等により前記強制燃焼運転における温調制御運転中に失火する虞れがあり、しかも該失火が前記異常失火検出手段により検出されると装置自体の機械的異常と判断されて前記燃焼器自体が停止せしめられ、前記温調制御運転を継続することができないとの不都合を生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、室温を設定温度に略一致させるための温調制御運転に際して燃焼器の消火・再点火を断続的に繰り返す燃焼式温風暖房機において、その温調制御運転による再点火後の強制燃焼運転中に失火したときにも前記燃焼器自体が停止せしめられることなく前記温調制御運転を継続することができる燃焼式温風暖房機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の燃焼式温風暖房機は、本体ケース内に収容された燃焼器と、室内空気を前記本体ケース内に吸引しつつ前記燃焼器の燃焼熱により加熱してなる温風を該本体ケースから吹き出す送風ファンと、室温を検知する室温検出手段と、室温を設定する室温設定手段と、暖房運転の作動・停止を指示して前記燃焼器の点火・消火を行う運転スイッチと、暖房運転中に前記室温検出手段により検出される検出室温を設定温度に略一致させるべく、該検出温度が前記室温設定手段により設定される室温に基づく温調消火温度を上回ったときに前記燃焼器を消火し、該検出温度が前記室温設定手段により設定される室温に基づく温調再点火温度を下回ったときに前記燃焼器を再点火する温調制御運転を行わしめ、且つ前記温調制御運転による前記燃焼器の再点火から所定時間は前記燃焼器の最大燃焼量より小さい燃焼量で前記燃焼器を燃焼させる強制燃焼運転を行わしめる燃焼制御手段と、前記燃焼器の燃焼状態を検出して該燃焼状態に応じた出力レベルの信号を出力する燃焼状態検出手段とを備える燃焼式温風暖房機であって、前記強制燃焼運転中に前記燃焼状態検出手段の出力が所定のレベル以下になったときに失火を検出して前記強制燃焼運転を停止すると共に、前記室温検出手段により検出される検出室温が前記温調再点火温度を下回ったときに前記燃焼器の再点火を行う失火処理手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
本発明の燃焼式温風暖房機によれば、前記温調制御運転による前記燃焼器の再点火から所定時間の間、強制燃焼運転が行われるが、前記強制燃焼運転では、一律に、前記燃焼器の最大燃焼量より小さい燃焼量、例えば最大燃焼量と最小燃焼量との中間の中燃焼量で燃焼が開始されるので、環境条件等により失火することがある。しかし、この失火は、前記のように環境条件による場合が多く、燃焼器を異常停止しなくともよい場合が多い。
【0010】
そこで、本発明は、前記失火処理手段を設け、前記温調制御運転による再点火際の強制燃焼運転中に該失火検出手段が前記燃焼状態検出手段の出力レベルが所定のレベル以下になったことを検出したときには、該失火処理手段はこれを前記環境条件等による失火と判断し、前記強制燃焼運転を停止すると共に、前記室温検出手段により検出される検出室温が前記温調制御運転における再点火を開始すべき温度である温調再点火温度を下回ったときに、前記温調制御運転と同様に前記燃焼器の再点火を行う。
【0011】
従って、本発明によれば、前記温調制御運転による再点火後の強制燃焼運転中に失火しても、これを装置自体の機械的異常による異常失火として燃焼器が停止されることなく、前記燃焼器に再点火して前記温調制御運転を継続することができる。
【0012】
また、本発明の燃焼式温風暖房機は、前記燃焼制御手段が、前記失火処理手段による前記燃焼器の再点火時に前記強制燃焼運転を前記燃焼器の最大燃焼量で開始することを特徴とする。
【0013】
前記失火処理手段により前記失火が検出されたときは、環境条件等による失火原因があり、前記失火処理手段が前記強制燃焼運転を停止した後、前記温調制御運転と同様にして前記燃焼器の再点火を行うときには、まだ前記失火原因が解消されていないことがある。
【0014】
そこで、本発明によれば、前記失火処理手段が前記失火を検出し、前記燃焼器を再点火した後の強制燃焼運転の際には、燃焼量を前記燃焼器の最大燃焼量として燃焼を開始することにより、前記燃焼器の燃焼を確実に安定化することができる。
【0015】
また、本発明の燃焼式温風暖房機は、前記燃焼器の燃焼運転中に前記燃焼状態検出手段の出力レベルが異常失火レベル以下になったときに異常失火を検出して前記燃焼器の運転を停止する異常失火処理手段を備え、前記所定の失火レベルは前記異常失火レベルよりも高い出力レベルであることを特徴とする。
【0016】
本発明の燃焼式温風暖房機は、前記異常失火処理手段を備えることにより、前記燃焼器の燃焼運転中に、前記異常失火を検出して前記燃焼器を停止することができる。しかし、このようにすると、前記強制燃焼運転中の前記環境条件等による失火の際にも前記異常失火処理手段が作動して、前記燃焼器の運転を停止する虞れがある。そこで、本発明によれば、前記環境条件等による失火を検出するための所定のレベルを前記異常失火レベルよりも高いレベルとすることにより、前記強制燃焼運転中には前記失火処理手段を優先的に作動させ、前記異常失火処理手段の作動による前記燃焼器の運転停止を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の温風暖房機のシステム構成図であり、図2は図1示の制御ユニットの構成を示すブロック図、図3乃至図5は図1示の温風暖房機の作動を示すフローチャートである。
【0018】
図1を参照して、本実施形態の温風暖房機は例えばガスファンヒータであり、室内に配置される本体ケース1内に、ダクト2、送風ファン3、ガスバーナ(燃焼器)4、ダクト5、ガス供給管6及び制御ユニット7(燃焼制御手段)を具備する。
【0019】
ダクト2は、温風の送風路を構成するものであり、室内空気を取り込むための吸気口8を本体ケース1の背面に開口し、本体ケース1の前面下部において温風の吹出口9を開口している。吸気口8には塵や埃等がダクト2内に流入するのを防ぐためにエアフィルタ10が着脱自在に取付けられている。吹出口9には、その開口度合いを調節する可動式ルーバ11が取付けられ、この可動式ルーバ11を駆動するためのギャドモータ12が設けられている。また、ダクト2の内部の吸気口8付近の箇所には、この吸気口8に臨んでサーミスタにより構成された室温センサ13(室温検出手段)が取付けられ、この室温センサ13は、室温に応じた信号を制御ユニット7に出力する。
【0020】
送風ファン3は、通電電流に比例して回転数が変化するファンモータ14と、吹出口9に臨んでダクト2内に配置されファンモータ14により回転駆動される回転羽根15とを有し、回転羽根15の回転により吸気口8からダクト2内に室内空気sを吸引する。そして、吸引した室内空気sをダクト2内に組み込まれたガスバーナ4の燃焼排気hと混合し、それを温風mとして吹出口9から室内に吹き出す。この送風ファン3には、その回転数を検出するホール素子等により構成された回転数センサ16が設けられ、該回転数センサ16は、ファンモータ14の回転数に応じた信号を制御ユニット7に出力する。
【0021】
ダクト2内に組み込まれたガスバーナ4は、燃焼胴17内に燃焼プレート18を配し、燃焼用空気と燃料ガスとの混合気に点火するための点火電極19を燃焼プレート18の下流側に配している。このガスバーナ4の燃焼胴17はダクト2内に配置され、その燃焼排気hが燃焼胴17からダクト2内に排出される。また、燃焼プレート18の下流側には燃焼炎の有無を検知するための熱電対20(燃焼状態検出手段)が配置され、この熱電対20は、ガスバーナ4の燃焼炎に晒された状態で起電力を発生し、それをガスバーナ4の燃焼状態として制御ユニット7に出力する。
【0022】
ダクト5は、室内空気s(燃焼用空気)と燃料ガスとをガスバーナ4に供給するための通路であり、ガスバーナ4の燃焼胴17内と連通し且つダクト2と画成して本体ケース1内に組み込まれ、本体ケース1の背面で開口した室内空気sの吸気口21を有している。そして、ダクト5のガスバーナ4側の箇所には、ガス供給管6の先端に取付けられたノズル22が設けられている。このダクト5には、送風ファン3の回転作動により吸気口21から室内空気sが吸引され、その吸引された室内空気sがガス供給管6のノズル22から噴出される燃料ガスと混合され、その混合気がガスバーナ4に供給される。尚、吸気口21は、ダクト2の吸気口8と共にエアフィルタ10により覆われている。
【0023】
ガス供給管6には、その上流側より、電磁弁24,25及び電磁比例弁26が順に配設されている。電磁弁24,25は通電により開弁するものであり、通電を停止した閉弁状態では燃料ガスの通過を遮断する。電磁比例弁26は、通電電流の大きさに伴って開度が増大する弁であり、通電電流とガスバーナ4への供給ガス量とが比例する。
【0024】
本体ケース1の外面部には運転スイッチ27、室温設定スイッチ28及びフィルタランプ29が配設されている。運転スイッチ27は、そのON/OFF操作により暖房運転の開始や終了を制御ユニット7に指示する。室温設定スイッチ28は室温を設定するための操作スイッチであり、その所定の操作により、設定温度Tを例えば1℃づつ上昇あるいは下降させて制御ユニット7に指示する。フィルタランプ29は、エアフィルタ10の目詰まりが進行している場合等、送風ファン3の回転作動時の風量が、正常な場合に比してある程度少なくなる場合に、制御ユニット7の通電制御により点灯し、その点灯によりエアフィルタ10の清掃等の必要性を使用者に報知する。
【0025】
次に、図2を参照して、制御ユニット7は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されたものであり、その主要な機能的構成を大別すると、燃焼制御部30、ファン制御部31、異常失火検出部32、強制燃焼失火検出部33、並びにタイマ34,35,36,37,38を具備する。尚、本発明の失火処理手段は強制燃焼失火検出部33と、燃焼制御部30と、ファン制御部31とから構成され、本発明の異常失火処理手段は異常失火検出部32と、燃焼制御部30と、ファン制御部31とから構成される。
【0026】
燃焼制御部30は、運転スイッチ27及び室温設定スイッチ28の指示信号、並びに室温センサ13及び熱電対20の検出信号に基づき、ガスバーナ4の点火、消火、燃焼量の調整(燃料ガスの供給量の調整)等、ガスバーナ4の燃焼制御を行う。この場合、本実施形態では、燃焼制御部30は、ガスバーナ4の点火動作時を含む燃焼運転中に、ガスバーナ4の燃焼量(燃料ガスの供給量)を1〜12速(12速は最大燃焼量に相当)の12段階に設定可能としている。
【0027】
ファン制御部31は、運転スイッチ27及び室温設定センサ28の指示信号、並びに室温センサ13、回転数センサ16及び熱電対20の検出信号に基づき、ファンモータ14を通電制御して、送風ファン3の回転数を制御することで、ガスバーナ4への燃焼用空気を含む送風ファン3の風量を制御する。そして、ファン制御部31は、ガスバーナ4の点火動作時を含む燃焼運転中は、ガスバーナ4の燃焼量に対応して送風ファン3の風量(回転数)を1〜12速(12速は最大燃焼量に対応する送風ファン3の最大回転数に相当)の12段階に設定可能としている。
【0028】
上記各速数におけるガスバーナ4の燃焼量(燃料ガスの供給量)及びそれに対応した送風ファン3の風量(回転数)は、あらかじめ定められている。そして、燃焼制御部30、ファン制御部31による制御は、その詳細を後述する所定のシーケンスに従って行われる。
【0029】
異常失火検出部32は、ガスバーナ4の点火・再点火動作時を含む燃焼運転中に、熱電対20の出力を監視し、該出力が異常失火レベル以下になったときにはガスバーナ4が異常失火したものと判断し、燃焼制御部30及びファン制御部31にガスバーナ4の異常停止を指示する。
【0030】
強制燃焼失火検出部33は、温調制御運転による再点火に対応するガスバーナ4の強制燃焼運転中に、熱電対20の出力を監視し、該出力が所定の強制燃焼失火レベル以下になったときにはガスバーナ4が失火したものと判断し、燃焼制御部30及びファン制御部31にガスバーナ4の停止と、温調制御運転による再点火とを指示する。前記強制燃焼失火レベルは前記異常失火レベルより高い値に設定されているので、強制燃焼失火検出部33は、前記強制燃焼運転中には異常失火検出部32に優先して作動することができる。
【0031】
タイマ34は、ガスバーナ4の燃焼運転開始に先立つプリパージにおいて、燃焼制御部30及びファン制御部31が、回転数センサ16の出力に基づき、送風ファン3の回転が最低回転レベル以上あるか否かを判断するための時間(例えばプリパージの開始時から10秒)を計時する。また、タイマ34は、ガスバーナ4の点火・再点火後に所定の燃焼量で開始される強制燃焼運転を行う時間(例えば点火・再点火の開始時から10秒)を計時する。
【0032】
タイマ35は、ガスバーナ4の点火・再点火に際して、異常失火検出部32が熱電対20の出力に基づきガスバーナ4の着火・不着火を判断するための時間(例えば点火・再点火動作の開始時から30秒)を計時する。
【0033】
タイマ36は、ガスバーナ4の燃焼運転開始に先立つ初期状態において、燃焼制御部30及びファン制御部31が、熱電対20の出力に基づき、熱電対20の正常・異常を判断するための時間(例えば運転スイッチ27がONされてから50秒)を計時する。
【0034】
タイマ37は、ガスバーナ4の点火・再点火後の強制燃焼運転を行う時間(例えば60秒)を計時する。
【0035】
タイマ38は、温調制御運転による燃焼運転停止からガスバーナ4の燃焼運転再開までの時間(例えば8分)を計時する。
【0036】
以下、これらのタイマ34,35,36,37,38を、それぞれ10秒タイマ34、30秒タイマ35、50秒タイマ36、60秒タイマ37,8分タイマ38と称する。
【0037】
次に、本実施形態のガス温風暖房機の作動の第1の態様を図3及び図4を参照しつつ説明する。
【0038】
まず、図3を参照して、使用者が暖房運転を行うべく運転スイッチ27をON操作すると(STEP1)、それに応じて制御ユニット7の燃焼制御部30は、まず、温調制御運転を行っていることを識別する温調フラグと、前記温調制御運転による再点火に対応する強制燃焼運転中に失火したことを識別する失火フラグとを共にOFFにする(STEP2)。次に、燃焼制御部30は、50秒タイマ36を作動させる(STEP3)と共に、熱電対20の出力を所定の初期チェックレベル(例えば10mV)と比較する(STEP4)。そして、熱電対20の出力が前記初期チェックレベル以下にならないうちに、50秒タイマ36がタイムアップしたとき(STEP5)には、熱電対20の出力異常としてエラー停止する。一方、50秒タイマ36がタイムアップしないうちに、STEP3で熱電対20の出力が前記初期チェックレベル以下になれば、熱電対20の出力が正常であるものと判断して、STEP6に進む。
【0039】
STEP6で、ファン制御部31は送風ファン3を一定時間、所定の回転数(例えば12速相当の回転数)で作動させるようにファンモータ14を通電制御し、これによりダクト2,5内のプリパージを行う。同時に、燃焼制御部30は、10秒タイマ34を作動させ、回転数センサ16の出力に基づき、ファンモータ14の回転数が正常であるか否かを判断する(STEP7)。そして、回転数センサ16の出力により示される送風ファン3の回転が最低回転レベル(例えば6rpm)以上にならないうちに、10秒タイマ34がタイムアップしたとき(STEP8)には、送風ファン3の回転異常としてエラー停止する。一方、10秒タイマ34がタイムアップしないうちに、STEP6で送風ファン3の回転が前記最低回転レベル以上になれば、送風ファン3の回転が正常であるものと判断して、STEP9に進む。
【0040】
前記プリパージ後のSTEP9では、燃焼制御部30は、電磁弁24,25に通電してこれらを開弁せしめると共に、電磁比例弁26を通電制御して、燃料ガスが8速相当(中燃焼量)でガスバーナ4に供給されるようにし、さらに点火電極19に所定時間、火花放電を生ぜしめるよう該点火電極19を通電制御する。同時に、ファン制御部31は、前記プリパージから引き続き送風ファン3を作動させるようにファンモータ14を通電制御し、その回転数が8速相当(中回転)になるようにする。
【0041】
次に、燃焼制御部30が30秒タイマ35を作動させ(STEP10)、異常失火検出部32が熱電対20の出力を異常失火レベル(例えば14mV)と比較する(STEP11)。そして、異常失火検出部32が熱電対20の出力が前記異常失火レベル以上になったことを検出しないうちに、30秒タイマ35がタイムアップしたとき(STEP12)には、点火電極19による着火ミス(不着火)としてエラー停止する。一方、30秒タイマ35がタイムアップしないうちに、STEP11で熱電対20の出力が前記異常失火レベル以上になれば、良好に着火されたものと判断して、点火電極19に対する通電を停止(STEP13)して燃焼運転が開始され、STEP14に進む。
【0042】
STEP14では、前記温調フラグがON状態か否かが判断されるが、運転スイッチ27のON操作により点火されたときには、STEP2で前記温調フラグがOFFにされているので図4のSTEP15に進み、STEP15で燃焼制御部30及びファン制御部31が、ガスバーナ4の燃焼を早期に安定化させると共に室温を迅速に上昇せしめるために、12速相当に対応する最大燃焼量で所定時間の定量燃焼運転を行う。ここで、前記所定時間は、前記燃焼器の燃焼運転の開始初期において、前記燃焼器の種々の動作環境、あるいは燃料の種類もしくは燃料成分のばらつきによらずに確実に前記燃焼器の燃焼を早期に安定化することができる時間(例えば10秒)に定められる。
【0043】
STEP15で前記定量燃焼運転が開始されると、まず、燃焼制御部30が電磁比例弁26を通電制御して、ガスバーナ4に供給される燃料ガスが12速相当(最大燃焼量)になるようにし、同時に、ファン制御部31がファンモータ14を通電制御して、送風ファン3の回転数が12速相当(最大回転数)になるようにする。次に、燃焼制御部30は10秒タイマ34及び60秒タイマ37を作動させ(STEP16)、10秒タイマ34により前記最大燃焼量による定量燃焼運転の継続時間の計時を開始すると共に、60秒タイマ37により該定量燃焼運転と後述の第1温調制御運転との合計の継続時間の計時を開始する。
【0044】
前記定量燃焼運転中、異常失火検出部32は熱電対20の出力を異常失火レベルと比較し(STEP17)、熱電対20の出力が前記異常失火レベル以下になったことを検出すると、装置自体に何らかの機械的異常が発生し、異常失火したものと判断してエラー停止する。一方、異常失火検出部32が前記異常失火を検出しない内に10秒タイマ34がタイムアップすると(STEP18)、前記定量燃焼運転を終了し温調制御運転が開始される(STEP19)。
【0045】
このように、前記定量運転の終了後、前記温調制御運転が開始されるが、本実施形態ではガスバーナ4の消火・再点火が頻繁に繰り返し行われることを防止するため、点火・再点火開始から所定時間(例えば60秒)は温調制御運転によるにガスバーナ4の消火(燃焼の停止)を行わないようにしている。つまり、本実施形態の温調制御運転では、点火・再点火開始から前記所定時間経過するまでは室温センサ13で検出される室温tが室温設定スイッチ28で設定される設定温度Tに略一致するようにガスバーナ4の燃焼量(燃料ガスの供給量)及び送風ファン3の風量(回転数)を制御するが室温tが設定温度Tに基づく温調消火温度を上回ってもガスバーナ4の消火を行わない第1温調制御運転と、前記所定時間経過後の室温tが設定温度Tに略一致するようにガスバーナ4の燃焼量及び送風ファン3の風量を制御すると共に室温tが設定温度Tに基づく温調消火温度を上回ったときにガスバーナ4の消火を行う第2温調制御運転とを区別している。そして、前記定量燃焼運転と前記第1温調制御運転とを合わせたものが、本発明の強制燃焼運転に相当する。
【0046】
前記第1温調制御運転では、燃焼制御部30及びファン制御部31は、室温tが設定温度Tに略一致するように、ガスバーナ4の燃焼量及び送風ファン3の風量を、それぞれ12速から1速に向かって段階的に下げていくように電磁比例弁26及びファンモータ14を制御する(STEP20)。この第1温調制御運転中、異常失火検出部32は熱電対20の出力を異常失火レベルと比較し(STEP21)、熱電対20の出力が前記異常失火レベル以下になったことを検出すると、装置自体に何らかの機械的異常が発生し、異常失火したものと判断してエラー停止する。一方、異常失火検出部32が前記異常失火を検出しない内に60秒タイマ37がタイムアップすると(STEP22)、前記第1温調制御運転を終了し、第2温調制御運転に移行する。
【0047】
第2温調制御運転では、燃焼制御部30及びファン制御部31は、前記第1温調制御運転から継続して、室温tが設定温度Tに略一致するように、ガスバーナ4の燃焼量及び送風ファン3の風量を、それぞれ12速から1速に向かって段階的に下げていくように電磁比例弁26及びファンモータ14を制御している。そして、この第2温調制御運転中、異常失火検出部32は熱電対20の出力を異常失火レベルと比較し(STEP23)、熱電対20の出力が前記異常失火レベル以下になったことを検出すると、装置自体に何らかの機械的異常が発生し、異常失火したものと判断してエラー停止する。一方、異常失火検出部32が前記異常失火を検出しない内に、室温センサ13で検出される室温tが室温設定スイッチ28で設定される設定温度Tを超える所定の温調消火温度(例えばT+1℃)を上回ったときには(STEP24)、燃焼制御部30は前記電磁比例弁26及びファンモータ14を温調制御するだけでは室温が過剰に上昇する傾向にあるものと判断して、ガスバーナ4の燃焼運転を停止する(STEP25)。このとき、前記燃焼運転の停止は第2温調制御運転によるものであり、所定条件によりガスバーナ4に再点火することを前提としているので、燃焼制御部30は、温調制御運転を行っていることを識別する温調フラグをONにすると同時に8分タイマ37を作動させる。
【0048】
前記第2温調制御運転により前記燃焼運転が停止されると、続いて、燃焼制御部30が電磁比例弁26に対する通電制御を停止するとともに、電磁弁24,25に対する通電を停止して閉弁する。また、同時にファン制御部31が送風ファン3を一定時間、所定の回転数(例えば1速相当の弱回転)で作動させるようにファンモータ14を通電制御し、これによりダクト2,5内のポストパージを行い、次いでファンモータ14に対する通電を停止して送風ファン3を停止させる(STEP26)。
【0049】
前記のように燃焼運転が停止されると、室温センサ13で検出される室温tは次第に低下してくる。そこで、燃焼制御部30は室温tを監視し、8分タイマ37がタイムアップしないうちに、室温センサ13で検出される室温tが室温設定スイッチ28で設定される設定温度T(温調再点火温度)を下回ったとき(STEP27)には、図3のSTEP3に復帰する。また、室温センサ13で検出される室温tが室温設定スイッチ28で設定される設定温度Tを下回らなくとも、8分タイマ37がタイムアップしたとき(STEP28)には、図3のSTEP3に復帰する。
【0050】
この結果、STEP3〜STEP13の作動が繰り返され、ガスバーナ4に再点火される。前記第2温調制御運転により、ガスバーナ4が再点火されたときには、STEP25で温調フラグがONにされているので、STEP14では図5のSTEP29に進む。
【0051】
STEP29では、前記失火フラグがON状態か否かが判断されるが、前記温調制御運転の第1回目には、STEP2で前記失火フラグがOFFにされたままの状態であるのでSTEP30に進み、STEP30では、燃焼制御部30及びファン制御部31が最大燃焼量より小さい燃焼量で所定時間の定量燃焼運転を行う。第2温調制御運転による再点火後の定量燃焼運転は、前記のように最大燃焼量より小さい燃焼量で行うことにより、室温の過剰な上昇を避けることができる。
【0052】
STEP30で前記定量燃焼運転が開始されると、まず、燃焼制御部30が電磁比例弁26を通電制御して、燃料ガスが8速相当(中燃焼量)でガスバーナ4に供給されるようにし、同時に、ファン制御部31がファンモータ14を通電制御して、送風ファン3の回転数が8速相当(中回転数)になるようにする。
【0053】
次に、燃焼制御部30が10秒タイマ34及び60秒タイマ37を作動させ(STEP31)、10秒タイマ34により前記中燃焼量による定量燃焼運転の継続時間の計時を開始すると共に、60秒タイマ37により該定量燃焼運転とこれに続く第1温調制御運転との合計の継続時間、すなわち本発明の強制燃焼運転の継続時間の計時を開始する。
【0054】
前記定量燃焼運転中、強制燃焼失火検出部33は熱電対20の出力を強制燃焼失火レベル(例えば18mV)と比較し(STEP32)、熱電対20の出力が前記強制燃焼失火レベル以下になったことを検出すると、装置自体の機械的異常によらず、環境条件等による失火であると判断する。また、強制燃焼失火検出部33が前記失火を検出しない内に10秒タイマ36がタイムアップすると(STEP33)、前記定量燃焼運転を終了し温調制御運転が開始される(STEP34)。
【0055】
本実施形態の温調制御運転では、前記のように第1温調制御運転と、第2温調制御運転とを区別しているので、STEP34で温調制御運転が開始されると、まず、前記第1温調制御運転が行われる。
【0056】
前記再点火後の第1温調制御運転では、燃焼制御部30及びファン制御部31は、室温tが設定温度Tに略一致するように、ガスバーナ4の燃焼量及び送風ファン3の風量を、それぞれ8速から1速に向かって段階的に下げていくように電磁比例弁26及びファンモータ14を制御する(STEP35)。この第1温調制御運転中、強制燃焼失火検出部33は熱電対20の出力を強制燃焼失火レベルと比較し(STEP36)、熱電対20の出力が前記強制燃焼失火レベル以下になったことを検出すると、装置自体の機械的異常によらず、環境条件等による失火であると判断する。また、強制燃焼失火検出部33が前記失火を検出しない内に60秒タイマ37がタイムアップすると(STEP37)、前記第1温調制御運転を終了して第2温調制御運転に移行し、図4のSTEP23〜28の作動が繰り返される。
【0057】
前記STEP32またはSTEP36で前記失火が生じるときに、前記熱電対20の出力は正常な燃焼状態から次第に低下するが、本実施形態では、前記強制燃焼失火レベルは前記異常失火レベルより高い出力レベルに設定されているので、まず前記強制燃焼失火レベルに達して、強制燃焼失火検出部32が優先的に作動する。
【0058】
前記STEP32またはSTEP36で強制燃焼失火検出部33により前記強制燃焼失火が検出された場合には、燃焼制御手段30が失火フラグをONにして(STEP38)、図4のSTEP25に進む。この結果、STEP25〜STEP28で第2温調制御運転による燃焼停止動作が行われたのち、図3のSTEP3に復帰し、STEP3〜STEP13の作動が繰り返されガスバーナ4に再点火される。この再点火時には、温調フラグがONになっているのでSTEP14では図5のSTEP29に進み、STEP29では、STEP38で失火フラグがONにされているので、これをOFFにして(STEP39)、図4のSTEP15に進む。この場合、前回の強制燃焼運転で強制燃焼失火が検出されており、その失火原因が未だに解消されていないことがあるので、STEP15で燃焼制御部30及びファン制御部31が12速相当に対応する最大燃焼量で所定時間の定量燃焼運転を行う。そして、STEP16〜STEP28の作動が繰り返される。
【0059】
前記最大燃焼量の定量燃焼運転を行ったのち、第2温調制御運転による再点火が行われた場合は、前記STEP39で失火フラグがOFFにされているので、図5のSTEP29で再びSTEP30に進み、中燃焼量による定量燃焼運転を行うことにより該強制燃焼運転による室温の過剰な上昇を避けることができる。
【0060】
また、前記STEP32またはSTEP36で強制燃焼失火検出部33により前記強制燃焼失火が検出されたときに、その失火原因が装置の異常である場合には、図4のSTEP25〜STEP28の第2温調制御運転による燃焼停止動作後、図3のSTEP3〜STEP13でガスバーナ4に再点火する際に、STEP11〜12で着火が確認されず、エラー停止する。
【0061】
尚、本実施形態では、前記強制燃焼失火が検出された場合にその後の再点火時に最大燃焼量で定量燃焼運転を行うようにしているが、該再点火時にもstep29〜33のように中燃焼量で定量燃焼運転を行うようにしてもよい。この場合には、step38を省略し、失火フラグをONしない。また、前記強制燃焼失火が検出された場合には、それ以後の再点火時に常に最大燃焼量で定量燃焼運転を行なうようにしてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、定量燃焼運転及び第1温調制御運転を強制燃焼運転とするものを示したが、定量燃焼運転のみを強制燃焼運転としてもよい。この場合、温調制御運転は第1温調制御運転と第2温調制御運転との区別がなくなり、本実施形態の第2温調制御運転の態様のみが温調制御運転として行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の温風暖房機のシステム構成図。
【図2】図1示の制御ユニットの構成を示すブロック図。
【図3】図1示の温風暖房機の作動を示すフローチャート。
【図4】図1示の温風暖房機の作動を示すフローチャート。
【図5】図1示の温風暖房機の作動を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…本体ケース、 3…送風ファン、 4…燃焼器、 7…燃焼制御手段、13…室温検出手段、 20…燃焼状態検出手段、 27…運転スイッチ、28…室温設定手段、 30,31,32…異常失火処理手段、 30,31,33…失火処理手段。
Claims (3)
- 本体ケース内に収容された燃焼器と、室内空気を前記本体ケース内に吸引しつつ前記燃焼器の燃焼熱により加熱してなる温風を該本体ケースから吹き出す送風ファンと、室温を検知する室温検出手段と、室温を設定する室温設定手段と、暖房運転の作動・停止を指示して前記燃焼器の点火・消火を行う運転スイッチと、暖房運転中に前記室温検出手段により検出される検出室温を設定温度に略一致させるべく、該検出温度が前記室温設定手段により設定される室温に基づく温調消火温度を上回ったときに前記燃焼器を消火し、該検出温度が前記室温設定手段により設定される室温に基づく温調再点火温度を下回ったときに前記燃焼器を再点火する温調制御運転を行わしめ、且つ前記温調制御運転による前記燃焼器の再点火から所定時間は前記燃焼器の最大燃焼量より小さい燃焼量で前記燃焼器を燃焼させる強制燃焼運転を行わしめる燃焼制御手段と、前記燃焼器の燃焼状態を検出して該燃焼状態に応じた出力レベルの信号を出力する燃焼状態検出手段とを備える燃焼式温風暖房機であって、
前記強制燃焼運転中に前記燃焼状態検出手段の出力が所定のレベル以下になったときに失火を検出して前記強制燃焼運転を停止すると共に、前記室温検出手段により検出される検出室温が前記温調再点火温度を下回ったときに前記燃焼器の再点火を行う失火処理手段を設けたことを特徴とする燃焼式温風暖房機。 - 前記燃焼制御手段は、前記失火処理手段による前記燃焼器の再点火時に前記強制燃焼運転を前記燃焼器の最大燃焼量で開始することを特徴とする請求項1記載の燃焼式温風暖房機。
- 前記燃焼器の燃焼運転中に前記燃焼状態検出手段の出力レベルが異常失火レベル以下になったときに異常失火を検出して前記燃焼器の運転を停止する異常失火処理手段を備え、前記所定の失火レベルは前記異常失火レベルよりも高い出力レベルであることを特徴とする請求項1または2記載の燃焼式温風暖房機。
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